JP3824309B2 - 生化学検体の検出方法と検出チップ - Google Patents
生化学検体の検出方法と検出チップ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3824309B2 JP3824309B2 JP2001401646A JP2001401646A JP3824309B2 JP 3824309 B2 JP3824309 B2 JP 3824309B2 JP 2001401646 A JP2001401646 A JP 2001401646A JP 2001401646 A JP2001401646 A JP 2001401646A JP 3824309 B2 JP3824309 B2 JP 3824309B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- probe dna
- dna
- thin film
- gold
- noble metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、SPR(Surface Plasmon Resonance)分光法を用いた生化学検体の検出方法の改良に係り、SPR分光法の本来の利点を損なうことなくSPR応答を増幅して検出精度を高精度化でき、生化学検体の検出工程を再現性よく簡素化できる生化学検体の検出方法とその検出チップに関する。
【0002】
【従来の技術】
DNAチップの基本原理は、DNAが相補的な二重螺旋構造を形成することを利用するものである。A(アデニン)とT(チミン)、C(シトシン)とG(グアニン)が対をなすことから、例えば、AGGTTACのDNA配列を持つ遺伝子を検出するには、プローブとしてTCCAATGの配列を持つDNAを作成し、サンプリング検体遺伝子中に目的遺伝子が存在すると、DNAハイブリダイゼーションによって、プローブDNAの配列にAGGTTACの配列が結合して二重螺旋構造を取るため、これを検出することで目的DNAを容易に選別できることになる。
【0003】
二重螺旋構造のDNAを検出する方法として、検体DNA(サンプリング遺伝子DNA)に蛍光標識の修飾を施しておき、プローブDNAと前記のDNAハイブリダイゼーション操作を行い、二重螺旋構造を呈したDNA、すなわち蛍光シグナルを発する物を検出する、蛍光法が知られている。
【0004】
かかる蛍光法を用いたDNAハイブリダイゼーション検出には、蛍光標識の修飾操作が煩雑であること、蛍光色素の光消失が発生すること、未反応吸着物によるバックグラウンドノイズの上昇で検出精度が低下すること等の問題が指摘されている。
【0005】
そこで、検体DNAに蛍光色素の修飾を行わずに二重螺旋構造のDNAを検出する方法として、屈折率変化を検出するSPR分光法を用いた方法が提案されている。
【0006】
詳述すると、ガラス基板に金属薄膜を形成してこの薄膜上にプローブDNAを固定しておき、これとサンプリング遺伝子をハイブリダイゼーション操作させることにより二重螺旋構造のDNAを形成させ、基板裏面側からの金属薄膜への反射光強度の測定を行い、ハイブリダイゼーション前の金属薄膜の屈折率と二重螺旋構造のDNAを有する場合の屈折率との変化を測定する。すなわち、かかる共鳴角度の変化は、ハイブリダイゼーションした二重螺旋構造のDNAの量に対応するものであるから、反射光強度の測定で蛍光色素の修飾を行わずに二重螺旋構造のDNAを定量的に検出できることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
SPR分光法を用いた検出方法は、蛍光法に対して光退色が懸念される蛍光修飾の必要性がないこと、またシンプルな光学系で得られる感度が高く、感度低下を招くことなく検出部位のダウンサイジングが可能であるなどの種々の利点を有している。
【0008】
このSPR分光法において、前述したハイブリダイゼーション前後の金属薄膜の屈折率の変化を測定するが、基板裏面側からの金属薄膜への入射角度と反射率との関係として解析する際に、当該変化が僅かであるため、さらに高精度に検体DNAを検出するには、SPR応答の増幅を図るなどの改良を施す必要がある。
【0009】
この発明は、SPR分光法を用いた生化学検体、すなわち二重螺旋構造のDNAの検出方法において、SPR分光法の本来の利点を損なうことなくSPR応答を増幅可能として、検出精度を高精度化し、さらに当該生化学検体の検出工程を再現性よく簡素化でき、測定者に過度の技量を要求することがない、簡単な工程からなる生化学検体の検出方法とSPR分光法用の検出チップの提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、SPR応答の増幅を目的に種々検討した結果、基板の金属薄膜に金を用い、プローブDNAに貴金属コロイドを修飾することで末端に金微粒子修飾を行うと、検体DNAとのハイブリダイゼーション後に金微粒子と金薄膜間の光学的相互作用が変化することでSPR応答の増幅を実現できることを知見した。
【0011】
また、発明者らは、SPR応答の増幅、安定した検出チップの構成を目的にプローブDNAへの金微粒子修飾の有効性、最適化を検討した結果、金薄膜表面に対するプローブDNAの吸着固定量は、DNA塩基数(鎖長)によらずほぼ一定であること、金微粒子の修飾部位であるビオチンへの修飾に際してアビジンコート金微粒子の直径に最適値があり、またその修飾量はDNA塩基数に依存することを知見し、従って、金薄膜表面において、プローブDNA塩基数の違いによってプローブDNAの立体的構造が変化していることを知見した。
【0012】
そこで、発明者らは、プローブDNA鎖長の検討を行い、プローブDNAの塩基数の違いによるSPR応答、すなわち金微粒子修飾を行ったプローブDNAに対してハイブリダイゼーションを施し、その後のSPR角度のシフト量についての変化や挙動を検討したところ、塩基数10では金微粒子修飾量が少なく、塩基数30では修飾量が増大するが、いずれも該シフト量の増大効果が少ないこと、塩基数60では金微粒子修飾ができないことを知見した。
【0013】
さらに、発明者らは、プローブDNA鎖長の検討、特に塩基数60以上の長いプローブDNAにおけるSPR応答の増幅を目的に種々検討した結果、前述のごとく検出チップに吸着固定したプローブDNAに先に金微粒子修飾するのではなく、まず先にサンプルとのハイブリダイゼーションを施すと、検出チップの薄膜上でループ状となって配列していたプローブDNAが伸びて金微粒子修飾が可能となり、ハイブリダイゼーション後に金微粒子修飾を行う工程にて、長いプローブDNAにも修飾が可能となり、ハイブリダイゼーション後の2本鎖を形成したプローブDNAにのみ金微粒子修飾できることから、SPR角度のシフト量が増大して二重螺旋構造のDNAの検出精度を著しく高精度にすることが可能であることを知見した。
【0014】
すなわち、発明者らは、例えば塩基数が60以上のプローブDNAを配列した検出チップでは、先に金微粒子修飾を行う必要がなく、取扱いや準備工程が簡素化されること、又目的遺伝子がない場合にはハイブリダイゼーションも金微粒子修飾もされないことから目的DNAが存在しないことが明確であり、目的DNAが存在する場合にはハイブリダイゼーション後の金微粒子修飾によって、SPR応答の増幅を図ることが可能で、高精度の検出が実現できること、さらに金微粒子修飾に換えて高分子タンパク修飾も適用可能であることを知見し、この発明を完成した。
【0015】
この発明は、基板上の貴金属薄膜表面にプローブDNAを配列する工程、標識修飾が可能な部位が基板側に位置するようループ構造を形成している該薄膜表面に配列したプローブDNAに検体DNAをハイブリダイゼーションする工程、ハイブリダイゼーションの実行中又は実行後のプローブDNAに貴金属コロイド修飾する工程又は高分子タンパク修飾する工程、2本鎖を形成したプローブDNAをSPR分光法にて検出する工程を有することを特徴とする生化学検体の検出方法である。
【0016】
また、この発明は、表面に貴金属薄膜を成膜した基板からなり、該薄膜上に配列されたプローブDNAを有し、かつループ構造を形成して貴金属標識を修飾可能にした部位が薄膜側にあることを特徴とする生化学検体の検出チップである。
【0017】
さらに、発明者らは、上記構成の生化学検体の検出方法において、
プローブDNAの塩基数が60以上である検出方法、
貴金属薄膜が金であり、貴金属コロイドの粒子がアビジン修飾した金微粒子でかつ平均粒径が10nmである検出方法、
ハイブリダイゼーション時の温度を30〜40℃、貴金属コロイド修飾時の温度を20〜40℃に保持した検出方法、を併せて提案する。
【0018】
【発明の実施の形態】
SPR分光法は、貴金属薄膜表面おける屈折率変化を検出するもので、例えばガラス基板上に金薄膜を形成し、金薄膜上にプローブDNAを固定化し、プローブDNAが検体DNA中の目的DNAとのハイブリダイゼーションにより二本鎖を形成すると、金薄膜上の屈折率が変化するためにSPR角(反射率が最小となる入射角度)がシフトするが、SPR角のシフトはハイブリダイゼ一ションした目的DNAの量と対応するために、SPR測定によってDNAハイブリダイゼーションの定量的な解析が可能となる。
【0019】
この発明は、上記の2本鎖を形成したプローブDNAをSPR分光法にて検出する生化学検体の検出方法において、貴金属薄膜表面にプローブDNAを配列した際に、特に、ループ構造を形成して解放末端が薄膜側にあるような塩基数が60以上であるプローブDNAを用い、ハイブリダイゼーションの実行中又は実行後のプローブDNAに貴金属コロイド修飾することを特徴とする。
【0020】
この発明は、末端に貴金属コロイドへの接着部位を修飾したプローブDNAは、ループ(ヘアピン)構造を取る場合は貴金属コロイドが全く接着できないこと、このループ構造を取るプローブDNAは目的DNAとのハイブリダイゼーション反応によってDNA鎖が伸びた状態になることの2つの現象を呈することを利用するものである。
【0021】
発明者らは、末端に金コロイドの接着部位であるビオチンを修飾した塩基数60のプローブDNAを金薄膜上に固定化し、検体DNA(塩基数60)とのハイブリダイゼーション反応前後で、金コロイドがプローブDNA(DNA単分子膜)に接着するかどうかをSPR分光法を用いて検出した結果、ハイブリダイゼーション後の2本鎖を形成したプローブDNAにのみ金コロイドの接着が起こっていること、また、検体DNA(塩基数856)を用いて同様の実験を行った結果、同様に目的DNAとハイブリダイゼーションしたプローブDNAにのみ金コロイドの接着が起こっていることを知見し、これを利用することで、前述のSPR角のシフトを増幅でき、高精度の検出が可能になることを知見した。
【0022】
この発明において、基板には、ガラス基板、樹脂基板等のSPR分光法が実施可能な基板であればいずれの材質も採用できる。また、基板に貴金属薄膜を成膜するため、その表面粗度はできるだけ平坦なものが好ましい。洗浄、乾燥方法としては、実施例に示すごとく、半導体ウエーハや各種デバイスを製造する際に採用される、各種溶剤による洗浄、純水中の超音波洗浄、各種酸溶液による洗浄、ブロー乾燥、スピン乾燥など公知の基板の洗浄、乾燥方法を適宜選択、組合せて採用できる。
ガラス基板としては、公知のホウケイ酸ガラス等が利用でき、厚みは厚いほうが取り扱いやすいが、いずれの厚みのものも利用できる。
【0023】
この発明において、SPR分光法を実施するため、またプローブDNAの配列を容易にするため、基板上に金、白金、銀などの貴金属薄膜を設ける。また、成膜方法としては膜厚みを一定に制御するため、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD等の公知の気相成長による方法が好ましい。なお、基板と薄膜との密着性を向上させるために下地層を適宜成膜することができる。例えば、ガラス基板、石英基板にCr層を設けたり、シラン化合物によって表面改質するなどの手段を採用できる。
また、SPR分光法において、前述のSPR角のシフトを良好に観察するためには、ガラス基板に金薄膜を設ける条件では、膜厚みは60nm以下、さらには45〜55nmが好ましい。
【0024】
この発明において、基板上の貴金属薄膜表面にプローブDNAを配列する工程は、特に限定されるものでなく、公知のいずれの方法も採用でき、例えば薄膜上を酸や純水で洗浄後、プローブDNAと緩衝液を用いて飽和水蒸気雰囲気中で配列させることができる。
また、緩衝液としては、例えばKH2PO4とK2HPO4を配合して所要pHにした溶液が採用できる。他には、PSBや、NaClとTris−HCl、NaClとTris−HClとEDTAを用いるなど、所要pHにするため公知の薬液を選定配合した溶液等も採用できる。
【0025】
この発明において、プローブDNAは、その末端を一方は貴金属薄膜に固定し、他方端は貴金属コロイド修飾するために、各々の前記末端を前記基板の貴金属薄膜表面あるいは前記貴金属標識と接合可能な物質で修飾しておくことが望ましく、例えば、実施例に示すごとく、貴金属薄膜側をチオール基、他方をビオチン修飾することができる。
【0026】
この発明において、該貴金属薄膜表面に配列したプローブDNAに検体DNAをハイブリダイゼーションする工程は、特に限定されるものでなく、公知のいずれの方法も採用でき、例えば基板の洗浄後に検体DNAと緩衝溶液を用いてハイブリダイゼーションさせることができる。
緩衝溶液としては、例えばNaClとTris−HClを配合して所要pHに保持した溶液が採用できる。
また、ガラス基板に金薄膜を設ける場合では、ハイブリダイゼーション時の温度を30〜40℃に保持することが好ましい。
【0027】
この発明において、ハイブリダイゼーションの実行中又は実行後のプローブDNAに貴金属コロイド修飾する工程は、粒径が5〜200nm程度の範囲の金や白金、銀等の貴金属微粒子をコロイダル化して用いる。溶液組成は用いる貴金属種とその粒径や量等に応じて適宜選定するとよい。
また、貴金属コロイド修飾時の温度は、特に限定しないが、ガラス基板に金薄膜を設けて後述の金コロイド修飾する条件では、20〜40℃に保持することが好ましい。
【0028】
貴金属コロイド粒子として、金微粒子を用いた場合、金微粒子にアビジン修飾して、ビオチン修飾したプローブDNAの末端に標識可能にしておくことができ、実施例に示すごとく、この金微粒子には平均粒径が10nm程度のものが好ましい。
【0029】
この発明において、ハイブリダイゼーションの実行中又は実行後のプローブDNAに高分子タンパク修飾する工程は、前述のプローブDNAの末端の処理方法に準ずるもので、例えば、高分子タンパクとして、ストレプトアビジン、プロテインA等を用いることが可能である。
【0030】
この発明において、ハイブリダイゼーション後に2本鎖を形成したプローブDNAをSPR分光法にて検出する工程は、液中あるいは大気中のいずれも可能である。図1Aに示すようにレーザー光をプリズムを介し金薄膜基板の裏面に照射し、その反射光を検出するもので、例えば金薄膜に光を入射すると、反射率が最少となる入射角が存在し、その角度をSPR角といい、この角度は金薄膜近傍の屈折率変化に非常に鋭敏であり、膜上にプローブDNAのみの場合、2本鎖を形成したプローブDNAの場合ごとく、図1BのようにSPR角のシフトが観測される。
【0031】
SPR法の測定システムとしては、公知のいずれの構成も採用可能である。例えば実施例では、光源としHe−Neレーザー(波長632.8nm)を用い、偏光子によってp−偏光としプリズムを介して全反射条件で貴金属薄膜基板に照射し、基板からの反射光をフォトダイオードにより検出し、得られた信号は、光チョッパー、ロックインアンプを用いて外部ノイズを取り除き増幅を行うことができる。なお基板は、屈折率整合剤を介してプリズム上に付着させ回転ステージ上に固定し、この回転ステージを回転させて入射角の変化を得ることができ、また、その際、フォトダイオードも基板を固定した回転ステージと同調させ回転、移動させることができる。
【0032】
この発明において、プローブDNAの塩基数は特に限定しないが、ハイブリダイゼーション後に、目的DNAと2本鎖を形成したプローブDNAにのみ標識を修飾するには、チップ基板上にあるプローブDNAはハイブリダイゼーション前にループ構造を形成して解放末端が薄膜側にある必要がある。
【0033】
この発明において、プローブDNAは、その製造過程中又は製造後にループ構造を形成していて基板に配列されるか、基板に配列する際にループ構造を形成するか、基板に配列後にループ構造を形成するように構成するか、いずれの構成、方法も採用できる。例えば、図2A,Bに示すごとく、相補的な二重螺旋構造を形成可能な対をなすDNAの配列を予め形成しておき、ループ構造を形成し得るように構成することが可能であり、塩基数は特に限定しないが、比較的長鎖の構成を有するものが望ましく、好ましくは塩基数が60以上である。さらに塩基数が100を超えたり、1000程度の場合であってもこの発明を適用できる。
【0034】
この発明による生化学検体の検出チップは、表面に金などの貴金属薄膜を成膜したガラスなどの基板からなり、該薄膜上に配列されたプローブDNAを有し、かつ各プローブDNAがループ構造を形成して解放末端が薄膜側にあることを特徴とし、例えば、プローブDNAの塩基数が60以上であり、プローブDNAの末端を貴金属コロイド修飾又は高分子タンパク修飾可能にした構成が好ましい。
【0035】
【実施例】
実施例1
ガラス基板をアセトン、メタノール、超純水中で超音波洗浄した後、10%フッ酸で表面を20秒間エッチングを行ない、さらに、アセトン、メタノール、超純水中で超音波洗浄した後、窒素ガスで乾燥させた。
その後、スパッタ装置(ULVAC)を用いガラス基板にまず約1nm厚みのCr層を設け、さらに約50nm厚みのAu層を設けた。
【0036】
前記基板を濃硫酸中1〜2時間浸漬後、超純水で洗浄した後、プローブの3’端側をSH(チオール)基で、5’端側をビオチンで修飾したプローブDNA−D−BFR溶液(KH2PO4、K2HPO4、pH 7.0)を基板上に滴下し、飽和水蒸気中に約15時間放置し、プローブDNAをガラス基板の金薄膜上に付着させて検出チップとなした。プローブDNAには日清紡製を使用した。
【0037】
金コロイド修飾方法は、上記の検出チップをR−BFR溶液(NaCl、Tris−HCl、pH 7.4)で洗浄後、窒素ガスでおだやかに乾燥させ、表面にアビジンをコートした金コロイド(粒径10nm、SIGMA製)を滴下し1〜3時間、飽和水蒸気中で放置することで、ビオチンとアビジンの特異的結合を利用して修飾させた。
【0038】
ハイブリダイゼーションは、R−BFR溶液とH−BFR溶液(NaCl、Tris−HCl、EDTA、pH 7.4)で洗浄後乾燥せずに、検体DNAのH−BFR溶液を所要濃度となるように滴下し、約16時間放置して実施した。
【0039】
SPR測定は、検出チップをR−BFR溶液で洗浄後に窒素ガスで乾燥し速やかにSPR測定を行なった。
【0040】
上記方法で、10〜60の塩基数のプローブDNAをそれぞれ固定した検出チップを作製した。この時、プローブDNAの金薄膜への吸着量をSPR測定により評価した。プローブDNAの塩基数が大きくなるにつれ、SPR角度のシフトが大きくなった。また、SPR角度シフトを分子量で割った値は、吸着量に比例するため、これを求めたところ、プローブDNAの吸着効率は、塩基数10が最もよく、30、60では、大きな変化がないこと、さらに塩基数による吸着効率の変化は、10、100倍と大きく変化するものではなく、塩基長によらずオーダーとしてほぼ一定であることを確認した。なお、ここでは基板への被覆率約25%を達成した。
【0041】
また、10〜60の塩基数のプローブDNAをそれぞれ固定した検出チップを作製し、それぞれ上記金コロイド修飾方法により修飾を行い、塩基数による金コロイド修飾量の変化をAFM(原子間力顕微鏡)で観察したところ、図3〜図5の結果を得た。修飾された金コロイド粒子数を計測したところ、塩基長10では、約400個/μm2、塩基長30では、約700個/μm2の金コロイドの修飾が観察されたが、塩基長60では、金コロイドの修飾が全く観察されなかった。
【0042】
これを確認するため、SPR法を用いin−situでのDNAプローブに対する金コロイド修飾の挙動を観察した。すなわち、検出チップをプリズム上に接着し、基板表面を上述のR−BFR溶液で満たし、これに、金コロイド溶液を滴下し、ある一定入射角での反射光強度を継時的に観測したところ、金コロイド修飾が行なわれた場合にはSPR角度がシフトし、反射光強度の上昇が観察されるが、塩基数60のDNAでは、反射強度の変化が無くAFMでの観察と同様、金コロイドの修飾が行なわれないことを確認した。
【0043】
検出チップ金薄膜へのプローブDNAの吸着は、プローブDNAの鎖長に依らずオーダー的にほぼ一定であるのに対し、金薄膜に固定化されたプローブDNAに対する金コロイドの修飾効率は、プローブDNAの鎖長に大きく依存することが判明し、塩基数60のプローブDNAでは、まったく金コロイド修飾が起こらないことを確認した。
【0044】
比較例1
実施例1の合成によるプローブDNAに換えて、実際のO−19 gyrB遺伝子変異部周辺の856bpという長い遺伝子を目的DNA(試験遺伝子)とし、これらと相補的に結合する末端30塩基、中央30塩基、中央60塩基の3種類をプローブDNAとし、実施例1と同様の方法で検出チップを作製した。
【0045】
上記の3種のプローブDNAに対して実施例1に示す金コロイド修飾方法を行い、その後実際の長いDNA鎖を用いてハイブリダイゼーションを実施した後、SPR法によるハイブリダイゼーションの検出を実施した。
【0046】
表1のプローブDNA塩基長によるSPR角度シフトの変化を示す表に明らかなように、30塩基のプローブDNAでは、末端、中央、共に、ハイブリダイゼーションによる有意差が小さく、また、塩基数60のプローブDNAでは、全く金コロイドが修飾されず、実際の長い遺伝子を目的遺伝子とした場合、上記の条件では、SPR法によるハイブリダイゼーションの検出は困難であることを確認した。
【0047】
【表1】
【0048】
実施例2
表1のプローブDNA塩基長によるSPR角度シフトの変化から、856bpの長いDNAを目的遺伝子とした場合、プローブ鎖と比べて、目的遺伝子が約14〜28倍長いため、立体的な制約によりプローブDNAと反応する確率が低いと考えられる。従って、ハイブリダイゼーションしたプローブ鎖に金コロイドが修飾される場合と、ハイブリダイゼーションしていないプローブ鎖に金コロイドが修飾される場合とでSPR角度のシフトにバラツキがみられると推測される。
【0049】
そこで先の工程、すなわち金コロイド修飾方法を行い、その後ハイブリダイゼーションを実施する工程とは逆に、上記と同じプローブDNAの検出チップに対してハイブリダイゼーションを実施した後、金コロイド修飾方法を行い、その後SPR法による前記ハイブリダイゼーションの検出を実施した。
【0050】
すなわち、塩基数60のプローブDNAでは、ループ構造を形成しているため、金コロイド修飾が行なわれないと推測される。ループ構造をとっている長い1本鎖DNAはハイブリダイゼーションによりそのループ構造が解消された後に、金コロイド修飾を行なえば金コロイド修飾が可能であると推測される。そこで60塩基のDNAプローブにおいても同様の手法を用いれば金コロイド修飾が可能であると考えた。図6A,B参照。
【0051】
換言すれば、目的遺伝子がない場合には、ハイブリダイゼーションは起こらずかつ金コロイド修飾が行なわれない。これに対して、目的遺伝子がある場合には、ハイブリダイゼーションが起こり、ループ構造が解消されることにより、ハイブリダイゼーションしたDNAプローブにのみ選択的に金コロイド修飾が起こり、SPR測定でハイブリダイゼーションによるシフトに金コロイド修飾によるシフトが加わった大きなSPR角度シフトの差が得られると考えた。
【0052】
比較例1と同じ実際の長いDNA鎖を目的遺伝子とした検出チップを用い、実施例1に示す各工程で、プローブDNAの基板への付着、ハイブリダイゼーション、金コロイド修飾を実施し、水溶液中でのSPR角度シフト並びに空気中でのSPR角度シフトを測定した。
【0053】
プローブDNAのみの場合には、金コロイド修飾を行なってもSPR角度シフトが見られないが、プローブDNAにハイブリダイゼーションが起こった場合には、SPR角度が大きくシフトして金コロイド修飾が行われていることが明らかになった。
【0054】
すなわち、空気中でのSPR角度シフトの測定結果を表2に示すように、30塩基のプローブDNAでは、金コロイド修飾によるSPR角度シフトの増幅作用が小さく、また、サンプル間における偏差も大きかった。それに対して、60塩基のプローブDNAを用いて、ハイブリダイゼーション後に金コロイド修飾した場合には、金コロイド修飾によるSPR角度シフトが約4〜5倍増幅され、かつサンプル間における偏差も小さかった。
【0055】
要するに、ハイブリダイゼーション後に金コロイド修飾を行うことにより、溶液中、空気中ともに、60塩基プローブDNAの金コロイド修飾が可能となった。また、この発明方法では、60塩基プローブDNAの立体構造(ループ構造)を利用することにより、ハイブリダイゼーションしたプローブDNAのみに選択的に金コロイド修飾させることが可能であり、その結果、大きなSPR角度シフトの増幅が可能で、サンプル間の偏差を小さくすることができた。
【0056】
【表2】
【0057】
実施例3
実施例2の60塩基プローブDNAを用いて、ハイブリダイゼーションを行う際の温度条件を求めるため、15℃〜50℃の範囲で試験を行った。表3に25℃、37℃、42℃の場合におけるSPR角度シフト増幅の結果を示す。又、30℃〜40℃が好ましいことを確認した。
【0058】
【表3】
【0059】
実施例4
実施例2の60塩基プローブDNAを用いて、金コロイド修飾の金コロイドの粒径の影響を検討するため、5nm、10nmの金コロイドを2種類用い試験を行なった。表4に示すごとく、10nmの金コロイドの方が、5nmの金コロイドより、SPR角度シフトが大きくなり、金コロイドの粒径は、10nmの方が適していることが分かった。なお、5nmの金コロイドの方が、プローブDNAに対する立体的制約が少ないので、金コロイド修飾の効率が良い可能性があるが、10nmの金コロイドの方が標識1個当たりとしてのSPR角度シフト作用が大きいため、10nmの方が良い結果になったと思われる。
【0060】
【表4】
【0061】
実施例5
各工程における温度制御により、SPR角度のシフトに差が出るかを見るため、プローブDNAの固定を37℃、ハイブリダイゼーションを42℃、金コロイド修飾を25℃で実施し、これを全て37℃で行う場合と比較した。
【0062】
すなわち、42℃でハイブリダイゼーションすることにより、DNAプローブのループ構造を若干解消し、目的遺伝子とDNAプローブが出会う確率を高め、ハイブリダイゼーションするDNAプローブ鎖の割合を上げてやり、その後、室温に戻して、ハイブリダイゼーションしていないDNAプローブのループ構造を再形成した後、金コロイド修飾を行うことによりSPR角度のシフト増強を期待できるかを確かめた。
【0063】
表5に上記温度制御によるSPR角度のシフトへの影響を示すように、SPR角度シフト増幅効果は見られるが、37℃の場合ほどの増幅効果は得られなかった。これは、ハイブリダイゼーションの温度を42℃に上げることにより、形成した2重鎖が一部再度解けるため、ハイブリダイゼーションの確率とのバランスから増幅効果が見られないと推測される。
【0064】
しかし、表3〜表5の結果を見るに、これらの結果は、この発明の検出チップは実施例2で想定したようにプローブDNAがループ構造を取っていること、すなわち各プローブDNAが立体的な制約でその解放末端が薄膜側にあるために起こっている現象であることをそれぞれ間接的に示していることが分かる。
【0065】
【表5】
【0066】
実施例6
実施例1に示す60の塩基数のプローブDNAを固定した検出チップを用いて、実施例2と同様にこの発明の方法を実施する際に、金コロイド修飾と同様方法でストレプトアビジンを修飾したところ、ハイブリダイゼーションしたプローブDNAのみに選択的にストレプトアビジン修飾させることが可能であり、その結果、SPR角度シフト増幅が可能であり、ハイブリダイゼーションの検出が可能であることを確認した。
【0067】
【発明の効果】
この発明は、従来の蛍光法と比較して多数の利点を有しているSPR分光法による遺伝子などの生化学検体の検出方法において、例えば塩基数が60以上であるプローブDNAを用いて、検出チップの基板薄膜表面上にループ構造を形成して解放末端が薄膜側にある構成となすことで、大きなSPR角度シフトの差が得られるこの方法では、先に検体DNAとハイブリダイゼーションを行なった後、金コロイド、高分子蛋白で修飾することが可能となる。
【0068】
この発明方法によって、目的遺伝子がない場合には、ハイブリダイゼーションは起こらずかつ金コロイド修飾が行なわれない。これに対して、目的遺伝子がある場合には、ハイブリダイゼーションが起こり、ループ構造が解消されることににより、ハイブリダイゼーションしたDNAプローブにのみ選択的に金コロイド修飾が起こり、SPR測定でハイブリダイゼーションによるシフトに金コロイド修飾によるシフトが加わった大きなSPR角度シフトの差が得られる。
【0069】
この発明による検出チップは、表面に金薄膜を成膜したガラス基板の該薄膜上にプローブDNAを配列させるに際し、各プローブDNAがループ構造を形成して解放末端が薄膜側にあるように構成するため、先に修飾操作を行う必要がなく、製造が容易であり、ハイブリダイゼーション中またはその後に修飾操作を行うことで目的遺伝子がある場合にのみ、修飾が可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】AはSPR分光法の概略説明であり、Bは金薄膜上への有機薄膜形成によるSPR角度のシフトを示す入射角度と反射率のグラフである。
【図2】A、Bはこの発明におけるプローブDNAのループ構造の概念を示す説明図である。
【図3】塩基数10のプローブDNAへの金コロイド修飾状況をAFMにより観察した写真の模式図であある。
【図4】塩基数30のプローブDNAへの金コロイド修飾状況をAFMにより観察した写真の模式図である。
【図5】塩基数60のプローブDNAへの金コロイド修飾状況をAFMにより観察した写真の模式図である。
【図6】この発明におけるハイブリダイゼーションによるループ構造の解消と金コロイド修飾の状況を示す模式図であり、Aは目的遺伝子がない場合、Bは目的遺伝子が有る場合を示す。
Claims (10)
- 基板上の貴金属薄膜表面にプローブDNAを配列する工程、ループ構造を形成している該薄膜表面のプローブDNAに検体DNAをハイブリダイゼーションする工程、ハイブリダイゼーションの実行中又は実行後のプローブDNAに貴金属コロイド修飾する工程、2本鎖を形成したプローブDNAをSPR分光法にて検出する工程を有する生化学検体の検出方法。
- 基板上の貴金属薄膜表面にプローブDNAを配列する工程、ループ構造を形成している該薄膜表面のプローブDNAに検体DNAをハイブリダイゼーションする工程、ハイブリダイゼーションの実行中又は実行後のプローブDNAに高分子タンパク修飾する工程、2本鎖を形成したプローブDNAをSPR分光法にて検出する工程とを有する生化学検体の検出方法。
- プローブDNAの塩基数が60以上である請求項1又は請求項2に記載の生化学検体の検出方法。
- 貴金属薄膜が金であり、貴金属コロイドの粒子がアビジン修飾した金微粒子でかつ平均粒径が10nmである請求項1に記載の生化学検体の検出方法。
- ハイブリダイゼーション時の温度を30〜40℃、貴金属コロイド修飾時の温度を20〜40℃に保持した請求項4に記載の生化学検体の検出方法。
- 表面に貴金属薄膜を成膜した基板からなり、該薄膜上に配列されたプローブDNAを有し、かつ各プローブDNAがループ構造を形成して標識を修飾可能にした部位が薄膜側にある生化学検体の検出チップ。
- プローブDNAの塩基数が60以上である請求項6に記載の生化学検体の検出チップ。
- プローブDNAの末端を貴金属コロイド修飾可能にした請求項6に記載の生化学検体の検出チップ。
- プローブDNAの末端を高分子タンパク修飾可能にした請求項6に記載の生化学検体の検出チップ。
- 基板がガラスであり、貴金属薄膜が金であり、膜厚みが60nm以下である請求項6に記載の生化学検体の検出チップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001401646A JP3824309B2 (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | 生化学検体の検出方法と検出チップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001401646A JP3824309B2 (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | 生化学検体の検出方法と検出チップ |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003202339A JP2003202339A (ja) | 2003-07-18 |
JP2003202339A5 JP2003202339A5 (ja) | 2005-09-02 |
JP3824309B2 true JP3824309B2 (ja) | 2006-09-20 |
Family
ID=27640239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001401646A Expired - Lifetime JP3824309B2 (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | 生化学検体の検出方法と検出チップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3824309B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009140374A2 (en) * | 2008-05-13 | 2009-11-19 | Gen-Probe Incorporated | Inactivatable target capture oligomers for use in the selective hybridization and capture of target nucleic acid sequences |
-
2001
- 2001-12-28 JP JP2001401646A patent/JP3824309B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003202339A (ja) | 2003-07-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0744028B1 (fr) | Surfaces hautement specifiques pour reactions biologiques, procede pour leur preparation et procede pour leur utilisation | |
KR101059896B1 (ko) | 표면증강 라만산란을 이용한 생화학 물질의 검출 방법 | |
JP5260339B2 (ja) | 核酸分析デバイス、及び核酸分析装置 | |
JP2005524849A (ja) | ラマン分光分析のフィンガープリントを備えた分析物質検出用のナノ粒子プローブ | |
JP2007171158A (ja) | 生体分子検出素子とその製造方法及び生体分子検出方法 | |
JP2012040009A (ja) | 生物試料中のdnaの検出装置および方法 | |
US6706479B2 (en) | Bio-chip, photoluminescent methods for identifying biological material, and apparatuses for use with such methods and bio-chips | |
JP2007003439A (ja) | バイオセンサの製造方法 | |
Yaakov et al. | Application of surface click reactions to localized surface plasmon resonance (LSPR) biosensing | |
JP3824309B2 (ja) | 生化学検体の検出方法と検出チップ | |
TWI702399B (zh) | 生物探針之連接子 | |
Lei et al. | Electroless-plated gold films for sensitive surface plasmon resonance detection of white spot syndrome virus | |
JP3847623B2 (ja) | 生化学検体の検出方法と検出チップ | |
JP4022400B2 (ja) | 生化学検体の検出方法 | |
JP4233807B2 (ja) | 生化学反応体の検出方法とバイオチップ | |
JP3998977B2 (ja) | 生化学検体の検出方法 | |
JP2007093355A (ja) | 標的物質の光学的検出方法と検出システム | |
A Ivanova et al. | Microbial sensors based on nanostructures | |
JP2007178439A (ja) | 生化学反応体の検出方法とバイオチップ | |
JP2003329676A (ja) | 生化学検体の検出方法と検出チップ | |
JP4194794B2 (ja) | 生化学反応体の検出方法 | |
JP4050540B2 (ja) | 生化学反応体の検出方法とバイオチップ | |
JP2004003871A (ja) | 生化学検体の検出方法と検出チップ | |
Neumann et al. | Mismatch discrimination in oligonucleotide hybridization reactions using single strand binding protein. A surface plasmon fluorescence study | |
EP0882233B1 (fr) | Procede et dispositif de traitement par complexation d'un milieu liquide |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041122 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041122 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20041208 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20041208 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050210 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050715 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20051011 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20051012 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060529 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060605 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20060626 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060626 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707 Year of fee payment: 4 |