JP3825286B2 - 給湯機器の遠隔制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室、台所等に設置される給湯機器の遠隔制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
給湯・追焚装置は、浴槽、台所への給湯、浴槽の残湯の再加熱(即ち、追焚)又は洗濯注湯(浴槽内の湯水の再利用を含む)等に使用されている。通常、この種の給湯・追焚装置は、単一の給湯・追焚ユニットと適宜の箇所とを配管で結び、浴室、台所、洗濯室等にリモコン装置を設置し、運転開始、給湯、温度設定等の各種の操作を行うことができる。そして、リモコン装置には、操作に応じた表示や状態表示等の各種の表示する手段として表示装置を備えている。この種の表示装置には、蛍光表示管、LED、液晶表示器等の各種の表示素子が使用されている。液晶表示器等によっては、その表示に背面側から光を当てることにより、表示内容を際立たせる発光手段を設置する場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、表示装置は、運転入力待ち、又は運転停止中においても設定温度、時刻等何らかの表示がある。しかしながら、表示装置が連続的に動作状態にある場合、電力消費が問題となる。例えば、表示装置に使用される蛍光表示管は輝度が高く、湯気による曇りを生じても視認性が高く、浴室等に設置される表示装置に適する。しかし、蛍光表示管は、カソードからアノードに放出される熱電子を制御して蛍光表示を行うため、加熱によって熱電子を放出させるカソードを常時加熱する必要があり、このカソードを加熱するための電力消費が無視できない。CO2 の発生もある。
【0004】
このような電力消費を抑制するには、その表示を使用者が選択的に停止するようにすればよいが、制御手段側の制御動作を無視して表示を解除してしまうことは、表示装置が無意味になり、告知すべき重要な表示や安全性の面から問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、動作上の省電力化を図った給湯機器の遠隔制御装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の給湯機器の遠隔制御装置は、燃料を燃焼させるバーナと、このバーナの燃焼熱により上水又は浴槽水を加熱する熱交換器と、前記上水の出湯時、又は前記浴槽水の追焚き時に前記バーナを燃焼させる制御手段とを備える給湯機器の遠隔制御装置であって、前記給湯機器の運転及び制御内容を表示する表示器又は該表示器に併設されるランプと、前記表示器の表示を解除し又は前記ランプを消灯させる省電力モードの実行を指令し、又は前記省電力モードの実行中にその解除を指令する省電力切替スイッチと、前記給湯機器の前記制御手段に無線又は有線により接続されて前記給湯機器の制御に用いられ、前記省電力切替スイッチにより前記省電力モードを実行して前記表示器の表示を解除し又は前記ランプを消灯させ、前記省電力モードの実行中、前記省電力切替スイッチの前記指令により、又は前記給湯機器の前記制御手段から送出される、動作開始を表す動作開始フラグ、前記バーナの炎検出を表す炎検出信号、前記給湯機器の水流を表す水流検出信号の何れかの受信により、前記省電力モードを解除し、前記表示器の表示を復帰させ又は前記ランプを点灯させる遠隔制御手段とを備えることを特徴とする。即ち、このような構成としたことから、表示モードと省電力モードを設定し、表示モードでは、制御指令スイッチの入力により表示制御出力等の各種の制御出力を発生するとともに、表示素子を点灯状態に制御して前記表示素子に必要な表示を行わせる。そして、省電力モードへの移行により表示素子の動作を解除して消灯状態に制御すれば、給湯機器の省電力化を図ることができる。
【0007】
この給湯機器の遠隔制御装置において、省電力モードの実行又はその解除を指令する省電力切替スイッチ(省電力モード指令スイッチS4)を備えることにより、この制御を可能にしている。
【0008】
この給湯機器の遠隔制御装置において、前記給湯機器から送出される制御情報は、給湯機器からの動作開始フラグ、炎検出信号、水流検出信号の何れかにより選択される。即ち、制御情報は、給湯機器からの動作開始フラグ、炎検出信号、水流検出信号の何れかの選択によって得られる。
【0009】
本発明の給湯機器の遠隔制御装置において、前記遠隔制御手段に対する制御指令を入力する制御指令スイッチを備え、該制御指令スイッチの操作によって前記省電力モードを解除し、所定時間経過後、前記制御指令スイッチが操作されないとき、前記省電力モードに復帰させることを特徴とする。即ち、このように構成したことにより、省電力モードに優先して必要な表示を行い、所定時間経過後、制御指令スイッチが操作されないとき、省電力モードに復帰させ、使用者の便宜を図っている。
【0010】
本発明の給湯機器の遠隔制御装置において、前記遠隔制御手段の省電力モードへの移行後、前記表示の近傍で前記省電力モードを表す表示素子(省電力モード表示素子135)を備えることを特徴とする。即ち、その点灯表示で省電力モードであることを容易に確認することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示した実施例を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1には、本発明の給湯機器の遠隔制御装置の一実施形態である給湯・追焚装置が示されている。
【0013】
給湯機器としての給湯・追焚ユニット2には、遠隔制御手段として浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6及び洗濯注湯リモコン装置8が連携されている。給湯・追焚ユニット2は家屋の外壁等の屋外に設置され、浴室リモコン装置4は浴室、台所リモコン装置6は台所、洗濯注湯リモコン装置8は洗濯室等に設置されている。
【0014】
給湯・追焚ユニット2には、ガス供給口10、給水口12、給湯口14、洗濯注湯口16、浴槽接続口18、20が設けられている。ガス供給口10には、燃料ガスG、給水口12には上水Wがそれぞれ供給される。給湯口14から得られる上水側の湯水HWは台所、浴室等に供給される。また、洗濯注湯口16に得られる湯水は配管を通じて洗濯機22に供給される。そして、浴槽接続口18には往き管24、浴槽接続口20には戻り管26を介して浴槽28の循環口具30が接続され、給湯・追焚ユニット2と浴槽28との間に給湯経路、追焚経路が形成されている。
【0015】
給湯・追焚ユニット2には独立した給湯側燃焼室32及び追焚側燃焼室33が設けられ、給湯側燃焼室32には熱交換器34、追焚側燃焼室33には熱交換器36がそれぞれ設置されている。熱交換器34側には2つのバーナ38、40、熱交換器36側にはバーナ42が設置され、燃料ガスGが管路44を通して供給される。この管路44の途上には、バーナ38、40側に燃焼ガスGの供給、遮断をする燃料元弁46、燃料の供給を連続的に制御する比例弁48、燃料ガス量を切り換える切換弁50、51が設置されているとともに、バーナ42側に燃料の供給、遮断をする追焚元弁52が設置されている。バーナ38の火口附近には放電により燃料ガスGに点火するイグナイタ53、バーナ38の燃焼を検出するフレームロッド55が設置され、同様にバーナ42の火口附近には放電により燃料ガスGに点火するイグナイタ57、バーナ42の燃焼を検出するフレームロッド59が設置されている。そして、燃焼室32にはバーナ38、40側に燃焼用空気を供給するファンモータ54、バーナ42側に同様のファンモータ56が個別に設置されているとともに、これらに対応して排気口58、60が設けられている。
【0016】
給水口12に供給された上水Wは、管路61を通して熱交換器34に供給されて加熱された後、管路63を通して給湯口14から外部に供給される。熱交換器34への給水量は、給水量センサ62を通して電気的に検出される。熱交換器34の入水側の温度は給水温センサ64で検出され、熱交換器34の出湯側の温度は出湯温センサ66で検出される。管路61、63の中途部には分岐管68、70が設けられ、開閉弁72、74を介してホッパ76が接続されている。このホッパ76と熱交換器36とは、管路78を通して接続され、熱交換器36とポンプ80とは管路82を通して接続されている。管路78には浴槽等への通水量を検出する水量センサ84、切換弁86がそれぞれ設けられ、切換弁86には管路88が接続され、この管路88には切換弁90が設けられ、この切換弁90と洗濯注湯口16との間には管路92、切換弁90と浴槽接続口18との間には管路94が接続されている。ポンプ80と浴槽接続口20との間には管路96が接続され、この管路96には流水を検出するための流水スイッチ98が接続され、管路96を通過する湯水の温度を検出する手段として温度センサ100が設けられている。
【0017】
そして、給湯・追焚ユニット2には、給湯、追焚、洗濯注湯等に必要な燃焼、給水等、給湯制御手段として制御部102が設けられており、この制御部102には信号線104を通して浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6及び洗濯注湯リモコン装置8が連携されている。
【0018】
次に、図2及び図3は、制御部102、浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6及び洗濯注湯リモコン装置8の具体的な構成例を示している。
【0019】
制御部102は、CPU等の演算処理装置、RAM、ROM等の記憶素子、入出力インターフェイス、A/D変換器等を含んで構成される制御演算部106を備えるとともに、入力回路108、駆動回路110、送受信回路112、電源回路114等を備えている。入力回路108には、センサ116から検出信号が入力される。このセンサ116は、フレームロッド55、59、給水量センサ62、給水温センサ64、出湯温センサ66、水量センサ84、流水スイッチ98、温度センサ100等の各種のセンサを総称したものである。また、駆動回路110にはアクチュエータ118が接続されており、アクチュエータ118は駆動回路110からの駆動出力によって駆動される。ここで、アクチュエータ118は、燃料元弁46、比例弁48、切換弁50、51、追焚元弁52、開閉弁72、74、切換弁86、90等における駆動部である。また、駆動回路110からの駆動出力は、ファンモータ54、56、ポンプ80等に加えられる。
【0020】
送受信回路112は、浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6、洗濯注湯リモコン装置8との信号の授受を行う手段であって、信号伝達媒体として有線、電波、光、超音波等を使用する。この実施形態では、有線によって信号の授受を行っており、電源回路114は、制御部102への給電を行うとともに、信号線104を通して浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6、洗濯注湯リモコン装置8に給電を行う。即ち、信号線104には、電源回路114からの直流出力と制御演算部106からの制御情報であるディジタル信号が重畳されて伝送され、浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6、洗濯注湯リモコン装置8からの制御情報であるディジタル信号が伝達される。そこで、送受信回路112は、必要な制御情報等を直流電圧と分離して送受する。
【0021】
浴室リモコン装置4は、他の台所リモコン装置6及び洗濯注湯リモコン装置8に対して主たるリモコン装置を構成している。この浴室リモコン装置4は、マイクロコンピュータで構成された制御演算部120を備え、この制御演算部120には送受信回路122、入力回路124を介してスイッチ126、音声出力回路128を介して発声器130、表示出力回路132を介して表示器134が連携されている。
【0022】
スイッチ126は、1又は2以上の制御スイッチ及び省電力モード指令スイッチ等で構成されており、具体的には、図3に示すように、自動モードスイッチS1、追焚モードスイッチS2、運転スイッチS3、省電力モード指令スイッチS4、給湯スイッチS5、呼出しスイッチS6等を備えている。自動モードスイッチS1は給湯及び追焚の自動的開始及び停止を指令するためのスイッチである。自動モードスイッチS1が操作されると、浴槽2の設定水位までの湯張り、設定温度への追焚、一定時間ごとの追焚保温を行う運転動作を命令するものである。追焚モードスイッチS2が操作されると、浴槽2内の湯水の温度を設定温度まで追焚加熱が行われる。
【0023】
追焚モードスイッチS2は追焚モードの開始及びその停止を指令するためのスイッチ、運転スイッチS3は給湯・追焚の運転開始及びその停止を指令するスイッチ、省電力モード指令スイッチS4は表示器134、152、170の全表示を停止させ、省電力モードの開始又はその停止を指令するモード設定スイッチである。
【0024】
給湯スイッチS5は浴槽2に対し所定量の湯水を供給する動作スイッチであって、例えば、蛇口を開くことにより生じる流水が検知されたことにより給湯動作をさせる。呼出しスイッチS6は入浴者が浴室外に合図を送るため設けられており、浴室から台所リモコン装置6、洗濯注湯リモコン装置8を通じて呼出し音を発音又はその停止を指令するスイッチである。
【0025】
発声器130は、入力情報や制御状態を音声によって出力する手段であり、制御演算部120の制御出力に応じて音声出力回路128からの音声情報を音声として出力する。
【0026】
また、表示器134は、カソード136を有する蛍光表示管等の表示素子で構成され、制御演算部120の表示制御出力により表示出力回路132から出力される表示駆動出力で文字表示を行う。そして、表示器134には遮断回路138を介して電源回路140が接続されており、遮断回路138はスイッチで構成され、制御演算部120からの遮断制御出力により表示器134に対する電源回路140からの給電又はその遮断を行う。
【0027】
この表示器134とは別に、LED等の発光素子で構成される省電力モード表示器135及び優先モード表示器137が設置される(図3)。省電力モード表示器135は、省電力モード指令スイッチS4から省電力モード指令が入力されたとき、点灯して省電力モードを表示する。
【0028】
台所リモコン装置6は、マイクロコンピュータで構成された制御演算部142を備え、この制御演算部142には送受信回路144、入力回路146を介してスイッチ148、表示出力回路150を介して表示器152が連携されている。スイッチ148は、1又は2以上の制御スイッチ等で構成されており、具体的には、図3に示すように、運転スイッチS7、自動モードスイッチS8、温度上昇スイッチS9、温度下降スイッチS10を備えている。運転スイッチS7は給湯・追焚の運転開始及びその停止を指令するスイッチ、自動モードスイッチS8は給湯及び追焚の自動的開始及び停止を指令するためのスイッチ、温度上昇スイッチS9及び温度下降スイッチS10は設定温度の上昇又は下降を指令するスイッチである。
【0029】
表示器152は、背面照射を行うランプ154を備えた液晶表示器等の表示素子で構成され、制御演算部142の表示制御出力により表示出力回路150から出力される表示駆動出力で文字表示を行う。そして、表示器152には遮断回路156を介して電源回路158が接続されており、遮断回路156はスイッチで構成され、制御演算部142からの遮断制御出力により表示器152に対する電源回路158からの給電又はその遮断を行う。
【0030】
洗濯注湯リモコン装置8は、マイクロコンピュータで構成された制御演算部160を備え、この制御演算部160には送受信回路162、入力回路164を介してスイッチ166、表示出力回路168を介して表示器170が連携されている。スイッチ166は1又は2以上の制御スイッチ等で構成され、具体的には、図3に示すように、運転スイッチS11、自動モードスイッチS12、温度上昇スイッチS13、温度下降スイッチS14を備えている。運転スイッチS11は洗濯注湯の運転開始及びその停止を指令するスイッチ、自動モードスイッチS12は洗濯注湯の自動的開始及び停止を指令するためのスイッチ、温度上昇スイッチS13及び温度下降スイッチS14は設定温度の上昇又は下降を指令するスイッチである。
【0031】
表示器170は、LCD表示器やLED等の表示素子で構成され、制御演算部160の表示制御出力により表示出力回路168から出力される表示駆動出力で文字表示を行う。そして、表示器170には遮断回路172を介して電源回路174が接続されており、遮断回路172はスイッチで構成され、制御演算部160からの遮断制御出力により表示器170に対する電源回路174からの給電又はその遮断を行う。
【0032】
そして、浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6及び洗濯注湯リモコン装置8の前面パネルには、上部側に表示及びその下側にスイッチ126、148、166が設置されている。浴室リモコン装置4は、前面パネル180に前後に開閉する開閉パネル182が設けられており、この開閉パネル182の内側パネル面には図示しない複数の制御スイッチが設けられている。開閉パネル182の内側パネル面には、温度変更スイッチ、浴槽の水量(水位)の変更スイッチ、時計時刻合わせスイッチ、動作予約スイッチ等の各種設定スイッチの他、動作の優先を変更する優先切換スイッチが備えられている。例えば、給湯温度が優先された場合、優先モード表示器137が点灯する。
【0033】
次に、図4は、浴室リモコン装置4における表示器134、遮断回路138及び電源回路140の具体的な回路構成例を示している。
【0034】
直流入力端子181、183には信号線104が接続されており、この信号線104を通じて制御部102の電源回路114から一定の直流電圧Viが加えられている。直流入力端子183側は基準電位に接続、即ち、接地されている。この電源回路140には、電圧変圧手段としてトランス184が設置されており、一次コイルN1及び二次コイルN2、N3、N4を備えている。一次コイルN1には、スイッチング素子としてトランジスタ186が直列に接続され、トランジスタ186の連続的なスイッチングにより直流電圧Viが断続され、コイルN1にはその断続されたパルス電圧が加えられる。
【0035】
トランジスタ186のベース入力側には、トランジスタ186をスイッチングさせる手段として発振回路188が設置されている。この発振回路188は、直流電圧Viを起動電圧(駆動電圧)とし、トランス184の二次コイルN2を帰還回路に含んで、トランジスタ190、フォトカプラ192、ダイオード194、コンデンサ196、198及び抵抗200、202、204で構成されている。フォトカプラ192は出力側との遮断手段であって、発光ダイオード206及び受光トランジスタ208で構成され、発光ダイオード206は、負荷電流に応じた発光電流により発光し、その発光光量は負荷電流に比例したものとなる。受光トランジスタ208には、発光ダイオード206の発光を受け、発光光量に応じた受光電流が流れる。この受光電流は、トランジスタ190のベース帰還入力となり、トランジスタ190のスイッチング出力、即ち、導通期間が制御され、トランジスタ190のスイッチングにおける導通期間が制御される。即ち、負荷電流の増減に対応し、その増減を補償するように、トランジスタ186のスイッチングにおける導通期間幅が制御される。
【0036】
一次コイルN1に加えられるパルス電圧に応じて二次コイルN2には交流出力が得られ、その電圧値は一次コイルN1と二次コイルN2との巻数に比例したものとなり、この実施形態では昇圧が行われる。二次コイルN3にはダイオード210、212からなる半波整流回路214が設けられており、その整流出力はコンデンサ216、218によって平滑され、ダイオード210のカソード側、即ち、正の電源ライン220側には正の出力電圧VDDが得られ、ダイオード212のアノード側、即ち、負の電源ライン222には負の出力電圧が得られる。また、二次コイルN3、N4の各出力タップは共通に接続され、その共通ライン224は基準電位より低い負電位に設定されている。
【0037】
電源ライン220と共通ライン224には出力電圧VDDの電圧変動を検出する検出回路226が設置されている。即ち、電源ライン220と共通ライン224との間には、抵抗228を介してツェナーダイオード230が接続され、ツェナーダイオード230に基準電圧Vfを発生させている。この基準電圧Vfは比較手段であるトランジスタ232のエミッタ側に加えられ、トランジスタ232のベースには出力電圧VDDを抵抗234、236の分圧比で分圧して得た電圧Vnが加えられ、トランジスタ232には電圧Vnと基準電圧Vfとの比較に基づいて電流を引き込む。電源ライン220とトランジスタ232のコレクタとの間には、抵抗238を介してフォトカプラ192の発光ダイオード206が直列に接続されている。即ち、トランジスタ232が電圧Vnと基準電圧Vfとの比較に基づいて引き込む電流が発光ダイオード206の発光電流になっている。
【0038】
そして、表示器134として蛍光表示管240が設置されている。この実施形態における蛍光表示管240は、説明を容易にするため3桁表示とし、3個のアノードで示したが、実際には3桁以上の表示桁を備え、各桁の表示は8個のアノードが設置される。各アノード及びグリッドには、表示出力回路132の一部を成すスイッチSA1、SA2・・・、SG1、SG2・・・を以て電源電圧VDDが選択的に加えられる。各スイッチSA1、SA2・・・、SG1、SG2・・・は、トランジスタ等のスイッチング素子、リレー接点で構成される。即ち、各スイッチSA1、SA2・・・、SG1、SG2・・・は、個別に抵抗Rを介して電源ライン220、222間に接続されている。そして、発熱により熱電子を発生させるためのフィラメントと一体に構成されるカソード136には、遮断回路138を介して二次コイルN4から交流出力が加えられている。遮断回路138は、演算制御部120のスイッチング出力によって開閉されるリレー接点241、242で構成されている。
【0039】
このような構成によれば、制御演算部120により表示データ出力が出力されると、表示出力回路132を通してスイッチSG1、SG2・・・又はスイッチSA1、SA2・・・が選択的に開閉されることにより、蛍光表示管240にアノード電圧及びグリッド電圧が選択的に印加される結果、必要な表示が行われる。例えば、スイッチSA1、SG1が同時に閉じられると、スイッチSA1、SG1により選択されたアノード及びグリッドに正電圧が印加され、スイッチSG1によって選択されたグリッドに対応するアノードが発光して表示が行われる。
【0040】
そして、遮断回路138のリレー接点241、242が閉じている場合にカソード136が通電され、リレー接点241、242が開いている場合にはその通電が解除され、表示解除が行われる。この表示制御は、省電力モード指令スイッチS4の開閉に応じて行われる。
【0041】
なお、図4では浴室リモコン装置4における表示器134、遮断回路138及び電源回路140の具体的な回路構成例について示したが、台所リモコン装置6の表示器152及び遮断回路156、洗濯注湯リモコン装置8の表示器170及び遮断回路172も同様に構成することができる。
【0042】
次に、給湯、追焚に伴う表示動作について説明する。
【0043】
運転スイッチS3の操作で運転待機状態となっている場合、浴室リモコン装置4の表示器134には、給湯設定温度、動作状態、その他の制御情報が表示され、運転スイッチS3の操作で運転停止状態となっている場合、浴室リモコン装置4の表示器134に時刻等が表示される。この状態で、省電力モード指令スイッチS4が操作されると、その入力は送受信回路122から制御部102に伝達され、表示消灯の指令が浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6及び洗濯注湯リモコン装置8に出力され、表示器134、152、170の表示が消灯状態に移行する。
【0044】
ところで、このように表示が消灯状態に移行している場合(省電力モード時)、制御入力、例えば、自動モードスイッチS1が操作されると、そのスイッチ入力を検出した浴室リモコン装置4はスイッチ操作内容を視認できるように表示停止を所定時間だけ表示状態に復帰させ、表示を再開する。
【0045】
また、給湯スイッチS5や追焚モードスイッチS2が操作された場合、そのスイッチ入力の検出とともに制御命令を送信し、また、設定温度等の設定データの変更スイッチに関しては、給湯温度を高温に誤変更されるのを防止するため、所定時間内に新たなスイッチ入力を検出したとき、設定変更入力を受け付けて、新たに所定時間だけ表示を持続させる。この結果、スイッチ操作による設定データの誤変更を防止している。
【0046】
また、制御部102が発した給湯、追焚等の動作開始信号を受信した全ての表示手段、表示制御手段としての浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6及び洗濯注湯リモコン装置8の制御動作中の表示を行って、出湯温度情報等の告知を行う。
【0047】
また、動作開始信号に、制御部102から送信される給湯、追焚等の制御動作のフラグ情報や、フレームロッド等により検出された炎確認信号、水量センサや流水スイッチ等の水流情報を用いてもよい。
【0048】
また、表示停止中における設定温度の変更において、安全のため使用者に変更を告知する必要がある。例えば、台所リモコン装置6において設定温度を55℃以上の高温に変更したときには、浴室リモコン装置4等で音声にて告知させる。また、音声とともに所定時間表示を出力させて使用者に告知してもよい。また、他の遠隔制御装置に音声出力機能を持たせたり、表示を点灯させてもよい。
【0049】
次に、制御動作を図5に示す動作フローチャートを参照して説明する。
【0050】
ステップS1では、省電力モード指令スイッチS4が操作されて、給湯・追焚の表示停止命令が出されているかどうかを判定する。また、浴室リモコン装置4から表示停止命令が送信されてきたかどうかを判定する。表示停止命令があればステップS2に移行し、浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6及び洗濯注湯リモコン装置8の表示を停止する。また、表示停止命令がなければ、ステップS3に移行し、表示出力を継続させる。表示停止状態には、運転スイッチS3、S7、S11が操作されてスイッチ入力の検出の受付状態、即ち、運転準備状態にあるとき、省電力モード指令スイッチS4の入力がある場合に移行する。
【0051】
ステップS4では、ステップS1において省電力モード指令スイッチS4の入力があったときに、浴室リモコン装置4は送受信回路122より各遠隔制御装置に対して表示停止命令を送信する。受信した台所リモコン装置6及び洗濯注湯リモコン装置8は表示を停止する。
【0052】
ステップS5では、表示停止状態においてスイッチ入力が検出されたかどうかを判定する。スイッチ入力を検出した場合、ステップS6に移行し、スイッチ入力を検出していない場合にはステップS12に移行する。
【0053】
ステップS6では、スイッチ入力が設定温度スイッチ、予約時間スイッチ、水位変更スイッチ等の設定条件の変更スイッチか、又は自動モードスイッチS1、追焚モードスイッチS2、給湯スイッチS5、呼出しスイッチS6等の動作命令スイッチであるかどうかを判定する。動作命令スイッチが入力されていない場合、設定条件変更スイッチとしてステップS7に移行する。また、動作命令スイッチであればステップS9に移行する。
【0054】
ステップS7では、設定条件の変更スイッチの入力として、設定変更を確認できるように所定時間だけ表示を出力させる。ステップS8において、ステップS7の表示時間内に新たな設定条件変更スイッチの入力があれば、設定条件の変更を受け付けて制御部102及び浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6及び洗濯注湯リモコン装置8に送信し、かつスイッチ入力から設定変更を視認できる時間表示を出力する。
【0055】
ステップS9では、自動運転、追焚運転、給湯運転等の動作命令を制御部102、浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6及び洗濯注湯リモコン装置8に送信する。そして、動作命令の送信を確認するため、動作命令を送信した浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6又は洗濯注湯リモコン装置8のみが表示を所定時間出力する。
【0056】
ステップS10では、制御部102からの動作開始のフラグ、炎検出信号、水流検出信号等の動作開始信号を受信したかどうかを判定する。動作開始信号を受信した場合にはステップS11に移行し、受信していない場合にはステップS1、S2に移行して表示を停止させる。
【0057】
ステップS11では、給湯装置の燃焼動作等の動作開始信号を受信した全ての浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6又は洗濯注湯リモコン装置8が動作終了信号を受信するまで表示を出力する。そして、動作終了信号を受信してから所定時間後に表示を停止してもよい。
【0058】
ステップS5でスイッチ入力が検出されなかったときは、ステップS12において制御部102から動作開始信号が送信されてきたかどうかを判定する。これは動作命令が送信されて制御部102が燃焼制御等を開始したかどうかを判定するものである。また、運転準備状態において、浴室、台所等の蛇口を開き、この水流発生により給湯燃焼を開始したかどうかを判定する。給湯燃焼を開始した場合であれば、ステップS13に移行し、給湯装置の燃焼動作等の動作開始信号を受信した浴室リモコン装置4、台所リモコン装置6又は洗濯注湯リモコン装置8が、動作終了信号を受信するまで表示を出力する。給湯燃焼を開始してない場合には、ステップS1からの処理を再開する。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次の効果が得られる。
a 省電力モードを設定して表示動作を解除することにより消灯状態に制御するので、表示や表示制御による電力消費を低減できるとともに、CO2 の発生を抑制することができる。
b 省電力モードを表示する省電力モード表示素子を備えたので、省電力モードに移行していることを表示によって容易に知ることができる。
c 省電力モード時、制御指令スイッチが操作されたとき、その操作開始から表示素子を所定時間だけ動作状態とするので、表示素子の駆動時間を削減でき、省電力化を図ることができる。
d 省電力モード時、制御指令スイッチの操作に基づいて発せられる制御指令により、必要な制御動作が完了するまで表示素子を動作状態として動作表示を行うことができるので、動作上の無表示状態を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給湯機器の遠隔制御装置の実施例である給湯・追焚装置の全体構成を示す図である。
【図2】制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】制御部、浴室リモコン装置、台所リモコン装置及び洗濯注湯リモコン装置の構成を示すブロック図である。
【図4】電源回路及び表示器の構成を示す回路図である。
【図5】給湯・追焚装置における表示及びその解除を示す動作フローチャートである。
【符号の説明】
2 給湯・追焚ユニット(給湯機器)
4 浴室リモコン装置(遠隔制御手段)
6 台所リモコン装置(遠隔制御手段)
8 洗濯注湯リモコン装置(遠隔制御手段)
102 制御部(制御手段)
134、152、170 表示器
135 省電力モード表示素子
S4 省電力モード指令スイッチ(省電力スイッチ)
Claims (3)
- 燃料を燃焼させるバーナと、このバーナの燃焼熱により上水又は浴槽水を加熱する熱交換器と、前記上水の出湯時、又は前記浴槽水の追焚き時に前記バーナを燃焼させる制御手段とを備える給湯機器の遠隔制御装置であって、
前記給湯機器の運転及び制御内容を表示する表示器又は該表示器に併設されるランプと、
前記表示器の表示を解除し又は前記ランプを消灯させる省電力モードの実行を指令し、又は前記省電力モードの実行中にその解除を指令する省電力切替スイッチと、
前記給湯機器の前記制御手段に無線又は有線により接続されて前記給湯機器の制御に用いられ、前記省電力切替スイッチにより前記省電力モードを実行して前記表示器の表示を解除し又は前記ランプを消灯させ、前記省電力モードの実行中、前記省電力切替スイッチの前記指令により、又は前記給湯機器の前記制御手段から送出される、動作開始を表す動作開始フラグ、前記バーナの炎検出を表す炎検出信号、前記給湯機器の水流を表す水流検出信号の何れかの受信により、前記省電力モードを解除し、前記表示器の表示を復帰させ又は前記ランプを点灯させる遠隔制御手段と、
を備えることを特徴とする、給湯機器の遠隔制御装置。 - 前記遠隔制御手段に対する制御指令を入力する制御指令スイッチを備え、該制御指令スイッチの操作によって前記省電力モードを解除し、所定時間経過後、前記制御指令スイッチが操作されないとき、前記省電力モードに復帰させることを特徴とする請求項1記載の、給湯機器の遠隔制御装置。
- 前記遠隔制御手段の省電力モードへの移行後、前記表示の近傍で前記省電力モードを表す表示素子を備えることを特徴とする請求項1記載の、給湯機器の遠隔制御装置。
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- 2001-07-30 JP JP2001230252A patent/JP3825286B2/ja not_active Expired - Lifetime
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