JP3825406B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents
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Description
該燃料タンク11内の燃料は供給ポンプ12により圧送され、高圧状態でボリューム13に一旦貯蔵されてから送出される。
前記燃料供給部10から圧送された燃料は燃料通路21を介して前記ユニットインジェクタ33の燃料噴射管39に送られ、該ユニットインジェクタ33にてリークした燃料は、該燃料噴射管39からオーバフローパイプ22を通って燃料供給部10に戻ってくる。尚、前記リークの態様については後述する。
前記燃料通路21にはこれを開閉するメイン電磁弁41が介装されると共に、前記オーバフローパイプ22にはこれを開閉するサブ電磁弁42及び前記燃料噴射管39側から燃料供給部10側にのみ燃料の流れのみを許容する逆止弁43が介装されている。前記メイン電磁弁41及びサブ電磁弁42は、開ポジションと閉ポジションとを有する2ポジション型のノーマル・オープンの方向制御電磁弁である。また前記電磁弁41、42の開閉制御動作は後述する。
前記ユニットインジェクタ33は、プランジャ部31と噴射ノズル部35とをインジェクタボディ(図示省略)内に一体的に組み込んだもので、前記プランジャ部31と噴射ノズル部35とが直列的に配置されて構成され、該プランジャ部31と噴射ノズル部35とは、ユニットインジェクタ33内に形成した燃料噴射管39を介して連通されている。
前記プランジャ部31のプランジャ32にはローラ51が連結されており、このローラ51は、カム52に転接している。該カム52は、ディーゼル機関の出力軸(クランク軸)から回転力が伝達されて回転し、該カム52の回転に応じてプランジャ32が往復運動をする。したがって、前記電磁弁41、42の双方が閉状態のときにプランジャ32が押されると該プランジャ32により加圧された燃料が燃料噴射管39を通って噴射ノズル部35に圧送される。
前記噴射ノズル部35の燃料弁(ノズルニードル)36は、プレッシャスプリング37により付勢されてノズルシート面に密着するようになっている。このため前記プランジャ部31から圧送された燃料の圧力(燃料噴射圧力)がプレッシャスプリング37の圧力よりも大きくなると、燃料弁36がプレッシャスプリング37側に押され、燃料がノズル38から霧状になってシリンダの燃焼室内に噴射される。
次に、かかる燃料噴射装置において、燃料噴射期間における動作を動作タイミング図である第14図を参照して説明する。なお、第14図(a)〜(f)はそれぞれ、次のものを示している。
第14図(a)・・・噴射率
第14図(b)・・・燃料弁リフト
第14図(c)・・・燃料噴射圧力
第14図(d)・・・メイン電磁弁リフト
第14図(e)・・・サブ電磁弁リフト
第14図(f)・・・カムリフト
前記カム52のカムリフト量が増加していき予め設定したリフト量になると、メイン電磁弁41が開状態から閉状態に移行する。このときプランジャ32が押出されるので燃料噴射圧力が増加していく。前記オーバフローパイプ22の逆止弁43にはバネが内蔵されており、このバネのバネ力よりも燃料噴射圧力が大きくなった後に逆止弁43が開状態となり、燃料がオーバフローパイプ22を通って燃料供給部10側にリークしていく。また燃料噴射圧力が上昇していくことにより燃料弁36のリフト量が大きくなり、噴射率が増加してくる。
前記カム52のカムリフト量が更に増加してくると、前記サブ電磁弁42は開状態から閉状態になる。メイン電磁弁41が完全閉状態になった時点からサブ電磁弁42が開状態となっているため、燃料がオーバフローパイプ22を通って燃料供給部10側にリークしていき、燃料噴射圧力はフラット(一定)になる。なお、設計状態によっては、燃料噴射圧力はフラットではなくフラット状態から若干の割合で増加したり減少したりすることもあるが、燃料噴射圧力は略フラットになる。
期間T1における燃料噴射圧力がフラットになるため、この期間T1における噴射率は第14図(a)に示すように抑制される。
前記メイン電磁弁41が完全閉状態になり、更にサブ電磁弁42も完全閉状態になると、燃料噴射圧力がフラット状態から上昇し、抑制されていた噴射率は抑制が解除されて増加する。
その後に、メイン電磁弁41及びサブ電磁弁42が閉状態から開状態に移行していくと燃料噴射圧力が低下し、噴射率が低下していき噴射率が零になる。
このように、かかる燃料噴射装置においては、前記2つの電磁弁41、42を開閉制御しているため、燃料噴射期間のうち初期期間、特に期間T1における噴射率を抑制でき、燃料をシリンダ内に一気に噴射することがなくなり、噴射初期期間での噴射量を抑制することができる。この結果、噴射初期期間から多量の燃料が急激に燃焼することを防止でき、シリンダ内温度を低く抑えることができ、窒素酸化物(NOx)の発生を抑制することができる。
第13図及び第14図に示される従来技術にあっては、オーバフローパイプ22の管路に逆止弁43を用いており、該逆止弁43にはバネや弁体等の機械的可動部があるため、長期に亘り使用すると機械的な故障が発生し易く、燃料噴射装置の耐久性に課題があった。
また燃料噴射期間の初期において、機関における噴射率を更に抑制して、更なる窒素酸化物(NOx)の低減を図ることが要求されているが、従来技術では、かかる要求に応えることができなかった。
請求の範囲第2項記載の発明は、プランジャ部と噴射ノズル部とが一体的に組み込まれたユニットインジェクタと、燃料を前記ユニットインジェクタに圧送する燃料供給部と、前記燃料供給部から前記ユニットインジェクタに燃料を送る噴射管に介装されたメイン電磁弁と、前記ユニットインジェクタにてリークさせる燃料を前記燃料供給部に戻すオーバフローパイプに介装されたサブ電磁弁とを備え、前記サブ電磁弁は、閉ポジションと、開度が絞られている開ポジションとを有するとともに、前記メイン電磁弁より遅れてサブ電磁弁が閉になるように設定し、前記メイン電磁弁が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁が完全閉状態になる時点までの期間T2の間、前記開度が絞られている開ポジションにあるサブ電磁弁を介して燃料がオーバフローパイプを通って燃料供給部側に戻し、燃料噴射圧力を抑制させることを特徴とする。
請求の範囲第3項記載の発明は、プランジャ部と噴射ノズル部とが一体的に組み込まれたユニットインジェクタと、燃料を前記ユニットインジェクタに圧送する燃料供給部と、前記燃料供給部から前記ユニットインジェクタに燃料を送る噴射管に介装されたメイン電磁弁と、前記ユニットインジェクタにてリークさせる燃料を前記燃料供給部に戻すオーバフローパイプに介装されたサブ電磁弁とを備え、前記サブ電磁弁は、閉ポジションと、開度が絞られている絞りポジションと、開ポジションを有するとともに、前記メイン電磁弁より遅れて前記絞りポジションを経由してサブ電磁弁が閉になるように設定し、前記メイン電磁弁が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁が完全閉状態になる時点までの期間T2の間、前記開度が絞られている開ポジションにあるサブ電磁弁を介して燃料がオーバフローパイプを通って燃料供給部側に戻し、燃料噴射圧力を抑制させることを特徴とする。
請求の範囲第4項ないし6項記載の発明は、燃料噴射ポンプと噴射ノズル部とを燃料噴射管で接続してなる別体型燃料噴射ポンプを備えた燃料噴射装置に係るものであり、請求の範囲第4項記載の発明は、プランジャ部と燃料通路とこの燃料通路に介装されたメイン電磁弁とを有する燃料噴射ポンプと、燃料を前記燃料噴射ポンプに供給する燃料供給部と、前記燃料噴射ポンプから噴射ノズル部に燃料を送る燃料噴射管と、前記燃料噴射ポンプにてリークさせる燃料を前記燃料供給部に戻すオーバフローパイプにサブ電磁弁とオリフィスとを直列に介装し、前記オリフィス絞り流路面積が、機関回転数及び機関負荷に対し、低回転数域あるいは低負荷域での絞り流路面積を小さく、高回転数域あるいは高負荷域になるに従い大きくなるように可変に設定されているとともに、メイン電磁弁が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁が完全閉状態になる時点までの期間T2の間、前記オリフィス及びサブ電磁弁を介して燃料がオーバフローパイプを通って燃料供給部側に戻し、燃料噴射圧力を抑制させることを特徴とする。
請求の範囲5項記載の発明は、第プランジャ部と燃料通路とこの燃料通路に介装されたメイン電磁弁とを有する燃料噴射ポンプと、燃料を前記燃料噴射ポンプに供給する燃料供給部と、前記燃料噴射ポンプから噴射ノズル部に燃料を送る燃料噴射管と、前記燃料噴射ポンプにてリークさせる燃料を前記燃料供給部に戻すオーバフローパイプに介装されたサブ電磁弁とを備え、前記サブ電磁弁は、閉ポジションと、開度が絞られている開ポジションとを有するとともに、前記メイン電磁弁より遅れてサブ電磁弁が閉になるように設定し、前記メイン電磁弁が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁が完全閉状態になる時点までの期間T2の間、前記開度が絞られている開ポジションにあるサブ電磁弁を介して燃料がオーバフローパイプを通って燃料供給部側に戻し、燃料噴射圧力を抑制させることを特徴とする。
請求の範囲6項記載の発明は、第プランジャ部と通路とこの燃料通路に介装されたメイン電磁弁とを有する燃料噴射ポンプと、燃料を前記燃料噴射ポンプに供給する燃料供給部と、前記燃料噴射ポンプから噴射ノズル部に燃料を送る燃料噴射管と、前記燃料噴射ポンプにてリークさせる燃料を前記燃料供給部に戻すオーバフローパイプに介装されたサブ電磁弁とを備え、前記サブ電磁弁は、閉ポジションと、開度が絞られている絞りポジションと、開ポジションを有するとともに、前記メイン電磁弁より遅れて前記絞りポジションを経由してサブ電磁弁が閉になるように設定し、前記メイン電磁弁が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁が完全閉状態になる時点までの期間T2の間、前記開度が絞られている開ポジションにあるサブ電磁弁を介して燃料がオーバフローパイプを通って燃料供給部側に戻し、燃料噴射圧力を抑制させることを特徴とする。
請求の範囲第1項ないし第6項記載の発明によれば、オーバフローパイプにオリフィスを設けるとともに、メイン電磁弁及びサブ電磁弁を上述したように開閉制御しているため、燃料噴射期間の初期期間における噴射の立ち上がりを従来技術に比べて更に抑制できて燃料をシリンダ内に急激に噴射することがなくなり、初期期間での噴射量を従来技術に比べて更に抑制することができる。
この結果、初期期間から多量の燃料が急激に燃焼することを防止できるのでシリンダ内温度をより低く抑えることができ、窒素酸化物(NOx)の発生を更に抑制することができる。
また前記オリフィスは機械的な可動部が無いため、長期間に亘り使用しても故障することがなく耐久性があり、従来の逆止弁等に比べ機械的な信頼性が高くなる。
また、前記オリフィスは開口面積が可変である構成としたので、オーバフローパイプを通ってのリーク量を最適に調整することができる。
また、かかる発明によれば、前記オーバフローパイプにおける燃料のリーク流れ方向に関して前記オリフィスが上流側に配置され前記サブ電磁弁が下流側に配置され、あるいは前記オーバフローパイプにおける燃料のリーク流れ方向に関して前記サブ電磁弁が上流側に配置され前記オリフィスが下流側に配置される構成としたことにより、燃料噴射装置にとって最適な配置構成を任意に選択することができる。
また、かかる発明によれば、サブ電磁弁を閉ポジションと開度が絞られている開ポジションとを有する構成としたり、前記サブ電磁弁を閉ポジションと開度が絞られている絞りポジションと開ポジションを有する構成とすることにより、オリフィスを別個に設けることなくサブ電磁弁によって絞り機能を果たすことができ、燃料噴射装置の構成を簡単化することができる。
請求の範囲第7項ないし第10項記載の発明は、前記ユニットインジェクタ及び別体型燃料噴射ポンプを備えた燃料噴射装置の双方に適用できる発明であり、請求の範囲第7項記載の発明は、燃料供給部から送給された燃料を加圧するプランジャを備えたプランジャ部と、該プランジャ部から燃料噴射管を経て圧送された高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴射ノズル部と、前記燃料供給部と前記燃料噴射管とを並列に接続する2つの燃料通路と、前記2つの燃料通路の夫々に介装されて該燃料通路を開閉する2つの電磁弁とを備えた燃料噴射装置において、前記2つの燃料通路の夫々に介装されて該燃料通路の流路面積を絞る第1、第2のオリフィスと、前記第1のオリフィス及び第2のオリフィスの作動を切り換えるオリフィス切換装置とを備え、前記第1及び第2のオリフィスは絞り流路面積がことなるように構成され、機関回転数若しくは機関負荷に対応させて前記第1若しくは第2のオリフィスに切り替えて選出することを特徴とする。
請求の範囲第8項記載の発明は請求の範囲第7項において、前記内燃機関の機関回転数を検出する回転検出器と、前記内燃機関の負荷あるいは出力を検出する負荷検出器と、前記機関回転数及び負荷あるいは出力の検出信号に基づき前記第1のオリフィスあるいは第2のオリフィスの作動の要否を判断して前記オリフィス切換装置に出力するオリフィス制御装置とを備えてなることを特徴とする。
請求の範囲第9項記載の発明は請求の範囲第7項または第8項において、第1のオリフィスと第2のオリフィスとは、絞り流路面積が異なる固定絞りオリフィスに夫々構成されてなることを特徴とする。
請求の範囲第10項記載の発明は請求の範囲第7項または第8項において、第1のオリフィスと第2のオリフィスとは、絞り流路面積が可変な可変絞りオリフィスに夫々構成されてなることを特徴とする。
請求の範囲第7項ないし第8項記載の発明によれば、機関の高回転数域では、オリフィス制御装置により、絞り流路面積が大きいオリフィスを作動させることにより、噴射圧力の上昇が緩やかとなる。
これにより、機関の高回転数域(あるいは高負荷域)において急激な燃焼が抑制されてシリンダ内最高圧力及びシリンダ内温度の上昇が防止され、燃焼室周り構成部材の耐久性が向上されるとともに窒素酸化物(NOx)の発生量が低減される。
また、機関の低回転数域あるいは低負荷域では、絞り流路面積が小さいオリフィスを作動させることにより、燃料噴射の初期期間においてプランジャ部からの送油量に対応して絞り流路面積を小さくして該初期期間における噴射圧力の低下を防止し、正常な噴射圧力モードを得ることができる。
これにより、機関の低回転数域あるいは低負荷域において噴射圧力の低下による燃焼不良の発生が防止されて良好な燃焼がなされ、排煙の悪化や燃料消費率の増加を防止できる。
この結果、初期期間から多量の燃料が急激に燃焼することを防止できるのでシリンダ内温度をより低く抑えることができ、窒素酸化物(NOx)の発生を更に抑制することができる。
また前記オリフィスは機械的な可動部が無いため、長期間に亘り使用しても故障することがなく耐久性があり、従来の逆止弁等に比べ機械的な信頼性が高くなる。
また請求の範囲第2項及び第8項のように構成すれば、前記オリフィスは開口面積が可変である構成としたので、オーバフローパイプを通ってのリーク量を最適に調整することができる。
また前記オーバフローパイプにおける燃料のリーク流れ方向に関してオリフィスが上流側にサブ電磁弁が下流側に夫々配置され、あるいは前記オーバフローパイプにおける燃料のリーク流れ方向に関してサブ電磁弁が上流側にオリフィスが下流側に夫々配置される構成としたことにより、燃料噴射装置にとって最適な配置構成を任意に選択することができる。
また請求の範囲第2項、第3項及び請求の範囲第5項、第6項のように構成すれば、サブ電磁弁を閉ポジションと開度が絞られている閉ポジションとを有する構成としあるいは前記サブ電磁弁を閉ポジションと開度が絞られている絞りポジションと開ポジションを有する構成とすることにより、オリフィスを別個に設けることなくサブ電磁弁によって絞り機能を果たすことができ、燃料噴射装置の構成を簡単化することができる。
さらに請求の範囲第1項及び4項の発明によれば、機関の高回転数域では、オリフィス制御装置により、絞り流路面積が大きいオリフィスを作動させることにより、噴射圧力の上昇が緩やかとなり、これにより機関の高回転数域(あるいは高負荷域)において急激な燃焼が抑制されてシリンダ内最高圧力及びシリンダ内温度の上昇が防止され、燃焼室周り構成部材の耐久性が向上されるとともに窒素酸化物(NOx)の発生量が低減される。
また請求の範囲第7項ないし第10項の発明によれば、機関の低回転数域あるいは低負荷域では、絞り流路面積が小さいオリフィスを作動させることにより、燃料噴射の初期期間においてプランジャ部からの送油量に対応して絞り流路面積を小さくして該初期期間における噴射圧力の低下を防止し、正常な噴射圧力モードを得ることができ、これにより機関の低回転数域あるいは低負荷域において噴射圧力の低下による燃焼不良の発生が防止されて良好な燃焼がなされ、排煙の悪化や燃料消費率の増加を防止できる。
第1図は本発明の第1実施例に係るユニットインジェクタを用いた燃料噴射装置の系統図であり、図において、10は燃料供給部、33は噴射ノズル部35と該噴射ノズル部35に高圧燃料を圧送するプランジャ部31とをインジェクタボディ内に一体的に組み込んでなるユニットインジェクタである。
前記燃料供給部10は、燃料タンク11と供給ポンプ12とボリューム13とで構成されている。該燃料タンク11内の燃料は供給ポンプ12により圧送され、高圧状態でボリューム13に一旦貯蔵されてから送出される。
前記燃料供給部10から圧送された燃料は燃料通路21を介して前記ユニットインジェクタ33の燃料噴射管39に送られ、該ユニットインジェクタ33にてリークした燃料は、該燃料噴射管39からオーバフローパイプ22を通って燃料供給部10に戻ってくるように構成されている。
前記燃料通路21にはこれを開閉するメイン電磁弁41が介装されると共に、前記オーバフローパイプ22にはこれを開閉するサブ電磁弁42が介装されている。前記メイン電磁弁41及びサブ電磁弁42は、開ポジションと閉ポジションとを有する2ポジション型のノーマル・オープンの方向制御電磁弁よりなる。
前記ユニットインジェクタ33は、プランジャ部31と噴射ノズル部35とをインジェクタボディ(図示省略)内に一体的に組み込んだもので、前記プランジャ部31と噴射ノズル部35とが直列的に配置されて構成され、該プランジャ部31と噴射ノズル部35とは、ユニットインジェクタ33内に形成した燃料噴射管39を介して連通されている。
前記プランジャ部31のプランジャ32にはローラ51が連結されており、このローラ51は、カム52に転接している。該カム52は、ディーゼル機関の出力軸(クランク軸)から回転力が伝達されて回転し、該カム52の回転に応じてプランジャ32が往復運動をする。したがって、前記電磁弁41、42の双方が閉状態のときにプランジャ32が押されると該プランジャ32により加圧された燃料が燃料噴射管39を通って噴射ノズル部35に圧送される。
前記噴射ノズル部35の燃料弁(ノズルニードル)36は、プレッシャスプリング37により付勢されてノズルシート面に密着するようになっている。このため前記プランジャ部31から圧送された燃料の圧力(燃料噴射圧力)がプレッシャスプリング37の圧力よりも大きくなると、燃料弁36がプレッシャスプリング37側に押され、燃料がノズル38から霧状になってシリンダの燃焼室内に噴射される。
以上の構成は第13図に示される従来技術と同様である。本発明においてはメイン電磁弁41が介装される燃料通路21及びサブ電磁弁42が介装される燃料戻り管路(オーバフローパイプ22)の部分を改良している。
即ち、第1実施例を示す第1図において、前記オーバフローパイプ22には、前記サブ電磁弁42と前記ユニットインジェクタ33の燃料噴射管39との間の部位に開口面積が可変な可変オリフィス60aが介装されている。つまり、図に示される従来技術における逆止弁43の代わりに前記可変オリフィス60aが設けられている。
かかる構成からなるユニットインジェクタの燃料噴射装置において、前記メイン電磁弁41が閉状態となりかつサブ電磁弁42が開状態になっているときに、プランジャ32が押されて燃料噴射圧力が上昇したときには、前記可変オリフィス60aと第13図に示される従来技術に係る逆止弁43とでは、次のような作用効果の相違がある。
即ち、前記可変オリフィス60aにおいては、燃料噴射圧力が上昇すると直ちに燃料噴射管39側の燃料をオーバフローパイプ22を通してサブ電磁弁42及び燃料供給部10側にリークさせることができるのに対し、従来技術にかかる逆止弁43においては燃料噴射圧力がプランジャバネ32のバネ力よりも大きくなってから燃料をリークさせ始めるので、燃料リークのタイミングが異なっている。
このように、かかる実施例と従来技術とでは燃料リークのタイミングが異なっているため、燃料噴射期間における動作が異なることとなる。そこで、かかる実施例における燃料噴射期間での動作タイミングを第2図を参照しつつ説明する。なお、第2図(a)〜(f)はそれぞれ次のものを示している。
第2図(a)・・・噴射率
第2図(b)・・・燃料弁リフト
第2図(c)・・・燃料噴射圧力
第2図(d)・・・メイン電磁弁リフト
第2図(e)・・・サブ電磁弁リフト
第2図(f)・・・カムリフト
また第2図において、実線は本発明の実施例、点線は従来技術を示す。
前記カム52のカムリフト量が増加してき予め設定したリフト量になると、メイン電磁弁41が開状態から閉状態に移行する。このときプランジャ32が押出されるので燃料噴射圧力が増加していく。燃料噴射圧力が増加していくと、オーバフローパイプ22に介装した可変オリフィス60a及びサブ電磁弁42を通って燃料が直ちに燃料供給部10側にリークしていく。一方、燃料噴射圧力が上昇していくことにより、燃料弁36のリフト量が大きくなり、噴射率が増加してくる。
カム52のカムリフト量が更に増加してくると、サブ電磁弁42は開状態から閉状態になる。メイン電磁弁41が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁42が完全閉状態になる時点までの期間T2では、可変オリフィス60a及びサブ電磁弁42が開状態となっているため、燃料がオーバフローパイプ22を通って燃料供給部10側にリークしていき、燃料噴射圧力は従来技術における特性(点線の特性)に比べて抑制されている。
しかも、かかる実施例において燃料噴射圧力が抑制されている期間T2は、従来技術において燃料噴射圧力が抑制されている期間T1に比べて長い。また可変オリフィス60aによるリークが直ちに始まるため、期間T2における噴射率の始点は、期間T1の始点に比べて早い時点となっている。
前記期間T2における燃料噴射圧力が従来技術に比べて更に抑制されているため、この期間T2における噴射率は、第2図(a)に示すように従来技術における特性(点線の特性)に比べて更に抑制される。
メイン電磁弁41が完全閉状態になり、更にサブ電磁弁42も完全閉状態になると、燃料噴射圧力が抑制状態から上昇し、抑制されていた噴射率は抑制が解除されて増大する。
その後に、メイン電磁弁41及びサブ電磁弁42が閉状態から開状態に移行していくと、燃料噴射圧力が低下し、噴射率が低下していき噴射率が零になる。
このように、かかる実施例によれば、前記オーバフローパイプ22に前記可変オリフィス60aを設けるとともに、前記電磁弁41、42を上述したように開閉制御しているため、燃料噴射期間の初期期間、特に期間T2における噴射率を従来技術に比べて更に抑制でき、燃料をシリンダ内に一気に噴射することがなくなり、初期期間での噴射量を従来技術に比べて更に抑制することができる。この結果、初期期間から多量の燃料が急激に燃焼することを防止でき、シリンダ内温度をより低く抑えることができ、窒素酸化物(NOx)の発生を更に抑制することができる。
また前記可変オリフィス60aは機械的な可動部が無いため、長期間に亘り使用しても故障することがなく耐久性があり、機械的な信頼性が高い。
第3図(b)、(c)の例では、サブ電磁弁42と、開口面積が可変な前記可変オリフィス60aをオーバフローパイプ22に介装しており、第3図(b)の例では上流側に可変オリフィス60aを下流側にサブ電磁弁42を配置し、第3図(c)の例では上流側にサブ電磁弁42を下流側に可変オリフィス60aを配置している。
第3図(d)の例では、オーバフローパイプ22にサブ電磁弁42aのみを配置している。このサブ電磁弁42aは開ポジションにおける開度(開口面積)がオリフィスと同程度の開度に絞られている。
第3図(e)の例では、オーバフローパイプ22に3ポジション型のサブ電磁弁42bを配置している。このサブ電磁弁42bは、開ポジションと絞りポジションと閉ポジションとを有しており、絞りポジションにおける開度(開口面積)はオリフィスと同程度の開度に絞られている。
このため、開ポジションから閉ポジションに移行するときに必ず絞りポジションを通ることとなり、他の実施例と同様な動作が行われ、燃料噴射期間の初期における燃料噴射率を抑制することができる。
第4図は本発明の第2実施例に係る燃料噴射装置の系統図である。この実施例においては、燃料噴射ポンプと噴射ノズルとが別体の別体型燃料噴射装置を備えており、図において、30は燃料噴射ポンプ、31は該燃料噴射ポンプ30のプランジャ部、35は噴射ノズル部、39は該プランジャ部の燃料出口と前記噴射ノズル部35とを接続する燃料噴射管である。
かかる第2実施例においては、別体型燃料噴射装置において、燃料噴射ポンプ30のオーバフローパイプ22に、サブ電磁弁42と可変オリフィス60aとを介装している。つまり、第1図に示される従来技術における逆止弁43の代わりに前記可変オリフィス60aが設けられている。
これらの図では、メイン電磁弁41が介装された燃料通路21を、通路21a及び21bに分けて示しており、またサブ電磁弁42及び可変オリフィス60aが介装されたオーバフローパイプ22をパイプ22a及び22bに分けて示している。即ち、
(1)前記通路21aは、前記燃料通路21のうち、メイン電磁弁41と燃料供給部10との間に配置した部分であり、
(2)通路21bは、燃料通路21のうち、メイン電磁弁41とプランジャ部31との間に配置した部分であり、
(3)パイプ22aは、オーバフローパイプ22のうち、サブ電磁弁42と燃料供給部10との間に配置した部分であり、
(4)パイプ22bは、オーバフローパイプ22のうち、サブ電磁弁42とプランジャ部31との間に配置した部分である。
一方、第8図に示すように、前記プランジャ部31の上面には、メイン電磁弁41とサブ電磁弁42とが水平に平行配置されている。メイン電磁弁41は電磁石41aとスプール41bを主要部材として構成されており、サブ電磁弁42は電磁石42aとスプール42bを主要部材として構成されている。尚、前記スプール41bとスプール42bとは同径でもよい。前記両電磁弁41、42のリフトは目標とする噴射率に応じて決定されるが、前記のように同径の電磁弁41、42を用いる場合には、サブ電磁弁42の方がメイン電磁弁41よりも小さなリフトに設定される。前記の他、前記電磁弁41、42のリフトL(第9図に図示)を同一として双方の径を目標とする噴射率に応じて決定することもできる。即ち同リフトの電磁弁を用いる場合にはサブ電磁弁42の径はメイン電磁弁41の径よりも小さく設定することとなる。
第6図〜第7図のように、前記燃料噴射ポンプ30の上部には吐出部070が形成されており、この吐出部070に前記燃料噴射管39が接続される。そして該吐出部070とプランジャ部31との間には吐出弁071が介装されている。前記噴射ノズル部35に供給される燃料は、プランジャ部31→吐出弁071→吐出部070→燃料噴射管39→噴射ノズル部35という経路に沿って送られる。
この実施例においては、前記第2実施例と同様に燃料噴射ポンプと噴射ノズルとが別体の別体型燃料噴射装置を備えており、図において、30は燃料噴射ポンプ、31は該燃料噴射ポンプ30のプランジャ部、35は噴射ノズル部、39は該プランジャ部31の燃料出口と前記噴射ノズル部35とを接続する燃料噴射管である。
前記プランジャ部31のプランジャ32にはローラ51が連結されており、このローラ51は、カム52に転接している。該カム52は、ディーゼル機関の出力軸(クランク軸)から回転力が伝達されて回転し、該カム52の回転に応じてプランジャ32が往復運動をするようになっている。
10は燃料供給部である。該燃料供給部10は、燃料タンク11と供給ポンプ12とボリューム13とで構成されており、該燃料タンク11内の燃料は供給ポンプ12により圧送され、高圧状態でボリューム13に一旦貯蔵されてから送出されるようになっている。
21は前記燃料供給部10と前記燃料噴射管39とを接続する燃料通路である。22はオーバフローパイプで前記燃料噴射管39の前記燃料通路21との接続部よりも下流側部位と前記燃料供給部10とを接続している。
前記燃料通路21にはこれを開閉するメイン電磁弁41が介装されると共に、前記オーバフローパイプ22にはこれを開閉するサブ電磁弁42が介装されている。尚、第10図においては、メイン電磁弁41が介装された燃料通路21を、通路21a及び21bに分けて示し、またサブ電磁弁42が介装されたオーバフローパイプ22をパイプ22a及び22bに分けて示している。
前記メイン電磁弁41及びサブ電磁弁42は、開ポジションと閉ポジションとを有する2ポジション型のノーマル・オープンの方向制御電磁弁よりなる。
従って、前記メイン電磁弁41及びサブ電磁弁42の双方が閉状態のときにカム52によりプランジャ部31のプランジャ32が押されると、該プランジャ32により加圧された燃料が燃料噴射管39を通って前記噴射ノズル部35に圧送されることとなる。
また、前記噴射ノズル部35において、36は燃料弁(ノズルニードル)で該燃料弁36は、プレッシャスプリング37により付勢されてノズルシート面に密着するようになっている。このため前記プランジャ部31から圧送された燃料の圧力(燃料噴射圧力)がプレッシャスプリング37の圧力よりも大きくなると、燃料弁36がプレッシャスプリング37側に押されて開弁し、燃料がノズル38から霧状になってシリンダの燃焼室内に噴射されることとなる。
以上の構成は前記第2実施例と同様である。この第3実施例においては前記燃料通路21及びオーバフローパイプ22に第1オリフィス61及び第2オリフィス62を夫々介装している。
即ち、第10図において61は第1オリフィスで、前記燃料通路21の前記メイン電磁弁41と燃料噴射管39との間の燃料通路21bに介装されている。また62は第2オリフィスで前記オーバーフローパイプ22の前記サブ電磁弁42と燃料噴射管39との間の燃料通路22bに介装されている。
尚、前記第1オリフィス61は前記メイン電磁弁41と燃料供給部10との間の燃料通路21aに介装し、前記第2オリフィス62は前記サブ電磁弁42と燃料供給部10との間の燃料通路22aに介装してもよい。
さらに第3図(e)に示されるように、前記メイン電磁弁41及びサブ電磁弁42を絞りポジションを有する3ポジション式電磁弁に構成し、前記第1オリフィス61をメイン電磁弁41に内蔵し、前記第2オリフィス62をサブ電磁弁42に内蔵するようにしてもよい。
前記燃料通路21にメイン電磁弁41とともに介装された第1オリフィス61と前記オーバフローパイプ22にサブ電磁弁42とともに介装された第2オリフィス62とは、絞り流路面積の異なる固定絞り式のオリフィスにて構成されている。
79はオリフィス切換装置、70はオリフィス制御装置で、該オリフィス制御装置70より後述するような切換制御信号が該オリフィス切換装置79に入力され、該オリフィス切換装置79により回線079を介して前記第1オリフィス61が併設されたメイン電磁弁41及び第2オリフィス62が併設されたサブ電磁弁42を開閉させることにより前記第1オリフィス61及び第2オリフィス62の作動を切り換えるようになっている。
71は前記ディーゼル機関の機関回転数を検出する回転検出器、72は前記機関の負荷(あるいは出力)を検出する負荷検出器であり、該回転検出器71からの機関回転数の検出信号及び負荷検出器72からの機関負荷の検出信号は前記オリフィス制御装置70に入力される。
かかる構成からなる燃料噴射装置を備えたディーゼル機関の運転時において、第2図(a)〜(f)に示すように(ここで、前記のように、第2図(a)・・・噴射率、第2図(b)・・・燃料弁リフト、第2図(c)・・・燃料噴射圧力、第2図(d)・・・メイン電磁弁リフト、第2図(e)・・・サブ電磁弁リフト、第2図(f)・・・カムリフトであり、実線は本発明の実施例、点線は従来技術を示す)、カム52のカムリフト量が増加していき予め設定したリフト量になると、メイン電磁弁41が開状態から閉状態に移行する。
このときプランジャ32から燃料が押出されるので、第2図(c)のように、燃料噴射圧力が増加していく。該燃料噴射圧力が増加していくと、オーバフローパイプ22に介装した第2オリフィス62及びサブ電磁弁42を通って燃料が直ちに燃料供給部10側にリークしていく。一方、燃料噴射圧力が上昇していくことにより、燃料弁36のリフト量が大きくなり噴射率が増加してくる。
カム52のカムリフト量が更に増加してくると、サブ電磁弁42は開状態から閉状態になる。メイン電磁弁41が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁42が完全閉状態になる時点までの期間T2では、第2オリフィス62及びサブ電磁弁42が開状態となっているため、燃料がオーバフローパイプ22を通って燃料供給部10側にリークしていき、燃料噴射圧力は従来技術における特性(点線の特性)に比べて抑制されている。
メイン電磁弁41が完全閉状態になり、更にサブ電磁弁42も完全閉状態になると、燃料噴射圧力が抑制状態から上昇し、前記のようにして抑制されていた噴射率は抑制が解除されて増大する。
その後に、メイン電磁弁41及びサブ電磁弁42が閉状態から開状態に移行していくと、燃料噴射管39側の燃料は第1オリフィス61及びメイン電磁弁41を通り、また第2オリフィス62及びサブ電磁弁4を通り燃料供給部10に戻される。これにより燃料噴射圧力が低下して噴射率が低下していき噴射率が零になる。
かかる作動時において、前記第1、第2実施例においては、機関の高回転数域(あるいは高負荷域)において急激な燃焼を抑制してシリンダ内温度を低く抑え窒素酸化物(NOx)の発生を抑制するため、前記メイン電磁弁41の絞り通路面積及び前記可変オリフィス60aを含むサブ電磁弁42の絞り通路面積を機関の高回転数域(あるいは高負荷域)に適合させ大きめに設定すると、第12図(C)のように、機関の低回転数域(あるいは低負荷域)での燃料噴射の初期期間Sにおいて、プランジャ32からの送油量に対して絞り通路面積が過大となり、噴射圧力が第12図(C)のように低下して良好な燃焼が得られ難く、排煙の悪化や燃料消費率の増加を招く。
一方、前記のような不具合の発生を回避し機関の低回転数域(あるいは低負荷域)での燃焼を改善するため、前記絞り通路面積を機関の低回転数域(あるいは低負荷域))に適合させて小さく設定すると、高回転数域(あるいは高負荷域)において噴射圧力が過大となって、シリンダ内最高圧力が過大となり構成部材の耐久性を低下させるとともに窒素酸化物(NOx)の発生量の増大を招く。
そこで、かかる第3実施例においては、前記のように、前記燃料通路21にメイン電磁弁41とともに介装された第1オリフィス61、及び前記オーバフローパイプ22にサブ電磁弁42とともに介装された第2オリフィス62を設け、第1オリフィス61と第2オリフィス62とを絞り流路面積が異なるようにして、オリフィス切換装置79により前記第1オリフィス61及び第2オリフィス62の作動を切り換えるように構成しているので、次のように作動することにより前記のような問題点を解決している。
即ち前記ディーゼル機関の運転時において、第11図に示すように、回転検出器71からの機関回転数の検出信号及び負荷検出器72からの機関負荷(あるいは出力)の検出信号は前記オリフィス制御装置70のオリフィス絞り面積算出部73に入力される。
該オリフィス絞り面積算出部73においては、機関回転数及び機関負荷(あるいは出力)の検出値に対応するオリフィス絞り流路面積を算出しオリフィス選出部76に入力する。
前記オリフィス絞り流路面積は機関回転数及び機関負荷に対し、低回転数域(あるいは低負荷域)での絞り流路面積を小さく、高回転数域(あるいは高負荷域)になるに従い大きくなるように関係づけられており、該オリフィス絞り面積算出部73においては機関回転数及び機関負荷の検出値が入力されると、該検出値に対応するオリフィス絞り流路面積を算出(あるいは選出)する。
74は第1オリフィス絞り量設定部で前記第1オリフィス61の絞り流路面積が設定されており、75は第2オリフィス絞り量設定部で前記第2オリフィス62の絞り流路面積が設定されている。
該絞り流路面積は前記のように、第1オリフィス61と第2オリフィス62とは異なる値となっており、第1オリフィス絞り量設定部74の絞り流路面積は機関の高回転数域(あるいは高負荷域)に適合した大きい絞り流路面積に設定され、第2オリフィス絞り量設定部75の絞り流路面積は機関の低回転数域(あるいは低負荷域)に適合した小さい絞り流路面積に設定されている。
尚、前記とは逆に、第1オリフィス絞り量設定部74の絞り流路面積を小さく、第2オリフィス絞り量設定部75の絞り流路面積を大きく設定してもよい。
前記オリフィス選出部76においては、前記オリフィス絞り面積算出部73にて算出された機関回転数及び機関負荷(あるいは出力)の検出値に対応するオリフィス絞り流路面積を第1オリフィス絞り量設定部74及び第2オリフィス絞り量設定部75に突き合わせ、第1オリフィス61及び前記第2オリフィス62のうち、前記オリフィス絞り流路面積算出値に適合する絞り流路面積が設定されているオリフィスを選出する。
即ち、オリフィス選出部76においては、前記オリフィス絞り流路面積算出値が一定値よりも小さい低回転数域(あるいは低負荷域)においては、小さい絞り流路面積が設定されている第2オリフィス絞り量設定部75を選出し、前記オリフィス絞り流路面積算出値が一定値よりも大きい高回転数域(あるいは高負荷域)においては、大きい絞り流路面積が設定されている第1オリフィス絞り量設定部74を選出する。
前記オリフィス選出部76での選出信号は前記オリフィス切換装置79に出力され、該オリフィス切換装置79においては前記のようにして選出された、第1オリフィス61側のメイン電磁弁41あるいは第2オリフィス62側のサブ電磁弁42を開放せしめる。
以上の動作により、第12図のAに示すように、機関の高回転数域では絞り流路面積が大きいオリフィス1即ち前記第1オリフィス61側の電磁弁1即ちメイン電磁弁41を開くことにより、噴射圧力の上昇が緩やかとなる。
これにより、機関の高回転数域(あるいは高負荷域)において急激な燃焼が抑制されてシリンダ内最高圧力及びシリンダ内温度の上昇が防止され、燃焼室周り構成部材の耐久性が向上されるとともに窒素酸化物(NOx)の発生量が低減される。
また、第12図のBに示すように、機関の低回転数域では絞り流路面積が小さいオリフィス2即ち前記第2オリフィス62側の電磁弁2即ちサブ電磁弁42を開くことにより、燃料噴射の初期期間Sにおいてプランジャ32からの送油量に対応して絞り流路面積が小さくなっており、該初期期間Sにおける噴射圧力の低下が防止され、図の実線に示すような正常な噴射圧力モードが得られる。
これにより、機関の低回転数域(あるいは低負荷域)において噴射圧力の低下による燃焼不良の発生が防止されて良好な燃焼がなされ、排煙の悪化や燃料消費率の増加が防止される。
尚、前記第3実施例においては前記第1、第2オリフィス61、62を固定絞り式オリフィスとしたが、該第1、第2オリフィス61、62を可変絞りオリフィスとして、前記オリフィス切換装置79により前記第1、第2オリフィス61、62の絞り流路面積(開口面積)を、機関の低回転数域(あるいは低負荷域)と高回転数域(あるいは高負荷域)とで変化させるように構成してもよい。
33 ユニットインジェクタ
41 メイン電磁弁
42 サブ電磁弁
22 オーバフローパイプ
60 オリフィス
61 第1オリフィス
62 第2オリフィス
Claims (10)
- プランジャ部と噴射ノズル部とが一体的に組み込まれたユニットインジェクタと、燃料を前記ユニットインジェクタに圧送する燃料供給部と、前記燃料供給部から前記ユニットインジェクタに燃料を送る噴射管に介装されたメイン電磁弁と、前記ユニットインジェクタにてリークさせる燃料を前記燃料供給部に戻すオーバフローパイプにサブ電磁弁とオリフィスとを直列に介装し、前記オリフィス絞り流路面積が、機関回転数及び機関負荷に対し、低回転数域あるいは低負荷域での絞り流路面積を小さく、高回転数域あるいは高負荷域になるに従い大きくなるように可変に設定されているとともに、メイン電磁弁が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁が完全閉状態になる時点までの期間T2の間、前記オリフィス及びサブ電磁弁を介して燃料がオーバフローパイプを通って燃料供給部側に戻し、燃料噴射圧力を抑制させることを特徴とする燃料噴射装置。
- プランジャ部と噴射ノズル部とが一体的に組み込まれたユニットインジェクタと、燃料を前記ユニットインジェクタに圧送する燃料供給部と、前記燃料供給部から前記ユニットインジェクタに燃料を送る噴射管に介装されたメイン電磁弁と、前記ユニットインジェクタにてリークさせる燃料を前記燃料供給部に戻すオーバフローパイプに介装されたサブ電磁弁とを備え、前記サブ電磁弁は、閉ポジションと、開度が絞られている開ポジションとを有するとともに、前記メイン電磁弁より遅れてサブ電磁弁が閉にして燃料噴射圧力が略一定になる期間T1を設定し、前記メイン電磁弁が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁が完全閉状態になる時点までの期間T2の間、前記開度が絞られている開ポジションにあるサブ電磁弁を介して燃料がオーバフローパイプを通って燃料供給部側に戻し、前記T2の期間をT1の期間より長くなるように制御して燃料噴射圧力を抑制させることを特徴とする燃料噴射装置。
- プランジャ部と噴射ノズル部とが一体的に組み込まれたユニットインジェクタと、燃料を前記ユニットインジェクタに圧送する燃料供給部と、前記燃料供給部から前記ユニットインジェクタに燃料を送る噴射管に介装されたメイン電磁弁と、前記ユニットインジェクタにてリークさせる燃料を前記燃料供給部に戻すオーバフローパイプに介装されたサブ電磁弁とを備え、前記サブ電磁弁は、閉ポジションと、開度が絞られている絞りポジションと、開ポジションを有するとともに、前記メイン電磁弁より遅れて前記絞りポジションを経由してサブ電磁弁が閉にして燃料噴射圧力が略一定になる期間T1を設定し、前記メイン電磁弁が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁が完全閉状態になる時点までの期間T2の間、前記開度が絞られている開ポジションにあるサブ電磁弁を介して燃料がオーバフローパイプを通って燃料供給部側に戻し、前記T2の期間をT1の期間より長くなるように制御して、燃料噴射圧力を抑制させることを特徴とする燃料噴射装置。
- プランジャ部と燃料通路とこの燃料通路に介装されたメイン電磁弁とを有する燃料噴射ポンプと、燃料を前記燃料噴射ポンプに供給する燃料供給部と、前記燃料噴射ポンプから噴射ノズル部に燃料を送る燃料噴射管と、前記燃料噴射ポンプにてリークさせる燃料を前記燃料供給部に戻すオーバフローパイプにサブ電磁弁とオリフィスとを直列に介装し、前記オリフィス絞り流路面積が、機関回転数及び機関負荷に対し、低回転数域あるいは低負荷域での絞り流路面積を小さく、高回転数域あるいは高負荷域になるに従い大きくなるように可変に設定されているとともに、メイン電磁弁が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁が完全閉状態になる時点までの期間T2の間、前記オリフィス及びサブ電磁弁を介して燃料がオーバフローパイプを通って燃料供給部側に戻し、燃料噴射圧力を抑制させることを特徴とする燃料噴射装置。
- プランジャ部と燃料通路とこの燃料通路に介装されたメイン電磁弁とを有する燃料噴射ポンプと、燃料を前記燃料噴射ポンプに供給する燃料供給部と、前記燃料噴射ポンプから噴射ノズル部に燃料を送る燃料噴射管と、前記燃料噴射ポンプにてリークさせる燃料を前記燃料供給部に戻すオーバフローパイプに介装されたサブ電磁弁とを備え、前記サブ電磁弁は、閉ポジションと、開度が絞られている開ポジションとを有するとともに、前記メイン電磁弁より遅れてサブ電磁弁が閉にして燃料噴射圧力が略一定になる期間T1を設定し、前記メイン電磁弁が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁が完全閉状態になる時点までの期間T2の間、前記開度が絞られている開ポジションにあるサブ電磁弁を介して燃料がオーバフローパイプを通って燃料供給部側に戻し、前記T2の期間をT1の期間より長くなるように制御して燃料噴射圧力を抑制させることを特徴とする燃料噴射装置。
- プランジャ部と通路とこの燃料通路に介装されたメイン電磁弁とを有する燃料噴射ポンプと、燃料を前記燃料噴射ポンプに供給する燃料供給部と、前記燃料噴射ポンプから噴射ノズル部に燃料を送る燃料噴射管と、前記燃料噴射ポンプにてリークさせる燃料を前記燃料供給部に戻すオーバフローパイプに介装されたサブ電磁弁とを備え、前記サブ電磁弁は、閉ポジションと、開度が絞られている絞りポジションと、開ポジションを有するとともに、前記メイン電磁弁より遅れて前記絞りポジションを経由してサブ電磁弁が閉にして燃料噴射圧力が略一定になる期間T1を設定し、前記メイン電磁弁が開状態から閉状態に向って移行を始めた時点からサブ電磁弁が完全閉状態になる時点までの期間T2の間、前記開度が絞られている開ポジションにあるサブ電磁弁を介して燃料がオーバフローパイプを通って燃料供給部側に戻し、前記T2の期間をT1の期間より長くなるように制御して、燃料噴射圧力を抑制させることを特徴とする燃料噴射装置。
- 燃料供給部から送給された燃料を加圧するプランジャを備えたプランジャ部と、該プランジャ部から燃料噴射管を経て圧送された高圧燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する噴射ノズル部と、前記燃料供給部と前記燃料噴射管とを並列に接続する2つの燃料通路と、前記2つの燃料通路の夫々に介装されて該燃料通路を開閉する2つの電磁弁とを備えた燃料噴射装置において、前記2つの燃料通路の夫々に介装されて該燃料通路の流路面積を絞る第1、第2のオリフィスと、前記第1のオリフィス及び第2のオリフィスの作動を切り換えるオリフィス切換装置とを備え、前記第1及び第2のオリフィスは絞り流路面積がことなるように構成され、機関回転数若しくは機関負荷に対応させて前記第1若しくは第2のオリフィスに切り替えて選出することを特徴とする燃料噴射装置。
- 前記内燃機関の機関回転数を検出する回転検出器と、前記内燃機関の負荷あるいは出力を検出する負荷検出器と、前記機関回転数及び負荷あるいは出力の検出信号に基づき前記第1のオリフィスあるいは第2のオリフィスの作動の要否を判断して前記オリフィス切換装置に出力するオリフィス制御装置とを備えてなることを特徴とする請求の範囲第7項記載の燃料噴射装置。
- 第1のオリフィスと第2のオリフィスとは、絞り流路面積が異なる固定絞りオリフィスに夫々構成されてなることを特徴とする請求の範囲第7項または8項記載の燃料噴射装置。
- 第1のオリフィスと第2のオリフィスとは、絞り流路面積が可変な可変絞りオリフィスに夫々構成されてなることを特徴とする請求の範囲第7項または8項記載の燃料噴射装置。
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