JP3825141B2 - インダクタンス素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電場の印加で磁気モーメントを発生する電気磁気素子に関し、特に軟磁性材と圧電材を組み合わせることで、外部から印加した電圧で歪みを生じさせ、インダクタンスおよびインピーダンスを可変させることができる電気磁気効果を有するインダクタンス素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器を動作させる上で、インダクター、抵抗およびコンデンサーは不可欠な部品である。これらは、通常固定された定数を持つ部品として作られている。ごく一部に、定数可変のインダクター、抵抗およびコンデンサーが使われているが、それらは全て摺動可能な構造で構成されており、かなり大きな部品になっている。そのため、比較的大きな機器にのみ使用されている。
【0003】
近年、電子機器の小型・高性能化にともない、上記の電子部品も全て小型化が伸展している。特に、磁性材料やセラミックス材料と導電材料を一体化する技術が発達し、著しい小型化が可能になってきた。例として、積層印刷技術を使って、インダクターやコンデンサーは、その寸法を1mm×0.5mm×0.5mmもの超小型形状にまで達している。抵抗についても同様に小型化が著しい状況にある。
【0004】
これらの超小型部品は、パーソナルコンピュータ、携帯電話に代表される高性能な電子機器の小型化を可能にしている。それは、あらゆる電子部品の表面実装が可能になったことと相まって、部品の高密度実装を可能にしたことによる。
【0005】
高性能電子機器の大量生産には、素子の電気特性が均一で、ばらつきの小さいことが不可欠である。特に、近年になって高周波回路の普及にともない、更に特性ばらつきの小さな電子部品が要求されるようになってきている。これらの要求に対し、電磁気特性を修正できるトリマブルコンデンサー、特性を測定しながら所要の特性に合わせて製造できるトリマブルインダクターなどが製品化されている。
【0006】
しかし、トリマブルインダクターはその電磁気特性を高精度に作り込むことは出来るが、使用する場面において特性を自由に変えることはできない。
【0007】
一方、インダクタンスが可変である材料、つまり電気磁気効果を有する材料として、ボラサイトをはじめとして多くが見出されている。しかし、これらのなかで実用的に価値のある電気磁気感受率の高い材料は、10K以下の極低温の範囲に限られる。よって、実質的にインダクタンス可変の材料は得られていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、従来において、高精度電子回路に使用できる高精度なインダクタンス素子およびインピーダンス素子は、工業的には得られていない。高精度が要求される用途には、特性を選別することで対応しているのが現状であり、よって、コストも高いものになっている。
【0009】
そこで、本発明の技術的課題は、上記の状況を踏まえて、回路内に実装された状態で、必要に応じて任意にそのインダクタンスを制御できるデバイスとしてのインダクタンス素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、両面に夫々電極層が形成された圧電セラミックス基板と、一面に成膜された軟磁性膜をもち、前記軟磁性膜の両端に電極を形成し、外部接続端子とし、他面が前記圧電セラミックス基板の一面に接合された基板とを備え、前記電極層に電圧を印加することによって、当該圧電セラミック基板を湾曲させることでインダクタンスが変化する構成を有することを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
【0011】
また、本発明によれば、一面に導電性の軟磁性金属膜が成膜され、前記軟磁性膜の両端に電極を形成し、外部接続端子とし、他面に電極層を形成した圧電セラミック基板を備え、前記軟磁性金属膜と前記電極層との間に電圧を印加し、前記圧電セラミックス基板を湾曲させることでインダクタンスが変化する構成を有することを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
【0012】
また、本発明によれば、シリコン基板上に成膜された金属からなる電極層と、前記電極層上に成膜された圧電セラミックス膜と、前記圧電セラミックス膜の上に成膜された導電性の軟磁性膜とを備え、前記軟磁性膜の両端に電極を形成し、外部接続端子とし、前記圧電セラミックスの両面に位置する前記電極及び前記軟磁性膜間に電圧を印加することによって前記シリコン基板を湾曲させることでインダクタンスが変化する構成を有することを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
【0013】
また、本発明によれば、前記いずれか一つのインダクタンス素子において、前記電極層が、前記圧電セラミックス基板もしくは圧電セラミックス膜の一方向の面に設けられた交差指電極からなり、前記交差指電極を用いて分極および駆動を行うことによってインダクタンスが変化する構成を有することを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
【0014】
【0015】
また、本発明によれば、前記いずれか一つのインダクタンス素子において、前記軟磁性膜が、ミアンダーパターンの形状を有し、インピーダンスが変化する構成を有することを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
【0016】
また、本発明によれば、前記いずれか一つのインダクタンス素子において、前記軟磁性膜として、鉄系アモルファス膜を用いたことを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、前記いずれか一つのインダクタンス素子において、前記軟磁性膜は、第1の熱処理によって等方性の磁気的異方性を有することを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
【0018】
また、本発明によれば、前記インダクタンス素子において、前記軟磁性膜は、前記第1の熱処理に続く第2の熱処理によって、一方向に異方性を有することを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
【0019】
また、本発明によれば、前記いずれか一つのインダクタンス素子において、前記軟磁性膜の面内方向に直流磁界を印加して使用することを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1(a)及び図1(b)は本発明の一実施の形態によるインダクタンス素子の構成を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は断面図である。図1(a)及び図1(b)を参照して、本発明の一実施の形態によるインダクタンス素子10は、軟磁性膜としてアモルファス膜1を成膜したガラス基板2を、上下面にAg電極3、3を形成したPZT基板4に、ガラス基板2のアモルファス膜1を成膜していない面で接着剤5を用いて接合させた構造からなっている。
【0022】
PZT基板4の上下面に形成したAg電極3、3間に定電圧電源を接続し、電圧を印加することで、PZT基板2は、図2に模式的に示すように、上方向もしくは下方向に湾曲する。ガラス基板が接合されていない面を基準にとり0Vとすると、PZTに正の電圧を印加するとPZT基板は図2の下方向に湾曲し、逆に負の電圧を印加するとPZT基板は図2の上方向に湾曲する。その結果、ガラス基板2上に成膜されたアモルファス膜1の透磁率が、正の電圧が印加された場合に上昇し、負の電圧が印加された場合に低下する。すなわち、電圧の大きさによって、軟磁性膜の透磁率が増減するので可変インダクタンス素子となる。
【0023】
また、アモルファス膜1の長手方向の両端に外部接続電極6を形成し、外部電極6の両端に交流電圧を印加しながら外部接続電極6の間の抵抗を測定すると、透磁率の変化に対応してインピーダンスの変化が測定される。すなわち、可変インピーダンス素子となる。
【0024】
ここで、PZT基板2の上下面に形成したAg電極3、3は、平板状だけではなく、交差指状にしてもほとんど同等の分極特性が得られる。
【0025】
次に、本発明の実施の形態によるインダクタンス素子としての圧電セラミックスと軟磁性薄膜との複合素子における、透磁率μとインピーダンスの制御の原理を説明する。
【0026】
圧電セラミックス板の上下面に電極を形成し、その厚さ方向に電圧を印加する場合、圧電体から発生する長手方向の応力σは、下記数1式で与えられる。
【0027】
【数1】
Figure 0003825141
ここで、d31は圧電体の圧電定数、Vは印加電圧、tは圧電体の厚さ、Epは圧電体のヤング率である。この応力σp により素子全体にたわみが発生し、軟磁性膜が歪む。この歪量を次の数2式のように表すと、Marucusのモデル(M.Marcus,Feroelectrics,57(1980),203)から、軟磁性膜の透磁率μは、次の数3式で与えられる。
【0028】
【数2】
Figure 0003825141
【数3】
Figure 0003825141
ここで、MS,U,λS,Fは、それぞれ軟磁性膜の飽和磁化、一軸磁気異方性定数、飽和磁歪定数およびヤング率である。上記数3式から、圧電体で発生する応力σによって軟磁性膜が上記数2式のように歪み、それによって軟磁性膜の実効的な磁気異方性が変化し、結果として透磁率が変化することになる。
【0029】
上記数3式から、透磁率の変化は軟磁性膜の飽和磁歪定数のみならずヤング率の大きさにも左右されるため、その両者で決まる機械結合係数が大きい材料が要求される。
【0030】
【表1】
Figure 0003825141
【0031】
よって、鉄系アモルファスが最も高い磁気機械結合係数を有することが分かる。このことから、本発明で用いる軟磁性材料としては、鉄系アモルファス膜が適している。
【0032】
次に、インピーダンス制御について、説明する。軟磁性膜の電気抵抗率をρとすると、交流電圧を印加した場合の軟磁性膜の電気抵抗は、表皮効果で変化する。その表皮厚みをδとすると、角周波数ωの交流に対し、下記数4式で表される。
【0033】
【数4】
Figure 0003825141
このときの軟磁性膜のインピーダンスZは、次の数5式の関係を用いて、下記数6式で与えられる。
【0034】
【数5】
Figure 0003825141
【数6】
Figure 0003825141
よって、上記数6式から、透磁率の変化が軟磁性膜のインピーダンスの変化として現れることになる。
【0035】
このようにして、圧電体と軟磁性膜の複合構造の素子において、外部から電圧を印加することで、そのインダクタンスとインピーダンスを制御できるわけである。
【0036】
次に、本発明の実施の形態によるインダクタンス素子の具体例について説明する。
【0037】
(例1)
図1に示すように、外形寸法が長さ26mm、幅4mm、厚さ0.15mmのソフトガラスからなるガラス基板2上に、高周波マグネトロン・スパッタ装置を用いて、アモルファス膜1として原子%で70.2%Fe、7.8%Co、12%Si、10%Bの組成のアモルファス薄膜を成膜した。成膜条件は、アルゴンガス圧が25×10-3torr、出力が100W、ターゲットが原子%で72%Fe、14%Si、14%Bの合金とCoペレットを用い、基板面を水冷しながら作製した。膜の厚さは、0.5μmである。
【0038】
アモルファス膜1を成膜したガラス基板2を、そのままの状態で、その磁性膜のない面に光硬化接着剤を厚み8μm±1μmで塗布し、外形寸法が長さ26mm、幅4mm、厚さ0.3mmのPZT(トーキン製、NEPEC-21)基板4に接着した。このPZT基板4は、予め400Vの電圧を印加し、分極処理を施してある。
【0039】
PZT基板4の上下面の電極の図1の下の面を基準に取り、−200Vと+200Vの直流電圧を印加しながら、素子全体を8の字コイルに挿入し透磁率を測定した。
【0040】
その結果、−200V印加で透磁率が240、+200V印加で透磁率が21となった。これにより、±200Vの電圧差で透磁率を1140%変化させることができる。
【0041】
ここで、本発明の原理である、PZT基板4のたわみ量を光てこ法で測定し、磁性膜の歪み量に換算した。その結果を図3に示す。±200Vの電圧差で、アモルファス膜に最大で4×10−4の歪みが加わっている。これが、インダクタンス制御の駆動力になっている。
【0042】
(例2)
上記例1の条件で作製した、アモルファス膜1を350℃の炉内に入れ、かつ膜面内方向に500Oeの磁界を印加し、その状態で試料全体を面内で60rpmの回転速度で回転させることで、約1時間の間回転磁界中アニールを施した。この膜の異方性が等方性になったか否かを確認するため、試料の長手方向と幅方向の透磁率を測定した。その結果、両者ともに透磁率は1000であった。つまり、等方性の膜になっていることが確認できた。
【0043】
その後、例1と同様にPZT基板4に光硬化接着剤を用いて接着した。この様にして作製した試料について、PZT基板4の上下面に直流電圧を印加し、透磁率を測定した。その結果、−200V印加で透磁率が1600、+200V印加で透磁率が90となった。これにより、±200Vの電圧差で透磁率を1780%変化させることができた。
【0044】
(例3)
上記例1と同条件で作製したアモルファス膜1に、上記例2の条件で回転磁界中アニールを施し、次いで、膜の幅方向に直流磁界500Oeを印加しながら350℃で約1時間アニールを行った。その後、例1と同様にPZT基板4に光硬化接着剤を用いて接着した。この様にして作製した試料について、PZT基板4の上下面に直流電圧を印加し、試料の長手方向の透磁率を測定した。その結果、−200V印加で透磁率が2700、+200V印加で透磁率が150となった。これにより、±200Vの電圧差で透磁率を1800%変化させることができた。
【0045】
また、試料の幅方向の透磁率は、電圧印加しない状態で50であった。よって、この磁性膜は一軸異方性を持つ膜であることが分かる。
【0046】
(例4)
図4に示す、外形寸法が長さ26mm、幅4mm、厚さ0.3mmのPZT基板からなる圧電セラミック矩形板11の一面に幅が0.4mmで長さが18mmの交差指電極12を交互に組み合うように形成した。この交差指電極12は後述するように、分極および屈曲駆動用に使用した。次に、圧電セラミック矩形板11の交差指電極12を形成していない面に、上記例1で作製したソフトガラス上に成膜したアモルファス膜1を、そのアモルファス膜が成膜されていない面で、光硬化接着剤を使って接合した。次に、交差指電極12を使い、PZT基板を分極処理した。同様に、交差指電極12を使い、屈曲駆動しこの時の透磁率の変化を測定した。その結果、−200V印加で透磁率が2500、+200V印加で110であった。これにより、±200Vの電圧差で透磁率を2270%変化させることができた。
【0047】
(例5)
上記例1で作製したデバイスを、ソレノイドコイル内に挿入し、最大10Oeの直流磁界を印加しながら透磁率を測定した。この時の透磁率の印加電圧依存性を図5に示す。図5に示すように、外部直流磁界の強さが3Oeのとき、印加電圧が0V近傍で大きな透磁率の変化が得られた。よって、直流磁界をバイアスする構造にすることで、0V近傍で更に敏感に透磁率が変化する素子を得ることがてきる。
【0048】
(例6)
図6に示すように、外形寸法が長さ26mm、幅4mm、厚さ0.3mmのPZT基板(トーキン製、NEPEC-21)4の上下面にAuを0.2μmの厚みにスパッタして電極層13を形成し、次いでその上面に、高周波マグネトロン・スパッタ装置を用いて、原子%で70.2%Fe、7.8%Co、12%Si、10%Bの組成のアモルファス膜14を成膜した。成膜条件は、例1と同じである。この軟磁性膜であるアモルファス膜14の膜厚は0.5μmである。アモルファス膜14の成膜後、歪み取りのため、350℃で約1時間の間、例2と同じ条件で回転磁界中アニールを施し、次いで、例3と同じ条件で直流磁界中でアニールを施した。350℃のアニールで、PZT基板4の分極が消滅しているので、改めて300Vの電圧を印加して分極させた。
【0049】
この様にして、PZT基板4上に直に、軟磁性膜としてアモルファス膜14を成膜した素子を作製した。この素子に直流電圧を印加しながら透磁率を測定した。その結果、透磁率は、−200V印加で3950、+200V印加で190であった。これにより、±200Vの電圧差で透磁率を2080%変化させることができた。
【0050】
(例7)
図7に示すように、幅4mm、長さ26mmに切断した厚み0.5mmのSi基板21上に、約1μmの膜厚のSiO膜22を成膜し、そのSiO膜22の上に、Auを0.2μmの厚みでスパッタして電極層23を形成した。次にゾル・ゲル法を用いて、電極層23上にPZT薄膜24を成膜した。膜厚は、100μmであった。PZT膜24の上に、例1の同じ条件でスパッタを施し、例1と同様のアモルファス膜25を成膜した。膜厚は0.5μmであった。成膜後、例2及び3で述べたものと同じ条件で、回転磁界中アニールと直流磁界中アニールを施した。その後、PZT膜24に分極処理を施して素子とした。
【0051】
この素子に直流電圧を印加しながら透磁率を測定した。その結果、透磁率は、−200V印加で540、+200V印加で31であった。これにより、±200Vの電圧差で透磁率を1700%変化させることができた。
【0052】
(例8)
上記例3で作製した素子のアモルファス膜1をイオンミリングによるドライエッチングで、長さ10mm幅400μm厚さ2μmの2ターン・ミアンダーライン状に加工し、その両端部にリード線を接続し、ネットワークアナライザー(HP8752A)を用いてインピーダンスの測定を行った。その結果を図8に示す。図8に示すように、500MHzで最大14%のインピーダンス変化が得られた。
【0053】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のインダクタンス素子では、磁気機械結合係数の大きな軟磁性膜と圧電セラミック板を複合することで、従来は得られなかった大きな電気磁気素子を構成することができ、要求に応じて微細化も可能で、回路中に実装されて必要なインダクタンスに高精度に調整することができ、かつこの素子を複数個接続することで広帯域の磁気センサーやインダクターを構成することが可能な、機能的デバイスである。したがって、産業上きわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の一実施の形態によるインダクタンス素子の斜視図であり、
(b)は本発明の一実施の形態によるインダクタンス素子の断面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態によるインダクタンス素子の動作原理を説明する模式図である。
【図3】 本発明の例1おける印加電圧と歪み量の関係を示す図である。
【図4】 本発明の例2における圧電セラミックス裏面の交差指電極パターンを示す図である。
【図5】 本発明の例3における直流バイアス磁界強度と素子の透磁率の関係を示す図である。
【図6】 本発明の例6におけるインダクタンス素子の斜視図である。
【図7】 本発明の例7におけるインダクタンス素子の部分断面図である。
【図8】 本発明の例8ににおけるインダクタンス素子のインピーダンスの周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 アモルファス膜
2 ガラス基板
3 Ag電極
4 PZT基板
5 接着剤
6 外部接続電極
10 インダクタンス素子
11 圧電セラミック矩形板
12 交差指電極
13 電極層
14 アモルファス膜
20 インダクタンス素子
21 Si基板
22 SiO2
23 電極層
24 PZT薄膜
25 アモルファス膜

Claims (9)

  1. 両面に夫々電極層が形成された圧電セラミックス基板と、一面に成膜された軟磁性膜をもち、前記軟磁性膜の両端に電極を形成し、外部接続端子とし、他面が前記圧電セラミックス基板の一面に接合された基板とを備え、前記電極層に電圧を印加することによって、当該圧電セラミック基板を湾曲させることでインダクタンスが変化する構成を有することを特徴とするインダクタンス素子。
  2. 一面に導電性の軟磁性金属膜が成膜され、前記軟磁性膜の両端に電極を形成し、外部接続端子とし、他面に電極層を形成した圧電セラミック基板を備え、前記軟磁性金属膜と前記電極層との間に電圧を印加し、前記圧電セラミックス基板を湾曲させることでインダクタンスが変化する構成を有することを特徴とするインダクタンス素子。
  3. シリコン基板上に成膜された金属からなる電極層と、前記電極層上に成膜された圧電セラミックス膜と、前記圧電セラミックス膜の上に成膜された導電性の軟磁性膜とを備え、前記軟磁性膜の両端に電極を形成し、外部接続端子とし、前記圧電セラミックスの両面に位置する前記電極及び前記軟磁性膜間に電圧を印加することによって前記シリコン基板を湾曲させることでインダクタンスが変化する構成を有することを特徴とするインダクタンス素子。
  4. 請求項1乃至3の内のいずれか1項に記載のインダクタンス素子において、前記電極層が、前記圧電セラミックス基板もしくは圧電セラミックス膜の一方向の面に設けられた交差指電極からなり、前記交差指電極を用いて分極および駆動を行うことによってインダクタンスが変化する構成を有することを特徴とするインダクタンス素子。
  5. 請求項1乃至4の内のいずれか1項に記載インダクタンス素子において、前記軟磁性膜が、ミアンダーパターンの形状を有し、インピーダンスが変化する構成を有することを特徴とするインダクタンス素子。
  6. 請求項1乃至の内のいずれか1項に記載のインダクタンス素子において、前記軟磁性膜として、鉄系アモルファス膜を用いたことを特徴とするインダクタンス素子。
  7. 請求項1乃至の内のいずれか1項に記載のインダクタンス素子において、前記軟磁性膜は、第1の熱処理によって等方性の磁気的異方性を有することを特徴とするインダクタンス素子。
  8. 請求項7記載のインダクタンス素子において、前記軟磁性膜は、前記第1の熱処理に続く第2の熱処理によって、一方向に異方性を有することを特徴とするインダクタンス素子。
  9. 請求項1乃至の内のいずれか1項に記載のインダクタンス素子において、前記軟磁性膜の面内方向に直流磁界を印加して使用することを特徴とするインダクタンス素子。
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