JP3825617B2 - ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ディスク装置に関し、特にたとえば、半導体レーザから出力されたレーザ光を最適再生レーザパワー値および最適記録レーザパワー値がともに温度依存性を有するディスク記録媒体に形成されたランドエリアおよびグルーブエリアの一方に照射して所望の信号の記録/再生を行うディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CAD−MSR(Central Aperture Detection Magnetically Induced Super Resolution)技術を採用しているAS−MO(Advanced Storage Magneto Optical)方式のディスクのように、最適再生レーザパワー値および最適記録レーザパワー値の両方が温度依存性を備えるディスク記録媒体に所望の信号を記録するディスク装置では、ディスク記録媒体の温度が変化するたびに最適再生レーザパワー値および最適記録レーザパワー値を変更する必要がある。
【0003】
ここで、最適再生レーザパワー値とはディスク記録媒体からの再生信号の再生品質を最もよくする再生レーザパワー値であり、最適記録レーザパワー値とは所定の信号の記録品質を最もよくする記録レーザパワー値である。再生品質は再生信号に含まれる本来再生される信号と異なった信号(以下、「誤り信号」と呼ぶ)の量によって判断する。また、最もよい記録品質とは再生品質を最もよくする信号がディスク記録媒体に記録された状態である。
【0004】
従来のこの種のディスク装置では、ディスク記録媒体の温度が変化する度に最適再生レーザパワー値および最適記録レーザパワー値を決定するために次のような処理を行っていた。
【0005】
まず、デフォルト値の記録レーザパワーで所定のテスト信号を記録領域に記録する(テストライト)。つぎに、再生レーザパワー値を段階的に変化させてテスト信号を再生し(テストリード)、再生されたテスト信号に含まれる誤り信号の量を、段階的に異なる再生レーザパワー値毎に算出する。そして、誤り信号の量が最も少なくなる再生レーザパワー値を最適再生レーザパワー値に決定する。
【0006】
つぎに、記録レーザパワー値を段階的に変化させてテスト信号を記録領域に記録し(テストライト)、最適再生レーザパワー値でテスト信号を再生する(テストリード)。そして、再生されたテスト信号に含まれる誤り信号の量を、段階的に異なる記録レーザパワー値毎に算出する。そして、最も誤り信号の量が少ない記録レーザパワー値を最適記録レーザパワー値に決定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のディスク装置では、上述したようにディスク記録媒体の温度が変化する度に、ディスク記録媒体にテストライトおよびテストリードを行って最適再生レーザパワー値および最適記録レーザパワー値を決定するので、最適再生レーザパワー値および最適記録レーザパワー値の決定に時間がかかり過ぎるという問題があった。
【0008】
特に、リアルタイムで信号を記録するディジタルカメラなどでは、頻繁に最適記録レーザパワー値を更新する時間が取れず、最適な記録レーザパワー値で常に信号を記録するということができなかった。このため、最適な条件で信号を記録できないばかりでなく、信号の記録そのものが実行できなくなるという問題があった。
【0009】
それゆえに、この発明の主たる目的は、短時間で最適再生レーザパワー値および最適記録レーザパワー値を決定できる、ディスク装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に従うディスク装置は、ディスク記録媒体にレーザ光を照射して所望の信号の記録および再生を行うディスク装置において、最適記録レーザパワー値と最適再生レーザパワー値との関係を示す第1関係式を格納する第1格納手段、ディスク記録媒体にレーザ光を照射して最適再生レーザパワー値を測定する測定手段、および測定手段による測定値と第1関係式とに基づいて最適記録レーザパワー値を算出する算出手段を備えることを特徴とする。
【0012】
【作用】
の発明においては、最適再生レーザパワー値を測定により決定し、最適記録レーザパワー値を演算によって決定する。つまり、第1格納手段は最適記録レーザパワー値と最適再生レーザパワー値との関係を示す第1関係式を格納している。測定手段はディスク記録媒体にレーザ光を照射して最適再生レーザパワー値を測定する。そして、算出手段は測定手段によって測定された測定値と第1関係式とに基づいて最適記録レーザパワーを決定する。
【0013】
の発明の好ましい実施例では、第1能動化手段はディスク記録媒体の周辺温度の変化が所定の閾値を超えたときに測定手段と算出手段を能動化する。
【0014】
の発明の別の局面では、最適記録レーザパワー値および最適再生レーザパワー値をさらに演算のみによって更新する。つまり、第2格納手段は最適記録レーザパワー値と温度(ディスク記録媒体の周辺温度)との関係を示す第2関係式(温度に対する最適記録レーザパワー値の変化率)を格納し、第3格納手段は最適再生レーザパワー値と温度(ディスク記録媒体の周辺温度)との関係を示す第3関係式(温度に対する最適再生レーザパワー値の変化率)を格納している。そして、第1更新手段はディスク記録媒体の周辺温度(前回の周辺温度と今回の周辺温度)と第2関係式とに基づいて最適記録レーザパワー値を更新し、第2更新手段はディスク記録媒体の周辺温度(前回の周辺温度と今回の周辺温度)と第3関係式とに基づいて最適再生レーザパワー値を更新する。
【0015】
の発明のさらに好ましい実施例では、所定の時間おきに最適記録レーザパワー値および最適再生レーザパワー値を更新する。つまり、第2能動化手段は所定の時間おきに第1更新手段および第2更新手段の少なくとも一方を能動化する。
【0016】
なお、ディスク記録媒体としては、CAD−MSR方式を採用するディスク記録媒体が好ましい。
【0018】
【発明の効果】
この発明によれば、演算によって最適レーザパワー値を算出するので、短時間で最適再生レーザパワー値および最適記録レーザパワー値を決定できるディスク装置を提供することができる。
【0019】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0020】
【実施例】
[実施例1]
図1を参照して、この実施例1のディジタルカメラ10は、被写体を撮影するCCDイメージャ12を含む。CCDイメージャ12は、受光面に入射された被写体の光像に光電変換を施し、光像に対応する電荷(カメラ信号)を生成する。ディジタルカメラ10は、静止画像および動画像の記録が可能であり、モード切換スイッチ34によって記録モードが切り換えられる。
【0021】
モード切換スイッチ34によって静止画像記録モードが選択されているときにシャッタボタン36が押し下げられると、システムコントローラ32は、TG(Timing Generator)14に対して1画面分のカメラ信号の全画素読み出し命令を与える。TG14は、1画面に相当する期間だけ、CCDイメージャ12を全画素読み出し方式で駆動する。これによって、受光面で生成された静止画像のカメラ信号が、CCDイメージャ12から出力される。
【0022】
一方、モード切換スイッチ34によって動画像記録モードが選択されているときにシャッタボタン36が押し下げられると、システムコントローラ32は、TG14に対してカメラ信号の間引き読み出し命令を与える。TG14は、再度シャッタボタン36が押し下げられるまでCCDイメージャ12を間引き読み出し方式で駆動し、これによってCCDイメージャ12から動画像のカメラ信号が出力される。
【0023】
CCDイメージャ12から出力されたカメラ信号は、CDS/AGC回路16に与えられる。CDS/AGC回路16は、カメラ信号にノイズ除去およびレベル調整を施し、A/D変換器18に与える。A/D変換機18によってディジタル信号に変換されたカメラ信号は、信号処理回路20によってYUV信号に変換され、さらにYUV信号にJPEG圧縮が施される。圧縮されたYUV信号は、信号処理回路20によってバッファメモリ22に書き込まれる。バッファメモリ22に設定された圧縮YUV信号は、ディスク制御回路24によって読み出され、光ピックアップ26に設けられたレーザダイオード26aおよび磁気ヘッド28によって光磁気ディスク30に記録される。なお、上述したように光磁気ディスク30としては、CAD−MSR技術が採用されたAS−MOなどの着脱可能なディスクが用いられる。
【0024】
一方、光磁気ディスク30から読み出された圧縮YUV信号は、ディスク制御回路24およびバッファメモリ22を介して信号処理回路20に与えられる。信号処理回路20は圧縮YUV信号をJPEG伸長してモニタドライバ40に与える。そして、モニタドライバ40はモニタ42を駆動してディジタル信号を映像としてモニタ42に表示させる。なお、光磁気ディスク30からの再生は、再生ボタン(図示せず)の操作によって開始される。
【0025】
光ピックアップ26およびディスク制御回路24は、具体的には図2に示すように構成されている。光磁気ディスク30の径方向における光ピックアップ26の位置は、スレッドサーボ機構48によって制御される。また、光ピックアップ26に設けられた光学レンズ26cの光軸方向における位置は、フォーカスサーボ機構44によって制御される。さらに、光磁気ディスク30の径方向における光学レンズ26cの位置は、トラッキングサーボ機構46によって制御される。
【0026】
レーザドライブ50は、MPU52から与えられる制御信号によってレーザパワー値が設定され、レーザドライブ50は設定されたレーザパワー値のレーザ光をレーザダイオード26aから発振させる。レーザドライブ50は、具体的には図3に示すように、光磁気ディスク30への記録波形パターンを形成して出力する波形処理LSI(PLL)72と半導体レーザ制御LSI(APC)74とから構成される。MPU52はワークエリアPl,Yp,Pg,Zpに設定されている値のいずれかであるレジスタ値およびリード/ライト設定信号を波形処理LSI72に与え、レジスタ値はレジスタ値設定ピン72aに、リード/ライト設定信号はリード/ライト設定ピン72bにそれぞれ入力される。波形処理LSI72はレジスタ値設定ピン72aに入力されたレジスタ値に応じた出力の記録波形パターンを波形出力ピン72cから半導体レーザ制御LSI74に出力する。波形処理LSI72はリード/ライト設定ピン72bに設定された信号によってリードモードとライトモードを切り換える。つまり、レジスタ設定値が同じであっても、リードモードとライトモードとでは波形出力ピン72から出力される記録波形パターンの出力値が異なる。たとえば、リードモードの出力値を1とするとライトモードの出力値は5倍となる。そのため、たとえレジスタ値設定ピン72aに設定される再生用の設定値が記録用の設定値よりも大きくても、レーザダイオード26aから発振されるレーザ光は記録用のレーザパワー値が再生用のレーザパワー値よりも大きくなる。
【0027】
波形処理LSI72から出力された記録波形パターンは、半導体レーザ制御LSI74の波形入力ピン74aに入力される。半導体レーザ制御LSI72は入力された記録波形パターンに応じた制御信号を制御信号出力ピン74bからレーザダイオード26aへ出力する。
【0028】
なお、レーザドライブ50としては、株式会社東芝製のレーザパワーコントロール(LPC)(製品番号:QFP64−P−1010−0.50C)が適用できる。このレーザパワーコントロールは、波形処理LSI70としてのIC「TA8577AF」と半導体レーザ制御LSI74としてのIC「TA8576AFN」とが一体となっている。
【0029】
レーザダイオード26aから発振されたレーザ光は、光学レンズ26cで収束されて光磁気ディスク30の記録面に照射される。
【0030】
上述のように光磁気ディスク30はCAD−MSR技術が採用されたAS−MOが適用できる。AS−MOは再生層および記録層を含んでおり、YUV信号は記録層に記録される。YUV信号を記録層に記録するときには記録層にフォーカスされたレーザ光が再生層側から記録層に照射される。レーザ光によってキュリー温度に達した記録層に磁気ヘッド28によって磁界が加えられると、記録層のキュリー温度に達した部分は磁界の方向に磁化される。この磁化された部分の一つ一つはマークと呼ばれる。磁気ヘッド28が発生する磁界を制御することによって、所望の信号(MO信号)が光磁気ディスク30の記録層に記録される。
【0031】
一方、光磁気ディスク30からMO信号を読み出すときには、再生層にフォーカスされたレーザ光が照射される。レーザ光の照射により所定の温度(キュリー温度よりも低い温度)に達した再生層は磁性を示し、記録層のマークが保持する磁界に応じて磁化される。こうして再生層に染み出した記録層の磁界は磁界の方向に応じてレーザ光の反射光を偏向させる。そして光ピックアップ26では反射光の偏向に基づいてMO信号(YUV信号)が読み取られる。
【0032】
記録層をキュリー温度まで上昇させるので、記録レーザ光は再生レーザ光よりも大きな出力(パワー)が必要である。また、再生層が記録層の磁界を染み出させるようになる温度は一定であるが、光磁気ディスク30の温度によって、その温度にまで達成させるレーザ光の強度が異なる。したがって、この光磁気ディスク30は最適記録レーザパワー値のみでなく、最適再生レーザパワー値も光磁気ディスク30の温度に依存する。
【0033】
映像信号を光磁気ディスク30に記録するときは、MPU52から与えられる映像信号にECCエンコーダ64において誤り訂正符号(ECC:Error Correcting Code)が付加され、誤り訂正符号が付加された映像信号に対応するエンコード信号が磁気ヘッド28に与えられる。磁気ヘッド28は、ECCエンコーダ64から与えられるエンコード信号に応じた磁界を発生する。
【0034】
ここで誤り訂正符号は、所定量の映像信号毎に付加される符号であり、誤り訂正符号が付加された所定量の映像信号はECCブロックと呼ばれる。ECCブロックは複数のラインと呼ばれる信号の集合から構成される。ECCブロックは、ブロック内のディジタル信号に誤りが含まれているときに、誤った信号(以下、「誤り信号」と呼ぶ)を誤り訂正符号を用いて自動的に訂正することができる。ただし、訂正できる誤り信号の信号量には一定の限界がある。
【0035】
光磁気ディスク30に記録された映像信号を再生するときには、レーザドライブ50によってレーザダイオード26aが制御され、レーザダイオード26aは制御に応じたレーザ光を発振する。発振されたレーザ光は光学レンズ26cを介して光磁気ディスク30の表面に照射される。光磁気ディスク30の表面からの反射光は、同じ光学レンズ26cを通過して光検出器26bに入射される。光検出器26bは、受け取った検出光に応じた信号(RF信号)をイコライザ56に与える。イコライザ56はRF信号の周波数特性を補償し、PRML58(Partial Response Maximum Likelihood)に与える。PRML58は、RF信号に基づいてディジタル信号を生成し、生成したディジタル信号をECCデコーダ60に与える。ECCデコーダ60はPRML58から受け取ったディジタル信号に含まれる誤り信号を1ECCブロック毎に誤り訂正する。また、ECCデコーダ60はECCブロックの1ライン中のどれだけの誤り信号を訂正したか、つまり1ライン中にどれだけの誤り信号が含まれていたかを示す情報(以下、「訂正量情報」と呼ぶ)を符号誤り率算出回路62に与える。符号誤り率算出回路62は、ECCデコーダ60から与えられた訂正量情報に基づいて符号誤り率(以下、単に「誤り率」と記載)を算出し、MPU52に与える。
【0036】
なお、上述したようにECCデコーダ60によって誤り訂正されたディジタル信号は、ディスク制御回路24から出力され、バッファメモリ22(図1参照)を介して信号処理回路20に与えられる。そしてさらにディジタル信号は信号処理回路20によってJPEG伸長され、モニタドライバ40に与えられる。モニタドライバ40はモニタ42を駆動し、ディジタル信号を映像としてモニタ42に表示させる。
【0037】
光磁気ディスク30はスピンドル(図示せず)の上に搭載され、スピンドルはシャフト68を介してスピンドルモータ66に連結されている。スピンドルモータ66は、MPU52から与えられる制御信号に応じてシャフト68を回転させる。シャフト68の回転に伴ってスピンドル、つまり光磁気ディスク30が回転する。また、スピンドルモータ66はスピンドルの回転数に関連するFG信号を発生し、このFG信号をMPU52に与える。このFG信号をMPU52がモニタすることによりシャフト68に連結されたスピンドル、つまり光磁気ディスク30の回転数が適切に制御される。これらの制御によって、レーザダイオード26aから出力されたレーザ光が光磁気ディスク30の所望の位置に正確に照射される。
【0038】
上述したように、ランドエリア/グルーブエリアの最適再生レーザパワー値/最適記録レーザパワー値は光磁気ディスク30の表面温度によって異なる。したがって、光磁気ディスク30の所望の位置に正確にレーザ光を照射してもRF信号には誤り信号が含まれる。なお、光ピックアップ26の近傍に設けられた温度センサ64が、光磁気ディスク30および光ピックアップ26の周辺温度を検知してMPU52に与える。しかし、温度センサ64が検知する周辺温度は光磁気ディスク30の正確な表面温度を示しているわけではない。
【0039】
通常、ECCブロック内に含まれる誤り信号は、ECCデコーダ60において誤り訂正符号を用いて正しい信号に訂正される。しかし、光磁気ディスク30に記録する記録装置と再生する再生装置とが異なるときや、記録時と再生時とで温度および湿度などの外的要因が大きく異なるときなどには、誤り信号の量が増大し、誤り訂正符号による訂正能力を超える可能性がある。この場合には、誤り信号がそのまま出力されると、再生信号が静止画像であればその再生画像にノイズを生じる。
【0040】
そこで、極力誤り信号の量が少なくなるように最も誤り率が低くなる記録時および再生時のレーザパワー値(最適記録レーザパワー値および最適再生レーザパワー値)をランドエリアとグルーブエリアとのそれぞれについて決定する。また、動画像のように連続した記録信号を記録し、リアルタイムで画像を記録するディジタルカメラではより短時間で最適なレーザパワー値を決定する必要がある。
【0041】
実施例1のディジタルカメラ10では、起動されたときもしくは光磁気ディスク30が装着されたときに、テストライト/リードによってランドエリアおよびグルーブエリアの最適再生レーザパワー値を実測によって決定し、決定された各最適再生レーザパワー値および光磁気ディスク30の周辺温度に基づいてランドエリアおよびグルーブエリアの最適記録レーザパワー値を決定する。
【0042】
ランド用最適再生レーザパワー値,ランド用最適記録レーザパワー値,グルーブ用最適レーザパワー値およびグルーブ用最適レーザパワー値のすべて(以下「各最適レーザパワー値」)が決定されると、以後は所定の時間Tが経過する毎に演算によってその時点の周辺温度における各最適レーザパワー値を前回の各最適レーザパワー値に基づく演算によって決定する。つまり、時間T経過時のランド用最適再生レーザパワー値は前回のランド用最適再生レーザパワー値に基づく演算によって決定される。また、周辺温度に大きな変化(10℃程度の変化)が生じたときには、テストライト/リードによって再びランド用最適再生レーザパワー値およびグルーブ用最適再生レーザパワー値を実測によって決定し、決定された各最適再生レーザパワー値およびランド用最適再生レーザパワー値とランド用最適記録レーザパワー値との関係,グルーブ用最適再生レーザパワー値とグルーブ用最適記録レーザパワー値との関係を示すそれぞれの線形関数に従って、ランド用最適記録レーザパワー値およびグルーブ用最適記録レーザパワー値をそれぞれ決定する。
【0043】
光磁気ディスク30にランドエリアおよびグルーブエリアを含むテストエリア30aを設定する。このテストエリア30aに対して所定のテスト信号のテストライト/リードを行うことによって誤り率を測定する。なお、テストエリア30aに含まれるランドエリアおよびグルーブエリアをそれぞれ「ランドテストエリア」および「グルーブテストエリア」と呼ぶ。なお、テスト信号はMPU52から読み出しが可能となったROM54に記録されている。また、テストエリア30aは光磁気ディスク30の外周もしくは内周のどちらかに設けることが好ましい。
【0044】
実施例1のディジタルカメラ10では、電源スイッチ38が投入される、もしくは光磁気ディスク30が装着されるとシステムコントローラ32が制御信号をMPU52に与える。MPU52はシステムコントローラ32からの制御信号を受けてスピンドルモータ66を制御して光磁気ディスク30を回転させる。そして、図5から図8のフロー図に示す処理を実行する。なお、図5から図8のフロー図には、各最適レーザパワー値の決定および設定に関する処理のみを示している。
【0045】
まず、ステップS1でMPU52は制御信号をレーザドライブ50に与えて半導体レーザ26aをオン状態にする。そして、ステップS3でMPU52は制御信号をレーザドライブ50に与えてランド用記録レーザパワーのデフォルト値を設定する。なお、各レーザパワーのデフォルト値はROM54に記録されている。ステップS5で制御信号をスレッドサーボ機構に与えて光ピックアップ26をランドテストエリアにシークさせる。ステップS7で、MPU52はROM54からテスト信号を読み出し、ランド用記録レーザパワーのデフォルト値でランドテストエリアに記録する。
【0046】
つぎに、ステップS9でMPU52は再生レーザパワー値を段階的に変化させて、ランドテストエリアからテスト信号を再生し、各段階別再生レーザパワー値に対応する誤り率を測定する。そして、ステップS11で最も値が低い誤り率に対応する再生レーザパワー値をランド用最適再生レーザパワー値としてMPU52内のワークエリア(レジスタ)Plに設定する。以下においてワークエリアPlおよびワークエリアPlに設定されている値を単に「Pl」とも表記する。なお、誤り率の算出方法および最低の誤り率を特定する方法は従来の方法が適用できるため詳細な説明を省略する。そして、ステップS13ではランド用最適再生レーザパワー値(Pl)に基づいてランド用最適記録レーザパワー値を以下の方法で算出し、ワークエリアYpに設定する。
【0047】
ここで、ランド用最適再生レーザパワー値(Pl)と温度センサ64による温度値xとの間には図4の四角―四角線に示す関係がある。この四角―四角線を直線で近似したものが近似線Pr(L)線である。この近似線Pr(L)は、温度センサ64による温度値を「x」とすると以下の数1で表現される。
【0048】
同様に、ランド用最適記録レーザパワー値(Yp)と温度値xとの間には丸―丸線に示す関係があり、丸―丸線の近似線Pw(L)は数2で表現される。
【0049】
また、グルーブ用最適再生レーザパワー値(Pg)と温度値xとの間には菱形―菱形線に示す関係があり、菱形―菱形線の近似線Pr(G)は数3で表現される。
【0050】
そして、グルーブ用最適記録レーザパワー値(Zp)と温度値xとの間には三角―三角線に示す関係があり、三角―三角線の近似線Pw(G)は数4で表現される。
【0051】
なお、温度値xと各最適レーザパワー値との関係を示す各線(四角−四角線,丸−丸線,菱形−菱形線,三角−三角線)は、一般的な光磁気ディスクにおける温度値と各最適レーザパワー値との関係を示す標準値である。
【0052】
また、図4のグラフの縦軸は、MPU52のレジスタに設定される値であり、レーザパワー値そのものではない。上述したように、レジスタに設定されている値が同じであっても、記録時のレーザパワー値は再生時のレーザパワー値の5倍となる。図4のグラフにおいて、再生レーザパワーのレジスタ値が記録レーザパワーのレジスタ値よりも高い値となっているのはこのためである。
【0053】
【数1】
Pl=−0.3460x+75.906
【0054】
【数2】
Yp=−0.1834x+56.837
【0055】
【数3】
Pg=−0.3062x+72.468
【0056】
【数4】
Zp=−0.3062x+68.468
数1および数2から数5が得られ、数5を用いることによってランド用最適再生レーザパワー値からランド用最適記録レーザパワー値を算出することができる。
【0057】
【数5】
Yp=0.530Pl+16.602
同様に、数3および数4から数6が得られ、数6を用いることによってグルーブ用最適再生レーザパワー値からグルーブ用最適記録レーザパワー値を算出することができる。
【0058】
【数6】
Zp=Pg−4.000
なお、ROM54には、数1,数3,数5,数6が示す各線形関数ならびに数1から数4における各変化率(「−0.3460」,「−0.1834」,「−0.3062」,「−0.3062」)が予め記録されている。
【0059】
このようにして、数5を用いてステップS11で決定したランド用最適再生レーザパワー値からランド用最適記録レーザパワー値を求める。なお、最適記録レーザパワー値を実測し、最適記録レーザパワー値から最適再生パワー値を算出してもよいが、最適再生レーザパワー値を実測値とするほうがより時間を短縮することができるので好ましい。
【0060】
ランド用最適再生レーザパワー値およびランド用最適記録レーザパワー値が決定すると、同様の手順によってグルーブ用最適再生レーザパワー値およびグルーブ用最適記録レーザパワー値を決定する。
【0061】
まず、ステップS15でMPU52は制御信号をレーザドライブ50に与えてグルーブ用記録レーザパワーのデフォルト値を設定する。つぎに、ステップS17で制御信号をスレッドサーボ機構に与えて光ピックアップ26をグルーブテストエリアにシークさせる。そして、ステップS19でMPU52はROM54からテスト信号を読み出してデフォルト値のグルーブ用記録レーザパワー値でグルーブテストエリアに記録する。
【0062】
つぎに、ステップS21でMPU52は、再生レーザパワー値を段階的に変化させて、グルーブテストエリアに記録したテスト信号を再生し、各段階別再生レーザパワー値での誤り率を測定する。そして、ステップS23で誤り率が最も低くなる再生レーザパワー値を決定し、グルーブ用最適再生レーザパワー値としてワークエリアPgに設定する。ステップS25では、Pgの値を数6に代入してグルーブ用最適記録レーザパワー値を算出し、ワークエリアZpに設定する。
【0063】
このようにして各最適レーザパワー値を決定すると、MPU52はステップS27で温度センサ64が示す温度値を取得してワークエリアTdに設定する。ステップS29でワークアリアPl,Yp,Pg,Zpに設定されている値をワークアリアPlc,Ypc,Pgc,Zpcにそれぞれ複写する。なお、MPU52は、ワークエリアPlc,Ypc,Pgc,Zpcに設定されている値をそれぞれ適宜に選択してレーザドライブ50に設定する。
【0064】
ステップS31では、タイマフラグがオン状態であるかどうかを判断する。ここでタイマフラグはタイマがスタートしているかどうかを判断するためのフラグである。また、タイマは定期的に各最適レーザパワー値を更新する時間Tを計測するダウンカウンタである。タイマフラグがオン状態でないと判断すると、ステップS33でタイマをスタートし、ステップS35でタイマフラグをオン状態にする。なお、タイマでカウントする時間T、つまり周辺温度と無関係に定期的に各最適レーザパワー値を更新する時間Tは1分程度が好ましい。ただし、時間Tは1分程度に限られるわけではない。
【0065】
ステップS37で温度センサ64が示す温度値を取得してワークエリアTcに設定する。そして、ステップS39で、温度値Tcと温度値Tdとの差の絶対値が所定の閾値ΔTよりも大きいかどうかを判断する。つまり、ワークエリアPl,Yp,Pg,Zpに設定されている各最適レーザパワー値を決定した時の温度値(Td)と、ステップS37で取得した現在の温度値(Tc)との差が閾値ΔTよりも大きいかどうかを判断する。閾値ΔTの値としては10℃程度が好ましいが、10℃に限るわけではない。
【0066】
温度値Tcと温度値Tdとの差の絶対値が閾値ΔTより大きいときにはステップS41の「実測に基づくレーザパワー値の更新」処理で、実測に基づく各最適レーザパワー値の更新を行う。「実測に基づくレーザパワー値の更新」処理は図7のフロー図に示す手順にしたがって実行される。なお、「実測に基づくレーザパワー値の更新」処理であるステップS61からステップS75の処理は、図5のフロー図に示すステップS3からステップS25の処理内容とほぼ同様である。ただし、符号誤り率の測定に使用するテスト信号は図5のステップS7およびステップS19で既にテストエリア30aに記録されたテスト信号が使用される。
【0067】
まず、ステップS61でMPU52は制御信号をスレッドサーボ機構に与えて光ピックアップ26をランドテストエリアにシークさせる。つぎに、ステップS63で再生レーザパワー値を段階的に変化させて、ランドテストエリアからテスト信号を再生し、各段階別の再生レーザパワー値に対応する誤り率を測定する。そして、ステップS65で最も低い誤り率に対応する再生レーザパワー値をランド用最適再生レーザパワー値としてワークエリアPlに設定する。そして、ステップS67で、ランド用最適再生レーザパワー値(Pl)を数5に代入してランド用最適記録レーザパワー値を算出し、ワークエリアYpに設定する。
【0068】
つぎに、MPU52は再び制御信号をスレッドサーボ機構に与えてグルーブテストエリアに光ピックアップ26をシークさせる。そして、ステップS71では再生レーザパワー値を段階的に変化させて、グルーブテストエリアからテスト信号を再生し、各段階別の再生レーザパワー値に対応する誤り率を測定する。ステップS73で最も低い誤り率を決定し、その誤り率に対応する再生レーザパワー値をグルーブ用最適再生レーザパワー値としてワークエリアPgに設定する。そして、ステップS75で、グルーブ用最適再生レーザパワー値(Pg)を数6に代入してグルーブ用最適記録レーザパワー値を算出し、ワークエリアZpに設定する。
【0069】
このようにして各最適レーザパワー値を更新すると図6のステップS41における「実測に基づくレーザパワー値の更新」処理を終了する。各最適レーザパワー値の更新が終了するとステップS47でタイマをリセットし、ステップS49でタイマフラグをオフ状態とする。定期的に各最適レーザパワー値を更新する時間Tは経過していないが(タイマがタイムアップしていないが)、各最適レーザパワー値が更新されたのでタイマをリセットする。そして、ステップS51で、ワークエリアTcに設定されている温度値をワークエリアTdに複写してステップS29に戻る。ステップS29では、ワークエリアPl,Yp,Pg,Zpに設定されている更新された各最適レーザパワー値をワークエリアPlc,Ypc,Pgc,Zpcにそれぞれ複写する。
【0070】
ステップS31では再びタイマフラグがオン状態であるかどうかを判断する。現在、タイマフラグはオフ状態であるから、ステップS33でタイマを再びスタートし、ステップS35でタイマブラグをオン状態にする。
【0071】
ステップS37で温度センサ70から周辺温度を取得してワークエリアTcに設定する。そして、ステップS39で温度値Tcと温度値Tdとの差の絶対値が閾値ΔTよりも大きいかどうかを判断する。両温度値の差の絶対値が閾値ΔT以下であるときには、ステップS43でタイマがタイムアップしているか、つまり時間Tが経過しているかどうかを判断する。タイムアップしていないときにはステップS37に戻って再び温度センサ70から周辺温度を取得してワークエリアTcに設定する。一方、タイマがタイムアップしているとき、つまり各最適レーザパワー値を更新する時間Tが経過しているときにはステップS45で、演算に基づいて各最適レーザパワー値を更新する「演算に基づくレーザパワー値の更新」処理を実行する。この「演算に基づくレーザパワー値の更新」処理は図8のフロー図に示す手順に従って実行される。
【0072】
まず、図8のステップS91で「Tc−Td」が「0」よりも大きいか、つまり、光磁気ディスク30の周辺温度が上昇したかどうかを判断する。周辺温度が上昇したときは、ステップS93からステップS99の処理で各最適レーザパワー値を下方修正する。
【0073】
ここで、数1から数4に示されるように、ランド用最適再生レーザパワー値Plの周辺温度に対する変化率は「−0.3062/℃」、ランド用最適記録レーザパワー値Ypの周辺温度に対する変化率は「−0.1834/℃」、グルーブ用最適再生レーザパワー値Pgの周辺温度に対する変化率は「−0.346/℃」、グルーブ用最適記録レーザパワー値Zpの周辺温度に対する変化率は「−0.3062/℃」である。
【0074】
そこで、温度変化量(Tc−Td)に上述の各変化率を乗算して各レーザパワー値の変化量をそれぞれ決定し、この各レーザパワー値の変化量を現在の各最適レーザパワー値(Pl,Yp,Pg,Zp)から減じることによって現在の温度値(Tc)における各最適レーザパワー値を算出する。この算出方法を式で示したのが数7から数10である。
【0075】
まず、ステップS93では、ワークエリアPlに以下の数7で与えられる値を設定する。ただし、以下において“[]”はガウス記号であり、[a]はaを超えない最大の整数値である。同様に、ステップS95からステップS99において、ワークエリアYp,Pg,Zpに数8から数10で与えられる値をそれぞれ設定する。
【0076】
【数7】
Pl=Pl−[(Tc−Td)×0.346]
【0077】
【数8】
Yp=Yp−[(Tc−Td)×0.1834]
【0078】
【数9】
Pg=Pg−[(Tc−Td)×0.3062]
【0079】
【数10】
Zp=Zp−[(Tc−Td)×0.3062]
一方、ステップS91で「Tc−Td」が「0」以下である、つまり、光磁気ディスク30の周辺温度が上昇していないと判断するときには、さらにステップS101で「Tc−Td」が「0」であるかどうかを判断する。「Tc−Td」が「0」、つまり周辺温度に変化がないときには「演算に基づくレーザパワー値の更新」処理を終了する。周辺温度が下降しているときにはステップS103からステップS109において各最適レーザパワー値を上方修正する。
【0080】
ステップS103からステップS109の各ステップでは、以下の数11から数14で与えられる値をワークエリアPl,Yp,Pg,Zpにそれぞれ設定する。各最適レーザパワー値の算出方法は、下方修正の算出方法と同様であり、各最適レーザパワー値の変化量を現在の各最適レーザパワー値に加算する方法である。
【0081】
【数11】
Pl=Pl+[(Tc−Td)×0.346]
【0082】
【数12】
Yp=Yp+[(Tc−Td)×0.1834]
【0083】
【数13】
Pg=Pg+[(Tc−Td)×0.3062]
【0084】
【数14】
Zp=Zp+[(Tc−Td)×0.3062]
こうして各最適レーザパワー値の更新が終了すると、図6のステップS45における「演算に基づくレーザパワー値の更新」処理を終了する。「演算に基づくレーザパワー値の更新」処理が終了すると、ステップS47でタイマをリセットし、ステップS49でタイマフラグをオフ状態にする。そして、ステップS51でワークエリアTcに設定されている温度値をワークエリアTdに再び複写して、ステップS29に戻る。
【0085】
以下同様にして、この実施例1のディジタルカメラ10では、T時間毎に演算に基づいて各最適レーザパワー値を更新するとともに、光磁気ディスク30の周辺温度の変化が閾値ΔT以上となる毎に実測に基づく各最適レーザパワー値を更新する。
【0086】
このように、実施例1のディジタルカメラ10では、起動時もしくは光磁気ディスク30の装着時にテストライト/リードによって実測によるランド用最適再生レーザパワー値およびグルーブ用最適記録レーザパワー値を決定し、各最適再生レーザパワー値から演算によってランド用最適記録レーザパワー値およびグルーブ用最適記録レーザパワー値を決定する。
【0087】
そして、所定の時間Tが経過する毎に現在の各最適レーザパワー値から演算によって現在の周辺温度における各最適レーザパワー値を決定する。
【0088】
さらに、周辺温度が閾値ΔTより大きい変化を示したときには、テストライト/リードによってランド用最適再生レーザパワー値およびグルーブ用最適再生レーザパワー値を実測し、各最適再生レーザパワー値に基づく演算によってランド用最適記録レーザパワー値およびグルーブ用最適記録レーザパワー値を決定する。
【0089】
したがって、短時間で適切な各最適再生レーザパワー値および各最適記録レーザパワー値を決定できるので、リアルタイムで信号を記録するディジタルカメラ10においても頻繁に各最適レーザパワー値を更新することができる。さらに、大きな周辺温度変化が生じたときには再度各最適再生レーザパワー値を実測するので、より適切な各最適レーザパワー値を得ることができる。
【0090】
なお、図5から図7のフロー図には示していないがMPU52は、所定の信号の再生/記録を行う対象が、光磁気ディスク30のランドエリアであるかグルーブエリアであるかを判断し、再生/記録およびランドエリア/グルーブエリアに応じた最適レーザパワー値をPlc,Ypc,Pgc,Zpcから適宜に選択してレーザドライブ50に設定する。
[実施例2]
実施例2のディジタルカメラ10では、起動時もしくは光磁気ディスク30の装着時にテストライト/リードによってランド用最適再生レーザパワー値,ランド用記録レーザパワー値,グルーブ用最適再生レーザパワー値,グルーブ用最適記録レーザパワー値のすべて(各最適レーザパワー値)を実測で算出する。そして時間Tが経過する毎に、前回の各最適レーザパワー値に基づいて現在の周辺温度における各最適レーザパワー値を決定する。
【0091】
実施例2のディジタルカメラ10では、電源スイッチ38が投入される、もしくはディジタルカメラ10に光磁気ディスク30が装着されるとシステムコントローラ32が制御信号をMPU52に与える。MPU52はシステムコントローラ32からの制御信号を受けてスピンドルモータ66を制御して光磁気ディスク30を回転させる。そして、図9から図12のフロー図に示す処理を実行する。なお、図9から図11のフロー図には、各最適レーザパワー値の決定および設定に関する処理のみを示している。
【0092】
まず、ステップS111でMPU52は制御信号をレーザドライブ50に与えて半導体レーザ26aをオン状態にする。ステップS113でMPU52は制御信号をレーザドライブ50に与えてランド用記録レーザパワーのデフォルト値を設定する。つぎに、ステップS115でスレッドサーボ機構に制御信号を与えて光ピックアップ26をランドテストエリアにシークさせる。そして、ステップS117で、MPU52はROM54からテスト信号を読み出してランドテストエリアに記録する。
【0093】
つぎに、ステップS119でMPU52は再生レーザパワー値を段階的に変化させてテスト信号をランドテストエリアから再生し、各段階別の再生レーザパワー値に対応する誤り率を測定する。そして、ステップS121では、各誤り率のなかから最も低い誤り率を特定し、その誤り率に対応する再生レーザパワー値をランド用最適再生レーザパワー値としてワークエリアPlに設定する。
【0094】
ランド用最適再生レーザパワー値が決定すると、ステップS123で記録レーザパワー値を段階的に変化させてテスト信号をランドテストエリアに記録する。つぎに、MPU52は制御信号をレーザドライブ50に与え、ランド用最適再生レーザパワー値(Pl)を設定する。ステップS127でランドテストエリアに記録されたテスト信号を読み出して、各段階別の記録レーザパワー値に対応する誤り率を測定する。そして、ステップS129で最も低い誤り率を特定し、特定された誤り率に対応する記録レーザパワー値をランド用最適記録レーザパワー値としてワークエリアYpに設定する。
【0095】
こうしてランド用最適再生レーザパワー値およびランド用最適記録レーザパワー値が決定すると、図10のステップS131以降でグルーブ用最適再生レーザパワー値およびグルーブ用最適記録レーザパワー値を決定する。
【0096】
ステップS131でMPU52は制御信号をレーザドライブ50に与えてグルーブ用記録レーザパワーのデフォルト値を設定する。つぎに、ステップS133で制御信号をスレッドサーボ機構に与えて光ピックアップ26をグルーブテストエリアにシークさせ、ステップS135でMPU52はROM54から読み出したテスト信号をグルーブテストエリアに記録する。
【0097】
ステップS137では、再生レーザパワー値を段階的に変化させて、グルーブテストエリアからテスト信号を再生し、各段階別の再生レーザパワー値に対応する誤り率を測定する。ステップS139では測定した各誤り率のなかから最も低い誤り率を特定し、その誤り率に対応する再生レーザパワー値をグルーブ用最適再生レーザパワー値としてワークエリアPgに設定する。
【0098】
つぎに、ステップS141では記録レーザパワー値を段階的に変化させて、グルーブテストエリアにテスト信号を記録する。ステップS143ではMPU52は制御信号をレーザドライブ50に与えてグルーブ用最適再生レーザパワー値Pgを設定する。そして、ステップS145でグルーブテストエリアからテスト信号を再生して、段階別の記録レーザパワー値に対応する誤り率を測定する。そして、ステップS147では測定した複数の誤り率のなかから最も低い誤り率を特定し、特定した誤り率に対応する記録レーザパワー値をグルーブ用最適記録レーザパワー値としてワークエリアZpに設定する。
【0099】
こうして、ランド用およびグルーブ用の各最適レーザパワー値が決定すると、ステップS149で現在の周辺温度を温度センサ70から取得してワークエリアTdに設定し、ステップS151(図11)では、ワークアリアPl,Yp,Pg,Zpに設定されている各最適レーザパワー値をワークエリアPlc,Ypc,Pgc,Zpcにそれぞれ複写する。
【0100】
ステップS153でタイマフラグがオン状態であるかどうかを判断する。このタイマフラグは実施例1と同様、タイマがスタートしているかどうかを判断するためのフラグである。タイマフラグがオン状態でないときには、ステップS155でタイマをスタートし、ステップS157でタイマフラグをオン状態にする。なお、ステップS153でタイマフラグがオン状態であるときにはステップS155およびステップS157をスキップする。
【0101】
ステップS159では温度センサ70から現在の周辺温度を取得してワークエリアTcに設定する。そして、ステップS161で、タイマがタイムアップしているかどうかを判断する。タイマがタイムアップしていないとき、つまり各最適レーザパワー値を更新する時間Tが経過していないときにはステップS159に戻って再び温度センサ70から周辺温度を取得する。
【0102】
一方、タイムアップして各最適レーザパワー値を更新する時間Tが経過しているときには、ステップS163で「演算に基づくレーザパワー値の更新」処理を実行する。この「演算に基づくレーザパワー値の更新」処理は図12のフロー図に示す手順にしたがって実行される。なお、図12のフロー図に示す「演算に基づくレーザパワー値の更新」処理は、実施例1の図8のフロー図に示した「演算に基づくレーザパワー値の更新」処理の手順と同じである。
【0103】
まず、ステップS171で「Tc−Td」が「0」よりも大きいかどうかを判断し、大きいときには周辺温度が上昇しているのでステップS173からステップS179で各最適レーザパワー値の下方修正を行う。ステップS173からステップS179で行う処理は、実施例1におけるフロー図6のステップS93からステップS99の処理と同じであり、現在の各最適レーザパワー値,周辺温度値TcおよびTdのそれぞれを数7から数10にそれぞれ代入することによって現在の周辺温度に対応する各最適レーザパワー値を決定する。
【0104】
一方、ステップS171で「Tc−Td」が「0」以下であると判断すると、さらにステップS181で「Tc−Td」が「0」であるかどうかを判断する。そして、「Tc−Td」が「0」であるときには周辺温度が変化していないので各最適レーザパワー値の更新を行わずに「演算に基づくレーザパワー値の更新」処理を終了する。また「Tc−Td」が「0」でないときは、周辺温度が降下しているのでステップS183からステップS189で各最適レーザパワー値の上方修正を行う。
【0105】
ステップS183からステップS189における処理は、実施例1のフロー図6のステップS103からステップS109の処理と同じであり、現在の各最適レーザパワー値,周辺温度値TcおよびTdのそれぞれを数11から数14のそれぞれに代入して現在の温度に対応する各最適レーザパワー値が決定される。
【0106】
こうして各最適レーザパワー値が決定されると、「演算に基づくレーザパワー値の更新」処理を終了する。各最適レーザパワー値の更新が終了すると、ステップS165でタイマをリセットし、ステップS167でタイマフラグをオフ状態にする。さらに、ステップS169で、ワークエリアTcに設定されている温度値をワークエリアTdに複写し、ステップS151に戻る。
【0107】
以降は、タイマがタイマアップする毎に、つまり時間Tが経過する毎にステップS163の「演算に基づくレーザパワー値の更新」処理を実行し、演算によって現在の光磁気ディスク30の周辺温度に対応する各最適レーザパワー値を決定する。
【0108】
このように、実施例2のディジタルカメラ10では、起動時および光磁気ディスク30の装着時にランド用最適再生レーザパワー値,ランド用最適記録レーザパワー値,グルーブ用最適再生レーザパワー値およびグルーブ用最適記録レーザパワー値(各最適レーザパワー値)のすべてを光磁気ディスク30に対するテストライト/リードによる実測によって求める。
【0109】
そして、所定の時間Tが経過する毎に、現在の各最適レーザパワー値に基づく簡単な演算によって当該周辺温度における各最適レーザパワー値を求める。したがって、より短時間で各最適レーザパワー値を決定することができる。
【0110】
なお、この発明は実施例1および実施例2の実施例に限らず、種々に変更して実施してもよい。たとえば、各最適レーザパワー値を実測によって求めるか、もしくは演算によって求めるかはディスク装置の形態に応じて選択するとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例におけるディスク制御回路の一構成例を示すブロック図である。
【図3】レーザドライブ50の一構成例を示すブロック図である。
【図4】センサ温度と各最適レーザパワー値に対応するセットレジスタ値(最適レーザパワー値)との関係を示す図解図である。
【図5】実施例1においてMPUが行う処理の一部を示すフロー図である。
【図6】実施例1においてMPUが行う処理のその他の一部を示すフロー図である。
【図7】実施例1においてMPUが行う処理のその他の一部を示すフロー図である。
【図8】実施例1においてMPUが行う処理のその他の一部を示すフロー図である。
【図9】実施例2においてMPUが行う処理の一部を示すフロー図である。
【図10】実施例2においてMPUが行う処理のその他の一部を示すフロー図である。
【図11】実施例2においてMPUが行う処理のその他の一部を示すフロー図である。
【図12】実施例2においてMPUが行う処理のその他の一部を示すフロー図である。
【符号の説明】
10 …ディジタルカメラ
12 …CCDイメージャ
26 …光ピックアップ
26a …レーザダイオード
26b …光検出器
26c …光学レンズ
28 …磁気ヘッド
30 …光磁気ディスク30
30a …テストエリア
32 …システムコントローラ
36 …シャッタボタン
38 …電源スイッチ
44 …フォーカスサーボ機構
46 …トラッキングサーボ機構
48 …スレッドサーボ機構
50 …レーザドライブ
52 …MPU
60 …ECCデコーダ
62 …符号誤り率算出回路
70 …温度センサ
64 …ECCエンコーダ

Claims (5)

  1. ディスク記録媒体にレーザ光を照射して所望の信号の記録および再生を行うディスク装置において、
    適記録レーザパワー値と適再生レーザパワー値との関係を示す第1関係式を格納する第1格納手段、
    前記ディスク記録媒体に前記レーザ光を照射して前記最適再生レーザパワー値を測定する測定手段、および
    前記測定手段による測定値と前記第1関係式とに基づいて前記最適記録レーザパワー値を算出する算出手段を備えることを特徴とする、ディスク装置。
  2. 前記ディスク記録媒体の周辺温度の変化が閾値を超えたとき前記測定手段および前記算出手段を能動化する第1能動化手段をさらに備える、請求項1記載のディスク装置。
  3. 前記最適記録レーザパワー値と温度との関係を示す第2関係式を格納する第2格納手段、
    前記最適再生レーザパワー値と温度との関係を示す第3関係式を格納する第3格納手段、
    前記ディスク記録媒体の周辺温度と前記第2関係式とに基づいて前記最適記録レーザパワー値を更新する第1更新手段、および
    前記ディスク記録媒体の周辺温度と前記第3関係式とに基づいて前記最適再生レーザパワー値を更新する第2更新手段をさらに備える、請求項1または2記載のディスク装置。
  4. 前記第1更新手段および前記第2更新手段の少なくとも一方を所定期間おきに能動化する第2能動化手段をさらに備える、請求項3記載のディスク装置。
  5. 前記ディスク記録媒体はCAD−MSR方式を採用する、請求項1ないしのいずれかに記載のディスク装置。
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