JP3823447B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置、例えば、ファクシミリ装置やコピー装置等に用いられる印刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、ファクシミリ装置、コピー装置等に組み込まれている印刷装置においては、原稿や印刷用紙を搬送する機構にパルスモータを用い、プログラムに基づいてCPUが精密な搬送制御を行っている。
【0003】
特に、印刷以外の処理も実行するファクシミリ装置やコピー装置等に組み込まれた印刷装置では、原稿を給紙するモード、原稿を読み取るモード、原稿を排出するモード、記録紙を給紙するモード、記録紙を頭出しするモード、記録紙に記録するモード、記録紙を排出するモード等、更に、これらのモードが組み合わされて実行されるモードが存在し、パルスモータによる多数の複雑な搬送処理がモードを切り換えつつ行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような印刷装置において印刷されて出力された記録紙を見た場合、ファクシミリデータ等の受信したデータを記録する際に形成される記録紙の先頭の余白(上端マージンとも言う。)と、原稿をコピーする際に形成される余白とで、いずれも余白が異なるような搬送処理をしていないにも関わらず、記録紙先頭の余白が異なってしまうという現象が生じた。
【0005】
本発明は、このようなデータの記録時と、コピーによる記録時とのいずれの記録時においても同一の先頭の余白が得られる印刷装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
印刷装置が、切換手段にて、出力軸からの回転力を、記録紙搬送機構のみに伝達させる記録モード、原稿搬送機構のみに伝達させる読取モード、および記録紙搬送機構と原稿搬送機構との両方に伝達させるコピーモードを含む複数のモードのいずれかのモードに切り換えている場合、実際にこの切換手段を実現するためには、次にような構成が挙げられる。
【0007】
すなわち、切換手段として、出力軸の回転力の伝達を仲介する仲介部材を1つまたは複数備えて、出力軸の回転によって実現する仲介部材の公転位置により、記録紙搬送機構のみ、原稿搬送機構のみ、あるいは記録紙搬送機構と原稿搬送機構との両方に、仲介部材が出力軸の回転力を伝達することで、記録モード、読取モードおよびコピーモードのいずれかを実現している構成である。
【0008】
このような構成で、ファクシミリデータやコンピュータからのデータを記録紙へ記録する記録処理の場合は、出力軸の回転により仲介部材の公転位置を調整して、記録紙搬送機構のみが駆動する記録モードとして、記録紙上にデータを記録する。また、ファクシミリ用原稿の画像を読み取って送信等に用いる読取処理の場合には、出力軸の回転により仲介部材の公転位置を調整して、原稿搬送機構のみが駆動する読取モードとして、ファクシミリ用原稿から画像を読み取るようにする。
【0009】
しかし、コピー用原稿から画像を読み取って、その画像を直ちに記録紙に記録するコピー処理の場合は、記録モードにて記録紙搬送機構のみが駆動するようにして、記録紙を記録できる位置へ所定の余白ができるように搬送(頭出し)し、更に、読取モードにて原稿搬送機構のみが駆動するようにして、原稿を読み取りできる位置あるいはその近傍まで搬送する(読取モードが先で記録モードが後でも良い。)。
【0010】
その後、コピーモードに切り換えて、記録紙搬送機構と原稿搬送機構との両方の機構を同時に駆動させて、コピー用原稿から画像を読み取りつつ、記録紙上にその画像を記録することになる。このようにコピーモードを行う場合でも、その前に、少なくとも一度、記録モードにて記録紙を適切な位置に搬送することで頭出し、記録紙の先頭に所定の余白を形成することが必要である。しかし、この搬送にて適切な位置に記録紙が設定されたとしても、次にコピーモードに移行するには、出力軸の回転により仲介部材の公転位置を調整しなくてはならない。
【0011】
記録モードで記録紙が出力軸の回転により搬送されて、所定の余白が得られる適切な位置に配置されたにもかかわらず、コピーモードに移行するために、出力軸の回転に伴って仲介部材が公転し、再度、仲介部材と記録紙搬送機構との接続動作がなされる。
【0012】
この接続動作では、確実に接続するために接続した後、少し出力軸を回転させてから、原稿を読み取って記録紙上に画像を形成する処理が開始される。この結果、記録開始前での出力軸の回転にて記録紙搬送機構が駆動され記録紙がわずかに移動してしまい、記録モードで設定した位置からずれてしまう。
【0013】
このずれが、「発明が解決しようとする課題」の項に述べた、データ記録の場合の記録紙の先頭の余白(上端マージンとも言う。)と、原稿をコピーする際に形成される余白とで記録紙先頭の余白が異なってしまうという現象を引き起こしている。
【0014】
したがって、本発明の印刷装置では、制御部にて、コピーモードの直前に記録モードを実行して、記録紙の頭出しを行うとともに、該頭出し処理に際しては、余白を一定にするために、コピー処理以外の処理における記録紙の頭出しのために行う記録モードに比較して、記録紙の余白とする余白送り量を異ならせているのである。この余白送り量の差異は、例えば、コピー処理の余白量が他の処理に比較して大きくなるようなずれが生じていれば、その大きい分、余白送り量を他の処理の場合よりも小さくして頭出しし、逆に他の処理に比較して小さければ、その小さい分、余白送り量を他の処理の場合よりも大きくして頭出しすることにより実現する。このことにより、記録紙に形成される実際の余白を、モード間でほぼ同一とすることができる。
【0015】
前記仲介部材は、太陽歯車と遊星歯車との組み合わせからなるものとし、前記切換手段は、出力軸の回転により回転する太陽歯車に噛み合って公転する遊星歯車の公転位置により、記録紙搬送機構のみ、原稿搬送機構のみ、あるいは記録紙搬送機構と原稿搬送機構との両方に、遊星歯車が噛み合って出力軸の回転力を伝達することで、記録モード、読取モードおよびコピーモードのいずれかを実現するように構成することができる。
【0016】
また、前記太陽歯車と前記遊星歯車との組み合わせは、太陽歯車1つに対して前記遊星歯車は第1および第2の2つの遊星歯車からなり、前記切換手段は、記録モード実行時には、第1の遊星歯車の公転位置の調整により、第1の遊星歯車を記録紙搬送機構に噛み合せて、記録紙搬送機構に出力軸の回転力を伝達させ、読取モード実行時には、第1の遊星歯車の公転位置の調整により、第1の遊星歯車を原稿搬送機構に噛み合せて、原稿搬送機構に出力軸の回転力を伝達させ、コピーモード実行時には、第1の遊星歯車の公転位置の調整により、第1の遊星歯車を記録紙搬送機構に噛み合せて、記録紙搬送機構に出力軸の回転力を伝達させ、第2の遊星歯車の公転位置の調整により、第2の遊星歯車を原稿搬送機構に噛み合せて、原稿搬送機構に出力軸の回転力を伝達するように構成しても良い。
【0017】
この制御部は、コピー処理におけるコピーモードの直前に行う記録モードにては、第1の遊星歯車の公転位置の調整により、第1の遊星歯車を記録紙搬送機構に噛み合せて、記録紙搬送機構に出力軸の回転力を伝達させることで、記録紙の頭出しを行うと共に、該頭出しでは、コピー処理以外の処理における記録紙の頭出しのために行う記録モードに比較して、余白送り量を少なくすることにより、記録紙に形成される実際の余白を、処理間でほぼ同一とするようにしても良い。
【0018】
本発明の印刷装置としては、例えば、ファクシミリ装置に用いられているものが挙げられ、この場合は、前記読取処理を、原稿の画像を他のファクシミリ装置に送信するために実行し、前記記録処理を、他のファクシミリ装置から受信した画像を記録紙に記録するために実行することにより、ファクシミリ装置の機能を実現する。ファクシミリ装置以外に、プリンタの機能を備えたコピー装置が挙げられる。
【0019】
なお、このような印刷装置の各手段をコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いても良い。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、上述した発明が適用されたファクシミリ装置2の制御系統を示すブロック図である。ファクシミリ装置2は、操作パネル4を介して入力される使用者からの各種指令に応じて、各種処理動作の設定、読取部10による原稿画像の読み取り、原稿画像の送信データ化、送信データの符号化、ファクシミリデータの送受信、受信データの復号化、復号化したファクシミリデータの記録部12での用紙への記録、コピー処理時の読取部10による原稿の読み取りと記録部12での記録紙への記録等を行うものである。
【0021】
これらの動作を行うために、ファクシミリ装置2は、操作パネル4、読取センサ10aを有する読取部10、サーマルヘッド12aを有する記録部12、CPU16、ROM18、一部が受信バッファメモリ20aとして用いられているRAM20、他の電話装置やファクシミリ装置との間で会話やファクシミリデータの送受信を可能にするネットワークコントロールユニット(NCU)22、NCU22を介して他のファクシミリ装置との間でファクシミリデータを送受信するためのモデム24、各種動作時に記録紙や原稿その他の検出を行う複数のセンサを有するセンサ部26、ファクシミリ装置2内の各機構を動作させるパルスモータ28a(7.5°/ステップ)を有するモータ部28、ギヤ切換用ソレノイド30aを有するソレノイド部30およびこれらを接続するバスライン32等を備えている。尚、図示していないが、受話器や発呼用のスピーカ等も設けられており、他の電話装置との会話はその受話器を介して行うことができる。
【0022】
次に、CPU16がROM18に記録されているプログラムに基づいて実行するファクシミリ制御処理について説明する。図2は、ファクシミリ制御処理のフローチャートを表す。処理が開始されると、まず初期設定が行われる(S1000)。この初期設定では、制御処理のためのRAM20上の作業領域の確保や、その作業領域への初期値の設定等が行われ、更に、パルスモータ28aとギヤ切換用ソレノイド30aとの駆動によりファクシミリ装置2の機構的構成が初期モード(ホームポジション)に設定される。
【0023】
ここで、初期モード状態に設定されたファクシミリ装置2の機構的構成を図7に示す。図7は、ファクシミリ装置2の要部構成図であり、特に、記録紙・原稿の搬送機構を駆動するために設けられたギヤ群によるパルスモータ28aの回転力の伝達機構を示している。これらギヤ群は、支持フレーム96,98により回転可能に支持されている。
【0024】
パルスモータ28aの出力軸102にはモータギヤ104が取り付けられ、パルスモータ28aの回転力は出力軸102とモータギヤ104とを介して、共通ギヤ106に伝達される。共通ギヤ106とは共通の軸106aに共通太陽ギヤ108が設けられ、この共通太陽ギヤ108と同軸に設けられた第1レバー114の先端には、共通太陽ギヤ108と噛み合う第1遊星ギヤ110が設けられ、共通太陽ギヤ108と同軸に設けられた第2レバー116の先端には、共通太陽ギヤ108と噛み合う第2遊星ギヤ112が設けられ、それぞれ共通太陽ギヤ108から回転力を伝達される。
【0025】
これら第1レバー114および第2レバー116は、共通太陽ギヤ108の軸106aに揺動可能に取り付けられている。初期モードでは、第1レバー114および第2レバー116の先端にある第1遊星ギヤ110および第2遊星ギヤ112の公転位置は共通太陽ギヤ108以外のギヤとは噛み合わない位置にある。
【0026】
そして、初期設定(S1000)にてファクシミリ装置2の機構的構成が初期モードに設定された直後に、パルスモータ28aに対する励磁用電流は遮断され、励磁が停止される(S1500)。そして、次に処理待ち(S2000)に入る。
【0027】
この処理待ち(S2000)において、ファクシミリ装置2が電話回線を介して他のファクシミリ装置からファクシミリデータを受信した場合、ステップS2000の判断により、記録処理が開始される(S3000)。この記録処理では、図3のフローチャートに詳細を示す処理が行われる。
【0028】
最初に、初期モードから給排紙モードへのギヤの切り換えを次のように行う(S3100)。まず、ギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定し、パルスモータ28aを15パルス正転させ、図7に示した出力軸102およびモータギヤ104を右回転させる。このことにより、共通ギヤ106を左回転させて第1遊星ギヤ110を第1読取ギヤ118から離す方向に公転させる。この15パルスの正転は第1レバー114の爪部114aが何らかの原因で、後述する読取モードのように第2読取ギヤ120の軸に設けられている係止レバー121の先端を乗り越えた状態のままであるのを防止し、爪部114aを完全に係止レバー121の先端から離すためである。
【0029】
次に、ギヤ切換用ソレノイド30aをオンして、係止レバー121の一端をコイルバネ30bの引っ張り力に抗して図の左側へ引き込んで、係止レバー121を右回転させ、係止レバー121の他端の係止凹部121aから第2レバー116に設けられた爪部116aを外す。
【0030】
次いでパルスモータ28aを13パルス逆転させて、出力軸102およびモータギヤ104を左回転させる。このことにより、共通ギヤ106を右回転させて第2遊星ギヤ112を右に公転させて第1給排紙ギヤ134に突き当たらせて相互に噛み合わせる。このとき、第1遊星ギヤ110と第1レバー114とは第1読取ギヤ118に近づくが、第1レバー114の爪部114aが係止レバー121の先端に衝突して、第1遊星ギヤ110は、第1給排紙ギヤ134と第1読取ギヤ118とのほぼ中間に公転して停止する。
【0031】
こうして、図8に示す給排紙モード状態が達成される。次に、記録紙供給処理を行う(S3200)。すなわち、パルスモータ28aの逆転を行うことにより、モータギヤ104の回転力が、共通ギヤ106、共通太陽ギヤ108、第2遊星ギヤ112、および第1給排紙ギヤ134へと伝達される。更に、第1給排紙ギヤ134からは、第2給排紙ギヤ136、第3給排紙ギヤ142、第4給排紙ギヤ144、第5給排紙ギヤ146、および第1給排紙太陽ギヤ148に回転力が伝達される。そして、第1給排紙太陽ギヤ148は左回転となるので、第1給排紙太陽ギヤ148と同軸で揺動するレバー148aの先端に存在する第1給排紙遊星ギヤ150は給紙ローラギヤ152に噛み合う。
【0032】
このことにより、給紙ローラギヤ152は左回転し、給紙ローラギヤ152と同軸に設けられた給紙ローラ154は給紙トレー156に存在する記録紙158を1枚引き出して、一点鎖線で示した供給排出経路160へ送り出す。ここでは記録処理であるので、記録紙158の先端は、記録プラテン162とサーマルヘッド12aとの接触位置の直前まで供給される。この搬送は、前記接触位置の直前の位置に設けられている、センサ部26に属する接触センサあるいは光センサにより記録紙158の先端が検出されると、パルスモータ28aは停止されることにより達成される。
【0033】
なお、記録プラテン162とサーマルヘッド12aとの接触位置以後の供給排出経路160に記録済み記録紙158が存在する場合のために、給紙ローラギヤ152の回転力は更に、第6給排紙ギヤ164、第7給排紙ギヤ166、第8給排紙ギヤ168から排紙ローラギヤ170に伝達され、排紙ローラギヤ170を左回転させる。この排紙ローラギヤ170の左回転に応じて排紙ローラギヤ170と同軸の排紙ローラ172は、記録済み記録紙158をファクシミリ装置2外部の図示していないトレーに排出する。そして最後にギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定する。
【0034】
次にパルスモータ28aの励磁停止処理が行われて、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S3250)。次に、給排紙モードから記録モードへと、ギヤの切り換えを次のように行う(S3300)。まず、最初にギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定する。次に、パルスモータ28aを21パルス正転させる。このことにより、共通ギヤ106と共通太陽ギヤ108とが左回転し、第2レバー116が左回転して先端の第2遊星ギヤ112が左へ公転し第1給排紙ギヤ134から離れる。そして、爪部116aが係止凹部121aに落ち込んで、第2レバー116の回転が停止し、第2遊星ギヤ112を第1給排紙ギヤ134と第2読取ギヤ120との中間に配して、第2遊星ギヤ112から第1給排紙ギヤ134および第2読取ギヤ120のいずれへも回転力が伝達しないようにする。
【0035】
また、第1レバー114は、接触している係止レバー121の先端から爪部114aが離れて左回転し、第1遊星ギヤ110が左に公転し第1給排紙ギヤ134に突き当たって相互に噛み合う。こうして、図9に示す記録モードが達成される。
【0036】
この記録モードの状態で、次に記録紙頭出し処理が実行される(S3400)。すなわち、パルスモータ28aへ、記録紙158の第1頭出し長さL1分に相当する正転方向の所定パルス数N1を出力することにより、パルスモータ28aの正転の回転力は、出力軸102、モータギヤ104、共通ギヤ106、共通太陽ギヤ108、第1遊星ギヤ110、第1給排紙ギヤ134、第2給排紙ギヤ136、第3給排紙ギヤ142、第4給排紙ギヤ144、第5給排紙ギヤ146、および第1給排紙太陽ギヤ148に至る。
【0037】
第1給排紙太陽ギヤ148では右回転となるので、レバー148aは右に揺動して、先端の第1給排紙遊星ギヤ150は第8給排紙ギヤ168に噛み合う。このことにより、回転力は、第8給排紙ギヤ168から第7給排紙ギヤ166、第6給排紙ギヤ164、および給紙ローラギヤ152に伝達される。ただし、このときは、給紙ローラギヤ152と同軸の給紙ローラ154自身は回転力が与えられない機構となっていて、記録紙158の移動に追随して回転する。
【0038】
また第2給排紙ギヤ136と同軸のレバー140は、第2給排紙ギヤ136の右回転により、先端の第2給排紙遊星ギヤ174が第9給排紙ギヤ176に噛み合う。したがって、第2給排紙ギヤ136の回転力は、同軸の第2給排紙太陽ギヤ138から第2給排紙遊星ギヤ174、第9給排紙ギヤ176、および記録プラテンギヤ180へ伝達される。こうして、記録プラテンギヤ180と同軸の記録プラテン162は左回転する。
【0039】
したがって、すでに記録プラテン162とサーマルヘッド12aとの接触位置の直前まで到達していた記録紙158の先端は、第1頭出し長さL1分、記録プラテン162とサーマルヘッド12aとの接触位置を越えて停止する。なお、記録プラテン162とサーマルヘッド12aとの間には予め熱転写インクシート(図示していない)が存在しているが、記録紙158は熱転写インクシートと記録プラテン162との間に入る。
【0040】
次に受信データの記録が実行される(S3500)。すなわち、サーマルヘッド12aを記録プラテン162側に押しつけることで、サーマルヘッド12aと記録プラテン162と間の記録紙158に、熱転写インクシートを介してサーマルヘッド12aを押しつける。そして、サーマルヘッド12aを主走査方向(図の紙面直角方向)に移動させて、受信バッファメモリ20aに受信されているファクシミリデータを順次読み出し、ファクシミリデータの内容を印刷する。そして、サーマルヘッド12aによる各行の印刷終了毎にパルスモータ28aを一行分駆動し、記録プラテン162により記録紙158を供給排出経路160に沿って移動させる。
【0041】
受信バッファメモリ20aに存在するファクシミリデータを全て印刷し終わった場合、あるいは1頁分のファクシミリデータを印刷し終わった場合には、サーマルヘッド12aを元の位置に戻し、受信データ記録処理(S3500)を終了し、パルスモータ28aの励磁停止処理が行われ、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S3550)。
【0042】
次に、記録モードから給排紙モードへと、ギヤの切り換えを次のように行う(S3600)。まず、最初にギヤ切換用ソレノイド30aをオンに設定する。このことにより、係止レバー121の係止凹部121aは第2レバー116の爪部116aから外れる。
【0043】
次に、パルスモータ28aを36パルス逆転させる。このことにより、共通ギヤ106と共通太陽ギヤ108とが右回転し、第2レバー116が右回転して先端の第2遊星ギヤ112が右へ公転し第1給排紙ギヤ134に突き当たって相互に噛み合う。第1レバー114も右回転して先端の第1遊星ギヤ110は右へ公転し第1給排紙ギヤ134から離れ、次いで、第1レバー114の爪部114aが係止レバー121の先端に突き当たって、第1遊星ギヤ110は、第1給排紙ギヤ134と第1読取ギヤ118とのほぼ中間で停止する。
【0044】
こうして、図8に示した給排紙モードに戻る。この状態でパルスモータ28aを逆転させることで排紙ローラ172を左回転させて、ファクシミリ装置2内の供給排出経路160に残っている印刷済みの記録紙158をファクシミリ装置2の外部のトレー(図示していない)に排出し、この排出と同時に、給紙ローラ154の左回転により、給紙トレー156の記録紙158を前述したごとくに、記録プラテン162とサーマルヘッド12aとの接触位置の直前まで搬送する(S3700)。
【0045】
次にパルスモータ28aの励磁停止処理が行われて、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S3750)。そして、ファクシミリデータの印刷が終了したか否かが判定され(S3800)、未印刷のファクシミリデータが残っていれば(S3800で「NO」)、ステップS3300に戻って印刷を継続する。
【0046】
全てのファクシミリデータの印刷が終了すれば(S3800で「YES」)、次に、給排紙モードから初期モードへと、ギヤの切り換えを次のように行う(S3900)。まず、最初にギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定する。次にパルスモータ28aを28パルス正転させる。このことにより、共通ギヤ106と共通太陽ギヤ108とが左回転し、第1遊星ギヤ110は、第1レバー114とともに一旦、左へ公転し第1給排紙ギヤ134側に移動することで第1レバー114の爪部114aを係止レバー121の先端から離す。そして第2レバー116は、左回転して先端の第2遊星ギヤ112が第1給排紙ギヤ134から離れ、第2遊星ギヤ112が第1給排紙ギヤ134と第2読取ギヤ120とのほぼ中間あたりとなった時に第2レバー116の爪部116aがコイルバネ30bにて左回転方向に引っ張り力を受けている係止レバー121の係止凹部121aにはまり込み、第2遊星ギヤ112はその位置で停止する。
【0047】
そして次にパルスモータ28aを30パルス逆転させる。この逆転では第2遊星ギヤ112は、第2レバー116の爪部116aが係止レバー121の係止凹部121aにはまっているので移動しないが、第1レバー114は第1遊星ギヤ110が第1読取ギヤ118に接触するまで右回転する。そして、パルスモータ28aを15パルス正転させることにより、第1遊星ギヤ110を第1読取ギヤ118と第1給排紙ギヤ134とのほぼ中間に移動させて停止させる。こうして、ファクシミリ装置2は図7に示した初期モードに戻る。
【0048】
そして、パルスモータ28aの励磁停止処理が行われて、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S3950)。次に、図2に戻り、ユーザが操作パネル4を操作して送信を指示した場合、ステップS2000の判断により、原稿読取処理が開始される(S4000)。この原稿読取処理の詳細を図4のフローチャートに示す。
【0049】
まず、最初に、初期モードから読取モードへのギヤの切り換えを次のように行う(S4100)。まず、ギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定し、パルスモータ28aを13パルス逆転させる。このことにより、共通ギヤ106を右回転させて第1遊星ギヤ110を第1読取ギヤ118に突き当たらせて相互に噛み合わせる。このとき、ギヤ切換用ソレノイド30aはオフであることから、第2レバー116の爪部116aは係止レバー121の係止凹部121aにはまり込んだままであり、第2遊星ギヤ112は第1給排紙ギヤ134と第2読取ギヤ120との間の位置を維持している。
【0050】
このことにより、図10に示す読取モードが達成される。この状態で、原稿搬送・読取・排出処理が行われる(S4150)。すなわち、出力軸102の回転力は、モータギヤ104、共通ギヤ106、共通太陽ギヤ108、第1遊星ギヤ110、第1読取ギヤ118、および第2読取ギヤ120から第1誘導ローラーギヤ122に伝達されて、第1誘導ローラーギヤ122と同軸の第1誘導ローラ122aが右回転となる。また、第1誘導ローラーギヤ122の回転力は、第3読取ギヤ124、第4読取ギヤ126、および読取プラテンギヤ128に伝達され、読取プラテンギヤ128と同軸の読取プラテン128aを左回転させる。更に、第4読取ギヤ126の回転力は、第5読取ギヤ130および第2誘導ローラーギヤ132に伝達され、第2誘導ローラーギヤ132と同軸の第2誘導ローラー132aを右回転させる。
【0051】
このことにより、ユーザにより差込口(図示していない)からファクシミリ装置2内部に挿入された原稿は、第1誘導ローラ122a、読取プラテン128aおよび第2誘導ローラー132aに誘導されて、原稿搬送路133を搬送される。そして、読取プラテン128aの直前の原稿搬送路133に配置された原稿センサ(図示していない)が、原稿の先端を検出すると、原稿の先端が読取プラテン128aに達したタイミングで、読取プラテン128aに対向して設けられている読取センサ10aにて原稿の画像が読み取られる。
【0052】
そして、原稿センサが原稿の後端を検出すると、原稿の後端が読取プラテン128aに達したタイミングで、読取センサ10aによる原稿の読み取りが停止され、ファクシミリ装置2内から原稿が排出されると、原稿読取処理(S4150)が終了する。読取センサ10aが読み取った原稿の画像データは、RAM20に蓄積される。
【0053】
なお、ステップS4150では、原稿センサにて、次の原稿の先端が検出されていれば、ステップS4150の搬送・読取・排出処理を繰り返す。そして、すべての原稿について処理が完了した時点で次の処理に移る。次に、パルスモータ28aの励磁停止処理が行われて、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S4200)。
【0054】
次に、読取モードから初期モードへのギヤの切り換えを次のように行う(S4250)。まず、ギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定し、次に、パルスモータ28aを28パルス正転させる。このことにより、共通ギヤ106と共通太陽ギヤ108とが左回転するが、第1遊星ギヤ110は、第1レバー114とともに第1給排紙ギヤ134側に移動する。また、第2レバー116の爪部116aがコイルバネ30bにて左回転方向に引っ張り力を受けている係止レバー121の係止凹部121aにはまり込んでいるので、第2遊星ギヤ112はその位置を維持している。
【0055】
そして次にパルスモータ28aを30パルス逆転する。この逆転では第2遊星ギヤ112は、第2レバー116の爪部116aが係止レバー121の係止凹部121aにはまっているので移動しないが、第1遊星ギヤ110は、第1レバー114の右回転に伴って、第1給排紙ギヤ134から離れて第1読取ギヤ118に突き当たる。
【0056】
このパルスモータ28aの28パルスの正転および30パルスの逆転は、初期モードに正確に戻るために、記録モードの状態を確実にしておく目的で行われる。そして、パルスモータ28aを15パルス正転させることにより、第1遊星ギヤ110を第1読取ギヤ118と第1給排紙ギヤ134とのほぼ中間に移動させて停止する。こうして、ファクシミリ装置2は図7に示した初期モードに戻る。
【0057】
そして、パルスモータ28aの励磁停止処理が行われて、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S4300)。次に、図2に示すごとく、RAM20に蓄積した原稿の画像データをファクシミリデータとして、ユーザに指示された相手先に送信する(S4500)。
【0058】
次に、ユーザが操作パネル4を操作してコピーを指示した場合、ステップS2000の判断により、コピー処理が開始される(S5000)。このコピー処理の詳細を図5および図6のフローチャートに示す。最初に、初期モードから読取モードへのギヤの切り換えを次のように行う(S4100)。まず、ギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定し、パルスモータ28aを13パルス逆転させる。このことにより、共通ギヤ106を右回転させて第1遊星ギヤ110を第1読取ギヤ118に噛み合わせる。このとき、ギヤ切換用ソレノイド30aはオフであることから、第2レバー116の爪部116aは係止レバー121の係止凹部121aに係止されたままであり、第2遊星ギヤ112は第1給排紙ギヤ134と第2読取ギヤ120との間の位置を維持している。
【0059】
このことにより、図10に示した読取モードが達成される。この状態で、原稿搬送処理が行われる(S5150)。すなわち、モータギヤ104の回転力は、共通ギヤ106、共通太陽ギヤ108、第1遊星ギヤ110、第1読取ギヤ118、および第2読取ギヤ120から第1誘導ローラーギヤ122に伝達されて、第1誘導ローラーギヤ122と同軸の第1誘導ローラ122aが右回転する。また、第1誘導ローラーギヤ122の回転力は、第3読取ギヤ124、第4読取ギヤ126、および読取プラテンギヤ128に伝達され、読取プラテンギヤ128と同軸の読取プラテン128aを左回転させる。更に、第4読取ギヤ126の回転力は、第5読取ギヤ130および第2誘導ローラーギヤ132に伝達され、第2誘導ローラーギヤ132と同軸の第2誘導ローラー132aを右回転させる。
【0060】
このことにより、ユーザにより差込口(図示していない)からファクシミリ装置2内部に挿入されたコピー用原稿は、第1誘導ローラ122aに誘導されて、原稿搬送路133を搬送され、ステップS4150で述べたごとく原稿センサがコピー用原稿の先端を検出すると停止する。
【0061】
次に、パルスモータ28aの励磁停止処理が行われて、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S5200)。次に、読取モードから給排紙モードへのギヤの切り換えを次のように行う(S5250)。まず、ギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定し、次に、パルスモータ28aを34パルス正転させる。このことにより、共通ギヤ106と共通太陽ギヤ108とが左回転して、第1遊星ギヤ110は、第1レバー114とともに第1給排紙ギヤ134側に移動して、第1給排紙ギヤ134に突き当たって停止する。第2レバー116の爪部116aは係止レバー121の係止凹部121aにはまり込んでいるので、第2遊星ギヤ112は第2読取ギヤ120と第1給排紙ギヤ134との間の位置を維持している。
【0062】
次にギヤ切換用ソレノイド30aをオンに設定し、パルスモータ28aを21パルス逆転させる。このことにより、係止レバー121の係止凹部121aは第2レバー116の爪部116aから外れ、共通ギヤ106と共通太陽ギヤ108とは右回転するので、第2遊星ギヤ112は第1給排紙ギヤ134に突き当たって相互に噛み合う。第1遊星ギヤ110は第1レバー114とともに、第1給排紙ギヤ134から離れて、第1読取ギヤ118へ向かうが、第1レバー114の爪部114aが係止レバー121の先端に突き当たって、第1給排紙ギヤ134と第1読取ギヤ118とのほぼ中間で停止する。
【0063】
次に、ギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定する。このとき、第2レバー116の爪部116aがコイルバネ30bの引っ張り力に抗して係止レバー121を押し上げているので、第1レバー114の爪部114aが係止レバー121の先端から外れることはない。
【0064】
このことにより、図8に示した給排紙モードが達成される。この状態で、記録紙給紙処理が行われる(S5300)。すなわち、ステップS3200にて述べたごとく、パルスモータ28aの逆転を行うことにより、出力軸102およびモータギヤ104の回転力が、給紙ローラギヤ152まで伝達される。そして、この給紙ローラギヤ152の左回転により、給紙ローラギヤ152と同軸に設けられた給紙ローラ154は給紙トレー156に存在する記録紙158を1枚引き出して、一点鎖線で示した供給排出経路160へ送り出す。そして、センサの検出により、記録紙158の先端が、記録プラテン162とサーマルヘッド12aとの接触位置の直前まで来ると、記録紙158の搬送は停止される。
【0065】
なお、このとき、記録プラテン162とサーマルヘッド12aとの接触位置以後の供給排出経路160に記録済み記録紙158が存在していた場合は、次のようにして排出される。すなわち、給紙ローラギヤ152の回転力が、更に、第6給排紙ギヤ164、第7給排紙ギヤ166、第8給排紙ギヤ168から排紙ローラギヤ170に伝達されるので、排紙ローラギヤ170の左回転に応じて排紙ローラギヤ170と同軸の排紙ローラ172は、ファクシミリ装置2内部から完全に記録済み記録紙158を排出する。
【0066】
次にパルスモータ28aの励磁停止処理が行われて、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S5350)。次に、給排紙モードから記録モードへと、ギヤの切り換えを、ステップS3300にて述べたごとく行う(S5400)。すなわち、最初にギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定する。次に、パルスモータ28aを21パルス正転させる。このことにより、共通ギヤ106と共通太陽ギヤ108とが左回転し、第2レバー116が左回転して先端の第2遊星ギヤ112が第1給排紙ギヤ134から離れる。そして、爪部116aが係止凹部121aに落ち込んで、第2レバー116の回転を停止し、第2遊星ギヤ112を第1給排紙ギヤ134と第2読取ギヤ120との中間に配して、第2遊星ギヤ112を第1給排紙ギヤ134および第2読取ギヤ120のいずれにも回転力を伝達させないようにする。
【0067】
また、第1レバー114は、突き当たっていた係止レバー121の先端から爪部114aが離れて左回転し、第1遊星ギヤ110が第1給排紙ギヤ134に突き当たって相互に噛み合う。こうして、図9に示した記録モードが達成される。次に、記録紙頭出し処理が実行される(S5450)。
【0068】
すなわち、パルスモータ28aへ、記録紙158の第2頭出し長さL2分に相当する正転方向の所定パルス数N2を出力することにより、パルスモータ28aの正転の回転力は、第1給排紙太陽ギヤ148まで至る。第1給排紙太陽ギヤ148では右回転となるので、レバー148aは右に揺動して、先端の第1給排紙遊星ギヤ150は第8給排紙ギヤ168に噛み合う。このことにより、回転力は、第8給排紙ギヤ168から給紙ローラギヤ152まで伝達される。ただし、このときは、給紙ローラギヤ152と同軸の給紙ローラ154自身は回転力が与えられない機構となっていて、記録紙158の移動に追随して回転する。また第2給排紙ギヤ136と同軸のレバー140は、第2給排紙ギヤ136の右回転により、先端の第2給排紙遊星ギヤ174が第9給排紙ギヤ176に噛み合う。したがって、第2給排紙ギヤ136の回転力は、同軸の第2給排紙太陽ギヤ138から記録プラテンギヤ180まで伝達される。こうして、記録プラテンギヤ180と同軸の記録プラテン162は左回転する。
【0069】
したがって、すでに記録プラテン162とサーマルヘッド12aとの接触位置の直前まで到達していた記録紙158の先端は、第2頭出し長さL2分、記録プラテン162とサーマルヘッド12aとの接触位置を越える。そして、ステップS5450の終了後は、パルスモータ28aの励磁停止処理は行わない。すなわち、パルスモータ28aへの励磁電流の供給は維持されたまま、次に、記録モードからコピーモードへとギヤの切り換えを行う(S5500)。励磁電流を維持するのは、負荷の高いコピーモードの直前で励磁電流が停止すると、コピーモードにて脱調がパルスモータ28aに生じ易いからであり、この脱調を防止するために励磁電流を維持する。
【0070】
ステップS5500では、最初にギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定する。次に、パルスモータ28aを25パルス逆転させる。このことにより、出力軸102およびモータギヤ104を左回転させ、共通ギヤ106を右回転させて第1遊星ギヤ110を第1給排紙ギヤ134から離す。
【0071】
この25パルスの逆転は、第2レバー116の爪部116aが何らかの原因で、係止レバー121の係止凹部121aから外れていた場合に、確実に係止凹部121aにはめ込むためである。したがって、第2レバー116の爪部116aが係止レバー121の係止凹部121aにはまっていれば、第2遊星ギヤ112は移動せずに位置を維持する。
【0072】
次に、ギヤ切換用ソレノイド30aをオンして、係止レバー121の一端をコイルバネ30bの引っ張り力に抗して引き込み、係止レバー121を右回転させ、第2レバー116に設けられた爪部116aから係止凹部121aを外す。次いでパルスモータ28aを33パルス正転させて、共通ギヤ106を左回転させて第2遊星ギヤ112を第2読取ギヤ120に突き当たらせて、第2読取ギヤ120に噛み合わせる。また、第1遊星ギヤ110は、直前のパルスモータ28aの逆転にて、第1給排紙ギヤ134から離れていたが、再度、第1給排紙ギヤ134に突き当たって噛み合う。
【0073】
この噛み合わせ動作では、他の噛み合わせ動作でも同じであるが、コピーモードでの噛み合わせを確実にするために、少し過剰にパルスモータ28aを正転させている。このため、記録紙158はステップS5450にて頭出しした位置から少し進む。この進み量ΔLは、予め測定されており、この進み量ΔLに関係して、ステップS3400での第1頭出し長さL1とステップS5450の第2頭出し長さL2とは次式の関係を満足するように設定されている。
【0074】
【数1】
L1 ≒ L2 + ΔL
すなわち、前記所定パルス数N2が、上記式を満足する第2頭出し長さL2分に相当する値に設定されている。
【0075】
したがって、ステップS5500が終了した時点では、記録紙158の実際の頭出し長さ、すなわち余白送り量は、記録処理におけるステップS3400の第1頭出し長さL1とほぼ同じとなる。このため記録処理でもコピー処理でも印刷出力される記録紙158の上端の余白が揃うことになる。
【0076】
なお、コピー用原稿もステップS5150にて搬送されて停止した位置から少し進むが、コピー用原稿のわずかな進みは読取センサ10aに対して十分に余裕が設定してあるので読取には問題はないし、記録紙158の上端の余白には関係しない。
【0077】
次いでギヤ切換用ソレノイド30aをオフ設定する。このギヤ切換用ソレノイド30aをオフしても、第2レバー116の爪部116aの先端が係止レバー121をコイルバネ30bの引っ張り力に抗して押し上げている。こうして、図11に示すコピーモードが達成される。
【0078】
次にこのコピーモードにて、原稿読取記録処理が行われる(S5550)。この原稿読取記録処理は、次に示すように、ステップS4150にて行われた原稿の読み取りと同様な原稿読取処理が行われ、同時に、サーマルヘッド12aが記録プラテンギヤ180側に押しつけられて、ステップS3500にて行われた記録紙158への記録と同様な記録処理(ただし、このコピー処理では、受信したファクシミリデータの印刷でなく、同時に行われる原稿読取処理にて読み取られたコピー用原稿の画像データの印刷である。)が行われる。
【0079】
すなわち、原稿読取処理としては、パルスモータ28aを正転させることにより、出力軸102、モータギヤ104、共通ギヤ106、共通太陽ギヤ108および第2遊星ギヤ112を介して、第2読取ギヤ120を左回転させる。更に回転力は第2読取ギヤ120から第1誘導ローラーギヤ122に伝達されて、第1誘導ローラーギヤ122と同軸の第1誘導ローラ122aを右回転させる。また、第1誘導ローラーギヤ122の回転力は、第3読取ギヤ124、第4読取ギヤ126、および読取プラテンギヤ128に伝達し、読取プラテンギヤ128と同軸の読取プラテン128aを左回転させる。更に、第4読取ギヤ126の回転力は、第5読取ギヤ130および第2誘導ローラーギヤ132に伝達され、第2誘導ローラーギヤ132と同軸の第2誘導ローラー132aを右回転させる。
【0080】
このことにより、ユーザにより差込口(図示していない)からファクシミリ装置2内部に挿入されたコピー用原稿は、第1誘導ローラ122aに誘導されて、原稿搬送路133を搬送され、読取プラテン128aの直前で図示していない原稿センサがコピー用原稿の先端を検出すると、コピー用原稿の先端が読取プラテン128aに達したタイミングで、読取センサ10aにてコピー用原稿の画像が読み取られる。
【0081】
読取センサ10aが読み取ったコピー用原稿の画像データは、一時的にRAM20内のバッファに蓄積される。また、記録処理としては、モータ部28の正転の回転力は、出力軸102、モータギヤ104、共通ギヤ106、共通太陽ギヤ108、第1遊星ギヤ110、第1給排紙ギヤ134、第2給排紙ギヤ136、第3給排紙ギヤ142、第4給排紙ギヤ144、第5給排紙ギヤ146、および第1給排紙太陽ギヤ148に至る。第1給排紙太陽ギヤ148では右回転となるので、レバー148aは右に揺動して、先端の第1給排紙遊星ギヤ150は第8給排紙ギヤ168に噛み合う。このことにより、回転力は、第8給排紙ギヤ168から第7給排紙ギヤ166、第6給排紙ギヤ164、および給紙ローラギヤ152に伝達される。ただし、このときは、給紙ローラギヤ152と同軸の給紙ローラ154自身は回転力が与えられない機構となっていて、記録紙158の移動に追随して回転する。
【0082】
更に、第2給排紙ギヤ136と同軸のレバー140は、第2給排紙ギヤ136の右回転により、先端の第2給排紙遊星ギヤ174が第9給排紙ギヤ176に噛み合う。したがって、第2給排紙ギヤ136の回転力は、同軸の第2給排紙太陽ギヤ138から第2給排紙遊星ギヤ174、第9給排紙ギヤ176、および記録プラテンギヤ180へ伝達される。こうして、記録プラテンギヤ180と同軸の記録プラテン162は左回転される。したがって、記録プラテン162と熱転写インクシートとの間の記録紙158は、サーマルヘッド12aにて印刷が実行された後、供給排出経路160上を排紙ローラ172方向へ搬送される。
【0083】
この原稿読取記録処理(S5550)にて、コピー用原稿1頁分を記録紙158の1枚に記録すると、次に、パルスモータ28aの励磁停止処理が行われて、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S5600)。次に、コピーモードから記録モードへとギヤの切り換えを行う(S5650)。
【0084】
すなわち、最初にギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定する。次に、パルスモータ28aを50パルス逆転させる。このことにより、出力軸102およびモータギヤ104を左回転させ、共通ギヤ106を右回転させて、第2レバー116と第2遊星ギヤ112とを第2読取ギヤ120から離し、第2レバー116の爪部116aを、係止レバー121の係止凹部121aにはめ込むことにより、第2遊星ギヤ112の位置を第2読取ギヤ120と第1給排紙ギヤ134とのほぼ中間に停止させる。このとき、第1遊星ギヤ110は一旦第1給排紙ギヤ134から離れる。
【0085】
次にパルスモータ28aを28パルス正転させて、出力軸102およびモータギヤ104を右回転させ、共通ギヤ106を左回転させて、第1遊星ギヤ110を再度、第1給排紙ギヤ134に噛み合わせる。このとき、第2レバー116の爪部116aは係止レバー121の係止凹部121aにはめ込まれているので、第2遊星ギヤ112は第2読取ギヤ120と第1給排紙ギヤ134とのほぼ中間の位置を維持する。こうして、図9に示した記録モードに戻る。
【0086】
次に、記録モードの状態で、パルスモータ28aを正転させ、記録プラテンギヤ180および排紙ローラ172を回転させて、記録紙158の後端が記録プラテン162とサーマルヘッド12aとの間に存在していた場合に、記録プラテン162とサーマルヘッド12aとの間から排除する(S5700)。
【0087】
次にパルスモータ28aの励磁停止処理が行われて、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S5750)。次に、記録モードから給排紙モードへとギヤの切り換えを行う(S5800)。
【0088】
すなわち、最初にギヤ切換用ソレノイド30aをオンに設定する。次に、パルスモータ28aを36パルス逆転させる。このことにより、係止レバー121の係止凹部121aは、第2レバー116の爪部116aから外れ、第2遊星ギヤ112は第1給排紙ギヤ134に突き当たって噛み合う。更に、第1遊星ギヤ110は第1給排紙ギヤ134を離れ、その後、第1レバー114の爪部114aが係止レバー121の先端に突き当たるので、第1遊星ギヤ110は、第1給排紙ギヤ134と第1読取ギヤ118とのほぼ中間で停止する。そして、ギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定する。ギヤ切換用ソレノイド30aがオフとなっても、係止レバー121の係止凹部121aから外れた第2レバー116の爪部116aが、コイルバネ30bの引っ張り力に抗して係止レバー121の戻りを阻止するので、第1レバー114の爪部114aが係止レバー121の先端から外れることはない。
【0089】
こうして、図8に示した給排紙モードに戻る。次に、コピー処理が終了か否かが判定される(S5850)。次のコピー用原稿が読取センサ10aの直前の位置に存在することが原稿センサにより検出されると、引き続きコピー用原稿のコピーを行う必要があるため(S5850にて「NO」)、ステップS5300の処理に戻る。なお、2枚目以降では、ステップS5300では記録紙158の給紙と同時に排出も同時に行われ、ステップS5550では、コピー用原稿の排出も同時に行われる。したがって、前述した処理にて、2枚目以降のコピー用原稿についても記録紙158上に画像が形成され、コピー用原稿が無くなるまでステップS5300〜S5800の処理が繰り返される。
【0090】
コピー用原稿が無くなれば(S5850で「YES」)、給排紙モードの状態で、パルスモータ28aの逆転による排紙ローラ172の左回転により記録済みの記録紙158の排出がなされる(S5900)。次にパルスモータ28aの励磁停止処理が行われて、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S5950)。
【0091】
次に、給排紙モードから読取モードへとギヤの切り換えを行う(S6000)。すなわち、最初にギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定する。次に、パルスモータ28aを45パルス正転させる。このことにより、第2遊星ギヤ112が左へ公転し、爪部116aは係止レバー121の係止凹部121aに落ち込み、第2遊星ギヤ112は第1給排紙ギヤ134と第2読取ギヤ120とのほぼ中間で停止する。
【0092】
次に、パルスモータ28aを40パルス逆転させる。このことにより、45パルスの正転で一旦、第1給排紙ギヤ134に突き当たった第1レバー114が、第1読取ギヤ118方向に戻る。しかし、このときは、爪部116aが係止凹部121aに落ち込んだ分、係止レバー121が左回転しているので、係止レバー121の先端は第1レバー114の爪部114aの進行方向から外れ、第1レバー114の爪部114aは係止レバー121の先端に突き当たることはなく、第1遊星ギヤ110は第1読取ギヤ118に突き当たって第1読取ギヤ118と噛み合う。
【0093】
このことにより、図10に示した読取モードに戻る。次に読取モードの状態で、パルスモータ28aを逆転させることにより、第1誘導ローラーギヤ122、読取プラテンギヤ128、第2誘導ローラーギヤ132等を回転させて、ファクシミリ装置2内部に残っているコピー用原稿を搬送して、完全にファクシミリ装置2の外部に排出する(S6050)。
【0094】
次にパルスモータ28aの励磁停止処理が行われて、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S6100)。次に、読取モードから初期モードへとギヤの切り換えを次のように行う(S6150)。
【0095】
まず、ギヤ切換用ソレノイド30aをオフに設定し、次に、パルスモータ28aを28パルス正転させる。このことにより、共通ギヤ106と共通太陽ギヤ108とが左回転する。このことにより、第1遊星ギヤ110は、第1レバー114とともに第1給排紙ギヤ134側に移動する。また、第2レバー116の爪部116aは係止レバー121の係止凹部121aにはまり込んでいるので、第2レバー116および第2遊星ギヤ112はその位置を維持している。
【0096】
そして次にパルスモータ28aを30パルス逆転させる。この逆転では第2遊星ギヤ112は、第2レバー116の爪部116aが係止レバー121の係止凹部121aにはまっているので移動しないが、第1遊星ギヤ110は、第1レバー114の右回転に伴って、第1給排紙ギヤ134から離れて第1読取ギヤ118に突き当たる。
【0097】
このパルスモータ28aの28パルスの正転および30パルスの逆転は、初期モードに正確に戻るために、読取モードの状態を確実にしておく目的で行われる。そして、パルスモータ28aを15パルス正転させることにより、第1遊星ギヤ110を第1読取ギヤ118と第1給排紙ギヤ134とのほぼ中間に移動して停止させる。こうして、ファクシミリ装置2は図7に示した初期モードに戻る。
【0098】
そして、パルスモータ28aの励磁停止処理が行われて、パルスモータ28aへの励磁電流の供給が停止される(S6200)。こうして、該当する処理が実行された後は、再度ステップS2000に戻って、ファクシミリデータの受信やユーザの指示を待つ。なお、図2においては、受信、送信あるいはコピーの処理のみ示しているが、この他の処理として、熱転写インクシート巻き取り処理や各種設定処理等の選択が可能である。
【0099】
本実施の形態では、コピー処理における記録モードでの記録紙頭出し(ステップS5450)においては、コピー処理以外の処理である記録処理における記録紙頭出し(ステップS3400)に比較して、ΔLだけ少ない第2頭出し長さL2分の頭出ししかしていない。この頭出しの不足は、コピーモードに移行するための第1遊星ギヤ110の噛み合わせ時における進み量ΔLにて補填され、結果として、実際の記録紙158の余白は、記録処理とコピー処理とで同じとなり、従来のように、頭出しを同一にしたために、実際の記録紙158の余白が異なるという問題を防止できる。
【0100】
本実施の形態では、コピーモードに移行するための第1遊星ギヤ110の噛み合わせ時には、実際の記録紙158が進んでしまうので、コピー処理における記録紙頭出し(ステップS5450)においては、コピー処理以外の処理(ここでは記録処理)における記録紙頭出し(ステップS3400)に比較して、小さい頭出し長さを設定したが、コピーモードに移行するための第1遊星ギヤ110の噛み合わせ時に記録紙158が戻ってしまうギヤ構成の場合には、コピー処理における記録紙頭出し(ステップS5450)においては、コピー処理以外の処理(ここでは記録処理)における記録紙頭出し(ステップS3400)に比較して、大きい頭出し長さを設定する。
【0101】
本実施の形態において、第1給排紙ギヤ134、第2給排紙ギヤ136、第2給排紙太陽ギヤ138、レバー140、第3給排紙ギヤ142、第4給排紙ギヤ144、第5給排紙ギヤ146、第1給排紙太陽ギヤ148、レバー148a、第1給排紙遊星ギヤ150、給紙ローラギヤ152、給紙ローラ154、記録プラテン162、第6給排紙ギヤ164、第7給排紙ギヤ166、第8給排紙ギヤ168、排紙ローラギヤ170、排紙ローラ172、第2給排紙遊星ギヤ174、第9給排紙ギヤ176、および記録プラテンギヤ180の組み合わせが記録紙搬送機構に該当し、第1読取ギヤ118、第2読取ギヤ120、第1誘導ローラーギヤ122、第1誘導ローラ122a、第3読取ギヤ124、第4読取ギヤ126、読取プラテンギヤ128、読取プラテン128a、第5読取ギヤ130、第2誘導ローラーギヤ132、および第2誘導ローラー132aの組み合わせが原稿搬送機構に該当し、共通ギヤ106、共通太陽ギヤ108、第1遊星ギヤ110、第2遊星ギヤ112、第1レバー114、爪部114a、第2レバー116、爪部116a、係止レバー121、係止凹部121a、およびコイルバネ30bが切換手段に該当し、図2〜図6に記載の処理が制御部としての処理に該当する。
【0102】
[その他]前述した実施の形態は、ファクシミリ装置としての例であるが、例えば、プリンタ機能を有するコピー装置を挙げることもでき、図5および図6の処理がコピー装置としての処理となり、図3の処理がプリンタとしての処理となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されたファクシミリ装置の制御系統を示すブロック図である。
【図2】 CPUが実行するファクシミリ制御処理のフローチャートである。
【図3】 ファクシミリ制御処理の内の記録処理のフローチャートである。
【図4】 ファクシミリ制御処理の内の原稿読取処理のフローチャートである。
【図5】 ファクシミリ制御処理の内のコピー処理の一部のフローチャートである。
【図6】 ファクシミリ制御処理の内のコピー処理の一部のフローチャートである。
【図7】 初期モードにおけるファクシミリ装置の内部機構状態を示す説明図である。
【図8】 給排紙モードにおけるファクシミリ装置の内部機構状態を示す説明図である。
【図9】 記録モードにおけるファクシミリ装置の内部機構状態を示す説明図である。
【図10】 読取モードにおけるファクシミリ装置の内部機構状態を示す説明図である。
【図11】 コピーモードにおけるファクシミリ装置の内部機構状態を示す説明図である。
【符号の説明】
2…ファクシミリ装置 4…操作パネル 10…読取部10a…読取センサ 12…記録部 12a…サーマルヘッド16…CPU 18…ROM 20…RAM22…ネットワークコントロールユニット(NCU) 24…モデム26…センサ部 28…モータ部 28a…パルスモータ30…ソレノイド部 30a…ギヤ切換用ソレノイド30b…コイルバネ 32…バスライン 96,98…支持フレーム102…パルスモータの出力軸 104…モータギヤ 106…共通ギヤ106a…共通の軸 108…共通太陽ギヤ 110…第1遊星ギヤ112…第2遊星ギヤ 114…第1レバー 114a…爪部116…第2レバー 116a…爪部 118…第1読取ギヤ120…第2読取ギヤ 121…係止レバー 121a…係止凹部122…第1誘導ローラーギヤ 122a…第1誘導ローラ124…第3読取ギヤ 126…第4読取ギヤ 128…読取プラテンギヤ128a…読取プラテン 130…第5読取ギヤ132…第2誘導ローラーギヤ 132a…第2誘導ローラー133…原稿搬送路 134…第1給排紙ギヤ 136…第2給排紙ギヤ138…第2給排紙太陽ギヤ 140…レバー 142…第3給排紙ギヤ144…第4給排紙ギヤ 146…第5給排紙ギヤ148…第1給排紙太陽ギヤ 148a…レバー150…第1給排紙遊星ギヤ 152…給紙ローラギヤ 154…給紙ローラ156…給紙トレー 158…記録紙 160…供給排出経路162…記録プラテン 164…第6給排紙ギヤ 166…第7給排紙ギヤ168…第8給排紙ギヤ 170…排紙ローラギヤ 172…排紙ローラ174…第2給排紙遊星ギヤ 176…第9給排紙ギヤ180…記録プラテンギヤ

Claims (5)

  1. 記録紙上に印刷する記録部と、原稿の画像を読み取る読取部と、
    記録紙を搬送する記録紙搬送機構と、
    原稿を搬送する原稿搬送機構と、
    出力軸からの回転力を、前記記録紙搬送機構のみに伝達させる記録モード、前記原稿搬送機構のみに伝達させる読取モード、および前記記録紙搬送機構と前記原稿搬送機構との両方に伝達させるコピーモードを含む複数のモードのいずれかのモードに切り換える切換手段と、
    前記切換手段の駆動により、少なくとも前記記録モードを含めたモードを実行することで、前記記録紙搬送機構にて記録紙を搬送して前記記録部を通過させることにより印刷データに基づいて前記記録部にて記録紙に印刷させる記録処理、少なくとも前記読取モードを含めたモードを実行することで、前記原稿搬送機構にて原稿を搬送して前記読取部を通過させることにより前記読取部にて原稿の画像を読み取らせて画像データを得る読取処理、および少なくとも前記コピーモードを含めたモードを実行することで、前記原稿搬送機構にて原稿を搬送して前記読取部を通過させることにより前記読取部にて原稿の画像を読み取らせて画像データを得、同時に、前記記録紙搬送機構にて記録紙を搬送して前記記録部を通過させることにより前記画像データに基づいて前記記録部にて記録紙に印刷させるコピー処理を含む複数の処理から選択して、該当する処理の動作を行わせる制御部と、
    を備えた印刷装置であって、
    前記切換手段は、前記出力軸の回転力の伝達を仲介する仲介部材を1つまたは複数備えて、前記出力軸の回転によって実現する前記仲介部材の公転位置により、前記記録紙搬送機構のみ、前記原稿搬送機構のみ、あるいは前記記録紙搬送機構と前記原稿搬送機構との両方に、前記仲介部材が前記出力軸の回転力を伝達することで、前記記録モード、前記読取モードおよび前記コピーモードのいずれかを実現し、
    前記制御部は、前記コピー処理における前記コピーモードの直前に前記記録モードを実行して、記録紙の頭出しを行うとともに、該頭出しに際しては、前記コピー処理以外の処理における前記記録モードによる記録紙の頭出しに比較して、記録紙の余白とする余白送り量を異ならせることにより、記録紙に形成される実際の余白を、処理間でほぼ同一とすることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記仲介部材は、太陽歯車と遊星歯車との組み合わせからなり、
    前記切換手段は、
    前記出力軸の回転により回転する前記太陽歯車に噛み合って公転する前記遊星歯車の公転位置により、前記記録紙搬送機構のみ、前記原稿搬送機構のみ、あるいは前記記録紙搬送機構と前記原稿搬送機構との両方に、前記遊星歯車が噛み合って前記出力軸の回転力を伝達することで、前記記録モード、前記読取モードおよび前記コピーモードのいずれかを実現することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記太陽歯車1つに対して前記遊星歯車は第1および第2の2つの遊星歯車からなり、
    前記切換手段は、
    前記記録モード実行時には、前記第1の遊星歯車の公転位置の調整により、前記第1の遊星歯車を前記記録紙搬送機構に噛み合せて、前記記録紙搬送機構に前記出力軸の回転力を伝達させ、
    前記読取モード実行時には、前記第1の遊星歯車の公転位置の調整により、前記第1の遊星歯車を前記原稿搬送機構に噛み合せて、前記原稿搬送機構に前記出力軸の回転力を伝達させ、
    前記コピーモード実行時には、前記第1の遊星歯車の公転位置の調整により、前記第1の遊星歯車を前記記録紙搬送機構に噛み合せて、前記記録紙搬送機構に前記出力軸の回転力を伝達させ、前記第2の遊星歯車の公転位置の調整により、前記第2の遊星歯車を前記原稿搬送機構に噛み合せて、前記原稿搬送機構に前記出力軸の回転力を伝達することを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
  4. 前記制御部は、
    前記コピー処理における前記コピーモードの直前に行う前記記録モードにては、前記第1の遊星歯車の公転位置の調整により、前記第1の遊星歯車を前記記録紙搬送機構に噛み合せて、前記記録紙搬送機構に前記出力軸の回転力を伝達させることで、記録紙の頭出しを行うとともに、
    該頭出しでは、コピー処理以外の処理における記録紙の頭出しのために行う記録モードに比較して、前記余白送り量を少なくすることにより、記録紙に形成される実際の余白を、処理間でほぼ同一とすることを特徴とする請求項3記載の印刷装置。
  5. 前記読取処理は、原稿の画像を他のファクシミリに送信するために行い、前記記録処理は、他のファクシミリから受信した画像を記録紙に記録するために行うことにより、ファクシミリとして形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の印刷装置。
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