JP3826980B2 - 低圧鋳造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低圧鋳造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
低圧鋳造は、例えば、アルミニウム合金から成るロードホイールやシリンダブロックなどの自動車用部品の製造に用いられている。この種の低圧鋳造では、鋳型のキャビティ内に保持炉内の溶湯を加圧供給するに際して、保持炉からキャビティへの導入管であるストーク内やキャビティ内に不活性ガスを供給し、この不活性ガスにより溶湯表面における酸化被膜の生成を抑制して、溶湯の湯流れ性を高めるようにしている。このような機能を備えた低圧鋳造装置としては、図5に示すようなものがあった。
【0003】
図5(a)に示す低圧鋳造装置100は、キャビティ101を形成する鋳型102と、鋳型102の下側に配置され且つ溶湯103を蓄えた保持炉104と、上端部を鋳型102の湯口105に接続し且つ下端部を溶湯103に浸漬したストーク106を備えている。ストーク106は、その上端部が内筒106aを有する2重構造になっており、内筒106aの外周側である環状領域106bに対して不活性ガスの供給系107が設けてある。
【0004】
上記の低圧鋳造装置100は、保持炉104内を加圧し、ストーク106を介して溶湯103をキャビティ101内に加圧供給する際に、供給系107からストーク106内に不活性ガスを供給する。そして、キャビティ101内の溶湯103が製品108として凝固したのち、図5(b)に示すように、供給系107から環状領域106b内に不活性ガスを供給し、さらに不活性ガスをバブリングで溶湯103中に供給することにより、製品108と未凝固の溶湯103との間を不活性ガスGで分離する。これにより、2回目以降の鋳造において、ストーク106内の溶湯103の表面に酸化被膜が生成されるのを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したような従来の低圧鋳造装置100にあっては、消耗品であるストーク106が複雑な2重構造であるとともに高価であって、メンテナンスに手間がかかるとともにランニングコストが高いという問題があり、また、不活性ガスの供給系107においてはキャビティ101への不活性ガスの供給、バブリングによる溶湯103中への不活性ガスの供給、ならびに環状領域106bへの溶湯103の侵入を防止するための不活性ガスの供給をそれぞれ異なる圧力で行うことから、圧力制御が難しいという問題があり、これらの問題を解決することが課題であった。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、溶湯表面の酸化被膜の生成を防止し、溶湯の良好な湯流れ性を得ることができるうえに、メンテナンスの簡略化、ランニングコストの低減および不活性ガスの圧力制御の簡略化などを実現することができる低圧鋳造装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる低圧鋳造装置は、請求項1として、加圧用気体が供給される1次加圧室と、不活性ガスが供給される2次加圧室と、2次加圧室とその上側に配置した鋳型の内部とを連通させるストークと、ストークと異なる位置から2次加圧室に不活性ガスを供給するガス流路を備え、1次および2次の加圧室を互いの下部で連通させるとともに両加圧室に溶湯を充填し、ストークの下端部を加圧室の非加圧状態の溶湯表面よりも上側に配置した構成とし、請求項2として、溶湯を蓄える収容体内に、下部が連通した1次および2次の加圧室を形成し、1次加圧室の上部に、加圧用気体の気体流路を備えると共に、2次加圧室の上部に、収容体の天井部に開口する不活性ガスのガス流路と、ガス流路を開閉する制御弁と、収容体の天井部に連結して2次加圧室とその上側に配置した鋳型の内部とを連通させるストークを備え、ストークの下端部を加圧室の非加圧状態の溶湯表面よりも上側に配置した構成とし、請求項3として、2次加圧室に供給する不活性ガスが、空気よりも比重の大きいガスである構成とし、請求項4として、1次および2次の加圧室が、収容体の内部上面から溶湯中に張り出した隔壁により形成してある構成とし、請求項5として、ストークが、2次加圧室の上部に固定される下側部材と、下側部材および鋳型に対して着脱可能な上側部材とに分割してある構成としており、上記の構成を課題を解決するための手段としている。
【0008】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わる低圧鋳造装置では、2次加圧室とその上側に配置した鋳型の内部とを連通させるストークと、2次加圧室に不活性ガスを供給するガス流路を異なる位置に設けているので、ストークが筒状の簡単な構造となる。そして、ストークの下端部が、加圧室の非加圧状態の溶湯表面よりも上側に配置してあるので、ガス流路から2次加圧室に不活性ガスを供給していくと、この不活性ガスによって2次加圧室内の溶湯表面と空気との接触を阻止すると共に、不活性ガスがストークを通して鋳型の内部に供給される。これにより鋳型の内部が鋳造前に不活性ガス雰囲気となる。こののち、不活性ガスの供給を停止し、1次加圧室に加圧用気体を供給していくと、1次および2次の加圧室が互いの下部で連通しているので、加圧用気体の圧力により1次加圧室内の溶湯が押し下げられるのに伴って2次加圧室内の溶湯が押し上げられ、溶湯がストークを通して鋳型の内部に充填される。また、鋳型内部の溶湯が凝固したところで、1次加圧室に対する加圧用気体の供給を停止すると、ストークおよび2次加圧室内の溶湯が自重によってストークの下端部よりも下側まで下がるので、この間に再び不活性ガスを供給することによって、2次加圧室内の溶湯表面と空気との接触を阻止する。
【0009】
本発明の請求項2に係わる低圧鋳造装置では、収容体の天井部において、2次加圧室とその上側に配置した鋳型の内部とを連通させるストークと、2次加圧室に不活性ガスを供給するガス流路が異なる位置に設けられ、ストークが筒状の簡単な構造となる。そして、ストークの下端部が、加圧室の非加圧状態の溶湯表面よりも上側に配置してあるので、制御弁を開放してガス流路から2次加圧室に不活性ガスを供給していくと、この不活性ガスによって2次加圧室内の溶湯表面と空気との接触を阻止すると共に、不活性ガスがストークを通して鋳型の内部に供給される。これにより鋳型の内部が鋳造前に不活性ガス雰囲気となる。こののち、制御弁を閉塞して不活性ガスの供給を停止し、気体流路から1次加圧室に加圧用気体を供給していくと、収容体内の1次および2次の加圧室が下部で連通しているので、加圧用気体の圧力により1次加圧室内の溶湯が押し下げられるのに伴って2次加圧室内の溶湯が押し上げられ、溶湯がストークを通して鋳型の内部に充填される。また、鋳型内部の溶湯が凝固したところで、1次加圧室に対する加圧用気体の供給を停止すると、加圧用気体の排出に伴ってストークおよび2次加圧室内の溶湯が自重によりストークの下端部よりも下側まで下がるので、この間に再び制御弁を開放してガス流路から2次加圧室に不活性ガスを供給することにより、2次加圧室内の溶湯表面と空気との接触を阻止する。
【0010】
本発明の請求項3に係わる低圧鋳造装置では、2次加圧室に供給する不活性ガスとして空気よりも比重の大きいガスを用いているので、2次加圧室、ストークおよび鋳型内部の順で下側から空気を押し出すように不活性ガスが供給されることとなり、その後は2次加圧室に不活性ガスが残留するので、製品の取り出しを行うために鋳型を開いても、不活性ガスによって2次加圧室内の溶湯表面と空気との接触が阻止され、さらに、鋳型を開く際に不活性ガスを供給すれば、2次加圧室内の溶湯表面と空気との接触がより確実に阻止される。
【0011】
本発明の請求項4に係わる低圧鋳造装置では、1次および2次の加圧室が、収容体の内部上面から溶湯中に張り出した隔壁により形成してあるので、例えば、収容体である既存のつるぼや保持炉に隔壁を設けることにより、僅かな改造で1次および2次の加圧室を形成し得ることとなる。
【0012】
本発明の請求項5に係わる低圧鋳造装置では、ストークが、2次加圧室の上部に固定される下側部材と、下側部材および鋳型に対して着脱可能な上側部材とに分割してあるので、上側部材と鋳型の着脱機能により鋳型の交換に対処し得ると共に、下側部材と上側部材の着脱機能により湯口形状が異なる鋳型の交換に対処し得るものとなる。
【0013】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わる低圧鋳造装置によれば、不活性ガスによって2次加圧室内における溶湯表面の酸化被膜の生成を防止し、鋳型内部に対する溶湯の良好な湯流れ性を得ることができるうえに、ストークを筒状の簡単な構造にすることができ、2重構造で高価なストークを用いていた従来の装置と比較すると、メンテナンスの簡略化やランニングコストの低減を実現することができる。また、ストークの構造が簡単になるうえに、ストークの下端部を加圧室の非加圧状態の溶湯表面よりも上側に配置したことから、従来のような不活性ガスの溶湯中へのバブリングやストーク内での溶湯表面の保持が不要となり、不活性ガスの供給系における圧力制御の簡略化を実現することができ、さらに、ストークの下端部が常に溶湯に浸漬している従来の装置に比べて、ストークの寿命を延ばすことができるなどの優れた効果がもたらされる。
【0014】
本発明の請求項2に係わる低圧鋳造装置によれば、溶湯を蓄える1つの収容体内に1次および2次の加圧室を形成したことから、全体をコンパクト化することができ、この収容体において、不活性ガスによって2次加圧室内における溶湯表面の酸化被膜の生成を防止し、鋳型内部に対する溶湯の良好な湯流れ性を得ることができるうえに、ストークを筒状の簡単な構造にすることができ、2重構造で高価なストークを用いていた従来の装置と比較すると、メンテナンスの簡略化やランニングコストの低減を実現することができる。また、ストークの構造が簡単になるうえに、ストークの下端部を加圧室の非加圧状態の溶湯表面よりも上側に配置したことから、従来のような不活性ガスの溶湯中へのバブリングやストーク内での溶湯表面の保持が不要となり、2次加圧室および鋳型内部に対する不活性ガスの供給にあっては、特別な圧力制御を必要とせず、ガス流路に設けた制御弁の開閉操作だけで行うことができ、不活性ガスの供給系の簡略化をも実現することができ、さらに、ストークの下端部が常に溶湯に浸漬している従来の装置に比べて、ストークの寿命を延ばすことができるなどの優れた効果がもたらされる。
【0015】
本発明の請求項3に係わる低圧鋳造装置によれば、請求項1および2と同様の効果を得ることができるうえに、不活性ガスとして空気よりも比重の大きいガスを用いたことから、この不活性ガスを2次加圧室に供給すれば、2次加圧室、ストークおよび鋳型内部の順で不活性ガスが供給されることとなり、空気を押し出して鋳型内部を確実に不活性ガス雰囲気にすることができ、さらに、製品の取り出しを行うために鋳型を開いても、2次加圧室に残留する不活性ガスによって溶湯表面と空気との接触を阻止することができると共に、鋳型を開く際にも不活性ガスの供給を行えば、2次加圧室内の溶湯表面と空気との接触をより確実に阻止し、酸化被膜の生成をより確実に抑制することができる。
【0016】
本発明の請求項4に係わる低圧鋳造装置によれば、請求項2および3と同様の効果を得ることができるうえに、1次および2次の加圧室が、収容体の内部上面から溶湯中に張り出した隔壁により形成してあるので、例えば、収容体である既存のつるぼや保持炉に対して、隔壁の取り付け等の僅かな改造で1次および2次の加圧室を簡単に形成することができ、これにより装置の製造費用の低減などに貢献することができる。
【0017】
本発明の請求項5に係わる低圧鋳造装置によれば、請求項1〜4と同様の効果を得ることができるうえに、2次加圧室の上部に固定される下側部材と、下側部材および鋳型に対して着脱可能な上側部材とに分割したストークを採用したことから、鋳型の交換あるいは湯口形状が異なる鋳型の交換にきわめて容易に対処することができ、様々な製品生産に対する広い汎用性を確保することができる。
【0018】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明に係わる低圧鋳造装置の一実施例を説明する。
【0019】
図1に示す低圧鋳造装置1は、溶湯2を蓄えるるつぼあるいは保持炉である収容体3内に、下部が連通した1次加圧室11および2次加圧室12が形成してある。収容体3は、天井部3a、底面部3bおよび周囲を形成する側壁部3cで構成してあって、その内部に、収容体3の内部上面である天井部3aから垂下して溶湯3中に張り出した隔壁4を備えており、この隔壁4によって1次および2次の加圧室11,12を仕切った状態に形成している。
【0020】
この実施例の隔壁4は、平板状であって、収容体3の天井部3aおよび側壁部3cに沿って接合されると共に、底面部3bとの間に1次および2次の加圧室11,12を連通させる隙間5を形成しており、1次および2次の加圧室11,12の容積が約1対2となる位置に設けてある。
【0021】
1次加圧室11は、その上部に、加圧用気体の気体流路6を備えている。気体流路6には、図外の気体供給源から圧縮空気が供給される。他方、2次加圧室12は、その上部に、図1に示す如く収容体3の天井部3aに開口する不活性ガスのガス流路7と、ガス流路7を開閉する制御弁8を備えている。ガス流路7には、図外のガス供給源から、空気よりも比重が大きい不活性ガスが供給される。この不活性ガスとして例えばアルゴンガス(空気に対する比重1.38)が用いられる。
【0022】
さらに、2次加圧室12の上部には、収容体3の上部中央となる位置に、図1に示す如く収容体3の天井部3aに連結して2次加圧室12とその上側に配置した鋳型9の内部とを連通させるストーク10を備えている。ストーク10は、概略円筒体であって、その下端部が2次加圧室12における非加圧状態の溶湯2の表面よりも上側となるように配置してあり、2次加圧室12の上部に固定される下側部材10aと、下側部材10aおよび鋳型9に対して着脱可能な上側部材10bとに分割してある。
【0023】
鋳型9は、可動型である上型9aおよび複数のサイド型9b,9cと、固定型である下型9dを備えると共に、これらの型9a〜9dによって鋳造空間であるキャビティ9eを形成する。鋳型9は、下型9dに湯口9fを備えており、この湯口9fをストーク10の上端部に合わせた状態にして保持してある。
【0024】
上記の構成を備えた低圧鋳造装置1は、2重構造で高価なストークを用いた従来の装置(図5参照)に比べて、ストーク10が筒状の簡単な構造であり、且つ安価なものとなっている。したがって、メンテナンスが容易であると共に、ランニングコストが低減されることが明らかである。
【0025】
低圧鋳造装置1は、鋳造を行うに際し、まず制御弁8を開放してガス流路7から2次加圧室12に不活性ガスを供給する。このとき、低圧鋳造装置1では、不活性ガスとして空気よりも比重の大きいガスを用いていると共に、ストーク10の下端部を溶湯2の表面よりも上側に配置しているので、不活性ガスが2次加圧室12、ストーク10および鋳型9のキャビティ9eの順で下側から空気を押し出すように供給され、2次加圧室12、ストーク10およびキャビティ9e内を全て不活性ガス雰囲気にする。なお、キャビティ9e内の空気は、鋳型9に設けた排気経路から外部に排出される。
【0026】
次に、低圧鋳造装置1は、制御弁8を閉塞して不活性ガスの供給を停止したのち、気体流路6から1次加圧室11内に加圧用気体を供給する。このとき、低圧鋳造装置1では、収容体3内の1次および2次の加圧室11,12が下部の隙間5で連通しているので、図2に示すように、加圧用気体の圧力により1次加圧室11内の溶湯2が押し下げられるのに伴って2次加圧室12内の溶湯2が押し上げられ、最終的に、溶湯2がストーク10を通して鋳型9のキャビティ9e内に充填される。
【0027】
こののち、図3に示すように、キャビティ9e内の溶湯2が製品Aとして凝固したところで、1次加圧室11に対する加圧用気体の供給を停止すると、加圧用気体の排出に伴ってストーク10および2次加圧室12内の溶湯2が自重によりストーク10の下端部よりも下側まで下がるので、この間に再び制御弁8を開放してガス流路7から2次加圧室12に不活性ガスを供給する。
【0028】
そして、低圧鋳造装置1は、図4に示すように、上型9aやサイド型9b,9cを開放することにより、製品Aの取り出しが行われる。このとき、当該低圧鋳造槽装置1では、空気よりも比重の大きい不活性ガスを用いているので、鋳型9を開いても2次加圧室12内に不活性ガスが残留しており、この不活性ガスによって溶湯2の表面と空気との接触を阻止し得るが、上記した溶湯2の降下時から不活性ガスの供給を開始することにより、2次加圧室12における溶湯2の表面と空気との接触をより確実に阻止するようにしている。したがって、とくに2回目以降の鋳造に際して、2次加圧室12における溶湯2の酸化被膜の生成が確実に抑制され、キャビティ9e内への湯流れ性がより良好なものとなる。
【0029】
このように、上記実施例の低圧鋳造装置1によれば、ストーク10の構造が簡単なものになり、しかも、2次加圧室12内における溶湯表面の酸化被膜の生成を確実に抑制し得るうえに、不活性ガスを供給するには、特別な圧力制御を必要とせず、制御弁8の開閉操作だけで良い。また、上記の低圧鋳造装置1は、ストーク10を下側部材10aと上側部材10bとで構成しており、上側部材10aと鋳型9の着脱機能により、他の鋳型と交換することが自在であり、湯口形状が異なる鋳型と交換する場合には、下側部材10aと上側部材10bの着脱機能により、その湯口形状に対応した上側部材と交換することが自在である。
【0030】
さらに、当該低圧鋳造装置1では、既存のつるぼや保持炉に対して隔壁4の取り付け等を行うことにより、僅かな改造で1次および2次の加圧室11,12を有する低圧鋳造装置とすることが可能である。なお、上記実施例では、収容体3の天井部3aおよび側壁部3cに沿って接合した平板状の隔壁4を例示したが、このほか、ストーク10に対して同心状を成す筒状の隔壁としたり、下部に隙間5に相当する開口部を形成した隔壁としたりすることができる。
【0031】
また、当該低圧鋳造装置1では、例えば、使用する鋳型9のキャビティ9eの容積、収容体3に蓄える溶湯2の最大量、鋳造可能な溶湯2の残量および鋳造回数などを考慮して、隔壁4の高さ寸法Lbや隙間5の高さ寸法Lsを設定し、図2中に示すように、キャビティ9e全体に溶湯2が充填されるまで1次加圧室11の溶湯2を押し下げた状態において、1次加圧室11の溶湯2の深さHが隙間5の高さ寸法Lsよりも常に大きくなるようにし、この寸法関係(H>Ls)を維持し得るように溶湯2の補充を行う。これにより、隔壁4の下端部が常に溶湯2に没した状態となり、2次加圧室12への加圧用気体(空気)の侵入が確実に阻止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる低圧鋳造装置の一実施例において、鋳造前の状態を説明する断面図である。
【図2】1次加圧室に加圧用気体を供給してキャビティに溶湯を充填した状態を説明する断面図である。
【図3】1次加圧室への加圧用気体の供給を停止した状態を説明する断面図である。
【図4】鋳型を開いた状態を説明する断面図である。
【図5】従来における低圧鋳造装置の一例を示す図であって、鋳造前の状態を説明する断面図(a)およびバブリングによって製品と溶湯の間に不活性ガスを供給した状態を説明する断面図(b)である。
【符号の説明】
1 低圧鋳造装置
2 溶湯
3 収容体
4 隔壁
6 気体流路
7 ガス流路
8 制御弁
9 鋳型
10 ストーク
10a 下側部材
10b 上側部材
11 1次加圧室
12 2次加圧室
Claims (5)
- 加圧用気体が供給される1次加圧室と、不活性ガスが供給される2次加圧室と、2次加圧室とその上側に配置した鋳型の内部とを連通させるストークと、ストークと異なる位置から2次加圧室に不活性ガスを供給するガス流路を備え、1次および2次の加圧室を互いの下部で連通させるとともに両加圧室に溶湯を充填し、ストークの下端部を加圧室の非加圧状態の溶湯表面よりも上側に配置したことを特徴とする低圧鋳造装置。
- 溶湯を蓄える収容体内に、下部が連通した1次および2次の加圧室を形成し、1次加圧室の上部に、加圧用気体の気体流路を備えると共に、2次加圧室の上部に、収容体の天井部に開口する不活性ガスのガス流路と、ガス流路を開閉する制御弁と、収容体の天井部に連結して2次加圧室とその上側に配置した鋳型の内部とを連通させるストークを備え、ストークの下端部を加圧室の非加圧状態の溶湯表面よりも上側に配置したことを特徴とする低圧鋳造装置。
- 2次加圧室に供給する不活性ガスが、空気よりも比重の大きいガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の低圧鋳造装置。
- 1次および2次の加圧室が、収容体の内部上面から溶湯中に張り出した隔壁により形成してあることを特徴とする請求項2または3に記載の低圧鋳造装置。
- ストークが、2次加圧室の上部に固定される下側部材と、下側部材および鋳型に対して着脱可能な上側部材とに分割してあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の低圧鋳造装置。
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