JP3826138B2 - 気泡発生装置 - Google Patents
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Description
この種気泡発生装置は、従来からポンプの吸い込み側で水と共に空気を吸い込み、当該空気を水中に溶解させ気液混合状態として出力するものである。
例えば、特許文献1では、空気吸い込み部の圧力を高めるポンプを追加することにより、空気溶解量の増大を図っている。
また、特許文献2では、ポンプの揚程工程の途中から空気を吸い込むようにすることにより、1台のポンプで空気溶解量の増大を図っている。
更に、特許文献3では、気液混合ポンプの吐出流体に抵抗を付与する抵抗器を設け、この抵抗器を構成する障壁板により肥大化した気泡をこの部分に貯留させ直接出力しない対策が図られている。
ポンプは、上述のとおり、その攪拌動作は、流量と揚程を確保するためのもので、気泡微細化のための攪拌作用としては一般に不十分であると考えられる。この攪拌作用の不足をポンプで補充しようとすると、ポンプの出力容量を増やすか台数を増やすことになり、装置の大型化コスト増大が避けられない。しかるに、攪拌動作自体は、攪拌による液体中での摩擦損を補償すればよいので、その駆動動力は極めて僅かで済む。
図1は、この発明の実施の形態1における気泡発生装置の構成を示す断面図、図2は、同装置を流体回路で表現して示す構成図である。以下、図1、2を参照して構成を説明する。
全体は、本体容器1とこの本体容器1の上部に取り付けられた駆動源としてのモータ2とからなり、本体容器1は、円筒ケース1aと底蓋1bと上蓋1cとからなる。
本体容器1は、仕切板8により、上方の攪拌室3と下方の気泡分離室4とに区分されている。仕切板8上面にはポンプ5が取り付けられ、その内部に回転軸6を介してモータ2により回転駆動されるインペラ7が収容されている。仕切板8には、攪拌室3と気泡分離室4とを連通する連通部としての連通孔9が設けられている。
この空気分散用ドラム11には、その側面に多数の小穴が設けられており、スクリュー10の回転で下方へ導かれた気泡は溶解されやすいようにこの小穴で小気泡に分散されて攪拌室3内の水中に放散される。
液体源、例えば、循環式で浴槽に気泡を発生させる場合は、当該浴槽からの水(湯)が液体源となるが、この液体源が水吸い込み口12に接続され、この水吸い込み口12からインジェクタ13を経てポンプ5の外周所定箇所から水が導入される。インジェクタ13では、その狭隘部で一旦水圧が低下した部分に気体導入部としての空気吸い込み口14から大気圧の空気が導入され水と共にポンプ5に導入される。空気の吸い込み流量は空気吸い込み流量調整バルブ15を回すことにより調整する。
先ず、固定部23が円筒ケース1aを貫通して取り付けられており、その軸中心には排気孔24が形成されている。更に、攪拌室3内に挿入された固定部23の外周には、雄ネジ25が形成されている。次に、揺動部26は、略有底の円筒状でその円筒内面に形成した雌ネジ27が固定部23の雄ネジ25に螺合することにより固定部23に揺動自在に係合する。揺動部26の円筒上部の底に近い部分には吸気孔28が形成されている。また、揺動部26の円筒下部には、水流羽根29が固着されている。
上記水面位置が上昇してくると、やがて、水流羽根29の下端が渦巻き状の水流に当たり、当たる面積に応じて水流羽根29、従って揺動部26が所定角度傾斜揺動し、この傾斜揺動角に応じて両ネジ25、27の螺合により揺動部26が図中左方に移動し、図1に示す状態から上記隙間が次第に狭くなっていく。この結果、揺動部26の吸気孔28から上記隙間、更に固定部23の排気孔24から外気への排気経路の抵抗が増大する。即ち、気体開閉弁22が閉路状態に近づき、攪拌室3内から外部に放出される空気量が減少していく。
ポンプ5から吐出される気液混合水は吐出パイプ16を経てポンプ吐出口17から攪拌室3の上端近傍に導入される。攪拌室3内では、スクリュー10の回転による攪拌動作により、未溶解状態の気泡の溶解が促進されると共に、上方に貯留するスクリュー羽根近傍の空気は下方の水中に押し下げられ空気分散用ドラム11内に導かれた後、空気分散用ドラム11の周囲に形成された小穴を経る過程で細分化され周囲の水中に放散して溶解される。
気泡分離室4内の有圧状態の気泡溶解水は、取出口18から導出され、減圧調整バルブ19で大気圧まで減圧され気液混合水吐出口20から、例えば、浴槽の湯中に放出されミクロ状の微細気泡が霧状に湯中に拡散する。
実験で重要となるのは、発生気泡のサイズ測定であるが、必ずしも簡単ではなく、代表的なケースについては、公立試験所で絶対測定を行った(後述する)が、攪拌動作の効果や後述する減圧調整バルブの形態による影響等を比較検討するための実験は、透視度の経時変化を観察する相対測定を採用した。
実験は、ポンプ5を連続運転し、空気吸い込み量と攪拌室3内の貯留空気量とが一定となる定常状態で行い、気液混合水吐出口20から排出した気液混合水を透視度計(高さ350mm)に、濁度10に相当する高さ(100mm)の量を採取してサンプル液とした。そして、発生気泡の大きさが小さく数が多くなるほど、水中の気泡が消滅して澄んだ状態になるのに時間が掛かると考えられることから、サンプル液を採取した直後から、透視度計の上方から底部を観察し、透明度が次第に上がり底部の標識板が識別できるまでの時間(秒)を測定した。この時間が長いほど、気泡が小さく数が多いと想定されることになる。水温は、21〜23℃、室温は19℃で測定した。
また、上記各運転形式毎に、減圧調整バルブ19として3種類の減圧弁を取り替え実験を行った。各減圧弁の構造については図4により後述する。
図3の右端欄が、上記で定義した透視度(秒)の結果で、運転形式、減圧弁形式の各組合わせにつき、それぞれ、減圧弁の絞りを調整して圧力を3段階に設定して実験を行った。同表で、秒値が空欄になっているのは、観察を始めた当初から標識板が識別でき気泡の微細化としては良好な結果が得られなかったケースである。
「減圧弁60゜直線出口」と称している減圧弁が、図3の透視度観察結果から、気泡粒子が最も細かく、大気に開放した水中での寿命が最長である。同じ減圧弁使用の場合で比較した場合、スクリュー+空気分散用ドラムの場合とスクリューのみの場合とでは大差ないが、攪拌無しの場合とは大きく異なり、攪拌室3内における強制攪拌動作が気泡の微細化に大きく寄与していることが判る。他の2種類の減圧弁は、気泡微細化の点では大きく劣ることが判った。
図3には、ボールバルブの場合も比較している。このタイプのものは、図示は省略するが、多用されている簡便安価なもので、流路断面は弁の操作位置によって大きく変化し、気泡微細化という評価では「直角出口」のものより更に劣る。
先の実施の形態1では、図1に示すように、気泡分離室4の取出口18に直接減圧調整バルブ19を取り付けその気液混合水吐出口20から発生気泡を得るようにしたが、例えば、家庭内の浴槽に微細気泡を発生させたい場合であって、気泡発生装置本体を浴室から離れた別室に設置する必要がある場合等がある。このような場合、図1の減圧調整バルブ19の気液混合水吐出口20に必要な長さのパイプ(ホース)を接続し、その先端を浴槽内に漬けるようにすると、このパイプ内では、減圧された気泡溶解水が流れるので、この部分での気泡化促進が顕著となり、パイプ端からは粗大化した気泡が放出され、気泡状態を維持する寿命も短いものとなる。
図5に示す減圧弁は、その弁座30に形成したテーパ円筒凹面31と弁棒32に形成したテーパ円筒凸面33とで減圧動作流路を構成することは、先の図4(a)のタイプの減圧弁と同様であるが、ここでは、減圧弁自体を浴槽内に沈めて使用することが出来、図5(b)に示すように、上記減圧動作流路で減圧された気泡溶解水がより円滑に浴槽内に放出され、微少で消滅までの寿命時間の長い発生気泡が得られる。
先の実施の形態1では、図1に示したように、気体導入部の構成として、空気吸い込み流量調整バルブ15により空気吸い込み口14から導入する空気量を所定値に保つと共に、所定の高さに取り付けた気体開閉弁22の弁開閉動作により攪拌室3内での水面、従って貯留空気量を一定に保つようにした。
しかし、気体導入の方式としては、必ずしもこれに限られるものではない。即ち、例えば、攪拌室とポンプの吸入側とを管路で接続し、この管路の途中に空気を導入するインジェクタを挿入する。この構成を採用すれば、上記管路の出入口の圧力差に応じた流量の空気を導入することになり、攪拌室3内の圧力が一定に保たれ安定した動作が確保される。
また、ここで扱う気体は、空気に限らず、各種の気体を扱うことが出来、かつ、液体についても浴槽の水や水道水に限られるものではないことは勿論である。
13 インジェクタ、14 空気吸い込み口、15 空気吸い込み流量調整バルブ、
17 ポンプ吐出口、18 取出口、19 減圧調整バルブ、20 気液混合水吐出口、22 気体開閉弁、30 弁座、31 テーパ円筒凹面、32 弁棒、
33 テーパ円筒凸面。
Claims (6)
- 吸入口が液体源に接続されたポンプと、このポンプの吸入側に接続され所定流量の気体を導入する気体導入部と、上記ポンプの吐出口に接続された攪拌室と、この攪拌室内に設けられ回転駆動されて攪拌動作を行う回転羽根と、上記攪拌室との連通部で気泡を分離して気泡溶解液を導入し上記気泡溶解液を取り出す取出口を備えた気泡分離室と、この気泡分離室の取出口に接続され上記気泡溶解液を減圧して放出する減圧装置とを備えた気泡発生装置であって、
上記減圧装置は、その減圧動作流路部分が軸対称に形成され、該軸に直角な流路断面が円環形状に形成されており、
更に、上記減圧装置は、下流側に向かって同軸でテーパ状に径が減少または増大するテーパ円筒凹面を内部に形成した弁座と、上記テーパ円筒凹面と同軸で上記テーパ円筒凹面と接離可能に取り付けられ上記下流側に向かって同軸でテーパ状に径が減少または増大するテーパ円筒凸面を形成した弁棒とを備え、上記テーパ円筒凹面とテーパ円筒凸面とで形成される円環形状の流路で減圧動作を行うようにしたことを特徴とする気泡発生装置。 - 上記ポンプと回転羽根とを共通の駆動源により回転駆動するようにしたことを特徴とする請求項1記載の気泡発生装置。
- 上記攪拌室に貯留する気体の体積が一定となるよう上記貯留気体量に応じて外部との連通部を開閉する気体開閉弁を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の気泡発生装置。
- 上記気体導入部は、管路の入口側が上記攪拌室に接続され出口側が上記ポンプの吸入側に接続され上記管路の途中が気体源に接続され、上記入口側出口側の圧力差に応じた流量の気体を上記気体源から導入する構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の気泡発生装置。
- 上記気泡溶解液を減圧して放出する放出位置が上記気泡分離室の取出口から所定距離離反している場合、
上記減圧装置を上記放出位置に配置し、一端が上記取出口に接続されたパイプを備え、上記パイプの他端に上記減圧装置を接続するようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の気泡発生装置。 - 上記液体源は、有圧の上水道源であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の気泡発生装置。
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