JP3824681B2 - 陽極接合装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は2枚のウエハを接合する技術に係り、特に半導体と他の板、例えばガラスなどと接合した電子素子(太陽電池、高耐圧トランジスタなど)あるいはマイクロメカニクス素子(極微小アクチュエータ、極微小加速度センサ、極微小ディスペンサなど)の製作に用いられるウエハの接合装置、接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来実用に供されている陽極接合装置例としては、センサズ アンド アクチュエータズA21-A23(1990)931-934 に記載されたものがある。
(M.Esashi at al,“Low-temperature Silicon-Silicon Bonding with Intermediate Low Melting Point Glas",Sensors and Actuators,A21-A23(1990)931-934) その概要を図2に示した。すなわち、図2において、チャンバ1内に支柱3に支えられたヒ−タ−を内蔵した共通電極2がある。この上にウエハA110およびウエハB120がある。個別電極41とこれを上下させるための加圧棒61と絶縁性断熱部材51がある。個別電極には電圧が印加されるが加圧棒には絶縁性断熱部材により電気的に分離された構造になっている。
【0003】
この例からわかるように、陽極接合とは、2つの被接合部材(ウエハA110およびウエハB120)とを対向させ、熱、圧力、電界を加えて接合するものである。接合処理時の接合界面では熱により可動イオンが動きやすくなり、圧力をかけることにより被接合部材が互いに密着し、ガスなどを排出しやすくする。また電界は、正負の可動イオンをそれぞれ分離し、正の可動イオンを負の電極側の接合部材の界面に集め、負の可動イオンを正の電極側の接合部材の界面に集め、それぞれ界面において化学的に結合させることにより接合を強固なものとするものである。
逆に熱、圧力、電界のかけ方が不十分だと、接合界面のガスが外に排出されなかったり、界面のゴミが押し潰されないままに残されるなどの結果として、界面に空隙(以下、ボイドという)や未接合部分が残るようなこととなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようなわけで、陽極接合にあたっては、接合ウエハの状況に応じて相応の熱、圧力、電界を加える必要がある。しかしながら従来の陽極接合では、熱(温度)の制御はされていたものの、圧力、電界のきめ細かな制御は不十分であった。すなわち、圧力は1つの電極に一定の圧力をかけるもので、中央部分と周辺とで荷重を変えることはできなかった。そのため、被接合部材への圧力は一定であって、場所による圧力制御はされていなかった。また、電界は従来では一定電圧を印加するだけで、電流の制御はなされていなかった。さらに複数の電極に対する電圧あるいは電流の制御はなされていなかった。
このため、ウエハの材質、形状等が種々の場合に対応してボイドの発生もないような良好な接合を確保するようなことは容易なことではなかった。
【0005】
本発明の目的は、ウエハを接合する際に生じやすいボイドあるいは部分的な未接合領域のない、良好な接合が容易となる陽極接合装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の陽極接合装置では、個別電極それぞれを単独に上下できる機構を設け、さらに個別に加重および電圧印加ができる構造とした。個別電極上下機構と個別電極との間に絶縁性断熱部材を挿入した。この絶縁性断熱部材は円柱の途中にくぼみを有する庇状の構造もしくは中空構造とした。
【0007】
電圧印加は個別電極それぞれに単独あるいは複数の自由な組合せで電圧印加ができ、さらに極性の選択をも可能な回路とした。また、電源は定電流定電圧電源とした。
【0008】
加重調節部材はドーナツ状の形状で、案内棒または円周状の案内板で容易に位置決めできるようにした。また、加重調節部材はウエハへの加重をストッパで容易に取り除くことができる。
【0009】
絶縁性断熱部材はセラミックスとして熱吸収および熱伝導を抑制した。共通電極または個別電極の電極表面にグラファイトを用いることにより一様な熱分布が得られる。
【0010】
個別電極を単独に上下できる機構のそれぞれに個別電極と絶縁性断熱部材と加圧棒と圧力調整器の構成を有するなかで、それぞれの接続点の少なくとも一つの接続点には緩衝部材を備え、または、個別電極が絶縁性断熱部材もしくは加圧棒に固定された懸垂器に吊るされた構造を備えることとした。
【0011】
発明に係る陽極接合装置を用いて陽極接合を行う場合には、2枚の被接合部材のウエハを洗浄後仮接合した後、該ウエハを加熱し、上記個別電極の一つに関わるストッパを取り除き、絶縁性断熱部材を介して個別電極を該ウエハに接触させ、該ウェハに対し個別電極による圧力を圧力調整器により調節して加圧し、さらに、該ウェハに接触した個別電極を選択し、定電流値および定電圧値を設定し、陽極接合するための給電方法を設定後、給電し、このようにして定電圧動作でかつ電流値が初期値より小さくしかも変化量が少なくなった時点で電圧印加を止める。
【0012】
あるいは、さらに加えて、上記個別電極とは異なる別の個別電極を単独もしくは他の個別電極とともに上記ウエハに圧力を加えるため該個別電極に関わるストッパを取り除き、圧力調整器により個別電極ごとに圧力を調節し、
該ウェハに接触した個別電極のうち、少なくとも一つの個別電極を選択し、定電流値および定電圧値を設定し、陽極接合するための給電方法を設定後給電し、
定電圧動作でかつ電流値が初期値より小さくしかも変化量が少なくなった時点で電圧印加を止め、さらに、
必要に応じ個別電極への印加電圧を正負取り替えて給電したうえで、電圧印加と加熱を止め、常温無電界状態にする。
【0013】
このような本発明に係る陽極接合装置を加速度センサのガラス基板とSiウエハの接合に適用すれば、良好な接合のセンサが得られ好ましい。
【0014】
【作用】
個別電極それぞれを単独に上下できる機構を設け、さらに個別に加重および電圧印加ができる構造としたことにより、部分的に加重を加えられるとともに単位面積当たりのウエハへの加重調整が可能となる。
上下機構と個別電極との間に絶縁性断熱部材を挿入し、この絶縁性断熱部材は庇を有した構造あるいは中空構造としたことにより、加熱されたウエハに個別電極が接した瞬間にウエハから奪われる熱量を少なくすることが可能になる。
【0015】
電圧印加は個別電極それぞれに単独あるいは複数の自由な組み合わせで電圧印加ができ、さらに極性の選択をも可能な回路としたことにより、接合ウエハの材料などの組合せの自由度が増す。
【0016】
電源を定電流定電圧電源としたことにより、過電流の制限が可能となり接合速度の制御ができる。また人体への漏電事故に対しても致死電流以下の条件で接合が可能となり、安全性が向上する。
【0017】
個別電極と絶縁性断熱部材と加圧棒と圧力調整器それぞれの接続点の少なくとも一つの接続点には緩衝部材を備え、また個別電極が絶縁性断熱部材もしくは加圧棒に固定された懸垂器に吊るされた構造を備えることとしたことにより、個別電極によるウエハへの加重圧力が均一になる。
【0018】
陽極接合方法において、定電流定電圧電源で定電流動作と定電圧動作を行った上で、電流値が初期値より小さくしかも変化量が少なくなった時点で電圧印加を止めることは、接合界面における反応が十分行われたことで、これにより良好な接合が得られることになる。
【0019】
以上の作用から本発明によれば、接合プロセス条件が極めて広く且つ制御性が良好で、ウエハを接合する際に生じやすいボイドあるいは部分的な未接合領域の無い、良好な接合が可能な陽極接合装置を実現できる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。
(実施例1)
図1は本発明の概要を示すものである。チャンバ1は単なる容器であっても良いし、あるいは真空チャンバであっても良い。ウエハの出し入れはチャンバの上面を蓋にした。しかし底面に蓋を下ろす構造、もしくはチャンバの側面にウエハ出し入れ口を設けても良い。このチャンバの中に加熱ヒ−タ−を埋め込んだ共通電極2を支柱3により支えた構造とした。個別電極41は円形で、個別電極42、43はド−ナツ状の形状である。個別電極41、42、43からは耐熱、高圧ケ−ブルで電圧印加のための電源81、極性切替器82、スイッチ83へ接続されている。ここでスイッチ83はそれぞれの個別電極に給電できるため、単独あるいは複数の電極へ給電できる。また極性切替器82により接合すべき2枚のウエハの上下関係は自由となる。個別電極の上には絶縁性断熱部材51、52、53を備えた。絶縁性断熱部材の形状は図3の50に示した断面および平面図の如くとした。この構造の特徴は円柱の途中がくびれ庇状にしたことである。このような形状にしたことで、電極は単に電圧を印加する薄いものとし、加熱したウエハに電極が接したときの電極による熱吸収を少なくすることができた。また加熱したウエハに電極が接したとき、庇は熱伝導を抑えることと、輻射熱を妨げ、ウエハの温度低下を防ぐ効果がある。さらに絶縁性断熱部材の材料はセラミックスとして熱吸収および熱伝導を抑えた。絶縁性断熱部材の上には加圧棒61、62、63を設置した。ここで絶縁性断熱部材と加圧棒は図4に示したような配置とした。すなわち加圧棒61、絶縁性断熱部材51は上部平面図では円形であり、中央に位置した。また加圧棒62、63、絶縁性断熱部材52、53も円形であるが、個別電極41を中心としてこれを同心円的に囲むド−ナツ状の個別電極42、43を均等に押し下げるために加圧棒61を中心点とした円周上に等間隔で4ヶづつ配置した。この数は本実施例の4ヶに限定されるものではないことは言うまでもない。加圧棒はチャンバ上面よりチャンバ外に出した。真空チャンバではチャンバと加圧棒との間にはOリング等による気密可動構造とした。加圧棒の上に圧力調整器71、72、73を配した。圧力調整器は案内棒91をガイドとして定まった位置に乗せることができる構造とした。また圧力調整器71、72、73はそれぞれ個別に必要な段数を積み上げることができる。従って個別電極を通じてウエハへ加える圧力は個別電極ごとに調節ができる。このような構造はウエハへの単位面積当たりの加重を調整することができるため接合条件を設定する上から特に有効である。また圧力調整器はストッパ101により上方に浮かしている。このストッパを適宜取り去ることでウエハへ加重が加えられるとともに個別電極をウエハに押しつけ電圧が印加できるようになる。ストッパとしては本実施例の挿入物の他、螺子あるいはピンなどによっても同様に操作することが可能である。電圧印加中にストッパ、圧力調整器などに素手で触れても個別電極とストッパ、圧力調整器との間には絶縁性断熱部材が有り感電の心配はない。また電源81は定電流定電圧電源としたことにより、たとえば電流の最大値を3mAに制限することで万一感電が生じた場合にも大事に至らないよう設定できるとともに、ウエハへ流れる電流が制限されるうちは電圧は抑えられるため、過電流が流れるような条件による接合は避けることができるため、極めて穏やかな接合が可能となった。以上の説明から明らかのように本発明による陽極接合装置では加圧力の調整、個別電極をウエハに接した際のウエハの温度低下を小さく抑えられること、電界を穏やかに個別に加えられること等接合条件をきめ細かに設定できるためウエハの材質、形状等が種々の場合でもボイドの発生はなく、ウエハ全面で完全な接合ができた。
【0021】
(実施例2)
実施例1と同様に陽極接合装置を組み立てた。ただし本実施例では圧力調整器72、73をド−ナツ型にした。このような形状にすることで圧力調整器71より加えられる圧力と同等の圧力を圧力調整器72、73からも加えることが容易になる。すなわちウエハへの単位面積当たりの加重は図1の圧力調整器71、72、73それぞれの断面の横方向寸法が近いものでは圧力調整器71、72、73の段数を揃えることでほぼ調整が可能である。これによりウエハ全面に比較的均一に加重を加えることができ、ボイドの発生もなく、ウエハ全面で完全な接合ができる良好な陽極接合装置を得た。
【0022】
(実施例3)
実施例1と同様に陽極接合装置を組み立てた。ただし本実施例では絶縁性断熱部材を図3の54のような構造とした。この絶縁性断熱部材では上部が中空であるため実施例1の場合よりさらにウエハからの絶縁性断熱部材による熱吸収を少なくすることができ、共通電極で設定した温度でウエハを短時間に接合できる良好な陽極接合装置を得た。
【0023】
(実施例4)
実施例3と同様に陽極接合装置を組み立てた。ただし本実施例では共通電極表面に薄いグラファイトを設置した。また絶縁性断熱部材を図3のような構造とした。グラファイトはウエハの温度分布を一様にすることができる。また中空円筒型の絶縁性断熱部材では熱吸収を少なくすることができ、接合条件を安定化することができた。したがってボイドの発生もなく、ウエハ全面で完全な接合ができる良好な陽極接合装置を得ることができた。
【0024】
(実施例5)
実施例1と同様に陽極接合装置を組み立てた。ただし本実施例では圧力調整器の底部に図5(B)に示すような縁付き圧力調整器を用いた。ここでは一番下の圧力調整器に縁を付けたが、積み上げる各圧力調整器に縁をそれぞれ付けても良いことは言うまでもない。このような構成にすることで圧力調整器は所定の位置に添え付けることができ、実施例1と同様にボイドの発生もなく、ウエハ全面で完全な接合ができる良好な陽極接合装置を得ることができた。
【0025】
(実施例6)
実施例1と同様に陽極接合装置を組み立てた。ただし本実施例では絶縁性断熱部材および加圧棒部分を図6(A)の如くとした。すなわち絶縁性断熱部材と加圧棒との間に緩衝部材140を備えた。この緩衝部材はたとえばゴム、スプリングなどからなり、圧力調整器による加重を個別電極全面に均一に加えることができるものである。このような構成にしたことにより、実施例1と同様にボイドの発生もなく、ウエハ全面で完全な接合ができる良好な陽極接合装置を得ることができた。なお、このような緩衝部材は個別電極/絶縁性断熱部材間あるいは絶縁性断熱部材/加圧棒間あるいは加圧棒/圧力調整器間に挿入しても同様な効果が得られた。
【0026】
(実施例7)
実施例1と同様に陽極接合装置を組み立てた。ただし本実施例では絶縁性断熱部材および加圧棒部分を図6(B)の構造とした。すなわち絶縁性断熱部材に懸垂器130を備え、個別電極を浮かせたときにはフリ−の状態で吊るせるような構造にした。このような構成にしたことにより、加重の片あたりが生じないため、ウエハには均一な圧力を加えることができ、実施例1と同様にボイドの発生もなく、ウエハ全面で完全な接合ができる良好な陽極接合装置を得ることができた。
【0027】
参考例1
本発明に係る陽極接合装置を用いた加速度センサの製作例を図7により説明する。同図(a)〜(d)はセンサの製作工程図を示したものであり、また同図(e)はセンサの平面図を示すものである。製作工程図は図(e)のA−A′での断面部分を示すものである。なお、センサはSiウエハ上に多数が形成できるが同図ではSiウエハの一部分を拡大して示した。
先ず図7(a)に、Siウエハに第1の加工を施した工程を示した。
Siウエハを通常の熱酸化によりSiウエハ前面に厚さ0.1μmのSi酸化膜を作り、Siを薄くする部分の酸化膜を通常のホトリソグラフィにより除去した後、さらにSiを例えばフレオンを用いたドライエッチングにより深さ10μm除去した。さらに引き続き酸化膜を除去し図7(a)を得た。
【0028】
次に、図7(b)に、Siウエハに第2の加工(梁形成)を施した工程を示した。
上記処理と同様にSiウエハ全面を厚さ0.1μmのSi酸化膜を作り、梁を作る部分の酸化膜を除去後、ハイドロオキシテトラメチルアンモニウム水溶液によりSiウエハを厚さ30μm残るように溶解除去し、さらにフッ酸、フッ化アンモン混合液により酸化膜を除去し図7(b)を得た。ハイドロオキシテトラメチルアンモニウム水溶液によればSiは溶解するが酸化膜は全く溶解せず、良好な加工ができた。ここでセンシング部分が薄い梁により支えられ中空に形成された。なお、Siが全く溶解処理されなかった図中の中央部分は中央固定部分、図中の周辺のSiが全く溶解処理されなかった部分が周辺固定部分となる。
【0029】
次に図7(c)にSiウエハとガラスとの第1の接合工程を示した。
ガラス基板(A)上に通常の真空蒸着法により厚さ0.5μmのアルミを形成後、ホトリソグラフィによって下部電極を形成し、この下部電極部分と先のSiセンシング部分とが空隙を介して対向するようにしてガラス基板にSiを接合して同図(c)を得た。この接合においては先の実施例1と同様にウエハ(A)110としてセンシング部分を有したSiウエハを、ウエハ(B)120には電極が形成されたガラス基板(A)として接合した。
【0030】
ここで接合の詳細なプロセスについて記す。
(1)Siウエハの洗浄:図7(b)に示した加工したSiウエハを希フッ酸水溶液で処理した後、純水で洗浄した。
(2)ガラス基板(A)の洗浄:下部電極を形成したガラス基板(A)をメチルアルコールによる超音波洗浄を行った後、イソプロピルアルコールの蒸気浴洗浄により洗浄および乾燥を行った。
(3)仮接合:洗浄したSiウエハを下にし、その上に洗浄したガラス基板(A)を重ねた。すなわち、図7(c)に示した状態とはウエハの上下が逆さまになるように重ねた。
(4)陽極接合−1
1:図1に示した陽極接合装置の共通電極2上に仮接合したSiウエハとガラス基板(A)を同図のようにセットした。
2:共通電極2に組み込まれているヒータに通電し共通電極を350℃にした。
3:個別電極41と圧力調整器71との間にあるストッパ101を取り除き個別電極41をガラス基板(A)に接するように下ろした。なお、圧力調整器は400g/cm2に設定した。ここで絶縁性断熱部材には図1に示したような二個所にくびれを有した庇状の断熱部材として、個別電極をガラス基板(A)に接したときのガラス基板(A)の温度低下を防いだ。
4:個別電極41につながる配線を選択するようにスイッチ83を入れた。さらに個別電極41に負の電圧が印加されるように極性切替器82を操作し、電源81の定電流定電圧電源から電圧を供給し陽極接合を始めた。
5:電圧供給方法は定電流設定は3mAにし、定電圧設定は1500Vにした。電圧を供給し始めてからの電流値と電圧値を図9に示した。同図からわかるように接合初期では電流は3mAが流れ定電流動作をするが、その後電流値は減少していく。電圧は初期では徐々に負電圧が大きくなるが、電流が3mA以下になる時点から電圧は−1500V一定となり定電圧動作をする。電流値が十分に小さくなり変化量も小さくなったことを確認してスイッチ83を切って第一の陽極接合を完了した。ここで、電流値を3mAに抑えたのは万一人体に通電しても大事に至らぬよう配慮したものである。
6:次に個別電極42と圧力調整器72との間にあるストッパ101を取り除き個別電極42をガラス基板(A)に接するように下ろした。なお、圧力調整器は400g/cm2に設定した。個別電極42の荷重は個別電極41に比べ面積が広いため荷重としては大きい。
7:定電流設定は3mA、定電圧設定は1500Vにしたままで、個別電極42に接続するようにスイッチ83を選択して入れた。以下先と同様にして陽極接合を行った。
8:さらに個別電極43についても同様に個別電極43を選択して陽極接合を行った。
9:次に仕上げとしてスイッチ83を全ての個別電極に接続するようにして、定電流設定は3mA、定電圧設定は1500Vにしたままで陽極接合をさらに進めた。
10:スイッチ83を切り、個別電極を順次上げストッパ101を全てに挿入し、共通電極2に組み込まれているヒータを切って、温度を室温にし、接合を完了した。
【0031】
以上説明した接合の詳細から理解されるように、個別電極のそれぞれの面積が異なっても個別電極ごとに圧力調整ができるため、ボイドの発生が少ない陽極接合が可能である。さらに複数の個別電極は自由な選択、あるいは組合せで荷重の印加、電圧の印加ができるため、接合の進行具合をみながら適宜荷重と電圧を加えることができ接合不良のない良好な陽極接合を行えた。
また、個別電極を被接合物に載せたときに被接合物(ガラス基板)の表面温度が下がるが、本参考例では個別電極から圧力調整器までの各部品に吸収される熱、すなわち熱伝導および輻射による熱の移動が少ないこと、および断熱部材の体積が小さいことから被接合物(ガラス基板)の表面温度は大きく下がることはなく、また直ぐに設定温度に調整されるため、接合工程も円滑に進行した。
【0032】
次に図7(d)にSiウエハとガラス基板との第2の接合工程を示した。
(5)陽極接合−2
ガラス基板(B)上に通常の真空蒸着法により厚さ0.5μmのアルミを形成後、ホトリソグラフィによって上部電極を形成し、この上部電極部分と先のガラスと接合したSiウエハのセンシング部分とが空隙を介して対向するようにしてガラス基板(B)にSiを接合して同図(d)を得た。この接合でも先の詳細な接合プロセスと同様にしたが、若干の違いは、電圧印加後にさらに極性切替器82により電圧を正負交互に何回か繰返し印加した。このような接合をすることでガラス基板(B)とSiウエハとを完全に接合することができた。
【0033】
(6)組立
このようにして同図(d)の断面構造、同図(e)の平面構造からなる加速度センサを得た。本加速度センサは実際にはガラス基板(A)、(B)それぞれから外部に引出電極を付け、容量測定により加速度を測定する。さらにはモールドするなどして使用するが、本参考例には深い関わりがないことから以下の使用方法などについては省くこととする。
【0034】
以上説明したように本参考例による陽極接合によって、良好な加速度センサを歩留まり良く製作することができた。
【0035】
参考例2
参考例では先の参考例1と同様にしてSiウエハに加工を施し加速度センサを作り込んだ。また、ガラス基板(A)、(B)それぞれも参考例1と同様にして接合した。但し本参考例で接合に使用したものは、絶縁性断熱部材および個別電極の構造が、図6に示したように、個別電極をワイヤ状の懸垂器でつるした構造のものである。このような懸垂器により個別電極はガラス基板に完全に面接触し、ガラス基板に設定通りの圧力が加えられかつ電界も十分に印加されるという効果がある。
参考例の加速度センサの平面構造を図8に示した。参考例1と異なる点は本参考例では図からわかるようにセンシング部分の場所が異なることである。このような構造の加速度センサでも本参考例による陽極接合によって良好なセンサを作ることができた。
この例からわかるように、平坦な接合面があれば本発明に係る陽極接合装置が有効に利用できる。したがって、参考例1および参考例2では上下電極に囲われた構造のセンシング部分からなる、容量センシング型センサであるが、平坦な接合面(中央固定部分、周辺固定部分)があれば同様に本発明に係る陽極接合装置は有効であるといえる。また中央固定部分と周辺固定部分との間の電気抵抗を測定しセンサとすることも可能である。すなわちガラス基板に電極がなく、Siに直接電極を形成し、梁が撓むことで動作する抵抗センシング型センサであってもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、ボイドが少なく且つウエハの全面領域にわたって良好な接合ができる陽極接合装置を実現するこるこができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要を示す装置断面図。
【図2】従来の装置概要を示す断面図。
【図3】本発明の装置の絶縁性断熱部材の断面図。
【図4】本発明の装置上面図。
【図5】本発明の装置の圧力調整器部分の断面図。
【図6】本発明の装置の個別電極に対する緩衝部材および懸垂器を示す断面図。
【図7】加速度センサの製作工程図と平面図。
【図8】加速度センサの製作工程図と平面図。
【図9】定電流定電圧電源の動作例図。
【符号の説明】
1…チャンバ 2…共通電極
3…支柱 41〜43…個別電極
44…電極支持板 51〜53…絶縁性断熱部材
61〜63…加圧棒 71〜73…圧力調整器
81…電源 82…極性切替器
83…スイッチ 91…案内棒
101…ストッパ 110…ウエハA
120…ウエハB 130…懸垂器
140…緩衝部材

Claims (10)

  1. 一つの共通電極と複数個の個別電極との間に2枚の被接合部材のウエハを重ねて設置し、ヒータを内蔵する共通電極によりウエハを加熱するとともに、個別電極側から加圧し、かつ上記電極間に電圧を印加し、上記ウエハを接合する陽極接合装置において、
    個別電極それぞれを単独に上下できる機構と、さらに個別電極を個別に加重および電圧印加する手段を備え、また上記上下機構と個別電極との間に絶縁性断熱部材を挿入し、該絶縁性断熱部材が、円柱の途中にくびれを有する庇状の構造もしくは中空構造を備えることを特徴とする陽極接合装置。
  2. 請求項1記載の陽極接合装置において、上記個別電極へ個別に電圧印加する手段は、極性の選択と個別電極の選択が可能な回路を介して定電流定電圧電源の電圧を印加するものであることを特徴とする陽極接合装置。
  3. 請求項1記載の陽極接合装置において、上記個別電極を個別に加重する手段は、個別電極対応に、複数の重調節部材からなる圧力調整器の重調整を行うものであることを特徴とする陽極接合装置。
  4. 請求項記載の陽極接合装置において、上記加重調節部材はドーナツ状の形状を有して、案内棒によりその中心の位置決めをされるものであることを特徴とする陽極接合装置。
  5. 請求項記載の陽極接合装置において、上記加重調節部材はドーナツ状の形状を有して、円周状の案内板により位置決めされるものであることを特徴とする陽極接合装置。
  6. 請求項から請求項の何れかに記載の陽極接合装置において、上記加重調節部材によるウエハへの加重を取り除くものとしてストッパを備えることを特徴とする陽極接合装置。
  7. 請求項1記載の陽極接合装置において、上記絶縁性断熱部材の材料がセラミックスであることを特徴とする陽極接合装置。
  8. 請求項1記載の陽極接合装置において、上記共通電極あるいは個別電極の少なくとも一つの電極表面はグラファイトからなる電極であることを特徴とする陽極接合装置。
  9. 請求項1記載の陽極接合装置において、個別電極を単独に上下できる機構のそれぞれに、個別電極と絶縁性断熱部材と加圧棒と圧力調整器との構成を有するなかで、それぞれの接続点の少なくとも一つの接続点に緩衝部材を備えることを特徴とする陽極接合装置。
  10. 請求項1記載の陽極接合装置において、個別電極を単独に上下できる機構のそれぞれに、個別電極と絶縁性断熱部材と加圧棒と圧力調整器との構成を有するなかで、個別電極が絶縁性断熱部材もしくは加圧棒に固定された懸垂器に吊るされた構造を備えることを特徴とする陽極接合装置
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