JP3826121B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電記録方式や電子写真方式等の画像形成プロセスを利用した画像形成装置に関し、特に複数の像担持体上のトナー像を、多重転写することにより、多色画像を得ることができる画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカラー複写機の普及に伴い様々な形態の画像形成装置が考案されており、その中で現像剤の色ごとに複数色の画像形成部(以下画像形成ユニット)を設け、各画像形成ユニット毎で像担持体上に可視画像を形成し、該可視画像を紙等の転写材に順次転写し、更には一括定着してカラー画像を得る画像形成装置が提案・開発されている。
【0003】
また、中間転写体を設け、各色毎の可視画像を該中間転写体上に一旦多重転写しておき、該中間転写体から転写材に一括転写を行う、中間転写体方式がある。この中間転写体方式の利点は転写材の種類を選ばず良質な画像が得られると供に転写材の搬送方法がシンプルになる為、装置の中で転写材のジャムが発生しにくく、又、ジャムが発生したとしても処理が容易な構成となっている。
【0004】
中間転写体を用いた従来の画像形成装置について説明する。図8に示すカラー画像形成装置は装置本体内にマゼンダ、シアン、イエロー、ブラックの現像剤(以下トナーという)をそれぞれ有する画像形成ユニットPY、PM、PC、PKを備え、各画像形成ユニットPY〜PKで形成された可視画像を無端状の中間転写体T上に順次転写して多色画像を形成した後、転写材Sに一括転写を行ないフルカラーの画像形成を行うものである。
【0005】
以下に画像形成工程について簡単に説明する。また各画像形成ユニットPY〜PKは実質的に同一の構成を有している為、図中点線枠内で示した画像形成ユニットPYについてのみ説明する。
【0006】
画像形成ユニットPYは、図中矢印方向に回転駆動される像担持体としての感光体1Yを有し、感光体1Yの周辺には、感光体1Yを一様に帯電する帯電ローラ2Y、感光体1Y上に所望の静電潜像を形成する像露光装置3Y、感光体1Y上に形成された静電潜像を現像する現像装置4Y、現像された可視画像を中間転写体Tに転写する転写部材6Y、感光体上に残存するトナーを除去する像担持体クリーニング装置5Yが感光体1Yの回転方向に順次配設されている。
【0007】
帯電ローラ2Yにて一様に帯電された感光体面は、像露光装置3Y(本例では、LED発光素子をドラムの母線方向に並べたLEDヘッド)により、カラー画像のマゼンタ成分像に対応して露光され静電潜像が形成される。この静電潜像を、マゼンダ色のトナーを内包した現像装置4Yにて現像・顕像化する。
【0008】
現像装置4Yは感光体1Yに接触して回転可能に配置された現像剤担持体である現像ローラ7Yと、現像ローラ7Yにイエロートナーを供給する為、現像ローラ7Yに接触して回転可能に配置された弾性状の現像剤供給部材(図中不図示)とを有している。現像剤供給部材により現像ローラ7Yに供給されたイエロートナーは規制部材(図中不図示)にて現像ローラ7Y上でその層厚規制と電荷付与が行なわれ、感光体1Yとの対向部まで搬送される。
【0009】
感光体1Y上に形成された静電潜像は現像ローラ7Y上のイエロートナーによって顕像化され、1次転写部T1にて中間転写体Tに転写され次色の画像形成ユニットPMへと搬送される。次色のマゼンダトナーを有する画像形成ユニットPMでも同様な画像形成が行われ、中間転写体T上のイエロー像上にシアン像が形成される。このようにしてシアン像、ブラック像も順次中間転写体T上に重ねられ、多色画像が形成される。中間転写体T上に形成された多色画像は、2次転写部T2にて転写材Sに一括転写された後、定着器9にて転写材S上に定着される。
【0010】
また、感光体1Yより中間転写体Tに転写されなかった転写残トナーは像担持体クリーニング装置5Yにて回収される。また、中間転写体Tより転写材Sへ転写されなかった転写残トナーは、中間転写体Tと一体ユニット化された中間転写体クリーニング装置Cにより回収される。
【0011】
尚、画像形成ユニットPY〜PKは、現像装置内部のトナーが無くなると、画像形成ユニットごと交換するカートリッジタイプであり、ユーザービリティが高い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記に示すような画像形成ユニットを用いて形成される多色(フルカラー)画像は、近年その需要が非常に増え、各社よりさまざまな形態・構成の画像形成装置が提案・開発されている。しかしながら、市場が求めている画質はフルカラーの画像ばかりではなく、今だ白黒画像での出力がその多くを占めているのが現状である。又、近年オフィスのスペース等の問題もあり、画像形成装置は更なる小型化が求められている。すねわち、装置全体の小型化が進むにつれて、上記したような画像形成ユニットも小型になる為、1ユニット当たりに充填できるトナー量が非常に限られることになる。よって現在でも出力の割合が高い白黒画像を多くとった場合、必然的に黒色の画像形成ユニットを交換する割合が高くなる。その結果、ユーザーにかかるランニングコストは非常高いものとなる。
【0013】
そこで、本発明は、画像形成装置を小型化すると供に、白黒画像のみは多くとれるよう、他色と比べ黒色の画像形成ユニットの容量を多く確保して、ユーザーのランニングコストを低減することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、複数色の現像剤を其々に有した複数個の画像形成ユニット(第1、第2、・・第i・・、第m、第m+1)によって形成された現像剤像を、中間転写体上で順次重ね合わせて、多色の画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体は、表面に感光層を有し、潜像形成が可能なベルト状の像担持体であり、前記第1番目から第m番目までの画像形成ユニットは、静電潜像を形成する像担持体と、該像担持体を均一帯電させる帯電部材と、静電潜像を現像剤により現像剤像として顕像化する現像装置と、像担持体上に残った転写残現像剤をクリーニングする像担持体クリーニング装置とを有し、第i番目の画像形成ユニットにおける像担持体の転写位置と第i+1番目の画像形成ユニットにおける像担持体の転写位置を結ぶ線に対して垂直な方向で、第i番目の画像形成ユニットにおける像担持体クリーニング装置と第i+1番目の画像形成ユニットにおける現像装置が重なりをもって配置され、前記最終色である第m+1番目の画像形成ユニットは、現像装置のみのユニットであり、中間転写体上に形成された潜像に対して直接現像像を形成することを特徴とする
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像形成装置の実施形態について、図を用いて説明する。図1は本実施形態にかかる画像形成装置の断面図である。尚、本実施形態で用いる画像形成手段は非磁性1成分トナーを用いた接触現像方式であり、更には転写方法として中間転写方式を用いている。
【0016】
画像形成装置は、装置本体内に第1〜第4の4つの画像形成ユニットPY、PM、PC、PKを備えており、各画像形成ユニットはイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのトナー像をそれぞれ形成する。
【0017】
第1〜第3の画像形成装置PY、PM、PCは、回転可能な像担持体である感光ドラム1Y、1M、1Cと、感光ドラム1Y〜1Cに従動回転しながら感光ドラム表面を一様に帯電する帯電ローラ2Y、2M、2Cと、トナーを収容し、感光ドラム上に形成された各静電潜像を現像する現像装置4Y、4M、4Cと、感光ドラム上より転写残トナーを回収する像担持体クリーニング装置5Y、5M、5Cと、が配置されている。
【0018】
所望の画像信号に対応して感光ドラム1Y、1M、1Cの各ドラム面を露光し、対応する色の静電潜像を形成する露光装置としてLED発光素子をドラムの母線方向に並べたLEDヘッド3Y、3M、3Cが配置されている。尚、該露光装置はLEDに限るものではなく、レーザー等の他の露光装置でもかまわない。
【0019】
中間転写体Tは、表面に感光層を有するベルト状の像担持体であり、その表面が帯電ローラ6により所望の電位に帯電される。この帯電電位とトナー像を含んだ感光ドラム1Y、1M、1Cの電位差によりトナー像を、中間転写体T上に順次転写していく構成となっている。
【0020】
一方、ブラックのトナー像を形成する画像形成ユニットPKのみは、現像装置4Kのみでユニットが形成されている。そして、最終色のブラックは、露光装置3Kにより、表面に感光層を有する中間転写体T上に直接ブラック用の静電潜像が形成され、静電潜像に対し現像装置4Kにて画像を形成する構成となっている。
【0021】
尚、本実施形態における現像方式は、画像形成ユニットPY、PM、PCで1成分非磁性トナーを用いた接触現像を用いており、画像形成ユニットPKでは1成分磁性トナーを用いた非接触の現像方式を用いた形で記述を行う。しかしながら、本発明の現像方式は上記方式に限るものではなく、例えば2成分現像方式を用いてもその効果が変ることはない。但し、画像形成ユニットPKにおける現像は、YMCのトナー像が多重に転写された中間転写体T上に直接行われる為、2成分現像方式であっても非接触にて現像を行うことが望ましい。又、上記トナーは負極性帯電のものをもちいている。
【0022】
次に、画像形成の工程を説明する。尚、PY、PM、PCまでは同様な工程が繰り返される為、第一の画像形成ユニットPYついて説明を行い、最終色のPKについては別途説明する。
【0023】
画像形成部PYにおいて、感光ドラム1Yは図中矢印方向への回転過程で、図5に示すように、帯電ローラ2Yにより所望の帯電電位(Vd=−700V)に均一帯電処理され、次いで露光装置3Yによりイエロー成分のデータに応じた画像露光(画像部VL=−50V)を受け、イエロー成分静電潜像が形成される。そして、この静電潜像をイエロートナーを内包した現像装置4Yの開口部に設置された現像ローラ7Y上のトナーにより現像・顕像化する(現像バイアスVdc=−400V)。
【0024】
感光ドラム1Y上に形成されたイエロートナー像は、中間転写体T方向へと搬送され、転写位置P1で中間転写体Tへ転写される。この転写工程は、図6に示すように、まず帯電ローラ6にて中間転写体Tの表面がVtd=+800〜+1500V程度まで帯電されている為、イエロートナーを含んだ感光ドラム1Yの電位と中間転写体T表面の電位差によってイエロートナー像が中間転写体Tへ転写される。
【0025】
転写されたイエロートナー像は次の画像形成ユニットPM方向に送られ、画像形成ユニットPYと同様な画像形成工程により形成された感光ドラム1M上のマゼンダトナー像がイエロー像の上に多重転写される。この画像形成工程は画像形成ユニットPC(シアントナー)においても繰り返し行われ、最終的に3色のトナー像が中間転写体T上で多重転写される。
【0026】
その後、多重転写トナー像には最後のブラックトナー像が重なるわけだが、ブラックトナー像の形成は、画像形成ユニットPK内の現像装置4Kにより直接行われる。すなわち、中間転写体Tの表面には、帯電ローラ6によって帯電された帯電電位(+800〜+1500V)に対し、露光装置3Kより黒データに準じた静電潜像が形成される。この静電潜像に対し現像装置4Kより黒トナーの現像が行われるのである。
【0027】
但し、本実施形態ではブラックトナーにマイナス帯電のトナーを用いているため、図7に示すように、その静電潜像は、画像部Dを帯電電位(+800〜+1500V)のまま残し且つ非画像部Wを露光するバックグラウンド露光にて形成される。現像装置4K内の現像ローラ7Kに印加されるバイアスは、非画像部Wに存在する多色トナーを、現像ローラ7K側に回収しないよう、バイアスのDC分BkVdcを+50〜+100Vに設定している。尚、BKの現像は非接触にて行われており、上記DCのみでは現像性が落ちるため交番電界ACをも印加している。このようにして、中間転写体T上のブラック用静電潜像に準じたトナー像が形成される。
【0028】
尚、本実施例では、YMCの多重トナー像を担持した中間転写体Tに対して直接潜像を形成しているが、該YMC多重トナー像がある事によって中間転写体T表面の帯電電位にばらつきが生じることがある。よって、画像形成ユニットPKによる画像形成が行われる前にコロナ帯電器等によって、その表面を再度均一帯電化する場合もある。
【0029】
このようにしてYMCKの4色のトナーが重なった多重転写画像は、転写ローラ10と対向する位置で紙等の転写材Sに再度一括転写された後、定着器9にて定着され、画像形成装置外に排出される。
【0030】
一方、上記中間転写体Tに転写されず、感光ドラム1Y、1M、1C上に残留した転写残トナーは像担持体クリーニング装置5Y、5M、5Cにて、感光ドラム表面より回収される。また、紙等の転写材Sに転写されず、中間転写体Tに残留した転写残トナーは、中間転写体クリーニング装置11により回収される。
【0031】
画像形成ユニットの形態を説明する。図2、図3で示すように、画像形成ユニットPY〜PCは、像担持体である感光体1、帯電ローラ2、現像装置4、像担持体クリーニング装置5から構成され、全体としては点線で囲んだようなクランク状の形態をとっている。帯電ローラ2、現像装置4、像担持体クリーニング装置5は、感光ドラム1の周りに感光ドラム1の回転方向に沿って配置されている。
【0032】
画像形成ユニットPY〜PCは、隣り合う画像形成ユニットPの凹凸が重なるよう配置している。感光ドラム1Y、1Mが中間転写体Tと接する転写位置P1、P2を結ぶ延長線に対し、垂直方向(図中破線L方向)にて、中間転写体Tの転写面を基準として、画像形成ユニットPYの像担持体クリーニング装置5Y、次色の画像形成ユニットPMにおける現像装置4Mの順で、重なるよう配置されている。すなわち、中間転写体Tと現像装置4の間のスペースに前色の像担持体クリーニング装置5が入るよう構成されている。
【0033】
このように、画像形成ユニットP内の像担持体クリーニング装置5を次色の現像装置4と重なるように配置することにより、感光ドラム1周りのスペースを有効に活用でき、装置の中で画像形成ユニットPの閉める容積を低減することができ、装置全体の小型化を図ることができる。
【0034】
また、図4で示すように、最終色の画像形成ユニットPKは現像装置4Kのみのユニットであり、感光層を有する中間転写体Tに直接現像を行うよう構成した。これにより、最終色のクリーナー装置を画像形成ユニットPK外の別な場所に配置できる為、装置内のスペースを効率よく使うことが可能となる。また、画像形成ユニットPKには現像装置4Kしかないため、現像装置4Kを大きくすることができ、しいてはトナー容量を多くすることが可能となる。よって、白黒画像をより多く出力する使用形態においてはランニングコストを低くおさえることが可能となる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、中間転写体は、表面に感光層を有し、潜像形成が可能なベルト状の像担持体であり、第1番目から第m番目までの画像形成ユニットは、静電潜像を形成する像担持体と、該像担持体を均一帯電させる帯電部材と、静電潜像を現像剤により現像剤像として顕像化する現像装置と、像担持体上に残った転写残現像剤をクリーニングする像担持体クリーニング装置とを有し、第i番目の画像形成ユニットにおける像担持体の転写位置と第i+1番目の画像形成ユニットにおける像担持体の転写位置を結ぶ線に対して垂直な方向で、第i番目の画像形成ユニットにおける像担持体クリーニング装置と第i+1番目の画像形成ユニットにおける現像装置が重なりをもって配置され、前記最終色である第m+1番目の画像形成ユニットは、現像装置のみのユニットであり、中間転写体上に形成された潜像に対して直接現像像を形成するよう構成した。これにより、装置全体のスペースを効率的に使用することが可能となり、装置全体として小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる画像形成装置の断面図である。
【図2】第1番目から第m番目までの画像形成ユニットの断面図である。
【図3】第1番目から第m番目までの画像形成ユニットの断面図である。
【図4】最終色の画像形成ユニットの断面図である。
【図5】画像形成を説明するバイアス図である。
【図6】画像形成を説明するバイアス図である。
【図7】画像形成を説明するバイアス図である。
【図8】従来の画像形成装置の断面図である。
【符号の説明】
P …画像形成ユニット
T …中間転写体
1 …感光ドラム
2 …帯電ローラ
3 …露光装置
4 …現像装置
5 …像担持体クリーニング装置
6 …帯電ローラ
7 …現像ローラ
9 …定着器
10 …転写ローラ
11 …中間転写体クリーニング装置

Claims (1)

  1. 複数色の現像剤を其々に有した複数個の画像形成ユニット(第1、第2、・・第i・・、第m、第m+1)によって形成された現像剤像を、中間転写体上で順次重ね合わせて、多色の画像を形成する画像形成装置において、
    前記中間転写体は、表面に感光層を有し、潜像形成が可能なベルト状の像担持体であり、
    前記第1番目から第m番目までの画像形成ユニットは、静電潜像を形成する像担持体と、該像担持体を均一帯電させる帯電部材と、静電潜像を現像剤により現像剤像として顕像化する現像装置と、像担持体上に残った転写残現像剤をクリーニングする像担持体クリーニング装置とを有し、第i番目の画像形成ユニットにおける像担持体の転写位置と第i+1番目の画像形成ユニットにおける像担持体の転写位置を結ぶ線に対して垂直な方向で、第i番目の画像形成ユニットにおける像担持体クリーニング装置と第i+1番目の画像形成ユニットにおける現像装置が重なりをもって配置され、
    前記最終色である第m+1番目の画像形成ユニットは、現像装置のみのユニットであり、中間転写体上に形成された潜像に対して直接現像像を形成することを特徴とする画像形成装置
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