JP3820095B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の図柄が可変表示される可変表示手段の可変表示を遊戯者が停止させたときに、所定の図柄の組み合わせが揃うと、遊技者に対してメダル等の特典が付与されるスロットマシン等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機としては、複数の図柄をそれぞれに有する可変表示手段である複数のリールを回転させ、可変表示停止手段であるストップボタン等を操作して全てのリールを停止させるスロットマシンが知られている。このスロットマシンは、入賞態様に含まれる図柄の組み合わせが所定の入賞ライン上に揃うと、その組み合わせに応じたメダルの払い出しが行われる。このようなスロットマシンでは、一般に、遊技者が所定のスタートレバーを操作することで、任意の入賞態様を抽選する内部抽選が行われる。この内部抽選で、所定の入賞態様が当選した場合には、その入賞態様に係る図柄の組合せが揃いやすくなるように、リールの停止制御がなされる。逆に、内部抽選で、いずれの入賞態様にも当選しなかった場合には、遊技者によるストップボタン等の操作タイミングにかかわらず、入賞態様に含まれる図柄を揃えることはできない。
【0003】
このような遊技機の中には、液晶ディスプレイ、演出用リール、効果音発生器等の演出手段を備えたものがある。この演出手段は、液晶ディスプレイに静止画像や動画を表示したり、演出用リールを回転させたり、効果音を発生したりすることにより、遊技を盛り上げるのに利用される。また、上記内部抽選によりボーナスゲームに当選した旨を遊技者に告知したりすることに利用される場合もある。
この演出手段は、第1の制御手段であるメイン制御基板に接続されたリール等の遊戯本来の機能を実現するための制御対象と比較して、制御内容が複雑なものとなる傾向にある。そのため、規制によって仕様上の制約があるメイン制御基板とは別に、自由に設計可能な第2の制御手段であるサブ制御基板を設け、このサブ制御基板で上記演出手段を制御するようになってきている。このサブ制御基板は、メイン制御基板から送信されてくる演出制御データを受信し、受信した演出制御データに基づいて上記液晶ディスプレイ等の演出手段を制御する。
【0004】
一方、上記演出手段による演出を上記リールにおける図柄の変化に同期させて行うと、その演出が、リールの図柄の変化を見ながら図柄を揃えるようにストップボタンを押す行為(目押し)の補助となるおそれがある。そのため、スロットマシンの賭博性、射倖性の高まりを抑えるため、目押しの補助となるような演出をしないようにすることが好ましい。
【0005】
そこで、従来、上記目押しの補助となる演出を行わないように、メイン制御基板上で実行するソフトウェアにより、サブ制御基板に対する演出制御データの送信に先立って通信用乱数nを発生させ、この通信用乱数nの値に基づいて、演出手段(サブ表示装置やスピーカ)を制御するための演出制御データ(イベント命令)をメイン制御基板からサブ制御基板へ送信するタイミングを変化させるスロットマシンが知られている(例えば、特開2000−157663号公報参照)。このスロットマシンでは、上記通信用乱数を用いることにより、上記演出制御データ(イベント命令)の送信タイミングを所定時間の範囲内でランダムに変化させ、演出手段による演出が目押しの補助とならないようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のスロットマシンのように、ソフトウェア上で上記演出制御データ(イベント命令)の送信タイミングを所定時間の範囲内でランダムに変化させるように構成した遊技機では、メイン制御基板におけるソフトウェア上の負担になってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ソフトウェア上の負担をかけることなく、目押しの補助になるような演出を防止することが可能となる遊技機を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の図柄を所定のコマ送り周期で可変表示する可変表示手段と、該可変表示装置の可変表示を遊戯者が停止させるための可変表示停止手段と、所定周期で繰り返し変化する主制御用クロック信号に基づいて該図柄を可変表示するように該可変表示手段を制御する第1の制御手段と、遊戯に関する演出を行う演出手段と、該第1の制御手段から送信される演出制御データに基づいて該演出手段を制御する第2の制御手段とを備え、該可変表示停止手段により可変表示が停止したときに、上記可変表示装置の表示結果が所定の図柄の組み合わせとなったときに、遊技者に対して特典が付与される遊技機において、該第1の制御手段に、該主制御用クロック信号と非同期の周期で繰り返し変化する送信用クロック信号を生成する送信用クロック信号生成部と、該送信用クロック信号に基づいて演出制御データを該第2の制御手段に送信する演出制御データ送信部と、該主制御用クロック信号から生成されるインターバル割り込みが所定回数発生するごとに、該演出制御データ送信部に送る演出制御データを一旦保持する送信前レジスタとを設け、該演出制御データ送信部は、該送信用クロック信号に基づいて該送信前レジスタから演出制御データを受けて保持する送信レジスタを備え、該送信前レジスタから受けた演出制御データが該送信レジスタにセットされると、該送信レジスタ内の演出制御データを該第2の制御手段に送信するように構成され、該送信用クロック信号の周期が、該インターバル割り込みが該所定回数発生する期間よりも短く、前記第2の制御手段への演出制御データの送信が、前記送信用クロック信号の1周期の範囲内でランダムに行われ、該図柄を送る周期と該送信用クロック信号とが連動しないことを特徴とするものである。
【0009】
この遊技機においては、第1の制御手段により、所定周期で繰り返し変化する主制御用クロック信号に基づいて可変表示手段が制御され、主制御用クロック信号に同期した所定のコマ送り周期で、複数の図柄が可変表示される。
一方、第1の制御手段から演出手段を制御する第2の制御手段へ演出用制御データを送信するときに用いる送信用クロック信号は、送信用クロック信号生成部により、主制御用クロック信号と非同期の周期で繰り返し変化するように生成される。この主制御用クロック信号と非同期の送信用クロック信号に基づいて、演出制御データ送信部により、演出制御データが第2の制御手段に送信される。第2の制御手段は、上記主制御用クロック信号と非同期で送られてきた演出制御データに基づいて演出手段が制御し、これにより、遊戯に関する演出が行なわれる。
ここで、上記第1の制御手段に設けた上記送信用クロック信号生成部は発振回路等のハードウェアで構成することができ、上記演出制御データ送信部もレジスタ等のハードウェアで構成することができる。
上記演出制御データ送信部に送る演出制御データは、主制御用クロック信号から生成されるインターバル割り込みが所定回数発生するごとに、送信前レジスタに一旦保持される。この送信前レジスタに一旦保持された演出制御データは、主制御用クロック信号と非同期の送信用クロック信号に基づいて、演出制御データ送信部の送信レジスタに渡されて保持される。この送信レジスタに演出制御データがセットされると、送信レジスタ内の演出制御データが第2の制御手段に送信される。
ここで、送信前レジスタへのデータ保持に用いる主制御用クロック信号と、送信前レジスタから送信レジスタへのデータ移動に用いる送信用クロック信号とが非同期であるので、各演出制御データについて、送信前レジスタへのデータ保持タイミングから第2の制御手段に対するデータ送信タイミングまでの時間が、送信用クロック信号の1周期の範囲内でランダムになる。したがって、第2の制御手段への演出制御データの送信は、送信用クロック信号の1周期の範囲内でランダムに行なわれる。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の遊技機において、請求項1の遊技機において、上記第2の制御手段に、上記演出制御データ送信部から送信された上記演出制御データを受信するための受信バッファを設けたことを特徴とするものである。
【0011】
この遊技機においては、上記演出制御データ送信部から送信された演出制御データが第2の制御手段の受信バッファに受信され、演出手段の制御に用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を遊技機の一種であるスロットマシンに適用した一実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係るスロットマシン1の外観図である。このスロットマシン1は、箱型のキャビネット2と、このキャビネット2の前面側に開閉自在に取り付けられた前面パネル3とを有する。前面パネル3には、可変表示手段を構成する3個のリールの図柄を各リールについて3つずつ表示させる表示窓4と、メダル投入口5とが設けられている。各リールは、ステッピングモータで構成された図示しないリール駆動装置により回転駆動される。また、前面パネル3の裏側には、このメダル投入口5に連結された図示しないメダル判別装置が設けられている。このメダル判別装置は、投入されたメダルの真偽や枚数を判別する。また、前面パネル3には、遊技者に操作されるものとして、可変表示開始手段としてのスタートレバー6や、各リールに対して設けられた可変表示停止手段としてのストップボタン7a,7b,7cなども設けられている。更に、前面パネル3には、各種演出を行う演出手段としてのランプ8及びスピーカ9、メダル払出ロ10aを有するメダル受皿10、ボーナスゲームの残り回数を表示するゲーム残数表示器18なども設けられている。
【0015】
図3は、上記スロットマシン1の内部構造を示す概略構成図である。キャビネット2の内部には、外周面上に複数の図柄がプリントされた3個のリール11a,11b,11c、CPUやROMその他種々の電子部品により電子回路が形成された第1の制御手段としてのメイン制御基板12、メダルを多数枚収容可能なメダルホッパ13aを持つメダル払出装置13、エラー解除スイッチ14、内部スピーカ15などが組み込まれている。また、表示窓4で表示される各リール11a,11b,11c裏側には、各リールを裏面側から照らす図示しないバックライト装置が設けられている。
【0016】
上記構成のスロットマシン1において、遊技者がメダル投入ロ5にメダルを投入すると、そのメダルは、まずメダル判別装置に導かれる。そして、このメダル判別装置は、所定の条件に照らし、正常と判別されたメダルを有効なメダルとして、その内部に有する図示しないメダルカウンタに送る。このメダルカウンタによりカウントされたメダルは、上記メダルホッパ13aへと送られる。一方、異常と判別されたメダルは、メダルカウンタではカウントされずに、メダル払出口10aから遊技者に返却される。
有効なメダルがカウントされると、ゲーム開始が可能になる。遊技者は、ゲーム開始する場合、スタートレバー6を下に押し下げる。これにより、3個のリール11a,11b,11cはリール駆動装置で駆動されて回転し始める。そして、遊技者がストップボタン7a,7b,7cを押すと、対応するリール11a,11b,11cがそれぞれ停止する。全てのリール11a,11b,11cが止まると、前面パネル3の表示窓4に表示されている入賞ライン上に、各リールの図柄が停止表示される。この入賞ライン上に、予め定められた入賞態様である役が揃うと、メダル払出装置13により、その揃った役の種類に応じて、所定枚数のメダルが払い出されたり、追加のメダル投入なしにリプレイが可能になったり、特別遊技状態に移行してボーナスゲームを行うことができたりする。一方、役が揃わなかった場合には、メダルの払い出しは行われず、何らの遊技上の特典も与えられない。
【0017】
図4は、上記スロットマシン1の制御系のブロック図である。メイン制御基板12には、前述のメダル判別装置17、スタートレバー6、ストップボタン7a,7b,7c、各リールを駆動するリール駆動装置110及びメダル払出装置13とともに、ランプ8及びスピーカ9等の演出手段を制御する第2の制御手段としてのサブ制御基板16が接続されている。メイン制御基板12及びサブ制御基板16はそれぞれ、CPU、ROM、RAM、各種のインターフェイスなどを有するマイクロコンピュータを備え、それぞれ非同期の割り込み間隔で動作している。
上記メイン制御基板12は、メダルカウンタからの所定の要求に応じて、ゲーム全体の進行を制御する機能、複数の役の中から任意の1つを選択する入賞態様選択機能、この抽選結果に基づいて各リール11a,11b,11cの駆動を制御する機能、演出制御データを生成してサブ制御基板16に送信する機能などを有している。これらの制御機能は、CPUがROMに記録されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
また、上記サブ制御基板16は、ランプ8の点滅及びスピーカ9からの効果音の出力などを制御する機能を有している。この制御機能は、メイン制御基板12から送られてきた演出制御データに基づいて、CPUがROMに記録されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0018】
図1は、上記メイン制御基板12及びサブ制御基板16の要部のブロック回路図である。メイン制御基板12のメインCPU121には、メインクロック122で生成された主制御用クロック信号φm(周期Tm=1.877ms)が供給されている。また、メイン制御基板12は、CPUで演出制御データを送信前に一旦ラッチ(保持)する送信前レジスタとしてのI/Oレジスタ123と、I/Oレジスタ123の演出制御データを受けてラッチ(保持)する送信レジスタ124と、送信バッファ125とを備えている。この送信レジスタ124及び送信バッファ125により、演出制御データをサブ制御基板16に送信する演出制御データ送信部126が構成されている。上記送信レジスタ124における演出制御データのラッチは、上記主制御用クロック信号φmと非同期の周期で繰り返し変化する送信用クロック信号φs(周期Tm=40ms)に基づいて行われる。この送信用クロック信号φsは、上記メインクロック122とは独立に設けられた送信用クロック信号生成部としてのサブクロック127で生成される。
また、サブ制御基板16側には、メイン制御基板12側から送られてきた演出制御データを受信してCPU161に送るための受信バッファ162が設けられている。
また、本実施形態におけるメイン制御基板12からサブ制御基板16への通信ポートのビット長は16ビットであり、後述のサウンド制御(効果音制御)用に8ビットを使用し、ランプ点滅制御用に8ビットを使用している。サウンド制御(効果音制御)だけを行うのであれば、8ビットの通信ポートにしてもよい。
【0019】
図5は、メイン制御基板12からサブ制御基板16へ演出制御データとしてサウンドコマンドを送信するときのタイムチャートである。
まず、メイン制御基板12のメインCPU121による主制御において、遊技進行に合わせてサウンドコマンドの出力要求を行う(図中の(ア))。出力要求のあったサウンドコマンドは、メインCPU121のRAM上に設けれたコマンド送出メモリ(キューバッファ)に登録される。
【0020】
次に、メインCPU121の主制御クロック信号から生成される信号の一つであるインターバル割り込み(1.877ms)の22回の割り込みごとに、すなわち、約41.29msごとに上記コマンド送出メモリに登録されたサウンドコマンドを一つ取り出し、I/Oレジスタ123にセットする(図中の(イ))。ここで、上記コマンド送出メモリにサウンドコマンドが登録されていない場合は、上記サウンドコマンドの取り出し及びI/Oレジスタ123へのセットの処理は行わない。この場合、I/Oレジスタ123には、前回のサウンドコマンドが保持される。
【0021】
次に、メインCPU121の主制御クロック信号とは非同期、すなわちインターバル割り込み(1.877ms)とは非同期の送信用クロック信号(周期=約40ms)の立ち上がりエッジ検出ごとに、フリップフロップ回路により、上記I/Oレジスタ123にセットされたサウンドコマンドが送信レジスタ124にセットされる(図中の(ウ))。
ここで、送信レジスタ124にセットされるサウンドコマンドは、約41.29msの期間、I/Oレジスタ123上で保持されているため、この期間中には必ず1回は上記送信用クロック信号(周期=約40ms)の立ち上がりエッジが検出され、確実にサウンドコマンドが送信レジスタ124にセットされることになる。
また、上記送信用クロック信号(周期=約40ms)は、メインCPU121がリール上の1図柄の送りステップ数(18ステップ又は20ステップ)を送る間隔(33.79ms又は37.54ms)と連動しないので、上記サウンドコマンドに基づいて発生する効果音がリール上の図柄を合わせる目押しの補助になるのを防止することができる。
また、上記送信用クロック信号(周期=約40ms)は、メインCPU121におけるインターバル割り込み間隔(1.877ms)とは非同期になっている。このため、上記I/Oレジスタ123にサウンドコマンドがセットされるタイミングから、該サウンドコマンドが次段の送信レジスタ124にセットされるタイミングまでの間隔は、最小0msから最大約40msのランダムな間隔となる。したがって、上記サウンドコマンドに基づいて発生する効果音がリール上の図柄を合わせる目押しの補助になるのを、更に防止することができる。
【0022】
上記メイン制御基板12上の送信レジスタ124にサウンドコマンドがセットされると、該サウンドコマンドが送信バッファ125を介してサブ制御基板16上の受信バッファ162に送信される。
【0023】
次に、サブ制御基板16のCPU161は、通信ポート確認のためのインターバル割り込み処理(周期=約0.9675ms)において、受信バッファ162からサウンドコマンドを読み出する。ここで、受信バッファ162から読み出したサウンドコマンドが有効なコードであった場合は、CPU161のRAM上に設けられたコマンド受信メモリ(キューバッファ)に、受信したサウンドコマンドが登録される(図中の(エ))。
【0024】
次に、サブ制御基板16のCPU161は、発音管理のためのインターバル割り込み処理(周期=15.48ms)において、上記コマンド受信バッファに登録されたサウンドコマンドに基づき、効果音の演奏処理を開始する(図中の(オ))。
【0025】
図6は、本実施形態で採用したサウンドコマンド(1バイトコマンド)のビット構成を示す説明図である。
従来、コマンドを送信する場合、1つの有効なコマンドを送信した後、コマンドの区切れを示すコード(デリミタコード)を送信し、その後に次のコマンドを送信することで、複数個の同じ内容のコマンドを区別して送信する処理を行っていた。しかしながら、上記従来のコマンドの送信方法では、デリミタコードを送信する時間分だけ余計な時間がかかってしまうというデメリットがあった。
そこで、本実施形態では、図6に示すように一つのコマンドデータ(1バイトコマンド)の8つのビットのうち、最上位のビット(第7ビット)を、コマンドデータが更新されているか否かの判定をするためのデータ更新判定用のビットとして使用している。この場合、コマンド送信ごとに、このデータ更新判定用のビットを順次0→1→0→1・・・のように変化させることにより、従来の手法によるデリミタコードを送信しなくても、上記データ更新判定用のビットの違いにより各コマンドを区分けできる。特に、同一内容のコマンドを連続して送信する場合でも、各コマンドを区分けできる。
【0026】
表1は、本実施形態におけるサウンドコマンド(1バイトコマンド)の一例である。ここで、表1中のコマンドの欄は、データ更新判定用のビット(最上位ビット)が「0」であるときのコマンドの16進数表示を示している。また、メイン制御基板12の故障などを考慮して、「00H」及び「FFH」にはコマンドを割り当てていない。
【0027】
【表1】
Figure 0003820095
【0028】
上記表1のコマンド体系を用いて、例えば「メダル投入音を3回鳴らす。」という制御を行うときは、サウンドコマンドを「02H→82H→02H」(更新判定用ビット0→1→0)の順番に送信する。
【0029】
また、複数バイトでひとつの制御内容を表すコマンド体系を用いる場合は、最初の1バイトデータのデータ更新判定用のビットと、最終の1バイトデータのデータ更新判定用のビットとを比較することにより、正しいバイト数のデータが送信されたかどうかがわかる。例えば、表2に示すように一つの制御に対して3バイトコマンドが1組となったものを送信する場合、最初の1バイト目のデータ更新判定用のビット(最上位ビット)が「1」であった場合、この組の最後の3バイト目のデータ更新判定用のビット(最上位ビット)も「1」となる。この場合、受信側で一組のコマンドにおける最後の3バイト目のビット構成を調べることで、この組のコマンド転送が成功したか、途中でデータが欠落してしまったかをチェックすることができる。
なお、表2中のコマンドの欄も、上記表1の場合と同様に、データ更新判定用のビット(最上位ビット)が「0」であるときのコマンドの16進数表示を示している。この表2の3バイトコマンド体系を用いて、例えば「リール回転開始音1を1回鳴らす。」という制御を行うときは、サウンドコマンドを「42H→81H→01H」(更新判定用ビット0→1→0)の順番に送信する。
【0030】
【表2】
Figure 0003820095
【0031】
以上、本実施形態によれば、リールの回転制御に用いる主制御用クロック信号φmと非同期の送信用クロック信号φsに基づいて演出制御データ(サウンドコマンド、ランプ点滅コマンド)を送信レジスタ124にセットすることにより、主制御用クロック信号φmと非同期のタイミングで、メイン制御基板12からサブ制御基板16に演出制御データに送ることができる。このタイミングで受信した演出制御データに基づいてサブ制御基板16が効果音の発生やランプ点滅を制御することにより、リール回転中に効果音を発生させたりランプを点滅させたりする場合でも、これらの効果音やランプ点滅が目押しの補助になるのを防止することができる。しかも、上記演出制御データの非同期送信をサブクロック127や送信レジスタ等のハードウェアで行っているので、従来のプログラムで乱数を発生させて演出制御データを送信する場合とは異なり、ソフトウェア上の負担をかけることもない。
【0032】
特に、本実施形態によれば、各演出制御データについて、I/0レジスタ123へのデータセットが主制御用クロック信号φmと同期して上記図柄コマ送り周期と同じ周期で行われたとしても、サブ制御基板16への演出制御データの送信が、リール回転の制御に用いる主制御用クロック信号φmと非同期で且つランダムになるので、目押しの補助になるような効果音の発生やランプの点滅などの演出をより確実に防止することができる。
【0033】
なお、上記実施形態では、演出手段として効果音の発生やランプの点滅を行うものを設けた場合について説明したが、本発明は、液晶ディスプレイや第4リール等の他の演出手段を備えた場合についても適用でき、同様な効果が得られるものである。
図7は、演出手段として液晶ディスプレイを備えたスロットマシンの制御系の要部の回路ブロック図である。このスロットマシンは、液晶ディスプレイ21とそれを制御する液晶制御基板22とからなる液晶ユニット20を備えている。そして、液晶制御基板22は、CPU221やRAM、ROM等のほか、サブ制御基板(サウンド制御基板)16とのデータ送受信を行うための受信バッファ222及び送信バッファ223を備えている。この液晶制御基板22は、メイン制御基板12及びサブ制御基板16と非同期の割り込み間隔で動作している。また、これらの液晶制御基板側のバッファに対応するように、サブ制御基板16には、データ送受信用の送信バッファ163及び受信バッファ164が設けられている。
【0034】
図8は、同スロットマシンにおけるサブ制御基板16から液晶制御基板22へ演出制御データとして液晶制御コマンドを送信するときのタイムチャートである。
まず、上記実施形態の場合と同様な方法で、メイン制御基板12から受信した液晶制御コマンドは、サブ制御基板16上のCPU161のRAM上に設けれたコマンド受信メモリに登録される。これらの液晶制御コマンドは、前述のようにリールの図柄のコマ送り周期と非同期のタイミングでメイン制御基板12から受け取っている。
【0035】
次に、サブ制御基板16のCPU161から液晶制御基板22のCPU221に対して送られた送信処理のためのインターバル割り込み処理(約2ms)ごとに、上記コマンド受信メモリに登録された液晶制御コマンドを一つ取り出して、送信レジスタにセットされる(図中の(ア))。
そして、サブ制御基板16のCPU161からのストローブ動作により、送信レジスタにセットされた液晶制御コマンドが、送信バッファ163を介して、液晶制御基板22上の受信バッファ222に送信され、液晶制御基板22のCPU221に対する通信の受信の割り込みを発生させる(図中の(イ))。
ここで、上記サブ制御基板16上のコマンド受信メモリに液晶制御コマンドが登録されていない場合は、上記送信レジスタへのデータセットから液晶制御基板によるデータ受信及び受信割り込みの発生は処理されない。
【0036】
次に、通信の受信の割り込みをかけられた液晶制御基板22のCPU221は、サブ制御基板16から受信した受信バッファ222の内容(液晶制御コマンド)を読み取り、CPU221のRAMに設けられたコマンド受信メモリに登録する(図中の(ウ))。
【0037】
次に、液晶制御基板22のCPU221は、液晶制御のためのインターバル割り込み処理(周期=16.66ms)において、上記コマンド受信メモリに登録された液晶制御コマンドに基づいて、液晶演出処理を開始する。
【0038】
上記液晶演出処理が開始された後、液晶制御基板22のCPU221は、その液晶演出の状態に合わせて、サウンドコマンドの出力要求を行う。出力要求のあったサウンドコマンドは、液晶制御基板22のCPU221のRAM上に設けられたコマンド送出メモリ(キューバッファ)に登録される。この登録されたサウンドコマンドの処理は、前述のサブ制御基板(サウンド制御基板)16から液晶制御基板22へのデータ送信の場合と同様に行われ、サウンドコマンドに応じた効果音が出力される。
【0039】
この液晶ディスプレイ21を演出手段として用いた場合においても、リールの回転制御に用いる主制御用クロック信号φmと非同期の送信用クロック信号φsに基づいて液晶制御コマンドを送信レジスタ124にセットすることにより、主制御用クロック信号φmと非同期のタイミングで、メイン制御基板12からサブ制御基板16に液晶制御コマンドに送ることができる。このタイミングでサブ制御基板16が受信した液晶制御コマンドを液晶制御基板22に転送することにより、液晶制御基板22が液晶ディスプレイ21における表示を制御する。したがって、従来の乱数を発生させる場合とは異なり、ソフトウェア上の負担をかけることなく、目押しの補助になるような液晶ディスプレイ21上の表示を防止することができる。
【0040】
なお、上記各実施形態では、メインクロック122とは別に設けたサブクロック127により、主制御用クロック信号φmと非同期の周期で繰り返し変化する送信用クロック信号φsを生成しているが、サブクロック127を設けずにメインクロック122を送信用クロック信号生成部として兼用し、メインクロック122で両クロック信号φm,φsを生成するように構成してもよい。この場合は、メインクロック122で生成された主制御用クロック信号φmがCPU121に供給され、同メインクロック122で生成された送信用クロック信号φsが送信レジスタ124に供給される。
【0041】
【発明の効果】
発明によれば、第1の制御手段による図柄の可変表示を制御するときに用いる主制御用クロック信号と非同期のタイミングで、第2の制御手段が演出制御コマンドを受信し、演出手段を制御するので、目押しの補助になるような演出を防止することができる。しかも、第1の制御手段から第2の制御手段に演出制御データを送信するときに用いる送信用クロック信号生成部及び演出制御データ送信部はハードウェアで構成することができるので、従来のプログラムで乱数を発生させて演出制御データを送信する場合とは異なり、ソフトウェア上の負担をかけることもないという優れた効果がある。
【0042】
また、本発明によれば、第1の制御手段における主制御用クロック信号と非同期の送信用クロック信号に基づいて、送信レジスタに演出制御データを保持させるという簡単なデータ処理で、主制御用クロック信号と非同期のタイミングで第2の制御手段に演出制御データを送信することができるという優れた効果がある。
【0043】
また、本発明によれば、送信前レジスタへの演出制御データの保持が主制御用クロック信号と同期して行われる場合に、第2の制御手段への演出制御データの送信が、上記図柄可変表示の制御に用いる主制御用クロック信号と非同期で且つランダムになるので、目押しの補助になるような演出をより確実に防止することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの制御系におけるメイン制御基板及びサブ制御基板の要部のブロック回路図。
【図2】同スロットマシンの外観図。
【図3】同スロットマシンの内部構造を示す概略構成図。
【図4】同スロットマシンのスロットマシンの制御系のブロック図。
【図5】同スロットマシンにおけるメイン制御基板からサブ制御基板へサウンドコマンドを送信するときのタイムチャート。
【図6】サウンドコマンド(1バイトコマンド)のビット構成を示す説明図。
【図7】他の実施形態に係るスロットマシンの制御系の要部の回路ブロック図。
【図8】同スロットマシンにおけるサブ制御基板から液晶制御基板へ液晶制御コマンドを送信するときのタイムチャート。
【符号の説明】
1 スロットマシン
6 スタートレバー
7a,7b,7c ストップボタン
8 ランプ
9 スピーカ
11a,11b,11c リール
110 リール制御装置
12 メイン制御基板
121 CPU
122 メインクロック
123 I/Oレジスタ
124 送信レジスタ
125 送信バッファ
126 演出制御データ送信部
127 サブクロック
13 メダル払出装置
16 サブ制御基板
161 CPU
162 受信バッファ
163 送信バッファ
164 受信バッファ
17 メダル判別装置
20 液晶ユニット
21 液晶ディスプレイ
22 液晶制御基板
221 CPU
222 受信バッファ
223 送信バッファ

Claims (2)

  1. 複数の図柄を所定のコマ送り周期で可変表示する可変表示手段と、該可変表示装置の可変表示を遊戯者が停止させるための可変表示停止手段と、所定周期で繰り返し変化する主制御用クロック信号に基づいて該図柄を可変表示するように該可変表示手段を制御する第1の制御手段と、遊戯に関する演出を行う演出手段と、該第1の制御手段から送信される演出制御データに基づいて該演出手段を制御する第2の制御手段とを備え、該可変表示停止手段により可変表示が停止したときに、上記可変表示装置の表示結果が所定の図柄の組み合わせとなったときに、遊技者に対して特典が付与される遊技機において、
    該第1の制御手段に、該主制御用クロック信号と非同期の周期で繰り返し変化する送信用クロック信号を生成する送信用クロック信号生成部と、該送信用クロック信号に基づいて演出制御データを該第2の制御手段に送信する演出制御データ送信部と、該主制御用クロック信号から生成されるインターバル割り込みが所定回数発生するごとに、該演出制御データ送信部に送る演出制御データを一旦保持する送信前レジスタとを設け、
    該演出制御データ送信部は、該送信用クロック信号の所定位相ごとに該送信前レジスタから演出制御データを受けて保持する送信レジスタを備え、該送信前レジスタから受けた演出制御データが該送信レジスタにセットされると、該送信レジスタ内の演出制御データを該第2の制御手段に送信するように構成され、
    該送信用クロック信号の周期が、該インターバル割り込みが該所定回数発生する期間よりも短く、
    該第2の制御手段への演出制御データの送信が、該送信用クロック信号の1周期の範囲内でランダムに行われ、
    該図柄を送る周期と該送信用クロック信号とが連動しないことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1の遊技機において、
    上記第2の制御手段に、上記演出制御データ送信部から送信された上記演出制御データを受信するための受信バッファを設けたことを特徴とする遊技機。
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