JP3827316B2 - タイミングチェーン自動張力調節装置 - Google Patents

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Description

本発明は、タイミングチェーン自動張力調節装置に関し、より詳しくは、エンジンのタイミングチェーンが常に適正な張力で作用するようにした油圧式張力調節装置に油圧を供給する技術に関する。
タイミングチェーンはエンジンの作動時に適正な張力を保つことが必要である。
エンジンの回転数により、低速回転では張力を弱くし、高速回転では張力を強くするために、エンジンの油圧とバネを利用したテンショナーが特許文献１に開示されている。
このような、油圧式張力調節装置は普通エンジンオイルを供給して作動するため、エンジンを停止した後に再び始動する時、作動流体であるエンジンオイルが迅速に供給できるオイル供給体系が必要となる。
特開２００２−３９２９４号公報
本発明の目的は、エンジン停止後の再始動時に、油圧式張力調節装置に迅速にエンジンオイルの油圧を供給できるようにして、エンジン始動初期にタイミングベルトの安定した作動状態を確保できるようにしたタイミングチェーン自動張力調節装置を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明は、シリンダブロックと一体成形され、下部側に油圧シリンダを収容し、上部にはオイルポンプ及びオイルパンに連結するオイル供給孔を形成されたリザーバタンクと、上部及び下部マウンティング部材により、前記リザーバタンクの内部に固定され、前記リザーバタンクへの装着部位はパッキング部材を嵌入して密閉される油圧シリンダと、前記油圧シリンダ内を前・後進するプランジャと、前記プランジャに連結され、シリンダブロックにヒンジで固定されたテンショナアームを押して、タイミングチェーンの張力を調節するロッドと、を含み、前記油圧シリンダは、プランジャ挿入部と反対側の端部に前記リザーバタンクの内部に通じるオイル孔をあけていることを特徴とする。
本発明により、大容量のリザーバを備えて油圧シリンダ内部にオイル残量を常に維持するようにすることで、長期間エンジン停止後の再始動時に張力調節装置の応答性を向上させ、エンジン始動初期のチェーンの流動現象及びこれによる摩耗現象を防止することができる効果を有する。
さらに、本発明はリザーバタンクをシリンダブロックに一体型に鋳造することにより、費用節減及び空間活用性が高く、さらにリザーバタンク内部に油圧シリンダを収容することにより、既存の構成部品との干渉をせずに大容量のリザーバタンクを設置することができる。
以下、本発明の実施例を添付図により詳述する。
図１は本発明によるリザーバタンクをシリンダブロックと一体型に形成した状態を示す図であり、図２は本発明によるタイミングチェーン自動張力調節装置の構成を示す断面図である。
本発明によるタイミングチェーンの自動張力調節装置は、図１に示すように、リザーバタンク３０がシリンダブロック２５に一体型に形成し、図２に示すようにリザーバタンク３０内部に油圧シリンダ７を収容する形態により構成したものである。
リザーバタンク３０はオイルが完全にオイルパン１３に排出することを防止して貯蔵してから、エンジン再始動時に油圧シリンダ７の内部に直ちにオイルを供給できるようにしている。上記のようにリザーバタンク３０をシリンダブロック２５に一体型に鋳造することにより別途の部品が不要である。
リザーバタンク３０はエンジン停止後、再始動時にオイルポンプの作動によりオイルパン１３のオイルを油圧シリンダ７まで供給するのにかかる時間を減らして、タイミングチェーン自動張力調節装置の応答性を向上する機能をする。
上記のような機能をするリザーバタンク３０は油圧シリンダ７の内部空間より大きい容量を備えている必要があるが、このような大容量のリザーバタンク３０をタイミングチェーン自動張力調節装置の構成中に含ませることは、従来の一般的なエンジン構造では簡単ではなかった。
リザーバタンク３０をエンジンのシリンダブロック２５と一体に鋳造して作り、リザーバタンク３０内部に油圧シリンダ７を収容することで、限られた空間内で最大限に大きい容量のリザーバタンク３０を形成することを可能とした。
油圧シリンダ７は上部及び下部マウンティング部材３５、３６によりリザーバタンク３０の内部に固定し、リザーバタンク３０の油圧シリンダ７装着部位にはオイルが漏れないようにパッキング部材３１により密閉する。
さらに、油圧シリンダ７にはプランジャ６を挿入する反対方向側端部にリザーバタンク３０の内部に通じるオイル孔３９をあけていてオイルの流出入を可能としている。
油圧シリンダ７内部にオイルが流入または排出することにより、プランジャ６が前・後進するようになり、これに従ってプランジャ６に連結したロッド５がシリンダブロックにヒンジで固定したテンショナアーム４を押して、タイミングチェーン１の張力を調節することができる。
リザーバタンク３０の上部にはオイルポンプ９及びオイルパン１３に連結するオイル供給孔３２を形成している。
ここで、オイル供給孔３２は必ず油圧シリンダ７より上側に形成しなければならない。その理由はリザーバタンク３０を設置する目的は、油圧シリンダ７に供給するオイルの応答性を向上させることにあり、このためリザーバタンク３０および油圧シリンダ７の内部は常にオイルを満たしておく必要がある。
従来にもチェックバルブなどを設けて、オイルの逆流を遮断する構成があるが、長期間エンジンを停止状態で放置しておいた場合に、油圧シリンダ７内部のオイルはほとんど全て外に排出してしまう。上記のように大容量のリザーバタンク３０を備えて、リザーバタンク３０のオイル供給孔３２より低い位置に油圧シリンダ７を配置すれば、長期間エンジンを停止状態で放置しておいた後にも、油圧シリンダ７内部のオイルはほとんどそのまま残るようになる。
上記のような構成を有するタイミングチェーン自動張力調節装置の組立順序は次の通りである。
リザーバタンク３０の下部側に油圧シリンダ７を収容させた後、上部及び下部マウンティング部材３５、３６により、油圧シリンダ７をリザーバタンク３０の内部に固定し、リザーバタンク３０の油圧シリンダ７の装着部位にはパッキング部材３１を嵌入して密閉させる。その後、リザーバタンク３０の上にリザーバタンクカバー（図示せず）を覆った後、締結口３８−１、３８−２にボルトを挿入締結して完成させる。
リザーバタンク３０とリザーバタンクカバーとの間には適切なパッキング部材を挿入して漏油を防ぐようにすることが好ましい。
上記の構成を除外した残りの構成は、従来の一般的な油圧式タイミングチェーン自動張力調節装置の構成と同一であるため、その説明を省略する。
次に、本発明の作用を図２により説明する。
図２に示すように、リザーバタンク３０のオイル供給孔３２は油圧シリンダ７よりさらに高い位置に形成しているため、リザーバタンク内に残るオイルにより油圧シリンダ７の内部は常にオイルで満たされている。
従って、長期間エンジンを停止状態で放置しておいてから再始動する場合でも、油圧シリンダ７の内部にオイルを満たす為にかかる遅延時間が短くなり、直ちに油圧シリンダ７に圧力を加えることができるので、エンジン始動初期におけるタイミングチェーンの流動現象を防止することができる。
本発明によるリザーバタンクをシリンダブロックと一体型に形成した状態を示す。 本発明によるタイミングチェーン自動張力調節装置の構成を示す。
符号の説明
１ タイミングチェーン
４ テンショナアーム
５ ロッド
６ プランジャ
７ 油圧シリンダ
９ オイルポンプ
１３ オイルパン
２５ シリンダブロック
３０ リザーバタンク
３１ パッキング部材
３２ オイル供給孔
３５ 上部マウンティング部材
３６ 下部マウンティング部材
３８−１ 締結口
３８−２ 締結口
３９ オイル孔

Claims (1)

  1. シリンダブロックと一体成形され、下部側に油圧シリンダを収容し、上部にはオイルポンプ及びオイルパンに連結するオイル供給孔を形成されたリザーバタンクと、
    上部及び下部マウンティング部材により、前記リザーバタンクの内部に固定され、前記リザーバタンクへの装着部位はパッキング部材を嵌入して密閉される油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダ内を前・後進するプランジャと、
    前記プランジャに連結され、シリンダブロックにヒンジで固定されたテンショナアームを押して、タイミングチェーンの張力を調節するロッドと、
    を含み、
    前記油圧シリンダは、プランジャ挿入部と反対側の端部に前記リザーバタンクの内部に通じるオイル孔をあけていることを特徴とするタイミングチェーン自動張力調節装置。
JP2003428451A 2003-10-17 2003-12-24 タイミングチェーン自動張力調節装置 Expired - Lifetime JP3827316B2 (ja)

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