以下、本発明の一実施形態を図1〜図5を参照して詳説する。図1は本実施形態の燃焼器具の全体的構成を示すブロック図である。同図示のように、本実施形態の燃焼器具は、給湯運転、風呂運転、暖房運転が可能な給湯暖房システムであり、本体回路ユニット1と、この本体回路ユニット1から動作用電源および制御指令を受けて動作する給湯暖房装置2と、複数(本実施形態では3個)の操作部としてのリモコン3,4,5とを備えている。本体回路ユニット1には、各リモコン3,4,5等の動作用電源を生成するスイッチング電源6と、給湯暖房システム全体の運転制御を行う制御装置7と、スイッチング電源6の動作制御を行なう電源制御手段としての電源制御回路8とを備えている。制御装置7は、マイクロコンピュータを含む電子回路で構成されたものであり、その動作用電源はスイッチング電源6から供給される。
なお、給湯暖房システムの給湯運転は、台所や浴室等の給湯栓(蛇口)に給湯する運転であり、風呂運転は浴槽の湯張り、追焚き、足し湯等を行う運転であり、暖房運転は部屋の暖房を行う運転である。
前記給湯暖房装置2の概略構成を図1を参照して説明すると、給湯暖房装置2は、台所や浴室等の給湯栓9および浴槽10に給湯する給湯路11と、浴槽10の湯水を循環させる風呂循環路12と、暖房や浴槽10の湯水の沸き上げ等を行うための温水を循環させながら流通させる温水路13とを具備している。給湯路11は、ガスバーナ14の燃焼熱により加熱される給湯用熱交換器15を経由して設けられ、該給湯用熱交換器15の下流側から、給湯栓9への給湯用の常用給湯路11aと浴槽10への給湯用の風呂用給湯路11bとに分流されている。そして、風呂用給湯路11bは、風呂循環路12に連接され、該風呂循環路12を介して浴槽10に給湯可能としている。また、風呂用給湯路11bには、それを開閉する電磁弁16が介装され、浴槽10への給湯(湯はり)は、この電磁弁16を開弁した状態で行われる。なお、ガスバーナ14へのガス供給路17には、ガス供給量を調整する比例弁18と、ガス供給路17を開閉する電磁弁19とが介装されている。また、ガスバーナ14への燃焼用空気を供給する燃焼ファン20が備えられている。
風呂循環路12は、後述する風呂用温水路24の温水により加熱される液−液型の風呂用熱交換器21を経由して設けられ、電動式の循環ポンプ22が介装されている。
温水路13は、主に暖房用の温水を循環させる暖房用温水路23と、風呂用熱交換器21に熱源としての温水を供給しつつ循環させる風呂用温水路24とを備えている。これらの温水路23,24の一部は共用されている。暖房用温水路23は、シスターン(タンク)25内に貯蔵された湯水を、ガスバーナ26の燃焼熱により加熱される暖房用熱交換器27と、温水式暖房機としての温風暖房機28とを順に経由させて循環させるように設けられ、その循環を行わせる電動式の循環ポンプ29が介装されている。また、暖房用温水路23における温風暖房機28の上流箇所には、温風暖房機28への温水の供給を遮断する電磁弁30が介装されている。風呂用温水路24は、前記シスターン25の湯水を、前記暖房用熱交換器27と風呂用熱交換器21とを順に経由して循環させるように設けられている。より詳しくは、風呂用温水路24は、暖房用熱交換器27の出口側と前記電磁弁30との間で、暖房用温水路23から分流され、さらに、風呂用熱交換器21を経由して前記シスターン25に戻るように設けられている。そして、風呂用温水路24の、暖房用温水路23からの分流箇所と風呂用熱交換器21との間の箇所には、風呂用温水路24を開閉する電磁弁31が設けられている。なお、温風暖房機28には、送風用の送風ファン28aが内蔵されている。また、ガスバーナ26へのガス供給路32には、ガス供給量を調整する比例弁33と、ガス供給路32を開閉する電磁弁34とが介装されている。さらに、ガスバーナ26への燃焼用空気を供給する燃焼ファン35が備えられている。
なお、給湯暖房装置2には、湯温センサ等の各種センサが備えられ、それらの検出信号が制御装置7に入力されるようになっている。
リモコン3,4,5は、それぞれ、制御装置7との通信を行うと共にスイッチング電源6から電源電圧を受けるために接続ケーブル40を介して本体回路ユニット1に接続されている。なお、本実施形態では、制御装置7と各リモコン3,4,5との間の通信データは、各リモコン3,4,5にスイッチング電源6から供給する電源電圧に重畳するようにしており、各接続ケーブル40は、電源供給線により構成されている。これらのリモコン3〜5のうち、リモコン3は主に給湯運転に係わる操作を行うためのものであり、例えば台所に設置されるものである。また、リモコン4は主に風呂運転に係わる操作を行うためのものであり、浴室に設置される。また、リモコン5は、主に暖房運転に係わる操作を行うためのものであり、例えば暖房を行う部屋に設置される。以下の説明では、リモコン3,4,5をそれぞれ給湯リモコン3、風呂リモコン4、暖房リモコン5と称する。
各リモコン3〜5には、それぞれ、運転スイッチ41(ON/OFFスイッチ)、表示器42、および複数の操作スイッチ43が備えられている。この場合、給湯リモコン3および風呂リモコン4のそれぞれの運転スイッチ41は、そのON操作によって給湯暖房システムを給湯運転および風呂運転が実行可能な状態(待機状態)とし、OFF操作によって、給湯運転および風呂運転を停止させる(給湯運転および風呂運転を実行不能とする)スイッチである。また、給湯リモコン3および風呂リモコン4のそれぞれの表示器42は、給湯運転および風呂運転に係わる種々の情報等を表示するものであり、例えば給湯運転時の給湯温度の設定値、風呂運転時の浴槽湯温の設定値、浴槽湯量の設定値、時刻(現在時刻、運転予約時刻)、給湯運転および風呂運転の運転状態等を表示する。また、給湯リモコン3および風呂リモコン4のそれぞれの操作スイッチ43は、給湯運転および風呂運転に係わる給湯暖房システムの動作の指示等を行うためのスイッチであり、給湯リモコン3の操作スイッチ43の操作によって、例えば、上記給湯温度の設定値の入力、自動風呂運転(浴槽10の湯はり、沸き上げを自動的に行う運転)の指示、表示器42の表示内容の切換え、時刻設定等が行われる。そして、風呂リモコン4においては、その操作スイッチ43の操作によって、浴槽湯温の設定値の入力、風呂運転における運転モード(自動風呂運転、湯はり運転、追焚き運転、足し湯運転等)の指示、表示器42の表示内容の切換え、時刻設定等が行われる。
なお、本実施形態では、給湯リモコン3によって、風呂運転の一部の運転(自動風呂運転)を指示できるようにしたが、給湯リモコン3では、給湯運転に関する操作のみを行えるようにし、風呂リモコン4では風呂運転に関する操作のみを行えるようにしてもよい。このことは、表示器42の表示についても同様である。
暖房リモコン5の運転スイッチ41は、そのON操作によって給湯暖房システムに暖房運転を実行させ、OFF操作によって、暖房運転を停止させるスイッチである。また、暖房リモコン5の表示器42は、暖房運転に係わる種々の情報等を表示するものであり、例えば暖房運転時の室温の設定値、時刻(現在時刻、運転予約時刻)、暖房運転の運転状態等を表示する。また、暖房リモコン5の操作スイッチ43は、暖房運転に係わる給湯暖房システムの動作の指示等を行うためのスイッチであり、該操作スイッチ43の操作によって、例えば、上記室温の設定値の入力、表示器42の表示内容の切換え、時刻設定等が行われる。
これらの各リモコン3〜5には、図2のブロック図で示すように、マイクロコンピュータ44(以下、マイコン44という)と、本体回路ユニット1の制御装置7との間で通信を行なうための通信回路45とを内蔵している。そして、マイコン44は、運転スイッチ41および操作スイッチ43の操作情報あるいは制御装置7から通信回路45を介して受信した通信データに応じて表示器42の表示内容を制御すると共に、運転スイッチ41および操作スイッチ43の操作に基づく、給湯暖房システムの動作の指令および設定値のデータを通信回路45を介して接続ケーブル40に送出する。また、各リモコン3〜5には、前記スイッチング電源6から接続ケーブル40を介して電源電圧が入力される定電圧発生回路(定電圧レギュレータ)46を内蔵しており、マイコン44がその制御処理を実行するための電源電圧(例えば5V)は該定電圧発生回路46から与えられる。なお、本実施形態では、前記したようにスイッチング電源6から各リモコン3〜5に供給する電源電圧に、制御装置7との通信データを重畳するようにしているので、通信回路45は、各リモコン3〜5から制御装置7への通信時には、その通信データを電源電圧に重畳して接続ケーブル40(電源供給線)に送出し、制御装置7から各リモコン3〜5への通信時には、その通信データを電源電圧から抽出してマイコン44に受け渡す。
ここで、上記構成を備えた給湯暖房システムの動作の概要を図1を参照して説明しておく。給湯暖房装置2による給湯運転は、次のように行われる。例えば、給湯栓9を開いて給湯路11の通水を開始すると、それが図示しない通水センサにより検知され、それに応じて制御装置7がガスバーナ14の燃焼運転を開始させる。この燃焼運転の開始は、前記電磁弁19を開弁させるとともに、燃焼ファン20の運転を開始し、その状態で図示しない点火器を作動させてガスバーナ14に点火することで行われる。そして、ガスバーナ14の燃焼量は、実際の給湯温度(図示しない温度センサによる検出温度)が給湯リモコン3による給湯温度の設定値になるように比例弁18を介して調整される。なお、給湯路11の通水を停止すると、ガスバーナ14の燃焼運転は停止される。
また、風呂運転に関しては、例えば風呂リモコン4の操作スイッチ43の操作により、湯はり運転を指示すると、それに応じて制御装置7が上記給湯運転と同様にガスバーナ14の燃焼運転を開始させると共に、風呂用給湯路11bの電磁弁16を開弁させる。これにより、浴槽10への給湯(湯はり)が行われる。このときのガスバーナ14の燃焼量は、上記給湯運転と同様に浴槽10への実際の給湯温度(図示しない温度センサによる検出温度)が給湯リモコン3又は風呂リモコン4による浴槽湯温の設定値になるように比例弁18を介して調整される。なお、浴槽10への給湯(湯はり)は浴槽10の実際の湯量(図示しないセンサによる検出値、あるいは算出値)が風呂リモコン4による浴槽湯量の設定値に達したときに停止される。また、風呂リモコン4の操作スイッチ43の操作により、例えば足し湯運転が指示された場合も、上記した湯はり運転と同様に、浴槽10への足し湯が行われる。
また、風呂リモコン4の操作スイッチ43の操作により、例えば追焚き運転が指示された場合には、それに応じて制御装置7がガスバーナ26の燃焼運転を開始させると共に、前記循環ポンプ22,29を動作させ、さらに、電磁弁31を開弁させる。これにより、シスターン25の湯水が暖房用熱交換器27を介して加熱されつつ、風呂用温水路24を通って循環すると同時に、浴槽10の湯水が、風呂循環路12を通って循環しつつ、風呂用熱交換器21にて風呂用温水路24を通る湯との熱交換によって加熱される。この場合、ガスバーナ26の燃焼運転は、前記給湯運転等におけるガスバーナ14の燃焼運転の開始と同様に、ガス供給路32の電磁弁34の開弁、燃焼ファン35の動作、および点火によって開始される。そして、燃焼開始後のガスバーナ26の燃焼量は、風呂用温水路24を流れる湯の実際の温度(図示しない温度センサによる検出温度)が所定の温度(例えば80℃)に維持されるように比例弁33を介して調整される。なお、浴槽10の湯水の加熱(追焚き)は、実際の浴槽湯温(図示しない温度センサによる検出温度)が風呂リモコン4による浴槽湯温の設定値にほぼ一致するようになった時点で停止される。
なお、上述した給湯運転および風呂運転は、給湯リモコン3又は風呂リモコン4の運転スイッチをON操作した状態で行われる。
また、暖房運転に関しては、暖房リモコン5の運転スイッチ41をON操作すると、それに応じて制御装置7が、ガスバーナ26の燃焼運転を開始させると共に、前記循環ポンプ29を動作させ、さらに、電磁弁30を開弁させると共に、温風暖房機28の送風ファン28aを動作させる。これにより、シスターン25の湯水が暖房用熱交換器27を介して加熱されつつ、暖房用温水路23を通って循環する。そして、温風暖房機28で、その温水熱により加熱された空気が送風ファン28aの動作により室内に送風される。この場合、ガスバーナ26の燃焼量は、前記した風呂運転の追焚き運転と同様に、暖房用温水路23を流れる実際の湯温度(図示しない温度センサによる検出温度)が所定温度(80℃)に維持されるように比例弁33を介して調整される。また、送風ファン28aの風量は、暖房リモコン5による室内温度の設定値(本実施形態では、高、中、低の3段階)に応じて調整される。なお、暖房運転は、暖房リモコン5の運転スイッチ41をOFF操作することで停止される。
前記スイッチング電源6および電源制御回路8を図3および図4を参照して説明する。図3はスイッチング電源6と電源制御回路8とを併せた回路構成を示しており、図4は電源制御回路8の要部の回路構成を示している。
まず、図3を参照してスイッチング電源6を説明すると、該スイッチング電源6は、本実施形態では、交流電源50(100V)から3種類の電圧レベルの直流電源電圧V1,V2,V3を基本電源電圧として生成するようにしており、それぞれの直流電源電圧V1,V2,V3を電源供給ライン63,64,65から供給可能としている。V1,V2,V3は、それぞれ例えば12V、24V、50Vである。ここで、本実施形態では、直流電源電圧V1(12V)は、給湯リモコン3、風呂リモコン4、制御装置7、並びに給湯暖房装置2の図示しない各種センサの標準電源と使用する電源電圧であり、直流電源電圧V2(24V)は、暖房リモコン5の標準電源として使用する電源電圧であり、直流電源電圧V3(50V)は、ガスバーナ14,26に係わる燃焼ファン20,35、比例弁18,33および電磁弁19,34の標準電源として使用する電源電圧である。なお、前記循環ポンプ22,29並びに電磁弁16,30,31の電源電圧は、交流電源50から、スイッチング電源6とは別の電源回路(図示しない)を介して供給される。但し、それらの電源電圧をスイッチング電源6から供給するようにしてもよい。また、温風暖房機28の送風ファン28aの電源電圧は、温風暖房機28に備えた電源から供給される。また、本実施形態では、暖房リモコン5の標準電源として、給湯リモコン3及び風呂リモコン4と異なる直流電源電圧V2(24V)を使用しているが、これは、スイッチング電源6から暖房リモコン5までの距離が長くなった場合における電源電圧の電圧降下の影響(通信不良の発生など)を補償したり、本実施形態の給湯暖房システムに専用的でない暖房リモコンを使用する場合に対応するためである。従って、スイッチング電源6から暖房リモコン5までの距離が、給湯リモコン3や風呂リモコン4と同程度である場合には、暖房リモコン5の標準電源として、給湯リモコン3および風呂リモコン4と同じ直流電源電圧V1(12V)を用いるようにしてもよい。
スイッチング電源6の具体的な回路構成を説明すると、該スイッチング電源6は、交流電源50の交流電圧を整流回路51aとコンデンサ51bとにより整流してなる電圧をスイッチングトランス52の一次コイル52aとスイッチングトランジスタ53との直列回路に付与するようにしている。スイッチングトランジスタ53のベースとエミッタとの間には、コンデンサ54と抵抗55とスイッチングトランス52との電磁誘導が可能なように設けられた補助コイル56とを直列接続してなる発振回路57が接続されており、この発振回路57の発振電圧がスイッチングトランジスタ53のベースに付与されることで、スイッチングトランジスタ53が所定周期でON/OFFし、スイッチングトランス52の一次コイル52aにパルス電圧が付与されるようになっている。なお、参照符号76を付したフォトトランジスタは電源制御回路8に係わるものであり、これについては後述する。
また、スイッチングトランス52の二次側には、前記各直流電源電圧V1〜V3にそれぞれ対応する誘起電圧を発生する3つの二次コイル52b,52c,52dが設けられている。そして、スイッチング電源6は、各二次コイル52b,52c,52dに発生する誘起電圧を、それぞれダイオード58およびコンデンサ59からなる平滑回路61,62,60により平滑化することで、各平滑回路61,62,60のダイオード58およびコンデンサ59の間の中点に導通する電源ライン63,64,65にそれぞれほぼ一定レベルの直流電源電圧V1〜V3を生成するようにしている。なお、各電源ライン63〜65にそれぞれ生成される直流電源電圧V1〜V3は、スイッチングトランジスタ53のON/OFFを連続的に行っている状態での電圧である。
電源制御回路8は、図3および図4に示す如く、電源ライン63から給湯リモコン3および風呂リモコン4に実際に供給される電源電圧と、電源ライン64から暖房リモコン5に実際に供給される電源電圧とを監視する電圧監視回路66と、この電圧監視回路66の出力を受けてスイッチング電源6の電圧生成動作を実行させたり、停止させる制御回路67とから構成されている。
電圧監視回路66は、図4に示す如く、電源ライン63,64のそれぞれの実際の電圧と、所定の閾値電圧とをそれぞれ比較する比較回路68,69と、これらの比較回路68,69の出力が入力されるOR回路70と、このOR回路70の出力および前記制御装置7のマイクロコンピュータ71(以下、マイコン71という)の制御出力が入力されるAND回路72とから構成されている。この場合、比較回路68は、電源ライン63の電圧が閾値電圧よりも高いときに、低レベル(Lレベル)の出力を発生し、電源ライン63の電圧が閾値電圧以下であるときに、高レベル(Hレベル)の出力を発生する。同様に、比較回路69は、電源ライン64の電圧が閾値電圧よりも高いときに、低レベル(Lレベル)の出力を発生し、電源ライン64の電圧が閾値電圧以下であるときに、高レベル(Hレベル)の出力を発生する。従って、電圧監視回路66の出力であるAND回路72の出力は、マイコン71からAND回路72に高レベルの制御出力が与えられた状態で、電源ライン63,64の両者の電圧が閾値電圧よりも高いときに、低レベルの出力となり、電源ライン63,64のいずれか一方の電圧が閾値電圧以下になると、高レベルの出力となる。この場合、電圧監視回路66の出力(AND回路72の出力)が高レベルであることはスイッチング電源6の電圧生成動作を停止することを意味し、低レベルであることはスイッチング電源6の電圧生成動作を実行させることを意味する。なお、マイコン71からAND回路72への制御出力が低レベルであるときには、電源ライン63,64の電圧によらずに、電圧監視回路66の出力は低レベルになる。また、上記閾値電圧は、電源ライン63の電圧から図示しない定電圧発生回路を介して生成される。また、制御装置7のマイコン71の電源電圧(5V)は、電源ライン63の電源電圧から定電圧発生回路71aを介して生成される。
ここで、前記閾値電圧は、各リモコン3〜5のマイコン44の演算処理動作、並びに、表示器42の表示動作に必要な電圧(5V)よりも高く、且つ、電源ライン63,64にスイッチング電源6がその連続的な動作により生成する直流電源電圧V1(12V)、V2(24V)よりも低い電圧に設定され、例えば10Vに設定されている。なお、この閾値電圧は、各リモコン3〜5の定電圧発生回路46と制御装置7のマイコン71に電源を供給する定電圧発生回路71aとが、それぞれマイコン44,71の動作用電圧(5V)を確実に発生できる電圧よりも若干高い電圧に設定されている。
制御回路67は、図3に示す如く、電源ライン63に接続された、フォトダイオード73、抵抗74およびスイッチングトランジスタ75の直列回路と、スイッチング電源6の一次側で、スイッチングトランジスタ53のエミッタ・ベース間に、前記発振回路57と並列に接続されたフォトトランジスタ76とから構成されている。フォトトランジスタ76とフォトダイオード73とは併せてフォトカプラーを構成するものであり、フォトダイオード73の通電・発光によって、フォトトランジスタ76のエミッタ・コレクタ間が導通するようになっている。そして、フォトダイオード73側のスイッチングトランジスタ75のベースに電圧監視回路66の出力が入力されるようになっている。従って、電圧監視回路66の出力が高レベルであるとき、スイッチングトランジスタ75がON状態となって、フォトダイオード73が電源ライン63から通電されて発光する。このとき、フォトトランジスタ76が導通状態(ON状態)となるため、スイッチング電源6のスイッチングトランジスタ53はOFF状態となって、スイッチングトランス52の一次コイル52aに電圧が付与されず、該スイッチングトランス52の二次側には、電圧が生成されないこととなる。その結果、スイッチング電源6の電圧生成動作が停止することとなる。また、電圧監視回路66の出力が低レベルであるとき、スイッチングトランジスタ75がOFF状態となって、フォトダイオード73は発光停止状態となる。このとき、フォトトランジスタ76は、OFF状態となるため、スイッチング電源6のスイッチングトランジスタ53が前述の通り発振回路57の出力により周期的にON/OFFし、これにより、前述の通りスイッチング電源6は、各電源ライン63〜65に直流電源電圧V1〜V3を生成する。
次に、各リモコン3〜5への電源供給に係わる本実施形態の作動を説明する。いずれかのリモコン3〜5の運転スイッチ41が継続的にON操作されている状態では、制御装置8のマイコン71は前記電圧監視回路66のAND回路72に低レベルの制御出力を与える。このときAND回路72の出力は継続的に低レベルとなっている。このため、前述したように、スイッチング電源6は、連続的に電源生成動作を実行している。従って、電源ライン63〜65にはそれぞれ前記直流電源電圧V1〜V3が継続的に生成されている。そして、直流電源電圧V1(12V)は、給湯リモコン3および風呂リモコン4、制御装置7、並びに給湯暖房装置2の図示しない各種センサにそれらの動作用電源として連続的に供給され、直流電源電圧V2(24V)は、暖房リモコン5にその動作用電源として連続的に供給される。さらに、直流電源電圧V3(50V)は、ガスバーナ14,26に係わる燃焼ファン20,35、比例弁18,33および電磁弁19,34に、それらの作動時の動作用電源として適宜供給される。なお、燃焼ファン20,35、比例弁18,33、電磁弁19,34は、本発明における電動機器に相当するものであり、これらの作動時には、スイッチング電源6の負荷電流が多くなるため、直流電源電圧V1〜V3は多少低下することがある。そのため、直流電源電圧V1〜V3は、各リモコン3〜5および上記電動機器を常に確実に動作させ得るように余裕をもたせた電圧値となっている。
次に、全てのリモコン3〜5の運転スイッチ41をOFF操作すると、給湯暖房システムは、運転停止状態となり、この状態では、電力消費を低減する省電力モードの処理が以下のように行われる。この省電力モードでは、制御装置7のマイコン71は、前記電圧監視回路66のAND回路72に高レベルの制御出力を連続的に与える。この時、給湯暖房システムの運転停止直後は、前記電源ライン63,64の電圧はいずれも前記閾値電圧よりも高いので、前述の通り、電圧監視回路66の出力が低レベルとなり、ひいては、スイッチング電源6の電圧生成動作が停止する(スイッチング電源6がOFFになる)。このため、例えば電源ライン63の電圧は、図5に例示する如く直流電源電圧V1から徐々に低下していく。そして、電源ライン63の電圧が前記閾値電圧まで低下すると、電圧監視回路66の出力が高レベルに転じるので、前述の通り、前記制御回路67のフォトダイオード73およびフォトトランジスタ76の協働作動によってスイッチング電源6の電圧生成動作が再開する(スイッチング電源6がONになる)。但し、フォトダイオード73およびフォトトランジスタ76の動作の遅れが多少あるので、電源ライン63の電圧が閾値電圧まで低下した時点から多少遅れてスイッチング電源6の電圧生成動作が開始される。このため、電源ライン63の電圧は閾値電圧よりも若干低い電圧まで低下する。なお、給湯暖房システムの運転停止後、電源ライン64,65の電圧も上記と同様に低下していくが、本実施形態では、電源ライン64,65の電圧は、電源ライン63よりも高いため、基本的には、電源ライン63の電圧が電源ライン64,65の電圧よりも早期に閾値電圧まで低下して、スイッチング電源6の電圧生成動作が開始される。
上記のようにスイッチング電源6の電圧生成動作が再開されると、電源ライン63,64の電圧は、それぞれ前記直流電源電圧V1,V2に向かって立ち上がり、再び、それらの両者の電圧が閾値電圧を越える状態になる。この場合、電源ライン63,64の両者の電圧が閾値電圧よりも高い状態となった時点(基本的には電源ライン63の電圧が閾値電圧よりも高い状態になった時点)で、電圧監視回路66の出力が再び低レベルとなり、ひいては、スイッチング電源6の電圧生成動作が停止する。なお、この場合も、フォトダイオード73およびフォトトランジスタ76の動作の遅れが多少あるので、図5に例示する如く、電源ライン63の電圧が閾値電圧よりも高い状態になった時点(この時点では電源ライン64の電圧は閾値電圧よりも高いものとする)から多少遅れて、スイッチング電源6の電圧生成動作が停止する。以降、上記したスイッチング電源6の電圧生成動作の停止、実行が繰り返される。すなわち、スイッチング電源6の電圧生成動作が間欠的に行なわれることとなる。その結果、電源ライン63の電圧は、図5に示す如く、ほぼ閾値電圧の近傍で上下しながら、該閾値電圧付近の電圧に維持されることとなる。なお、電源ライン64の電圧は、基本的には閾値電圧よりも高い電圧(但し、直流電源電圧V2(24V)よりは低い電圧)に維持されることとなる。
この場合、電源ライン63,64の電圧は、給湯暖房システムの運転中における各リモコン3〜5の標準電源電圧としての直流電源電圧V1又はV2よりも低いものの、マイコン44および表示器42の動作を支障なく行い得る電圧である。このため、各リモコン3〜5においては、表示器42による時刻表示や、表示器42の表示を行いつつ、給湯温度、浴槽湯温、室温の設定値の確認あるいはその設定値の入力を支障なく行うことができる。同時に、上記のようにスイッチング電源6の電圧生成動作が間欠的に行われることで、スイッチング電源6の電圧生成動作を連続的に行う給湯暖房システムの運転時よりもスイッチング電源6における電力消費を節減することができる。
従って、給湯暖房システムの運転停止中に、電力消費を低減しながら、各リモコン3〜5の表示器42の表示や、設定値の入力等を支障なく行うことができ、利便性を高めることができる。
次に、スイッチング電源6の間欠的な電圧生成動作の解除について説明する。本実施形態では、スイッチング電源6の間欠的な電圧生成動作の解除は、前記燃焼ファン20,35、比例弁18,33、電磁弁19,34などの電動機器にスイッチング電源6から電源を供給することが必要になった時に行う。
具体的には、上記のように給湯暖房システムの運転停止状態から、例えば給湯運転を行うために給湯リモコン3の運転スイッチ41をON操作したときには、その時点では、まだ、スイッチング電源6の間欠的な電圧生成動作は継続する。但し、ここでは、風呂運転、暖房運転も未だ行われていないものとする。そして、前記給湯栓9を開いて給湯路11の通水を開始し、それが図示しない通水センサを介して制御装置7が検知すると、それに応じて、該制御装置7のマイコン71が前記電圧監視回路66のAND回路72への制御出力を高レベルから低レベルに切換える。これにより、スイッチング電源6は連続的に電圧生成動作を実行するようになる。そして、この連続的な電圧生成動作によって、各リモコン3〜5はもちろん、給湯運転に必要な燃焼ファン20、電磁弁19および比例弁18等の電子機器に、その動作に必要な電源電圧を支障なくスイッチング電源6から供給することができる。
また、給湯暖房システムの運転停止状態から、給湯リモコン3又は風呂リモコン4の運転スイッチ41をON操作した後、例えば浴槽2の湯張りを行うために、給湯リモコン3又は風呂リモコン4の操作スイッチ43の操作によって、風呂運転に係る湯張り運転を指示すると、それに応じて、上記給湯運転の開始の場合と同様の制御装置7のマイコン71の処理によってスイッチング電源6の間欠的な電源生成動作(省電力モードの動作)が解除され、スイッチング電源6の連続的な電源生成動作が行なわれる。これにより、各リモコン3〜5はもちろん、湯はり運転に必要な(湯はり運転時のガスバーナ14の燃焼運転に必要な)燃焼ファン20、電磁弁19および比例弁18等の電動機器に、その動作に必要な電源電圧を支障なくスイッチング電源6から供給することができる。なお、この場合、給湯リモコン3又は風呂リモコン4の運転スイッチ41をON操作した時点では、未だ、スイッチング電源6の間欠的な電圧生成動作は継続する。
また、給湯暖房システムの運転停止状態から、暖房運転を行う場合には、暖房リモコン5の運転スイッチ41のON操作される。そして、このON操作に応じて、上記給湯運転の開始の場合と同様の制御装置7のマイコン71の処理によってスイッチング電源6の間欠的な電源生成動作(省電力モードの動作)が解除され、スイッチング電源6の連続的な電源生成動作が行なわれる。これにより、各リモコン3〜5はもちろん、暖房運転に必要なガスバーナ26に係わる燃焼ファン35、電磁弁34、比例弁33等の電動機器に、その動作に必要な電源電圧を支障なくスイッチング電源6から供給することができる。
以上のように、本実施形態では、前記燃焼ファン20,35、比例弁18,33、電磁弁19,34などの電動機器にスイッチング電源6から電源を供給することが必要になった時にスイッチング電源6の間欠的な電源生成動作を解除する。特に、給湯運転および風呂運転に関しては、給湯リモコン3又は風呂リモコン4の運転スイッチ41をON操作した時点では、まだ、スイッチング電源6の間欠的な電源生成動作を継続し、給湯運転又は風呂運転のための電動機器の実際の動作が必要になった時点で、その間欠的な電源生成動作を解除する。このため、スイッチング電源6の間欠的な電源生成動作を行う時間をできるだけ長くして、電力消費の節減効果を高めることができる。
なお、以上説明した実施形態では、給湯リモコン3又は風呂リモコン4の運転スイッチ41をON操作した時点では、スイッチング電源6の間欠的な電源生成動作を継続するようにしたが、いずれかのリモコン3〜5の運転スイッチ41がON操作された時点で、スイッチング電源6の間欠的な電源生成動作を解除するようにしてもよい。このようにした場合には、スイッチング電源6の間欠的な電源生成動作を解除するための制御処理が簡単になる。
また、以上説明した実施形態では、給湯暖房システムについて説明したが、暖房機能を備えない給湯器や、冷暖房システム等の燃焼器具についても本発明を適用できることはもちろんである。
2…給湯暖房装置(燃焼器具)、3,4,5…リモコン(操作部)、6…スイッチング電源、7…制御装置、8…電源制御回路(電源制御手段)、42…リモコンの表示器、18,19,20,33,34,35…電動機器。