JP3825229B2 - 石油燃焼器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子点火と言われる放電点火装置を有した石油ストーブ等の石油燃焼器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種のものに於いては、例えば特許番号第2947315号公報に開示されている如く、放電電極とこの放電電極の対極となる対極板とを、最上昇位置の燃芯上端に備えることで、放電点火を可能とするものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの従来のものでは、放電電極と対極板とが共に、芯案内筒の火皿部上で燃焼筒内で燃芯上端に接近して備えられ、しかも対極板は火皿部に下端が固定され上方に立設した形で備えられているので、放電が燃焼筒との間で行われ点火不良を招いたり、燃芯を下げて火力を絞った状態では、放電電極及び対極板が共に強力な火炎に晒されることとなり、短期間で焼損したり放電不良を引き起こすと言う問題点を有するものであった。
【0004】
又これを解決する為に、燃芯上端に凹部を設けて火皿部下方で点火することが考えられるが、この構成であると燃焼時火皿部からのヒートバックで凹部温度が上昇し、消火で燃芯を降下させても凹部の燃油の蒸発は継続し、凹部に長時間火が残り消火時間が長くなると言う新たな問題が発生するものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、この点に着目し上記欠点を解決する為、特にその構成を、芯案内内筒と芯案内外筒とから成る芯案内筒内に昇降自在の燃芯を備え、更に芯案内筒上端の火皿部上には燃焼筒を載置したものに於いて、前記燃芯上端には、最上昇の点火位置で火皿部より下方となるように凹部を形成し、更にこの凹部には燃芯と共に上下動する対極板の対極部を位置させ、該凹部と対向する芯案内外筒には窓部を設け、この窓部から放電電極を突出させ、更に燃芯最下降の消火位置で凹部と対向する芯案内外筒には通気孔を備え、更にこの通気孔は対極板に形成された板バネ部によって、通常燃焼時は閉塞され消火時には開放されるようにしたものである。
又対極板の板バネ部は、対極部より下方で下端を支点に外方側に折り曲げられて形成されたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
芯案内内筒2と芯案内外筒3から成る芯案内筒1内に昇降自在の燃芯4を備え、更にこの燃芯4上端で、点火位置の最上昇位置で火皿部5より下方となる位置まで凹部10を形成し、この凹部10に放電点火の対極となる対極板12を備え、更に凹部10と対向する芯案内外筒3には窓部16を形成し、ここに放電を行う放電電極19を備えたものである。
【0007】
更に燃芯4を降下させる消火時、最下降の消火位置で凹部10と対向する芯案内外筒3には通気孔21が形成され、ここから冷却空気が流入して凹部10の残火を吹き消すものであり、この通気孔21は燃焼時には対極板12の板バネ部22によって閉塞されるので、燃焼への悪影響は防止されるものである。
【0008】
従って、放電点火用の放電電極19と対極板12とは火皿部5より下方に位置し、常に燃焼部外であるから、点火不良を招いたり強力な火炎に晒されて短期間に焼損したり、放電不能となることがなく、長期に渡って良好な点火が得られるものである。
【0009】
又消火時凹部10に残る残火は、通気孔21からの冷却空気で消火されるので、凹部10を設けたことにより消火時間が長くなると言う不具合を確実に防止出来るものであり、更に通常燃焼時通気孔21は、対極板12の板バネ部22によって閉塞されているので、通常燃焼時に通気孔21は確実に密閉され空気が流入して燃焼に悪影響を与える心配がなく、しかも通気孔21閉塞用の特別な部品を使用することなく、対極板12を利用して行えるので、部品点数が少なく安価で済むものである。
【0010】
更に対極板12の板バネ部22は、対極部15より下方で下端を支点に外方側に折り曲げられて形成しているので、芯案内外筒3にバネ力に抗して押し込められることで、下端は芯案内外筒3側に作用すると共に、上端の対極部15側は燃芯4側に向かうので、更に放電点火がスムーズに行えるものである。
【0011】
【実施例】
次にこの発明に係る石油燃焼器具の放電式点火装置を図面に示された一実施例で説明する。
1は芯案内内筒2と芯案内外筒3から構成された芯案内筒で、内方には昇降自在の燃芯4を備え、更に上端の火皿部5には内筒6及び中筒7及び外筒8から成る複筒式の燃焼筒9の内筒6及び中筒7が載置されている。
【0012】
10は燃芯4上端に形成された凹部で、燃芯4の点火位置である最上昇位置でも火皿部5より低い位置となるように形成されており、この凹部10には芯止バンド11に一端を固定した対極板12の先端部が芯案内外筒3側から位置している。
【0013】
前記対極板12は、燃芯4外周に沿って全体にR状に形成され、下部には芯止バンド11に固定する為の引掛け片13と折り曲げ片14とを有し、上部には燃芯4外周方向から凹部10内に向かうように屈曲した対極部15が形成されている。
【0014】
16は燃芯4の点火位置である最上昇位置で、凹部10と対向する芯案内外筒3に形成された開口から成る窓部で、この窓部16を介して碍子部分17が固定金具18で固定された放電電極19が凹部10に対向して位置され、対極板12の対極部15とは凹部10の燃芯4上で接近している。
【0015】
20は芯案内外筒3の火皿部5外周に備えられたフランジ部で、燃焼筒9の外筒8下端との間には空気流通用の隙間を形成している。
【0016】
21は燃芯4の最下降の消火位置で凹部10と対向する芯案内外筒3に形成された4個の通気孔で、凹部10全体に冷却空気を流入させる為に、直径1.3mmの穴を各通気孔21を結ぶ線が四角形を形成するように配設している。
【0017】
22は対極板12の中央を下端を残して逆U字状に切り欠き、下端を支点に外方側にやや折り曲げてバネ性を与えた板バネ部で、燃芯4の火力調節範囲では、バネ性を利用して芯案内外筒3内面に密着して上下動し、通気孔21を閉塞し空気の流入を阻止すると共に、燃芯4の最下降の消火位置では通気孔21を開放状態として、冷却空気を凹部10に流入させて残火を吹き消すようにさせたものである。
【0018】
23は対極板12内面の燃芯4側に形成された4個の係止爪で、三角状に立ち上げられ燃芯4にくい込み対極板12を支持するものである。
【0019】
次にこの発明一実施例の作動について説明する。
今燃芯4を上昇させ点火位置である最上昇位置まで上昇させれば、凹部10は放電電極19が突出している窓部16に対極板12と共に位置することになる。
【0020】
そしてここで点火スイッチ(図示せず)を押圧して放電電極19に一定時間通電するようにすれば、該放電電極19から対極板12の対極部15に向かって放電が行われ、この放電で凹部10上端の燃芯4部分に火が付き、これが燃芯4上端全周に周り、点火が行われるものである。
【0021】
次に消火操作を行い燃芯4を降下させ、最下降の消火位置で燃芯4上端の火炎は消火され、又火皿部5からのヒートバックで残火が残る凹部10には、対極板12の板バネ部22の降下で開放された通気孔21からの冷却空気の流入で、凹部10の残火は瞬時に吹き消され、消火時間の短縮が計られるものである。
【0022】
しかも燃焼中通気孔21は、対極板12の板バネ部22で確実に閉塞されているので、通気孔21からの空気流入で異常燃焼が発生すると言うことがなく、常に安心して使用することが出来るものである。
【0023】
従って、点火部分が火皿部5より下方の芯案内筒1内であるので、燃焼筒9に誤って放電して点火不良を招く心配がなく、又常に強力な燃焼火炎中に放電電極19及び対極板12が晒されることがなく、長期間の使用でも焼損したり放電不良を引き起こすことがなく、常に確実で良好な点火を得ることが出来るものである。
【0024】
更に対極板12の板バネ部22は、対極部15より下方で下端を支点に外方側に折り曲げられて形成しているので、芯案内外筒3にバネ力に抗して押し込められることで、下端は芯案内外筒3側に作用すると共に、上端の対極部15側は燃芯4側に向かうので、更に放電点火がスムーズに行えるものである。
【0025】
又対極板12は芯止バンド11に固定されているので、固定が強固であり燃芯4に付いての移動が確実に行われ位置ずれすることなく、放電間隔を確実に保持することが出来るものである。
【0026】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、燃焼筒への誤放電による点火不良や、放電電極及び対極板が強力な燃焼火炎に晒されることがなく、焼損や放電不良を招くことがなく、長期間に渡って確実で良好な放電点火が行われるものであり、更に確実な消火と共に、消火時間の短縮が計られ、常に安心して使用することが出来るものであり、又対極板の板バネ部で燃焼時は通気孔を閉塞するので、閉塞用の特別な部品が不用で部品点数が少なく安価で済むと共に、確実な閉塞で異常燃焼を防止することが出来るものである。
【0027】
更に板バネ部は、対極部より下方で下端を支点に外方側に折り曲げられて形成しているので、芯案内外筒にバネ力に抗して押し込められることで、下端は芯案内外筒側に作用すると共に、上端の対極部側は燃芯側に向かうので、更に放電点火がスムーズに行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明一実施例を付した石油燃焼器具の燃焼時を示す要部断面図。
【図2】同消火時を示す要部断面図。
【図3】同要部の水平断面図。
【図4】同要部の正面図。
【図5】同燃芯の斜視図。
【図6】同対極板の正面図。
【図7】同対極板の側面図。
【符号の説明】
1 芯案内筒
2 芯案内内筒
3 芯案内外筒
4 燃芯
5 火皿部
9 燃焼筒
10 凹部
12 対極板
15 対極部
16 窓部
19 放電電極
21 通気孔
22 板バネ部
Claims (2)
- 芯案内内筒と芯案内外筒とから成る芯案内筒内に昇降自在の燃芯を備え、更に芯案内筒上端の火皿部上には燃焼筒を載置したものに於いて、前記燃芯上端には、最上昇の点火位置で火皿部より下方となるように凹部を形成し、更にこの凹部には燃芯と共に上下動する対極板の対極部を位置させ、該凹部と対向する芯案内外筒には窓部を設け、この窓部から放電電極を突出させ、更に燃芯最下降の消火位置で凹部と対向する芯案内外筒には通気孔を備え、更にこの通気孔は対極板に形成された板バネ部によって、通常燃焼時は閉塞され消火時には開放されるようにした事を特徴とする石油燃焼器具。
- 上記対極板の板バネ部は、対極部より下方の対極板中央を下端を残して逆U字状に切り欠き、この下端を支点に外方側にやや折り曲げて形成された事を特徴とする請求項1記載の石油燃焼器具。
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