JP3820863B2 - センターキャップ - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,自動車等の車輪におけるホイールに着脱可能に装着するセンターキャップに関する。
【0002】
【従来技術】
従来より,図9(a),(b)に示すごとく,自動車の車輪におけるホイール2の中央部分には,意匠性を考慮したセンターキャップ9が装着される。該センターキャップ9は,ホイール2に係合する突起部911を有する取付リブ91を本体部90の裏面側902に複数立設しており,該取付リブ91の突起部911をホイール2の中央フランジ21の外面部210に形成された凹部211に外側より係合して,ホイール2に取り付けている。
【0003】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のセンターキャップ9の取付構造においては,以下のような問題点がある。
即ち,上記取付リブ91は,平板状に形成されており,その基部912は,上記本体部90の裏面側902に平板状の広い面を円周方向に配置して接続されている。そして,取付リブ91は,中央フランジ21の外周部210に対して上記広い面が対面する形で係合する。そのため,中央フランジ21に対して法線外側方向に取付リブ91が撓みやすく,装着の仕方によっては上記基部912に劣化を招くおそれがある。
【0004】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,取付リブの基部における劣化を防止することができると共に,ホイールに対する取付強度が高いセンターキャップを提供しようとするものである。
【0005】
【課題の解決手段】
請求項1に記載の発明は,ホイールに着脱可能に装着するセンターキャップにおいて,
該センターキャップは,本体部と,該本体部の裏面側より立設してなる取付リブとを有し,該取付リブは,上記ホイールに係合する突起部を有しており,
かつ,上記取付リブの両側端部には,少なくとも該取付リブを結ぶ円周よりも内側において,上記本体部と接続された補強リブを有しており,
上記本体部は,円盤状部と,該円盤状部の外周において裏面側に湾曲形成した湾曲部とよりなり,該湾曲部は,外形を形成する円周部分である外形円周部と,該外形円周部から内周側に向けて凹状に形成した凹状外形部とをそれぞれ等分に有しており,
上記取付リブは,上記外形円周部の形成箇所に対応して,該外形円周部の内周側に設けてあり,上記補強リブは,上記凹状外径部の形成箇所に対応して,該凹状外径部の内周側に設けてあり,
かつ上記取付リブは,スリットを設けて分割形成してあることを特徴とするセンターキャップにある。
【0006】
本発明において最も注目すべきことは,上記取付リブの両側端部には,少なくとも上記取付リブを結ぶ円周よりも内側において,上記本体部と接続された補強リブを有することである。
また,上記本体部は,上記ホイールの中央フランジを覆うものであり,お椀状の曲率を有した形状に形成されている。
【0007】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明におけるセンターキャップは,上記取付リブの両側端部に,上記補強リブを有する。この補強リブは,取付リブを結ぶ円周よりも内側において,上記本体部と接続されている。そして,センターキャップを上記ホイールに装着する際には,取付リブを外周方向(法線外側方向)に撓ませながら取り付ける。このとき,上記補強リブには引張り荷重が加わり,補強リブは取付リブを内周方向(法線内側方向)に引っ張る。そのため,補強リブは,取付リブを支えて,該取付リブの基部に極度な荷重が加わることを防止することができる。それ故,上記装着時において,取付リブの基部が劣化をしてしまうことを防止することができる。
【0008】
また,上記装着時に補強リブに加わる荷重は,引張り荷重であるため,強度上補強リブの厚みを薄くすることができる。そのため,センターキャップの重量をあまり増加させることなく,取付リブの強度を向上させることができる。
また,上記センターキャップをホイールに装着した後においては,補強リブが,取付リブをホイールに係合する方向である上記内周方向に常時引張っている。そのため,センターキャップのホイールに対する取付強度が高い。
【0009】
以上,本発明によれば,取付リブの基部における劣化を防止することができると共に,ホイールに対する取付強度が高いセンターキャップを提供することができる。
【0010】
次に,請求項2に記載の発明のように,隣接する上記取付リブの間に位置する互いの上記補強リブは,一体的に連結されていることが好ましい。
これにより,上記取付リブは,上記補強リブによりセンターキャップの全周に渡って連結されている。そのため,補強リブは,取付リブを上記内周方向に全周に渡って引っ張ることができる。それ故,センターキャップのホイールに対する取付強度が一層高くなる。
【0011】
次に,請求項3に記載の発明のように,上記本体部は,その表面側に突出段部が形成されており,上記補強リブは,上記突出段部に対応する位置において上記本体部に接続されていることが好ましい。
これにより,センターキャップの成形時に成形材料が固化する際,本体部に接続されている補強リブの部分における表面側に,局所的な形状の変化や表面の荒れ等であるヒケが発生することを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかるセンターキャップにつき,図1〜図5を用いて説明する。
本例におけるセンターキャップ1は,ホイール2に着脱可能に装着される。該センターキャップ1は,本体部10と,該本体部10の裏面側102より立設してなる取付リブ11とを有し,該取付リブ11は,上記ホイール2に係合する突起部111を有している(図4参照)。
また,上記取付リブ11の両側端部112には,少なくとも該取付リブ11を結ぶ円周よりも内側において,上記本体部10と接続された補強リブ12を有している(図1参照)。
【0013】
以下に,これを詳説する。
図1に示すごとく,センターキャップ1の取付リブ11は,上記本体部10の裏面側102に複数立設して,円周状に等間隔に5箇所設けられている。
図2に示すごとく,上記本体部10は,その表面側101に突出段部13が形成されており,上記補強リブ12は,上記突出段部13に対応する位置において,接続部121が上記本体部10に接続されている。
【0014】
上記本体部10は,上記ホイール2の中央フランジ21を覆うために,お椀状の曲率を有した形状に形成されている。また,本体部10は,円盤状部105と,該円盤状部105の外周において裏面側102に湾曲形成した湾曲部106とよりなる。また,該湾曲部106は,外形を形成する円周部分である外形円周部107と,該外形円周部107から凹状に形成した凹状外形部108とをそれぞれ等分に5ヶ所有している(図2参照)。
【0015】
また,取付リブ11の側端部112と補強リブ12の接続部121との間は,本体部10と接続されておらず,隙間122が設けられている(図5(a),(b)参照)。
また,本体部10の表面側101には,上記取付リブ11の基部113が接続されている位置に対応して,他の突出段部14が形成されている(図4参照)。
【0016】
図3に示すごとく,上記センターキャップ1は,自動車の車輪におけるホイール2のセンター部分において,中央フランジ21及び車軸部分を覆い隠すようにして取り付けられる。なお,符号22は,軽量孔である。
そして,図4に示すごとく,取付リブ11の上記突起部111は,ホイール2の中央フランジ21の外面部210に形成された凹部211に外側より係合する。
【0017】
次に,本例の作用効果につき説明する。
本例におけるセンターキャップ1は,上記取付リブ11の両側端部112に,上記補強リブ12を有する。この補強リブ12は,取付リブ11を結ぶ円周よりも内側において,上記本体部10と接続されている。そして,センターキャップ1を上記ホイール2に装着する際には,取付リブ11を外周方向(法線外側方向)に撓ませながら取り付ける。
【0018】
このとき,上記補強リブ12には引張り荷重が加わり,補強リブ12は取付リブ11を内周方向(法線内側方向)に引っ張る。そのため,補強リブ12は,取付リブ11を支えて,該取付リブ11の基部113に極度な荷重が加わることを防止することができる。それ故,上記装着時において,取付リブ11の基部113が劣化をしてしまうことを防止することができる。
【0019】
また,上記装着時に補強リブ12に加わる荷重は,引張り荷重であるため,強度上補強リブ12の厚みを薄くすることができる。そのため,センターキャップ1の重量をあまり増加させることなく,取付リブ11の強度を向上させることができる。
また,上記センターキャップ1をホイール2に装着した後においては,補強リブ12が,取付リブ11をホイール2に係合する方向である上記内周方向に常時引張っている。そのため,センターキャップ1のホイール2に対する取付強度が高い。
【0020】
また,上記のごとく,上記補強リブ12の接続部121は上記突出段部13に対応する位置に,上記取付リブ11の基部113は上記突出段部14に対応する位置において,上記本体部10に接続されている。そのため,センターキャップ1の成形時に成形材料が固化する際,本体部10に接続されている補強リブ12の部分における表面側101,及び取付リブ11の基部113の表面側101に,局所的な形状の変化や表面の荒れ等であるヒケが発生することを防止することができる。
【0021】
実施形態例2
本例は,図6,図7,図8(a),(b)に示すごとく,隣接する上記取付リブ11の間に位置する互いの上記補強リブ12が,一体的に連結されている例である。
その他は上記実施形態例1と同様である。
【0022】
本例においては,上記取付リブ11は,上記補強リブ12によりセンターキャップ1の全周に渡って連結されている。そのため,補強リブ12は,取付リブ11を上記内周方向に全周に渡って引っ張ることができる。それ故,センターキャップ1のホイール2に対する取付強度が一層高くなる。
その他,上記実施形態例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0023】
なお,図8(c)に示すごとく,上記実施形態例1,2において,上記取付リブ11は,途中にスリット119を設けて2つに分割されていてもよい。この場合,センターキャップ1をホイール2に装着する際,取付リブ11が撓みやすくなり,装着が容易になる。
【0024】
【発明の効果】
上述のごとく,本発明によれば,取付リブの基部における劣化を防止することができると共に,ホイールに対する取付強度が高いセンターキャップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態例1における,センターキャップの裏面側を示す裏面図。
【図2】 実施形態例1における,センターキャップの表面側を示す正面図。
【図3】 実施形態例1における,ホイールに取り付けたセンターキャップを示す正面図。
【図4】 実施形態例1における,センターキャップのホイールへの取付構造を示す図で,図3のA−A矢視断面図。
【図5】 実施形態例1における,センターキャップを示す図で,(a)取付リブの両側端部の補強リブを示す部分斜視図,(b)隣接する取付リブの間に位置する互いの補強リブを示す部分斜視図。
【図6】 実施形態例2における,センターキャップの裏面側を示す裏面図。
【図7】 実施形態例2における,センターキャップの表面側を示す正面図。
【図8】 実施形態例2における,センターキャップを示す図で,(a)取付リブの両側端部の補強リブを示す部分斜視図,(b)隣接する取付リブの間に位置する一体的に連結された補強リブを示す部分斜視図,(c)スリットを設けた取付リブを示す部分斜視図。
【図9】 従来例における,センターキャップを示す図で,(a)裏面側を示す裏面図,(b)ホイールへの取付構造を示す図9(a)のA−A矢視断面図。
【符号の説明】
1...センターキャップ,
10...本体部,
101...表面側,
102...裏面側,
111...突起部,
112...両側端部,
113...基部,
11...取付リブ,
12...補強リブ,
2...ホイール,
21...中央フランジ,
210...外面部,
211...凹部,
Claims (3)
- ホイールに着脱可能に装着するセンターキャップにおいて,
該センターキャップは,本体部と,該本体部の裏面側より立設してなる取付リブとを有し,該取付リブは,上記ホイールに係合する突起部を有しており,
かつ,上記取付リブの両側端部には,少なくとも該取付リブを結ぶ円周よりも内側において,上記本体部と接続された補強リブを有しており,
上記本体部は,円盤状部と,該円盤状部の外周において裏面側に湾曲形成した湾曲部とよりなり,該湾曲部は,外形を形成する円周部分である外形円周部と,該外形円周部から内周側に向けて凹状に形成した凹状外形部とをそれぞれ等分に有しており,
上記取付リブは,上記外形円周部の形成箇所に対応して,該外形円周部の内周側に設けてあり,上記補強リブは,上記凹状外径部の形成箇所に対応して,該凹状外径部の内周側に設けてあり,
かつ上記取付リブは,スリットを設けて分割形成してあることを特徴とするセンターキャップ。 - 請求項1において,隣接する上記取付リブの間に位置する互いの上記補強リブは,一体的に連結されていることを特徴とするセンターキャップ。
- 請求項1又は2において,上記本体部は,その表面側に突出段部が形成されており,上記補強リブは,上記突出段部に対応する位置において上記本体部に接続されていることを特徴とするセンターキャップ。
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