JP3820778B2 - 感光性平版印刷版 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物を含有する感応層からなる感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、活性光により可溶化する、ポジ型の感層を有する感光性平版印刷版用の組成物が知られている。
【0003】
活性光の照射によって可溶化するポジ型の組成物を使用する酸分解性化合物としては、例えば、米国特許4,506,003号には、オルトカルボン酸エステル誘導体及びポリアセタールから選ばれた化合物が、欧州特許42,562号には、酸により開裂するC−O−C結合を少なくとも1個有する化合物が、特開昭55−12995号には、酸により開裂するC−O−C結合を少なくとも1個有し、現像液中でその溶解度が上昇するエノールエーテル基を有する化合物が、又特開昭53−133429号には、主鎖中に繰り返しアセタール、ケタール部分を有し現像液中でその溶解度が上昇するポリアセタール化合物が開示されている。
【0004】
これらの酸分解性化合物を、画像形成材料に使用した場合、露光前のマトリックスの密度が低い為にマトリックスの密度が弱く現像溶解抑制低下し、且つ露光経時での酸分解性化合物の分解効率の低下に伴い露光経時により感度変動などが起き安定化しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、現像液ラチチュードを低下することなく、露光時の反応の効率が高く、露光経時性も安定した酸分解性化合物及びそれを用いた感光性平版印刷版を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0007】
(1) 支持体上に、少なくとも重量平均分子量Mw=3000以下のシクロヘキサノンとジオール化合物との縮合生成物であって、分子量分布に含まれる化合物が、総ピーク面積に対する100〜400の分子量に相当するピークの面積が0〜40%であり、総ピーク面積に対する400〜800の分子量に相当するピークの面積が0〜60%であり、かつ、総ピーク面積に対する800〜4000の分子量に相当するピークの面積が20〜80%である特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物と、赤外吸収色素及び活性光線により酸を形成する化合物とを含有する感応層からなることを特徴とする感光性平版印刷版。
【0008】
(2) 前記感応層が水不溶で且つアルカリ可溶な樹脂成分を含有することを特徴とする前記1記載の感光性平版印刷版。
【0009】
(3) 特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物の2価アルコール性成分が、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、キシリレングリコールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1又は2記載の感光性平版印刷版
【0010】
(4) 特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物の重量平均分子量が400〜800及び800〜3000の混合物であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載の感光性平版印刷版
【0011】
(5) 特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物の重量平均分子量400〜800及び800〜3000の混合比が2:8〜8:2の範囲であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載の感光性平版印刷版
【0018】
即ち本発明者らは、従来までの合成法であると、均一な分子量分布のポリマーを得ることが出来ず、また、本発明の特定の合成法で規定することにより製造再現性のある化合物を得ることが出来ることを見出して本発明をなした。本発明のような特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物を用いることにより、露光前のマトリックスの密度が高くなり現像液に対する溶解抑制を高めた。このことは、特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物の大きさを規定することに起因すると推定される。そして現像液ラチチュードが高まり、露光時の反応の効率が高まり、露光経時性も安定した。
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物として、酸の作用で分解しジオール化合物を生成するものであれば良いが、好ましくはアセタール及び/又はケタール部分を有する重合体を言う。
【0020】
本発明の酸分解性化合物としては、酸の作用で分解し、ジオール化合物が生成するものであれば使用できるが、赤外吸収色素を感応層に含有し、赤外線を用いて画像形成を行う方法においては感度と現像安定性の点で、アセタール類が特に好ましく、特に一般式(1)で示される重縮合化合物が挙げられる。
【0021】
【化1】
Figure 0003820778
【0022】
ここで、nは1以上の整数、mは0を含む整数を示す。Xは炭素原子を示し、R4はエチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基を示し、エチレングリコール成分又はプロピレングリコール成分を含むジオール化合物に対応する。R2、R5は水素原子、アルキル基又はアリール基を、R3、R6はアルキル基、アリール基を示し、R2とR3又はR5とR6はそれぞれ結合して置換又は無置換の環を形成してもよい。R7はアルキレン基を示す。R1は水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキレンオキシ基、ハロゲン原子を、R8は水素原子又は−XR231又は−XR561を示す。
【0023】
アセタール類はアルデヒド、ケトン類のジメチルアセタール又はジエチルアセタールと、前記のジオール化合物との縮合により合成するのが収率の点で好ましい。本発明においては、ケトン類としてシクロヘキサノンが挙げられる。
【0024】
特に好ましいのは25℃における水への溶解性が1以上100g/l以下であるアルデヒド又はケトン成分である。1g/l未満では連続処理でスラッジが発生しやすく、又100g/lより大きいと形成された画像の解像力が低下する傾向がある。具体例としては、クロヘキサノンが挙げられる。連続処理に際し、シクロヘキサノンが最も安定であり好ましい。
【0027】
上記アセタール類前記のジオール化合物以外に他のアルコール成分を共縮合させてもよい。このアルコール成分の具体例としてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどの置換又は無置換のモノアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルなどのグリコールエーテル系アルコール類、置換又は無置換のポリエチレングリコールアルキルエーテル類やポリエチレングリコールフェニルエーテル類が挙げられる。又、2価アルコールとして、例えば、ペンタン−1,5−ジオール、n−ヘキサン−1,6−ジオール、2−エチルヘキサン−1,6−ジオール、2,3−ジメチル−ヘキサン−1,6−ジオール、ヘプタン−1,7−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、ノナン−1,7−ジオール、ノナン−1,9−ジオール、3,6−ジメチル−ノナン−1,9−ジオール、デカン−1,10−ジオール、ドデカン−1,12−ジオール、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、2−エチル−1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、2−メチル−シクロヘキサン−1,4−ジエタノール、2−メチル−シクロヘキサン−1,4−ジプロパノール、チオ−ジプロピレングリコール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、ジブチレン−グリコール、4,8−ビス−(ヒドロキシメチル)−トリシクロデカン、2−ブテン−1,4−ジオール、p−キシリレングリコール、2,5−ジメチル−ヘキサン−3−イン−2,5−ジオール、ビス−(2−ヒドロキシエチル)−スルファイド、2,2,4,4,−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオール等が挙げられる。この態様の場合、エチレングリコール成分又はプロピレングリコール成分を含むジオール化合物と他のアルコール成分とのモル比は70/30〜100/0が好ましく、85/15〜100/0がより好ましい。
【0028】
特定の分子量及び分子量分布を持つ為には、特定の合成方法と後処理をしなければならない。合成溶媒としては、非極性溶媒が挙げられオレフイン、炭化水素、芳香族系のものが挙げられ、好ましくは炭化水素、芳香族系、エーテル系の溶剤が好ましい。具体的には、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサンである。
【0029】
酸性触媒は、p−トルエンスルホン酸、硫酸及び酸イオン交換体のことを表し、好ましくはp−トルエンスルホン酸である。触媒量は、ジオール成分に対して0.0001〜0.02当量の触媒量を用いることが好ましく、より好ましくは0.0005〜0.01当量である。
【0030】
〈合成条件〉
本発明の特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物の合成時の反応時間は、6時間以上行うことが好ましい。更に好ましくは8時間以上である。反応時間が少ないと未反応物が多く収率の低下の原因、分子量分布においても低分子量成分の量が多くなる。反応温度は反応内部温0〜200℃で行うことが好ましく、より好ましくは110℃以上である。縮合反応を行う場合は、反応中に副生成物が生じる為、副生成物を除去しながら反応することが必要で分水器、もしくはエステル縮合環等で除くことが好ましい。反応副生成物の除去中に溶剤とモノマーの比率が変らないように注意をし、比率が変化した場合、溶剤を反応中に投入する等の方法で対応しても良い。
【0031】
〈処理方法〉
反応終了後、酸触媒を除くことが必要で化合物中に残存していると触媒により生成化合物が分解してしまう為に問題となる。残留モノマーを除くことにより、より好ましい分子量分布の制御を行うことが出来る。また、残留モノマーが多いと酸分解成分の減少等の理由により生成物の効果減少となる。
【0032】
本発明に準じた後処理を施さないと、残留酸触媒、残留モノマー、残留中和剤が含まれ分子量分布制御、生成物の分解、生成物の酸分解反応速度の低下、反応物のゲル化等を引き起こし好ましくない。
【0033】
後処理の方法として、まず反応生成物を0.1〜5%のNaOHで中和洗浄を行う。好ましくは、0.1%〜1%である。この洗浄は、1〜3回行っても良い。次に、前記アルカリ洗浄に残存したアルカリ成分、残留モノマーを除く為に、飽和食塩水で反応生成物を洗浄するが、洗浄は1〜3回行っても良い。この洗浄終了後、反応生成物中に含まれた水の脱水を行う為に、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等の脱水剤で脱水した後、反応生成物中に含まれる溶剤を取り除く為に減圧、加熱等の除去手段より除去を行う。
【0035】
得られた反応生成物は、分子量分布を確認する為に、下記のような方法で測定を行い求めた。
【0036】
装置:HLC−8020 TOSOH(東ソー株式会社)
カラム:TOSO TSK−GEL G2000HXL×2本(検出限界分子量1万) 7.8mmI.D.×30cmL
オーブン温度40℃
流速:1ml/min
溶離液:THF
検出器:RI
検量線:標準ポリスチレン、n−ヘキシルベンゼン
試料濃度:1mg/ml(THFに溶解)
本発明の特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物は、重量平均分子量Mw=3000以下の化合物であって、分子量分布に含まれる化合物が、総ピーク面積に対する100〜400の分子量に相当するピークの面積が0〜40%であり、総ピーク面積に対する400〜800の分子量に相当するピークの面積が0〜60%であり、かつ、総ピーク面積に対する800〜4000の分子量に相当するピークの面積が20〜80%である。好ましくは、重量平均分子量が400〜800及び800〜3000の混合物であり、より好ましくは重量平均分子量400〜800及び800〜3000の混合比が2:8〜8:2の範囲である。
【0037】
本発明の特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物を用いた感光性平版印刷版について説明する。本発明に係る感光性平版印刷版は、特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物を含有する感応層を有する。
【0038】
上述した感応層に用いられる色素としては、400nm以上に最大吸収を有するものが好ましく、更に700以上2000nm以下、例えば波長700nm以上に吸収を持つ赤外吸収色素、カーボンブラック、磁性粉等を使用することが好ましい。
【0039】
特に好ましい赤外吸収色素は700以上1200nm以下に最大吸収を有し、ピークでのモル吸光係数εが105以上の色素である。
【0040】
上記赤外吸収色素としては、シアニン系色素、スクアリウム系色素、クロコニウム系色素、アズレニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、チオピリリウム系色素、ジチオール金属錯体系色素、アントラキノン系色素、インドアニリン金属錯体系色素、分子間CT色素等が挙げられる。上記赤外吸収色素としては、特開昭63−139191号、同64−33547号、特開平1−160683号、同1−280750号、同1−293342号、同2−2074号、同3−26593号、同3−30991号、同3−34891号、同3−36093号、同3−36094号、同3−36095号、同3−42281号、同3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。
【0041】
本発明において、赤外吸収色素として、下記一般式(2)又は(3)で表されるシアニン系色素が特に好ましい。
【0042】
【化2】
Figure 0003820778
【0043】
式中、Z1及びZ2は各々硫黄原子、セレン原子又は酸素原子を表し、X1及びX2は各々置換基を有していてもよいベンゾ縮合環又はナフト縮合環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、R3及びR4は各々置換基を表し、R3及びR4のどちらか一方はアニオン性解離性基を有する。R5、R6、R7及びR8は各々炭素原子数1〜3のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。Lは炭素原子数5〜13の共役結合の連鎖を表す。
【0044】
一般式(2)又は(3)で表されるシアニン系色素は、カチオンを形成し、対アニオンを有するものを包含する。この場合、対アニオンとしては、Cl-、Br-、ClO4 -、BF4 -、t−ブチルトリフェニルホウ素等のアルキルホウ素等が挙げられる。
【0045】
一般式(2)又は(3)において、Lで表される共役結合の連鎖の炭素原子数(n)は、画像露光の光源として赤外線を放射するレーザーが使用される場合、該レーザーの発信波長に合わせて有効な値を選択することが好ましい。例えば、発信波長1060nmのYAGレーザーを使用する場合は、nは9〜13が好ましい。又、この共役結合部分は任意の置換基を有することができ、又共役結合部分は複数の置換基により環を形成させてもよい。又、X1で表される環及びX2で表される環には任意の置換基を有することができる。該置換基としてハロゲン原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、−SO3M及び−COOM(Mは水素原子又はアルカリ金属原子)から選ばれる基が好ましい。R3及びR4は各々任意の置換基であるが、好ましくは炭素原子数1〜5のアルキル基若しくは炭素原子数1〜5のアルコキシ基;−((CH2)n−O−)k−(CH2)mOR(n及びmは各々1〜3の整数、kは0又は1、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。);R3及びR4の一方が−R−SO3Mで他方が−R−SO3 -(Rは炭素原子数1〜5のアルキル基、Mはアルカリ金属原子を表す);又はR3及びR4の一方が−R−COOMで他方が−R−COO-(Rは炭素原子数1〜5のアルキル基、Mはアルカリ金属原子を表す。)である。R3及びR4は、感度及び現像性の点から、R3及びR4の一方が上記−R−SO3 -又は−R−COO-、他方が上記−R−SO3M又は−R−COOMであることが好ましい。
【0046】
赤外吸収色素は、画像露光の光源として半導体レーザーを使用する場合は750〜900nm、YAGレーザーを使用する場合は900〜1200nmにおいて吸収ピークを示し、ε>1×105のモル吸光係数を有するものが好ましい。
【0047】
又両系統に属する色素をそれぞれ1種以上併用してもよい。
【0048】
本発明に好ましく用いられる赤外吸収色素の代表的具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
【化3】
Figure 0003820778
【0050】
【化4】
Figure 0003820778
【0051】
【化5】
Figure 0003820778
【0052】
【化6】
Figure 0003820778
【0053】
【化7】
Figure 0003820778
【0054】
【化8】
Figure 0003820778
【0055】
【化9】
Figure 0003820778
【0056】
【化10】
Figure 0003820778
【0057】
【化11】
Figure 0003820778
【0058】
【化12】
Figure 0003820778
【0059】
【化13】
Figure 0003820778
【0060】
【化14】
Figure 0003820778
【0061】
【化15】
Figure 0003820778
【0062】
【化16】
Figure 0003820778
【0063】
これらの色素は公知の方法によって合成することができるが、下記のような市販品を用いることもできる。
【0064】
日本化薬:IR750(アントラキノン系);IR002,IR003(アルミニウム系);IR820(ポリメチン系);IRG022,IRG033(ジインモニウム系);CY−2,CY−4,CY−9,CY−20、三井東圧:KIR103,SIR103(フタロシアニン系);KIR101,SIR114(アントラキノン系);PA1001,PA1005,PA1006,SIR128(金属錯体系)、大日本インキ化学:Fastogen blue8120、みどり化学:MIR−101,1011,1021等。その他、日本感光色素、住友化学、富士写真フイルム等の各社からも市販されている。
【0065】
本発明において、赤外吸収色素の添加量は、0.5〜10重量%の範囲が好ましい。該添加量が10重量%を越えると非画像部(露光部)の現像性が低下し、0.5重量%未満では感度が低下する。
【0066】
本発明の感応層組成物は、顔料を有することにより、平版印刷版として用いた際の耐刷性を顕著に改善し得る。顔料としては、公知の有機及び無機の顔料が挙げられるが、これらは朝倉書店の「色材工学ハンドブック」や誠文堂新光社の「顔料便覧」に記載の顔料が特に制限なく使用できる。又、現像後の可視画性を得るには該顔料が有色であることが好ましく、高濃度が得られることが更に好ましい。その点では、該顔料がフタロシアニン又はカーボンブラックから選ばれるのが耐刷性の向上のみならず、現像後の可視画性を得るのに好適である。
【0067】
更に、色素として露光による可視画像(露光可視画像)と現像後の可視画像を得ることを目的として使用される色素も好ましく用いることができる。
【0068】
該色素としては、フリーラジカル又は酸と反応して色調が変化するものが好ましく使用できる。「色調が変化する」とは、無色から有色の色調への変化、有色から無色或いは異なる有色の色調への変化の何れをも包含する。好ましい色素は酸と塩を形成して色調を変化するものである。例えば、ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学社製)、オイルブルー#603(オリエント化学工業社製)、パテントピュアブルー(住友三国化学社製)、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルバイオレット、メチルグリーン、エリスロシンB、ペイシックフクシン、マラカイトグリーン、オイルレッド、m−クレゾールパープル、ローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、シアノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリド等に代表されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系又はアントラキノン系の色素が有色から無色或いは異なる有色の色調へ変化する変色剤の例として挙げられる。
【0069】
一方、無色から有色に変化する変色剤としては、ロイコ色素及び例えば、トリフェニルアミン、ジフェニルアミン、o−クロロアニリン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニルアミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,p′,p″−トリス−ジメチルアミノトリフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニルメチルイミン、p,p′,p″−トリアミノ−o−メチルトリフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニル−4−アニリノナフチルメタン、p,p′,p″−トリアミノトリフェニルメタンに代表される第1級又は第2級アリールアミン系色素が挙げられる。上記の変色剤の感応層組成物中に占める割合は、0.01以上10重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.02以上5重量%以下である。これらの化合物は、単独或いは2種以上混合して使用できる。尚、特に好ましい色素はビクトリアピュアブルーBOH、オイルブルー#603である。
【0070】
感応層には熱又は活性光線の照射により酸を発生し得る化合物を含有する。熱又は活性光線の照射により酸を発生し得る化合物(以下、酸発生剤)としては、各種の公知化合物及び混合物が挙げられる。例えばジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウム、及びヨードニウムのBF4 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 2-、ClO4 -などの塩、特開平4−42158号に記載のアルキルオニウム塩、有機ハロゲン化合物、オルトキノン−ジアジドスルホニルクロリド、及び有機金属/有機ハロゲン化合物も熱又は活性光線の照射の際に酸を形成又は分離する感応層成分であり、本発明における酸発生剤として使用することができる。原理的には遊離基形成性の光開始剤として知られるすべての有機ハロゲン化合物はハロゲン化水素酸を形成する化合物であり、本発明における酸発生剤として使用することができる。
【0071】
前記のハロゲン化水素酸を形成する化合物の例としては米国特許第3,515,552号、同第3,536,489号及び同第3,779,778号及び西ドイツ国特許公開公報第2,243,621号に記載されているものが挙げられ、又例えば西ドイツ国特許公開公報第2,610,842号に記載の光分解により酸を発生させる化合物も使用することができる。又、特開昭50−36209号に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニド、特開平7−134410号の酸発生剤、具体的には紫外線で酸多量体を生成するもので例えばオキシスルホニル基、オキシカルボニル基を2個有する化合物が挙げられ、又特開平4−19666号の酸発生剤、具体的にはテトラキス−1,2,4,5−(ポリハロメチル)ベンゼン、トリス(ポリハロメチル)ベンゼン等のハロゲン化アリール、又特開平6−342209号のシリルエーテル含有高分子スルホニウム塩、ハロゲン化アルキルが、特開平9−96900号及び特開平6−67433号のオキシムスルホネート化合物、特開平4−338757号のハロゲン化スルホラン誘導体、特開平6−236024号、特開平6−214391号、特開平6−214392号、特開平7−244378号に記載のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル類、ジアゾ化合物又はジアゾ樹脂を用いることができる。
【0072】
以下、本発明に用いられる酸発生剤の具体例を示す。
【0073】
【化17】
Figure 0003820778
【0074】
【化18】
Figure 0003820778
【0075】
【化19】
Figure 0003820778
【0076】
【化20】
Figure 0003820778
【0077】
本発明において、赤外線露光による画像形成での感度、及び保存性等の面から、有機ハロゲン化合物、及びジフェニルヨードニウム塩が好ましい。該有機ハロゲン化合物としては、ハロゲン置換アルキル基を有するs−トリアジン類が特に好ましい。又、酸発生剤の最大吸収波長λmaxは200〜350nmが好ましく、λmaxにおけるモル吸光係数εは1万以上、特に2万以上が好ましい。
【0078】
s−トリアジン系酸発生剤は又特開平4−44737号、特開平9−90633号、及び特開平4−226454号に具体的に記載されているものを使用できる。
【0079】
本発明において、光酸発生剤は、以下の1乃至3の何れか1つに該当することも好ましい。
【0080】
1.アルカリ可溶性部位を有する、2.ブロモメチルアリールケトン誘導体である、3.トリクロロアセチルアミノ基含有芳香族化合物である。
【0081】
1のアルカリ可溶性部位を有するものとしては、例えば以下の▲1▼乃至▲3▼から選ばれる組み合わせよりなるエステル、▲1▼水酸基を2個以上有する化合物とアルキルスルホン酸、▲2▼フェノール性水酸基を2個以上有する化合物とアルキルスルホン酸、▲3▼水酸基を2個以上有するアントラセン誘導体とスルホン酸を挙げることができる。
【0082】
▲1▼の水酸基を2個以上有する化合物とアルキルスルホン酸とのエステルからなる酸発生剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオールなどのアルコール性水酸基とアルキルスルホン酸とのエステルが挙げられる。このアルキルスルホン酸のアルキル基はCnH2+1であり、n=1〜4の範囲にあるものが効果的である。アルキル基中の水素の一部又は全部をフッ素或いは塩素等の電気陰性度の大きなハロゲンで置換したものも有効である。光酸発生剤に用いるアルキルスルホン酸エステルはアルコール性水酸基を2個以上含む化合物の水酸基の全てをエステルにする必要はなく、水酸基を残しても良い。それにより、アルカリ水溶液に対する溶解性を制御することができる。
【0083】
▲2▼のフェノール性水酸基を2個以上有する化合物とアルキルスルホン酸とのエステルからなる光酸発生剤としては、例えばカテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ピロガロール、オキシハイドロキノン、フロログルシン、トリヒドロベンゾフェノン、テトラヒドロベンゾフェノン、没食子酸エステルなどのフェノール性水酸基とアルキルスルホン酸とのエステルが挙げられる。アルキルスルホン酸のアルキル基は上記▲1▼と同様である。光酸発生剤に用いるアルキルスルホン酸エステルはアルコール性水酸基を2個以上含む化合物の水酸基の全てをエステルにする必要はなく、水酸基を残しても良い。それにより、アルカリ水溶液に対する溶解性を制御することができる。
【0084】
▲3▼の水酸基を2個以上有するアントラセン誘導体とスルホン酸とのエステルからなる光酸発生剤としては、例えばジヒドロキシアントラセン、トリヒドロキシアントラセン、テトラヒドロキシアントラセンの水酸基とスルホン酸とのエステルが挙げられる。スルホン酸としては、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸が挙げられる。アルキルスルホン酸のアルキルは上記▲1▼と同様である。光酸発生剤に用いるスルホン酸エステルは水酸基を2個以上含む化合物の水酸基の全てをエステルにする必要はなく、水酸基を残しても良い。それにより、アルカリ水溶液に対する溶解性を制御することができる。
【0085】
ブロモメチルアリールケトン誘導体としては、ブロモメチルアリールケトン或いはジブロモメチルアリールケトンが好ましい。例えば、2−ブロモアセチルナフタレン、2−ブロモアセチル−6,7−ジメトキシナフタレン、2−ブロモアセチルナフタレン、2−ジブロモアセチル−6,7−ジメトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−4−ブロモ−2−ブロモアセチルナフタレン、1−ヒドロキシ−4−ブロモ−2−ジブロモアセチルナフタレン、2−ヒドロキシ−1−ブロモアセチルナフタレン、1,4−ビス(ブロモアセチル)ベンゼン、4,4′−ビス(ブロモアセチル)ビフェニル、1,3,5−トリス(ブロモアセチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(ジブロモアセチル)ベンゼン等が挙げられ、これらを単独で或いは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0086】
又トリクロロアセチルアミノ基含有芳香族化合物としては、以下の構造を有するものが更に好ましい。
【0087】
【化21】
Figure 0003820778
【0088】
式中、R11〜R15は水素、炭素数4以下のアルキル基又はアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニルアミノ基、フェノキシ基、ベンジル基、ベンゾイル基、アセチル基、トリクロロアセチルアミノ基を表し、R11〜R15は同じであっても、異なっていても良い。具体的には、例えば4−フェノキシトリクロロアセトアニリド、4−メトキシトリクロロアセトアニリド、2,3−ジメトキシトリクロロアセトアニリド、4−メトキシ−2−クロロトリクロロアセトアニリド、3−アセチルトリクロロアセトアニリド、4−フェニルトリクロロアセトアニリド、2,3,4−トリフルオロトリクロロアセトアニリド、2,4,5−トリメチルトリクロロアセトアニリド、2,4,6−トリブロモトリクロロアセトアニリド、2,4,6−トリメチルトリクロロアセトアニリド、2,4−ジクロロトリクロロアセトアニリド、2,4,−ジメトキシトリクロロアセトアニリド、2,5−ジクロロトリクロロアセトアニリド、2,5−ジメトキシトリクロロアセトアニリド、2,6−ジメチルトリクロロアセトアニリド、2−エチルトリクロロアセトアニリド、2−フルオロトリクロロアセトアニリド、2−メチルトリクロロアセトアニリド、2−メチル−6−エチルトリクロロアセトアニリド、2−フェノキシアセトアニリド、2−プロピルトリクロロアセトアニリド、3,4−ジクロロトリクロロアセトアニリド、3,4−ジメトキシトリクロロアセトアニリド、3,4−ジメチルトリクロロアセトアニリド、4−ブチルアセトアニリド、4−エチルアセトアニリド、4−フルオロアセトアニリド、4−ヨードアセトアニリド、4−プロピルアセトアニリド、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアセトアニリド、4−プロポキシアセトアニリド、4−アセチルアセトアニリド等を挙げることができ、特にこれらは熱安定性が高く、好適な光酸発生剤となりうる。
【0089】
本発明において酸発生剤は1種単独でも或いは複数併用可能であり、その含有量は、その化学的性質及び感応層組成物或いはその物性によって広範囲に変えることができるが、感応層組成物の乾燥状態又は感光性平版印刷版とした際の感応層の固形分の全重量に対して約0.1〜約20重量%の範囲が適当であり、好ましくは0.2〜10重量%の範囲である。
【0090】
感応層組成物は、顔料を有することにより、平版印刷版として用いた際の耐刷性を顕著に改善し得る。顔料としては、公知の有機及び無機の顔料が挙げられるが、これらは朝倉書店の「色材工学ハンドブック」や誠文堂新光社の「顔料便覧」に記載の顔料が特に制限なく使用できる。又、現像後の可視画性を得るには該顔料が有色であることが好ましく、高濃度が得られることが更に好ましい。その点では、該顔料がフタロシアニン又はカーボンブラックから選ばれるのが耐刷性の向上のみならず、現像後の可視画性を得るのに好適である。
【0091】
ここでいう色素は露光による可視画像(露光可視画像)と現像後の可視画像を得ることを目的として使用される。
【0092】
該色素としては、フリーラジカル又は酸と反応して色調が変化するものが好ましく使用できる。「色調が変化する」とは、無色から有色の色調への変化、有色から無色或いは異なる有色の色調への変化の何れをも包含する。好ましい色素は酸と塩を形成して色調を変化するものである。例えば、ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学社製)、オイルブルー#603(オリエント化学工業社製)、パテントピュアブルー(住友三国化学社製)、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルバイオレット、メチルグリーン、エリスロシンB、ペイシックフクシン、マラカイトグリーン、オイルレッド、m−クレゾールパープル、ローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、シアノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリド等に代表されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系又はアントラキノン系の色素が有色から無色或いは異なる有色の色調へ変化する変色剤の例として挙げられる。
【0093】
一方、無色から有色に変化する変色剤としては、ロイコ色素及び例えば、トリフェニルアミン、ジフェニルアミン、o−クロロアニリン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニルアミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,p′,p″−トリス−ジメチルアミノトリフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニルメチルイミン、p,p′,p″−トリアミノ−o−メチルトリフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニル−4−アニリノナフチルメタン、p,p′,p″−トリアミノトリフェニルメタンに代表される第1級又は第2級アリールアミン系色素が挙げられる。上記の変色剤の感応層組成物中に占める割合は、0.01以上10重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.02以上5重量%以下である。これらの化合物は、単独或いは2種以上混合して使用できる。尚、特に好ましい色素はビクトリアピュアブルーBOH、オイルブルー#603である。
【0094】
感応層には、水に不溶でアルカリ水溶液に可溶な樹脂が含有されることが好ましい。このような樹脂としては、例えばノボラック樹脂やヒドロキシスチレン単位を有する重合体、アクリル酸エステルモノマー成分を含む重合体を挙げることができる。
【0095】
該ノボラック樹脂としては、例えばフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、特開昭55−57841号に記載されているようなフェノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共重縮合体樹脂、特開昭55−127553号に記載されているような、p−置換フェノールとフェノールもしくは、クレゾールとホルムアルデヒドとの共重縮合体樹脂等が挙げられる。
【0096】
該ヒドロキシスチレン単位を有する重合体としては、例えば特公昭52−41050号に記載されているポリヒドロキシスチレンやヒドロキシスチレン共重合体などを挙げることができる。
【0097】
アクリル酸エステルモノマー成分を含む重合体としては、置換又は無置換のアルキルアクリレート、置換又は無置換のアルキルメタクリレートのモノマー成分を含む共重合体が挙げられる。このようなモノマー成分として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリルデシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げげられる。
【0098】
好ましくは下記に記載するモノマーの混合物を共重合して得られた共重合高分子重量体である。
【0099】
1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えば、o−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート等。
【0100】
2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
【0101】
3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えば、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
【0102】
4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えば、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
【0103】
5)α,β−不飽和カルボン酸類、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等。
【0104】
6)アクリルアミド若しくはメタクリルアミド類、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
【0105】
7)フッ化アルキル基を含有するモノマー、例えば、トリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
【0106】
8)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル類。
【0107】
9)ビニルエステル類、例えば、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
【0108】
10)スチレン類、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
【0109】
11)ビニルケトン類、例えば、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
【0110】
12)オレフィン類、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
【0111】
13)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
【0112】
14)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−シアノスチレン、m−シアノスチレン、p−シアノスチレン等
15)アミノ基を有するモノマー、例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
【0113】
上記高分子重量体は、GPCによって、測定された重量平均分子量が1万〜20万であるものが好ましいが、重量平均分子量はこの範囲に限定されるものではない。
【0114】
以上の樹脂に併用できるバインダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリサルフォン、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられる。又、樹脂内に不飽和結合を有する樹脂、例えばジアリルフタレート樹脂及びその誘導体、塩素化ポリプロピレンなどは前述のエチレン性不飽和結合を有する化合物と重合させることが可能なため用途に応じて好適に用いることができる。
【0115】
感応層におけるこれらアルカリ可溶性樹脂の含有量は、20以上90重量%以下の範囲が好ましく、30以上70重量%以下の範囲が更に好ましい。
【0116】
ノボラック樹脂と、ヒドロキシスチレン単位を有する重合体又はアクリル酸エステルモノマー成分を含む重合体を併用することが好ましく、混合比は30/70〜95/5の範囲が好ましい。
【0117】
更に、感応層には、該組成物の感脂性を向上するために親油性の樹脂を添加することができる。前記親油性の樹脂としては、例えば特開昭50−125806号に記載されているような、炭素数3〜15のアルキル基で置換されたフェノール類とアルデヒドの縮合物、例えばt−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂などが使用可能である。
【0118】
感応層には、ニトロセルロース、メタル粉などの自己酸化性化合物、紫外線吸収剤などを添加するのも好ましい。
【0119】
感光性平版印刷版の作製方法〉
本発明に用いられる感光性平版印刷版は、前記各成分を溶解する下記の溶媒に溶解させて、これらを適当な支持体の表面に塗布、乾燥して感応層を設けて得られる。
【0120】
上記溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、メチルエチルケトン、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。これら溶媒は、単独で或いは2種以上混合して使用することができる。
【0121】
保存安定性向上、露光後の経時小点再現性低下の抑制には塗布液のpHを調整し、3.5以上8.0以下、より好ましくは4.0以上6.5以下とする。3.5以下では上記の効果が望めず、又8.0以上では感度低下が著しい。
【0122】
このようなpH調整剤として、塩基性化合物を添加するのが好ましい。塩基性化合物は、プロトンを補足可能なものであり、具体的には無機又は有機のアンモニウム塩類、有機アミン類、アミド類、尿素やチオ尿素及びその誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルホリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォルムアジン類、ピリジン類、シッフ塩基、弱酸とナトリウム又はカリウムとの塩、特開平8−123030号記載の塩基性窒素含有樹脂、特開平9−54437号記載の有機塩基性化合物、特開平8−211598号記載のチオスルホネート化合物、特開平7−219217号記載の加熱中性化塩基性化合物(スルホニルヒドラジド化合物等)が挙げられる。尚、加熱中性化塩基性化合物を使用する場合は露光後現像処理する前に加熱することで感度が大幅に向上する。
【0123】
アミン化合物としては酢酸アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミン、オクタデシルベンジルアミン、ステアリルアミン、α−フェニルエチルアミン、β−フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ジフェニルアニリン、トリフェニルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、o−クロルアニリン、m−クロルアニリン、p−クロルアニリン、o−ブロムアニリン、m−ブロムアニリン、p−ブロムアニリン、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ベンジジン、p−アミノ安息香酸、スルファニル酸、スルファニルアミド、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピペリジン、ピペラジン、2−ベンジルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−イミダゾール、2−ウンデシル−イミダゾリン、2,4,5−トリフリル−2−イミダゾリン、1,2−ジフェニル−4,4−ジメチル−2−イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾリン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、1,2−ジトリルグアニジン、1,2−ジシクロヘキシルグアニジン、1,2,3−トリシクロヘキシルグアニジン、グアニジントリクロロ酢酸塩、N,N′−ジベンジルピペラジン、4,4′−ジチオモルホリン、モルホリニウムトリクロロ酢酸、2−アミノ−ベンゾチアゾール、2−ベンゾイルヒドラジノ−ベンゾトアゾール、アリル尿素、チオ尿素、メチルチオ尿素、アリルチオ尿素、エチレンチオ尿素等が挙げられる。
【0124】
シッフ塩基の具体的化合物は、以下の一般式(A)で表される構造を分子中に少なくとも1つ有する化合物を挙げることができる。
【0125】
【化22】
Figure 0003820778
【0126】
但し、R21、R22は炭化水素基(例えばメチル基、イソプロピル基、オクチル基、ヘプタデシル基等のアルキル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基など)、R23は水素原子又は炭化水素基(R21、R22で挙げたのと同様の基)を表す。
【0127】
上記構造を有する化合物は、アルデヒド又はケトンとアミンの縮合により合成することができる。
【0128】
具体的には、多価のアミン類と1価のアルデヒド類又は1価のケトン類、1価のアミン類と多価のアルデヒド類又は多価のケトン類との縮合反応及び、2価のアミン類と2価のアルデヒド類又は2価のケトン類との縮重合反応等により合成することができる。
【0129】
1価のアミン類の例としては、メチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−アミルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ナノニルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、1−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、1−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、1−メチルブチルアミン、オクタデシルアミン、イソプロピルアミン、tert−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−アミルアミン、イソアミルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、tert−オクチルアミン、1,2−ジメチルブチルアミン、4−メチルペンチルアミン、1,2,2−トリメチルプロピルアミン、1,3−ジメチルペンチルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキサンメチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、m−エチルアニリン、p−エチルアニリン、p−ブチルアニリン等が挙げられる。2価のアミン類の例としては、メチンジアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ヘキサンジアミン、1,7−ジアミノへプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,4′−メチレンビスシクロヘキサンアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−シクロヘキサンビスメチルアミン、ベンジジン、4−アミノフェニルエーテル、o−トリジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、o−フェニレンジアミン、4−メトキシ−o−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,3−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン等が挙げられる。又、1価のアルデヒド類の例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、2−メチルブチルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ヘキサナル、2−エチルヘキサナル、2,3−ジメチルバレルアルデヒド、オクチルアルデヒド、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、シクロオクタンカルボキシアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、2−フェニルプロピオンアルデヒド、ジフェニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、o−トルアルデヒド、m−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、o−アニスアルデヒド、m−アニスアルデヒド、p−アニスアルデヒド、o−エトキシベンズアルデヒド、p−エトキシベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,5−ジメチルベンズアルデヒド、4−ビフェニルカルボキシアルデヒド、2−ナフトアルデヒド等が挙げられ、2価のアルデヒド類の例としては、o−フタリックジカルボキシアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルジカルボキシアルデヒド等が挙げられる。更に、1価のケトン類の例としては、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、3−メチルヘキサノン、2−へプタノン、3−へプタノン、3−メチルヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、フェニルアセトン、ベンジルアセトン、1−フェニル−2−ブタノン、1,1−ジフェニルアセトン、1,3−ジフェニルアセトン、2−フェニルシクロヘキサノン、2−イレデン、β−テトラロン、プロピオフェノン、o−メチルアセトフェノン、ベンゾフェノン等が挙げられ、2価のケトン類の例としては、2,4−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、2,5−ヘキサンジオン、2,7−オクタンジオン、2,3−ブタジオン、2−メチル−1,3−シクロペンタジオン、1,3−シクロヘキサンジオン、1,4−シクロヘキサジオン、1,3−シクロペンタンジオン、3−アセチル−2−ヘプタノン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−へプタジオン、2−メチル−1,3−シクロヘキサンジオン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジベンゾイルブタン、p−ジアセチルベンゼン、m−ジアセチルベンゼン、ベンジル、4,4′ジメトキシベンジル、2−フェニル−1,3−インダンジオン、1,3−インダンジオン、o−ジベンゾイルベンゼン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン等が挙げられる。
【0130】
以下にシッフ塩基の具体例を挙げる。
【0131】
【化23】
Figure 0003820778
【0132】
塩基性化合物はプロトンを補足可能なものであれば上記に示した化合物以外に特に制限なく使用できる。
【0133】
これらの塩基性化合物は単独又は2種以上組み合わせて用いても良い。使用量は感層中に0.001以上10重量%以下が好ましく、0.01以上5重量%以下がより好ましい。0.001重量%以下では保存安定性向上、露光後の経時小点再現性低下抑制の効果がなく、又10重量%以上では感度低下が著しい。
【0134】
測定に際しては、塗布に使用する任意の有機溶剤、水又は複数の混合溶剤に固形分10重量%となるように溶解した感層塗布液を調製し、測定装置として東亜電波工業(株)のデジタルpHメーターHM−30Sを用い、測定条件として該pHメーターを標準化した後、測定すべき塗布液に対して垂直にpHメーターの測定部を下ろし塗布液に2分浸漬した際の測定値を塗布液のpHとした。
【0135】
支持体としては、アルミニウム、亜鉛、鋼、銅等の金属版、並びにクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄等がメッキ又は蒸着された金属版、紙、プラスチックフィルム及びガラス版、樹脂が塗布された紙、アルミニウム等の金属箔が張られた紙、親水化処理したプラスチックフィルム等が挙げられる。このうち好ましいのはアルミニウム版である。本発明を感光性平版印刷版に適用するとき、支持体として、砂目立て処理、陽極酸化処理及び必要に応じて封孔処理等の表面処理等が施されているアルミニウム版を用いることが好ましい。これらの処理には特開昭53−67507号、同53−77702号、同53−123204号、同54−63902号、同54−92804号、同54−133903号、同55−128494号、同56−28893号、同56−51388号、同58−42493号、同58−209597号、同58−197090号、同59−182967号、同60−190392号、同62−160291号、同61−182950号、同63−99992号、特開平1−150583号、同1−154797号、同1−176594号、同1−188699号、同1−188395号、同1−215591号、同1−242289号、同1−249494号、同1−304993号、同2−16090号、同2−81692号、同2−107490号、同2−185493号、同3−104694号、同3−177528号、同4−176690号、同5−24376号、同5−24377号、同5−139067号、同6−247070号などに示される公知の方法を適用することができる。
【0136】
砂目立て処理の方法としては、例えば機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。機械的方法としては、例えばボール研磨法、ブラシ研磨法、液体ホーニングによる研磨法、バフ研磨法等が挙げられる。アルミニウム材の組成等に応じて上述の各種方法を単独或いは組合わせて用いることができる。
【0137】
電解によりエッチングするには、リン酸、硫酸、塩酸、硝酸等の無機の酸を単独乃至2種以上混合した浴を用いて行われる。砂目立て処理の後、必要に応じてアルカリ或いは酸の水溶液によってデスマット処理を行い中和して水洗する。
【0138】
陽極酸化処理は、電解液として、硫酸、クロム酸、シュウ酸、リン酸、マロン酸等を1種又は2種以上含む溶液を用い、アルミニウム版を陽極として電解して行われる。形成された陽極酸化被膜量は1〜50mg/dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2であり、特に好ましくは25〜40mg/dm2である。陽極酸化被膜量は、例えばアルミニウム版をリン酸クロム酸浴液(リン酸85%液:35ml、酸化クロム(IV):20gを1リットルの水に溶解して作製)に浸漬し、酸化被膜を溶解し、版の被膜溶解前後の重量変化測定から求められる。
【0139】
封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例として挙げられる。この他にアルミニウム版支持体に対して、水溶性高分子化合物や、フッ化ジルコン酸等の金属塩の水溶液による下引き処理を施すこともできる。
【0140】
支持体の裏面には、アルミニウムの陽極酸化皮膜の溶出を抑えるために、有機金属化合物或いは無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層或いは有機高分子化合物からなる被覆層(以下、バックコート層という。)を設けることが好ましい。
【0141】
バックコート層は、現像時にアルミニウムの溶出が抑えられる量を用いればよく、0.001以上10g/m2以下の範囲の塗布量が好ましく、より好ましくは、0.01以上1g/m2以下であり、0.02以上0.1g/m2以下が最も好ましい。
【0142】
バックコート層をアルミニウム支持体の裏面に被覆する方法としては種々の方法が適用できるが、上記の塗布量を確保する上で最も好ましいのは、バックコート層塗布液を作製して塗布、乾燥する方法である。
【0143】
感応層を支持体の表面に塗布する方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等が可能である。塗布量は用途により異なるが、例えば、平版印刷版についていえば固形分として0.5〜5.0g/m2が好ましい。
【0144】
本発明の感光性平版印刷版に対しては、波長400nm以上、特に700nm以上の光源を用い画像露光を行うことが好ましい。光源としては、半導体レーザー、He−Neレーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー等が挙げられる。出力はレーザービーム1本当たり50mW以上が適当であり、好ましくは100mW以上である。
【0145】
〈画像形成方法〉
本発明の感光性平版印刷版に画像形成する方法としては、感応層に像様に露光を行った後、露光部の感応層を現像液を用いて除去する。像様に露光を行う手段として上述の赤外線レーザーを用いることが好ましい。具体的な方法として、現像液に補充液を添加しながら、連続処理を行う。本発明では現像液中に溶け出る感応層成分が現像性に影響を与えない分解物に限定されているため、現像液の補充は従来に比べて非常に低減でき、従って現像液の連続使用時間を延ばし、交換が不要な期間を長期にわたって確保することになり、連続処理量の大幅な増加にもつながる。しかも現像処理を低補充で抑えることができるので、廃液量の低減にもなり、環境的にも又衛生的に優れた効果を期待できる。本発明における現像液への補充量は感光性平版印刷版1m2当たり100ml以下が好ましく、50ml以下がより好ましい。更に25ml以下が最も好ましい。前記1m2当たりの補充量は、感光性平版印刷版の現像処理による現像液活性度の低下分を補償するために必要な量である。これを検知するために、感光性平版印刷版の処理面積の測定、現像液の電導度、pH、インピーダンスの測定、現像液への感応層成分の混入量の測定などを行い、あらかじめ設定された補充量を現像液に添加する方法が用いられるが、検知にはいずれの方法を用いてもよい。又、補充のタイミングは連続処理における現像安定性に影響がない範囲で任意である。感光性平版印刷版の現像処理以外の要因に対する補充として、空気中の炭酸ガスによる現像液活性の低下に対して補償するための補充を行うが、本発明の請求項で規定された補充量はこれを含めない。しかし、感光性平版印刷版の現像処理に対応する補充量が低減可能であれば、この炭酸ガスの影響に対する補充を大幅に低減することができ、廃液量の低減に寄与することは明白である。
【0146】
現像に用いられる現像液及び現像補充液としては、水系アルカリ現像液が好適である。水系アルカリ現像液は例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム等のアルカリ金属塩の水溶液が挙げられる。前記アルカリ金属塩の濃度は0.05以上20重量%以下の範囲で用いるのが好適であり、より好ましくは0.1以上10重量%以下である。
【0147】
現像液及び現像補充液の珪酸塩濃度/アルカリ金属濃度(SiO2のモル濃度/アルカリ金属のモル濃度)は、0.15以上1.0以下が好ましく、又珪酸塩濃度が総重量に対して0.5以上5.0重量%以下が好ましい。特に好ましくは、現像液の珪酸塩濃度/アルカリ金属濃度が0.25以上0.75であり、珪酸塩濃度が1.0以上4.0重量%以下、現像補充液の珪酸塩濃度/アルカリ金属濃度が0.15以上0.5であり、珪酸塩濃度が1.0以上3.0重量%以下である。
【0148】
又、特開平8−305039号、特開平8−160631号に記載された非珪酸系の現像液を適用することもできる。
【0149】
現像液には、必要に応じアニオン、ノニオン、カチオン、又は両性の界面活性剤や有機溶剤を加えることができる。
【0150】
アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリルアルコールサルフェートのナトリウム塩、オクチルアルコールサルフェートのナトリウム塩、ラウリルアルコールサルフェートのアンモニウム塩、第2ナトリウムアルキルサルフェート等の炭素数8〜22の高級アルコール硫酸エステル塩類、例えばアセチルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩等の様な脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、メタニトロベンゼンスルホン酸のナトリウム塩等の様なアルキルアリールスルホン酸塩類、例えばC1733CON(CH3)CH2CH2SO3Na等の様なアルキルアミドのスルホン酸、例えばナトリウムスルホコハク酸ジオクチルエステル、ナトリウムスルホコハクジヘキシルエステル等の二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類等が挙げられる。
【0151】
ノニオン界面活性剤としては、特開昭59−84241号、同62−168160号及び同62−175758号に開示のもの、カチオン界面活性剤としては、特開昭62−175757号に開示のもの、両性界面活性剤としては、例えばアルキルカルボキシベタイン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルイミダゾリン型の化合物或いは、特公平1−57895号に開示されている有機ホウ素化合物等が挙げられる。界面活性剤は、使用時の現像液の総重量に対して0.1〜5重量%の範囲で含有させておくことが適当である。
【0152】
有機溶媒としては、水に対する溶解度が約10重量%以下のものが適しており、好ましくは2重量%以下のものから選ばれる。例えば1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−フェニルプロパノール、1,4−フェニルブタノール、2,2−フェニルブタノール、1,2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール及び3−メチルシクロヘキサノール等を挙げることができる。本発明においては、プロピレングリコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、n−プロピルアルコール等が有用である。
【0153】
有機溶媒の含有量は使用時の現像液の総重量に対して1〜5重量%が好適である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係があり、有機溶媒の量が増すにつれ、界面活性剤の量は増加させることが好ましい。
【0154】
上記現像液には、更に必要に応じ、アルカリ可溶性メルカプト化合物及び/又はチオエーテル化合物、水溶性還元剤、消泡剤及び硬水軟化剤の様な添加物を含有させることもできる。
【0155】
硬水軟化剤として例えば、Na227、Na3PO9、Na2O(NaO3P)PO3Na2、カルゴン(ポリメタ燐酸ナトリウム)等のポリ燐酸塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩:ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩等の様なアミノポリカルボン酸塩や、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、ナトリウム塩等の様な有機スルホン酸塩等を挙げることができる。この様な硬水軟化剤は使用される硬水の硬度及びその使用量に応じて最適量が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像液中に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲で含有させられる。
【0156】
水溶性還元剤としては、例えばハイドロキノン、メトキシキノン等のフェノール性化合物、フェニレンアミン、フェニルヒドラジン等のアミン化合物、或いは亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウムの様な亜硫酸塩、亜リン酸カリウム、亜リン酸水素カリウム等の亜リン酸塩、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム等を挙げることができる。含有量は現像補充液の総重量に対して0.01〜10重量%が好ましい。
【0157】
アルカリ可溶性メルカプト化合物及び/又はチオエーテル化合物としては、分子内に1つ以上のメルカプト基及び/又はチオエーテル基を有し、少なくとも1つ以上の酸基を有する化合物が好ましく、更に1分子内に1つ以上のメルカプト基及びカルボキシル基を有する化合物が好ましい。例えばメルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、4−メルカプトブタン酸、2,4−ジメルカプトブタン酸、2−メルカプトテトラデカン酸、2−メルカプトミリスチン酸、メルカプト琥珀酸、2,3−ジメルカプト琥珀酸、システイン、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、N−(2−メルカプト−2−メチルプロピオニル)グリシン、N−(3−メルカプトプロピオニル)グリシン、N−(2−メルカプト−2−メチルプロピオニル)システイン、ペニシラミン、N−アセチルペニシラミン、グリシン・システイン・グルタミン縮合物、N−(2,3−ジメルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、チオサリチル酸、3−メルカプト安息香酸、4−メルカプト安息香酸、3−カルボキシ−2−メルカプトピリジン、2−メルカプトベンゾチアゾール−5−カルボン酸、2−カルカプト−3−フェニルプロペン酸、2−メルカプト−5−カルボキシエチルイミダゾール、5−メルカプト−1−(4−カルボキシフェニル)テトラゾール、N−(3,5−ジカルボキシフェニル)−2−メルカプトテトラゾール、2−(1,2−ジカルボキシエチルチオ)−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−(5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾリルチオ)ヘキサン酸、2−メルカプトエタンスルホン酸、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸、2−メルカプトベンゼンスルホン酸,4−メルカプトベンゼンスルホン酸、3−メルカプト−4−(2−スルホフェニル)−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール−5−スルホン酸、2−メルカプトベンゾイミダゾール−6−スルホン酸、メルカプトコハクイミド、4−メルカプトベンゼンスルホンアミド、2−メルカプトベンゾイミダゾール−5−スルホンアミド、3−メルカプト−4−(2−(メチルアミノスルホニル)エトキシ)トルエン、3−メルカプト−4−(2−(メチルアミノスルホニルアミノ)エトキシ)トルエン、4−メルカプト−N−(p−メチルフェニルスルホニル)ベンズアミド、4−メルカプトフェノール、3−メルカプトフェノール、3−メルカプトフェノール、3,4−ジメルカプトトルエン、2−メルカプトヒドロキノン、2−チオウラシル、3−ヒドロキシ−2−メルカプトピリジン、4−ヒドロキシチオフェノール、4−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、4,6−ジヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、2,3−ジヒドロキシプロピルメルカプタン、テトラエチレングリコール、2−メルカプト−4−オクチルフェニルエーテルメチルエーテル、2−メルカプト−4−オクチルフェノールメタンスルホニルアミノエチルエーテル、2−メルカプト−4−オクチルフェノールメチルアミノスルホニルブチルエーテルチオジグリコール酸、チオジフェノール、6,8−ジチオオクタン酸又はそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミンとの塩等が挙げられる。現像液における上記化合物の含有量は、0.01〜5重量%が適当である。
【0158】
又、本発明には公知のガム液、リンス液を用いることが出来る。ガム液は現像液のアルカリ成分除去のため酸や緩衝剤を添加することが好ましく、その他に親水性高分子化合物、キレート剤、潤滑剤、防腐剤及び可溶化剤等を添加することができる。ガム液に親水性高分子化合物を含む場合は現像後の版の傷や汚れを防ぐ保護剤としての機能も付加される。
【0159】
本発明に用いられるガム液中に界面活性剤を添加することにより塗布層の面状等が良化する。使用できる界面活性剤としてはアニオン界面活性剤及び/又はノニオン界面活性剤が挙げられる。例えば、アニオン型界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド−2−ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硝酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硝酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
【0160】
又、ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド等が挙げられる。その中でもポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類等が好ましく用いられる。又、弗素系、シリコン系のアニオン、ノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。これら界面活性剤は2種以上併用することもできる。例えば互いに異なる2種以上を併用することもできる。例えば互いに異なる2種以上のアニオン界面活性剤の併用やアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の併用が好ましい。上記界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、好ましくは後処理液の0.01〜20重量%である。
【0161】
本発明に用いられるガム液には、上記成分の他必要により潤滑剤として多価アルコール、アルコール及び脂肪族炭化水素を用いることができる。
【0162】
多価アルコールの内、好ましい具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられ、アルコールとしては、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のアルキルアルコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール及びフェニルアミノエチルアルコール等の芳香環を有するアルコールが挙げられる。脂肪族炭化水素としては、例えば、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−ドデカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等が挙げられる。これらの潤滑剤の含有量は、組成物中に0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜3.0重量%が適当である。
【0163】
上記成分の他必要により潤滑剤としてエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等が好適に用いられる。これらの湿潤剤は単独で用いてもよいが、2種以上併用してもよい。一般に、上記湿潤剤は1〜25重量%の量で使用するのが好ましい。
【0164】
皮膜形成性を向上させる目的で種々の親水性高分子を含有することができる。
【0165】
この様な親水性高分子としては従来よりガム液に使用し得るとされるものであれば好適に使用できる。例えば、アラビアガム、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)及びその変性体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びその共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
【0166】
本発明に用いられるガム液は、一般的には酸性領域、pH3〜6の範囲で使用する方が有利である。pHを3〜6にするためには一般的には後処理液中に鉱酸、有機酸又は無機塩等を添加して調節する。その添加量は0.01〜2重量%が好ましい。例えば鉱酸としては硝酸、硫酸、リン酸及びメタリン酸等が挙げられる。
【0167】
又有機酸としては、クエン酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、フィチン酸及び有機ホスホン酸等が挙げられる。更に無機塩としては、硝酸マグネシウム、第1リン酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム、硫酸ニッケル、ヘキサメタン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。鉱酸、有機酸又は無機塩等の少なくとも1種もしくは2種以上を併用してもよい。
【0168】
本発明に用いられるガム液には、防腐剤、消泡剤等を添加することができる。
【0169】
例えば防腐剤としてはフェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体等が挙げられる。好ましい添加量は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、使用時の版面保護剤に対して0.01〜4重量%の範囲が好ましく、又種々のカビ、殺菌に対して効力のある様に2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。又、消泡剤としてはシリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型及び可溶化等が何れも使用できる。好ましくは使用時のガム液に対して0.01〜1.0重量%の範囲が最適である。
【0170】
更にキレート化合物を添加してもよい。好ましいキレート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩:ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩等の様な有機ホスホン酸類或いはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることが出来る。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代わりに有機アミンの塩も有効である。これらキレート剤はガム液組成中に安定に存在し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。添加量としては使用時のガム液に対して0.001〜1.0重量%が適当である。
【0171】
上記成分の他、必要により感脂化剤も添加することができる。例えばテレピン油、キシレン、トルエン、ローヘプタン、ソルベントナフサ、ケロシン、ミネラルスピリット、沸点が約120℃〜約250℃の石油留分等の炭化水素類、例えばジブチルフタレート、ジヘブチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸ジエステル剤、例えばジオクチルアジペート、ブチルグリコールアジペート、ジオクチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルセバケート等の脂肪族二塩基酸エステル類、例えばエポキシ化大豆油等のエポキシ化トリグリセリド類、例えばトリクレジルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリスクロルエチルフォスフェート等のリン酸エステル類、例えば安息香酸ベンジル等の安息香酸エステル類等の凝固点が15℃以下で、1気圧下での沸点が300℃以上の可塑剤が含まれる。
【0172】
更にカプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ヘラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、イソ吉草酸等の飽和脂肪酸とアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、ニルカ酸、ブテシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸、イワシ酸、タリリン酸、リカン酸等の不飽和脂肪酸も挙げられる。より好ましくは50℃において液体である脂肪酸であり、更に好ましくは炭素数が5〜25であり、最も好ましくは炭素数が8〜21である。これらの感脂化剤は1種もしくは2種以上併用することもできる。使用量として好ましい範囲はガムの0.01〜10重量%、より好ましい範囲は0.05〜5重量%である。
【0173】
上記の様な感脂化剤は、ガムを乳化分散型としておき、その油相として含有させてもよく、又可溶化剤の助けを借りて可溶化してもよい。
【0174】
本発明において、ガム液の固型分濃度は5〜30g/lが好ましい。ガム膜厚量は自現機のスクイズ手段の条件で制御できる。本発明において、ガム塗布量は1〜10g/m2が好ましい。ガム塗布量は10を越えると、短時間で乾燥するためには、版面を非常に高温にする必要があり、コスト上、安全上不利であり、また本発明の効果が十分に得られない。1g/m2を下回ると、均一塗布が難しくなり、安定した処理性が得られない。
【0175】
本発明において、ガム液の塗布終了から乾燥開始までの時間は3秒以下であることが好ましい。更に好ましくは2秒以下であり、この時間が短いほどインキ着肉性が向上する。
【0176】
乾燥時間は1〜5秒が好ましい。乾燥時間が5秒を上回る時は本発明の効果が得られない。乾燥時間が1秒未満の場合には、感光性平版印刷版を十分に乾燥するために、版面を非常に高温にする必要があり、安全上、コスト上好ましくない。又乾燥方式としては、温風ヒーター、遠赤外線ヒーターなど公知の乾燥方式を用いることができる。乾燥工程では、ガム液中の溶媒が乾燥される必要がある。
【0177】
そのために十分な、乾燥温度とヒーター容量を確保する必要がある。乾燥に必要な温度は、ガム液の成分によって異なるが、溶媒が水であるガム液の場合は、通常乾燥温度は55℃以上であることが好ましい。ヒーター容量は乾燥温度よりも重要である場合が多く、その容量は温風乾燥方式の場合は2.6kW以上が好ましい。容量は大きい程よいが、コストとのバランスで2.6〜7kWが好ましい。
【0178】
本発明の現像処理には例えば特開平5−188601号及び特願平9−143882号に示される自動現像機を用いる方法が有効である。又現像液、消去液、後処理液には、特願平8−56894号等に記載された処理剤を使用することができる。
【0179】
露光後、現像前に感光性平版印刷版の加熱処理を加えてもよい。この場合、80〜200℃で5〜20秒の加熱処理が好ましい。
【0180】
又、現像後の感光性平版印刷版を150〜300℃、20〜200秒程度のバーニング処理を行うことで感応層の機械的強度を飛躍的に向上させることができ、印刷版として使う場合には耐刷性を大幅に上げることができる。
【0181】
【実施例】
特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物の合成
実施例1
三つ口フラスコに1,1−ジメトキシシクロヘキサン57.68g(0.4mol)、ジエチレングリコール84.89g(0.8mol)、トルエン20ml、p−トルエンスルホン酸・水和物0.194g(0.001mol)を加えた。仕込み後昇温し、内温を118〜120℃に維持しつつ、発生した反応副生成物のメタノールをトルエンと共沸除去しながら反応を行った。留出した、トルエン量に追加トルエンを同調させながら滴下した。反応は、8時間行った。反応終了後室温まで冷却し、1%NaOH水溶液で2回洗浄した。得られた反応トルエン溶液を飽和食塩水で1回洗浄した。ついで、炭酸カリウムで脱水した後、エバポレーターにて減圧加熱によりトルエンを除去した。その結果、オレンジ色シャーベット状の化合物―1を得ることが出来た。収量56.7g(収率43.7%)
重量平均分子量Mw=630、分子量分布の比率は表1に示す。
【0182】
実施例2
三つ口フラスコに1,1−ジメトキシシクロヘキサン57.68g(0.4mol)、ジエチレングリコール46.70g(0.36mol)、トルエン20ml、p−トルエンスルホン酸・水和物0.194g(0.005mol)を加えた。仕込み後昇温し、内温を118〜120℃に維持しつつ、発生した反応副生成物のメタノールをトルエンと共沸除去しながら反応を行った。留出した、トルエン量に追加トルエンを同調させながら滴下した。反応は、18時間行った。反応終了後室温まで冷却し、水で3回洗浄した後、4%NaOH水溶液で3回洗浄した。得られた反応トルエン溶液を飽和食塩水で3回洗浄した。ついで、硫酸マグネシウムで脱水した後、更に、炭酸カリウムで脱水してから、エバポレーターにて減圧加熱によりトルエンを除去した。その結果、褐色のロウ状化合物―2を得ることが出来た。収量27.9g(収率33.6%)
重量平均分子量Mw=710、分子量分布の比率は表1に示す。
【0183】
実施例3
三つ口フラスコに1,1−ジメトキシシクロヘキサン57.68g(0.4mol)、ジエチレングリコール42.45g(0.4mol)、トルエン20ml、p−トルエンスルホン酸・水和物0.194g(0.001mol)を加えた。仕込み後昇温し、内温を118〜120℃に維持しつつ、発生した反応副生成物のメタノールをトルエンと共沸除去しながら反応を行った。留出した、トルエン量に追加トルエンを同調させながら滴下した。反応は、18時間行った。反応終了後室温まで冷却し、1%NaOH水溶液で2回洗浄した。得られた反応トルエン溶液を飽和食塩水で1回洗浄した。ついで、炭酸カリウムで脱水した後、エバポレーターにて減圧加熱によりトルエンを除去した。その結果、オレンジ色の半固形化化合物―3を得ることが出来た。収量38.7g(収率44.3%)
重量平均分子量Mw=945、分子量分布の比率は表1に示す。
【0185】
比較例1
三つ口フラスコに1,1−ジメトキシシクロヘキサン57.68g(0.4mol)、ジエチレングリコール42.45g(0.4mol)、トルエン20ml、p−トルエンスルホン酸・水和物0.194g(0.001mol)を加えた。仕込み後昇温し、内温を118〜120℃に維持しつつ、発生した反応副生成物のメタノールをトルエンと共沸除去しながら反応を行った。留出した、トルエン量に追加トルエンを同調させながら滴下した。反応は、4時間行った。反応終了後室温まで冷却し、4%NaOH水溶液で2回洗浄した。得られた反応トルエン溶液を飽和食塩水で1回洗浄した。ついで、炭酸カリウムで脱水した後、エバポレーターにて減圧加熱によりトルエンを除去した。その結果、オレンジ色の半固形化化合物―5を得ることが出来た。収量37.1g(収率42.5%)
重量平均分子量Mw=540、分子量分布の比率は表1に示す。
【0186】
【表1】
Figure 0003820778
【0187】
感光性平版印刷版の作製
支持体の作製
JIS−1050のアルミニウム板(材質1050、調質H16)、厚さ0.24mmを65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液で1分間脱脂処理をおこなった後水洗し、25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に1分間浸漬し、中和し、更に水洗した。このアルミニウム板を1.0wt%の硝酸水溶液中において、温度25℃、電流密度10A/dm2、処理時間60secの条件で交流電流により電解粗面化を行なった。次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液中で温度60℃、10秒間のデスマット処理を行ない、その後、20%硫酸溶液中で温度20℃、電流密度3A/dm2、処理時間1分間の条件で陽極酸化処理を行った。その後、80℃に保たれた1%酢酸アンモニウム水溶液中に30秒間浸漬し、水洗後80℃で3分間乾燥した。更に、85℃に保たれたカルボキシメチルセルロースの水溶液(濃度0.1wt%)に30秒浸漬した後、80℃で5分間乾燥し、支持体を作製した。
【0188】
実施例5
前記支持体上に下記組成の感応層塗布液を乾燥後の膜厚が2.0g/m2になるように塗布し、100℃2分間乾燥し感光性平版印刷版を得た。
【0189】
「感光性組成物A」
Figure 0003820778
得られた感光性平版印刷版に、以下に示す方法で画像を形成した。
【0190】
クレオダクツ社製(トレンドセッター3244:半導体レーザー出力10W、240チャンネル機)で感層に画像様に露光を行った。現像は、自動現像処理装置(PSZ−910(コニカ製))にて、現像液SDR−1(コニカ社製)を規定希釈濃度(SDR−1/水=1/5)で使用し現像を行いポジ型画像を形成した。
【0191】
「感度評価」
上記条件において、露光部が現像されるのに必要な露光エネルギー(mj/cm2)で評価した。
【0192】
「現像ラチチュード評価」
上記感度にて画像形成したサンプルを、最適露光条件を設定し、最適露光エネルギーで画像露光を行う。上記通常条件の他に、
1)SDR−1/水=1/9(アンダー現像性)における、非画線部の汚れ性、感度、
2)通常現像条件に対して、SDR−1R(コニカ社製)/水=1/3を1lを加えた(オーバー現像性)時の感度、
非画線部汚れ性を評価して1)、2)による現像条件変動による感材への影響を評価した。
【0193】
判定基準
○:非画線部は汚れない
△:版上の非画線部に走査線ムラが僅かにでる
×:版上の非画線部、印刷用紙の両方に走査線ムラが出、汚れる。
【0194】
「露光経時性評価」
露光経時評価では、各露光経時(1)即、2)20分、3)1時間)において露光部が現像されるのに必要な露光エネルギー(mj/cm2)を求め評価とした。
【0195】
実施例6
感光性組成物Aの酸分解性化合物(実施例1記載の化合物−1)を酸分解性化合物(実施例2記載の化合物−2)に変更した以外は、実施例5同様に感光性平版印刷版を作製し評価を行った。
【0196】
実施例7
感光性組成物Aの酸分解性化合物(実施例1記載の化合物−1)を酸分解性化合物(実施例3記載の化合物−3)に変更した以外は、実施例5同様に感光性平版印刷版を作製し評価を行った。
【0198】
実施例9
感光性組成物Aの酸分解性化合物(実施例1記載の化合物−1)15部を酸分解性化合物(実施例1記載の化合物−1)5部、酸分解性化合物(実施例2記載の化合物−2)10部に変更した以外は、実施例5同様に感光性平版印刷版を作製し評価を行った。
【0199】
実施例10
実施例5の感光性組成物Aのノボラック樹脂70部をノボラック樹脂65部、アクリル樹脂(メチルメタクリレート/ヒドロキシフェニルメタクリルアミド/メタクリルアミド/メタクリロニトリルの共重合体、重量比20/20/300/30、Mw=30000)5部に変更した以外は、実施例5同様に感光性平版印刷版を作製し評価を行った。
【0201】
実施例12
実施例9の感光性組成物Aのノボラック樹脂70部をノボラック樹脂65部、アクリル樹脂(メチルメタクリレート/ヒドロキシフェニルメタクリルアミド/メタクリルアミド/メタクリロニトリルの共重合体、重量比20/20/300/30、Mw=30000)5部に変更した以外は、実施例5同様に感光性平版印刷版を作製し評価を行った。
【0202】
比較例2
感光性組成物Aの酸分解性化合物(実施例1記載の化合物−1)を酸分解性化合物(比較例1記載の化合物−5)に変更した以外は、実施例5同様に感光性平版印刷版を作製し評価を行った。
【0203】
実施例5〜12、比較例2で作製した感光性平版印刷版の評価結果は、表2に示す。
【0204】
【表2】
Figure 0003820778
【0205】
表2から、本発明の酸分解性化合物を用いた感光性平版印刷版は、現像液ラチチュードを低下することなく、露光時の反応の効率が高く、露光経時性も安定した感光性平版印刷版であることが判る。
【0206】
【発明の効果】
本発明により、現像液ラチチュードを低下することなく、露光時の反応の効率が高く、露光経時性も安定した酸分解性化合物及び感光性平版印刷版を提供することができた。

Claims (5)

  1. 支持体上に、少なくとも重量平均分子量Mw=3000以下のシクロヘキサノンとジオール化合物との縮合生成物であって、分子量分布に含まれる化合物が、総ピーク面積に対する100〜400の分子量に相当するピークの面積が0〜40%であり、総ピーク面積に対する400〜800の分子量に相当するピークの面積が0〜60%であり、かつ、総ピーク面積に対する800〜4000の分子量に相当するピークの面積が20〜80%である特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物と、赤外吸収色素及び活性光線により酸を形成する化合物とを含有する感応層からなることを特徴とする感光性平版印刷版。
  2. 前記感応層が水不溶で且つアルカリ可溶な樹脂成分を含有することを特徴とする請求項1記載の感光性平版印刷版。
  3. 特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物の2価アルコール性成分が、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、キシリレングリコールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の感光性平版印刷版
  4. 特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物の重量平均分子量が400〜800及び800〜3000の混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の感光性平版印刷版
  5. 特定分子量分布を持つポリマー型酸分解性化合物の重量平均分子量400〜800及び800〜3000の混合比が2:8〜8:2の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の感光性平版印刷版
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