JP3825723B2 - 浚渫作業時の汚濁防止装置および汚濁防止方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浚渫作業時の汚濁防止装置および汚濁防止方法に関する。さらに詳述すると、本発明は例えば港湾・空港工事、河川工事、湖沼工事、ダム工事等における浚渫工事時、グラブ式浚渫船等の作業船により水底(または海底)の土砂や底泥を浚渫する際の水域(または海域)の汚濁を防止するための汚濁防止装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
水中カーテンで浚渫作業領域を覆うようにして汚濁の流出を防止するようにした汚濁防止装置がグラブ式浚渫船等による浚渫作業で使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の汚濁防止装置としては、例えば鋼管等により枠組みされた浮体構造の浮遊体101と、浮遊体101の外周に取付けられて水中(海中を含む)に垂下し汚濁の流出を防ぐ膜状の汚濁防止カーテン102などを有し(図11、図12参照)、例えば浮遊体101上のウインチ等の巻揚げ機103により汚濁防止カーテン102を巻揚げ可能としているものがある(符号104は歩廊、105は錘である)。そして、グラブ式浚渫船106による浚渫作業(施工)の際は、図13に示すように水底土砂を掴むグラブ107の周囲を水中に垂下した汚濁防止カーテン102で覆い、浚渫作業に伴い発生する濁水や汚濁が周囲に流出するのを防ぐようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−262553号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような構成の汚濁防止装置においては、例えば潮流等による横方向への外力(グラブ107の水中での昇降時に生じる汚濁防止カーテン102の内部での対流力を含む)を受けて撓み、膨らみ、あるいはうねる等した汚濁防止カーテン102が、グラブ107またはグラブ107を吊っているワイヤー108に接触して破損してしまうことがあるという問題があった(図13、図14参照)。このような破損が生じた場合、汚濁防止装置自体の経済的損失及び作業中止にともなう工期の延長ならびに施工コストの増大につながることに加え、汚濁流出により施工区域周辺の環境への悪影響をもたらすという問題も生じる。さらに、グラブ107やワイヤー108が汚濁防止カーテン102に接触しないようにするには熟練したオペレータによる慎重な運転と作業が必要であることから、作業効率の低下と施工能力の低下ならびにオペレータへの多大な負担をもたらしていた(図14参照)。
【0006】
また、汚濁防止カーテン102が撓むのを防止するためその内側に複数条のチェーンを垂らすことも行われたが、効果なく従来のまま作業がなされてきた。すなわち、チェーンを数条垂らしたとしてもチェーン間の隙間から汚濁防止カーテン102が内側に入り込んでしまうことがあるし、これを防ぐためチェーン条数を多くすればその分だけ重量が増えて浮遊体101を大型化する必要が生じるなど、チェーンは汚濁防止カーテン102の撓み防止手段としてはそれほど適していなかった。
【0007】
さらに、汚濁流出を防ぐという汚濁防止カーテンの102本来の効果を発揮させるためにはこの汚濁防止カーテン102を水底面付近まで展張する必要があるが、グラブ107と接触しないように水面下の途中までの展張で止めて作業を行うため、常時汚濁が流出した状態で作業が行われることもあった(図15参照)。
【0008】
そこで本発明は、汚濁防止カーテンがグラブ等へ接触して破損するのを防ぐようにした浚渫作業時の汚濁防止装置および汚濁防止方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明者は、剛性の無い汚濁防止カーテンを浮遊体から吊り下げているという従来の汚濁防止装置の構造に着目した。従来は汚濁防止カーテンの撓み膨みは自然現象として諦め、いかに撓み膨んだエリア内でグラブやワイヤーが汚濁防止カーテンに当たらないように作業するかを考えるのみであったが、本発明者はこの点について検討した結果、汚濁防止カーテンの撓み膨み、うねりを防止するのに有効な手段を知見するに至った。
【0010】
本願発明はかかる知見に基づくものであり、請求項1記載の浚渫作業時の汚濁防止装置は、浚渫作業領域の上方に浮かぶ浮遊体と、該浮遊体に取付けられ周回した状態で水中に垂下し浚渫作業時の汚濁が周囲へ流出するのを防ぐ汚濁防止カーテンと、該汚濁防止カーテンの内周側に位置しこの汚濁防止カーテンが内周側に撓み又はうねるのを防止することによって汚濁防止カーテンの水中形状を維持する撓み防止部材と、該撓み防止部材を浮遊体に取り付けるための取付部材とを備えると共に、撓み防止部材として透過排水性を有する部材を用い、透過排水時に生じる撓み防止部材の外周側の負圧を利用して汚濁防止カーテンをこの撓み防止部材に密着させることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項3記載の浚渫作業時の汚濁防止方法は、浮体構造の浮遊体に汚濁防止カーテンを取付け周回した状態で水中に垂下させて浚渫作業時の濁りの流出を防ぐとともに、撓み防止部材を汚濁防止カーテンの内周側に位置させてこの汚濁防止カーテンが内周側に撓み又はうねるのを防止することによって汚濁防止カーテンの水中形状を維持すると共に、撓み防止部材として透過排水性を有する部材を用い、透過排水時に生じる撓み防止部材の外周側の負圧を利用して汚濁防止カーテンをこの撓み防止部材に密着させることを特徴とするものである。
【0012】
この汚濁防止装置または汚濁防止方法においては、汚濁防止カーテンの内周側に位置する撓み防止部材が汚濁防止カーテンが内周側に撓みまたはうねるのを防止する。このため、汚濁防止カーテンは例えば潮流等により横方向への外力を受けた場合にも撓み防止部材よりも内周側に流れず、グラブやワイヤーに接触しないようになる。
【0013】
さらに、この汚濁防止装置あるいは汚濁防止方法においては、撓み防止部材として透過排水性を有する部材を用い、透過排水時に生じる撓み防止部材の外周側の負圧を利用して汚濁防止カーテンをこの撓み防止部材に密着させるようにしているので、汚濁防止カーテンが枠内へ撓んだりあるいは逆に脹らんだりするのが抑止され、浚渫作業時における汚濁防止カーテンがグラブやワイヤーに接触して破損するのが防止される。また、汚濁防止カーテンの水中形状が維持されることによってオペレータがグラブを操作しやすくなる。なお、本明細書においては維持という用語を用いているが、ここでいう維持とは水中形状の完全同一のみを意味するのではなく、汚濁防止カーテンがグラブやワイヤー等に接触しない程度の範囲内で形状変化(撓み等)が抑えられていることをいう。
【0014】
さらに汚濁防止装置においては、請求項2のように、撓み防止部材として廃棄ゴムベルトが利用されていることが好ましい。こうした場合には使用材料のリサイクル活用が図れ環境の保全促進に寄与できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1〜図8に本発明の一実施形態を示す。本発明にかかる浚渫作業時の汚濁防止装置は、浚渫作業領域の上方に浮かぶ浮遊体1と、該浮遊体1に取付けられる汚濁防止カーテン2と、汚濁防止カーテン2の水中形状を維持する撓み防止部材3と、該撓み防止部材3を浮遊体1に取り付けるための取付部材13とを備えている。なお、汚濁防止カーテン2と撓み防止部材3とを区別し易くするため図1〜図3および図5においてはいずれか一方または双方を破線にて図示することとしている。
【0017】
浮遊体1は水中に垂下される汚濁防止カーテン2を支持するための手段で、例えば鋼管により枠組みされた浮体構造の枠体であって浚渫作業領域の上方に浮かばせられる浮遊物がこの浮遊体1として利用される。本実施形態の場合は図2に示すような円筒形の鋼管が複数接合されることによって構成された矩形の枠体が用いられている(図1参照)。浮遊体1の上部には図2に示すように断面板状であって平面視略矩形の歩廊(プラットフォーム)8が取り付けられている。この歩廊8の上部には、汚濁防止カーテン2を揚げ下ろしするためのウインチ(巻揚げ機)7が設けられている。ウインチ7は、複数(例えば8機)が汚濁防止カーテン2をバランス良く支持して揚げ下ろしできるように配置されている。なお、浮遊体1はここで示したように周回するものに限られることはなく、例えば全体として十分な浮力を有する複数の分割されたフローターを等間隔となるように配置しそれらの上に歩廊8が載置されたような分割された形態の浮遊体1であってもよい。
【0018】
汚濁防止カーテン2は、周回した状態で水中に垂下し浚渫作業時の汚濁が作業領域の周囲へ流出するのを防ぐ膜状の部材である。この汚濁防止カーテン2は浚渫作業を行う時のみ水底面まで展張されて浚渫位置におけるグラブ11を囲み、浚渫作業に伴うグラブ11の水底土砂の攪乱による濁りをカーテン内に閉じ込め、その周囲つまりカーテン外へ汚濁が流出するのを阻止し周辺水域が汚濁されるのを防止する。汚濁防止カーテン2はウインチ7によって浚渫作業時のみ降下展張され、浚渫作業をしない時には浮遊体1上の歩廊8まで(あるいは水面近くまで)巻揚げられる。また、この汚濁防止カーテン2は図1等に示すように浮遊体1の外周側に取り付けられている。汚濁防止カーテン2の下端部には錘9が取り付けられている(図2、図3参照)。
【0019】
撓み防止部材3は、汚濁防止カーテン2の内周側に位置してこの汚濁防止カーテン2が内周側に撓み又はうねるのを防止するための部材である。本実施形態ではこの撓み防止部材3として安価であり汚濁防止カーテン2を破損させるおそれの少ないゴムベルト(以下、本実施形態において「ゴムベルト3」という)を利用している。このゴムベルト3としては新品のベルトを使用できるのは勿論であるが、例えば鉱山等のベルトコンベア等の廃棄ゴムベルトを利用することもでき、こうした場合には使用材料のリサイクル活用が図れ環境の保全促進に寄与できる。
【0020】
本実施形態におけるゴムベルト3は縦長の帯形状であって適度に固くかつ重いため自重により自立して鉛直面を構成することのできるものであり、これが隣り合うように数条並べられることによってほぼ矩形の面が構成されている。ゴムベルト3は、図2に示すように水中で鉛直となる状態で、その上端側が浮遊体1(あるいは歩廊8)に例えば取付部材13を介して取り付けられている。ゴムベルト3の好適な長さは汚濁防止カーテン2の撓み等を効果的に防止するのに適当な長さ(例えば水深の1/3〜1/2程度の長さ)である。取付部材13は例えば図7に示すように浮遊体1の側部に固定されたH形の鋼材4、帯鋼(フラットバー)5、ボルト6、ナット12から構成されており、鋼材4と帯鋼5とでゴムベルト3の上端部分を挟み込んだ状態で両側からボルト6およびナット12で締め込むようにしてゴムベルト3を浮遊体1に固定している。
【0021】
また、本実施形態では帯状である複数条のゴムベルト3を、隣り合うベルト3同士が一部重なり合うように僅かに傾けた状態で段々状に配置している(図5参照)。このため本実施形態のゴムベルト3は、重ね合わせられた部分から水(海水)を透過することのできる透過排水性を有するものとなっている。
【0022】
本実施形態のような構成の汚濁防止装置においては、この重ね合わせ部の隙間から、汚濁防止カーテン2とゴムベルト3の間にある水が、汚濁防止カーテン2の外側に作用する潮流圧と水圧及びゴムベルト3に作用するゴムベルト3の内側に起こる浚渫時の水の対流圧力により撓み防止部材3の内側に透過排水され、汚濁防止カーテン2とゴムベルト3との間で自然物理現象により双方の吸引密着効果が作用して汚濁防止カーテン2がゴムベルト3に密着する。すなわち、図4および図5に示すように、汚濁防止カーテン2の外側からの潮流等の外圧(図4において▲1▼で示している)とゴムベルト3の内側からの枠内対流による内圧(図4において▲2▼で示している)との作用により、これら汚濁防止カーテン2およびゴムベルト3の間にある水がゴムベルト3を透過しあるいはゴムベルト3の下側を通って枠内側に排水される結果(図4において▲3▼で示している)、ゴムベルト3の外周側(つまり汚濁防止カーテン2とゴムベルト3の間)が負圧となり、剛性のない汚濁防止カーテン2がゴムベルト3側に吸引されて密着する(図3参照)。この場合、汚濁防止カーテン2が潮流力等に伴い枠内(つまりベルトゴム3で囲われた浚渫作業領域内)へ入り込むように撓んだり、あるいは逆に外側へ脹らんだりするのが抑止される。このため、本実施形態の汚濁防止装置によれば汚濁防止カーテン2の潮流等に伴う枠内への撓みやうねりを抑止しやすいことから、浚渫作業時においてこの汚濁防止カーテン2がグラブ11やワイヤー14に接触するのを防止できる。また、オペレータがグラブ11を操作する際、汚濁防止カーテン2に接触しないようにするための負担を軽減することができる。
【0023】
なお、ゴムベルト3は特に材質に特化する必要はなく、吸引密着効果を期待できる面を構成できるものであれば例えば鋼板、木板、FRP等からなる面材でも構わない。この場合、汚濁防止カーテン2とゴムベルト3に代わる面材の間にある水が透過できるように、この面材に多数の透水孔を設けるようにすることで上述のゴムベルト3の場合と同様の吸引密着効果を奏させることができる。
【0024】
また、このように帯状のゴムベルト3を一部重ね合わせた状態とする場合、これらゴムベルト3の上端側の一部を予め切り欠いておくなどにより、鋼材4への取付部分においてはゴムベルト3同士重なり合う部分がないようにしておくことが好ましい。例えば、ゴムベルト3の上端側の両隅を切り欠いて凸形とした場合(図8参照)、ゴムベルト3の側部の大部分については重なり合うようにしつつ、鋼材4と帯鋼5とで挟まれる部分については重なり合わないようにすることで浮遊体1側へ確実に取り付けることが可能となる。
【0025】
以上のような汚濁防止装置を用いた場合、汚濁の流出を防止しつつ浚渫作業を行うことが可能となる(図6参照)。すなわち、浚渫作業領域を覆うように水中に設置された汚濁防止カーテン2は、その内側に設けられた撓み防止部材(ゴムベルト)3によって枠内へと撓みあるいはうねり、更には逆に外側へ膨らむといったように動くのが防止される結果、潮流等の外力が作用した場合にも水中での形状が維持されやすいことから、グラブ11やワイヤー14に接触して破損するおそれが極めて少ない。このため、汚濁が浚渫作業領域から流出するのを確実に防止することができる。また、汚濁防止カーテン2の撓みやうねりが抑えられることから、グラブ式浚渫船10からグラブ11を操作するオペレータが接触を避けることに必要以上に神経を使う必要がなくなり、負担が軽減されるようになる。
【0026】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では汚濁防止カーテン2を支持するための浮遊体1として平面視略矩形のものを例示したが(図1参照)これは一形状例に過ぎず、この形状さらには大きさは浚渫作業の内容やグラブ11の大きさ等の条件に従い種々変更されるものであることはいうまでもない。
【0027】
また、本実施形態では複数条のゴムベルト3を隣り合うベルト3同士が一部重なり合うように僅かに傾けた状態で段々状に配置したが、このゴムベルト3は端部を重ね合わさずゴムベルト3同士の隣接部に極僅かな隙間を持たせて配置しても良い(図9、図10参照)。こうした場合、ベルト隣接部の極僅かな隙間から、汚濁防止カーテン2とゴムベルト3の間にある水が、汚濁防止カーテン2の外側に作用する潮流圧と水圧及び撓み防止部材3に作用する撓み防止部材3の内側に起こる浚渫時の水の対流圧力により、撓み防止部材3の内側に透過排水される。また、このように隙間を持たせてゴムベルト3を並べる場合は、ゴムベルト3が捲れるようにして離れてしまうのを防止するため、図10に示すように隣り合うベルト3同士を繋部材15によって繋ぎ合わせておくことが好ましい。繋部材15はゴムベルト3を繋ぎ止めておくことができれば特に限られることはなく、例えばチェーン、ワイヤーロープ、繊維ロープ等を繋部材15として用いてもよいし、接着剤やボルトによりゴムベルト3に固定されたゴム板等を繋部材15として用いてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように請求項1記載の浚渫作業時の汚濁防止装置によると、汚濁防止カーテンの内側に設置された撓み防止部材により、この汚濁防止カーテンが枠内(つまり撓み防止部材で囲われた浚渫作業領域内)へ入り込むように撓んだりあるいは逆に外側へ脹らんだりするのが抑止される。このため、浚渫作業時に潮流等の外力が作用したとしてもこの汚濁防止カーテンがグラブやワイヤーに接触するのを防止できるようになり、破損を防げる結果、汚濁の流出を確実に防止できることに加え、破損に伴う作業停止や修理期間待ち等のロスが無くなる。さらに、破損修理費の発生が無く高効率なため工事費の削減と工期の短縮が図れる。以上より、浚渫作業の効率化と汚濁流出の効果的な防止とを同時に達成することができる。また、周辺水域の汚濁を防止することができるため、水域景観の保護及び水域棲息生物の保護と水産資源の安定的な確保と増殖の促進に寄与でき、ひいては人類の健康維持増進の確保に寄与できる。
【0029】
しかも、汚濁防止カーテンが枠内へうねるような動作を防止できることから、グラブを操作するオペレータの過大な負担を軽減することが可能になり作業効率および施工能力の更なる向上を図れるようになる。また、これまでオペレータに要求されていた熟練度が緩和されることによってそれ程熟練していないオペレータであっても操作することが可能となる。
【0030】
また、汚濁防止カーテンが浚渫作業中のグラブと接触するおそれが少なくなることから、汚濁防止カーテンの展張を途中で止めずに水底面(またはその付近)まで確実に展張することが可能となる。したがって、浚渫作業領域を完全に覆うことによって汚濁をカーテン内に閉じ込めることが可能となることから、より一層高い汚濁防止効果が得られる。
【0031】
加えて、本発明にかかる汚濁防止装置は新規に製作する必要は無く、既存の汚濁防止装置に撓み防止部材を付加することによって製作できるので極めて簡単かつ低費用で設置できる。
【0032】
さらに、汚濁防止カーテンを撓み防止部材に密着させることが可能となることから、潮流等の外力を受けた汚濁防止カーテンが枠内へ撓んだりうねる等するのをより確実に防止することができる。これにより、浚渫作業時に汚濁防止カーテンがグラブ等に接触して破損するのをより確実に防止できる。
【0033】
さらに請求項2記載の浚渫作業時の汚濁防止装置によると、使用材料のリサイクル活用が図れ環境の保全促進に寄与できる。
【0034】
請求項3記載の浚渫作業時の汚濁防止方法によると、汚濁防止カーテンがグラブやワイヤーに接触するのを防止でき、破損を防げる結果、汚濁の流出を確実に防止できることに加え、破損に伴う作業停止や修理期間待ち等のロスが無くなることから、浚渫作業の効率化と汚濁流出の効果的な防止とを同時に達成することができる。また、周辺水域の汚濁を防止することができるため、水域景観の保護及び水域棲息生物の保護と水産資源の安定的な確保と増殖の促進に寄与でき、ひいては人類の健康維持増進の確保に寄与できる。
【0035】
しかも、汚濁防止カーテンが枠内へうねるような動作を防止できることから、グラブを操作するオペレータの過大な負担を軽減することが可能になり作業効率および施工能力の更なる向上を図れるようになる。また、これまでオペレータに要求されていた熟練度が緩和されることによってそれ程熟練していないオペレータであっても操作することが可能となる。
【0036】
また、汚濁防止カーテンが浚渫作業中のグラブと接触するおそれが少なくなることから、汚濁防止カーテンの展張を途中で止めずに水底面(またはその付近)まで確実に展張することが可能となる。したがって、浚渫作業領域を完全に覆うことによって汚濁をカーテン内に閉じ込めることが可能となることから、より一層高い汚濁防止効果が得られる。
【0037】
さらに、汚濁防止カーテンを撓み防止部材に密着させることが可能となることから、潮流等の外力を受けた汚濁防止カーテンが枠内へ撓んだりうねる等するのをより確実に防止することができる。これにより、浚渫作業時に汚濁防止カーテンがグラブ等に接触して破損するのをより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す浚渫作業時の汚濁防止装置の概略平面図である。
【図2】本実施形態における汚濁防止装置の浮遊体とその周囲の構成を示す部分図である。
【図3】汚濁防止装置の汚濁防止カーテンとゴムベルトの双方の吸引密着状況を示す断面図である。
【図4】潮流等の外圧と枠内対流等の内圧とによる排水作用を説明するための図である。
【図5】汚濁防止装置の汚濁防止カーテンとゴムベルトの双方の吸引密着状況を示す平面図である。
【図6】汚濁防止装置を用いたグラブ式浚渫船による浚渫作業例を示す図である。
【図7】本実施形態における取付部材の具体例を示す図とその部分拡大図である。
【図8】鋼材と帯鋼とで挟まれる部分が重なり合わないようにしたゴムベルトの形態例を示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態におけるゴムベルトの透過排水作用および汚濁防止カーテンとゴムベルトの吸引密着状況を示す平面図である。
【図10】隣り合うゴムベルト同士を繋部材によって繋ぎ合わせた状態を示す図である。
【図11】従来の汚濁防止装置の一例を示す概略平面図である。
【図12】従来の汚濁防止装置の浮遊体とその周囲の構成例を示す部分図である。
【図13】従来の汚濁防止装置を用いたグラブ式浚渫船による浚渫作業時の様子を示す図である。
【図14】従来の汚濁防止装置を用いたグラブ式浚渫船による浚渫作業時の様子を示す別の図である。
【図15】従来の汚濁防止装置を用いたグラブ式浚渫船による浚渫作業時の様子を示す更に別の図である。
【符号の説明】
1 浮遊体
2 汚濁防止カーテン
3 ゴムベルト(撓み防止部材)
13 取付部材
Claims (3)
- 浚渫作業領域の上方に浮かぶ浮遊体と、該浮遊体に取付けられ周回した状態で水中に垂下し浚渫作業時の汚濁が周囲へ流出するのを防ぐ汚濁防止カーテンと、該汚濁防止カーテンの内周側に位置しこの汚濁防止カーテンが内周側に撓み又はうねるのを防止することによって前記汚濁防止カーテンの水中形状を維持する撓み防止部材と、該撓み防止部材を前記浮遊体に取り付けるための取付部材とを備えると共に、前記撓み防止部材として透過排水性を有する部材を用い、透過排水時に生じる前記撓み防止部材の外周側の負圧を利用して前記汚濁防止カーテンをこの撓み防止部材に密着させることを特徴とする浚渫作業時の汚濁防止装置。
- 前記撓み防止部材として廃棄ゴムベルトが利用されていることを特徴とする請求項1記載の浚渫作業時の汚濁防止装置。
- 浮体構造の浮遊体に汚濁防止カーテンを取付け周回した状態で水中に垂下させて浚渫作業時の濁りの流出を防ぐとともに、撓み防止部材を前記汚濁防止カーテンの内周側に位置させてこの汚濁防止カーテンが内周側に撓み又はうねるのを防止することによって前記汚濁防止カーテンの水中形状を維持すると共に、前記撓み防止部材として透過排水性を有する部材を用い、透過排水時に生じる前記撓み防止部材の外周側の負圧を利用して前記汚濁防止カーテンをこの撓み防止部材に密着させることを特徴とする浚渫作業時の汚濁防止方法。
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