JP3822416B2 - フランシス形のポンプ水車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フランシス形のポンプ水車ランナに係り、特に、長翼と短翼とをランナの周方向に沿って交互に配置したフランシス形のポンプ水車ランナに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フランシス形のポンプ水車ランナは、図7に示すように、内周側の出口EXから半径方向に沿って延び、外周側の入口INに向って渦巻状に形成したランナベーン1,1をランナ2と一体として形成するとともに、ランナ2の周方向に沿ってランナベーン1,1を複数枚にして配置し、ランナ2の入口INから流入した動力水Wでランナ2を回転させ、その回転力で回転軸(主軸、図示せず)に動力(回転トルク)を与えていた。
【0003】
しかし、図7で示したフランシス形のポンプ水車では、動力水Wの落差が高いとき、ランナベーン1,1のランナクラウン側(図示せず)に近い圧力面3,3から動力水Wの剥離現象があらわれ、キャビテーションを発生させ、水力性能を低下させる要因になっていた。
【0004】
このため、フランシス形のポンプ水車は、図8に示すように、ランナベーン1,1を入口INから出口EXまでキャンバー線を長く延ばした長翼1aと隣りの長翼1aとの破線で示す中央位置線BCL上に設置され、入口INから出口EXまでのキャンバー線を長翼1a,1aに較べて相対的に短くした短翼1b,1bを配置するとともに、長翼1a,1aと短翼1b,1bとをランナ2の周方向に沿って交互に配置した、いわゆるスプリットタイプの中間翼を備えたフランシス形のポンプ水車ランナが提案されている。
【0005】
このスプリットタイプの中間翼を備えたフランシス形のポンプ水車ランナは、長翼1aの1枚当りの負荷を低く抑えるとともに、動力水Wの整流効果を持たせて水車運転時の部分負荷効率を向上させ、さらにポンプ運転時のポンプ出口での滑り減少に伴うポンプ効率の向上を図ったものである。なお、長翼1a,1aと短翼1b,1bとは、ともに翼断面(プロファイル)を同一形状にしたもので、キャンバー線の距離の長短だけの相違になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図8で示したスプリットタイプの中間翼を備えたフランシス形のポンプ水車には、いくつかの不都合、不具合な点が含まれており、その一つにキャビテーションの発生がある。
【0007】
このスプリットタイプの中間翼を備えたフランシス形のポンプ水車は、水車運転時、図9に示すように、長翼1a,1aでの翼負荷に基づく循環の強さΓ1と短翼1b,1bでの翼負荷に基づく循環の強さΓ2とがΓ1>Γ2の関係になっているために、ランナ2への動力水Wの流れが長短翼1a,1a,1b,1bともに同一翼断面であっても、長翼1a,1aへの局所的な動力水Wの流れのランナ2の周方向となす角(流入角)α1と短翼1b,1bへの局所的な動力水Wの流れのランナ2の周方向となす角(流入角)α2とが、α1>α2の関係になっている。
【0008】
このため、短翼1b,1bでは、水車運転時、圧力面3の側でキャビテーション4が発生しやすくなるとともに、動力水Wの流れが圧力面3の側から剥離し、水力性能の低下の要因になっている。もっとも、水車出力が小さく、落差が低い水車運転時では、キャビテーション4が発生しやすくはなっているものの、動力水Wのランナ2に対する流入角α1,α2が異なると、より一層顕著になっている。
【0009】
一般に、フランシス形のポンプ水車では、電力需要の変動への迅速な応答が大きな使命の一つになっており、通常、部分負荷(低出力)で運転し、電力需要の急増の際、出力を増加させる運転パターンを多く採っている。
【0010】
したがって、電力調整代の拡大を求めて下限出力(低出力)運転幅の拡大や長時間運転に亘る部分負荷運転時の効率向上が望まれている。
【0011】
しかし、スプリットタイプの中間翼を備えたフランシス形のポンプ水車では、短翼の入口側でキャビテーションの発生が大きくなっていることを考えると、キャビテーションがより一層発生しやすい低出力運転を避ける傾向になり、低出力運転幅をより一層拡大させたいとする要求を満たすことができない問題点があった。その上、短翼1bの負圧面5における動力水Wの剥離は、効率低下に直接つながっていた。
【0012】
本発明は、このような実情に照してなされたもので、キャビテーションの発生を抑制し、低出力運転幅をより一層拡大させたフランシス形のポンプ水車ランナを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るフランシス形のポンプ水車は、上述の目的を達成するため、請求項1に記載したように、ランナベーンを長翼と短翼とに区分けし、区分けした長翼と短翼とをランナの周方向に沿って交互に配置したフランシス形のポンプ水車において、上記短翼の入口端を、これを境に互いに対峙する長翼間の真中の中央位置線上に配置させるとともに、上記短翼の出口端を、ランナ回転中心を通り、上記短翼を境に互いに対峙する長翼間の真中の中央位置線上に配置した場合の上記出口端に結ぶ基準線からの回転角をθとし、長翼および短翼の合計枚数をZrとするとき、その回転角θを、
0<θ<360{(1/Zr)−(1/(Zr+2))}
の範囲に設定し、上記一方の長翼の負圧面側に向って回転させた位置に配置させたものである。
【0015】
また、本発明に係るフランシス形のポンプ水車は、上述の目的を達成するため、請求項2に記載したように、ランナベーンを長翼と短翼とに区分けし、区分けした長翼と短翼とをランナの周方向に沿って交互に配置したフランシス形のポンプ水車において、上記長翼における入口端の入口角をβ1とし、上記短翼における入口端の入口角をβ2とするとき、上記長翼における入口端の入口角β1と上記短翼における入口端の入口角β2との関係を、β1>β2に設定する一方、上記短翼の出口端を、ランナ回転中心を通り、上記短翼を境に互いに対峙する長翼間の真中の中央位置線上に配置した場合の上記出口端に結ぶ基準線からの回転角をθとし、長翼および短翼の合計枚数をZrとするとき、その回転角θを、
0<θ<360{(1/Zr)−(1/(Zr+2))}
の範囲に設定し、上記一方の長翼の負圧面側に向って回転させた位置に配置させたものである。
【0016】
また、本発明に係るフランシス形のポンプ水車は、上述の目的を達成するため、請求項3に記載したように、短翼の入口端は、ランナ回転中心を通り、上記短翼を境に互いに対峙する長翼間の真中の中央位置線上に配置した場合の上記入口端に結ぶ基準線からの回転角をθとし、長翼および短翼の合計枚数をZrとするとき、その回転角θを、
0<θ<360{(1/Zr)−(1/(Zr+2))}
の範囲に設定したものである。
【0018】
また、本発明に係るフランシス形のポンプ水車は、上述の目的を達成するため、請求項4に記載したように、上記ランナベーンの外接円と上記長翼との接点からランナ回転中心に直線を引き、その直線が上記長翼の負圧面と交わる点と上記長翼の接点との距離を上記長翼入口厚みteとし、上記ランナベーンの外接円と上記短翼との接点からランナ回転中心に直線を引き、その直線が上記短翼の負圧面と交わる点と上記短翼の接点との距離を上記短翼入口厚みtsとするとき、長翼入口厚みteと短翼入口厚みtsとを、ts>teに設定したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るフランシス形のポンプ水車ランナの実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0020】
図1は、本発明に係るフランシス形のポンプ水車ランナの第1実施形態を部分的に示す子午断面図である。
【0021】
本実施形態に係るフランシス形のポンプ水車ランナは、ランナ回転中心軸6まで延びたランナクラウン7とランナバンド8とで支持され、周方向に沿って配置した複数枚のランナベーン9を備えるとともに、複数枚のランナベーン9の間に流路を形成し、ランナベーン9の入口INから流入した動力水Wを流路を介して出口EXに向って流線SLとして流す際、動力水Wの持つエネルギを回転トルクに変えてランナ回転中心軸6に与え、回転軸(主軸)を介して発電機を駆動するようになっている。
【0022】
一方、ランナベーン9は、図2に示すように、長翼9a,9aと短翼9b,9bとに区分けし、区分けした長翼9a,9aと短翼9b,9bとを交互にランナ10の周方向に沿って配置するいわゆるスプリットタイプの中間翼を備えた構成になっている。
【0023】
また、長翼9aと隣りの長翼9aとの間に位置する短翼9b,9bは、これらを境に互いに対峙する長翼9a,9a間の真中の破線で示す中央位置線BCLから反時計方向(ポンプ運転のときのランナ回転方向)に向って一方の長翼9aの負圧面11側に配置している。
【0024】
さらに、短翼9b,9bの出口端EXPは、ランナ回転中心O10を通り、短翼9b,9bを境に互いに対峙する長翼9a,9a間の真中の中央位置線BCL上に配置した場合の上記出口端に結ぶ基準線Lsからの回転角をθとし、長翼9a,9bと短翼9b,9bとの合計枚数をZrとするとき、その出口端EXPの回転角θを、
【数5】
の範囲に設定したものである。なお、本実施形態では、説明の便宜上、短翼9b,9bにおける出口端EXPの回転角θだけを説明しているが、入口端INPにおける回転角θも同様である。
【0025】
この場合も、ランナ回転中心O10を通り、入口端INPを中央位置線BCL上に配置した場合の上記入口端INPに結ぶ基準線Lsからを回転角θとしている。
【0026】
図3は、長翼の圧力面に作用する圧力分布線Pmin−lと短翼の圧力面に作用する圧力分布線Pmin−sとを対比させた圧力分布線図で、縦軸に最低圧力Pminを、横軸に回転角θを示す実験データである。つまり、図2では、短翼の回転角を増加させると、回転角の増加分だけ、長翼の入口圧力面に作用する最低圧力Pminが低下するものの、逆に短翼の入口圧力面に作用する最低圧力が増加し、今迄、長翼に較べて短翼の方がより多く発生していたキャビテーションを抑制でき、長翼および短翼の合計全体を勘案すれば、キャビテーションが従来より一層抑制できることを意味している。なお、図3中、破線で示す回転角θ=360×{(1/Zr)−(1/(Zr+2))}°は、この値を超えると、長翼と短翼とで形成する流路が狭くなりすぎて製造が難しくなる領域であるため、上限の限界値としている。
【0027】
このように、本実施形態では、短翼9b,9bを、入口端および出口端における中央位置線BCLから反時計方向に向って隣りの長翼9aの負圧面11側に配置させるとともに、短翼9b,9bにおける入口端INP、出口端EXPの回転角θを、0<θ<360{(1/Zr)−(1/(Zr+2))}の範囲に設定したので、従来に較べてより一層キャビテーションを抑制することができ、低出力運転幅をより一層拡大することができる。
【0028】
図4は、本発明に係るフランシス形のポンプ水車の第2実施形態を示す平面図である。なお、第1実施形態で示した構成部分または対応部分と同一部分には同一符号を付す。
【0029】
本実施形態に係るフランシス形のポンプ水車は、長翼9aと対峙する隣りの長翼9aとの真中の破線で示す中央位置線BCLに短翼9b,9bの入口端INPを設置して長翼9a,9aとの間のピッチPを等配にさせるとともに、第1実施形態と同様に、ランナ回転中心O10を通り、短翼9b,9bを境に互いに対峙する長翼9a,9a間の真中の中央位置線BCL上に配置した場合の出口端EXPに結ぶ基準線Lsからの回転角をθ1とし、長翼9a,9aと短翼9b,9bとの合計枚数をZrとするとき、短翼9b,9bの出口端EXPを一方の長翼9aの負圧面11側に向わせ、かつ回転角θ1を、
【数6】
の範囲に設定したものである。なお、本実施形態では、長翼9a,9aの翼断面形状と、短翼9b,9bの翼断面形状とを異ならしめており、この点が、第1実施形態で示したものと異っている。
【0030】
本実施形態は、上述のとおり、長翼9aと隣りの長翼9aとの真中の中央位置線BCL上に短翼9b,9bの入口端INPを配置して長翼9a,9aとの間のピッチPを等配にさせ、短翼9b,9bの入口角(取付け角)と動力水Wの流入角との食い違いをより一層少なくさせたので、動力水Wをランナ10の入口に良好に案内させることができ、短翼9b,9bの圧力面12で発生するキャビテーションをより一層少なくさせて動力水Wの剥離現象に伴う水力性能の低下を防止することができる。
【0031】
また、本実施形態は、第1実施形態と同様に、回転角をθ1とし、長翼9a,9aと短翼9b,9bとの合計枚数をZrとするとき、短翼9b,9bの出口端EXPを一方の長翼9aの負圧面11側に向わせ、かつ回転角θ1を、
【数7】
の範囲に設定したので、短翼9b,9bの循環の強さを大きくして長翼9a,9aの循環の強さに近づけることができ、循環の強さの増加に伴って動力水Wにより一層多くの仕事をさせることができる。
【0032】
したがって、本実施形態では、短翼に発生するキャビテーションを抑制するとともに、短翼の翼負荷を増加させて動力水Wにより多くの仕事をさせるので、低出力運転幅を従来に較べてより一層拡大させることができる。
【0033】
図5は、本発明に係るフランシス形のポンプ水車の第3実施形態を示す平面図である。なお、第1実施形態で示した構成部分または対応部分と同一部分には同一符号を付す。
【0034】
本実施形態に係るフランシス形のポンプ水車は、長翼9a,9aにおける入口端INP1の入口角をβ1とし、短翼9b,9bにおける入口翼INP2の入口角をβ2とするとき、長翼9a,9aにおける入口端INP1の入口角β1と短翼9b,9bにおける入口端INP2の入口角β2との間にβ1>β2の関係式を持たせるとともに、第1実施形態および第2実施形態と同様に、回転角をθ2とし、長翼9a,9aと短翼9b,9bとの合計枚数をZrとするとき、短翼9b,9bの出口端EXPを長翼9aと隣りの長翼9aとの真中の中央位置線BCLから一方の長翼9aの負圧面11側に向わせ、かつ回転角θ2を、
【数8】
の範囲に設定したものである。なお、長翼9a,9aにおける入口端INP1と短翼9b,9bにおける入口端INP2との間のピッチPは、等配、不等配のいずれでもよい。
【0035】
このように、本実施形態は、長翼9a,9aにおける入口端INP1の入口角β1と短翼9b,9bにおける入口端INP2の入口角β2とをβ1>β2の関係式にする一方、短翼9b,9bの出口端EXPを長翼9aと隣りの長翼9aとの真中の中央位置線BCLから一方の長翼9aの負圧面11側に向わせ、かつ回転角θ2を、
【数9】
の範囲に設定したので、動力水Wをランナ10の入口に良好に案内させてキャビテーションを抑制することができ、短翼9b,9bの循環の強さの増加に伴う翼負荷を増加させて動力水Wにより多くの仕事をさせることができる。
【0036】
したがって、本実施形態によれば、キャビテーションの抑制と翼負荷の増加とにより、低出力運転幅を従来に較べてより一層拡大させることができる。
【0037】
図6は、本発明に係るフランシス形のポンプ水車の第4実施形態を示し、説明の便宜上、長翼と短翼とを重ね合わせて対比させた一部切欠き部分図である。なお、第1実施形態で示した構成部分または対応部分と同一部分には同一符号を付す。
【0038】
本実施形態に係るフランシス形のポンプ水車は、ランナ10の周方向に沿って交互に配置させた長翼9a,9aにおける入口側の翼断面形状(プロファイル)と短翼9b,9bにおける入口側の翼断面形状とを異ならしめたものである。
【0039】
今、ランナ10の周方向に沿って交互に配置した長翼9a,9aと短翼9b,9bとのうち、説明の便宜上、長翼9a,9aは破線で表わし、また短翼9b,9bは実線で表わす。
【0040】
長翼9a,9aは、ランナベーン9の外接円13と長翼9a,9aとの接点TPeからランナ回転中心O10に直線を引き、その直線Leが長翼9a,9aの負圧面11と交わる点CPeと長翼9a,9aの接点TPeとの距離を長翼入口厚みteとする。
【0041】
また、短翼9b,9bは、長翼9a,9aと同様に、ランナベーン9の外接円13と短翼9b,9bとの接点TPsからランナ回転中心O10に直線を引き、その直線Lsが短翼9b,9bの負圧面11と交わる点CPsと短翼9b,9bの接点TPsとの距離を短翼入口厚みtsとする。
【0042】
このとき、長翼入口厚みteと短翼入口厚みtsとの関係は、
【数10】
ts > te
に設定したものである。
【0043】
一般に、長翼9a,9aと短翼9b,9bとに区分けするスプリットタイプの中間翼を備えたランナベーン9は、長翼9a,9aおよび短翼9b,9bともに、キャビテーションの発生が入口側の翼断面形状によるところが大きく、動力水Wの流入角の変化に対して影響の小さな翼断面形状にすることがキャビテーションを抑制する上で重要な技術事項と考えられている。
【0044】
本実施形態は、このような点に着目したもので、長翼入口厚みteと短翼入口厚みtsとの関係を、ts>teに設定することにより短翼9b,9bの圧力面12を流れる動力水Wの圧力低下を防止させたので、短翼9b,9bから発生するキャビテーションを抑制することができる。
【0045】
したがって、本実施形態では、キャビテーションの発生を抑制したので、低出力運転幅を拡大させることができる。特に、本実施形態に、第1実施形態から第3実施形態のうち、少なくとも一つ以上を選択して組み合わせれば、低出力運転幅をより一層拡大させることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明に係るフランシス形のポンプ水車は、ランナベーンを長翼と短翼とに区分けし、区分けした長翼と短翼とをランナの周方向に沿って交互に配置したスプリットタイプの中間翼を備える一方、短翼の翼負荷を増加させて動力水により多くの仕事をさせるとともに、動力水が流入する短翼の入口側に発生するキャビテーションを抑制したので、低出力運転幅をより一層拡大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフランシス形のポンプ水車ランナの第1実施形態を部分的に示す子午断面図。
【図2】本発明に係るフランシス形のポンプ水車ランナを図1に示した流線に沿って見た平面図。
【図3】本発明に係るフランシス形のポンプ水車ランナにおける長翼の圧力面に作用する圧力分布線と短翼の圧力面に作用する圧力分布線とを対比させた圧力分布線図。
【図4】本発明に係るフランシス形のポンプ水車の第2実施形態を示す平面図。
【図5】本発明に係るフランシス形のポンプ水車の第3実施形態を示す平面図。
【図6】本発明に係るフランシス形のポンプ水車の第4実施形態を示し、長翼と短翼とを重ね合わせて対比させた一部切欠き部分図。
【図7】従来のフランシス形のポンプ水車を示す平面図。
【図8】従来のスプリットタイプの中間翼を備えたフランシス形のポンプ水車を示す平面図。
【図9】従来のスプリットタイプの中間翼を備えたフランシス形のポンプ水車に発生する現象を説明するために用いた概念図。
【符号の説明】
1 ライナベーン
1a 長翼
1b 短翼
2 ランナ
3 圧力面
4 キャビテーション
5 負圧面
6 ランナ回転中心軸
7 ランナクラウン
8 ランナバンド
9 ランナベーン
9a 長翼
9b 短翼
10 ランナ
11 負圧面
12 圧力面
13 外接円
Claims (4)
- ランナベーンを長翼と短翼とに区分けし、区分けした長翼と短翼とをランナの周方向に沿って交互に配置したフランシス形のポンプ水車において、
上記短翼の入口端を、これを境に互いに対峙する長翼間の真中の中央位置線上に配置させるとともに、
上記短翼の出口端を、ランナ回転中心を通り、上記短翼を境に互いに対峙する長翼間の真中の中央位置線上に配置した場合の上記出口端に結ぶ基準線からの回転角をθとし、長翼および短翼の合計枚数をZrとするとき、その回転角θを、
0<θ<360{(1/Zr)−(1/(Zr+2))}
の範囲に設定し、上記一方の長翼の負圧面側に向って回転させた位置に配置させた
ことを特徴とするフランシス形のポンプ水車。 - ランナベーンを長翼と短翼とに区分けし、区分けした長翼と短翼とをランナの周方向に沿って交互に配置したフランシス形のポンプ水車において、
上記長翼における入口端の入口角をβ1とし、
上記短翼における入口端の入口角をβ2とするとき、
上記長翼における入口端の入口角β1と上記短翼における入口端の入口角β2との関係を、β1>β2に設定する一方、
上記短翼の出口端を、ランナ回転中心を通り、上記短翼を境に互いに対峙する長翼間の真中の中央位置線上に配置した場合の上記出口端に結ぶ基準線からの回転角をθとし、長翼および短翼の合計枚数をZrとするとき、その回転角θを、
0<θ<360{(1/Zr)−(1/(Zr+2))}
の範囲に設定し、上記一方の長翼の負圧面側に向って回転させた位置に配置させた
ことを特徴とするフランシス形のポンプ水車。 - 短翼の入口端は、ランナ回転中心を通り、
上記短翼を境に互いに対峙する長翼間の真中の中央位置線上に配置した場合の上記入口端に結ぶ基準線からの回転角をθとし、長翼および短翼の合計枚数をZrとするとき、その回転角θを、
0<θ<360{(1/Zr)−(1/(Zr+2))}
の範囲に設定した
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフランシス形のポンプ水車。 - 上記ランナベーンの外接円と上記長翼との接点からランナ回転中心に直線を引き、その直線が上記長翼の負圧面と交わる点と上記長翼の接点との距離を上記長翼入口厚みteとし、上記ランナベーンの外接円と上記短翼との接点からランナ回転中心に直線を引き、その直線が上記短翼の負圧面と交わる点と上記短翼の接点との距離を上記短翼入口厚みtsとするとき、長翼入口厚みteと短翼入口厚みtsとを、ts>teに設定した
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフランシス形のポンプ水車。
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