JP3821517B2 - エンジンの過給圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの過給圧制御装置に関し、特に吸入空気温度に影響されることなく過給圧を適切に制御するエンジンの過給圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンの高出力化の要求に応えるべく、ターボチャージャ、スーパーチャージャ等の過給機を搭載したエンジンが用いられている。これら過給機は、シリンダ内への吸入空気量を大幅に増やして体積効率を向上させ、エンジンの出力性能を大幅に向上させるものである。そして、過給機からの過給圧をエンジン動作状態に応じて最適に制御する技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、特開昭61−207827号公報には、過給機からの過給圧をエンジン動作状態に応じて予め設定されている目標過給圧に制御し、かつ吸入空気の温度が所定値以下の場合は過給圧を低く設定した目標過給圧に切り替えて過給圧制御を行うことにより過給圧を適正に保つ技術が開示されている。
【0004】
すなわち、過給圧センサの検出信号から実測の過給圧と目標過給圧とを比較し、実測の過給圧の方が低いときはウエストゲート弁を絞ることによって過給圧を上昇させ、実測の過給圧の方が高いときはウエストゲート弁を開くことによって過給圧を下降させる。
【0005】
そして、エンジンの吸入空気の温度を検出して吸入空気温度が所定値以下であるか否かを判断し、所定値以下の場合は通常時よりも過給圧を低く設定した目標過給圧データマップを参照することにより過給圧制御を行う。したがって、低外気温時、低く設定された目標過給圧により過給圧制御を行うことによってエンジンの過給圧を適正に制御する旨が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記先行技術のように吸入空気温度により目標過給圧を変更しても、低外気温時に吸入空気の質量重量が増加したことに伴う過給圧の一時的な増加である、いわゆるオーバーシュートが発生する。その結果、過剰な過給圧がエンジンに供給されることとなり、急激なトルク変動によるドライバビリティの悪化やエンジンの耐久性等に不具合が生じるおそれがある。
【0007】
このような、過給圧のオーバーシュートによる不具合を防止するために、過給圧の上限値を設定して、過剰な過給圧の供給を防止する方法がある。例えば、ウエストゲート弁による過給圧制御において、エンジン動作状態に応じた過給圧の上限値を設けて、過給圧が上限値を超えないようにウエストゲート弁の開度を制限する方法がある。
【0008】
ウエストゲート弁の開度は、デューティソレノイド弁をON/OFFデューティ制御してアクチュエータを駆動することにより制御され、デューティ比DUTYを小さくするとウエストゲート弁の開度は大きくなり過給圧は漸次的に低下する。また、デューティ比DUTYを大きくするとウエストゲート弁の開度は小さくなり過給圧は漸次的に上昇する。そして、デューティ比DUTYの最大値をエンジン動作状態に応じて予め設定することによりウエストゲート弁による最大過給圧値を設定することができる。
【0009】
したがって、過給圧はデューティ最大値により設定された最高過給圧よりも大きくなることはなく、オーバーシュートを防止することができるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、低外気温時には、吸入空気の質量重量は吸入空気密度の増大によって通常時よりも増加しているので、その増加分だけ過給圧は上昇することとなる。すなわち、同一過給圧を得るために必要なデューティ値は小さくなることから、設定したデューティ最大値との差が大きくなり、過給圧のオーバーシュートが発生することとなる。これにより、エンジンの過剰出力の発生を招き、エンジンの耐久性に悪影響を及ぼす場合もある。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、吸入空気温度の変化による過給圧のオーバーシュートを確実に防止して、常に適切な過給圧に制御することができるエンジンの過給圧制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係るエンジンの過給圧制御装置は、エンジンの吸入空気の温度を検出する吸気温検出手段と、エンジン動作状態に応じて基本目標過給圧を設定する基本目標過給圧設定手段と、吸気温検出手段により検出した吸入空気温度に基づき基本目標過給圧を補正して目標過給圧を設定する目標過給圧設定手段と、エンジン動作状態に応じて最高過給圧を設定する最高過給圧設定手段と、吸気温検出手段により検出した吸入空気温度に基づき最高過給圧を補正する最高過給圧補正手段と、最高過給圧補正手段により補正された最高過給圧を上限としてエンジンに供給される過給圧を目標過給圧に制御する過給圧制御手段とを有することを特徴とする。したがって、いかなる吸入空気温度状態においても確実に過給圧のオーバーシュートを防止することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエンジンの過給圧制御装置において、最高過給圧補正手段は、基準となる所定の吸入空気温度を比較基準値として、その比較基準値と吸入空気温度とを比較し、比較基準値よりも吸入空気温度の方が低い場合にその差に応じて最高過給圧を低く補正することを特徴とする。これにより、エンジンの吸入空気温度が所定値よりも低下した場合に、その低下量に応じて過給圧の最高過給圧を低下させる補正を行う。したがって、吸入空気質量重量は増加するが、最高過給圧はその増加分だけ低下させられるので、過給圧のオーバーシュートを防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係るエンジンの過給圧制御装置が用いられる車両用エンジンの概略全体構成図である。図示のように、エンジン10は吸気通路12と排気通路14を具備しており、吸気通路12と排気通路14には排気ガスを利用してエンジン10に過給圧を供給するターボチャージャ20が設けられている。
【0015】
吸気通路12において、ターボチャージャ20の下流側には、切替ソレノイド弁22により吸気通路12内の圧力と大気圧Peとを選択的に検出する絶対圧センサ24が設けられ、更に下流側にはエンジン10に供給される吸入空気流量Qの調整を行うスロットルバルブ26が設けられている。また、吸気通路12の下端には、エンジン10の燃焼室(図示せず)内に向けて適宜、燃料を噴射供給するインジェクタ28が設けられている。
【0016】
ターボチャージャ20は、吸気通路12側に設けられたコンプレッサ16と、排気通路14側に設けられたタービン18とをベアリングにて軸支されたシャフト19にて連結しており、ハウジングケース内に収容している。タービン18が納められているタービンハウジング18aの流入口18bには、タービン18に供給される排気ガス流量を調整可能とするウエストゲート弁30が設けられており、ウエストゲート弁作動用アクチュエータ32が連設されている。
【0017】
ウエストゲート弁作動用アクチュエータ32は、ダイヤフラムにより2室に分けられており、一方はウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁38に連通する圧力室32aを形成しており、他方はウエストゲート弁30を閉方向(タービン18の回転数を上昇させる方向)に付勢するスプリングを収容したスプリング室32bを形成している。この圧力室32aに所定値以上の圧力(正圧)が加えられると、ウエストゲート弁30は開方向(タービン18の回転数を低下させる方向)に動作させられる。
【0018】
ウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁38は、ウエストゲート弁作動用アクチュエータ32の圧力室32aと、コンプレッサ16の下流側に開口し小径の流路面積をもって形成された過給圧供給通路40と、コンプレッサ16の上流側に開口し小径の流路面積をもって形成された負圧供給通路42にそれぞれ連通するポートを有する電磁三方弁である。そして、後述する電子制御装置(以下、単に「ECU」という)44から出力される制御信号のデューティ比に応じて負圧供給通路42に連通されたポート38aの弁開度を調節する。したがって、コンプレッサ16の上流側の圧力と下流側の圧力とを調圧して圧力室32aに供給する圧力を制御する。
【0019】
本実施の形態では、ウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁38に出力されるデューティ比が小さいほどポート38aの弁開度は小さくなり、圧力室32aには高い制御圧が供給される。これにより、ウエストゲート弁30の開度は大きくなり、エンジンに供給される過給圧は低下する。反対に、出力されるデューティ比が大きくなるほどポート38aの弁開度は大きくなり、圧力室32aに供給される制御圧は低下する。したがって、ウエストゲート弁30の開度は小さくなり、過給圧は上昇する。
【0020】
次に、エンジン10に設けられた各センサ類について説明する。まず、最初に、吸気通路12の上流側よりエンジン10に吸入される吸入空気量を検出するエアフローメータ45、吸入空気温度を検出する吸気温センサ47が設けられており、コンプレッサ16の下流側にはスロットルバルブ26の開度を検出するスロットル開度センサ48が設けられている。また、エンジン10本体にはクランク軸(図示せず)の回転数Ne及び回転角度を検出するクランク角センサ46が設けられている。
【0021】
そして、これら各センサからの検出信号を入力し、また、各アクチュエータに制御信号を出力してエンジン10の電子制御を行うECU44が設けられている。
【0022】
以下、図2に基づいてECU44について説明する。図示したように、ECU44は、各センサからの検出信号を入力する入力インタフェース44a、各アクチュエータへの駆動制御信号を出力する出力インタフェース44b、主演算装置としてのCPU44c、制御プログラムや予め設定された固定データが記憶されているROM44d、各センサ類からの信号を処理した後のデータやCPU44cで演算処理したデータが格納されるRAM44e、さらに学習データなどを格納するバックアップRAM44f、タイマ44g等をバスライン44hで相互に接続してなるマイクロコンピュータシステムとして構成されている。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態の制御系に係る機能ブロック図である。図示のように、ECU44は、その内部に目標過給圧設定部50、目標過給圧補正部52、最高過給圧設定部54、最高過給圧補正部56、過給圧制御部58、及び最高過給圧制限部60を具備している。
【0024】
目標過給圧設定部50は、クランク角センサ46により検出したエンジン回転数Neとスロットル開度センサ48により検出したスロットル開度θとによりエンジン動作状態を算出し、該エンジン動作状態に応じた基本目標過給圧を設定する。目標過給圧補正部52は、吸入空気温度センサ45により検出した吸入空気温度Ta及び絶対圧センサ24により検出した大気圧Peに応じて基本目標過給圧を補正する目標過給圧吸入空気温度補正係数を一次元のデータテーブルを補間計算付で参照することにより設定し、目標過給圧設定部50に出力する。
【0025】
目標過給圧設定部50は、目標過給圧吸入空気温度補正係数を用いて基本目標過給圧を補正して目標過給圧を設定し、過給圧制御部58に出力する。過給圧制御部58は、絶対圧センサ24により検出した吸気通路12内の過給圧を目標過給圧に制御する制御信号c1をウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁38に出力する。
【0026】
最高過給圧設定部54は、エンジン回転数Neとスロットル開度θよりエンジン動作状態を検出し、該エンジン動作状態に応じた最高過給圧を設定する。最高過給圧補正部56は、吸入空気温度Taに応じて最高過給圧を補正する最高過給圧補正係数を一次元のデータテーブルを補間計算付で参照することにより設定し、最高過給圧設定部54に出力する。
【0027】
最高過給圧設定部54は、入力した最高過給圧補正係数を用いて最高過給圧を補正して最高過給圧制限部60に出力する。最高過給圧制限部60は、エンジン10に供給される過給圧Pが最高過給圧を越えないように制限する制御信号c2をウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁38に出力する。
【0028】
ウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁38は、入力した制御信号c1及び制御信号c2に基づいて駆動され、アクチュエータ32を介してウエストゲート弁30の弁開度を制御する。
【0029】
次に、上記構成のエンジンの過給圧制御装置の制御ついて、図4〜図7を用いて以下に説明する。本実施の形態におけるエンジンの過給圧制御は、エンジンに実際に供給される過給圧がエンジンの動作状態に応じて予め設定されている目標過給圧となるように、ウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁38を制御する。そして、その際に目標過給圧を吸入空気温度に応じて補正する。
【0030】
また、その制御の際に、エンジンの耐え得る過給圧としてエンジン動作状態に応じて予め設定した最高過給圧を実際の過給圧が越えないように制御する。すなわち、ウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁38に出力されるデューティ比DUTYの最大デューティ値をエンジン動作状態に応じて予め設定しておき、PI制御(比例積分制御)により演算されたデューティ比DUTYが最大デューティ値を越えないように制限する。これにより、過給圧が最高限度過給圧以上にならないようにウエストゲート弁の開度を制御する。そして、その際に最大デューティ値を吸入空気温度に応じて補正するものである。
【0031】
図4は、エンジンの目標過給圧TPTAGT を設定するための目標過給圧設定ルーチンを示すフローチャートである。図示のように、ステップ(以下、単に「S」という)101にて、吸気通路内の過給圧Pを制御する目標となる基本目標過給圧TPTAGTMを設定する。ここで、基本目標過給圧TPTAGTMは基準となる所定の運転環境条件(本実施の形態では、気温25℃、気圧760mmHg)にて予め設定されているエンジン回転数Neとスロットル開度θをパラメータとする8×8格子を有する基本目標過給圧データマップを補間計算付で参照することにより設定する。
【0032】
次に、S102では基本目標過給圧を補正する目標過給圧吸気温補正係数KTAIR1 を設定する。ここで、吸入空気温度Taは吸気温センサ47により検出され、目標過給圧吸気温補正係数KTAIR1 は、S102内に図示するようにROM44d内にストアされた吸入空気温度Taをパラメータとする一次元テーブルにより設定される。
【0033】
S103では、現在の大気圧Peに基づきテーブルを補間計算付で参照することにより大気圧補正係数KALCOM を設定する。ここで、大気圧Peは切替ソレノイド弁22の切替により絶対圧センサ24から検出され、大気圧補正係数KALCOM は、S103内に図示するようにROM44d内にストアされた大気圧Peをパラメータとする一次元テーブルにより設定される。
【0034】
次に、S104ではS102とS103にて設定した各補正係数を用いて実際の運転環境状態に応じた適切な過給圧である目標過給圧TPTAGT を演算により求める。ここで、エンジン10に供給される過給圧は、原則として基本目標過給圧TPTAGTMである。しかし、実際にエンジン10に吸入される吸入空気は、吸入空気温度及び大気圧に応じて吸入空気質量重量が異なるために、所定の運転環境条件の下で設定した基本目標過給圧TPTAGTMを実際の吸入空気温度Ta、及び大気圧Peにより補正する必要がある。
【0035】
そこで、目標過給圧TPTAGT を演算により求め(TPTAGT =TPTAGTM×KTAIR1 ×KALCOM )、S105へ移行する。S105では、S104にて求めた目標過給圧TPTAGT をセットし、本ルーチンを抜ける(RST)。
【0036】
次に、エンジンの過給圧を目標過給圧に制御する制御方法について説明する。図5は、エンジンに実際に供給される過給圧(以下、単に「実過給圧」という)Pを目標過給圧TPTAGT に制御する過給圧制御ルーチンを示すフローチャートである。ここでは、PI制御(比例積分制御)によりウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁38に対する駆動信号のONデューティ(デューティ比)DUTYを演算し、該演算したデューティ比DUTYの駆動信号をウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁38に出力する。これにより、ウエストゲート弁作動用アクチュエータ32を介してウエストゲート弁30の開度を制御し、過給圧Pを目標過給圧TPTAGT に制御する。
【0037】
S201にて、絶対圧センサ24により検出した実過給圧Pと目標過給圧TPTAGT との比較が行われる。これにより、実過給圧Pが目標過給圧TPTAGT よりも大きいか否かを判断することができる。ここで、実過給圧Pの方が大きい(YES)と判断された場合は、実過給圧Pを低下させて目標過給圧TPTAGTMと同一にすべくS202へ移行する。また、実過給圧Pの方が小さい(NO)と判断された場合は、実過給圧Pを増加させるべくS203へ移行する。
【0038】
S202では、デューティ比減少の処理を行い実過給圧Pを低下させる。すなわち、前回ルーチン実行時に求めたデューティ比の旧値(DUTYOLD )に予め設定されている積分定数DI及び比例定数DPを減算することにより新たなデューティ比DUTY(DUTYNEW )を設定する(DUTYNEW =DUTYOLD −DI−DP)。S203では、デューティ比増加の処理を行い実過給圧Pを増加させる。すなわち、DUTYOLD に積分定数DI及び比例定数DPを加算することによりDUTYNEW を設定する(DUTYNEW =DUTYOLD +DI+DP)。
【0039】
なお、本実施の形態では、図6の過給圧制御状態説明図に示すように、目標過給圧TPTAGT に不感領域(+Ps〜−Ps)を設けて、該不感領域内に実過給圧Pが存在する場合には、PI制御における積分定数DI及び比例定数DPを0として(DI←0、DP←0)、新たなデューティ比DUTY(DUTYNEW )を設定する。S204では、このデューティ比DUTYをセットして本ルーチンを抜ける(RST)。
【0040】
したがって、図6に示すようにデューティ比DUTYをPI制御することによってウエストゲート弁30の弁開度を調整し、実過給圧Pが目標過給圧TPTAGT に収束するように制御する。
【0041】
次に、本発明の特徴的な部分であるエンジンの実過給圧Pのオーバーシュートを防止するウエストゲート弁制御方法について図7を用いて説明する。図7は、ウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁のデューティ比DUTYの最大値であるデューティMAX 値の設定ルーチンを示すフローチャートである。
【0042】
本ルーチンでは、実過給圧Pのばらつき吸収及びオーバーシュート防止のため、デューティ比DUTYの最大値である基本デューティMAX値TBTALを設定し、該基本デューティMAX値T BTAL を吸入空気温度Taに応じて補正する制御を行う。
【0043】
まず、S301では基準となる所定の運転環境条件におけるデューティ比DUTYの上限値である基本DUTYMAX 値TBTALが設定される。ここで、基本DUTYMAX 値TBTALは、RAM44d内にストアされているDUTYMAX 値テーブルを現在の吸入空気温度Taに基づき補間計算付で参照することにより設定する。
【0044】
次に、S302にて現在の吸入空気温度Taに応じて基本DUTYMAX 値を補正するDUTYMAX 吸入空気温度補正係数KTAIR2 を設定する。ここで、DUTYMAX 吸入空気温度補正係数KTAIR2 は、S302内に図示するようにROM44d内にストアされた吸入空気温度Taをパラメータとする一次元テーブルにより設定される。
【0045】
次に、S303ではS302にて設定したデューティMAX 吸入空気温度補正係数KTAIR2 を用いて実際の運転環境状態に応じたデューティMAX 値を演算により求める(DUTYMAX =TBTAL×KTAIR2 )。そして、S304ではS303にて求めたデューティMAX 値をセットし、本ルーチンを抜ける(RST)。
【0046】
したがって、エンジンに実際に吸入される吸入空気質量重量に応じてデューティMAX 値を設定することができることから、図6に2点鎖線で示したように吸入空気温度が急激に低下した場合等にも過給圧のオーバーシュートを確実に防止することができる。これにより、エンジンの過剰出力が発生することがなく、常に適切な過給圧に制御して円滑な運転フィーリングを得ることが可能となる。また、エンジンの耐久性の低下を防止することができ、さらには、過剰な過給圧による燃料供給量の増加を抑制することができ、燃費悪化を防止することができる。
【0047】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、たとえば、ターボチャージャの代わりにスーパーチャージャ等を用いてもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、吸入空気温度に応じて目標過給圧だけではなく、最高過給圧をも補正することにより、吸入空気温度の変化による過給圧のオーバーシュートやエンジンの過剰出力の発生を防止することができ、常に適切な過給圧に制御して円滑な運転フィーリングを得ることができる。また、エンジンの耐久性に対する悪影響を未然に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンの過給圧制御装置が用いられる車両用エンジンの概略全体構成図である。
【図2】ECU44の概略説明図である。
【図3】本発明の実施の形態の制御系に係る機能ブロック図である。
【図4】エンジンの目標過給圧を設定するための目標過給圧TPTAGT 設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】エンジンに実際に供給される実過給圧Pを目標過給圧TPTAGT に制御する過給圧制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】過給圧制御状態説明図である。
【図7】ウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁の駆動信号であるデューティ比DUTYのデューティMAX 値の設定ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 エンジン
16 コンプレッサ
18 タービン
20 ターボチャージャ
24 絶対圧センサ
30 ウエストゲート弁(過給圧制御手段)
38 ウエストゲート弁制御デューティソレノイド弁
44 ECU
P 実過給圧
Ne エンジン回転数
Q 吸入空気量
TPTAGT 目標過給圧
DUTYMAX デューティMAX 値
Claims (3)
- エンジンの吸入空気の温度を検出する吸気温検出手段と、
エンジン動作状態に応じて基本目標過給圧を設定する基本目標過給圧設定手段と、
前記吸気温検出手段により検出した吸入空気温度に基づき前記基本目標過給圧を補正して目標過給圧を設定する目標過給圧設定手段と、
エンジン動作状態に応じて最高過給圧を設定する最高過給圧設定手段と、
前記吸気温検出手段により検出した吸入空気温度に基づき前記最高過給圧を補正する最高過給圧補正手段と、
前記最高過給圧補正手段により補正された最高過給圧を上限として前記エンジンに供給される過給圧を前記目標過給圧に制御する過給圧制御手段とを有することを特徴とするエンジンの過給圧制御装置。 - 前記最高過給圧補正手段は、
基準となる所定の吸入空気温度を比較基準値として、該比較基準値と前記検出した吸入空気温度とを比較し、前記検出した吸入空気温度の方が低い場合にその差に応じて前記最高過給圧を低く補正することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの過給圧制御装置。 - 前記最高過給圧設定手段は、前記エンジンに供給される過給圧が最高過給圧となるデューティ値を基本デューティ MAX 値として設定し、
前記最高過給圧補正手段は、前記吸入空気温度に基づき前記基本デューティ MAX 値を補正してデューティ MAX 値を算出し、
前記過給圧制御手段は、デューティ値を減少させることによって過給圧を低下させ、デューティ値を増加させることによって過給圧を上昇させるソレノイドバルブを有し、前記エンジンに供給される実過給圧と前記目標過給圧とを比較して前記実過給圧の方が前記目標過給圧よりも大きいときはデューティ値を減少させ、前記実過給圧が前記目標過給圧以下のときはデューティ値を増加させ、該増加させたデューティ値が前記デューティ MAX 値を超えないように制限することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの過給圧制御装置。
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