JP3823084B2 - 祭礼用股引 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、祭りなどの際に着用される股引に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日本の全国各地で行われる祭りには、伝統的な衣装や装束が用いられる。そして、下半身には、股引やパッチなどと呼ばれる衣装が着用される。なお、本願では、これらの下半身に着用する衣装を総称して股引と呼ぶこととする。
【0003】
図7は、従来の祭り用の股引100を示したものである。従来の祭り用の股引100は、下側には両足を挿入して覆うための足挿入部110と、腰覆い部111を有している。足挿入部110は、筒状であって、上側と下側に開口118,119を有している。足挿入部110はそれぞれ一枚の布の両端を縫製して接合し、筒状に成形したものであり、図7の様に後側に、布合わせ目115を有している。
【0004】
腰覆い部111は、布状または風呂敷状であり、大きく広がる布形状をしている。また腰覆い部111の両端には、それぞれ腰ひも112が設けられている。腰覆い部111の布状部分には腰ひも通し穴113が設けられている。
腰覆い部111は足挿入部110の上側に縫製接続されている。そのため従来の股引100では、腰覆い部111は正面に図7(a)の様に布があり、背面側は大きく開いている。
そして足挿入部110と腰覆い部111により、体の下半身が覆われる。
【0005】
従来の股引100を着衣する場合には、以下のように行う。
まず、足挿入部110に両足を挿入する。そして腰覆い部111の正面部分120で腹を覆う。
次に、腰覆い部111の両端部を体の側方から後に回して、体の腰を包む。このとき、体の右側(図7(b)において右側)から後に回した腰覆い部111の一方の腰ひも112を、体の左側で反対側の腰覆い部111の内側を通し、さらに、腰ひも通し部113に通して股引の前側に引っ張る。そして、他方の腰ひも112は、腰覆い部111の外側から前に回して、一方の腰ひも112と結んで体に固定し、着衣する。
すなわち従来技術の股引100では、腰覆い部111が布状または風呂敷状であり、尻を包み込んで覆うように着衣する。
【0006】
上記のように着衣すると、図8(a),(b)に示されるような状態となる。正面図である図8(a)に示されるように、体の前側で腰ひも112は結ばれている。
また、体の後側から見た図である図8(b)に示されるように、体の後側で腰覆い部111の両端が臀部付近で重なり合って、重なり部121を有している。そして、重なり部121の右端(図8(b)において右端)には、合わせ目すき間123ができる。
【0007】
さらに、祭りの際には腹当てを着用する。腹当ては、帯状の布を輪状にしたものであり、いわゆる腹巻きのような形状であり、へそ辺りに位置して着用され、腰当ての一番上部がへそよりも上側に位置する。
そして、股引及び腹当てを身にまとった姿は、勇壮なだんじり祭りなどにおいて、特に祭りをを引き立てるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の股引100は、伝統的な理由により、古くから同じ様な形態のものが用いられているが、この股引100の着衣や脱衣は、行い難いものである。すなわち、股引100を着衣する際には、股引100の腰ひも112を一旦後側に回すことが必要なため、目の届かないところで行わなければならない。また、股引100と腹当ての2種類を着用しなければならず、面倒である。また従来技術の股引100は、前記した様に腰覆い部111が布状または風呂敷状であり、尻を包み込んで覆うように着衣するので、形を整えにくく、且つ着崩れしやすい。
そして従来技術の股引100は、用便が面倒であった。すなわち従来技術の股引100は、腰覆い部111が布状または風呂敷状であり、腰覆い部111の正面部分120で腹を覆うので、股の部分に布の切れ目がない。そのため男子は、小用を行いにくい。また女子は、腰ひも112を解いて腰覆い部111を外さなければ用を足すことができず、用便の際に腰ひも112が垂れて面倒である。
【0009】
一方、従来技術の股引100は、布状または風呂敷状の腰覆い部111をもって尻の部分を包むように着衣するから、尻の部分に合わせ部分が位置する。まただんじり祭りや踊りの際には、時として激しい動きをすることもある。そのため従来の股引100では、激しい動きをすると着崩れし、臀部付近の合わせ部分が開き、尻が見えるという問題もあった。すなわち、腰覆い部111は、単に布を巻いて、腰ひも112結ぶだけで固定されているので、腰ひも112がゆるむと、合わせ目すき間123が大きくなり、股引100の内側が見えてしまう。
【0010】
また、祭りの際に、股引を着用した状態で、小銭入れなどの小物を携帯することがあり、この小物を確実に収納できるポケットも求められていた。
【0011】
そこで本発明は、祭りの際に行う着替えの時や、用を足す際に必要であった着衣や脱衣を容易にするものであり、また、股引内部が見えることがなく、さらに、股引を着用した状態の外観を従来の股引と同様なものとして、伝統性を損なわない股引を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そして、上記した目的を達成するための請求項1の発明は、左右の足を挿入する部分を形成する左足パーツ及び右足パーツと、布重複部が設けられる臀部パーツと、長尺帯状である腹当て部と、前記腹当て部の外側に位置して前側において結ばれる腰ひもとを有するものであり、着用状態では、左右の足パーツによって形成される部分に足が挿入され、布重複部によって臀部の一部又は全部が覆われ、腹当て部は前側において重なるようにして腹の全周を覆って巻き付けられて着用時における高さがへその上まで至っており、さらに、腰ひもが腹当て部の外側で結ばれるものであり、左足パーツ、右足パーツ、臀部パーツ及び腹当て部は縫合されて、後側に合わせ目すき間が形成されないように臀部及び下腹部を覆う下腹覆い部を形成するものであり、左右の足パーツのそれぞれの後側における、足パーツ自身及び足パーツと臀部パーツの縫合部分からなるラインが略Y字を形成していることを特徴とする祭礼用股引である。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、祭礼用股引には腹当てを有しており、腹当てと足挿入部が別々ではないため、着衣及び脱衣が容易となる。さらに、前側において重なるようにして腹の全周を覆って巻き付けられる腹当て部を有するので、さらに着衣及び脱衣が容易であり、股引の密着性が優れる。そして、この腹当て部は、長さが前記下腹覆い部の周長よりも長く、腹当て部は着用時に腹の全周を覆って巻き付け可能であり、さらに腹の前面側においては腹当て部が二重以上に重なるものを用いることができる。
また、従来の股引に有していた、合わせ目のすき間がなく、固定がゆるんだとしても内部が見えることはない。
さらに、本発明の祭礼用股引の着衣すると従来の衣装と略同じとなり、伝統的な祭りの衣装となる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、左右の足を挿入する部分を形成する左足パーツ及び右足パーツと、布重複部が設けられる臀部パーツと、腹当て部とを有するものであり、布重複部の形状は、下端側の面積が小さく上部に向かって漸次面積が増大し、布重複部の下端は股の分かれ目近傍にあり、布重複部の上端は腰部近傍にあり、着用状態では、左右の足パーツによって形成される部分に足が挿入され、布重複部によって臀部の一部又は全部が覆われ、腹当て部の着用時における高さがへその上まで至っており、左足パーツ、右足パーツ、臀部パーツ及び腹当て部は縫合されて、後側に合わせ目すき間が形成されないように臀部及び下腹部を覆う下腹覆い部を形成するものであり、左右の足パーツのそれぞれの後側における、足パーツ自身及び足パーツと臀部パーツの縫合部分からなるラインが略Y字を形成していることを特徴とする祭礼用股引である。
【0015】
上記発明によれば、下腹覆い部の臀部には布重複部が設けられているので、臀部付近の、股引の内側に着用している下着が透けて見えにくい。
【0016】
請求項3に記載の発明は、着用時の股の分かれ目の前側上部近傍には開口又は上部に繋がる切れ目が設けられ、当該開口又は切れ目にファスナーが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の祭礼用股引である。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、股の分かれ目の前側上部近傍には開口又は上部に繋がる切れ目が設けられ、当該開口又は切れ目にファスナーが設けられているので、祭礼用股引の着衣や脱衣が容易になり、さらに、男性は祭礼用股引を着用したままでも小便をすることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、左右の足を挿入する部分を形成する左足パーツ及び右足パーツと、布重複部が設けられる臀部パーツと、長尺帯状である腹当て部と、前記腹当て部の外側に位置して前側において結ばれる腰ひもとを有するものであり、布重複部の形状は、下端側の面積が小さく上部に向かって漸次面積が増大し、布重複部の下端は股の分かれ目近傍にあり、布重複部の上端は腰部近傍にあり、着用状態では、左右の足パーツによって形成される部分に足が挿入され、布重複部によって臀部の一部又は全部が覆われ、腹当て部は前側において重なるようにして腹の全周を覆って巻き付けられて着用時における高さがへその上まで至っており、さらに、腰ひもが腹当て部の外側で結ばれるものであり、
着用時の股の分かれ目の前側上部近傍には開口又は上部に繋がる切れ目が設けられ、当該開口又は切れ目にファスナーが設けられ、左足パーツ、右足パーツ、臀部パーツ及び腹当て部は縫合されて、後側に合わせ目すき間が形成されないように臀部及び下腹部を覆う下腹覆い部を形成するものであり、左右の足パーツのそれぞれの後側における、足パーツ自身及び足パーツと臀部パーツの縫合部分からなるラインが略Y字を形成していることを特徴とする祭礼用股引である。
【0019】
上記発明の祭礼用股引は、着衣及び脱衣が容易であり、強固に固定でき、さらに、股引内部が見えることない股引であり、伝統的な祭りの衣装として使用できる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、布重複部は臀部の一部又は全部を覆い、布重複部の形状は、下端側の面積が小さく上部に向かって漸次面積が増大し、布重複部の下端は股の分かれ目近傍にあり、布重複部の上端は腰部近傍にあり、布重複部の上端の横方向の幅は、当該部分における胴周の30%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の祭礼用股引である。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、布重複部の面積が十分な大きさとなり、さらに、内側の下着が透けて見えにくい。
【0022】
請求項6に記載の発明は、腹当て部の端部を固定する腹当て固定部材を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の祭礼用股引である。
【0023】
また請求項7に記載の発明は、腹当て固定部材は面ファスナーであることを特徴とする請求項6に記載の祭礼用股引である。
【0024】
請求項6及び請求項7に記載の発明によれば、腹当て部の端部を腹部に固定する腹当て固定部材を有するので、腹当ての固定が容易となり、特に請求項7の発明によれば、腹当てが強固に固定することができる。
【0025】
また、本発明は、パーツを縫合することによって構成され、臀部を構成するパーツは、足挿入部の前面側を構成するパーツとは別個であり、臀部を構成するパーツは、足挿入部の背面側に至って足挿入部の前面側を構成するパーツと縫合されていることを特徴としている。
【0026】
上記構成によれば、パーツを縫合することによって構成され、臀部を構成するパーツは、足挿入部の前面側を構成するパーツとは別個であり、臀部を構成するパーツは、足挿入部の背面側に至って足挿入部の前面側を構成するパーツと縫合されているので、容易に製作でき、また、着用の際には従来の股引に近い外観状態となる。
【0027】
請求項8に記載の発明は、もの入れが設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の祭礼用股引である。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、祭礼用股引を着用した状態で小物などを容易に携帯できる。
【0029】
請求項9に記載の発明は、腰ひもが設けられていることを特徴とする請求項2、3、5〜8のいずれかに記載の祭礼用股引である。
【0030】
請求項9に記載の発明によれば、腰ひもによってさらに強固に股引を固定することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下さらに本発明の具体的実施例について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態における祭礼用股引の正面図である。図2は、本発明の第1の実施形態における祭礼用股引の面ファスナーを開けた状態での正面図である。図3は、本発明の第1の実施形態における祭礼用股引の裏面図である。図4は、本発明の第2の実施形態における祭礼用股引の面ファスナーを開けた状態での正面図である。図5は、本発明の第1の実施形態における祭礼用股引を着衣した状態での図であり、(a)は正面図であり、(b)は裏面図である。図6は、本発明の第1の実施形態における祭礼用股引をパーツごとに分解した際の裏面図である。
【0032】
本発明の第1の実施形態における祭礼用股引1は、図1に示されるものであり、左右の足を個別に挿入する足挿入部6と、臀部及び下腹部を覆う下腹覆い部5と、長尺帯状の腹当て部7を有している。そして、下腹覆い部5は、一個の筒状体であり、足挿入部6の上側で接続し、さらに下腹覆い部5の上側の腹当て接続部40で、腹当て部7に接続している。
また、祭礼用股引1の上側である、腹当て部7の上側には、上側開口10を有し、祭礼用股引1の下側である、足挿入部6の下側には、足先を出すための2つの足先開口11を有している。足先開口11の前側は、切り欠き35を有し、この切り欠き35は、着用時には足の甲の部分に位置して、デザイン的に足袋と一体化した状態となる。
上記のように構成されているので、祭礼用股引1の内部は、上部開口10から股分かれ部19で2つに分かれて足先開口11に至る空間を有している。
【0033】
さらに、祭礼用股引1の前側のほぼ中央には、図2に示されるように、上側開口10から股分かれ部19にかけて、切れ目12を有している。そして、この切れ目12によって、股分かれ部19から腹当て部7の上側までは、切れ目12の両側で分離することができる。さらに、切れ目12には、ファスナー13が取り付けられ、ファスナー13を閉じることによって切れ目12は合わせることができる。
【0034】
次に、腹当て部7について図2を用いて説明する。腹当て部7は帯状の部材であり、腰回りを一周する長さよりもやや長い長さである。
より具体的には、腹当て部7の長さは、腰回りを一周する長さよりも20%以上長い。最も望ましくは、腰回りを一周する長さよりも25%程度長い。
また腹当て部7の幅Wは、へその上下をすっぽりと覆うのに十分なものであり、12cm以上であり、より望ましくは14cm〜20cmである
前記した様に腹当て部7の幅Wは、へその上下をすっぽりと覆うのに十分なものであり、足挿入部6の股がみwの40%から70%程度である。またより望ましい範囲は、55%から65%である。
【0035】
そして、腹当て部7は、祭礼用股引1に使用している布を2枚重ね合わせており、他の部分より厚く、硬くなっている。従って、強固に固定することができる。
そして、腹当て部7は、下腹覆い部5の上側で下腹覆い部5と接続している。具体的には、腹当て部7の長手方向の一方の端部17を切れ目12に合わせ、この位置から胴回りを1周して再び切れ目12に至る部分で接続している。さらに、他方の端部18側は、腰回りを一周する長さよりもやや長いので、腹当て部7と固定されない部分であるはみ出し部21を有する。
【0036】
また、本発明の股引1の腹当て部7を巻くと、はみ出し部21の部分は、はみ出し部合わせ部20と重なる。そして、図2のように、この重なりの部分は、前側に位置している。
なお前記した様に腹当て部7の長さは、腰回りを一周する長さよりも25%程度長く、図1の様に祭礼用股引1を正面視すると、はみ出し部21の端部は、正面側の端部に至る。すなわち本実施形態では、腹当て部7は着用時に腹の全周を覆って巻き付け可能であり、さらに腹の前面側であって、略中央部よりも片側の全域(図1のエリアa)においては、腹当て部が二重に重なる。
【0037】
はみ出し部21とはみ出し部合わせ部20には腹当て固定部材15を有している。腹当て固定部材15は、面ファスナー15a,15bにより構成され、面ファスナー15aは、はみ出し部21の裏側に、面ファスナー15bは、はみ出し部合わせ部20の表側に設けられている。ここで、裏側は股引の体側をいい、表側は股引の外側のことを意味する。面ファスナー15a及び面ファスナー15bは長方形であり、体の上下方向に長辺となるように位置している。そして、面ファスナー15aと面ファスナー15bを合わせて押しつけると強固に接合し、また、接合状態で剥離方向にめくると容易に外れるものである。この一対の面ファスナー15a,15bは、具体的には、マジックテープ(登録商標)と称されるものである。また、はみ出し部合わせ部20の表側の面ファスナー15bの胴回り方向の幅は、はみ出し部21の面ファスナー15aの胴回り方向の幅よりも大きい。したがって、胴回りの長さが多少変化しても面ファスナー15a,15bが接合でき、調整が可能となる。
【0038】
さらに、腹当て部7の外側には、腰ひも8を有している。
腰ひも8は、細いひも状であり、図3に示されるように、腹当て部7の後側に有する腰ひも通し部9に通されている。長さは、胴回りを一周する長さよりも長い。また、腰ひも8は、腰ひも通し部9内を自由に移動させることができる。
【0039】
そして、祭礼用股引1には図2に示されるように、外ポケット30と内ポケット31を備えている。
外ポケット30は、腹当て部7のはみ出し部合わせ部20よりも下側であり、祭礼用股引1の右側(図2においては図の左側)に位置しており、外側に切れ目30aを有し、内側に袋部30bを有して、小物を切れ目から入れて袋部30bに入れることにより、小物を収納することができる。この外ポケット30は、腹当て部7を巻いた状態でも切れ目30aが外側に位置しており、祭礼用股引1を着用した状態で出し入れできる。
内ポケット31は、腹当て部7の内側であり、祭礼用股引1の右側(図2においては図の左側)に位置しており、切れ目31aと、内側に袋部31bを有して、小物を切れ目31aから入れて袋部31bに入れることにより、小物を収納することができる。
また、外ポケット30の切れ目30aには面ファスナー30cが、内ポケット31の切れ目31aには面ファスナー31c設けられ、収納した小物が外に出ることはない。
【0040】
そして、図3に示されるように下腹覆い部5の後側には、布が2重となり他の部分よりも厚い部分である、臀部布重複部22を有している。臀部布重複部22の形状は、直線部分を上にした略半楕円状であり、したがって、臀部布重複部22の下端側の幅が小さく、上部に向かって漸次幅が大きくなる形状である。
また、下側は股分かれ部19付近に位置し、上側は下腹覆い部5の上端付近に位置している。臀部布重複部22の直線部分の幅は下腹覆い部5の胴周長さの約35%である
【0041】
また、祭礼用股引1は、パーツを縫合することによって構成されている。図6は主なパーツに分けて分解して裏側から見た図であり、祭礼用股引1は左足パーツ37、右足パーツ38、臀部パーツ39及び腰当て7に分かれている。
そして、左足パーツ37と右足パーツ38は、切れ目12のファスナー13で合わせられている。また、左足パーツ37及び右足パーツ38と、臀部パーツ39は上側布合わせ部23で縫合されている。さらに、臀部パーツ39と腹当て部7は、腹巻き接続部40で縫合されている。また、左足パーツ37及び右足パーツ38はそれぞれ下側に有する下側布合わせ目24で布が縫合されて筒状となっている。
【0042】
上記のように布が縫合されているので、縫合部分は後側に有し、略「Y」字状となる。すなわち、下側布合わせ目24の下側は、足先開口11につながり、上側布合わせ目23の上側の一方は股分かれ部19付近に、上側の他方は下腹覆い部5の体の側部方向に向かって腹当て接続部40の側方に至る。
したがって、祭礼用股引1は、パーツを縫合することによって構成され、臀部パーツ39は、足挿入部の前面側を構成する左足パーツ37及び右足パーツ38と別個のパーツである。また、臀部パーツ39は、足挿入部の背面側に位置し、足挿入部の前面側に位置している左足パーツ37及び右足パーツ38と縫合されている。
【0043】
そして、この下側布合わせ目24の足先開口11付近には、図5(b)に示されるように切れ目25を有し、切れ目25には面ファスナー27が設けられ、面ファスナー27で着脱可能となっている。切れ目25を有しているため足先開口11を大きくすることが可能となり、足先開口11に足を出し入れする際に容易となる。
【0044】
次に、本発明の祭礼用股引1を着衣する方法について説明する。まず、着衣する場合には、腹当て部7の腹当て固定部材15を外し、切れ目12のファスナー13を開ける。そうすると、図2に示されるように、切れ目12が開くので、上側開口10の一部が切れている状態となる。そして、この状態で切れ目12を前にして両足を通し、祭礼用股引1を引き上げる。
【0045】
さらに、切れ目12のファスナー13を閉じて、腹当て部7を腹当て固定部材15で固定し、そして、腰ひも8を前側で結んで、祭礼用股引1は着衣され、体に固定される。
【0046】
そして、祭礼用股引1を着衣すると、図5(a),(b)に示されるようにな状態となる。すなわち、足挿入部6に両足が入り、腹当て部7と腰ひも8が体に巻き付けられて祭礼用股引1が固定される。また、切れ目12のファスナー13は股分かれ部19の前側の上側に位置している状態である。また、へそ部30は、祭礼用股引1の上側開口10よりも下側であり、祭礼用股引1はへそ上まで布を有している。
【0047】
祭礼用股引1はこのように構成されているので、着替えや、用を足す際の着衣及び脱衣が容易となる。また、特に、男性が小便する際には、着衣及び脱衣は不要であり、ファスナー13の開閉のみで行うことができる。
【0048】
また、上側布合わせ目23及び下側布合わせ目24は、後側のみに有して前側にないため、祭礼用股引1を着用して膝を屈伸する際にも上側布合わせ目23及び下側布合わせ目24が邪魔をすることがないので、容易に屈伸できる。
さらに、祭礼用股引1を着衣した際の外観は、図5と図8を比較すれば明らかなように、従来の股引100を着衣した場合とほとんど変わらない。すなわち、後側の上側布合わせ目23及び下側布合わせ目24と従来の股引100の布合わせ目115が、臀部布重複部22と従来の股引100の重なり部121が略同じ位置となる。また、腰ひも8は、体をほぼ一周して前側で結んでいる。したがって、外観は従来の股引100と同様な伝統的な外観である。
【0049】
さらに、祭礼用股引1は、着衣した状態で、従来の股引100の合わせ目すき間123のように、布がつながっていない部分ないので、股引内側の下着等が外側から見えることがない。また、従来の股引100と同様に臀部には、臀部布重複部22を有しているので布が2重であるので下着などが透けることがない。
【0050】
なお、本発明の祭礼用股引1の布地は、ニット地を用いられているが、特にこれに限定されず、どのような織り方、編み方でもよく、どのような材質でもよい。
【0051】
次に、第2の実施形態である祭礼用股引2について説明する。祭礼用股引2は、図4に示され、第1の実施形態である祭礼用股引1とは、腹当て固定部材15の面ファスナー25bが異なるものであり、他の形態は祭礼用股引1と同じものである。
すなわち、図4に示されるように、面ファスナー25bは、はみ出し部合わせ部20に取り付けられているが、長辺が体の上下方向ではなく、胴の周方向であり、さらに、長辺の長さは、ほぼ、切れ目12付近から右側(図4においては図の左側)の側部までの長さである。
【0052】
祭礼用股引2は上記のように構成されているので、腰回りの長さが多少変化しても同じサイズの祭礼用股引が着用可能であり、少ないサイズの品揃えでも、腰回りの長さが違う人に対して対応することできる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の祭礼用股引は、上記のように構成されているので、祭りの際に行う着替えの時や、用を足す際に必要であった着衣や脱衣を容易にし、また、股引内部が見えることがなく、さらに、股引を着用した状態の外観を従来の股引と同様なものとして、伝統性を損なわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態における祭礼用股引の正面図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態における祭礼用股引の面ファスナーを開けた状態での正面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態における祭礼用股引の裏面図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態における祭礼用股引の面ファスナーを開けた状態での正面図である。
【図5】 本発明の第1の実施形態における祭礼用股引を着衣した状態での図であり、(a)は正面図であり、(b)は裏面図である。
【図6】 本発明の第1の実施形態における祭礼用股引をパーツごとに分解した際の裏面図である。
【図7】 従来技術における祭礼用股引の図であり、(a)は正面図であり(b)は裏面図である。
【図8】 従来技術における股引を着衣した状態での図であり、(a)は正面図であり、(b)は裏面図である。
【符号の説明】
1 祭礼用股引
5 下腹覆い部
6 足挿入部
7 腹当て部
8 腰ひも
10 上側開口
12 切れ目
13 ファスナー
15 腹当て固定部材
15a,15b 25b 面ファスナー
19 股分かれ部
22 臀部布重複部
30 外ポケット
31 内ポケット

Claims (9)

  1. 左右の足を挿入する部分を形成する左足パーツ及び右足パーツと、布重複部が設けられる臀部パーツと、長尺帯状である腹当て部と、前記腹当て部の外側に位置して前側において結ばれる腰ひもとを有するものであり、
    着用状態では、左右の足パーツによって形成される部分に足が挿入され、布重複部によって臀部の一部又は全部が覆われ、腹当て部は前側において重なるようにして腹の全周を覆って巻き付けられて着用時における高さがへその上まで至っており、さらに、腰ひもが腹当て部の外側で結ばれるものであり、
    左足パーツ、右足パーツ、臀部パーツ及び腹当て部は縫合されて、後側に合わせ目すき間が形成されないように臀部及び下腹部を覆う下腹覆い部を形成するものであり、
    左右の足パーツのそれぞれの後側における、足パーツ自身及び足パーツと臀部パーツの縫合部分からなるラインが略Y字を形成していることを特徴とする祭礼用股引。
  2. 左右の足を挿入する部分を形成する左足パーツ及び右足パーツと、布重複部が設けられる臀部パーツと、腹当て部とを有するものであり、
    布重複部の形状は、下端側の面積が小さく上部に向かって漸次面積が増大し、布重複部の下端は股の分かれ目近傍にあり、布重複部の上端は腰部近傍にあり、
    着用状態では、左右の足パーツによって形成される部分に足が挿入され、布重複部によって臀部の一部又は全部が覆われ、腹当て部の着用時における高さがへその上まで至っており、
    左足パーツ、右足パーツ、臀部パーツ及び腹当て部は縫合されて、後側に合わせ目すき間が形成されないように臀部及び下腹部を覆う下腹覆い部を形成するものであり、
    左右の足パーツのそれぞれの後側における、足パーツ自身及び足パーツと臀部パーツの縫合部分からなるラインが略Y字を形成していることを特徴とする祭礼用股引。
  3. 着用時の股の分かれ目の前側上部近傍には開口又は上部に繋がる切れ目が設けられ、当該開口又は切れ目にファスナーが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の祭礼用股引。
  4. 左右の足を挿入する部分を形成する左足パーツ及び右足パーツと、布重複部が設けられる臀部パーツと、長尺帯状である腹当て部と、前記腹当て部の外側に位置して前側において結ばれる腰ひもとを有するものであり、
    布重複部の形状は、下端側の面積が小さく上部に向かって漸次面積が増大し、布重複部の下端は股の分かれ目近傍にあり、布重複部の上端は腰部近傍にあり、
    着用状態では、左右の足パーツによって形成される部分に足が挿入され、布重複部によって臀部の一部又は全部が覆われ、腹当て部は前側において重なるようにして腹の全周を覆って巻き付けられて着用時における高さがへその上まで至っており、さらに、腰ひもが腹当て部の外側で結ばれるものであり、
    着用時の股の分かれ目の前側上部近傍には開口又は上部に繋がる切れ目が設けられ、当該開口又は切れ目にファスナーが設けられ、
    左足パーツ、右足パーツ、臀部パーツ及び腹当て部は縫合されて、後側に合わせ目すき間が形成されないように臀部及び下腹部を覆う下腹覆い部を形成するものであり、
    左右の足パーツのそれぞれの後側における、足パーツ自身及び足パーツと臀部パーツの縫合部分からなるラインが略Y字を形成していることを特徴とする祭礼用股引。
  5. 布重複部は臀部の一部又は全部を覆い、布重複部の形状は、下端側の面積が小さく上部に向かって漸次面積が増大し、布重複部の下端は股の分かれ目近傍にあり、布重複部の上端は腰部近傍にあり、布重複部の上端の横方向の幅は、当該部分における胴周の30%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の祭礼用股引。
  6. 腹当て部の端部を固定する腹当て固定部材を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の祭礼用股引。
  7. 腹当て固定部材は面ファスナーであることを特徴とする請求項6に記載の祭礼用股引。
  8. もの入れが設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の祭礼用股引。
  9. 腰ひもが設けられていることを特徴とする請求項2、3、5〜8のいずれかに記載の祭礼用股引。
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