JP3822646B2 - 3関節型掘削機の操作制御装置 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、3関節型、すなわち掘削用バケットを除いて3個の関節とアームとを有する掘削機の操作制御装置に係わり、特に、従来の2関節型の掘削機と同様の操作手段を用いて操作可能な3関節型掘削機の操作制御装置に関する。
背景技術
従来の一般的な掘削機の構造を図11に示す。作業フロント100はブーム101及びアーム102の2つで構成され、掘削作業を行うバケット103がこの先端に設けられている。作業の主体であるバケット103の位置決めか、ブーム101、アーム102という回動可能な2つの構造要素によって行われているので、作業フロント100を2関節型作業フロントと呼び、この作業フロント100を備えた掘削機を2関節型の掘削機と称する。
これに対し、近年2ピースブーム型と呼ばれる掘削機が使われている。これを図12に示す。2ピースブーム型の掘削機は、図11に示した一般的な掘削機に対して、作業フロント100Aのブーム101を2分割して第1ブーム104及び第2ブーム105としたもので、バケット103の位置決めに関与する関節の数から作業フロント100Aを3関節型作業フロントと呼び、この作業フロント100Aを備えた掘削機を3関節型の掘削機と呼ぶこととする。
3関節型の掘削機は、2関節型の掘削機では難しかった掘削機の足元の作業を行えるという利点を持っている。即ち、2関節型の掘削機でも、図11に示すような姿勢をとることで足元迄バケット103を持ってくることが可能であるが、このようにアーム102が水平になった状態では掘削作業はできない。これに対し、3関節型の掘削機では、図12に示すようにアーム102をほぼ垂直にした状態でバケット103を足元に持ってくることができ、これによって足元の作業が可能となる。また、足元から遠く離れた位置の作業に対しても、第1ブーム104と第2ブーム105とを直線に近く伸ばすことによって、2関節型の掘削機に比べてより遠くまで作業することが可能である。
3関節型の掘削機の別の利点として、旋回半径を小さくできることがある。掘削した土砂をダンプカー等に積み込むために上部旋回体106を旋回して作業フロント100Aの向きを変えるが、この時、2関節型の掘削機ではブーム101の全長がネックとなって旋回に必要な半径を小さくすることが難しい。3関節型の掘削機の場合には、第1ブーム104をほぼ垂直に起こし、第2ブーム105をほぼ水平に寝かせることで、旋回に必要な半径を小さくすることが可能で、狭溢な工事現場での作業に有利となる。
次に、従来の操作方式について述べる。図13に、一般的な2関節型の掘削機の操作レバーの例を示す。通常の掘削作業においては、ブーム・アーム・バケット・旋回の4動作が頻繁に、かつ複合的に操作される。これらの4動作が2本の操作レバー107,108に2動作ずつ割り当てられており、オペレータは左右の手でそれぞれのレバーを操作することで掘削作業を行う。この他の操作レバーとして、(図示しない)走行用のレバー(通常ペダルも付加されている)がある。走行用のレバーは、他のレバー107,108とは独立に使用されることが多く、ここでは考慮しない。
図14は、3関節型の掘削機の操作レバーの例である。前述したように、3関節型の掘削機では、遠くから足元まで広範囲の作業か可能であるが、これを実現するためには2関節型掘削機のブーム101に相当する第1ブーム104の他に、更に第2ブーム105を操作しなければならない。既に2本の操作レバー107,108には4動作が割り当てられていることから、シーソー型のペダル109を新設して第2ブーム105の操作を行っている。
また、3関節型の掘削機の制御装置として特開平7−180173号公報の提案がある。この提案では、2本の操作レバーをバケット先端のX方向及びY方向の移動速度をそれぞれ指示するものとし、これらの移動速度を合成した速度ベクトル信号に基づき所定の演算処理を行い、水平引き作業を行う際に、バケット先端の移動を幅広い範囲にわたって連続して制御でき、しかも所望の軌跡に沿って精度良くバケットを移動させることができるようにしている。
発明の開示
前述のように構成された3関節型掘削機の操作系では、3関節化することによって広い作業領域が得られる。しかし、この領域を連続的に操作することが難しいという不具合がある。つまり、第2ブーム105の操作をペダル109によって足で行っているために、レバーを手で操作するような微妙な調整が難しく、他の第1ブーム104やアーム102、バケット103の操作と協調して動作させることができない。従って、ほとんどの場合、遠くの作業を行う時には第2ブーム105を伸ばした状態に固定し、また、近くの作業を行う時には第2ブーム105を縮めた状態に固定して作業を行っているのが通常である。
また、特開平7−180173号公報の制御装置では、2本の操作レバーで3関節型掘削機の第1ブーム、第2ブーム、アーム、バケットを操作できるようにしているか、操作レバーはバケット先端のX方向及びY方向の移動速度をそれぞれ指示する特殊なものとなっており、通常の操作レバーとは大幅に操作性が異なるだけでなく旋回動作を指示する機能もない。しかも、水平引き等の特殊な作業に特化されており、掘削作業等、通常の作業を行うことはできない。
本発明の目的は、3関節型作業フロントを、オペレータの通常の技量の範囲で従来の2関節型の作業フロントと同等の操作感覚で操作可能とする3関節型掘削機の操作制御装置を提供することである。
なお、従来技術について、ブームを2分割した2ピースブーム型の掘削機を例に記述を進めてきたが、アームを2分割した場合にも3関節型掘削機としての機能は同一である。そこで、説明を一般化する意味で、以下の説明では3個の関節でそれぞれ回動する部材を、第1アーム、第2アーム、第3アームと呼ぶこととする。
(1)上記目的を達成するため、本発明は、掘削機本体と、掘削機本体に回動可能に取り付けられた第1アーム、第1アームに回動可能に取り付けられた第2アーム、第2アームに回動可能に取り付けられた第3アームを有する3関節型作業フロントと、第1アームを駆動する第1アームアクチュエータ、第2アームを駆動する第2アームアクチュエータ、第3アームを駆動する第3アームアクチュエータを有する油圧駆動装置とを有する3関節型掘削機の操作制御装置において、第1アーム、第2アーム、第3アームを操作するための2つの操作手段と、仮想第1アーム及び仮想第2アームを有する2関節型作業フロントを仮想的に設け、この仮想第2アームと前記実際の第3アームとの動きの関係を予め定めておき、前記2つの操作手段を前記仮想第1アームの第1操作手段及び仮想第2アームの第2操作手段としてそれぞれ機能させたときの仮想第2アームの動きに対応した動きが実際の第3アームの動きとして得られるよう、前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームのそれぞれの指令値を求め、これを前記油圧駆動装置に駆動指令信号として出力する指令演算手段とを備えるものとする。
本発明は、上記のように、3関節作業フロントを、オペレータの通常の技量の範囲て操作可能とする3関節型掘削機の操作制御装置を提供するものであり、そのため、本発明では2関節型の掘削機と同様の2つの操作手段だけで、3つの関節を操作できるようにするものである。
従来、一般的に使われてきた2関節型の掘削機は、掘削機本体に対し回動する第1アーム、第1アームに対して回動する第2アームとがあり、第1アーム・第2アームの回動によって第2アーム先端に取り付けられた作業具、例えば掘削用バケットを必要な場所に移動させ掘削等の作業を行っている。2関節型の掘削機であればオペレータは容易に操作可能であると考えられる。また、掘削等の作業において、オペレータは作業具(バケット)の周辺だけを注視していることも容易に観察される事実である。本発明はこのような従来の作業フロントの使われ方及び機構学的な自由度の考え方に着目してなされたものである。
つまり、従来から掘削作業においてオペレータがバケット周辺のみを注視していて作業を行うことが可能であるということは、2関節型作業フロントの第1アーム・第2アームが、それぞれ第1アーム・第2アームの回転角速度を与える2つの操作手段によって駆動されるなら、操作手段を操作した結果のバケットが移動する方向や姿勢を、バケット周辺の視覚情報を得ることで操作可能であることを意味している。従って、3関節型作業フロントにおいても、仮想第1アーム及び仮想第2アームを有する2関節型作業フロントを想定し、2つの操作手段がそれぞれ仮想第1アーム及び仮想第2アームの回転角速度を与えるかのような仮想的な動作を想定したときの仮想第2アームの動作に対応した動作を実際の第3アームの動作として与えれば、バケット周辺を見て作業している限り、2関節型作業フロントと同様に容易に掘削作業を行うことが可能となる。
次に、上記した動作が3関節型掘削機で可能であることを、機構学的に裏付ける。
旋回動作を考えなければ、2関節型作業フロントの場合、2次元平面上の任意の点に第2アーム先端を位置させることができる。これは、2関節型作業フロントが2つの関節、つまり2つの自由度を持っているからである。また、2関節型作業フロントでは、第2アーム先端を特定の位置に位置させたときの第2アームの姿勢(傾き)は一義的に決まってしまう。これは、2次元空間内の位置決めに2つの自由度を使ってしまうからである。これに対し、3関節型作業フロントの場合、自由度が3つあるので、第3アーム先端位置の他、第3アームの姿勢(傾き)も自由に選ぶことが可能となる。よって、仮想第2アームと前記実際の第3アームとの動きの関係を予め定めておき、仮想第2アームの動作に対応した動作を実際の第3アームの動作として与えることが可能となる。
本発明は以上の知見に基づいており、指令演算手段で上記のように仮想第2アームの動作に対応した動作が実際の第3アームの動作として得られるよう実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームのそれぞれの指令値を求めることにより、3関節型作業フロントを、オペレータの通常の技量の範囲で従来の2関節型の作業フロントと同等の操作感覚で操作可能となる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記指令演算手段は、前記仮想第2アームと前記実際の第3アームが剛体を形成するかのように動くように前記仮想第2アームと前記実際の第3アームとの動きの関係を定める。
このように仮想第2アームと実際の第3アームが剛体を形成するかのように動かすと仮想第2アームの回転角速度と実際の第3アームの回転角速度は同じとなるため、仮想第2アームの回転角速度が実際の第3アームの回転角速度として与えられることとなり、2関節型作業フロントと同様に容易に掘削作業を行うことが可能となる。
(3)また、上記(1)において、前記指令演算手段は、前記仮想第2アームの回転角速度が前記実際の第3アームの回転角速度として得られるように、前記仮想第2アームと前記実際の第3アームとの動きの関係を定めてもよい。
これにより仮想第2アームの回転角速度が実際の第3アームの回転角速度として与えられることとなり、2関節型作業フロントと同様に容易に掘削作業を行うことが可能となる。
(4)更に、上記(1)において、好ましくは、前記指令演算手段は、前記仮想第1アームに対する第1操作手段の角速度指令から前記仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係に基づき前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第1角速度指令をそれぞれ計算し、前記仮想第2アームに対する第2操作手段の角速度指令から前記仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係に基づき前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第2角速度指令をそれぞれ計算し、前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第1角速度指令及び第2角速度指令を合成して前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの指令値をそれぞれ求める。
これにより上記(1)のように、2つの操作手段を仮想第1アームの第1操作手段及び仮想第2アームの第2操作手段としてそれぞれ機能させたときの仮想第2アームの動作に対応した動作が実際の第3アームの動作として得られるよう実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームのそれぞれの指令値を求めることができる。
(5)また、上記(1)において、一実施形態では前記仮想的に設けた2関節型作業フロントの仮想第1アームの基端は前記実際の第1アームの基端に一致しており、この場合、前記指令演算手段は、前記仮想第1アームに対する第1操作手段の角速度指令を前記実際の第1アームの第1角速度指令として求め、前記仮想第2アームに対する第2操作手段の角速度指令から前記仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係に基づき前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第2角速度指令をそれぞれ計算し、前記実際の第1アームの第1角速度指令及び前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第2角速度指令を合成して前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの指令値をそれぞれ求める。
このように仮想第1アームの基端が実際の第1アームの基端に一致するよう仮想的な2関節型作業フロントを設けた場合は、そうでない場合よりも少ない演算量で実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームのそれぞれの指令値を求めることができる。
(6)また、上記(1)において、好ましくは、前記指令演算手段は、前記仮想第1アームに対する第1操作手段の角速度指令から前記仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係に基づき前記実際の第3アームの基端の目標速度を計算し、この第3アームの基端の目標速度と前記第1操作手段の角速度指令とから前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第1角速度指令をそれぞれ計算する手段と、前記仮想第2アームに対する第2操作手段の角速度指令から前記仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係に基づき前記実際の第3アームの基端の目標速度を計算し、この第3アームの基端の目標速度と前記第2操作手段の角速度指令とから前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第2角速度指令をそれぞれ計算する手段と、前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第1角速度指令及び第2角速度指令を合成して前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの指令値をそれぞれ求める手段とを有する。
これにより上記(4)のように、仮想第2アームの動作に対応した動作が実際の第3アームの動作として得られるよう実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームのそれぞれの指令値を求めることができる。
(7)更に、上記(1)において、前記指令演算手段は、前記3関節型作業フロントの姿勢を検出する姿勢検出手段を有し、この姿勢検出手段からの姿勢情報と前記第1及び第2操作手段の角速度指令とから前記指令値を計算する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の適用対象である3関節型掘削機の構造を説明する図である。
図2は、本発明の一実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置のシステム構成を油圧回路と共に示す図である。
図3は、本発明の一実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置の操作系を説明する図である。
図4は、本発明の一実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置の動作原理を説明する図である。
図5は、本発明の一実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置の動作原理を説明する図である。
図6は、本発明の一実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置の動作原理を説明する図である。
図7は、本発明の一実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置の動作原理を説明する図である。
図8は、本発明の第1の実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置のコントローラの機能を示すブロック線図である。
図9は、本発明の第2の実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置のコントローラの機能を示すブロック線図である。
図10は、本発明の第3の実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置のコントローラの機能を示すブロック線図である。
図11は、従来の2関節型掘削機の構造を説明する図である。
図12は、従来の3関節型掘削機の一例としての、2ピースブーム型掘削機の構造を説明する図である。
図13は、従来の2関節型掘削機の操作系を説明する図である。
図14は、従来の2ピースブーム型掘削機の操作系を説明する図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
まず、本発明の第1の実施形態を図1〜図6により説明する。本実施形態は仮想の第1アームの基端を実際の第1アームの基端より後方に設定した場合のものである。
図1において、掘削機1の持つ作業フロント2は、それぞれ第1関節15、第2関節20、第3関節16にて上下方向に回動可能に取り付けられた第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5からなる3関節型であり、その基端(第1関節15)は掘削機本体99(上部旋回体)に支持され、その先端、即ち第4関節17に掘削用バケット6が上下方向に回動可能に取り付けられている。第1アーム3は第1アームシリンダ7、第2アーム4は第2アームシリンダ8、第3アーム5は第3アームシリンダ9でそれぞれ駆動され、バケット6はバケットシリンダ10で駆動される。
図2に油圧回路の一例を示す。図中、260は第1アームシリンダ7、第2アームシリンダ8、第3アームシリンダ9、バケットシリンダ10を含む油圧駆動回路であり、油圧ポンプ120から吐出された作動油は流量制御弁121,122,123,124を介して、第1アームシリンダ7、第2アームシリンダ8、第3アームシリンダ9、バケットシリンダ10に供給される。この他に、図示しない旋回用油圧モータ、走行用油圧モータがあり、これらも同様に接続されている。ここでは、第1アームシリンダ7について動作を説明するか、他のシリンダについても同様に動作する。
また、261は流量制御弁121,122,123,124に操作用のパイロット圧力を導くパイロット回路であり、パイロット油圧源262と、流量制御弁121に設けられた1対のパイロットライン263a,263b及び流量制御弁122,123,124に設けられた同様なパイロットライン264a,264b;265a,265b;266a,266b(一部のみ図示)と、パイロットライン263a,263bに配置された比例減圧弁129,130及びパイロットライン264a,264b;265a,265b;266a,266bに設けられた同様な比例減圧弁(図示せず)とで構成されている。
流量制御弁121は、非作動時にはスプリング127,128に支えられて中立位置にあり、各ポートはブロックされるので、第1アームシリンダ7は動かない。比例減圧弁129,130によって調整されたパイロット圧力が流量調整弁121のパイロット圧力室125,126に導かれており、いずれかにパイロット圧力がたつと、この圧力による力とスプリング127,128との釣り合いの位置に弁体は変位し、その変位量に応じた流量が第1アームシリンダ7に送られ、第1アームシリンダ7は伸縮する。流量制御弁122,123,124についても同様である。
比例減圧弁129,130及び図示しない他の比例電磁弁はコントローラ131からの駆動指令信号によって調整され、更にコントローラ131には操作レバー装置11,12からの操作信号及び角度検出器142,143,144からの検出信号が入力されている。操作レバー装置11,12は操作信号として電気信号を出力する電気レバー方式であり、操作レバー装置11,12の操作レバー11a,12aが操作されると、その操作量に応じて第1アームシリンダ7、第2アームシリンダ8、第3アームシリンダ9、バケットシリンダ10を任意の速度で駆動することができる。角度検出器142,143,144は第1関節15、第2関節20、第3関節16にそれぞれ取り付けられ、第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5の回転角度θ1,θ2,θ3を検出する。角度検出器としては各関節の角度を直接検出するポテンショメータであってもよいし、第1シリンダ7、第2シリンダ8、第3シリンダ9の変位量を検出し、回転角度を幾何学的に演算するものであってもよい。
操作レバー装置11,12の操作方法の詳細を図3に示す。
図3において、バケット及び旋回に関する操作は従来の掘削機と全く同じで、右側に配置された操作レバー装置11の操作レバー11aを右(a)方向に操作すると、操作量に応じた速度でバケット6はダンプ側(開く側)に動作する。同様に、操作レバー11aを左(b)方向に操作すると、操作量に応じた速度でバケット6はクラウド側(掻き込む側)に動作する。本体99を構成する上部旋回体の旋回動作に対しては、左側に配置された操作レバー装置12の操作レバー12aを前(g)又は後(h)に操作することで、操作量に応じた速度で上部旋回体99は右旋回又は左旋回を行う。
一方、従来、第1アーム3だけを動作させていた操作レバー装置11の操作レバー11aの前後方向(c,d方向)は、本発明では、その操作量に応じた速度で、図1に一点鎖線で示す仮想的に設けた2関節型作業フロントの仮想の第1アーム13を上下させる。また、従来、第2アーム4だけを動作させていた操作レバー装置12の操作レバー12aの左右方向(e,f方向)は、本発明では、その操作量に応じた速度で、図1に一点鎖線で示す仮想の第2アーム14を引き込み(クラウド)又は押し出し(ダンプ)させる。
上記のように操作レバー11aを前後方向(c,d方向)に、操作レバー12aを左右方向(e,f方向)に操作することにより第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5を動かす本発明の基本原理及びこの基本原理に基づく第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5の指令値の求め方を説明する。
まず、本発明の基本原理は、上記のように仮想の第1アーム13及び仮想の第2アーム14を有する2関節型作業フロントを仮想的に設け、仮想第2アーム14と実際の第3アーム5との動きの関係を予め定めておくことで、操作レバー11a,12aを操作したときの仮想第2アーム14の動作に対応した動作が実際の第3アーム5の動作として得られるよう、第1アーム3、第2アーム4及び第3アーム5の指令値を求めるものである。
ここで、仮想第2アーム14と実際の第3アーム5との動きの関係としては、本実施形態では、仮想第2アーム14と実際の第3アーム5とが剛体を形成するかのように動くように定める。このように仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係を定めることにより仮想第2アームの回転角速度と実際の第3アームの回転角速度は同じとなり、仮想第2アームの回転角速度が実際の第3アームの回転角速度として与えられることとなる。
また、仮想的に設けた2関節型作業フロントの仮想の第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19は車体99に対して任意の位置に設定可能であり、図1に示す実施形態では、仮想の第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19を実際の第1アーム3の基端(第1関節)15より後方の位置に設定している。また、図1では、実際の第1アーム3の基端(第1関節)15に仮想の第1関節19を一致させた場合の仮想の第1アームを符号13Aで示している。
更に、仮想の第1アーム13の長さ(仮想の第1関節19と仮想の第2関節18とを結ぶ線分の長さL0)及び仮想の第2アーム14の長さ(仮想の第2関節18と仮想の第3関節(バケット関節)17を結ぶ線分の長さL1)も、任意に設定可能である。本実施形態では、L0,L1を通常の2関節型掘削機よりも長くなるように設定している。
以下、図4〜図7を用い、第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5の指令値の求め方を説明しつつ本発明の基本原理を更に詳しく説明する。
(A)操作レバー11aで仮想第1アームを操作する場合
(A1)図4において、操作レバー11aの操作信号により仮想第1アーム13に与えられた上げ方向の指令角速度をωbrとすると、操作レバー12aが操作されていなければ仮想第2アーム14は仮想第1アーム13と同じ角速度で仮想の第1関節19回りを回転するので、バケット関節17が移動すべき速度(目標速度)Vb1は、仮想の第1関節19とバケット関節17を結ぶ線分(長さSb1)に対して垂直方向に、
Vb1=Sb1×ωbr …(1)
の大きさを持つ。
また、第3関節16が移動すべき速度(目標速度)Vb2は、仮想第2アーム14と実際の第3アーム5とが剛体(図示斜線部参照)を形成するかのように動くので、仮想の第1関節19と第3関節16を結ぶ線分(長さSb2)に対して垂直方向に、
Vb2=Sb2×ωbr …(2)
の大きさを持つ。
(A2)まず、第3関節16にVb2の速度を与えるのに必要な第1関節15回りの回転角速度及び第2関節20回りの回転角速度を検討する。
(A2-1)図5において、目標速度Vb2を、第1関節15と第3関節16とを結ぶ線分(長さS1)に垂直な方向の成分と、第2関節20と第3関節16とを結ぶ線分(長さM2)に垂直な方向の成分とに分解して、Vbs1,Vbs2を得る。
線分Sb2と線分M2とのなす角度をA、線分Sb2と線分S1とのなす角度をBとすれば、
これにより、第1アーム3の角速度指令ωb1と第2アーム4の角速度指令ωb2は次のように求めることができる。
なお、第1アーム3の角速度指令ωb1は上げ方向を正、第2アーム4の角速度指令ωb2はダンプ方向を正としている。
ここで、仮想の第1関節19を実際の第1関節15に一致させた仮想の第1アーム13Aを用いる実施形態では、角度B=0、S1=Sb2となるため、速度Vbs1,Vbs2は、
となる。よって、角速度指令ωb1,ωb2も、
となる。
(A2-2)次に、第3アーム5の角速度指令ωb3を求める。バケット関節17に与えるべき速度Vb1は、絶対座標系(第1関節15を原点とした座標系)における値であり、この速度Vb1は第3関節16の速度Vb2を含んでいる。よって、速度Vb1を速度Vb2と、第3関節16とバケット関節17を結ぶ線分(長さM3)に垂直な方向の成分Vbrとに分解する。
線分Sb1と線分Sb2とのなす角度をC、線分Sb1と線分M3とのなす角度をDとすれば、
という関係が得られ、速度Vbrを求めることができる。
また、上式の関係と、3つの線分Sb1、Sb2,M3で形成される3角形の関係式、
から、速度Vbrは以下のように求められる。
この速度Vbrを用いて、第3関節16回りの第3アーム5の角速度ωb3rは、
となる。即ち、仮想第1アーム13に与えられた指令角速度ωbrで第3アーム5も回転するので、結局、その指令角速度ωbrが第3関節16回りの第3アーム5の角速度b3rとなることが分かる。
ところで、この角速度ωb3rは、絶対座標系における第3関節16回りの第3アーム5の回転角速度を意味しており、第3アーム5を駆動するための角速度指令ωb3を求めるためには、第3関節16回りの第2アーム4の回転角速度を考慮する必要がある。この第3関節16回りの第2アーム4の回転角速度は、上記で求めた角速度指令ωb1,ωb2を用いてωb1+ωb2で表せることから、第3アーム5の角速度指令ωb3は、ダンプ方向を正として、
ωb3=ωb3r−(ωb1+ωb2)=ωbr−(ωb1+ωb2) …(10)
として求められる。
ここで、仮想の第1関節19を実際の第1関節15に一致させた仮想の第1アーム13Aを用いる実施形態では、上記のようにωb1=ωbr、ωb2=0であるから、
ωb3=0 …(10′)
となる。即ち、操作レバー11aのみで仮想第1アーム13を操作する場合は、仮想第1アーム13に与えられる指令角速度ωbrをそのまま第1アーム3の角速度指令ωb1とすればよい。
(B)操作レバー12aで仮想第2アームを操作する場合
(B1)図6において、操作レバー12aの操作信号により仮想第2アーム14に与えられた押し出し方向の指令角速度をωarとすると、バケット関節17が移動すべき速度Va1は、仮想の第2関節18とバケット関節17を結ぶ線分(長さL1)に対して垂直方向に、
Va1=L×ωar …(11)
の大きさを持つ。
また、第3関節16が移動すべき速度Va2は、仮想第2アーム14と実際の第3アーム5とが剛体(図示斜線部参照)を形成するかのように動くので、仮想の第2関節18と第3関節16を結ぶ線分(長さL2)に対して垂直方向に、
Va2=L2×ωar …(12)
の大きさを持つ。
(B2)まず、第3関節16にVa2の速度を与えるのに必要な第1関節15回りの回転角速度及び第2関節20回りの回転角速度を検討する。
(B2-1)図7において、目標速度Va2を、第1関節15と第3関節16とを結ぶ線分(長さS1)に垂直な方向の成分と、第2関節20と第3関節16とを結ぶ線分(長さM2)に垂直な方向の成分とに分解して、Vas1,Vas2を得る。
線分L2と線分M2とのなす角度をE、線分M2と線分S1とのなす角度をFとすれば、
これにより、第1アーム3の角速度指令ωa1と第2アーム4の角速度指令ωa2は次のように求めることができる。
なお、第1アーム3の角速度指令ωa1は上げ方向を正、第2アーム4の角速度指令ωa2はダンプ方向を正としている。
(B2-2)次に、第3アーム5の角速度指令ωa3を求める。バケット関節17に与えるべき速度Va1は、絶対座標系(第1関節15を原点とした座標系)における値であり、この速度Va1は第3関節16の速度Va2を含んでいる。よって、速度Va1を速度Va2と、第3関節16とバケット関節17を結ぶ線分(長さM3)に垂直な方向の成分Varとに分解する。
線分L2と線分L1とのなす角度をG、線分L1と線分M3とのなす角度をHとすれば、
という関係が得られ、速度Varを求めることができる。
また、上式の関係と、3つの線分L1,L2,M3で形成される3角形の関係式、
から、速度Varは以下のように求められる。
この速度Varを用いて、第3関節16回りの第3アーム5の角速度ωa3rは、
となる。即ち、仮想第2アーム14に与えられた指令角速度ωarで第3アーム5も回転するので、結局、その指令角速度ωarが第3関節16回りの第3アーム5の角速度ωa3rとなることが分かる。
ところで、この角速度ωa3rは、絶対座標系における第3関節16回りの第3アーム5の回転角速度を意味しており、第3アーム5を駆動するための角速度指令ωa3を求めるためには、第3関節16回りの第2アーム4の回転角速度を考慮する必要がある。この第3関節16回りの第2アーム4の回転角速度は、上記で求めた角速度指令ωa1,ωa2を用いてωa1+ωa2で表せることから、第3アーム5の角速度指令ωa3は、ダンプ方向を正として、
ωa3=ωa3r−(ωa1+ωa2)=ωar−(ωa1+ωa2) …(20)
として求められる。
(C)各アームの角速度指令値
各アーム3,4,5の角速度指令値ω1,ω2,ω3は、上記で求めた仮想第1アーム13を操作した場合の角速度指令ωb1,ωb2,ωb3と、仮想第2アーム14を操作した場合の角速度指令ωa1,ωa2,ωa3のそれぞれを加えたものとなるから、
ω1=ωb1+ωa1
ω2=ωb2+ωa2
ω3=ωb3+ωa3=ωbr+ωar−(ωb1+ωb2+ωa1+ωa2 …(21)
となる。
ここで、仮想の第1関節19を第1関節15に一致させた仮想の第1アーム13Aを用いる実施形態では、上記のようにωb1=ωbr、ωb2=0、ωb3=0であるから、
ω1=ωbr+ωa1
ω2=ωa2
ω3=ωa3=ωar−(ωa1+ωa2) …(21)
となる。
上記のように角速度指令ω1,ω2,ω3が求まれば、第1アーム3が角速度ω1、第2アーム4が角速度ω2、第3アーム5が角速度ω3で回動するよう第1アームシリンダ7、第2アームシリンダ8、第3アームシリンダ9を伸縮させればよい。
これにより、従来の2関節型作業フロントを有する掘削機と同様の2本の操作レバー11a,12aを用いて第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5を有する3関節作業フロント2を、オペレータに違和感を与えずに連続的に動作させることが可能であり、特にオペレータがバケット6の周辺を注視して作業する限り、オペレータの通常の技量の範囲で2関節型作業フロントと同じ操作感覚で操作可能となる。
また、本実施形態では、仮想の第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19を実際の第1アーム3の基端(第1関節)15より後方の位置に設定したので、バケット6を車体99に向けて水平方向に引くとき、車体99に近接した位置まで第1アームシリンダ7、第2アームシリンダ8、第3アームシリンダ9のいずれもストロークエンドに達することなく、各シリンダの有効ストロークを有効に利用できるようになり、水平引き作業で車体99に近接した位置までバケット6を動かすことができ、広い作業範囲を確保できる。
更に、仮想の第1アーム13長さL0及び仮想の第2アーム14の長さL1を通常の2関節型掘削機よりも長くなるように設定したので、バケット6を車体99の近くまで持って来たときに仮想の第2アーム14が垂直に近い姿勢を保てるようになり、これにより実際の第3アーム5も垂直に近い姿勢となり、良好な作業性が得られる。
図8に、上述した動作を実現するためのコントローラ131によって処理されるアルゴリズムを示す。
コントローラ131には、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2、第3アーム5の長さM3、仮想第1アーム13の長さL0、仮想第2アーム14の長さL1、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)があらかじめ定められ、記憶されている。
そしてコントローラ131には、仮想第1アーム13の角速度ωbrを指令する仮想第1アーム信号132と、仮想第2アーム14の角速度ωarを指令する仮想第2アーム信号133とが入力される。
まず、仮想第1アーム信号132に関する処理について説明する。仮想第1アーム信号132(ωbr)は、前記(2)式の演算を行って第3関節16の目標速度Vb2を得る第1演算ブロック160に入力される。この演算では仮想の第1関節19と第3関節16を結ぶ線分の長さSb2を用いるので、この長さSb2を計算する必要がある。この計算には刻々と変化する第3関節16の位置情報と仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19に関する情報とが必要となる。第3関節16の位置情報としては第1アーム3の回転角度θ1と第2アーム4の回転角度θ2が必要となる。このため、前述したように角度検出器142,143が設けられ、第1アーム3の回転角度θ1と第2アーム4の回転角度θ2が第1演算ブロック160に入力される。また、第3関節16の位置情報としては第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2も必要であり、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19に関する情報としては当該基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)が必要であり、これらはコントローラ131内に記憶しておいた上記の値が用いられる。
第1演算ブロック160で計算された第3関節16の目標速度Vb2は第2演算ブロック161に入力され、前述の(3)式及び(4)式により目標速度Vb2の第1関節15と第3関節16とを結ぶ線分(長さS1)に垂直な方向の成分Vbs1と、第2関節20と第3関節16とを結ぶ線分(長さM2)に垂直な方向の成分Vbs2とを計算する。ここでは、線分Sb2と線分M2とのなす角度A、線分Sb2と線分S1とのなす角度Bを用いるので、この角度A及びBを計算する必要がある。この計算には刻々と変化する第3関節16の位置情報及び第2関節20の位置情報と仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19に関する情報とが必要となる。第3関節16の位置情報については前述した。第2関節20の位置情報としては第1アーム3の回転角度θ1と第1アーム3の長さM1が必要となる。従って、第2演算ブロック161においても、上記第1演算ブロック160と同様に第1アーム3の回転角度θ1と第2アーム4の回転角度θ2が入力されると共に、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられる。
第2演算ブロック161で計算された速度成分Vbs1,Vbs2はそれぞれ第3及び第4演算ブロック163,164に入力され、上記(5)式及び(6)式により第1アーム3の角速度指令ωb1と第2アーム4の角速度指令ωb2を計算する。第3演算ブロック163の計算では第1関節15と第3関節16とを結ぶ線分の長さS1を用いるので、これを計算する必要がある。この計算には第3関節16の位置情報が必要である。このため、第3演算ブロック163には第1アーム3の回転角度θ1と第2アーム4の回転角度θ2が入力されると共に、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられる。第4演算ブロック164の計算では第2アーム4の長さM2としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられる。
第3及び第4演算ブロック163,164で計算された第1アーム3の角速度指令ωb1と第2アーム4の角速度指令ωb2は仮想第1アーム信号132(ωbr)と共に第5演算ブロック166に入力され、上記(10)式により第3アーム5の角速度指令ωb3を計算する。ここで、仮想第1アーム信号132の指令角速度ωbrは、上記(9)式で説明したように第1関節15を原点とした絶対座標系における第3関節16回りの第3アーム5の回転角速度ωb3rとして用いられる。
次に、仮想第2アーム信号133に関する処理について説明する。仮想第2アーム信号133(ωar)は、前記(12)式の演算を行って第3関節16の目標速度Va2を得る第6演算ブロック139に入力される。この演算では仮想の第2関節18と第3関節16を結ぶ線分の長さL2を用いるので、この長さL2を計算する必要がある。この計算には刻々と変化する第3関節16の位置情報と仮想第2アーム14の基端(仮想の第2関節)18の位置情報が必要となる。第3関節16の位置情報としては、前述したように、第1アーム3の回転角度θ1、第2アーム4の回転角度θ2、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2が必要となる。仮想第2アーム14の基端(仮想の第2関節)18の位置情報としては、仮想第1アーム13の回転角度θbと仮想第1アーム13の長さL0と仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)が必要となる。このため、第6演算ブロック139には、上記第1演算ブロック160と同様に第1アーム3の回転角度θ1と第2アーム4の回転角度θ2が入力され、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられると共に、更に仮想第1アーム13の回転角度θbが入力され、仮想第1アーム13の長さL0としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられる。
ここで、仮想第1アーム13の回転角度θbは角度演算ブロック148で計算される。この計算では、仮想第1アーム13の回転角度θbと仮想第2アーム14の回転角速度θaを未知数とし、第3アーム5の先端(第4関節)17と仮想第2アーム14の先端が一定の位置関係、この実施形態では両者の位置が等しいという関係を用いて連立方程式を立て、回転角度θb,θaを求める。第3アーム5の先端(第4関節)17の位置情報としては、第1アーム3の回転角度θ1、第2アーム4の回転角度θ2、第3アーム5の回転角度θ3と、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2、第3アーム5の長さM3とが必要となり、仮想第2アーム14の先端(第3アーム5の先端の第4関節)17の位置情報としては、未知数としての回転角度θb,θaと、仮想第1アーム13の長さL0、仮想第2アーム14の長さL1、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)とが必要となる。このため、前述したように角度検出器142,143,144が設けられ、第1アーム3の回転角度θ1、第2アーム4の回転角度θ2、第3アーム5の回転角度θ3が角度演算ブロック148に入力されると共に、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2、第3アーム5の長さM3、仮想第1アーム13の長さL0、仮想第2アーム14の長さL1、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)としてコントローラ131内に記憶しておいた上記の値が用いられる。
第6演算ブロック139で計算された第3関節16の目標速度Va2は第7演算ブロック140に入力され、前述の(13)式及び(14)式により目標速度Va2の第1関節15と第3関節16とを結ぶ線分(長さS1)に垂直な方向の成分Vas1と、第2関節20と第3関節16とを結ぶ線分(長さM2)に垂直な方向の成分Vas2とを計算する。ここでは、線分L2と線分M2とのなす角度E、線分M2と線分S1とのなす角度Fを用いるので、この角度E及びFを計算する必要がある。この計算には第3関節16の位置情報、第2関節20の位置情報、仮想第2アーム14の基端(仮想の第2関節)18の位置情報が必要となる。このため、第7演算ブロック140には、第6演算ブロック139と同様に第1アーム3の回転角度θ1、第2アーム4の回転角度θ2、仮想第1アーム13の回転角度θbが入力されると共に、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2、仮想第1アーム13の長さL0、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられる。
第7演算ブロック140で計算された速度成分Vas1,Vas2はそれぞれ第8及び第9演算ブロック145,146に入力され、上記(15)式及び(16)式により第1アーム3の角速度指令ωa1と第2アーム4の角速度指令ωa2を計算する。第8演算ブロック145の計算では第1関節15と第3関節16とを結ぶ線分の長さS1を用いるので、第3演算ブロック163と同様に角度検出器142,143で検出した第1アーム3の回転角度θ1と第2アーム4の回転角度θ2が入力されると共に、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2としてコントローラ131に記憶しておいた値が用いられる。第9演算ブロック146の計算では第4演算ブロック164と同様に第2アーム4の長さM2としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられる。
第8及び第9演算ブロック145,146で計算された第1アーム3の角速度指令ωa1と第2アーム4の角速度指令ωa2は仮想第2アーム信号133(ωar)と共に第10演算ブロック149に入力され、上記(20)式により第3アーム5の角速度指令ωa3を計算する。ここで、仮想第2アーム信号133の指令角速度ωarは、上記(19)式で説明したように第1関節15を原点とした絶対座標系における第3関節16回りの第3アーム5の回転角速度ωa3rとして用いられる。
以上のようにして計算された仮想第1アーム信号132による第1アーム3の角速度指令ωb1、第2アーム4の角速度指令ωb2、第3アーム5の角速度指令ωb3と仮想第2アーム信号133による第1アーム3の角速度指令ωa1、第2アーム4の角速度指令ωa2、第3アーム5の角速度指令ωa3は、上記(21)式に従って加算部171,172,173でそれぞれ加算され、各アーム3,4,5の角速度指令値ω1,ω2,ω3が求められる。これらの指令値ω1,ω2,ω3は、それぞれ、飽和関数150,151,152,153,154,155に入力され、それらの正負に応じた駆動指令信号(電気信号)が出力される。即ち、指令値ω1が正の場合は飽和関数150によりω1に応じた駆動指令信号(電気信号)が比例減圧弁130に出力され、負の場合は飽和関数151によりω1に応じた駆動指令信号(電気信号)が比例減圧弁129に出力される。指令値ω2,ω3の場合も同様である。
以上のような本実施形態によれば、従来の2関節型作業フロントを有する掘削機と同様の2本の操作レバー11a,12aを用いて第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5を有する3関節作業フロント2を、オペレータの通常の技量の範囲で従来の2関節型の作業フロントと同等の操作感覚で動作させることが可能であり、3関節型掘削機の特徴である広い作業範囲を従来の2関節型の掘削機と同等の操作感覚で連続的に操作することができる。
本発明の第2の実施形態を図9を用いて説明する。本実施形態は、仮想の第1関節19を第1アーム3の第1関節15に一致させた仮想の第1アーム13A(図1参照)を用いた場合のものである。図中、図8に示した部分と同等の部分には同じ符号を付している。
前述したように仮想の第1アーム13Aの第1関節19が実際の第1アーム3の第1関節15に一致させた場合は、仮想第1アーム信号132による第1、第2、第3アーム3,4,5の角速度指令ωb1,ωb2,ωb3は、上記(5′)式、(6′)式、(10′)式より、ω1=ωbr、ωb2=0、ωb3=0であり、第1、第2、第3アーム3,4,5の角速度指令値ω1,ω2,ω3は、上記(21′)式より、ω1=ωbr+ωa1、ω2=ωa2、ω3=ωar−(ωa1+ωa2)となる。よって、本実施形態では、図8の第1演算ブロック160〜第5演算ブロック166、加算部172,173は不要となり、図9に示すように、仮想第1アーム信号132の指令角速度ωbrは第8演算ブロック145で求めた第1アーム3の角速度指令ωa1と加算部171で直接加算され、第1アームの角速度指令値ω1が計算される。また、第9演算ブロック146及び第10演算ブロック149で計算された第2アーム4の角速度指令ωa2及び第3アーム5の角速度指令ωa3は、それぞれ、そのまま第2、第3アーム4,5の角速度指令値ω2,ω3として用いられる。
本実施形態によれば、図8に示した第1の実施形態に比べてコントローラ131Aでの計算量を減らすことができ、コントローラ131Aの限られた処理能力及びメモリ容量の範囲内で応答の良い制御が可能となる。
本発明の第3の実施形態を図10を用いて説明する。本実施形態は、図9に示した実施形態において、各アームの回転角度を角度検出器を用いずに、各アームへの回転角速度指令値を積分演算することで求めたものである。図中、図8、図9に示した部分と同等の部分には同じ符号を付している。
第1、第2、第3アーム3,4,5の回転角度θ1,θ2,θ3は、それぞれ第1、第2、第3アーム3,4,5への角速度指令値ω1,ω2,ω3を積分した値に対応し、仮想第1アーム13の回転角度θbは操作信号132の指令角速度ωbrを積分した値に対応する。このため、本実施形態では、図10に示すように積分器134,136,137,138を設け、第1、第2、第3アーム3,4,5への角速度指令値ω1,ω2,ω3を積分器136,137,138で積分することで回転角度θ1,θ2,θ3に変換し、操作信号132の指令角速度ωbrを積分器134で積分することで回転角度θbに変換し、第6〜第8演算ブロック139,140,145で用いる。
角度検出器142,143,144を用いた第1及び第2の実施形態では、刻々と変化する各アームの回転角度θ1,θ2,θ3を、演算の誤差を含むことなく直接に利用することができるので、精度の高い制御を実現することができる。これに対し、本実施形態では、制御精度は多少劣るが、角度検出器142,143,144を用いる必要がないので、その分安価にシステムを構築することができる。
なお、以上の実施形態では、各アームの角速度指令を別々に求めて、それぞれの和を求めて各アームの角度指令値とする構成としているが、まず、各関節の合成された速度V1,V2を求め、それから各アームの角速度指令を求める構成としてもよい。
また、上記実施形態では、各関節の速度を計算する演算ブロック139,140を備える構成としているが、その計算は1つの関係式で求めることができるので、これらは1つも演算ブロックにまとめてもよい。
更に、上記実施形態では、仮想の2関節型作業フロントの第1アーム13及び仮想の第2アーム14の長さL0,L1に関し、広い作業範囲を操作可能とするためにこれらL0,L1を長く設定したが、この長さは目的に応じて任意に設定可能である。また、仮想の2関節型作業フロントの仮想第1関節と3関節型作業フロントの第1関節15とが一致しない場合の両者の位置関係も、要求される動作特性に応じて任意に設定可能である。
また、上記実施形態では、仮想の2関節型作業フロントの仮想第2アームの先端(バケット関節)と3関節型作業フロントの第3アームの先端(バケット関節)を完全に一致させたが、これは多少ずれていても構わない。また、この場合も、両者の位置関係さえ決まっていれば、両者の位置を一致させた場合と同様の演算処理が可能である。
産業上の利用可能性
本発明によれば、3関節型作業フロントを、従来の2関節型の作業フロントと同様の2本の操作レバーを用いてオペレータの通常の技量の範囲で従来の2関節型の作業フロントと同等の操作感覚で操作することができる。
本発明は、3関節型、すなわち掘削用バケットを除いて3個の関節とアームとを有する掘削機の操作制御装置に係わり、特に、従来の2関節型の掘削機と同様の操作手段を用いて操作可能な3関節型掘削機の操作制御装置に関する。
背景技術
従来の一般的な掘削機の構造を図11に示す。作業フロント100はブーム101及びアーム102の2つで構成され、掘削作業を行うバケット103がこの先端に設けられている。作業の主体であるバケット103の位置決めか、ブーム101、アーム102という回動可能な2つの構造要素によって行われているので、作業フロント100を2関節型作業フロントと呼び、この作業フロント100を備えた掘削機を2関節型の掘削機と称する。
これに対し、近年2ピースブーム型と呼ばれる掘削機が使われている。これを図12に示す。2ピースブーム型の掘削機は、図11に示した一般的な掘削機に対して、作業フロント100Aのブーム101を2分割して第1ブーム104及び第2ブーム105としたもので、バケット103の位置決めに関与する関節の数から作業フロント100Aを3関節型作業フロントと呼び、この作業フロント100Aを備えた掘削機を3関節型の掘削機と呼ぶこととする。
3関節型の掘削機は、2関節型の掘削機では難しかった掘削機の足元の作業を行えるという利点を持っている。即ち、2関節型の掘削機でも、図11に示すような姿勢をとることで足元迄バケット103を持ってくることが可能であるが、このようにアーム102が水平になった状態では掘削作業はできない。これに対し、3関節型の掘削機では、図12に示すようにアーム102をほぼ垂直にした状態でバケット103を足元に持ってくることができ、これによって足元の作業が可能となる。また、足元から遠く離れた位置の作業に対しても、第1ブーム104と第2ブーム105とを直線に近く伸ばすことによって、2関節型の掘削機に比べてより遠くまで作業することが可能である。
3関節型の掘削機の別の利点として、旋回半径を小さくできることがある。掘削した土砂をダンプカー等に積み込むために上部旋回体106を旋回して作業フロント100Aの向きを変えるが、この時、2関節型の掘削機ではブーム101の全長がネックとなって旋回に必要な半径を小さくすることが難しい。3関節型の掘削機の場合には、第1ブーム104をほぼ垂直に起こし、第2ブーム105をほぼ水平に寝かせることで、旋回に必要な半径を小さくすることが可能で、狭溢な工事現場での作業に有利となる。
次に、従来の操作方式について述べる。図13に、一般的な2関節型の掘削機の操作レバーの例を示す。通常の掘削作業においては、ブーム・アーム・バケット・旋回の4動作が頻繁に、かつ複合的に操作される。これらの4動作が2本の操作レバー107,108に2動作ずつ割り当てられており、オペレータは左右の手でそれぞれのレバーを操作することで掘削作業を行う。この他の操作レバーとして、(図示しない)走行用のレバー(通常ペダルも付加されている)がある。走行用のレバーは、他のレバー107,108とは独立に使用されることが多く、ここでは考慮しない。
図14は、3関節型の掘削機の操作レバーの例である。前述したように、3関節型の掘削機では、遠くから足元まで広範囲の作業か可能であるが、これを実現するためには2関節型掘削機のブーム101に相当する第1ブーム104の他に、更に第2ブーム105を操作しなければならない。既に2本の操作レバー107,108には4動作が割り当てられていることから、シーソー型のペダル109を新設して第2ブーム105の操作を行っている。
また、3関節型の掘削機の制御装置として特開平7−180173号公報の提案がある。この提案では、2本の操作レバーをバケット先端のX方向及びY方向の移動速度をそれぞれ指示するものとし、これらの移動速度を合成した速度ベクトル信号に基づき所定の演算処理を行い、水平引き作業を行う際に、バケット先端の移動を幅広い範囲にわたって連続して制御でき、しかも所望の軌跡に沿って精度良くバケットを移動させることができるようにしている。
発明の開示
前述のように構成された3関節型掘削機の操作系では、3関節化することによって広い作業領域が得られる。しかし、この領域を連続的に操作することが難しいという不具合がある。つまり、第2ブーム105の操作をペダル109によって足で行っているために、レバーを手で操作するような微妙な調整が難しく、他の第1ブーム104やアーム102、バケット103の操作と協調して動作させることができない。従って、ほとんどの場合、遠くの作業を行う時には第2ブーム105を伸ばした状態に固定し、また、近くの作業を行う時には第2ブーム105を縮めた状態に固定して作業を行っているのが通常である。
また、特開平7−180173号公報の制御装置では、2本の操作レバーで3関節型掘削機の第1ブーム、第2ブーム、アーム、バケットを操作できるようにしているか、操作レバーはバケット先端のX方向及びY方向の移動速度をそれぞれ指示する特殊なものとなっており、通常の操作レバーとは大幅に操作性が異なるだけでなく旋回動作を指示する機能もない。しかも、水平引き等の特殊な作業に特化されており、掘削作業等、通常の作業を行うことはできない。
本発明の目的は、3関節型作業フロントを、オペレータの通常の技量の範囲で従来の2関節型の作業フロントと同等の操作感覚で操作可能とする3関節型掘削機の操作制御装置を提供することである。
なお、従来技術について、ブームを2分割した2ピースブーム型の掘削機を例に記述を進めてきたが、アームを2分割した場合にも3関節型掘削機としての機能は同一である。そこで、説明を一般化する意味で、以下の説明では3個の関節でそれぞれ回動する部材を、第1アーム、第2アーム、第3アームと呼ぶこととする。
(1)上記目的を達成するため、本発明は、掘削機本体と、掘削機本体に回動可能に取り付けられた第1アーム、第1アームに回動可能に取り付けられた第2アーム、第2アームに回動可能に取り付けられた第3アームを有する3関節型作業フロントと、第1アームを駆動する第1アームアクチュエータ、第2アームを駆動する第2アームアクチュエータ、第3アームを駆動する第3アームアクチュエータを有する油圧駆動装置とを有する3関節型掘削機の操作制御装置において、第1アーム、第2アーム、第3アームを操作するための2つの操作手段と、仮想第1アーム及び仮想第2アームを有する2関節型作業フロントを仮想的に設け、この仮想第2アームと前記実際の第3アームとの動きの関係を予め定めておき、前記2つの操作手段を前記仮想第1アームの第1操作手段及び仮想第2アームの第2操作手段としてそれぞれ機能させたときの仮想第2アームの動きに対応した動きが実際の第3アームの動きとして得られるよう、前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームのそれぞれの指令値を求め、これを前記油圧駆動装置に駆動指令信号として出力する指令演算手段とを備えるものとする。
本発明は、上記のように、3関節作業フロントを、オペレータの通常の技量の範囲て操作可能とする3関節型掘削機の操作制御装置を提供するものであり、そのため、本発明では2関節型の掘削機と同様の2つの操作手段だけで、3つの関節を操作できるようにするものである。
従来、一般的に使われてきた2関節型の掘削機は、掘削機本体に対し回動する第1アーム、第1アームに対して回動する第2アームとがあり、第1アーム・第2アームの回動によって第2アーム先端に取り付けられた作業具、例えば掘削用バケットを必要な場所に移動させ掘削等の作業を行っている。2関節型の掘削機であればオペレータは容易に操作可能であると考えられる。また、掘削等の作業において、オペレータは作業具(バケット)の周辺だけを注視していることも容易に観察される事実である。本発明はこのような従来の作業フロントの使われ方及び機構学的な自由度の考え方に着目してなされたものである。
つまり、従来から掘削作業においてオペレータがバケット周辺のみを注視していて作業を行うことが可能であるということは、2関節型作業フロントの第1アーム・第2アームが、それぞれ第1アーム・第2アームの回転角速度を与える2つの操作手段によって駆動されるなら、操作手段を操作した結果のバケットが移動する方向や姿勢を、バケット周辺の視覚情報を得ることで操作可能であることを意味している。従って、3関節型作業フロントにおいても、仮想第1アーム及び仮想第2アームを有する2関節型作業フロントを想定し、2つの操作手段がそれぞれ仮想第1アーム及び仮想第2アームの回転角速度を与えるかのような仮想的な動作を想定したときの仮想第2アームの動作に対応した動作を実際の第3アームの動作として与えれば、バケット周辺を見て作業している限り、2関節型作業フロントと同様に容易に掘削作業を行うことが可能となる。
次に、上記した動作が3関節型掘削機で可能であることを、機構学的に裏付ける。
旋回動作を考えなければ、2関節型作業フロントの場合、2次元平面上の任意の点に第2アーム先端を位置させることができる。これは、2関節型作業フロントが2つの関節、つまり2つの自由度を持っているからである。また、2関節型作業フロントでは、第2アーム先端を特定の位置に位置させたときの第2アームの姿勢(傾き)は一義的に決まってしまう。これは、2次元空間内の位置決めに2つの自由度を使ってしまうからである。これに対し、3関節型作業フロントの場合、自由度が3つあるので、第3アーム先端位置の他、第3アームの姿勢(傾き)も自由に選ぶことが可能となる。よって、仮想第2アームと前記実際の第3アームとの動きの関係を予め定めておき、仮想第2アームの動作に対応した動作を実際の第3アームの動作として与えることが可能となる。
本発明は以上の知見に基づいており、指令演算手段で上記のように仮想第2アームの動作に対応した動作が実際の第3アームの動作として得られるよう実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームのそれぞれの指令値を求めることにより、3関節型作業フロントを、オペレータの通常の技量の範囲で従来の2関節型の作業フロントと同等の操作感覚で操作可能となる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記指令演算手段は、前記仮想第2アームと前記実際の第3アームが剛体を形成するかのように動くように前記仮想第2アームと前記実際の第3アームとの動きの関係を定める。
このように仮想第2アームと実際の第3アームが剛体を形成するかのように動かすと仮想第2アームの回転角速度と実際の第3アームの回転角速度は同じとなるため、仮想第2アームの回転角速度が実際の第3アームの回転角速度として与えられることとなり、2関節型作業フロントと同様に容易に掘削作業を行うことが可能となる。
(3)また、上記(1)において、前記指令演算手段は、前記仮想第2アームの回転角速度が前記実際の第3アームの回転角速度として得られるように、前記仮想第2アームと前記実際の第3アームとの動きの関係を定めてもよい。
これにより仮想第2アームの回転角速度が実際の第3アームの回転角速度として与えられることとなり、2関節型作業フロントと同様に容易に掘削作業を行うことが可能となる。
(4)更に、上記(1)において、好ましくは、前記指令演算手段は、前記仮想第1アームに対する第1操作手段の角速度指令から前記仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係に基づき前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第1角速度指令をそれぞれ計算し、前記仮想第2アームに対する第2操作手段の角速度指令から前記仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係に基づき前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第2角速度指令をそれぞれ計算し、前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第1角速度指令及び第2角速度指令を合成して前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの指令値をそれぞれ求める。
これにより上記(1)のように、2つの操作手段を仮想第1アームの第1操作手段及び仮想第2アームの第2操作手段としてそれぞれ機能させたときの仮想第2アームの動作に対応した動作が実際の第3アームの動作として得られるよう実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームのそれぞれの指令値を求めることができる。
(5)また、上記(1)において、一実施形態では前記仮想的に設けた2関節型作業フロントの仮想第1アームの基端は前記実際の第1アームの基端に一致しており、この場合、前記指令演算手段は、前記仮想第1アームに対する第1操作手段の角速度指令を前記実際の第1アームの第1角速度指令として求め、前記仮想第2アームに対する第2操作手段の角速度指令から前記仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係に基づき前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第2角速度指令をそれぞれ計算し、前記実際の第1アームの第1角速度指令及び前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第2角速度指令を合成して前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの指令値をそれぞれ求める。
このように仮想第1アームの基端が実際の第1アームの基端に一致するよう仮想的な2関節型作業フロントを設けた場合は、そうでない場合よりも少ない演算量で実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームのそれぞれの指令値を求めることができる。
(6)また、上記(1)において、好ましくは、前記指令演算手段は、前記仮想第1アームに対する第1操作手段の角速度指令から前記仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係に基づき前記実際の第3アームの基端の目標速度を計算し、この第3アームの基端の目標速度と前記第1操作手段の角速度指令とから前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第1角速度指令をそれぞれ計算する手段と、前記仮想第2アームに対する第2操作手段の角速度指令から前記仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係に基づき前記実際の第3アームの基端の目標速度を計算し、この第3アームの基端の目標速度と前記第2操作手段の角速度指令とから前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第2角速度指令をそれぞれ計算する手段と、前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第1角速度指令及び第2角速度指令を合成して前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの指令値をそれぞれ求める手段とを有する。
これにより上記(4)のように、仮想第2アームの動作に対応した動作が実際の第3アームの動作として得られるよう実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームのそれぞれの指令値を求めることができる。
(7)更に、上記(1)において、前記指令演算手段は、前記3関節型作業フロントの姿勢を検出する姿勢検出手段を有し、この姿勢検出手段からの姿勢情報と前記第1及び第2操作手段の角速度指令とから前記指令値を計算する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の適用対象である3関節型掘削機の構造を説明する図である。
図2は、本発明の一実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置のシステム構成を油圧回路と共に示す図である。
図3は、本発明の一実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置の操作系を説明する図である。
図4は、本発明の一実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置の動作原理を説明する図である。
図5は、本発明の一実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置の動作原理を説明する図である。
図6は、本発明の一実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置の動作原理を説明する図である。
図7は、本発明の一実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置の動作原理を説明する図である。
図8は、本発明の第1の実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置のコントローラの機能を示すブロック線図である。
図9は、本発明の第2の実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置のコントローラの機能を示すブロック線図である。
図10は、本発明の第3の実施形態による3関節型掘削機の操作制御装置のコントローラの機能を示すブロック線図である。
図11は、従来の2関節型掘削機の構造を説明する図である。
図12は、従来の3関節型掘削機の一例としての、2ピースブーム型掘削機の構造を説明する図である。
図13は、従来の2関節型掘削機の操作系を説明する図である。
図14は、従来の2ピースブーム型掘削機の操作系を説明する図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
まず、本発明の第1の実施形態を図1〜図6により説明する。本実施形態は仮想の第1アームの基端を実際の第1アームの基端より後方に設定した場合のものである。
図1において、掘削機1の持つ作業フロント2は、それぞれ第1関節15、第2関節20、第3関節16にて上下方向に回動可能に取り付けられた第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5からなる3関節型であり、その基端(第1関節15)は掘削機本体99(上部旋回体)に支持され、その先端、即ち第4関節17に掘削用バケット6が上下方向に回動可能に取り付けられている。第1アーム3は第1アームシリンダ7、第2アーム4は第2アームシリンダ8、第3アーム5は第3アームシリンダ9でそれぞれ駆動され、バケット6はバケットシリンダ10で駆動される。
図2に油圧回路の一例を示す。図中、260は第1アームシリンダ7、第2アームシリンダ8、第3アームシリンダ9、バケットシリンダ10を含む油圧駆動回路であり、油圧ポンプ120から吐出された作動油は流量制御弁121,122,123,124を介して、第1アームシリンダ7、第2アームシリンダ8、第3アームシリンダ9、バケットシリンダ10に供給される。この他に、図示しない旋回用油圧モータ、走行用油圧モータがあり、これらも同様に接続されている。ここでは、第1アームシリンダ7について動作を説明するか、他のシリンダについても同様に動作する。
また、261は流量制御弁121,122,123,124に操作用のパイロット圧力を導くパイロット回路であり、パイロット油圧源262と、流量制御弁121に設けられた1対のパイロットライン263a,263b及び流量制御弁122,123,124に設けられた同様なパイロットライン264a,264b;265a,265b;266a,266b(一部のみ図示)と、パイロットライン263a,263bに配置された比例減圧弁129,130及びパイロットライン264a,264b;265a,265b;266a,266bに設けられた同様な比例減圧弁(図示せず)とで構成されている。
流量制御弁121は、非作動時にはスプリング127,128に支えられて中立位置にあり、各ポートはブロックされるので、第1アームシリンダ7は動かない。比例減圧弁129,130によって調整されたパイロット圧力が流量調整弁121のパイロット圧力室125,126に導かれており、いずれかにパイロット圧力がたつと、この圧力による力とスプリング127,128との釣り合いの位置に弁体は変位し、その変位量に応じた流量が第1アームシリンダ7に送られ、第1アームシリンダ7は伸縮する。流量制御弁122,123,124についても同様である。
比例減圧弁129,130及び図示しない他の比例電磁弁はコントローラ131からの駆動指令信号によって調整され、更にコントローラ131には操作レバー装置11,12からの操作信号及び角度検出器142,143,144からの検出信号が入力されている。操作レバー装置11,12は操作信号として電気信号を出力する電気レバー方式であり、操作レバー装置11,12の操作レバー11a,12aが操作されると、その操作量に応じて第1アームシリンダ7、第2アームシリンダ8、第3アームシリンダ9、バケットシリンダ10を任意の速度で駆動することができる。角度検出器142,143,144は第1関節15、第2関節20、第3関節16にそれぞれ取り付けられ、第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5の回転角度θ1,θ2,θ3を検出する。角度検出器としては各関節の角度を直接検出するポテンショメータであってもよいし、第1シリンダ7、第2シリンダ8、第3シリンダ9の変位量を検出し、回転角度を幾何学的に演算するものであってもよい。
操作レバー装置11,12の操作方法の詳細を図3に示す。
図3において、バケット及び旋回に関する操作は従来の掘削機と全く同じで、右側に配置された操作レバー装置11の操作レバー11aを右(a)方向に操作すると、操作量に応じた速度でバケット6はダンプ側(開く側)に動作する。同様に、操作レバー11aを左(b)方向に操作すると、操作量に応じた速度でバケット6はクラウド側(掻き込む側)に動作する。本体99を構成する上部旋回体の旋回動作に対しては、左側に配置された操作レバー装置12の操作レバー12aを前(g)又は後(h)に操作することで、操作量に応じた速度で上部旋回体99は右旋回又は左旋回を行う。
一方、従来、第1アーム3だけを動作させていた操作レバー装置11の操作レバー11aの前後方向(c,d方向)は、本発明では、その操作量に応じた速度で、図1に一点鎖線で示す仮想的に設けた2関節型作業フロントの仮想の第1アーム13を上下させる。また、従来、第2アーム4だけを動作させていた操作レバー装置12の操作レバー12aの左右方向(e,f方向)は、本発明では、その操作量に応じた速度で、図1に一点鎖線で示す仮想の第2アーム14を引き込み(クラウド)又は押し出し(ダンプ)させる。
上記のように操作レバー11aを前後方向(c,d方向)に、操作レバー12aを左右方向(e,f方向)に操作することにより第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5を動かす本発明の基本原理及びこの基本原理に基づく第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5の指令値の求め方を説明する。
まず、本発明の基本原理は、上記のように仮想の第1アーム13及び仮想の第2アーム14を有する2関節型作業フロントを仮想的に設け、仮想第2アーム14と実際の第3アーム5との動きの関係を予め定めておくことで、操作レバー11a,12aを操作したときの仮想第2アーム14の動作に対応した動作が実際の第3アーム5の動作として得られるよう、第1アーム3、第2アーム4及び第3アーム5の指令値を求めるものである。
ここで、仮想第2アーム14と実際の第3アーム5との動きの関係としては、本実施形態では、仮想第2アーム14と実際の第3アーム5とが剛体を形成するかのように動くように定める。このように仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係を定めることにより仮想第2アームの回転角速度と実際の第3アームの回転角速度は同じとなり、仮想第2アームの回転角速度が実際の第3アームの回転角速度として与えられることとなる。
また、仮想的に設けた2関節型作業フロントの仮想の第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19は車体99に対して任意の位置に設定可能であり、図1に示す実施形態では、仮想の第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19を実際の第1アーム3の基端(第1関節)15より後方の位置に設定している。また、図1では、実際の第1アーム3の基端(第1関節)15に仮想の第1関節19を一致させた場合の仮想の第1アームを符号13Aで示している。
更に、仮想の第1アーム13の長さ(仮想の第1関節19と仮想の第2関節18とを結ぶ線分の長さL0)及び仮想の第2アーム14の長さ(仮想の第2関節18と仮想の第3関節(バケット関節)17を結ぶ線分の長さL1)も、任意に設定可能である。本実施形態では、L0,L1を通常の2関節型掘削機よりも長くなるように設定している。
以下、図4〜図7を用い、第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5の指令値の求め方を説明しつつ本発明の基本原理を更に詳しく説明する。
(A)操作レバー11aで仮想第1アームを操作する場合
(A1)図4において、操作レバー11aの操作信号により仮想第1アーム13に与えられた上げ方向の指令角速度をωbrとすると、操作レバー12aが操作されていなければ仮想第2アーム14は仮想第1アーム13と同じ角速度で仮想の第1関節19回りを回転するので、バケット関節17が移動すべき速度(目標速度)Vb1は、仮想の第1関節19とバケット関節17を結ぶ線分(長さSb1)に対して垂直方向に、
Vb1=Sb1×ωbr …(1)
の大きさを持つ。
また、第3関節16が移動すべき速度(目標速度)Vb2は、仮想第2アーム14と実際の第3アーム5とが剛体(図示斜線部参照)を形成するかのように動くので、仮想の第1関節19と第3関節16を結ぶ線分(長さSb2)に対して垂直方向に、
Vb2=Sb2×ωbr …(2)
の大きさを持つ。
(A2)まず、第3関節16にVb2の速度を与えるのに必要な第1関節15回りの回転角速度及び第2関節20回りの回転角速度を検討する。
(A2-1)図5において、目標速度Vb2を、第1関節15と第3関節16とを結ぶ線分(長さS1)に垂直な方向の成分と、第2関節20と第3関節16とを結ぶ線分(長さM2)に垂直な方向の成分とに分解して、Vbs1,Vbs2を得る。
線分Sb2と線分M2とのなす角度をA、線分Sb2と線分S1とのなす角度をBとすれば、
これにより、第1アーム3の角速度指令ωb1と第2アーム4の角速度指令ωb2は次のように求めることができる。
なお、第1アーム3の角速度指令ωb1は上げ方向を正、第2アーム4の角速度指令ωb2はダンプ方向を正としている。
ここで、仮想の第1関節19を実際の第1関節15に一致させた仮想の第1アーム13Aを用いる実施形態では、角度B=0、S1=Sb2となるため、速度Vbs1,Vbs2は、
となる。よって、角速度指令ωb1,ωb2も、
となる。
(A2-2)次に、第3アーム5の角速度指令ωb3を求める。バケット関節17に与えるべき速度Vb1は、絶対座標系(第1関節15を原点とした座標系)における値であり、この速度Vb1は第3関節16の速度Vb2を含んでいる。よって、速度Vb1を速度Vb2と、第3関節16とバケット関節17を結ぶ線分(長さM3)に垂直な方向の成分Vbrとに分解する。
線分Sb1と線分Sb2とのなす角度をC、線分Sb1と線分M3とのなす角度をDとすれば、
という関係が得られ、速度Vbrを求めることができる。
また、上式の関係と、3つの線分Sb1、Sb2,M3で形成される3角形の関係式、
から、速度Vbrは以下のように求められる。
この速度Vbrを用いて、第3関節16回りの第3アーム5の角速度ωb3rは、
となる。即ち、仮想第1アーム13に与えられた指令角速度ωbrで第3アーム5も回転するので、結局、その指令角速度ωbrが第3関節16回りの第3アーム5の角速度b3rとなることが分かる。
ところで、この角速度ωb3rは、絶対座標系における第3関節16回りの第3アーム5の回転角速度を意味しており、第3アーム5を駆動するための角速度指令ωb3を求めるためには、第3関節16回りの第2アーム4の回転角速度を考慮する必要がある。この第3関節16回りの第2アーム4の回転角速度は、上記で求めた角速度指令ωb1,ωb2を用いてωb1+ωb2で表せることから、第3アーム5の角速度指令ωb3は、ダンプ方向を正として、
ωb3=ωb3r−(ωb1+ωb2)=ωbr−(ωb1+ωb2) …(10)
として求められる。
ここで、仮想の第1関節19を実際の第1関節15に一致させた仮想の第1アーム13Aを用いる実施形態では、上記のようにωb1=ωbr、ωb2=0であるから、
ωb3=0 …(10′)
となる。即ち、操作レバー11aのみで仮想第1アーム13を操作する場合は、仮想第1アーム13に与えられる指令角速度ωbrをそのまま第1アーム3の角速度指令ωb1とすればよい。
(B)操作レバー12aで仮想第2アームを操作する場合
(B1)図6において、操作レバー12aの操作信号により仮想第2アーム14に与えられた押し出し方向の指令角速度をωarとすると、バケット関節17が移動すべき速度Va1は、仮想の第2関節18とバケット関節17を結ぶ線分(長さL1)に対して垂直方向に、
Va1=L×ωar …(11)
の大きさを持つ。
また、第3関節16が移動すべき速度Va2は、仮想第2アーム14と実際の第3アーム5とが剛体(図示斜線部参照)を形成するかのように動くので、仮想の第2関節18と第3関節16を結ぶ線分(長さL2)に対して垂直方向に、
Va2=L2×ωar …(12)
の大きさを持つ。
(B2)まず、第3関節16にVa2の速度を与えるのに必要な第1関節15回りの回転角速度及び第2関節20回りの回転角速度を検討する。
(B2-1)図7において、目標速度Va2を、第1関節15と第3関節16とを結ぶ線分(長さS1)に垂直な方向の成分と、第2関節20と第3関節16とを結ぶ線分(長さM2)に垂直な方向の成分とに分解して、Vas1,Vas2を得る。
線分L2と線分M2とのなす角度をE、線分M2と線分S1とのなす角度をFとすれば、
これにより、第1アーム3の角速度指令ωa1と第2アーム4の角速度指令ωa2は次のように求めることができる。
なお、第1アーム3の角速度指令ωa1は上げ方向を正、第2アーム4の角速度指令ωa2はダンプ方向を正としている。
(B2-2)次に、第3アーム5の角速度指令ωa3を求める。バケット関節17に与えるべき速度Va1は、絶対座標系(第1関節15を原点とした座標系)における値であり、この速度Va1は第3関節16の速度Va2を含んでいる。よって、速度Va1を速度Va2と、第3関節16とバケット関節17を結ぶ線分(長さM3)に垂直な方向の成分Varとに分解する。
線分L2と線分L1とのなす角度をG、線分L1と線分M3とのなす角度をHとすれば、
という関係が得られ、速度Varを求めることができる。
また、上式の関係と、3つの線分L1,L2,M3で形成される3角形の関係式、
から、速度Varは以下のように求められる。
この速度Varを用いて、第3関節16回りの第3アーム5の角速度ωa3rは、
となる。即ち、仮想第2アーム14に与えられた指令角速度ωarで第3アーム5も回転するので、結局、その指令角速度ωarが第3関節16回りの第3アーム5の角速度ωa3rとなることが分かる。
ところで、この角速度ωa3rは、絶対座標系における第3関節16回りの第3アーム5の回転角速度を意味しており、第3アーム5を駆動するための角速度指令ωa3を求めるためには、第3関節16回りの第2アーム4の回転角速度を考慮する必要がある。この第3関節16回りの第2アーム4の回転角速度は、上記で求めた角速度指令ωa1,ωa2を用いてωa1+ωa2で表せることから、第3アーム5の角速度指令ωa3は、ダンプ方向を正として、
ωa3=ωa3r−(ωa1+ωa2)=ωar−(ωa1+ωa2) …(20)
として求められる。
(C)各アームの角速度指令値
各アーム3,4,5の角速度指令値ω1,ω2,ω3は、上記で求めた仮想第1アーム13を操作した場合の角速度指令ωb1,ωb2,ωb3と、仮想第2アーム14を操作した場合の角速度指令ωa1,ωa2,ωa3のそれぞれを加えたものとなるから、
ω1=ωb1+ωa1
ω2=ωb2+ωa2
ω3=ωb3+ωa3=ωbr+ωar−(ωb1+ωb2+ωa1+ωa2 …(21)
となる。
ここで、仮想の第1関節19を第1関節15に一致させた仮想の第1アーム13Aを用いる実施形態では、上記のようにωb1=ωbr、ωb2=0、ωb3=0であるから、
ω1=ωbr+ωa1
ω2=ωa2
ω3=ωa3=ωar−(ωa1+ωa2) …(21)
となる。
上記のように角速度指令ω1,ω2,ω3が求まれば、第1アーム3が角速度ω1、第2アーム4が角速度ω2、第3アーム5が角速度ω3で回動するよう第1アームシリンダ7、第2アームシリンダ8、第3アームシリンダ9を伸縮させればよい。
これにより、従来の2関節型作業フロントを有する掘削機と同様の2本の操作レバー11a,12aを用いて第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5を有する3関節作業フロント2を、オペレータに違和感を与えずに連続的に動作させることが可能であり、特にオペレータがバケット6の周辺を注視して作業する限り、オペレータの通常の技量の範囲で2関節型作業フロントと同じ操作感覚で操作可能となる。
また、本実施形態では、仮想の第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19を実際の第1アーム3の基端(第1関節)15より後方の位置に設定したので、バケット6を車体99に向けて水平方向に引くとき、車体99に近接した位置まで第1アームシリンダ7、第2アームシリンダ8、第3アームシリンダ9のいずれもストロークエンドに達することなく、各シリンダの有効ストロークを有効に利用できるようになり、水平引き作業で車体99に近接した位置までバケット6を動かすことができ、広い作業範囲を確保できる。
更に、仮想の第1アーム13長さL0及び仮想の第2アーム14の長さL1を通常の2関節型掘削機よりも長くなるように設定したので、バケット6を車体99の近くまで持って来たときに仮想の第2アーム14が垂直に近い姿勢を保てるようになり、これにより実際の第3アーム5も垂直に近い姿勢となり、良好な作業性が得られる。
図8に、上述した動作を実現するためのコントローラ131によって処理されるアルゴリズムを示す。
コントローラ131には、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2、第3アーム5の長さM3、仮想第1アーム13の長さL0、仮想第2アーム14の長さL1、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)があらかじめ定められ、記憶されている。
そしてコントローラ131には、仮想第1アーム13の角速度ωbrを指令する仮想第1アーム信号132と、仮想第2アーム14の角速度ωarを指令する仮想第2アーム信号133とが入力される。
まず、仮想第1アーム信号132に関する処理について説明する。仮想第1アーム信号132(ωbr)は、前記(2)式の演算を行って第3関節16の目標速度Vb2を得る第1演算ブロック160に入力される。この演算では仮想の第1関節19と第3関節16を結ぶ線分の長さSb2を用いるので、この長さSb2を計算する必要がある。この計算には刻々と変化する第3関節16の位置情報と仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19に関する情報とが必要となる。第3関節16の位置情報としては第1アーム3の回転角度θ1と第2アーム4の回転角度θ2が必要となる。このため、前述したように角度検出器142,143が設けられ、第1アーム3の回転角度θ1と第2アーム4の回転角度θ2が第1演算ブロック160に入力される。また、第3関節16の位置情報としては第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2も必要であり、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19に関する情報としては当該基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)が必要であり、これらはコントローラ131内に記憶しておいた上記の値が用いられる。
第1演算ブロック160で計算された第3関節16の目標速度Vb2は第2演算ブロック161に入力され、前述の(3)式及び(4)式により目標速度Vb2の第1関節15と第3関節16とを結ぶ線分(長さS1)に垂直な方向の成分Vbs1と、第2関節20と第3関節16とを結ぶ線分(長さM2)に垂直な方向の成分Vbs2とを計算する。ここでは、線分Sb2と線分M2とのなす角度A、線分Sb2と線分S1とのなす角度Bを用いるので、この角度A及びBを計算する必要がある。この計算には刻々と変化する第3関節16の位置情報及び第2関節20の位置情報と仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19に関する情報とが必要となる。第3関節16の位置情報については前述した。第2関節20の位置情報としては第1アーム3の回転角度θ1と第1アーム3の長さM1が必要となる。従って、第2演算ブロック161においても、上記第1演算ブロック160と同様に第1アーム3の回転角度θ1と第2アーム4の回転角度θ2が入力されると共に、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられる。
第2演算ブロック161で計算された速度成分Vbs1,Vbs2はそれぞれ第3及び第4演算ブロック163,164に入力され、上記(5)式及び(6)式により第1アーム3の角速度指令ωb1と第2アーム4の角速度指令ωb2を計算する。第3演算ブロック163の計算では第1関節15と第3関節16とを結ぶ線分の長さS1を用いるので、これを計算する必要がある。この計算には第3関節16の位置情報が必要である。このため、第3演算ブロック163には第1アーム3の回転角度θ1と第2アーム4の回転角度θ2が入力されると共に、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられる。第4演算ブロック164の計算では第2アーム4の長さM2としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられる。
第3及び第4演算ブロック163,164で計算された第1アーム3の角速度指令ωb1と第2アーム4の角速度指令ωb2は仮想第1アーム信号132(ωbr)と共に第5演算ブロック166に入力され、上記(10)式により第3アーム5の角速度指令ωb3を計算する。ここで、仮想第1アーム信号132の指令角速度ωbrは、上記(9)式で説明したように第1関節15を原点とした絶対座標系における第3関節16回りの第3アーム5の回転角速度ωb3rとして用いられる。
次に、仮想第2アーム信号133に関する処理について説明する。仮想第2アーム信号133(ωar)は、前記(12)式の演算を行って第3関節16の目標速度Va2を得る第6演算ブロック139に入力される。この演算では仮想の第2関節18と第3関節16を結ぶ線分の長さL2を用いるので、この長さL2を計算する必要がある。この計算には刻々と変化する第3関節16の位置情報と仮想第2アーム14の基端(仮想の第2関節)18の位置情報が必要となる。第3関節16の位置情報としては、前述したように、第1アーム3の回転角度θ1、第2アーム4の回転角度θ2、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2が必要となる。仮想第2アーム14の基端(仮想の第2関節)18の位置情報としては、仮想第1アーム13の回転角度θbと仮想第1アーム13の長さL0と仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)が必要となる。このため、第6演算ブロック139には、上記第1演算ブロック160と同様に第1アーム3の回転角度θ1と第2アーム4の回転角度θ2が入力され、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられると共に、更に仮想第1アーム13の回転角度θbが入力され、仮想第1アーム13の長さL0としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられる。
ここで、仮想第1アーム13の回転角度θbは角度演算ブロック148で計算される。この計算では、仮想第1アーム13の回転角度θbと仮想第2アーム14の回転角速度θaを未知数とし、第3アーム5の先端(第4関節)17と仮想第2アーム14の先端が一定の位置関係、この実施形態では両者の位置が等しいという関係を用いて連立方程式を立て、回転角度θb,θaを求める。第3アーム5の先端(第4関節)17の位置情報としては、第1アーム3の回転角度θ1、第2アーム4の回転角度θ2、第3アーム5の回転角度θ3と、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2、第3アーム5の長さM3とが必要となり、仮想第2アーム14の先端(第3アーム5の先端の第4関節)17の位置情報としては、未知数としての回転角度θb,θaと、仮想第1アーム13の長さL0、仮想第2アーム14の長さL1、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)とが必要となる。このため、前述したように角度検出器142,143,144が設けられ、第1アーム3の回転角度θ1、第2アーム4の回転角度θ2、第3アーム5の回転角度θ3が角度演算ブロック148に入力されると共に、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2、第3アーム5の長さM3、仮想第1アーム13の長さL0、仮想第2アーム14の長さL1、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)としてコントローラ131内に記憶しておいた上記の値が用いられる。
第6演算ブロック139で計算された第3関節16の目標速度Va2は第7演算ブロック140に入力され、前述の(13)式及び(14)式により目標速度Va2の第1関節15と第3関節16とを結ぶ線分(長さS1)に垂直な方向の成分Vas1と、第2関節20と第3関節16とを結ぶ線分(長さM2)に垂直な方向の成分Vas2とを計算する。ここでは、線分L2と線分M2とのなす角度E、線分M2と線分S1とのなす角度Fを用いるので、この角度E及びFを計算する必要がある。この計算には第3関節16の位置情報、第2関節20の位置情報、仮想第2アーム14の基端(仮想の第2関節)18の位置情報が必要となる。このため、第7演算ブロック140には、第6演算ブロック139と同様に第1アーム3の回転角度θ1、第2アーム4の回転角度θ2、仮想第1アーム13の回転角度θbが入力されると共に、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2、仮想第1アーム13の長さL0、仮想第1アーム13の基端(仮想の第1関節)19の位置情報(X0,Y0)としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられる。
第7演算ブロック140で計算された速度成分Vas1,Vas2はそれぞれ第8及び第9演算ブロック145,146に入力され、上記(15)式及び(16)式により第1アーム3の角速度指令ωa1と第2アーム4の角速度指令ωa2を計算する。第8演算ブロック145の計算では第1関節15と第3関節16とを結ぶ線分の長さS1を用いるので、第3演算ブロック163と同様に角度検出器142,143で検出した第1アーム3の回転角度θ1と第2アーム4の回転角度θ2が入力されると共に、第1アーム3の長さM1、第2アーム4の長さM2としてコントローラ131に記憶しておいた値が用いられる。第9演算ブロック146の計算では第4演算ブロック164と同様に第2アーム4の長さM2としてコントローラ131内に記憶しておいた値が用いられる。
第8及び第9演算ブロック145,146で計算された第1アーム3の角速度指令ωa1と第2アーム4の角速度指令ωa2は仮想第2アーム信号133(ωar)と共に第10演算ブロック149に入力され、上記(20)式により第3アーム5の角速度指令ωa3を計算する。ここで、仮想第2アーム信号133の指令角速度ωarは、上記(19)式で説明したように第1関節15を原点とした絶対座標系における第3関節16回りの第3アーム5の回転角速度ωa3rとして用いられる。
以上のようにして計算された仮想第1アーム信号132による第1アーム3の角速度指令ωb1、第2アーム4の角速度指令ωb2、第3アーム5の角速度指令ωb3と仮想第2アーム信号133による第1アーム3の角速度指令ωa1、第2アーム4の角速度指令ωa2、第3アーム5の角速度指令ωa3は、上記(21)式に従って加算部171,172,173でそれぞれ加算され、各アーム3,4,5の角速度指令値ω1,ω2,ω3が求められる。これらの指令値ω1,ω2,ω3は、それぞれ、飽和関数150,151,152,153,154,155に入力され、それらの正負に応じた駆動指令信号(電気信号)が出力される。即ち、指令値ω1が正の場合は飽和関数150によりω1に応じた駆動指令信号(電気信号)が比例減圧弁130に出力され、負の場合は飽和関数151によりω1に応じた駆動指令信号(電気信号)が比例減圧弁129に出力される。指令値ω2,ω3の場合も同様である。
以上のような本実施形態によれば、従来の2関節型作業フロントを有する掘削機と同様の2本の操作レバー11a,12aを用いて第1アーム3、第2アーム4、第3アーム5を有する3関節作業フロント2を、オペレータの通常の技量の範囲で従来の2関節型の作業フロントと同等の操作感覚で動作させることが可能であり、3関節型掘削機の特徴である広い作業範囲を従来の2関節型の掘削機と同等の操作感覚で連続的に操作することができる。
本発明の第2の実施形態を図9を用いて説明する。本実施形態は、仮想の第1関節19を第1アーム3の第1関節15に一致させた仮想の第1アーム13A(図1参照)を用いた場合のものである。図中、図8に示した部分と同等の部分には同じ符号を付している。
前述したように仮想の第1アーム13Aの第1関節19が実際の第1アーム3の第1関節15に一致させた場合は、仮想第1アーム信号132による第1、第2、第3アーム3,4,5の角速度指令ωb1,ωb2,ωb3は、上記(5′)式、(6′)式、(10′)式より、ω1=ωbr、ωb2=0、ωb3=0であり、第1、第2、第3アーム3,4,5の角速度指令値ω1,ω2,ω3は、上記(21′)式より、ω1=ωbr+ωa1、ω2=ωa2、ω3=ωar−(ωa1+ωa2)となる。よって、本実施形態では、図8の第1演算ブロック160〜第5演算ブロック166、加算部172,173は不要となり、図9に示すように、仮想第1アーム信号132の指令角速度ωbrは第8演算ブロック145で求めた第1アーム3の角速度指令ωa1と加算部171で直接加算され、第1アームの角速度指令値ω1が計算される。また、第9演算ブロック146及び第10演算ブロック149で計算された第2アーム4の角速度指令ωa2及び第3アーム5の角速度指令ωa3は、それぞれ、そのまま第2、第3アーム4,5の角速度指令値ω2,ω3として用いられる。
本実施形態によれば、図8に示した第1の実施形態に比べてコントローラ131Aでの計算量を減らすことができ、コントローラ131Aの限られた処理能力及びメモリ容量の範囲内で応答の良い制御が可能となる。
本発明の第3の実施形態を図10を用いて説明する。本実施形態は、図9に示した実施形態において、各アームの回転角度を角度検出器を用いずに、各アームへの回転角速度指令値を積分演算することで求めたものである。図中、図8、図9に示した部分と同等の部分には同じ符号を付している。
第1、第2、第3アーム3,4,5の回転角度θ1,θ2,θ3は、それぞれ第1、第2、第3アーム3,4,5への角速度指令値ω1,ω2,ω3を積分した値に対応し、仮想第1アーム13の回転角度θbは操作信号132の指令角速度ωbrを積分した値に対応する。このため、本実施形態では、図10に示すように積分器134,136,137,138を設け、第1、第2、第3アーム3,4,5への角速度指令値ω1,ω2,ω3を積分器136,137,138で積分することで回転角度θ1,θ2,θ3に変換し、操作信号132の指令角速度ωbrを積分器134で積分することで回転角度θbに変換し、第6〜第8演算ブロック139,140,145で用いる。
角度検出器142,143,144を用いた第1及び第2の実施形態では、刻々と変化する各アームの回転角度θ1,θ2,θ3を、演算の誤差を含むことなく直接に利用することができるので、精度の高い制御を実現することができる。これに対し、本実施形態では、制御精度は多少劣るが、角度検出器142,143,144を用いる必要がないので、その分安価にシステムを構築することができる。
なお、以上の実施形態では、各アームの角速度指令を別々に求めて、それぞれの和を求めて各アームの角度指令値とする構成としているが、まず、各関節の合成された速度V1,V2を求め、それから各アームの角速度指令を求める構成としてもよい。
また、上記実施形態では、各関節の速度を計算する演算ブロック139,140を備える構成としているが、その計算は1つの関係式で求めることができるので、これらは1つも演算ブロックにまとめてもよい。
更に、上記実施形態では、仮想の2関節型作業フロントの第1アーム13及び仮想の第2アーム14の長さL0,L1に関し、広い作業範囲を操作可能とするためにこれらL0,L1を長く設定したが、この長さは目的に応じて任意に設定可能である。また、仮想の2関節型作業フロントの仮想第1関節と3関節型作業フロントの第1関節15とが一致しない場合の両者の位置関係も、要求される動作特性に応じて任意に設定可能である。
また、上記実施形態では、仮想の2関節型作業フロントの仮想第2アームの先端(バケット関節)と3関節型作業フロントの第3アームの先端(バケット関節)を完全に一致させたが、これは多少ずれていても構わない。また、この場合も、両者の位置関係さえ決まっていれば、両者の位置を一致させた場合と同様の演算処理が可能である。
産業上の利用可能性
本発明によれば、3関節型作業フロントを、従来の2関節型の作業フロントと同様の2本の操作レバーを用いてオペレータの通常の技量の範囲で従来の2関節型の作業フロントと同等の操作感覚で操作することができる。
Claims (7)
- 掘削機本体(99)と、掘削機本体に回動可能に取り付けられた第1アーム(3)、第1アームに回動可能に取り付けられた第2アーム(4)、第2アームに回動可能に取り付けられた第3アーム(5)を有する3関節型作業フロント(2)と、第1アームを駆動する第1アームアクチュエータ(7)、第2アームを駆動する第2アームアクチュエータ(8)、第3アームを駆動する第3アームアクチュエータ(9)を有する油圧駆動装置(260,261)とを有する3関節型掘削機(1)の操作制御装置において、
第1アーム(3)、第2アーム(4)、第3アーム(5)を操作するための2つの操作手段(11,12)と、
仮想第1アーム(13又は13A)及び仮想第2アーム(14)を有する2関節型作業フロントを仮想的に設け、この仮想第2アーム(14)と前記実際の第3アーム(5)との動きの関係を予め定めておき、前記2つの操作手段(11,12)を前記仮想第1アーム(13又は13A)の第1操作手段(11)及び仮想第2アーム(14)の第2操作手段(12)としてそれぞれ機能させたときの仮想第2アーム(14)の動きに対応した動きが実際の第3アーム(5)の動きとして得られるよう、前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームのそれぞれの指令値を求め、これを前記油圧駆動装置(260,261)の駆動指令信号として出力する指令演算手段(131)とを備えることを特徴とする3関節型掘削機の操作制御装置。 - 請求項1記載の3関節型掘削機の操作制御装置において、前記指令演算手段(131)は、前記仮想第2アーム(14)と前記実際の第3アーム(5)が剛体を形成するかのように動くように前記仮想第2アームと前記実際の第3アームとの動きの関係を定めたことを特徴とする3関節型掘削機の操作制御装置。
- 請求項1記載の3関節型掘削機の操作制御装置において、前記指令演算手段(131)は、前記仮想第2アーム(14)の回転角速度(ωbr,ωar)が前記実際の第3アーム(5)の回転角速度として得られるように、前記仮想第2アームと前記実際の第3アームとの動きの関係を定めたことを特徴とする3関節型掘削機の操作制御装置。
- 請求項1記載の3関節型掘削機の操作制御装置において、前記指令演算手段(131)は、前記仮想第1アーム(13)に対する第1操作手段(11)の角速度指令(ωbr)から前記仮想第2アーム(14)と実際の第3アーム(5)との動きの関係に基づき前記実際の第1アーム(3)、第2アーム(4)及び第3アーム(5)の第1角速度指令(ωb1,ωb2,ωb3)をそれぞれ計算し、前記仮想第2アーム(14)に対する第2操作手段(12)の角速度指令(ωar)から前記仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係に基づき前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第2角速度指令(ωa1,ωa2,ωa3)をそれぞれ計算し、前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第1角速度指令(ωb1,ωb2,ωb3)及び第2角速度指令(ωa1,ωa2,ωa3)を合成して前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの指令値(ω1,ω2,ω3)をそれぞれ求めることを特徴とする3関節型掘削機の操作制御装置。
- 請求項1記載の3関節型掘削機の操作制御装置において、前記仮想的に設けた2関節型作業フロントの仮想第1アーム(13A)の基端(15)は前記実際の第1アーム(3)の基端(15)に一致しており、前記指令演算手段(131)は、前記仮想第1アーム(13A)に対する第1操作手段(11)の角速度指令(ωbr)を前記実際の第1アーム(3)の第1角速度指令(ωb1)として求め、前記仮想第2アーム(14)に対する第2操作手段(12)の角速度指令(ωar)から前記仮想第2アーム(14)と実際の第3アーム(5)との動きの関係に基づき前記実際の第1アーム(3)、第2アーム(4)及び第3アーム(5)の第2角速度指令(ωa1,ωa2,ωa3)をそれぞれ計算し、前記実際の第1アームの第1角速度指令(ωb1)及び前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第2角速度指令(ωa1,ωa2,ωa3)を合成して前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの指令値(ω1,ω2,ω3)をそれぞれ求めることを特徴とする3関節型掘削機の操作制御装置。
- 請求項1記載の3関節型掘削機の操作制御装置において、前記指令演算手段(131)は、
前記仮想第1アーム(13)に対する第1操作手段(11)の角速度指令(ωbr)から前記仮想第2アーム(14)と実際の第3アーム(5)との動きの関係に基づき前記実際の第3アーム(5)の基端(16)の目標速度(Vb2)を計算し、この第3アームの基端の目標速度と前記第1操作手段の角速度指令とから前記実際の第1アーム(3)、第2アーム(4)及び第3アーム(5)の第1角速度指令(ωb1,ωb2,ωb3)をそれぞれ計算する手段(160,161,163,164,166)と、
前記仮想第2アーム(14)に対する第2操作手段(12)の角速度指令(ωar)から前記仮想第2アームと実際の第3アームとの動きの関係に基づき前記実際の第3アーム(5)の基端(16)の目標速度(Va2)を計算し、この第3アームの基端の目標速度と前記第2操作手段の角速度指令とから前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第2角速度指令(ωa1,ωa2,ωa3)をそれぞれ計算する手段(139,140,145,146,148,149)と、
前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの第1角速度指令(ωb1,ωb2,ωb3)及び第2角速度指令(ωa1,ωa2,ωa3)を合成して前記実際の第1アーム、第2アーム及び第3アームの指令値(ω1,ω2,ω3)をそれぞれ求める手段(171,172,173)とを有することを特徴とする3関節型掘削機の操作制御装置。 - 請求項1記載の3関節型掘削機の操作制御装置において、前記指令演算手段は、前記3関節型作業フロント(2)の姿勢を検出する姿勢検出手段(142,143,144又は134,136,137,138)を有し、この姿勢検出手段からの姿勢情報と前記第1及び第2操作手段(11,12)の角速度指令とから前記指令値(ω1,ω2,ω3)を計算することを特徴とする3関節型掘削機の操作制御装置。
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