JP3823225B2 - 偏光樹脂製レンズ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、偏光フイルムの接合が強固であり、防眩性が持続すると共に、生産性に優れた偏光樹脂製レンズとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂よりなるレンズの表面に偏光フイルムを接着させて構成した偏光樹脂製レンズとその製造方法は知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の偏光樹脂製レンズは、レンズ基体の表面に接着剤を塗布して偏光フイルムを重ね、両者を接着させて構成するが、接着時に偏光フイルムが所定の位置から逸れたり、しわ等になり易く、偏光フイルムの接着に難点があるばかりか、短期間で防眩性能が劣化する問題点、偏光樹脂製レンズの歩留りが悪くて生産効率が低く、コスト高になる欠点があった。
この発明は、上述の欠点を解消することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の偏光樹脂製レンズの製造方法は、樹脂製のレンズ基体の表面に偏光フイルムを接着した偏光樹脂製レンズの製造方法において、レンズ基体の形状に合わせて偏光フイルム成形体を成形する工程と、前記偏光フイルム成形体の両面にプライマを塗布して乾燥する工程と、プライマを塗布した前記偏光フイルム成形体を成形型の凹面に載置し、その上面の全体に、均一な肉厚のUV系接着剤層を形成する工程と、前記UV系接着剤層の上に前記レンズ基体を重ね、偏光フイルム成形体とレンズ基体とを加圧する工程と、UV照射により前記UV系接着剤層を固化させてレンズ積層基体を形成する工程と、前記レンズ積層基体を前記成形型から離型した後、前記成形型の凹面に熱硬化性樹脂モノマーを均一な肉厚で充填して熱硬化性樹脂モノマー層を形成する工程と、前記熱硬化性樹脂モノマー層の上に前記レンズ積層基体を載置して加熱し、熱硬化性樹脂モノマーを重合・硬化させ、熱硬化性樹脂モノマー層と前記レンズ積層基体とを接合する工程とを有する方法としてある。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る偏光樹脂製レンズ及びその製造方法の実施例を模型的な図面に基づき、詳細に説明する。
偏光樹脂製レンズ1は、主として、レンズ基体2と偏光フイルム成形体4とから構成される。
【0006】
レンズ基体2は、従来から用いられている樹脂をキャスティング法や射出成形法等で成形した透明又は半透明の樹脂製で、直径65mm〜100mm程度の円形を呈し、その側面形状は円錐状凸面形をなしている。
【0007】
偏光フイルム成形体4は、ポリビニルアルコール(PVA)やポリカーボネイト(PC)、ポリアクリレート(PA)から製作された薄いフイルムを二個の成形型に挟み、加熱・押圧してレンズ基体2表面に適応するカーブ面を付与させ、冷却してから離型したもので、該偏光フイルム成形体4を適数準備すると共に、その表裏両面にプライマーを塗布し、乾燥処理されている。
【0008】
なお、偏光フイルムの成形型としては、ガラス製や金属製が好適である。
【0009】
次に、レンズ基体2の表面側に対応する円錐状凹面を有した成形型7上に偏光フイルム成形体4を重ねて載置し、該偏光フイルム成形体4の上面にUV系接着剤を適量塗布して均一なUV系接着剤層3を形成させると共に、このUV系接着剤層3の上にレンズ基体2の表面(円錐状凸面)を対応させて重ね、成形型7とレンズ基体2の両者を短時間加圧し、レンズ基体2の表面に偏光フイルム成形体4を一旦仮接着させる。この様に、偏光フイルム成形体4がレンズ基体2の表面に仮接着された状態で成形型7から取り外すことなくそのままUV照射装置に導き(図示せず)、成形型7の上方から10秒〜120秒間UV照射し、一次貼り合わされたレンズ積層基体5とすると共に、前記レンズ積層基体5を成形型7から一旦離型させる。
又、成形型7の凹面に適量の熱硬化性樹脂モノマーを均一に充填させ、この熱硬化性樹脂モノマー上に前記レンズ積層基体5を載置し、無酸化雰囲気恒温式オープンに(図示せず)に入れ、35°C〜90°Cの温度で8〜20時間かけて熱硬化性樹脂モノマーを重合・硬化させ、偏光樹脂製レンズ1を製作する。
なお、熱硬化性樹脂モノマーとしては、CR−39(アリルジグリコールカーボネイト)やTS−16(ジエチレンビスアリルカーボネイト)が好適であるけれど、これに限定するものではない。
図中6は薄い熱硬化性樹脂モノマー層を示し、この熱硬化性樹脂モノマー層6はレンズ積層基体5の表面部を被う薄いレンズの役目を果たす。
【0010】
無酸化雰囲気恒温式オープン内は窒素ガスのような不活性ガスで充満され、無酸化雰囲気中での熱重合となり、重合・硬化作用が一層促進される。
【0011】
8は成形型7を安定化するために使用する成形架台である。
【0012】
前記の偏光樹脂製レンズ1は、主としてサングラス用に供されるが、この偏光樹脂製レンズ1には、度の入っていないもの、度の入っているものがあることは言うまでもない。
【0013】
【発明の効果】
この発明に係る偏光樹脂製レンズ1は、偏光フイルムをレンズ基体2の形状に略合致するよう成形させ、該偏光フイルム成形体4の両面にプライマを塗布して乾燥させる。次に、この偏光フイルム成形体4を成形型7の凹面に載置し、その上面全体にUV系接着剤を均一に塗布してUV系接着剤層3を形成させる。又、前記UV系接着剤層3上にレンズ基体2を重ね、多少加圧して偏光フイルム成形体4とレンズ基体2を一旦仮接着させ、これをUV照射装置に導入してUV照射した後、レンズ基体2と偏光フイルム成形体4の接合体であるレンズ積層基体5を成形型7から一旦離型させる。更に、成形型7の凹面に適量の熱硬化性樹脂モノマーを均一に充填させ、この熱硬化性樹脂モノマー上に前記レンズ積層基体5を載置し、無酸化雰囲気恒温式オープンに(図示せず)に入れ、加熱して熱硬化性樹脂モノマーを重合・硬化させて偏光樹脂製レンズを製作する方法を採用するから、偏光フイルム成形体4が所定の位置から逸れたり、しわになる等の事態は皆無となり、レンズ基体2と偏光フイルム成形体4が完全に接合化される効果と、偏光樹脂製レンズ1の性能が歪みのない安定的な状態を長期間にわたり持続する効果、防眩性能が劣化しない効果がある。
又、歩留りが著しく向上するので生産効率が良くなり、偏光樹脂製レンズ1の製造コストの低下が図れる効果がある。
更に、成形型7の凹面に適量の熱硬化性樹脂モノマーを均一に充填させ、この熱硬化性樹脂モノマー層6上に前記レンズ積層基体5を載置し、無酸化雰囲気恒温式オープンに入れ、加熱して熱硬化性樹脂モノマーを重合・硬化させるから、熱硬化性樹脂モノマー層6はレンズ積層基体5の表面部を被う薄いレンズの役目を果たす効果と、貼り合わせ接合が完全なものとなり、しかも、傷がつき難く、長期使用に耐える効果がある。
なお、この偏光プラスチック製レンズ1は、従来公知の偏光レンズと略同じ程度の偏光度が90%以上あり、反射光のギラ付きを完全に防ぎ得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は偏光樹脂製レンズの正面図である。 (b)は偏光樹脂製レンズの中央部縦断面図である。
【図2】 偏光樹脂製レンズを分解状態とした説明図である。
【図3】 偏光樹脂製レンズの製法を示す要部の中央部縦断面図である。
【符号の説明】
1 偏光樹脂製レンズ
2 レンズ基体
3 UV系接着剤層
4 偏光フイルム成形体
5 レンズ積層基体
6 熱硬化性樹脂モノマー層
7 成形型
8 成形架台
Claims (1)
- 樹脂製のレンズ基体の表面に偏光フイルムを接着した偏光樹脂製レンズの製造方法において、
レンズ基体の形状に合わせて偏光フイルム成形体を成形する工程と、
前記偏光フイルム成形体の両面にプライマを塗布して乾燥する工程と、
プライマを塗布した前記偏光フイルム成形体を成形型の凹面に載置し、その上面の全体に、均一な肉厚のUV系接着剤層を形成する工程と、
前記UV系接着剤層の上に前記レンズ基体を重ね、偏光フイルム成形体とレンズ基体とを加圧する工程と、
UV照射により前記UV系接着剤層を固化させてレンズ積層基体を形成する工程と、
前記レンズ積層基体を前記成形型から離型した後、前記成形型の凹面に熱硬化性樹脂モノマーを均一な肉厚で充填して熱硬化性樹脂モノマー層を形成する工程と、
前記熱硬化性樹脂モノマー層の上に前記レンズ積層基体を載置して加熱し、熱硬化性樹脂モノマーを重合・硬化させ、熱硬化性樹脂モノマー層と前記レンズ積層基体とを接合する工程と、
を有することを特徴とする偏光樹脂製レンズの製造方法。
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