JP3821544B2 - ホルムアミジン系化合物およびそれを用いた紫外線吸収剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、常温液体の特定のホルムアミジン系化合物とそれを用いた紫外線吸収剤に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、ホルムアミジン系化合物よりなる紫外線吸収剤は、各種有機材料(合成高分子、化粧品、塗料、写真薬、紙、センイ等)に対して有効であることがよく知られている。
【0003】
例えば、特公昭60−54300号公報には、N,N′−ジフェニル−N′−(4−エトキシカルボニルフェニル)ホルムアミジン、N′−(4−エトキシカルボニルフェニル)−N−メチル−N−フェニルホルムアミジン、N,N′−ビス(4−エトキシカルボニルフェニル)−N−メチルホルムアミジン、N′−(4−エトキシカルボニルフェニル)−N−(2′−メトキシフェニル)−N−メチルホルムアミジン、N−(4−n−ブトキシカルボニルフェニル)−N′−(4′−エチルカルボニル)−N−メチルホルムアミジンなどの本発明のR1に相当する基が1〜4の低級アルキル基をもつホルムアミジンの製法およびその生成物の紫外線吸収効果について記載されているが、その粘度についての検討は全くなされていない。
【0004】
また、特開平5−78338号公報にはN′−(2−チアゾリル)−N−メチル−N−フェニルホルムアミジン、N′−(2−チアゾリル)−N−エチル−N−フェニルホルムアミジンなどの置換ヘテロ環状ホルムアミジンよりなる紫外線吸収剤が開示されている。しかしながら、これらの化合物が油状物質〜結晶物質であるとの開示にとどまり、これら化合物の粘度についての検討は全くなされていない。
【0005】
調べてみると、これらのホルムアミジン類は、常温高粘度液状あるいは常温固体の結晶性物質である。ところが最近では、合成高分子等の応用分野の拡大や新規用途の開発が進みより相溶性のよいかつ粘度が小さく取あつかいやすい液体の紫外線吸収剤を求める声が高まっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は合成高分子等と相溶性がよく、常温液体でかつ粘度が低いホルムアミジン系化合物およびそれを含む紫外線吸収剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、一般式(1)
【化2】
〔式中、R1は炭素数7〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基、R2は炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、R3およびR4は水素、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルコキシ基およびハロゲンよりなる群
からそれぞれ独立して選ばれた基である。〕
で示されるホルムアミジン系化合物に関する。
【0008】
本発明の第二は、請求項1または2記載のホルムアミジン系化合物を用いた紫外線吸収剤に関する。
【0009】
前記R1の例としては、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、4−エチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、n−オクチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシル、n−ノニル、2−メチルオクチル、3−メチルノニル、4−メチルノニル、2−エチルヘプチル、3−エチルヘプチル、4−エチルヘプチル、n−デシル、2−メチルノニル、3−メチルノニル、4−メチルノニル、2−エチルオクチル、3−エチルオクチル、4−エチルオクチル、n−ウンデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシルなどを挙げることができるが、好ましくは炭素数7〜10のアルキル基とくに分岐アルキル基が好ましい。
【0010】
前記R2の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシルなどを挙げることができ、とくに炭素数1〜8、とりわけ1〜3の低級アルキル基が好ましい。
【0011】
前記R3とR4のハロゲンとしては塩素が好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、iso−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、2−メチルヘキシルオキシなどを挙げることができ、とくに炭素数1〜8、とりわけ1〜3の低級アルコキシ基が好ましいが、R3およびR4としてみたときには水素がもっとも好ましい。
【0012】
本発明化合物の合成方法の例を以下に2通り例示する。
【0013】
第1の合成法は、下記反応式に示すように、まず、4−アミノベンゾエート類とトリアルキルオルトホルメート(トリアルコキシメタン)とを撹拌しながら70〜200℃に加熱し、副生するアルコールを留出させながら反応させ、カルボアルコキシホルムイミデート類を得、ついで得られたホルムイミデート類の単離精製品または粗製物とN−置換アニリン類とを撹拌下に70〜270℃で副生するアルコールを留出させながら反応を行い、目的物であるホルムアミジンを得る。
【0014】
【化3】
【0015】
前記Rとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルなどを挙げることができる。
【0016】
第2の合成法は、下記反応式に示すように、4−アミノベンゾエート類とホルムアミド類を五塩化リン、三塩化リン、オキシ塩化リンなどの触媒の存在下、トルエン、キシレンなどのような芳香族炭化水素などの溶媒中で反応させ、ホルムアミジン系化合物を得る。
【0017】
【化4】
【0018】
本発明の紫外線吸収剤は、合成樹脂、合成ゴム、化粧品などに添加して安定な組成物をつくることができる。これら合成樹脂、合成ゴムとしては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ABS、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、アルキッド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、SBR、NBR等を挙げることができる。好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン/プロピレンコポリマーおよびABSなどを挙げることができる。
【0019】
本発明の紫外線吸収剤は、液状であるので塗料との混和性がよく、有機ポリマー含有コーチング、特に自動車用塗料に使用するのが好ましい。また、蒸留により不溶物を取り除いたものであるので、無溶媒であるいは少量の溶媒を用いて写真材料に混和することができ有利である。
【0020】
合成および天然繊維に添加することで基質繊維の着色劣化および染料の脱色を抑制することもできる。たとえば、本発明のトリアゾールとカチオン系分散剤を合せて濃度が10〜80%、好ましくは30〜40%とした、安定な水溶性エマルジョンあるいは有機溶剤乳化液を形成することができ、このものは、好ましくはポリエステル繊維との吸着性に優れ、分散染料染着時に添加することにより、その特徴である紫外線吸収性を発揮する。
【0021】
本紫外線吸収剤は、安定化すべき物質に対して0.05ないし10重量%を加える。好ましくは0.1ないし5重量%である。また、本発明のものを単独であるいは2種以上混合して使用することができる。
勿論、従来公知の下記の紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等と併用することもできる。
【0022】
併用できる光安定剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−[2−{3−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、こはく酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキシ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β′,β′−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−メタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−メタクリレート、のようなヒンダードアミン類があげられる。
また、たとえば、〔2,2−チオ−ビス−(4−t−オクチルフェノラート)〕−n−ブチルアミン−ニッケル(II)、4,4′−ジ−オクチルオキシオキサニリド、ジラウリル チオジプロピオネート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、のような化合物があげられる。
【0023】
本発明の紫外線吸収剤と併用可能な公知の紫外線吸収剤としては、たとえば、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、のようなベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−ベンゾトリアゾール、メチル−3−〔3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール分子量約300との縮合物のようなベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;p−オクチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、t−ブチルフェニルサリチレート、のようなサリチレート系紫外線吸収剤;レゾルシノールモノベンゾエート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル、5−t−ブチル−2−エトキシ−2′,2′−エチルオキサニリド、5−ジヘキシルアミノ−2−シアノ−2,4−ペンタジエンニトリル、等の紫外線吸収剤があげられる。
【0024】
本発明の紫外線吸収剤と併用可能な公知の酸化防止剤としては、たとえば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノールのようなアルキルフェノール類;2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、のようなアルキル化ハイドロキノン類;4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−チオビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−チオビス−(4−オクチルフェノール)のようなチオビスフェノール類;2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−ノニルフェノール)、1,1,3−トリス−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタンのようなアルキリデンビスフェノール類;また、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス−(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル) イソシアヌレート、2−t−ブチル−6−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル) プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ブチル酸3,3−ビス−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エチレンエステル、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスホネート−ジエチルエステルなどが挙げられる。
【0025】
本発明の紫外線吸収剤は、たとえば、可塑剤、乳化剤、潤滑剤、顔料、けい光増白剤、難燃剤、帯電防止剤等と併用することができる。
【0026】
本発明のホルムアミジン系化合物は、紫外線吸収剤として化粧料に配合することができる。本発明のホルムアミジン系化合物は、常法により前記公知の化粧料基剤に配合し、クリーム、溶液、油剤、スプレー、スティック、乳液、ファンデーション、軟膏に調剤することにより製造される。
【0027】
本発明化粧料中の前記ホルムアミジン系化合物の配合量は、使用形態により変動し得るので特に限定されず、有効量混在すればよいが、一般には組成物中に0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜5重量%となるように配合するのがよい。本発明の前記ホルムアミジン系化合物は種々の添加剤とともに使用することができる。適当な添加剤としては、例えばW/O型またはO/W型の乳剤が挙げられる。乳化剤としては、市販の乳化剤でよく、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
また、エチルセルロース、ポリアクリル酸、ゼラチン、寒天等の増粘剤も必要に応じて加えることもできる。更に、必要に応じて香料、保湿剤、乳化安定剤、薬効成分など添加してもよい。
【0028】
本発明に係る化粧料である皮膚外用剤の基剤は、前記ホルムアミジン系化合物に対し不活性のものであればよく、固体、液体、乳剤、泡状液、ゲル等のいずれであってもよい。本発明の化粧品基剤としては、例えばオリーブ油、ツバキ油、綿実油、ヒマシ油、大豆油、ヤシ油、カカオ脂、ラノリン、蜜ロウ、カルナバロウ、硬化油、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、アスコルビン酸、ベヘニン酸、それらのエステル、またはそれらの金属塩類、デシルエチル、オレイル、ラウリル、セチルまたはステアリルアルコール等の高級アルコール類が挙げられる。また、その他の基材としては、合成油、例えばスクワランモノステアリン酸グリセライド、合成ポリエーテル油類、ソルビタンモノオレート、ラノリン及びその水素添加物または、スクワラン類など;鉱物油、例えばパラフィン、ワセリン、流動パラフィン、マイクロクリスタルワックス等;が挙げられる。更に使用できる他の基材としては、シリコン油、ポリエーテル類、ジアルキルシロキサン類、澱粉またはタルク等の微粉末、スイッチスバウト型噴射剤として使用される低沸点炭化水素またはハロゲンを有する炭化水素等が挙げられる。
【0029】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等が挙げられる。粘着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、アルギン酸ナトリウム塩、プロピレングリコールエステル等が挙げられる。
【0030】
保存剤としては、例えば安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、p−オキシ安息香酸エステル類等が挙げられる。溶剤としては、例えばエタノール、アセトン、酢酸エステル、イソプロパノール等が挙げられる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何等限定されるものではない。
【0032】
実施例1
N′−〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルフェニル〕−N−メチル−N−フェニルホルムアミジンの合成
【化5】
トリエチルオルトホルメート889.2gに撹拌下p−アミノ安息香酸 2−エチルヘキシル249.4gを加え、副生するエタノールを留出させながら4時間かけ140℃まで加熱昇温させた。さらに140〜145℃で2時間反応後、過剰のトリエチルオルトホルメートを714g回収した。残りを蒸留し、エチル−〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニル〕ホルムイミデート275gを得た。
収率90%
沸点150〜155℃/0.20〜0.25mmHg
無色液体
ついで、前記ホルムイミデート213.8gにN−メチルアニリン71.3gを加え、副生するエタノールを留出させながら8時間かけ230℃まで加熱昇温させた。蒸留してN′−〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルフェニル〕−N−メチル−N−フェニルホルムアミジン221gを得た。
収率87%
沸点215〜220℃/0.20〜0.25mmHg
微黄色液体
【0033】
実施例2
N′−(4−オクチルオキシカルボニルフェニル)−N−メチル−N−フェニルホルムアミジンの合成
【化6】
実施例1において、p−アミノ安息香酸 2−エチルヘキシルの代りにp−アミノ安息香酸 オクチルを使用し、実施例1と同様に反応および後処理を行った。
蒸留によりN′−(4−オクチルオキシカルボニルフェニル)−N−メチル−N−フェニルホルムアミジン226gを得た。
収率80%(p−アミノ安息香酸 オクチルからの収率)
沸点220〜225℃/0.25〜0.30mmHg
微黄色液体
【0034】
実施例1と2の本発明化合物と、特公昭60−54300号公報例1記載の下記式
【化7】
で示されるN′−(4−エトキシカルボニルフェニル)−N−メチル−N−フェニルホルムアミジン(比較例)との粘度を対比すると下記表に示すとおりである。
【0035】
【表1】
【0036】
前記表から明らかなとおり、本発明のものは先行技術である特公昭60−54300号発明の化合物と較べて粘度が半分以下である。通常、分子量が大きくなれば粘度が高くなると考えるのが常識であるから、これはまさに驚くべきことである。
【0037】
実施例3
以下、本発明に係る皮膚外用剤の具体的な配合例について説明する。
表2のような処方にて、実施例1の化合物N′−〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルフェニル〕−N−メチル−N−フェニルホルムアミジンを配合した美容液と、比較対照として、対照例1の化合物「2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン」、対照例2の化合物「p−メトキシ桂皮酸 2−エチルヘキシル」を配合した美容液の製造を行った。
【0038】
【表2】
【0039】
日焼け止め効果の確認
実施例1で製造した化合物を用いた実施例3と比較対照例2の美溶液をそれぞれ皮膚に塗布し海浜での実使用の効果テストを行った。サンプル液を男女それぞれ10名の背中に左右半分づつ塗布し、日焼け度合いを調べ、その結果を表3に示す。判定基準は日焼け度合いに応じて以下の評価基準とした。
評価基準
紅斑が認められない ○
僅かに紅斑が認められた △
強い紅斑が認められた ×
【表3】
【0040】
実施例4(高分子物質に対する光安定化効果)
ポリエチレン粉末及びポリプロピレン粉末100重量部に、実施例1で製造したサンプルを、それぞれ0.05重量部、0.2重量部及び0.5重量部を配合して、ミキサーで充分混合した後、シリンダー温度200℃、25mm径押出機によって溶融混練して造粒した。得られたペレットを210℃で、厚さ0.25mmのシートに圧縮成型して試験片を作成した。得られた試験片は、引張り試験に対応するダンベル型に打ち抜いた。上記と同様の方法にて光安定剤無添加の比較対照用の試験片を作成し、評価を行った。
【0041】
これらの試験片をスガ試験機株式会社製WEL−75XS−HS−BEC型キセノン・サンシャインロングライフウェザーオメーターを用い、ブラックパネル温度80℃で光照射して、各々の試験片の引張り強度低下の経時変化を比較した。
引張り試験は島津製作所(株)製DSS−5000型引張り試験機を用い、温度23±2℃、相対湿度50±5%、試験速度毎分50±5.0mmで行った。引張り強度は以下の方法により求めた。
【数1】
Ts=引張り強度(kgf/mm2)
T=サンプルの厚み(mm)
W=サンプルの幅(mm)
S=サンプルの最大強度(kgf)
【0042】
得られた結果は表4に示す通りであった。表4に示した結果から明らかなように、本発明によるホルムアミジン系化合物は優れた安定化効果(すなわち劣化時間の延長)を示す。
【表4】
【0043】
【効果】
(1) 本発明により新しいホルムアミジンを提供できた。
(2) 本発明のホルムアミジンは、先行技術である特公昭60−54300号公報記載の化合物に較べて分子量が大きいにもかかわらず、粘度が低いという驚くべき物性を示した。
(3) 本発明のホルムアミジンは、粘度が低いので取扱いやすく、また合成樹脂、合成ゴム、化粧料基材などの相溶性に優れている。
Claims (3)
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP19195097A JP3821544B2 (ja) | 1997-07-02 | 1997-07-02 | ホルムアミジン系化合物およびそれを用いた紫外線吸収剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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