JP3824773B2 - 模様付きゴム円筒の成形装置 - Google Patents
模様付きゴム円筒の成形装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3824773B2 JP3824773B2 JP10373298A JP10373298A JP3824773B2 JP 3824773 B2 JP3824773 B2 JP 3824773B2 JP 10373298 A JP10373298 A JP 10373298A JP 10373298 A JP10373298 A JP 10373298A JP 3824773 B2 JP3824773 B2 JP 3824773B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stitcher
- center
- mandrel
- molding mandrel
- molding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ゴム層の表面に凹凸模様を有するゴム円筒の成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴム層表面に凹凸模様を有するゴム円筒の成形方法として、円筒状のマンドレルを用いる方法が知られている。この方法では、マンドレルの表面に波形その他の任意の模様状にパターン溝を彫刻してなる成型マンドレルに未加硫のトレッドゴム(凹凸模様を成形するのに適した厚手のゴムシート)を巻付けた後、その上にリボン状クロスをらせん形に、かつ縁が重なるように巻付け、次いで直径10mm程度の綿ロープを強い張力で密に巻付けながら上記のトレッドゴムを絞り込んで上記のパターン溝に圧入し、しかるのち上記の綿ロープおよびリボン状クロスを解き、露出した上記トレッドゴムの表面に数種類の薄いゴムシートまたはプライコード(繊維で補強されたゴムシート)を巻付け、リボン状のラッピングクロスを縁が重なるように巻付けて上記のゴムシート相互を圧着する。そして、得られたゴム円筒は、マンドレルと共に加硫缶に搬入し、蒸気加熱で加硫し、しかるのちマンドレルから外し、表裏を反転して凹凸模様の側を表面に出して製品とされ、研磨その他の用途に供される。
【0003】
しかしながら、上記の成形方法は、成型マンドレルのパターン溝に対するトレッドゴムの圧入を綿ロープの巻付けで行うので、熟練と労力を必要とし、作業に長時間を必要として負担が大きく、しかも綿ロープの張力が不安定になって品質がばらつき、またラッピングクロスの巻付けでゴムシート相互を圧着するので、ゴムシート相互間に充分な接着力が得られない等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、成型マンドレルに従来と同様にしてトレッドゴムを巻付けた後、このトレッドゴムを機械力で成型マンドレルのパターン溝に圧入し、かつラッピングクロスを機械力で圧着し、もってトレッドゴムに成型マンドレルの凹凸模様を正確かつ迅速に転写し、従来必要とした熟練と労力をほとんど不要にして作業者の負担を軽減すると共に、品質のばらつきを小さくし、ゴムシート相互間に充分な接着力を確保し、生産量の増大を可能にするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る模様付きゴム円筒の成形装置は、水平軸に対して駆動により回転する円筒形の成型マンドレルと、この成型マンドレルに平行な軸の回りに回転することができ、かつ上記成型マンドレルに巻付けたゴムシートに流体圧で圧着されるセンターステッチャーローラおよび左右の端部ステッチャーローラとからなり、上記のセンターステッチャーローラが円筒形の外形に形成されて上記成型マンドレルの幅方向中央部に設置され、上記端部ステッチャーローラがコーン形の外形に形成され、その小径部を成型マンドレルの幅方向中央部に向け、上記センターステッチャーローラから成型マンドレルの周方向にずれた位置で成型マンドレルの幅方向中央部から両端に向かって反対向きに移動できるように設置されていることを特徴とする。
【0006】
この装置によれば、成型マンドレル上に従来と同様にトレッドゴムを巻付け、その上にリボン状クロスをらせん形に縁が重なるように巻付けた後、先ず成型マンドレルを一方向に回転しながら、センターステッチャーローラを油圧や空気圧等の流体圧で上昇させ、成型マンドレルの中央部に圧接することにより、トレッドゴムの中央部を成型マンドレルのパタンー溝に圧入する。次いで、左右の端部ステッチャーローラを中央部に寄せた状態で上昇させ、成型マンドレルの中央部に圧接し、かつ成型マンドレルの端部に向かって移動させると、トレッドゴムが中央部のパターン溝から端部のパターン溝に向かって順に圧入され、端部ステッチャーローラが成型マンドレルの端部に到達すると、全面のパターン溝に対して圧入が完了する。
【0007】
この場合、センターステッチャーローラおよび端部ステッチャーローラがそれぞれ一定の流体圧でトレッドゴムに圧接するので、パターン溝の深さが10mm程度のものであっても、流体圧を大きく設定することにより、トレッドゴムがパターン溝に均一に圧入され、パターン溝の形状に対応する正確な突条が成型される。なお、左右の端部ステッチャーローラが上記ゴムシートに圧着され、回転しながら左右に移動している間は、センターステッチャーローラも引き続き上記ゴムシートの中央部に圧着され、回転を続けることが好ましく、これによって端部ステッチャーローラが移動している際のトレッドゴム中央部の浮き上がりが防止され、一層正確な成型が可能になる。
【0008】
また、上記の端部ステッチャーローラは、その大径側端部に連続してこの端部径と等しい径の円筒部を備えていることが好ましく、この場合はトレッドゴムの表面に端部ステッチャーローラによってらせん状の筋が付けられるのが防止され、トレッドゴム表面が凹凸の無い平滑な円筒面に形成される。
【0009】
センターステッチャーローラおよび端部ステッチャーローラによるトレッドゴムの圧入が終わると、これらのステッチャーローラは最初の待機位置に戻され、リボン状クロスが解かれる。そして、上記トレッドゴムの表面に従来と同様に数種類の薄いゴムシートやプライコード(繊維で補強されたゴムシート)を巻付け、その上にリボン状のラッピングクロスをらせん状に、その縁が重なるように巻付け、しかるのち再びセンターステッチャーローラおよび端部ステッチャーローラを成型マンドレルに圧接してゴムシート相互の接触部で強く接着する。この場合も、センターステッチャーローラおよび端部ステッチャーローラを圧接するので、ゴムシート相互間に強い接着力が確保される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1において、10は円筒形の成型マンドレル、11はマンドレル軸である。このマンドレル軸11の左右には、複数個のボス12が固定され、このボス12に放射状の支持アーム12aを介して端部円筒13が固定され、この左右の端部円筒13間に上記の成型マンドレル10が取付けられ、この成型マンドレル10の内面が上記がマンドレル軸11にボス14を介して放射状に突設された補強アーム14aによって支持される。そして、上記の成型マンドレル10には、らせんN(図3参照)に沿って波形を描くように断面U字形のパターン溝10a(図4参照、溝幅3〜7mm、溝深さ5〜10mm)が彫刻されている。そして、上記のマンドレル軸11は、図1に示すように、左端がチャック15によってモータ駆動で回転する駆動軸16に接続され、右端が軸受けブラケット17により回転自在に支持されている。
【0011】
上記成型マンドレル10の下方にガイド軸21およびネジ軸22がガイド軸21を上にして上記のマンドレル軸11と平行に設けられる。上記のガイド軸21は、左右の端部支持具23および中央支持具24によって固定される。また、上記のネジ軸22は、左送りネジ22aと右送りネジ22bとからなり、上記の端部支持具23および中央支持具24によって回転自在に支持される。そして、このネジ軸22の左端は、巻掛け伝動手段25を介して減速機付きモータ26の出力軸26aに連結される。
【0012】
上記ガイド軸21の左側部分および右側部分にそれぞれスライドブッシュ31が嵌合され、左送りネジ22aおよび右送りネジ22bにそれぞれナット32が嵌合される。これらのスライドブッシュ31およびナット32は、上下方向のステッチャー用ブラケット33の下部に固定されてこのステッチャー用ブラケット33を鉛直に支持し、上記左送りネジ22aの回転に伴ってステッチャー用ブラケット33を左右に移動させる。そして、ステッチャー用ブラケット33の右側面には、第1エアシリンダ34がピストンロッド(図示されていない)を上向きにして固定され、このピストンロッドの上端に支持金具35を介して端部ステッチャーローラ36が取付けられる。この端部ステッチャーローラ36は、外形がコーン形状のもので、その大径側端部に該端部と等しい径の円筒部36aを一体に備え、上記の支持金具35の右方で大径側を右に向けて水平軸の回りに回転自在に支持され、上記第1エアシリンダ34の作動時に成型マンドレル10の直下で鉛直に昇降するようになっている。
【0013】
一方、上記ガイド軸21の右側部分にスライドブッシュ31が、また右送りネジ22bにナット32がそれぞれ前記同様に嵌合され、これらのスライドブッシュ31およびナット32に端部ステッチャー用ブラケット33、第1エアシリンダ34および支持金具35を介して端部ステッチャーローラ36が、向きを左右対称とする以外は上記左側部分と同様に取付けられる。
【0014】
上記左右の端部ステッチャーローラ36の中間後方にセンターステッチャーローラ37が設けられる。このセンターステッチャーローラ37の支軸37aは、左右両側に突出し、左右の軸受け箱38によって回転自在に支持される。そして、左右の軸受け箱38は、それぞれ下方に位置する第2エアシリンダ39のピストンロッド(図示されていない)の上端に固定されている。ただし、上記の第2エアシリンダ39は、中央支持具24の後方(紙背側)のフレーム(図示されていない)上に固定され、鉛直線に対して前方に傾斜し、そのピストンロッドの突出時にセンターステッチャーローラ37を端部ステッチャーローラ36の後方で成型マンドレル10に圧接させるようになっている(図2参照)。
【0015】
上記の構造において、センターステッチャーローラ37および左右の端部ステッチャーローラ36は、それぞれ成型マンドレル10の中央部下方で下に降ろされ、待機状態におかれる。そして、成型マンドレル10を回転しながら、その表面に、従来と同様にトレッドゴムが巻付けられ、その上にリボン状クロスがらせん形に、かつ縁が重なるように巻付けられる。しかるのち、上記の成型マンドレルを一方向に回転しながら、センターステッチャーローラ37を第2エアシリンダ(例えば、ボア径80mm、空気圧5 kgf/cm2 、出力312 kgf)39の駆動で上昇させ、成型マンドレル10上のトレッドゴムに圧接(例えば、押付け面圧2.1 kgf/mm)させると、このトレッドゴムの幅方向中央部が成型マンドレル10の中央部全周のパターン溝10aに隙間なく正確に圧入される。
【0016】
次いで、左右の端部ステッチャーローラ36を第1エアシリンダ(例えば、ボア径50mm、空気圧9 kgf/cm2 、出力177 kgf)34の駆動で上昇させ、上記センターステッチャーローラ37の前方でトレッドゴムに圧接(例えば、押付け面圧8.8 kgf/mm)させ、かつ減速機付きモータ26を駆動してネジ軸22を回転すると、左側の端部ステッチャーローラ36が中央から左方へ、右側の端部ステッチャーローラ36が中央から右方へそれぞれ送られ、トレッドゴムが成型マンドレル10の中央部から端部にまたがる全パターン溝10aに隙間なく正確に圧入される。そして、端部ステッチャーローラ36が成型マンドレル10の端部に到達し、全面のパターン溝10aに対するトレッドゴムの圧入が完了すると、センターステッチャーローラ37および左右の端部ステッチャーローラ36がそれぞれ下に降ろされ、端部ステッチャーローラ36は中央の待機位置に戻され、成型マンドレル10の回転が止められる。
【0017】
センターステッチャーローラ37および端部ステッチャーローラ36がそれぞれ最初の待機位置に戻ると、トレッドゴム上のリボン状クロスが解かれ、しかるのち上記トレッドゴムの表面に従来と同様に数種類の薄いゴムシートやプライコードが巻付けられ、続いてリボン状のラッピングクロスがらせん状に、縁が重なるように巻付けられる。そして、再び成型マンドレル10が回転され、センターステッチャーローラ37および端部ステッチャーローラ36が油圧で押し上げられ、ラッピングクロスを介して成型マンドレル10上のゴムシートに圧接され、左右の端部ステッチャーローラ36は中央部から端部に向かって送られ、これによってゴムシート相互の接触部が強く圧着され、接着によりトレッドゴムと一体化される。
【0018】
こうして、左右の端部ステッチャーローラ36が成型マンドレル10の両端に到達し、ゴムシートの圧着が完了すると、前記同様にセンターステッチャーローラ37および左右の端部ステッチャーローラ36がそれぞれ待機位置に戻され、成型マンドレル10の回転が止められる。そして、マンドレル軸11がチャック15から外され、成型マンドレル10がマンドレル軸11および表面のゴム円筒と共に加硫缶に運ばれ、蒸気加熱により加硫され、この加硫後のゴム円筒が成型マンドレル10から外され、反転して製品化される。
【0019】
【発明の効果】
この発明によれば、従来と同様に成型マンドレルにトレッドゴムを巻付けた後、このトレッドゴムを機械力により成型マンドレルのパターン溝に圧入することができ、かつ上記圧入後のトレッドゴム上に数種類のゴムシートやプライコードを介してラッピングクロスを巻付けた後、このラッピングクロス上から上記のゴムシートやプライコードを機械力で圧着することができるので、トレッドゴムに成型マンドレルの凹凸模様を正確かつ迅速に転写し、従来必要とした熟練と労力をほとんど不要にして作業者の負担を軽減することができ、かつ品質のばらつきを小さくし、更にゴムシート相互間に充分な接着力を確保し、生産量を大幅に増大することができる。特に、請求項2に記載の発明によれば、端部ステッチャーローラをトレッドゴムに圧接した際、端部ステッチャーローラの大径部でトレッドゴムに筋がつくのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の正面図である。
【図2】ステッチャーローラの配置を示す側面図である。
【図3】成型マンドレルの表面拡大図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【符号の説明】
10:成型マンドレル 10a:パターン溝
11:マンドレル軸 15:チャック
21:ガイド軸 22:ネジ軸
22a:左送りネジ 22b:右送りネジ
31:スライドブッシュ 32:ナット
33:ステッチャー用ブラケット 34:第1エアシリンダ
36:端部ステッチャーローラ 36a:円筒部
37:センターステッチャーローラ
38:軸受け箱 39:第2エアシリンダ
【産業上の利用分野】
この発明は、ゴム層の表面に凹凸模様を有するゴム円筒の成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴム層表面に凹凸模様を有するゴム円筒の成形方法として、円筒状のマンドレルを用いる方法が知られている。この方法では、マンドレルの表面に波形その他の任意の模様状にパターン溝を彫刻してなる成型マンドレルに未加硫のトレッドゴム(凹凸模様を成形するのに適した厚手のゴムシート)を巻付けた後、その上にリボン状クロスをらせん形に、かつ縁が重なるように巻付け、次いで直径10mm程度の綿ロープを強い張力で密に巻付けながら上記のトレッドゴムを絞り込んで上記のパターン溝に圧入し、しかるのち上記の綿ロープおよびリボン状クロスを解き、露出した上記トレッドゴムの表面に数種類の薄いゴムシートまたはプライコード(繊維で補強されたゴムシート)を巻付け、リボン状のラッピングクロスを縁が重なるように巻付けて上記のゴムシート相互を圧着する。そして、得られたゴム円筒は、マンドレルと共に加硫缶に搬入し、蒸気加熱で加硫し、しかるのちマンドレルから外し、表裏を反転して凹凸模様の側を表面に出して製品とされ、研磨その他の用途に供される。
【0003】
しかしながら、上記の成形方法は、成型マンドレルのパターン溝に対するトレッドゴムの圧入を綿ロープの巻付けで行うので、熟練と労力を必要とし、作業に長時間を必要として負担が大きく、しかも綿ロープの張力が不安定になって品質がばらつき、またラッピングクロスの巻付けでゴムシート相互を圧着するので、ゴムシート相互間に充分な接着力が得られない等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、成型マンドレルに従来と同様にしてトレッドゴムを巻付けた後、このトレッドゴムを機械力で成型マンドレルのパターン溝に圧入し、かつラッピングクロスを機械力で圧着し、もってトレッドゴムに成型マンドレルの凹凸模様を正確かつ迅速に転写し、従来必要とした熟練と労力をほとんど不要にして作業者の負担を軽減すると共に、品質のばらつきを小さくし、ゴムシート相互間に充分な接着力を確保し、生産量の増大を可能にするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る模様付きゴム円筒の成形装置は、水平軸に対して駆動により回転する円筒形の成型マンドレルと、この成型マンドレルに平行な軸の回りに回転することができ、かつ上記成型マンドレルに巻付けたゴムシートに流体圧で圧着されるセンターステッチャーローラおよび左右の端部ステッチャーローラとからなり、上記のセンターステッチャーローラが円筒形の外形に形成されて上記成型マンドレルの幅方向中央部に設置され、上記端部ステッチャーローラがコーン形の外形に形成され、その小径部を成型マンドレルの幅方向中央部に向け、上記センターステッチャーローラから成型マンドレルの周方向にずれた位置で成型マンドレルの幅方向中央部から両端に向かって反対向きに移動できるように設置されていることを特徴とする。
【0006】
この装置によれば、成型マンドレル上に従来と同様にトレッドゴムを巻付け、その上にリボン状クロスをらせん形に縁が重なるように巻付けた後、先ず成型マンドレルを一方向に回転しながら、センターステッチャーローラを油圧や空気圧等の流体圧で上昇させ、成型マンドレルの中央部に圧接することにより、トレッドゴムの中央部を成型マンドレルのパタンー溝に圧入する。次いで、左右の端部ステッチャーローラを中央部に寄せた状態で上昇させ、成型マンドレルの中央部に圧接し、かつ成型マンドレルの端部に向かって移動させると、トレッドゴムが中央部のパターン溝から端部のパターン溝に向かって順に圧入され、端部ステッチャーローラが成型マンドレルの端部に到達すると、全面のパターン溝に対して圧入が完了する。
【0007】
この場合、センターステッチャーローラおよび端部ステッチャーローラがそれぞれ一定の流体圧でトレッドゴムに圧接するので、パターン溝の深さが10mm程度のものであっても、流体圧を大きく設定することにより、トレッドゴムがパターン溝に均一に圧入され、パターン溝の形状に対応する正確な突条が成型される。なお、左右の端部ステッチャーローラが上記ゴムシートに圧着され、回転しながら左右に移動している間は、センターステッチャーローラも引き続き上記ゴムシートの中央部に圧着され、回転を続けることが好ましく、これによって端部ステッチャーローラが移動している際のトレッドゴム中央部の浮き上がりが防止され、一層正確な成型が可能になる。
【0008】
また、上記の端部ステッチャーローラは、その大径側端部に連続してこの端部径と等しい径の円筒部を備えていることが好ましく、この場合はトレッドゴムの表面に端部ステッチャーローラによってらせん状の筋が付けられるのが防止され、トレッドゴム表面が凹凸の無い平滑な円筒面に形成される。
【0009】
センターステッチャーローラおよび端部ステッチャーローラによるトレッドゴムの圧入が終わると、これらのステッチャーローラは最初の待機位置に戻され、リボン状クロスが解かれる。そして、上記トレッドゴムの表面に従来と同様に数種類の薄いゴムシートやプライコード(繊維で補強されたゴムシート)を巻付け、その上にリボン状のラッピングクロスをらせん状に、その縁が重なるように巻付け、しかるのち再びセンターステッチャーローラおよび端部ステッチャーローラを成型マンドレルに圧接してゴムシート相互の接触部で強く接着する。この場合も、センターステッチャーローラおよび端部ステッチャーローラを圧接するので、ゴムシート相互間に強い接着力が確保される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1において、10は円筒形の成型マンドレル、11はマンドレル軸である。このマンドレル軸11の左右には、複数個のボス12が固定され、このボス12に放射状の支持アーム12aを介して端部円筒13が固定され、この左右の端部円筒13間に上記の成型マンドレル10が取付けられ、この成型マンドレル10の内面が上記がマンドレル軸11にボス14を介して放射状に突設された補強アーム14aによって支持される。そして、上記の成型マンドレル10には、らせんN(図3参照)に沿って波形を描くように断面U字形のパターン溝10a(図4参照、溝幅3〜7mm、溝深さ5〜10mm)が彫刻されている。そして、上記のマンドレル軸11は、図1に示すように、左端がチャック15によってモータ駆動で回転する駆動軸16に接続され、右端が軸受けブラケット17により回転自在に支持されている。
【0011】
上記成型マンドレル10の下方にガイド軸21およびネジ軸22がガイド軸21を上にして上記のマンドレル軸11と平行に設けられる。上記のガイド軸21は、左右の端部支持具23および中央支持具24によって固定される。また、上記のネジ軸22は、左送りネジ22aと右送りネジ22bとからなり、上記の端部支持具23および中央支持具24によって回転自在に支持される。そして、このネジ軸22の左端は、巻掛け伝動手段25を介して減速機付きモータ26の出力軸26aに連結される。
【0012】
上記ガイド軸21の左側部分および右側部分にそれぞれスライドブッシュ31が嵌合され、左送りネジ22aおよび右送りネジ22bにそれぞれナット32が嵌合される。これらのスライドブッシュ31およびナット32は、上下方向のステッチャー用ブラケット33の下部に固定されてこのステッチャー用ブラケット33を鉛直に支持し、上記左送りネジ22aの回転に伴ってステッチャー用ブラケット33を左右に移動させる。そして、ステッチャー用ブラケット33の右側面には、第1エアシリンダ34がピストンロッド(図示されていない)を上向きにして固定され、このピストンロッドの上端に支持金具35を介して端部ステッチャーローラ36が取付けられる。この端部ステッチャーローラ36は、外形がコーン形状のもので、その大径側端部に該端部と等しい径の円筒部36aを一体に備え、上記の支持金具35の右方で大径側を右に向けて水平軸の回りに回転自在に支持され、上記第1エアシリンダ34の作動時に成型マンドレル10の直下で鉛直に昇降するようになっている。
【0013】
一方、上記ガイド軸21の右側部分にスライドブッシュ31が、また右送りネジ22bにナット32がそれぞれ前記同様に嵌合され、これらのスライドブッシュ31およびナット32に端部ステッチャー用ブラケット33、第1エアシリンダ34および支持金具35を介して端部ステッチャーローラ36が、向きを左右対称とする以外は上記左側部分と同様に取付けられる。
【0014】
上記左右の端部ステッチャーローラ36の中間後方にセンターステッチャーローラ37が設けられる。このセンターステッチャーローラ37の支軸37aは、左右両側に突出し、左右の軸受け箱38によって回転自在に支持される。そして、左右の軸受け箱38は、それぞれ下方に位置する第2エアシリンダ39のピストンロッド(図示されていない)の上端に固定されている。ただし、上記の第2エアシリンダ39は、中央支持具24の後方(紙背側)のフレーム(図示されていない)上に固定され、鉛直線に対して前方に傾斜し、そのピストンロッドの突出時にセンターステッチャーローラ37を端部ステッチャーローラ36の後方で成型マンドレル10に圧接させるようになっている(図2参照)。
【0015】
上記の構造において、センターステッチャーローラ37および左右の端部ステッチャーローラ36は、それぞれ成型マンドレル10の中央部下方で下に降ろされ、待機状態におかれる。そして、成型マンドレル10を回転しながら、その表面に、従来と同様にトレッドゴムが巻付けられ、その上にリボン状クロスがらせん形に、かつ縁が重なるように巻付けられる。しかるのち、上記の成型マンドレルを一方向に回転しながら、センターステッチャーローラ37を第2エアシリンダ(例えば、ボア径80mm、空気圧5 kgf/cm2 、出力312 kgf)39の駆動で上昇させ、成型マンドレル10上のトレッドゴムに圧接(例えば、押付け面圧2.1 kgf/mm)させると、このトレッドゴムの幅方向中央部が成型マンドレル10の中央部全周のパターン溝10aに隙間なく正確に圧入される。
【0016】
次いで、左右の端部ステッチャーローラ36を第1エアシリンダ(例えば、ボア径50mm、空気圧9 kgf/cm2 、出力177 kgf)34の駆動で上昇させ、上記センターステッチャーローラ37の前方でトレッドゴムに圧接(例えば、押付け面圧8.8 kgf/mm)させ、かつ減速機付きモータ26を駆動してネジ軸22を回転すると、左側の端部ステッチャーローラ36が中央から左方へ、右側の端部ステッチャーローラ36が中央から右方へそれぞれ送られ、トレッドゴムが成型マンドレル10の中央部から端部にまたがる全パターン溝10aに隙間なく正確に圧入される。そして、端部ステッチャーローラ36が成型マンドレル10の端部に到達し、全面のパターン溝10aに対するトレッドゴムの圧入が完了すると、センターステッチャーローラ37および左右の端部ステッチャーローラ36がそれぞれ下に降ろされ、端部ステッチャーローラ36は中央の待機位置に戻され、成型マンドレル10の回転が止められる。
【0017】
センターステッチャーローラ37および端部ステッチャーローラ36がそれぞれ最初の待機位置に戻ると、トレッドゴム上のリボン状クロスが解かれ、しかるのち上記トレッドゴムの表面に従来と同様に数種類の薄いゴムシートやプライコードが巻付けられ、続いてリボン状のラッピングクロスがらせん状に、縁が重なるように巻付けられる。そして、再び成型マンドレル10が回転され、センターステッチャーローラ37および端部ステッチャーローラ36が油圧で押し上げられ、ラッピングクロスを介して成型マンドレル10上のゴムシートに圧接され、左右の端部ステッチャーローラ36は中央部から端部に向かって送られ、これによってゴムシート相互の接触部が強く圧着され、接着によりトレッドゴムと一体化される。
【0018】
こうして、左右の端部ステッチャーローラ36が成型マンドレル10の両端に到達し、ゴムシートの圧着が完了すると、前記同様にセンターステッチャーローラ37および左右の端部ステッチャーローラ36がそれぞれ待機位置に戻され、成型マンドレル10の回転が止められる。そして、マンドレル軸11がチャック15から外され、成型マンドレル10がマンドレル軸11および表面のゴム円筒と共に加硫缶に運ばれ、蒸気加熱により加硫され、この加硫後のゴム円筒が成型マンドレル10から外され、反転して製品化される。
【0019】
【発明の効果】
この発明によれば、従来と同様に成型マンドレルにトレッドゴムを巻付けた後、このトレッドゴムを機械力により成型マンドレルのパターン溝に圧入することができ、かつ上記圧入後のトレッドゴム上に数種類のゴムシートやプライコードを介してラッピングクロスを巻付けた後、このラッピングクロス上から上記のゴムシートやプライコードを機械力で圧着することができるので、トレッドゴムに成型マンドレルの凹凸模様を正確かつ迅速に転写し、従来必要とした熟練と労力をほとんど不要にして作業者の負担を軽減することができ、かつ品質のばらつきを小さくし、更にゴムシート相互間に充分な接着力を確保し、生産量を大幅に増大することができる。特に、請求項2に記載の発明によれば、端部ステッチャーローラをトレッドゴムに圧接した際、端部ステッチャーローラの大径部でトレッドゴムに筋がつくのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の正面図である。
【図2】ステッチャーローラの配置を示す側面図である。
【図3】成型マンドレルの表面拡大図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【符号の説明】
10:成型マンドレル 10a:パターン溝
11:マンドレル軸 15:チャック
21:ガイド軸 22:ネジ軸
22a:左送りネジ 22b:右送りネジ
31:スライドブッシュ 32:ナット
33:ステッチャー用ブラケット 34:第1エアシリンダ
36:端部ステッチャーローラ 36a:円筒部
37:センターステッチャーローラ
38:軸受け箱 39:第2エアシリンダ
Claims (2)
- 水平軸に対して駆動により回転する円筒形の成型マンドレルと、この成型マンドレルに平行な軸の回りに回転することができ、かつ上記成型マンドレルに巻付けたゴムシートに流体圧で圧着されるセンターステッチャーローラおよび左右の端部ステッチャーローラとからなり、上記のセンターステッチャーローラが円筒形の外形に形成されて上記成型マンドレルの幅方向中央部に設置され、上記端部ステッチャーローラがコーン形の外形に形成され、その大径部を成型マンドレルの幅方向中央部に向け、上記センターステッチャーローラから成型マンドレルの周方向にずれた位置で成型マンドレルの幅方向中央部から両端に向かって反対向きに移動できるように設置されていることを特徴とする模様付きゴム円筒の成形装置。
- 端部ステッチャーローラの大径側端部に連続してこの端部径と等しい径の円筒部が設けられている請求項1に記載の模様付きゴム円筒の成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10373298A JP3824773B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 模様付きゴム円筒の成形装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10373298A JP3824773B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 模様付きゴム円筒の成形装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11277637A JPH11277637A (ja) | 1999-10-12 |
JP3824773B2 true JP3824773B2 (ja) | 2006-09-20 |
Family
ID=14361822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10373298A Expired - Fee Related JP3824773B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 模様付きゴム円筒の成形装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3824773B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109055936A (zh) * | 2018-10-12 | 2018-12-21 | 河南理工大学 | 一种胶体粒子掩膜制备装置 |
-
1998
- 1998-03-30 JP JP10373298A patent/JP3824773B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11277637A (ja) | 1999-10-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN106313638B (zh) | 一种烟花卷筒机 | |
US4465536A (en) | Method of and apparatus for feeding rubbery strip to tire-building drum | |
JP4537453B2 (ja) | カレンダーラインにおけるコードの整列方法及び装置 | |
KR100658966B1 (ko) | 공기주입 타이어용 보디 플라이재의 제조방법 및 제조장치 | |
KR840000210B1 (ko) | 타이어에 폭이 좁은 스트립 소재를 적용하기 위한 장치 | |
CN205326322U (zh) | 胎面自动缠绕机压滚系统 | |
US3418191A (en) | Apparatus for applying elastomeric material to a vehicle tire carcass | |
JP2002127270A (ja) | タイヤ用ベルト材の製造方法及び製造装置 | |
JP3361296B2 (ja) | コードプライの側縁部接合装置 | |
JP3824773B2 (ja) | 模様付きゴム円筒の成形装置 | |
JP4741072B2 (ja) | ギャップレス管状ブランケットを製造するための連続的な方法 | |
MX2010011039A (es) | Metodo y aparato para producir neumaticos verdes. | |
CN113928778B (zh) | 一种板材干板选片及放废装置及板材传输线 | |
CN115042263A (zh) | 一种输送带钢丝绳芯分离方法 | |
US2358935A (en) | Apparatus for applying treads | |
JPS605460B2 (ja) | ゴム引きコ−ドの裁断・接合方法およびコ−ド裁断機におけるゴム引きコ−ドの供給装置 | |
US2239453A (en) | Tire building apparatus | |
JP2004520193A (ja) | 空気タイヤを製造するための方法および装置 | |
JPH0137261B2 (ja) | ||
US3188254A (en) | Method and apparatus for making endless belt bodies | |
JPH02235721A (ja) | らせん管の製造方法及びその装置 | |
KR100258508B1 (ko) | 트래드 반제품 자동 공급장치 및 그의 공급방법 | |
CN220280838U (zh) | 一种防脱底复合地毯的加工装置 | |
CN214114361U (zh) | 一种高速复卷机的自动断纸装置 | |
US5055149A (en) | Method for centering and joining two belt components |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050209 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060616 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060627 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060628 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |