JP4025206B2 - バイオマスガスタービンの制御装置 - Google Patents

バイオマスガスタービンの制御装置 Download PDF

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  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイオマス(生物資源)を燃料とするガスタービンプラントを制御するバイオマスガスタービンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、限られた地球資源を有効活用するために循環型経済システムの実現が必要とされており、再生可能エネルギーの使用が強く求められている。木屑等のバイオマスのエネルギー利用は化石燃料(天然ガス等のガス燃料や灯油等の液体燃料)の消費を抑制する有効な手段である。
【0003】
バイオマスの燃焼ガスでタービンを回す直接燃焼ガスタービンが研究されている。バイオマスガスタービン及びその制御装置としては、ガスタービンの燃料供給のためのバイオマス燃焼装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この装置はガスタービンに燃料を供給するためにバイオマス粒子を燃焼させるための装置で、燃焼室にバイオマス粒子を給送する給送する給送装置を備え、タービン速度制御装置、タービン入口温度制御装置、暖機燃料バルブ制御装置、解放バルブ制御装置を含み、解放バルブ制御装置は圧縮機吐出空気を解放することにより圧力の高められた燃焼室を減圧する解放バルブを制御するものであり、タービン入口温度制御装置はバイオマスの給送を制御するものであり、バイオマスの燃焼によって自立運転が開始されるまでは起動装置により回転を維持するというものである。
【0005】
【特許文献1】
特表平7−508816号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このバイオマス燃焼装置は、ガスタービンを暖機したのち化石燃料の使い方について考慮されていない。すなわち、ガスタービン速度上昇の過程および発電機出力上昇の過程で、要求燃料流量をバイオマス燃料と化石燃料で分担させることが必要なバイオマスガスタービンに対しては実用上の困難がある。また、タービン入口温度制御装置および解放バルブ制御装置についても、バイオマス燃料流量の制御と解放バルブの制御の関係に関して制御上の考慮がされていないので実用上の困難がある。また、バイオマス燃料の給送についても、給送するための空気圧力の制御の必要性について考慮されていない。
【0007】
本発明の目的は、バイオマス燃料と化石燃料とを併用してガスタービン起動と発電機出力上昇を行うことができるバイオマスガスタービンの制御装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のバイオマスガスタービンの制御装置は、バイオマス燃料と化石燃料を併用してガスタービン起動と発電機出力上昇を行うために、タービン速度負荷設定あるいは発電機出力要求をバイオマス燃料と化石燃料への要求に分配する手段を備えたものである。そして、バイオマス燃料を使用したガスタービン速度フィードバック制御と化石燃料を使用したガスタービン速度フィードバック制御とを併用する手段を備えている。
【0009】
また、バイオマス燃料と化石燃料とのいずれか一方で発電機出力あるいはガスタービン速度のフィードバック制御を行い、残りの一方は発電機出力要求あるいはタービン速度負荷設定に基づき燃料流量指令を決める手段を備え、ガスタービン起動過程で加速制御を化石燃料で行いながらバイオマス燃料を加速中に供給する手段を備えている。さらに、ガスタービン起動過程で着火、暖機を化石燃料で行い、バイオマス燃料で加速制御を行う手段を備えている。
【0010】
また、燃焼器内の燃焼ガス温度、サイクロンセパレータ内の燃焼ガス温度またはタービン入口ガス温度、ガスタービン排ガス温度のいずれかがそれぞれの所定設定値を超えたときには、バイオマス燃料と化石燃料のいずれか、あるいは双方の燃料流量を減少させるとともに、燃焼ガスの一部をバイパス制御弁により排出する手段を備えて、燃焼器の器内圧力を下げて燃焼速度を抑制するとともに、バイパス制御弁が復旧できるようにしている。
【0011】
さらに、バイオマス燃料搬送空気圧力と空気圧縮機吐出空気圧力の圧力差の大きさに応じてバイオマス燃料流量指令を修正する手段を備えて、所望のバイオマス燃料流量を燃焼器に供給できるようにしている。また、バイオマス燃料搬送空気圧力が空気圧縮機吐出空気圧力より高くなるように搬送管の圧力制御弁を制御する手段を備えている。
【0012】
また、発電機負荷が急減または喪失したとき、バイオマス燃料流量と化石燃料流量に基づく換算出力の和と所定設定値の差に応じた開度までバイパス制御弁を開いて燃焼ガスの一部を排出する手段を備えて、ガスタービン過速度を防止するとともに、燃焼器の器内圧力を下げて燃焼速度を抑制するようにしている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明のバイオマスガスタービンの制御装置が適用されるバイオマスガスタービンプラントの系統図であり、図2は本発明のバイオマスガスタービンの制御装置の入出力信号の説明図である。
【0014】
起動モータ1はトルクコンバータ2を介してガスタービン軸に動力を伝達し空気圧縮機4、タービン5および発電機6を回転させる。空気圧縮機4は空気を吸い込み高圧圧縮空気を出口空気配管11に吐出する。圧力検出器7は、その吐出空気圧力信号PCを図2のバイオマスガスタービン制御装置50に送る。圧縮機吐出空気は空気配管12および空気配管25に分かれて送られる。モータ13は圧縮機14を駆動し、圧縮機14は空気配管12の高圧空気を更に圧縮し、圧縮機4の吐出空気圧力より高い圧力にして、空気配管15に送り出す。圧縮機14の吐出空気は、バイオマスガスタービン制御装置50の制御信号PCRにより制御される圧力制御弁16により圧力調整されて搬送配管17を通り燃焼器19に供給される。
【0015】
燃料容器20には図示しない外部から供給された木屑などのバイオマス燃料が貯えられており、そのバイオマス燃料はバイオマスガスタービン制御装置50の制御信号FSRMにより制御されるモータ21により回転伝達軸22を介してコンベヤ23によりバイオマス燃料供給管24より搬送管17に供給され、バイオマス燃料として燃焼器19に供給される。また燃焼器19には燃料噴射ノズル33を介して燃料配管32より天然ガスや灯油などのガス燃料や液体燃料が供給される。ここでは燃料配管32より供給されるそれら燃料をまとめて化石燃料と表現されている。
【0016】
図1の構成は一般には液体燃料の場合における構成で、燃料配管29より供給された燃料は燃料ポンプ30により昇圧される。昇圧された燃料の一部は、バイオマスガスタービン制御装置50の制御信号FSRFにより制御される燃料制御弁31の弁開度に応じて、燃料ポンプ30の入口側に還流される。残りの燃料が燃料配管32および燃料噴射ノズル33より燃焼器19に供給される。バイオマス燃料および化石燃料は燃焼器19で燃焼し高温高圧の燃焼ガスとなって燃焼ガス配管34を通りサイクロンセパレータ36に入る。
【0017】
燃焼器19のバイオマス燃焼用空気は、空気配管11より分岐した空気配管25と空気配管26を通って、図1に図示のように例えば3本の供給管に分かれて燃焼器に供給される。3本の供給管から送給された燃焼用空気は燃焼器内で旋回流を形成し木屑などのバイオマス燃料は旋回しながら時間遅れをもって燃焼する。空気配管25より分岐した空気配管27から送られた高圧空気は調節弁28を経由して、燃焼ガスの希釈用空気として燃焼器19に供給される。
【0018】
温度検出器35は燃焼器内の燃焼ガス温度を検出しバイオマスガスタービン制御装置50に燃焼ガス温度信号TF1を送る。サイクロンセパレータ36では灰分が分離されて排出弁37によりサイクロンセパレータ外部に排出される。サイクロンセパレータ36で灰分を除去された燃焼ガスは燃焼ガス配管38、燃焼ガス配管40を通ってタービン5に送給される。燃焼ガス温度検出器39はサイクロンセパレータ36の燃焼ガス温度またはタービン入口ガス温度を検出する温度検出器で、便宜上、サイクロンセパレータ36内に図示されている。燃焼ガス温度信号TF2をバイオマスガスタービン制御装置50に送る。バイパス制御弁41は常時は閉じていて、バイオマスガスタービン制御装置50の制御信号BPRにより制御されて開き、燃焼ガス配管38の燃焼ガスの一部をバイパス制御弁41の弁開度に応じて外部に排出することができる。
【0019】
タービン5に送給された燃焼ガスは、タービン5で仕事をして圧縮機4および発電機6を駆動し、排ガスとなって煙突42へ送られ大気中に排出される。発電機6は図示しない減速機を介してタービン5より駆動されてもよい。温度検出器10はガスタービン排ガス温度を検出する温度検出器でバイオマスガスタービン制御装置50に排ガス温度信号TXを送る。発電機出力検出器9は発電機6の発電機出力を検出し、バイオマスガスタービン制御装置50に発電機出力信号MWを送る。
【0020】
(第1の実施の形態)(請求項1,2対応)
図3は本発明の第1の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置50のブロック構成図である。発電機出力要求すなわち発電機出力設定値MWDが与えられて、発電機出力設定値MWDと発電機出力MWの制御偏差が加減算器51で演算される。制御偏差はその大きさに応じて高低制限器52により制限されて速度負荷設定器53の入力となる。速度負荷設定器53は積分器であり、速度負荷設定値NRを与える。速度負荷設定値NRは制御偏差の極性に応じ、高低制限器52の高低制限値から決まる変化率で増加あるいは減少する。
【0021】
分配器54は関数発生器であり、共通の速度負荷設定値NRから化石燃料による速度制御回路の速度負荷設定値NR1を出力する。分配器62も関数発生器であり、共通の速度負荷設定値NRからバイオマス燃料による速度負荷制御回路の速度負荷設定値NR2を出力する。
【0022】
速度負荷設定NR1とガスタービン速度Nの偏差が加減算器55で演算される。この偏差信号が比例制御器56に通されて得られた信号とバイアス設定器58のバイアス信号が加減算器57で加算されて速度負荷制御信号FSRN1を得る。そして、この速度負荷制御信号FSRN1と、起動制御回路60が与える起動制御信号FSRS1と、加速制御回路61が与える加速制御信号FSRA1とが低値選択器59に入力される。低値選択器59はこれら3入力のうち最も小さい信号を選択して燃料流量指令FSRFとする。この燃料流量指令FSRFは、図示しない回路を介して燃料制御弁31を制御し、燃料流量指令FSRFに対応する所望の燃料流量を燃焼器19に供給する。
【0023】
一方の速度負荷設定値NR2も、ガスタービン速度Nとの偏差が加減算器63で演算される。この偏差信号が比例制御器64に通されて得られた信号とバイアス設定器66のバイアス信号が加減算器65で加算されて速度負荷制御信号FSRN2を得る。この速度負荷制御信号FSRN2がバイオマス燃料の流量指令にあたることから、便宜上、バイオマス燃料流量指令FSRBと呼ぶこととする。バイオマス燃料流量指令FSRBは変換器67によりモータ21の制御指令FSRMに変換されて、バイオマス燃料流量指令FSRBに対応するバイオマス燃料流量を燃焼器19に供給する。
【0024】
次に、通常時の動作を説明する。ガスタービン起動開始には化石燃料が適用される。すなわち、ガスタービン起動過程の間はバイオマス燃料流量指令FSRBは零に保たれる。ガスタービン起動の開始時にはガスタービン速度負荷設定値NRは定格速度100%が初期値として設定されている。そして化石燃料に適用される分配器54により与えられる速度負荷設定値NR1およびバイオマス燃料に適用される分配器62により与えられる速度負荷設定値NR2も100%になるように分配器54、62が設定されている。なお、ガスタービン起動過程の間はバイオマス燃料流量指令FSRBは零に保たれるので、分配器62の速度負荷設定値NR2が有効となるのはタービン起動が完了した後、つまりガスタービン速度が定格回転速度になった後である。
【0025】
起動初期にはガスタービン速度が低いので速度負荷設定NR1とガスタービン速度の速度偏差が大きく速度負荷制御信号は大きな値となるので低値選択器59では選択されない。起動初期は起動制御回路60の起動制御信号FSRS1が低値選択器59で選択されて燃料流量指令FSRFとなり、この燃料流量指令FSRFに対応する化石燃料流量が燃焼器19に供給される。
【0026】
図4は起動制御回路60の特性図であり、時刻経過にしたがい燃料流量指令FSRS1が変化する特性を示している。図1に図示の起動モータ1およびトルクコンバータ2によりガスタービン軸が所定速度になると、燃焼器19には着火条件に合う圧縮空気が得られるので着火操作が行われる。燃料流量指令FSRS1を着火流量設定に切換えて着火流量を燃焼器19に供給するとともに図示しない点火プラグで着火を行わせる。火炎が検知されると燃料流量指令FSRS1を減少させて暖機流量設定に切換えて所定時間の暖機を行う。暖機が完了すると、トルクコンバータ2を調節して起動モータ1から伝達されるトルクを増しながら、燃料流量指令FSRS1を所定変化率で増加させる。ガスタービン速度Nが加速を始めると、起動制御信号FSRS1より加速制御信号FSRA1が小さくなることにより、燃料流量制御は起動制御回路60から加速制御回路61に切り換わる。
【0027】
図5は加速制御回路61のブロック構成図である。ガスタービン速度Nを微分器80で微分してガスタービン加速率を演算する。加速率設定器81のガスタービン加速率設定値とガスタービン加速率の偏差を加減算器82で演算し、比例積分制御器83により加速制御信号FSRA1を得るようにしている。加速制御回路61はこのように構成されるので、ガスタービン加速率が上昇すると加速率設定値との偏差が減少し加速制御信号FSRA1は起動制御信号FSRS1より小さくなって低値選択器59で燃料流量指令FSRFとして選択される。
【0028】
加速制御信号FSRA1の増加に従いガスタービン速度Nが上昇していき、ガスタービン速度Nが自立速度に到達すると起動モータ1が切離されて燃料のみによる起動が行われる。そしてガスタービン速度Nが定格速度100%すなわち速度負荷設定値NR1に近づいていくに従い速度偏差が減少していき、やがて速度負荷制御信号FSRN1が加速制御信号FSRA1よりも低値となって低値選択器59で燃料流量指令FSRFとして選択される。これ以降、化石燃料流量制御は速度負荷制御信号FSRN1により行われることになる。
【0029】
次に、ガスタービン速度Nが定格速度100%に制御されている状態で発電機6は電力系統に併入され、ガスタービン速度Nは電力系統の周波数に同期した速度となる。なお、以上の起動過程の間、バイオマス燃料流量指令FSRBは零であり、発電機6が電力系統に併入され、ガスタービン速度Nが電力系統の周波数に同期した速度となってからバイオマス燃料流量指令FSRBが有効となる。そして、発電機出力を増加させていく過程でバイオマス燃料を零から増加させていき化石燃料は逆に減少させていく。
【0030】
図6は、本発明の第1の実施の形態における分配器54、62の関数、化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の一例を示す特性図である。図6には、速度負荷設定値NRと化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1との関数(分配器54)、速度負荷設定値NRとバイオマス燃料を制御するための速度負荷設定値NR2との関数(分配器62)、燃料量と発電機出力設定値MWD(発電機出力MW)との関係を示している。
【0031】
図6において、発電機6が電力系統に併入された直後の状態は、速度負荷設定値NRが100%で速度負荷設定値NR1が100%のA1点、速度負荷設定値NR2が100%のA2点、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが零で、燃料は化石燃料のみが供給されていて、その燃料量はNLであるA3点で示されている。
【0032】
図3からわかるように、化石燃料を制御する回路において速度負荷設定値NR1およびガスタービン速度Nは100%なので、速度偏差すなわち加減算器55の出力信号は零となり、制御器56として比例制御器を選ぶとバイアス設定器58のバイアス設定信号が速度負荷制御信号FSRN1となり、燃料流量指令FSRFとなる。
【0033】
一方、図3のバイオマス燃料を制御する回路においては速度負荷設定値NR2およびガスタービン速度Nは100%なので、速度偏差すなわち加減算器63の出力信号は零となり、制御器64として比例制御器を選ぶとバイアス設定器66のバイアス設定信号が速度負荷制御信号FSRN2となるが、このバイアス設定信号を零に設定しておくと速度負荷制御信号FSRN2すなわち燃料流量指令FSRBが零となる。
【0034】
図6のA3点は、このときの状態を示しており、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが零で、燃料は化石燃料のみが供給されていて、その燃料量はNLである。この燃料量は燃料種別の相異を考慮して出力換算した量として表現されており、燃料量NLは化石燃料流量指令FSRFにより指令される燃料流量に対応する量であり、バイアス設定器58のバイアス設定値に対応する量である。このA3点ではバイオマス燃料量は上述のように零である。
【0035】
図6では破線が化石燃料に関する特性曲線であり、一点鎖線がバイオマス燃料に関する特性曲線であり、実線は化石燃料とバイオマス燃料とを加えた燃料総量に関する特性曲線を示している。
【0036】
図3において、発電機出力要求すなわち発電機出力設定値MWDが増加すると発電機出力MWとの偏差すなわち加減算器51の出力信号の極性が正となり、積分器として動作する速度負荷設定器53の速度負荷設定値NRが増加する。発電機6は電力系統に併入していてガスタービン速度Nはほぼ定格速度100%なので、速度負荷設定値NR1および速度負荷設定値NR2の増加の仕方に応じて加減算器55および63の速度偏差信号が増加し、化石燃料流量指令FSRFおよびバイオマス燃料流量指令FSRBが増加する。
【0037】
発電機出力設定値MWDの増加に従い上述のように速度負荷設定値NRが増加する。以下、一例として比例制御器56、64の比例ゲインを25倍に設定した場合について説明する。図6において、化石燃料を制御するための分配器54は、速度負荷設定値NRが100%のとき速度負荷設定値NR1が100%すなわちA1点、速度負荷設定値NRが104%のとき速度負荷設定値NR1が(100―α)%すなわちB1点となる関数に設定される。(100−α)%は化石燃料の供給を遮断するための最少流量に相当する設定値である。
【0038】
一方、バイオマス燃料を制御するための分配器62は、速度負荷設定値NRが100%のとき速度負荷設定値NR2が100%すなわちA2点、速度負荷設定値NRが104%のとき速度負荷設定値NR2が104%すなわちB2点となる関数に設定される。つまり、速度負荷設定値NR2の4%の変化に対応して4%×25倍=100%の発電機出力変化およびバイオマス燃料流量変化をさせるように設定される。
【0039】
その結果、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが0%のときは、バイオマス燃料量は零で化石燃料量NLすなわちA3点で示す状態にある。発電機出力設定値MWDの増加に従いバイオマス燃料量は増加し化石燃料量は減少する。そして発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが100%に到達したとき燃料量はバイオマス燃料量FL、化石燃料量は零となりB3点で示す状態となる。
【0040】
図6に示すように速度負荷設定値NRに対応づけて、分配器54の関数すなわち化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1、および分配器62の関数すなわちバイオマス燃料を制御するための速度負荷設定値NR2を設定することにより、発電機出力要求に応じながらバイオマス燃料量と化石燃料量の比率を変えていくことができる。
【0041】
ところで、速度負荷設定値はガスタービン速度Nに対する目標値であり、発電機6が電力系統に併入まではガスタービン速度Nの速度制御の目標値となる。発電機6が電力系統に併入されたのちは、ガスタービン速度Nは電力系統周波数に同期した速度になるので、速度負荷設定値とガスタービン速度Nの速度偏差が燃料流量指令を決める要素になる。つまり発電機6が電力系統に併入されたのちは速度負荷設定値は燃料流量指令の大きさを決める信号すなわち燃料流量指令に相当する信号となる。それゆえに、速度負荷設定値をバイオマス燃料のための配分と化石燃料のための配分に分配器により分配することができるのである。
【0042】
また、図3から明らかなように発電機出力およびガスタービン速度をフィードバックする閉ループで化石燃料流量およびバイオマス燃料流量を制御できるように構成しているので、発電機出力要求および電力系統周波数変化に応じながら発電機出力フィードバック制御およびガスタービン速度フィードバック制御を行いながら両燃料の比率を変えていくことができる。
【0043】
図6の一例では、発電機6が電力系統に併入したのちに、徐々に化石燃料からバイオマス燃料に比率を切り換えていく場合であるが、発電機出力を増加させていく過程で化石燃料を増加させていき発電機出力がほぼ定格出力に到達した段階で燃料を化石燃料からバイオマス燃料に切り換えるようにすることも可能である。
【0044】
図7は、その場合の分配器54、62の関数、化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の一例を示す特性図である。図7には、図6と同様に、速度負荷設定値NRと化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1との関数(分配器54)、速度負荷設定値NRとバイオマス燃料を制御するための速度負荷設定値NR2との関数(分配器62)、燃料量と発電機出力設定値MWD(発電機出力MW)との関係を示している。
【0045】
図7において、発電機6が電力系統に併入された直後の状態は、速度負荷設定値NRが100%で速度負荷設定値NR1が100%のC1点、速度負荷設定値NR2が100%のC2点、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが零で、燃料は化石燃料のみが供給されていて、その燃料量はNLであるC3点で示されている。
【0046】
図7においても破線が化石燃料に関する特性曲線であり、一点鎖線がバイオマス燃料に関する特性曲線であり、実線が化石燃料とバイオマス燃料とを加えた燃料総量に関する特性曲線である。
【0047】
図3からわかるように、化石燃料を制御する回路において速度負荷設定値NR1およびガスタービン速度Nは100%なので、速度偏差すなわち加減算器55の出力信号は零となり、制御器56として比例制御器を選ぶとバイアス設定器58のバイアス設定信号が速度負荷制御信号FSRN1となり、燃料流量指令FSRFとなる。
【0048】
一方、図3のバイオマス燃料を制御する回路においては速度負荷設定値NR2およびガスタービン速度Nは100%なので、速度偏差すなわち加減算器63の出力信号は零となり、制御器64として比例制御器を選ぶとバイアス設定器66のバイアス設定信号が速度負荷制御信号FSRN2となるが、このバイアス設定信号を零に設定しておくと速度負荷制御信号FSRN2すなわち燃料流量指令FSRBが零となる。
【0049】
図7のC3点がこのときの状態を示し、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが零で、燃料は化石燃料のみが供給されていて、その燃料量はNLである。C3点において化石燃料およびバイオマス燃料の総量を示す実線と化石燃料を示す破線とが、わかり易さの便宜のために、ずらして図示されているが、正しくは実線の上に破線が重なる。後述するD3点においても同様である。
【0050】
化石燃料を制御するための分配器54は速度負荷設定値NRが100%のとき速度負荷設定値NR1が100%すなわちC1点、速度負荷設定値NRが104%のとき速度負荷設定値NR1が104%すなわちD1点となる関数に設定する。つまり速度負荷設定値NR1の4%の変化に対応して4%×25倍=100%の発電機出力変化および化石燃料流量変化をさせるように設定する。
【0051】
一方、バイオマス燃料を制御するための分配器62は速度負荷設定値NRが100%のとき速度負荷設定値NR2が100%すなわちC2点、速度負荷設定値NRが104%のときにも速度負荷設定値NR2が100%すなわちD2点となる関数に設定する。つまり速度負荷設定値NR2は100%を保持し、その間はバイオマス燃料量は零である。
【0052】
その結果、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが0%のときバイオマス燃料量は零で化石燃料量NLすなわちC3点で示す状態にある。発電機出力設定値MWDの増加に従いバイオマス燃料量は零のままで化石燃料量は増加する。そして発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが100%に到達したとき燃料量は化石燃料量FL、バイオマス燃料量は零となりD3点で示す状態となる。
【0053】
この状態から化石燃料のための速度負荷設定値NR1を104%から(100−α)%まですなわちD1点からE1点まで降下させる。同時にバイオマス燃料のための速度負荷設定値NR2を100%から104%まですなわちD2点からE2点まで上昇させる。
【0054】
その結果、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWを100%に保持したまま、化石燃料量をFLから零まですなわちD3点からE3点まで減少させ、バイオマス燃料を零からFLまですなわちE3点からD3点まで増加させることができる。その間の燃料総量はFLを保持しD3点にとどまることができる。
【0055】
図7に示すように速度負荷設定値NRに対応づけて、分配器54の関数すなわち化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1、および分配器62の関数すなわちバイオマス燃料を制御するための速度負荷設定値NR2を設定することにより、発電機出力要求に応じながらバイオマス燃料量と化石燃料量の比率を変えることができる。
【0056】
また、図3から明らかなように発電機出力およびガスタービン速度をフィードバックする閉ループで化石燃料流量およびバイオマス燃料流量を制御できるように構成したので、発電機出力要求および電力系統周波数変化に応じながら発電機出力フィードバック制御およびガスタービン速度フィードバック制御を行いながら両燃料の比率を変えることができる。
【0057】
このように、化石燃料を多く供給して燃焼ガス温度が十分高い温度になってからバイオマス燃料を供給するので、バイオマス燃料が適切な燃焼条件に達してからバイオマス燃料を投入できる。
【0058】
図7の一例では、発電機6が電力系統に併入したのちに、化石燃料のみで発電機出力MWを上昇させ、ほぼ発電機出力MWが定格出力に到達した状態で、燃料を化石燃料からバイオマス燃料に切り換えていく場合であるが、
次に発電機出力を増加させていく過程で化石燃料を燃焼安定化のための火種として極力少ない供給量にとどめ、バイオマス燃料を増加させていくようにすることも可能である。
【0059】
図8は、その場合の分配器54、62の関数、化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の一例を示す特性図である。図8には、図6と同様に、速度負荷設定値NRと化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1との関数(分配器54)、速度負荷設定値NRとバイオマス燃料を制御するための速度負荷設定値NR2との関数(分配器62)、燃料量と発電機出力設定値MWD(発電機出力MW)との関係を示している。
【0060】
図8において、発電機6が電力系統に併入された直後の状態は、速度負荷設定値NRが100%で速度負荷設定値NR1が100%のF1点、速度負荷設定値NR2が100%のF2点、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが零で、燃料は化石燃料のみが供給されていて、その燃料量はNLであるF3点で示されている。図8においても破線が化石燃料に関する特性曲線であり、一点鎖線がバイオマス燃料に関する特性曲線であり、実線が化石燃料とバイオマス燃料とを加えた燃料総量に関する特性曲線である。
【0061】
図3からわかるように、化石燃料を制御する回路において速度負荷設定値NR1およびガスタービン速度Nは100%なので、速度偏差すなわち加減算器55の出力信号は零となり、制御器56として比例制御器を選ぶとバイアス設定器58のバイアス設定信号が速度負荷制御信号FSRN1となり、燃料流量指令FSRFとなる。
【0062】
一方、図3のバイオマス燃料を制御する回路においては速度負荷設定値NR2およびガスタービン速度Nは100%なので、速度偏差すなわち加減算器63の出力信号は零となり、制御器64として比例制御器を選ぶとバイアス設定器66のバイアス設定信号が速度負荷制御信号FSRN2となるが、このバイアス設定信号を零に設定しておくと速度負荷制御信号FSRN2すなわち燃料流量指令FSRBが零となる。
【0063】
図8のF3点がこのときの状態を示し、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが零で、燃料は化石燃料のみが供給されていて、その燃料量はNLである。
【0064】
化石燃料を制御するための分配器54は速度負荷設定値NRが100%のとき速度負荷設定値NR1が100%すなわちF1点、速度負荷設定値NRが104%のときにも速度負荷設定値NR1が100%すなわちG1点となる関数に設定する。つまり速度負荷設定値NR1を100%に保持して化石燃料量をNL一定に保持されるように設定する。
【0065】
一方、バイオマス燃料を制御するための分配器62は速度負荷設定値NRが100%のとき速度負荷設定値NR2が100%すなわちF2点、速度負荷設定値NRが104%のとき速度負荷設定値NR2が104%すなわちG2点となる関数に設定する。つまり速度負荷設定値NR2の4%の変化に対応して4%×25倍=100%の発電機出力変化およびバイオマス燃料流量変化をさせるように設定する。
【0066】
その結果、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが0%のときバイオマス燃料量は零で化石燃料量NLすなわち燃料総量はF3点で示す状態にある。発電機出力設定値MWDの増加に従い化石燃料量はNLのままでバイオマス燃料量は増加する。そして発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが100%に到達したとき燃料量は化石燃料量FL、化石燃料量とバイオマス燃料量の総量はFLとなりG3点で示す状態となる。
【0067】
図8に示すように速度負荷設定値NRに対応づけて、分配器54の関数すなわち化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1、および分配器62の関数すなわちバイオマス燃料を制御するための速度負荷設定値NR2を設定することにより、発電機出力要求に応じながらバイオマス燃料量と化石燃料量の比率を変えることができる。
【0068】
また図3から明らかなように発電機出力およびガスタービン速度をフィードバックする閉ループで化石燃料流量およびバイオマス燃料流量を制御できるように構成したので、発電機出力要求および電力系統周波数変化に応じながら発電機出力フィードバック制御およびガスタービン速度フィードバック制御を行いながら両燃料の比率を変えることができる。
【0069】
このように、発電機6が電力系統に併入したのちに、化石燃料流量を燃焼安定化のための極力少ない燃料流量に維持しながら発電機出力MWをバイオマス燃料を増加させることにより上昇させるようにしたので、化石燃料を燃焼安定化のための燃料流量にとどめ、発電機出力上昇をバイオマス燃料によるようにできる。従って、より多くのバイオマス燃料を利用できる。
【0070】
第1の実施の形態によれば、発電機出力範囲の全域において化石燃料、バイオマス燃料のいずれかを使用してあるいは両方を使用して発電機出力フィードバック制御およびガスタービン速度フィードバック制御を行える。
【0071】
(第2の実施の形態)(請求項1,3対応)
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。図9は本発明の第2の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図である。この第2の実施の形態は図3に示した第1の実施の形態に対し、図3におけるバイオマス燃料による速度制御回路に代えて係数器68を設けている。速度負荷設定値NR2に対応づけて、係数器68によりバイオマス燃料流量指令FSRBを与えるようにしたものである。すなわち、この第2の実施の形態は、そのときのガスタービン速度信号によらず、速度負荷設定値NR2によりバイオマス燃料流量指令FSRBの大きさを決めるようにし、ガスタービン速度のフィードバック制御は化石燃料により行う点に特徴がある。第1の実施の形態と同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0072】
通常時の動作を説明する。化石燃料を使用してガスタービン速度Nが定格速度100%に到達し、発電機6が電力系統に併入され、ガスタービン速度Nが電力系統の周波数に同期した速度となるまでの起動動作は第1の実施の形態の場合と同じである。
【0073】
いま、発電機出力を増加させていく過程で化石燃料を燃焼安定化のための火種として極力少ない供給量にとどめ、バイオマス燃料を増加させていく場合について説明する。
【0074】
図10は、その場合の分配器54、62の関数、係数器68の係数、化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の一例を示す特性図である。図10には、図6と同様に、速度負荷設定値NRと化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1との関数(分配器54)、速度負荷設定値NRとバイオマス燃料を制御するための速度負荷設定値NR2との関数(分配器62)、さらにバイオマス燃料を制御するための分配器62の速度負荷設定値NR2とバイオマス燃料流量指令FSRBとの係数(係数器68)、燃料量と発電機出力設定値MWD(発電機出力MW)との関係を示している。
【0075】
図10において、発電機6が電力系統に併入された直後の状態は、速度負荷設定値NRが100%で速度負荷設定値NR1が100%のH1点、分配器62の設定値NR2が100%のH2点、バイオマス燃料流量指令FSRBがH3点、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが零で、燃料は化石燃料のみが供給されていて、その燃料量はNLであるH4点で示されている。図10においても破線が化石燃料に関する特性図であり、一点鎖線がバイオマス燃料に関する特性図であり、実線が化石燃料とバイオマス燃料を加えた燃料総量に関する特性図である。
【0076】
図9からわかるように、化石燃料を制御する回路において速度負荷設定値NR1およびガスタービン速度Nは100%なので、速度偏差すなわち加減算器55の出力信号は零となり、制御器56として比例制御器を選ぶとバイアス設定器58のバイアス設定信号が速度負荷制御信号FSRN1となり、燃料流量指令FSRFとなる。
【0077】
一方、図9のバイオマス燃料を制御する回路においては分配器62の設定値NR2は100%で、設定値NR2が100%のとき係数器68の出力信号であるバイオマス燃料流量指令FSRBが零になるように係数器68が選ばれている。
【0078】
図10のH4点がこのときの状態を示し、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが零で、燃料は化石燃料のみが供給されていて、その燃料量はNLである。
【0079】
化石燃料を制御するための分配器54は速度負荷設定値NRが100%のとき速度負荷設定値NR1が100%すなわちH1点、速度負荷設定値NRが104%のときにも速度負荷設定値NR1が100%すなわちJ1点となる関数に設定する。つまり速度負荷設定値NR1を100%に保持して化石燃料量をNL一定に保持されるように設定する。
【0080】
一方、バイオマス燃料を制御するための分配器62は速度負荷設定値NRが100%のとき設定値NR2が100%すなわちH2点でバイオマス燃料流量指令FSRBが零すなわちH3点となるように設定され、速度負荷設定値NRが104%のとき分配器62の設定値NR2が104%すなわちJ2点でバイオマス燃料流量指令FSRBがBR1となるように係数器68が設定される。つまり設定値NR2の4%の変化に対応して100%の発電機出力変化およびバイオマス燃料流量変化をさせるように設定する。つまり設定値BR1は出力換算された燃料量FLに対応する燃料流量であるその結果、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが0%のときバイオマス燃料量は零で化石燃料量NLすなわち燃料総量はH4点で示す状態にある。発電機出力設定値MWDの増加に従い化石燃料量はNLのままでバイオマス燃料量は増加する。そして発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが100%に到達したとき燃料量は化石燃料量FL、化石燃料量とバイオマス燃料量の総量はFLとなりJ4点で示す状態となる。
【0081】
図10に示すように速度負荷設定値NRに対応づけて、分配器54の関数すなわち化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1、分配器62の関数設定値NR2および係数器68の関数を設定することにより、発電機出力要求に応じながらバイオマス燃料量と化石燃料量の比率を変えることができる。
【0082】
また図9から明らかなように発電機出力およびガスタービン速度をフィードバックする閉ループで化石燃料流量を制御できるようにするとともに速度負荷設定値NRに対応づけてバイオマス燃料流量を決める構成にしたので、発電機出力要求および電力系統周波数変化に応じながら発電機出力フィードバック制御およびガスタービン速度フィードバック制御を行いながら両燃料の比率を変えることができる。
【0083】
第2の実施の形態によれば、バイオマス燃料の燃焼時間遅れを考慮して、バイオマス燃料はガスタービン速度フィードバック制御に使用しないで、速度負荷設定値の上昇に応じて流量指令を決めるようにして発電機出力の上昇に寄与させながら、化石燃料を発電機出力MWおよびガスタービン速度の変化に対し応動するようにできる。
【0084】
(第3の実施の形態)(請求項5対応)
次に本発明の第3の実施の形態を説明する。図11は本発明の第3の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図である。この第3の実施の形態は図9に示した第2の実施の形態に対し、速度負荷設定値NR2を与える分配器の入力を共通の速度負荷設定値NRに代えて発電機出力設定値MWDとしている。同時に、速度負荷設定値NRの信号レンジに合わせた分配器62を発電機出力設定値MWDの信号レンジに合わせた分配器69に取り換えている。第2の実施の形態と同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0085】
次に通常時の動作を説明する。化石燃料を使用してガスタービン速度Nが定格速度100%に到達し、発電機6が電力系統に併入され、ガスタービン速度Nが電力系統の周波数に同期した速度となるまでの起動動作は第2の実施の形態に同じである。
【0086】
いま、発電機出力を増加させていく過程で化石燃料を燃焼安定化のための火種として極力少ない供給量にとどめ、バイオマス燃料を増加させていく場合について説明する。
【0087】
図12は、その場合の分配器54、69の関数、係数器68の係数、化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の一例を示す特性図である。図12には、図10と同様に、速度負荷設定値NRと化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1との関数(分配器54)、発電機出力設定値MWDとバイオマス燃料を制御するための速度負荷設定値NR2との関数(分配器69)、バイオマス燃料を制御するための分配器69の速度負荷設定値NR2とバイオマス燃料流量指令FSRBとの係数(係数器68)、燃料量と発電機出力設定値MWD(発電機出力MW)との関係を示している。
【0088】
図12と図10の相異点は、図10では分配器62の設定値NR2を速度負荷設定値NRに対応づけて決めたのに対し、図12では分配器69の設定値NR2を発電機出力設定値MWDに対応づけて決めた点である。
【0089】
発電機出力設定値が0〜100%の範囲を動くと、前述のように速度負荷設定値NRは100〜104%の範囲を動くので、図12の特性は図10で説明した動作と等価な動作をすると言うことができる。ここで、発電機出力設定値MWDの変化に対し速度負荷設定値NRの変化は遅れるので、第3の実施の形態の方が第2の実施の形態よりも、発電機出力設定値MWDの変化がより速くバイオマス燃料流量指令の変化となって現れる。
【0090】
以上のように、第3の実施の形態によれば、第2の実施の形態の効果に加え、発電機出力要求をより速やかにバイオマス燃料流量指令に伝え、発電機出力の追従を速めることができる。
【0091】
(第4の実施の形態)(請求項1,4対応)
次に本発明の第4の実施の形態を説明する。図13は本発明の第4の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図である。この第4の実施の形態は図3に示した第1の実施の形態に対し、図3における化石燃料による速度制御回路に代えて係数器70を設け、速度負荷設定値NR1に対応づけて、係数器70により化石燃料流量指令FSREを与えるようにしている。この第4の実施の形態は、そのときのガスタービン速度信号によらず、速度負荷設定値NR1により化石燃料流量指令FSREすなわちFSRFの大きさを決めるようにし、ガスタービン速度のフィードバック制御はバイオマス燃料により行う点に特徴がある。第1の実施の形態と同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0092】
通常時の動作を説明する。化石燃料を使用して加速制御信号FSRA1の増加に従いガスタービン速度Nが上昇し定格速度100%に近づいていくところまでの起動過程は第1の実施の形態と同じである。図13においては、分配器54の設定値NR1は係数器70により、ガスタービン定格速度に相当する化石燃料流量指令より低い化石燃料流量指令がFSREとして与えられるように設定されている。この化石燃料流量指令の値は後述の設定値FR1にあたる。
【0093】
そのため、加速制御信号FSRA1が化石燃料流量指令より大きくなったとき、化石燃料流量指令FSRFは低値選択器71により加速制御信号FSRA1から燃料流量指令FSREに切り換わる。そしてガスタービン速度Nは燃料流量指令FSREに相当する、ガスタービン定格速度100%より低い速度に保持される。この時点ではまだバイオマス燃料は燃焼器19には供給されていない。
【0094】
図13のバイオマス燃料を使った速度制御回路においては、バイオマス燃料流量指令は零あるいは負の値になるようにバイアス設定器66のバイアス信号が設定されている。このバイアス設定器66のバイアス設定を増加させることにより、ガスタービン速度Nを定格速度100%まで上昇させる。そして発電機6が電力系統に併入され、ガスタービン速度Nが電力系統の周波数に同期した速度となるようにしている。
【0095】
いま、発電機出力を増加させていく過程で化石燃料を燃焼安定化のための火種として極力少ない供給量にとどめ、バイオマス燃料を増加させていく場合について説明する。図14は、その場合の分配器54の関数、係数器70の係数、分配器62の関数、化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の一例を示す特性図である。図14には、速度負荷設定値NRと化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1との関数(分配器54)、化石燃料流量指令FSREと化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1との係数(係数器70)、速度負荷設定値NRとバイオマス燃料を制御するための速度負荷設定値NR2との関数(分配器62)、燃料量と発電機出力設定値MWD(発電機出力MW)との関係を示している。
【0096】
図14において、発電機6が電力系統に併入された直後の状態は、速度負荷設定値NRが100%で分配器54の設定値NR1が100%のK1点、化石燃料流量指令FSREがFR1のK2点、分配器62の速度負荷設定値NR2が100%のK3点、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが零で、燃料は化石燃料のみが供給されていて、その燃料量はNLであるK4点で示されている。
【0097】
図14においても破線が化石燃料に関する特性曲線であり、一点鎖線がバイオマス燃料に関する特性曲線であり、実線が化石燃料とバイオマス燃料を加えた燃料総量に関する特性曲線である。
【0098】
図13からわかるように、化石燃料を制御する回路において、分配器54の設定値NR1は100%で、設定値NR1が100%のとき係数器70の出力信号である化石燃料流量指令FSREが値FR1になるように係数器70が選ばれている。この値FR1が燃料流量指令FSRFとなる。
【0099】
一方、図13のバイオマス燃料を制御する回路においては、分配器62の速度負荷設定値NR2およびガスタービン速度Nは100%なので、速度偏差すなわち加減算器63の出力信号は零となり、制御器64として比例制御器を選ぶとバイアス設定器66のバイアス設定信号が速度負荷制御信号FSRN2すなわちバイオマス燃料流量指令FSRBとなる。
【0100】
図14のK4点がこのときの化石燃料とバイオマス燃料を合わせた燃料総量NLの状態を示し、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが零で、化石燃料流量指令FR1とバイオマス燃料流量指令FSRBのそれぞれの出力換算された和がNLであることを示している。
【0101】
化石燃料を制御するための分配器54は速度負荷設定値NRが100%のとき設定値NR1が100%すなわちK1点、速度負荷設定値NRが104%のときにも設定値NR1が100%すなわちL1点となる関数に設定する。そして設定値NR1が100%のとき係数器70は所定値FR1を燃料流量指令FSREすなわち燃料流量指令FSRFとして与えるように設定される。それがK2点の状態にあたる。
【0102】
一方、バイオマス燃料を制御するための分配器62は速度負荷設定値NRが100%のとき設定値NR2が100%すなわちK3点で、速度負荷設定値NRが104%のとき分配器62の速度負荷設定値NR2が104%すなわちL3点となるように設定される。つまり設定値NR2の4%の変化に対応して100%の発電機出力変化およびバイオマス燃料流量変化をさせるように設定する。
【0103】
その結果、発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが0%のときバイオマス燃料量と化石燃料量の燃料総量はK4点で示す状態にある。発電機出力設定値MWDの増加に従い化石燃料量は保持されたままでバイオマス燃料量は増加する。そして発電機出力設定値MWDおよび発電機出力MWが100%に到達したとき燃料量は化石燃料量とバイオマス燃料量の総量はFLとなりL4点で示す状態となる。
【0104】
図14に示すように速度負荷設定値NRに対応づけて、分配器54の化石燃料を制御するための設定値NR1、係数器70、分配器62の速度負荷設定値NR2を設定することにより、発電機出力要求に応じながらバイオマス燃料量と化石燃料量の比率を変えることができる。
【0105】
また図13から明らかなように発電機出力およびガスタービン速度をフィードバックする閉ループでバイオマス燃料流量を制御できるようにするとともに速度負荷設定値NRに対応づけて化石燃料流量を決める構成にしたので、発電機出力要求および電力系統周波数変化に応じながら発電機出力フィードバック制御およびガスタービン速度フィードバック制御を行いつつ両燃料の比率を変えることができる。
【0106】
第4の実施の形態によれば、発電機6が電力系統に併入したのちに、化石燃料流量を燃焼安定化のための極力少ない燃料流量に維持しながら発電機出力MWをバイオマス燃料を増加させるので、化石燃料流量の比率を極力小さくできる。また、バイオマス燃料を発電機出力フィードバック制御およびガスタービン速度フィードバック制御に使用し、速度負荷設定値の上昇に応じて、化石燃料を発電機出力MWおよびガスタービン速度の変化に対し応動させることができる。
【0107】
(第5の実施の形態)(請求項6,7対応)
次に本発明の第5の実施の形態を説明する。図15は本発明の第5の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図である。この第5の実施の形態は図13に示した第4の実施の形態に対し、速度負荷設定値NR1を与える分配器の入力を共通の速度負荷設定値NRに代えて発電機出力設定値MWDとしている。同時に、速度負荷設定値NRの信号レンジに合わせた分配器54を発電機出力設定値MWDの信号レンジに合わせた分配器72に取り換えたものである。第4の実施の形態と同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0108】
通常時の動作を説明する。化石燃料を使用してガスタービンを加速制御FSRA1により速度上昇させ、ガスタービン速度Nが定格速度100%に達する手前の速度で燃料流量指令FSRFが加速制御FSRA1から燃料流量指令FSREに切り換わるようにし、そのガスタービン速度から定格速度100%までの速度上昇をバイオマス燃料のための速度制御回路のバイアス設定器66の設定値を増加させることによりバイオマス燃料を供給してガスタービン速度Nを定格速度100%まで上昇させたのち発電機6を電力系統に併入し、ガスタービン速度Nが電力系統の周波数に同期した速度となるまでの起動動作は、第4の実施の形態に同じである。
【0109】
いま、発電機出力を増加させていく過程で化石燃料を燃焼安定化のための火種として極力少ない供給量にとどめ、バイオマス燃料を増加させていく場合について説明する。
【0110】
図16は、その場合の分配器72の関数、係数器70の係数、分配器62の関数、化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の一例を示す特性図である。図16には、発電機出力設定値MWDと化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1との関数(分配器72)、化石燃料流量指令FSREと化石燃料を制御するための速度負荷設定値NR1との係数(係数器70)、速度負荷設定値NRとバイオマス燃料を制御するための速度負荷設定値NR2との関数(分配器62)、燃料量と発電機出力設定値MWD(発電機出力MW)との関係を示している。
【0111】
図16と図14の相異点は、図14では分配器54の設定値NR1を速度負荷設定値NRに対応づけて決めたのに対し、図16では分配器72の設定値NR1を発電機出力設定値MWDに対応づけて決めた点である。
【0112】
発電機出力設定値が0〜100%の範囲を動くと、前述のように速度負荷設定値NRは100〜104%の範囲を動くので、図16の特性は図14で説明した動作と等価な動作をすると言うことができる。ここで、発電機出力設定値MWDの変化に対し速度負荷設定値NRの変化は遅れるので、一般には図15で示された第5の実施の形態の方が第4の実施の形態よりも、発電機出力設定値MWDの変化がより速く化石燃料流量指令の変化となって現れる。
【0113】
第5の実施の形態によれば、第4の実施の形態の効果に加え、バイオマス燃料の燃焼時間は化石燃料の燃焼時間に比べ一般に大きいので、例えば図16において発電機出力設定値MWDの増加に従い化石燃料流量指令FSREが増加するような設定にした場合には、化石燃料の増加による発電機出力MWの増加への寄与が大きいという顕著な効果が得られる。
【0114】
(第6の実施の形態)(請求項1,2,8,9対応)
次に本発明の第6の実施の形態を説明する。図17は本発明の第6の実施の形態の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図である。この第6の実施の形態は図3に示した第1の実施の形態に対し、起動制御回路73および低値選択器74を追加し、起動制御回路73の制御信号FSRS2を低値選択器74の入力としたものである。第1の実施の形態と同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0115】
通常時の動作を説明する。図18はバイオマス燃料による起動制御回路73の詳細を示す図である。起動制御回路73はガスタービン速度Nに基づき起動制御信号FSRS2を発生する関数発生器90を有する。関数発生器90の特性は図19に示すように、ガスタービン速度Nが速度N1以下では起動制御信号FSRS2が零でバイオマス燃料は供給されない。速度N1でバイオマス燃料の供給を開始し、速度N1以上ではガスタービン速度Nの増加にしたがい起動制御信号FSRS2が増加し、バイオマス燃料流量が増加するように構成されている。
【0116】
次にバイオマス燃料の供給を開始する前後の起動過程を説明する。図17における化石燃料のための起動制御回路60の起動制御信号FSRS1により制御された化石燃料で暖機が行われ、十分な暖機が完了したのちに、起動制御信号FSRS1が所定変化率で上昇を開始するとガスタービンが加速され、化石燃料流量指令FSRFは起動制御信号FSRS1から加速制御信号FSRA1に切り換わり、ガスタービンは加速制御信号FSRA1により速度上昇する。
【0117】
バイオマス燃料は、ガスタービンの暖機が完了して十分バイオマス燃料の燃焼が可能となった時点ないし加速制御信号FSRA1により加速制御されている時点に供給を開始する。つまりバイオマス燃料供給の開始時点をガスタービン速度N1とすることにより、暖機が完了して十分バイオマス燃料の燃焼が可能となった時点ないし加速制御信号FSRA1により加速制御されている時点に合致するように選ぶことができる。その結果、バイオマス燃料はガスタービン速度Nの上昇とともに増量するようにし、ガスタービンの加速率は化石燃料により制御される。
【0118】
第6の実施の形態によれば、ガスタービン起動のより早い段階からバイオマス燃料を制御上の無理なく使用していくことができ、より多くのバイオマス燃料を利用できる。従って、ガスタービンの起動中から広い発電機出力範囲の全域において化石燃料、バイオマス燃料のいずれかを使用してあるいは両方を使用して発電機出力フィードバック制御およびガスタービン速度フィードバック制御を行うことができる。
【0119】
(第7の実施の形態)(請求項1,2,10対応)
次に本発明の第7の実施の形態を説明する。図20は本発明の第7の実施の形態の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図である。この第7の実施の形態は図3に示した第1の実施の形態に対し、化石燃料による加速制御回路61を削除し、バイオマス燃料による加速制御回路75および低値選択器74を追加し、加速制御回路75の制御信号FSRA2を低値選択器74の入力としている。この加速制御回路75は、図5に示した加速制御回路61と同様な構成であり加速制御信号FSRA1に代えて加速制御信号FSRA2を出力する。第1の実施の形態と同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0120】
通常時の動作を説明する。図21はバイオマス燃料による加速制御回路75のブロック構成図である。ガスタービンの起動過程における暖機完了までの動作は第1の実施の形態における動作に同じである。
【0121】
バイオマス燃料は化石燃料による暖機が完了して十分バイオマス燃料の燃焼が可能となった時点に供給が開始される。暖機が完了すると加速制御回路75を活かしバイオマス燃料を供給する。ガスタービンの加速率はバイオマス燃料による加速制御回路75により行われる。化石燃料も暖機完了とともに徐徐に所定変化率で増量することにより燃焼安定化を図ることが望ましい。
【0122】
バイオマス燃料により加速制御されたガスタービンが自立速度に到達すると起動モータ1が切離されて燃料のみによる起動が行われる。そしてガスタービン速度Nが定格速度100%すなわち速度負荷設定値NR2に近づいていくに従い速度偏差が減少していき、やがて速度負荷制御信号FSRN2が加速制御信号FSRA2よりも低値となって低値選択器74で燃料流量指令FSRBとして選択される。これ以降、バイオマス燃料流量制御は速度負荷制御信号FSRN2により行われることになる。このとき、速度偏差すなわち加減算器63の出力信号は零なので、速度負荷制御信号FSRN2はバイアス設定器66に設定されたバイアス信号に等しくなる。
【0123】
この時点における、化石燃料による速度制御回路でも、速度負荷設定NR1およびガスタービン速度Nが100%なので、速度負荷制御信号FSRN1はバイアス設定器58に設定されたバイアス信号に等しい。この時点における加速制御信号FSRS1よりも速度負荷制御信号FSRN1の方が小さくなるようにバイアス設定器58のバイアス設定値を選んでおく。
【0124】
このようにすることにより、バイオマス燃料流量指令FSRBとして速度負荷制御信号FSRN2が低値選択器74により選択され、化石燃料流量指令FSRFとして速度負荷制御信号FSRN1が低値選択器59により選択されるようにできる。
【0125】
次にガスタービン速度Nが定格速度100%に制御されている状態で発電機6は電力系統に併入され、ガスタービン速度Nは電力系統の周波数に同期した速度となる。
【0126】
発電機出力要求すなわち発電機出力設定MWDの増加に対応して速度負荷設定値NRが増加し、分配器54と分配器62の設定により化石燃料流量とバイオマス燃料流量の比率が決められるのは、前述の実施の形態に同様である。
【0127】
第7の実施の形態によれば、起動過程の加速制御の段階からより多くのバイオマス燃料を供給してバイオマス燃料による加速制御を行うことができる。従って、ガスタービンの起動中から広い発電機出力範囲の全域において化石燃料、バイオマス燃料のいずれかを使用してあるいは両方を使用して発電機出力フィードバック制御およびガスタービン速度フィードバック制御を行うことができる。
【0128】
(第8の実施の形態)(請求項1,2,11,12対応)
次に本発明の第8の実施の形態を説明する。図22は本発明の第8の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図である。この第8の実施の形態は図3に示した第1の実施の形態に対し、バイオマス燃料による制御回路に低値選択器74を追加して設けると共に燃焼ガス温度制御回路76および排ガス温度制御回路77を追加して設け、さらに、比例制御器105、106、107および高値選択器108を設け、燃焼ガス温度が異常に高くなった場合にバイパス制御弁41を開くようにしたものである。第1の実施の形態と同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0129】
燃焼ガス温度制御回路76の制御信号FSRTFAは燃焼ガス温度(燃焼器内ガス温度)TF1が温度高で化石燃料を減少させる信号であり、制御信号FSRTFBは燃焼ガス温度(例えばサイクロンセパレータ内燃焼ガス温度)TF2が温度高でバイオマス燃料を減少させる信号である。
【0130】
ここで、燃焼ガス温度TF2としてはサイクロンセパレータ内燃焼ガス温度の代わりにタービン入口ガス温度をTF2として使用してもよい。燃焼ガス温度TF2はサイクロンセパレータ36からタービン入口までの燃焼ガス流路の燃焼ガス温度を代表する温度であり、以下、一例としてサイクロンセパレータ内燃焼ガス温度を用いた場合で説明する。
【0131】
また、制御信号FSRTFDは燃焼ガス温度(サイクロンセパレータ内燃焼ガス温度)TF2が温度高で化石燃料を減少させる信号であり、制御信号FSRTFDは燃焼ガス温度(燃焼器内ガス温度)TF1が温度高でバイオマス燃料を減少させる信号である。
【0132】
また、排ガス温度制御回路77の制御信号FSRTFX1は排ガス温度高で化石燃料を減少させる信号であり、制御信号FSRTFX2は排ガス温度高でバイオマス燃料を減少させる信号である。
【0133】
さらに、燃料ガス温度制御回路76の制御信号TF1Eは燃焼ガス温度(燃焼器内ガス温度)TF1が温度高でバイパス制御弁41を開く信号であり、制御信号TF2Eは燃焼ガス温度(例えばサイクロンセパレータ内燃焼ガス温度)TF2が温度高でバイパス制御弁41を開く信号であり、排ガス温度制御回路77の制御信号TXEは排ガス温度TXが温度高でバイパス制御弁41を開く信号である。
【0134】
燃焼ガス温度制御回路76の制御信号FSRTFAおよび制御信号FSRTFC、排ガス温度制御回路77の制御信号FSRTFX1は化石燃料の制御回路の低値選択器59に入力され、燃焼ガス温度制御回路76の制御信号FSRTFBおよび制御信号FSRTFD、排ガス温度制御回路77の制御信号FSRTFX2はバイオマス燃料の制御回路の低値選択器74に入力される。
【0135】
図23は燃焼ガス温度制御回路76のブロック構成図である。燃焼ガス温度設定器84aに設定された燃焼ガス温度設定値TF1Rと燃焼器内ガス温度TF1との差が加減算器85aで演算される。燃焼ガス温度設定値TF1Rは燃焼ガス温度TF1に対応する。加減算器85aで得た温度偏差は比例積分制御器86aに入力され燃焼ガス温度制御信号FSRTFAが演算され、比例積分制御器86bにて燃焼ガス温度制御信号FSRTFBが演算される。また、加減算器85aで得られた温度偏差は極性反転器109aにて燃焼ガス温度偏差TF1Eが演算される。
【0136】
同様に、燃焼ガス温度設定器84bに設定された燃焼ガス温度設定値TF2Rとサイクロンセパレータ内燃焼ガス温度TF2との差が加減算器85bで演算される。燃焼ガス温度設定値TF2Rはサイクロンセパレータ内燃焼ガス温度TF2に対応する温度設定値である。
【0137】
加減算器85bで得た温度偏差は比例積分制御器86cに入力され燃焼ガス温度制御信号FSRTFCが演算され、比例積分制御器86dにて燃焼ガス温度制御信号FSRTFDが演算される。また、加減算器85bで得られた温度偏差は極性反転器109bにて燃焼ガス温度偏差TF2Eが演算される。燃焼ガス温度偏差TF1Eは(燃焼ガス温度TF1―燃焼ガス温度設定値TF1R)であり、燃焼ガス温度偏差TF2Eは(燃焼ガス温度TF2―燃焼ガス温度設定値TF2R)である。
【0138】
次に、図24は排ガス温度制御回路77のブロック構成図である。排ガス温度制御回路77では、排ガス温度設定器87に設定された排ガス温度設定値TXRと排ガス温度TXとの差が加減算器88で演算される。加減算器88で得た温度偏差は比例積分制御器89に入力され、化石燃料を調節して排ガス温度を制御するための排ガス温度制御信号FSRTFX1およびバイオマス燃料を調節して排ガス温度を制御するための排ガス温度制御信号FSRTFX2が演算される。また、加減算器88で得た温度偏差は極性反転器110に通して排ガス温度偏差TXEを得るようにしている。排ガス温度偏差TXEは(排ガス温度TX−排ガス温度設定値TXR)である。
【0139】
図22において、燃焼ガス温度偏差TF1Eを比例制御器105に通し得られた制御信号TF1Bを高値選択器108に入力する。燃焼ガス温度偏差TF2Eを比例制御器106に通し得られた制御信号TF2Bを高値選択器108に入力する。排ガス温度偏差TXEを比例制御器107に通し得られた制御信号TXBを高値選択器108に入力する。高値選択器108はこれら3つの制御信号TF1B、TF2B、TXBのうちの最も高い信号を選択しバイパス制御弁41に開度指令BPRを送る。
【0140】
次に、通常時の動作を説明する。何らかの異常が発生して燃焼器19内の燃焼ガス温度TF1が燃焼ガス温度設定値TF1Rを超えたとすると図23の加減算器85aで演算された温度偏差が負極性となり、図23および図22の燃焼ガス温度制御信号FSRTFAおよび燃焼ガス温度制御信号FSRTFBが減少を始める。図22における燃焼ガス温度制御信号FSRTFAが速度負荷制御信号FSRN1より低くなると化石燃料流量指令FSRFは速度負荷制御信号FSRN1から燃焼ガス温度制御信号FSRTFAに切り換わり化石燃料流量を減少させることにより燃焼ガス温度TF1を低下させる動作をする。また燃焼ガス温度制御信号FSRTFBが速度負荷制御信号FSRN2より低くなるとバイオマス燃料流量指令FSRBは速度負荷制御信号FSRN2から燃焼ガス温度制御信号FSRTFBに切り換わりバイオマス燃料流量を減少させることにより燃焼ガス温度TF1を低下させる動作をする。
【0141】
ところが、これから供給する燃料流量を減少しても、すでに供給されて燃焼器19までの配管中にある残留燃料流量を減少させることはできない。そこで燃料流量を減少させる制御動作に加えて、サイクロンセパレータ36からタービン入口につながる燃焼ガス配管の途中からバイパス制御弁41を開いて燃焼ガスを外部に排出し、燃焼器19の器内圧力を低下させることにより燃焼ガス温度の低下を図る。
【0142】
すなわち、燃焼ガス温度TF1が燃焼ガス温度設定値TF1Rを超えると燃焼ガス温度偏差TF1Eが正極性の信号となり比例制御器105により制御信号TF1Bが高値選択器108を通りバイパス制御弁開度指令BPRとなってバイパス制御弁41を適切な開度まで開き燃焼ガスの一部を排出し、その結果、燃焼器19およびサイクロンセパレータ36の内圧を適切な圧力にまで下げて燃焼ガス温度を下げる。
【0143】
燃焼ガス温度が下がればバイパス制御弁41は全閉に復旧する。バイパス制御弁41を閉じても、供給される燃料流量が上述のように絞られているので、再び燃焼ガス温度が燃焼ガス温度設定値を超えることはなく、高温の燃焼ガスがバイパス制御弁41を通過するのも短時間で済むので、バイパス制御弁41の耐久性に関しても問題はない。
【0144】
燃焼ガス温度TF2、排ガス温度TXが燃焼ガス温度設定値TF2R、排ガス温度設定値TXRを超えたときの動作も、上述の燃焼ガス温度TF1の場合と同様なので説明は省略する。
【0145】
なお、排ガス温度TXはタービン入口ガス温度を監視するためのもので、タービン特性からタービン入口温度を排ガス温度に換算して、高温のタービン入口ガス温度に代えてより低い排ガス温度で監視しようとするものである。高温の燃焼ガス温度を検出するより、やや低い排ガス温度を検出する方が温度検出器の耐久性の点で有利であることから、特に燃焼ガス温度検出が困難なガスタービンプラントに適用できる。
【0146】
以上の説明では、化石燃料の制御回路とバイオマス燃料の制御回路に対して共通の燃焼ガス温度制御回路76および排ガス温度制御回路77を設けたが、それぞれ別々に燃焼ガス温度制御回路76および排ガス温度制御回路77を設けるようにしても良い。
【0147】
第8の実施の形態によれば、燃焼ガス温度が燃焼ガス温度設定値を超えたときには機器保護のために化石燃料およびバイオマス燃料の供給を減少させて燃焼ガス温度を下げる制御を行うと共にサイクロンセパレータとタービン入口の間の燃焼ガス配管からバイパス制御弁を適切な開度まで開いて燃焼ガスの一部を排出することにより、燃焼器内圧を適切な圧力にまで下げて燃焼ガス温度を下げる制御を併用したので、残留燃料の燃焼に対しても燃焼ガス温度上昇を抑制でき、バイパス制御弁の高温燃焼ガスをバイパスする時間も短時間ですむ。
【0148】
(第9の実施の形態)(請求項16,18対応)
次に本発明の第9の実施の形態を説明する。図25は本発明の第9の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図である。この第9の実施の形態は図9に示した第2の実施の形態に対し、バイオマス燃料による制御回路に低値選択器74を設けると共に、バイオマス燃料による燃焼ガス温度制御回路76Aおよび排ガス温度制御回路77Aを追加して設け、燃焼ガス温度制御回路76Aの制御信号FSRTFB、FSRTFDおよび排ガス温度制御回路77AのFSRTFX2を低値選択器74の入力としたものである。第2の実施の形態と同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0149】
図25において、燃焼ガス温度制御回路76Aは、図23に示した第8の実施の形態において用いた燃料ガス温度制御回路76と同等のものであり、制御信号FSRTFAおよび制御信号FSRTFCを化石燃料の制御回路における低値選択回路59に出力しないようにしたものである。同様に、排ガス温度制御回路77Aは図24に示した第8の実施の形態において用いた排ガス温度制御回路77と同等のものであり、制御信号FSRTX1を化石燃料の制御回路における低値選択回路59に出力しないようにしたものである。
【0150】
また、燃焼ガス温度偏差TF1E、燃焼ガス温度偏差TF2Eおよび排ガス温度偏差TXEからバイパス制御弁41の開度指令BPRを得る回路については、第8の実施の形態のものと同じであるのでここでは説明を省略する。
【0151】
次に通常時の動作を説明する。何らかの異常が発生して燃焼器19内の燃焼ガス温度TF1が燃焼ガス温度設定値TF1Rを超えると、燃料ガス温度制御回路76Aの加減算器85aで演算された温度偏差が負極性となり、図23および図25の燃焼ガス温度制御信号FSRTFBが減少を始める。図25における燃焼ガス温度制御信号FSRTFBがバイオマス燃料流量指令FSRBXより低くなるとバイオマス燃料流量指令FSRBはバイオマス燃料流量指令FSRBXから燃焼ガス温度制御信号FSRTFBに切り換わりバイオマス燃料流量を減少させることにより燃焼ガス温度TF1を低下させる動作をする。
【0152】
ところが、これから供給する燃料流量を減少しても、すでに供給されて燃焼器19までの配管中にある残留燃料流量を減少させることはできない。そこで燃料流量を減少させる制御動作に加えて、サイクロンセパレータ36からタービン入口につながる燃焼ガス配管の途中からバイパス制御弁41を開いて燃焼ガスを外部に排出し、燃焼器19の器内圧力を低下させることにより燃焼ガス温度の低下を図る。
【0153】
すなわち、燃焼ガス温度TF1が燃焼ガス温度設定値TF1Rを超えると燃焼ガス温度偏差TF1Eが正極性の信号となり比例制御器105により制御信号TF1Bが高値選択器108を通りバイパス制御弁開度指令BPRとなってバイパス制御弁41を適切な開度まで開き燃焼ガスの一部を排出し、その結果、燃焼器19およびサイクロンセパレータ36の内圧を適切な圧力にまで下げて燃焼ガス温度を下げる。
【0154】
燃焼ガス温度が下がればバイパス制御弁41は全閉に復旧する。バイパス制御弁41を閉じても、供給される燃料流量が上述のように絞られているので、再び燃焼ガス温度が燃焼ガス温度設定値を超えることはなく、高温の燃焼ガスがバイパス制御弁41を通過するのも短時間で済むので、バイパス制御弁41の耐久性に関しても問題はない。
【0155】
燃焼ガス温度TF2、排ガス温度TXが燃焼ガス温度設定値TF2R、排ガス温度設定値TXRを超えたときの動作も、上述の燃焼ガス温度TF1の場合と同様なので説明は省略する。
【0156】
第9の実施の形態によれば、燃焼ガス温度が燃焼ガス温度設定値を超えたときには機器保護のためにバイオマス燃料の供給を減少させて燃焼ガス温度を下げる制御を行うとともにサイクロンセパレータとタービン入口の間の燃焼ガス配管からバイパス制御弁を適切な開度まで開いて燃焼ガスの一部を排出することにより燃焼器内圧を適切な圧力にまで下げて燃焼ガス温度を下げる制御を併用したので、残留燃料の燃焼に対しても燃焼ガス温度上昇を抑制でき、バイパス制御弁の高温燃焼ガスをバイパスする時間も短時間ですむという顕著な効果がある。
【0157】
(第10の実施の形態)(請求項17,18対応)
次に本発明の第10の実施の形態を説明する。図26は本発明の第10の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図である。この第10の実施の形態は図13に示した第4の実施の形態に対し、化石燃料による燃焼ガス温度制御回路76Bおよびガスタービン排ガス温度制御回路77Bを追加し、燃焼ガス温度制御回路76Bの制御信号FSRTFA、FSRTFCおよび排ガス温度制御回路77Bの制御信号FSRTFX1を低値選択器71の入力としたものである。第4の実施の形態と同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0158】
図26において、燃焼ガス温度制御回路76Bは、図23に示した第8の実施の形態において用いた燃料ガス温度制御回路76と同等のものであり、制御信号FSRTFBおよび制御信号FSRTFDをバイオマス燃料の制御回路に出力しないようにしたものである。同様に、排ガス温度制御回路77Bは図24に示した第8の実施の形態において用いた排ガス温度制御回路77と同等のものであり、制御信号FSRTX2をバイオマス燃料の制御回路に出力しないようにしたものである。
【0159】
また、燃焼ガス温度偏差TF1E、燃焼ガス温度偏差TF2Eおよび排ガス温度偏差TXEからバイパス制御弁41の開度指令BPRを得る回路については、第8の実施の形態のものと同じであるのでここでは説明を省略する。
【0160】
次に通常時の動作を説明する。何らかの異常が発生して燃焼器19内の燃焼ガス温度TF1が燃焼ガス温度設定値TF1Rを超えると図23の加減算器85aで演算された温度偏差が負極性となり、図23および図26の燃焼ガス温度制御信号FSRTFAが減少を始める。図26における燃焼ガス温度制御信号FSRTFAが化石燃料流量指令FSREより低くなると化石燃料流量指令FSRFは化石燃料流量指令FSREから燃焼ガス温度制御信号FSRTFAに切り換わり化石燃料流量を減少させることにより燃焼ガス温度TF1を低下させる動作をする。
【0161】
ところが、これから供給する燃料流量を減少しても、すでに供給されて燃焼器19までの配管中にある残留燃料流量を減少させることはできない。そこで燃料流量を減少させる制御動作に加えて、サイクロンセパレータ36からタービン入口につながる燃焼ガス配管の途中からバイパス制御弁41を開いて燃焼ガスを外部に排出し、燃焼器19の器内圧力を低下させることにより燃焼ガス温度の低下を図る。
【0162】
すなわち、燃焼ガス温度TF1が燃焼ガス温度設定値TF1Rを超えると燃焼ガス温度偏差TF1Eが正極性の信号となり比例制御器105により制御信号TF1Bが高値選択器108を通りバイパス制御弁開度指令BPRとなってバイパス制御弁41を適切な開度まで開き燃焼ガスの一部を排出し、その結果、燃焼器19およびサイクロンセパレータ36の内圧を適切な圧力にまで下げて燃焼ガス温度を下げる。
【0163】
燃焼ガス温度が下がればバイパス制御弁41は全閉に復旧する。バイパス制御弁41を閉じても、供給される燃料流量が上述のように絞られているので、再び燃焼ガス温度が燃焼ガス温度設定値を超えることはなく、高温の燃焼ガスがバイパス制御弁41を通過するのも短時間で済むので、バイパス制御弁41の耐久性に関しても問題はない。
【0164】
燃焼ガス温度TF2、排ガス温度TXが燃焼ガス温度設定値TF2R、排ガス温度設定値TXRを超えたときの動作も、上述の燃焼ガス温度TF1の場合と同様なので説明は省略する。
【0165】
第10の実施の形態によれば、燃焼ガス温度が燃焼ガス温度設定値を超えたときには機器保護のために化石燃料の供給を減少させて燃焼ガス温度を下げる制御を行うとともにサイクロンセパレータとタービン入口の間の燃焼ガス配管からバイパス制御弁を適切な開度まで開いて燃焼ガスの一部を排出することにより燃焼器内圧を適切な圧力にまで下げて燃焼ガス温度を下げる制御を併用したので、残留燃料の燃焼に対しても燃焼ガス温度上昇を抑制でき、バイパス制御弁の高温燃焼ガスをバイパスする時間も短時間ですむという顕著な効果がある。
【0166】
(第11の実施の形態)(請求項13対応)
次に本発明の第11の実施の形態を説明する。図27は本発明の第11の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図である。この第11の実施の形態は図11に示した第3の実施の形態に対し、バイオマス燃料による制御回路の係数器68と変換器67との間に乗算器93を挿入するとともに、搬送管17の搬送用空気圧力PBと、空気圧縮機吐出空気圧力PCの差圧DPを演算するための加減算器91と、差圧DPとに基づき修正係数DPCを得るための関数発生器92を追加したものである。第3の実施の形態と同一要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0167】
関数発生器92は、修正係数DPCを与える関数発生器92は、搬送管17の搬送用空気圧力PBと空気圧縮機吐出空気圧力PCとの差圧DPに基づいて、修正係数DPCを発生させるものである。図28は関数発生器92の特性図である。図28に示すように、搬送管17の搬送用空気圧力PBと空気圧縮機吐出空気圧力PCとの差圧DPが設計値DP1に等しければ修正係数を1.0とし、その設計値DP1点からの差圧DPのずれに応じて修正係数を1.0を中心にして増減させる修正係数DPCを出力する特性となっている。関数発生器92で得られた修正係数DPCは乗算器93においてバイオマス燃料流量指令FSRBに乗算され修正する。
【0168】
次に通常時の動作を説明する。バイオマス燃料流量指令FSRBは変換器67により電気信号FSRMに変換されてモータ21を制御して、バイオマス燃料流量指令FSRBに相当するバイオマス燃料流量を搬送管17に供給するように設計されている。
【0169】
ここで、設計通りのバイオマス燃料流量を燃焼器19に供給するためには、搬送管17の搬送用空気圧力PBと燃焼器19の器内圧力との圧力差が所定圧力で、搬送用空気が搬送管17内を所定の流速で流れている必要がある。その流速に応じてバイオマス燃料供給管24からの供給量に影響を及ぼすので、搬送管17の搬送用空気圧力PBと空気圧縮機吐出空気圧力PCとの差圧DPの大きさに応じてバイオマス燃料流量指令FSRBに修正を加えて、差圧DPが設計値に等しければ関数発生器92が与える修正係数を1.0とし、設計点からの差圧DPのずれに応じて修正係数を1.0を中心にして増減させる。これにより、所望のバイオマス燃料流量を燃焼器19に供給する。
【0170】
なお、空気圧縮機吐出空気圧力PCを検出するための検出器7は図1では空気圧縮機4の出口に取り付けられるように図示されているが、空気圧縮機4の吐出口から空気配管25、空気配管26を経由して燃焼器19に供給されるまでの範囲のどの位置に取り付けてもよい。
【0171】
第11の実施の形態によれば、搬送用空気圧力PBが設計圧力からずれることがあってもバイオマス燃料流量指令FSRBを修正して所望のバイオマス燃料流量を燃焼器19に供給することができる。
【0172】
(第12の実施の形態)(請求項14対応)
次に本発明の第12の実施の形態を説明する。図29は本発明の第12の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のバイオマス燃料を供給するための圧縮圧力を調節する圧力制御弁16の制御部分を示すブロック構成図である。
【0173】
図29において、差圧設定器94は搬送管17の搬送用空気圧力PBと空気圧縮機吐出空気圧力PCとの差圧DPの制御目標値DPRを与える。搬送用空気圧力PBと空気圧縮機吐出空気圧力PCとの差圧DPは加減算器95により演算され、差圧設定値DPRと差圧DPとの制御偏差が加減算器96により演算される。この制御偏差に基づき制御器97は制御信号PCRを圧力制御弁16に送り弁開度を指令する。すなわち圧力制御弁16は差圧DPを差圧設定値DPRに制御される。
【0174】
次に通常時の動作を説明する。バイオマス燃料流量指令FSRBは変換器67により電気信号FSRMに変換されてモータ21を制御して、バイオマス燃料流量指令FSRBに相当するバイオマス燃料流量を搬送管17に供給するように設計されている。
【0175】
ここで、設計通りのバイオマス燃料流量を燃焼器19に供給するためには、搬送管17の搬送用空気圧力PBと燃焼器19の器内圧力との圧力差DPが所定圧力で、搬送用空気が搬送管17内を所定の流速で流れている必要がある。そのために差圧設定器94の差圧設定値DPRと差圧DPとが比較され、その差圧DPが差圧設定値DPRに一致するように制御器97は制御信号PCRにより圧力制御弁16の弁開度を制御する。発電機出力MWの増加とともに燃焼器19の器内圧力すなわち燃焼ガス圧力と空気圧縮機4の吐出空気圧力PCは上昇するので、圧力制御弁16により差圧DPを差圧設定値DPRに追従させることにより、バイオマス燃料流量指令は所望のバイオマス燃料流量を燃焼器19に供給することができる。
【0176】
なお、空気圧縮機吐出空気圧力PCを検出するための検出器7は図1では空気圧縮機4の出口に取り付けられるように図示されているが、空気圧縮機4の吐出口から空気配管25、空気配管26を経由して燃焼器19に供給されるまでの範囲のどの位置に取り付けてもよい。
【0177】
第12の実施の形態によれば、空気圧縮機4の吐出空気圧力PCの圧力変化に応じて、バイオマス燃料搬送用空気圧力PBと空気圧縮機吐出空気圧力PCの差圧DPを差圧設定値DPRに制御するようにしたので、空気圧縮機4の吐出空気圧力PCの圧力変化によらず、バイオマス燃料流量指令は所望のバイオマス燃料流量を燃焼器19に供給することができる効果がある。
【0178】
(第13の実施の形態)(請求項15対応)
次に本発明の第13の実施の形態を説明する。図30は本発明の第13の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のバイパス制御弁41の制御部分を示すブロック構成図である。
【0179】
図30において、化石燃料流量指令FSRFを係数器98により出力換算された信号と、バイオマス燃料流量指令FSRBを係数器99により出力換算された信号とが加減算器100により加算され燃料による出力の和FSRが算出される。燃料出力の和FSRと設定器101が与える無負荷定格速度における燃料の出力設定値NLとの偏差DFが加減算器102で演算される。そして係数器103により偏差DFに対応した制御指令BPRがバイパス制御弁41に送られ、バイパス制御弁41の開度は偏差DFの大きさに対応した開度まで開けられる。
【0180】
次に通常時の動作を説明する。発電機負荷が急減または喪失したときには、一般には図示しない装置から検出信号が送信される。そして、その検出信号に対応した発電機負荷すなわちガスタービン出力を決めることができる。その出力を第13の実施の形態では出力設定値NLとして与えている。
【0181】
発電機負荷が急減または喪失したときには、ガスタービン入力である燃料流量を出力設定値NLに相当する燃料流量まで絞る制御動作を行う。しかしながら、これから供給する燃料流量を減少しても、すでに供給されて燃焼器19までの配管中にある残留燃料流量および燃焼器19からタービン入口までの燃焼ガス配管内の燃焼ガスを減少させることはできない。そこで燃料流量を減少させる制御動作に加えて、サイクロンセパレータ36からタービン入口につながる燃焼ガス配管の途中からバイパス制御弁41を開いて燃焼ガスの一部を外部に排出してガスタービンの過速度を防止し、燃焼器19の器内圧力を低下させることにより燃焼速度の低下を図り、出力設定値NLに合致した燃焼器19の内圧に直ちに移行させようとするものである。
【0182】
発電機負荷が急減または喪失すると、その時点あるいは直前の燃料出力の和FSRが演算され、その和FSRと出力設定値NLとが比較され、その偏差DFに対応した弁開度までバイパス制御弁41を開き、所望の燃焼ガスの一部を排出して、ガスタービン過速度の防止を図るとともに、燃焼器19の内圧を低下させて所望の燃焼速度を得るようにしている。なお、第13の実施の形態ではバイオマス燃料および化石燃料が併用されている場合について説明したが、例えば高負荷域でいずれか一方の燃料しか使用しない運用をするガスタービンプラントなら、もう一方の燃料の燃料流量は削除あるいは零としてもよい。
【0183】
第13の実施の形態によれば、発電機負荷が急減または喪失したとき、バイオマス燃料流量と化石燃料流量に基づく換算出力の和と所定設定値の差の大きさに応じた弁開度までバイパス制御弁を開き、燃焼器19からタービン入口までの燃焼ガス配管内の燃焼ガスの一部を排出するようにしたので、ガスタービンの過速度を防止するとともに、燃焼器19の器内圧力を低下させて所望の燃焼速度を得ることができる。
【0184】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、タービン速度負荷設定あるいは発電機出力要求をバイオマス燃料と化石燃料への要求に分配するので、バイオマス燃料と化石燃料を併用してガスタービン起動と発電機出力上昇を行うことができる。
【0185】
また、バイオマス燃料を使用したガスタービン速度フィードバック制御と化石燃料を使用したガスタービン速度フィードバック制御とを併用でき、あるいは、バイオマス燃料と化石燃料とのいずれか一方で発電機出力あるいはガスタービン速度のフィードバック制御を行い、残りの一方は発電機出力要求あるいはタービン速度負荷設定に基づき燃料流量指令を決めるように制御できる。
【0186】
従って、ガスタービンの起動中から広い発電機出力範囲の全域において化石燃料、バイオマス燃料のいずれかを使用してあるいは両方を使用して発電機出力フィードバック制御およびガスタービン速度フィードバック制御を行うことができる。
【0187】
また、燃焼器内の燃焼ガス温度、サイクロンセパレータ内の燃焼ガス温度またはタービン入口ガス温度、ガスタービン排ガス温度のいずれかがそれぞれの所定設定値を超えたときには、バイオマス燃料と化石燃料のいずれか、あるいは双方の燃料流量を減少させるとともに、燃焼ガスの一部をバイパス制御弁により排出するので、燃焼器の器内圧力を下げて燃焼速度を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバイオマスガスタービンの制御装置が適用されるバイオマスガスタービンプラントの系統図。
【図2】本発明のバイオマスガスタービンの制御装置の入出力信号の説明図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図。
【図4】本発明の第1の実施の形態における起動制御回路の特性図。
【図5】本発明の第1の実施の形態における加速制御回路のブロック構成図。
【図6】本発明の第1の実施の形態における分配器の関数と化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の一例を示す特性図。
【図7】本発明の第1の実施の形態における分配器の関数と化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の他の一例を示す特性図。
【図8】本発明の第1の実施の形態における分配器の関数と化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性のさらに別の他の一例を示す特性図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図。
【図10】本発明の第2の実施の形態における分配器の関数と化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の一例を示す特性図。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図。
【図12】本発明の第3の実施の形態における分配器の関数と化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の一例を示す特性図。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図。
【図14】本発明の第4の実施の形態における分配器の関数と化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の一例を示す特性図。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図。
【図16】本発明の第5の実施の形態における分配器の関数と化石燃料およびバイオマス燃料の分配の特性の一例を示す特性図。
【図17】本発明の第6の実施の形態の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図。
【図18】本発明の第6の実施の形態におけるバイオマス燃料の起動制御回路のブロック構成図。
【図19】本発明の第6の実施の形態におけるバイオマス燃料の起動制御回路の特性を示す特性図。
【図20】本発明の第7の実施の形態の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図。
【図21】 本発明の第7の実施の形態における加速制御回路のブロック構成図。
【図22】本発明の第8の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図。
【図23】本発明の第8の実施の形態における燃焼ガス温度制御回路のブロック構成図。
【図24】本発明の第8の実施の形態における排ガス温度制御回路のブロック構成図。
【図25】本発明の第9の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図。
【図26】本発明の第10の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図。
【図27】本発明の第11の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のブロック構成図。
【図28】本発明の第11の実施の形態における修正係数を与える関数発生器の特性を示す特性図。
【図29】本発明の第12の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のバイオマス燃料を供給するための圧縮圧力を調節する圧力制御弁の制御部分を示すブロック構成図。
【図30】本発明の第13の実施の形態に係るバイオマスガスタービンの制御装置のバイパス制御弁の制御部分を示すブロック構成図。
【符号の説明】
1…起動モータ、2…トルクコンバータ、3…ガスタービン軸、4…圧縮機、5…タービン、6…発電機、7…圧力検出器、8…速度検出器、9…発電機出力検出器、10…温度検出器、11…空気配管、12…空気配管、13…モータ、14…圧縮機、15…空気配管、16…圧力制御弁、17…バイオマス燃料搬送管、18…圧力検出器、19…燃焼器、20…燃料容器、21…モータ、22…回転伝達軸、23…コンベヤ、24…バイオマス燃料供給管、25…空気配管、26…空気配管、27…空気配管、28…調節弁、29…燃料配管、30…燃料ポンプ、31…燃料制御弁、32…燃料配管、33…燃料噴射ノズル、34…燃焼ガス配管、35…温度検出器、36…サイクロンセパレータ、37…排出弁、38…燃焼ガス配管、39…温度検出器、40…燃焼ガス配管、41…バイパス制御弁、42…煙突、50…バイオマスガスタービン制御装置、51…加減算器、52…高低制限器、53…速度負荷設定器(積分器)、54…分配器、55…加減算器、56…制御器、57…加減算器、58…バイアス設定器、59…低値選択器、60…起動制御回路、61…加速制御回路、62…分配器、63…加減算器、64…制御器、65…加減算器、66…バイアス設定器、67…変換器、68…係数器、69…分配器、70…係数器、71…低値選択器、72…分配器、73…起動制御回路、74…低値選択器、75…加速制御回路、76…燃焼ガス温度制御回路、77…排ガス温度制御回路、78…燃焼ガス温度制御回路、79…排ガス温度制御回路、80…微分器、81…加速率設定器、82…加減算器、83…制御器、84…燃焼ガス温度設定器、85…加減算器、86…制御器、87…排ガス温度設定器、88…加減算器、89…制御器、90…関数発生器、91…加減算器、92…関数発生器、93…乗算器、94…差圧設定器、95…加減算器、96…加減算器、97…制御器、98…係数器、99…係数器、100…加減算器、101…設定器、102…加減算器、103…係数器、105…制御器、106…制御器、107…制御器、108…高値選択器、109…極性反転器、110…極性反転器

Claims (18)

  1. 空気圧縮機吐出空気とバイオマス燃料と化石燃料を燃焼器に供給して発生した燃焼ガスをタービンに導き、前記タービンが発電機を駆動するようにしたバイオマスガスタービンプラントの前記バイオマス燃料と前記化石燃料の流量を制御するバイオマスガスタービンの制御装置において、速度負荷設定をバイオマス燃料と化石燃料への要求に分配するようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のバイオマスガスタービンの制御装置において、バイオマス燃料によるガスタービン速度フィードバック制御と、化石燃料によるガスタービン速度フィードバック制御を行うようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  3. 請求項1に記載のバイオマスガスタービンの制御装置において、バイオマス燃料流量指令は速度負荷設定に応じて決まるようにし、化石燃料によりガスタービン速度フィードバック制御を行うようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  4. 請求項1に記載のバイオマスガスタービンの制御装置において、化石燃料流量指令は速度負荷設定に応じて決まるようにし、バイオマス燃料によりガスタービン速度フィードバック制御を行うようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  5. 空気圧縮機吐出空気とバイオマス燃料と化石燃料を燃焼器に供給して発生した燃焼ガスをタービンに導き、前記タービンが発電機を駆動するようにしたバイオマスガスタービンプラントの前記バイオマス燃料と前記化石燃料の流量を制御するバイオマスガスタービンの制御装置において、発電機出力要求をバイオマス燃料と化石燃料への要求に分配するにあたり、バイオマス燃料流量指令は発電機出力要求に応じて決まるようにし、化石燃料によりガスタービン速度フィードバック制御を行うようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  6. 空気圧縮機吐出空気とバイオマス燃料と化石燃料を燃焼器に供給して発生した燃焼ガスをタービンに導き、前記タービンが発電機を駆動するようにしたバイオマスガスタービンプラントの前記バイオマス燃料と前記化石燃料の流量を制御するバイオマスガスタービンの制御装置において、発電機出力要求をバイオマス燃料と化石燃料への要求に分配するにあたり、化石燃料流量指令は発電機出力要求に応じて決まるようにし、バイオマス燃料により発電機出力フィードバック制御を行うようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  7. 空気圧縮機吐出空気とバイオマス燃料と化石燃料を燃焼器に供給して発生した燃焼ガスをタービンに導き、前記タービンが発電機を駆動するようにしたバイオマスガスタービンプラントの前記バイオマス燃料と前記化石燃料の流量を制御するバイオマスガスタービンの制御装置において、発電機出力要求をバイオマス燃料と化石燃料への要求に分配するにあたり、化石燃料流量指令は発電機出力要求に応じて決まるようにし、バイオマス燃料によりガスタービン速度フィードバック制御を行うようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  8. 空気圧縮機吐出空気とバイオマス燃料と化石燃料を燃焼器に供給して発生した燃焼ガスをタービンに導き、前記タービンが発電機を駆動するようにしたバイオマスガスタービンプラントの前記バイオマス燃料と前記化石燃料の流量を制御するバイオマスガスタービンの制御装置において、ガスタービン加速制御を化石燃料により行いながら、加速中にバイオマス燃料を供給するようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置
  9. 請求項に記載のバイオマスガスタービンの制御装置において、ガスタービン速度に応じたバイオマス燃料流量を供給するようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  10. 空気圧縮機吐出空気とバイオマス燃料と化石燃料を燃焼器に供給して発生した燃焼ガスをタービンに導き、前記タービンが発電機を駆動するようにしたバイオマスガスタービンプラントの前記バイオマス燃料と前記化石燃料の流量を制御するバイオマスガスタービンの制御装置において、着火と暖機を化石燃料で行い、ガスタービン加速制御をバイオマス燃料で行うようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  11. 空気圧縮機吐出空気とバイオマス燃料と化石燃料を燃焼器に供給して発生した燃焼ガスをタービンに導き、前記タービンが発電機を駆動するようにしたバイオマスガスタービンプラントの前記バイオマス燃料と前記化石燃料の流量を制御するバイオマスガスタービンの制御装置において、燃焼器内燃焼ガス温度、サイクロンセパレータ内燃焼ガス温度またはタービン入口ガス温度、ガスタービン排ガス温度のいずれかが各所定温度を超えたときにバイオマス燃料または化石燃料を減少させるとともにバイパス制御弁を開いて燃焼ガスの一部を排出するようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  12. 請求項11に記載のバイオマスガスタービンの制御装置において、燃焼器内燃焼ガス温度、サイクロンセパレータ内燃焼ガス温度またはタービン入口ガス温度、ガスタービン排ガス温度のいずれかと各所定温度との温度差に基づいて、燃焼ガスの一部を排出するバイパス制御弁開度を制御するようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  13. 空気圧縮機吐出空気とバイオマス燃料と化石燃料を燃焼器に供給して発生した燃焼ガスをタービンに導き、前記タービンが発電機を駆動するようにしたバイオマスガスタービンプラントの前記バイオマス燃料と前記化石燃料の流量を制御するバイオマスガスタービンの制御装置において、バイオマス燃料搬送空気圧力とガスタービンの空気圧縮機吐出空気圧力の圧力差の大きさに応じてバイオマス燃料流量指令を修正するようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  14. 空気圧縮機吐出空気とバイオマス燃料と化石燃料を燃焼器に供給して発生した燃焼ガスをタービンに導き、前記タービンが発電機を駆動するようにしたバイオマスガスタービンプラントの前記バイオマス燃料と前記化石燃料の流量を制御するバイオマスガスタービンの制御装置において、バイオマス燃料搬送空気圧力とガスタービンの空気圧縮機吐出空気圧力の圧力差が所定圧力になるようにバイオマス燃料搬送空気配管の圧力制御弁を制御するようにしたバイオマスガスタービンの制御装置。
  15. 空気圧縮機吐出空気とバイオマス燃料と化石燃料を燃焼器に供給して発生した燃焼ガスをタービンに導き、前記タービンが発電機を駆動するようにしたバイオマスガスタービンプラントの前記バイオマス燃料と前記化石燃料の流量を制御するバイオマスガスタービンの制御装置において、発電機負荷が急減または喪失したとき、バイオマス燃料流量と化石燃料流量に基づく換算出力の和と所定設定値の差の大きさに応じた弁開度までバイパス制御弁を開き燃焼ガスの一部をバイパス制御弁で排出するようにしたことを特徴とするバイオマスガスタービンの制御装置。
  16. 空気圧縮機吐出空気とバイオマス燃料と化石燃料を燃焼器に供給して発生した燃焼ガスをタービンに導き、前記タービンが発電機を駆動するようにしたバイオマスガスタービンプラントの前記バイオマス燃料と前記化石燃料の流量を制御するバイオマスガスタービンの制御装置において、燃焼器内燃焼ガス温度、サイクロンセパレータ内燃焼ガス温度またはタービン入口ガス温度、ガスタービン排ガス温度のいずれかが各所定温度を超えたときにバイオマス燃料を減少させるとともにバイパス制御弁を開いて燃焼ガスの一部を排出するようにしたバイオマスガスタービンの制御装置。
  17. 空気圧縮機吐出空気とバイオマス燃料と化石燃料を燃焼器に供給して発生した燃焼ガスをタービンに導き、前記タービンが発電機を駆動するようにしたバイオマスガスタービンプラントの前記バイオマス燃料と前記化石燃料の流量を制御するバイオマスガスタービンの制御装置において、燃焼器内燃焼ガス温度、サイクロンセパレータ内燃焼ガス温度またはタービン入口ガス温度、ガスタービン排ガス温度のいずれかが各所定温度を超えたときに化石燃料を減少させるとともにバイパス制御弁を開いて燃焼ガスの一部を排出するようにしたバイオマスガスタービンの制御装置。
  18. 請求項16または請求項17のいずれかに記載のバイオマスガスタービンの制御装置において、燃焼器内燃焼ガス温度、サイクロンセパレータ内燃焼ガス温度またはタービン入口ガス温度、ガスタービン排ガス温度のいずれかと各所定温度との温度差に基づいて、燃焼ガスの一部を排出するバイパス制御弁開度を制御するようにしたバイオマスガスタービンの制御装置。
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