JP3820078B2 - 主走査位置測定システムおよび主走査位置測定方法 - Google Patents
主走査位置測定システムおよび主走査位置測定方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザビーム描画装置における、レーザビームの主走査方向における走査位置を測定する測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザビーム描画装置では、描画に際し、光源から照射されるレーザビームを描画データに基づいて生成される変調信号に同期してオン/オフ制御しつつ、ホログラムディスク等の偏向器を用いて、描画面上を所定の方向に走査させている。また同時に、露光される描画面をレーザビームの走査方向と直交する方向へ平行移動することで所望の描画が行われる。本明細書では前者を主走査方向、後者を副走査方向と定義する。
【0003】
このようなレーザビーム描画装置において、高精度、高画質の画像を形成するためには、レーザビームが描画面上の走査領域内を常に一定の速度で走査し、描画データどおりの描画が行われなければならない。ところが、レーザビーム描画装置ごとの個体差、例えば上記偏向器が有する光学的特性の影響により、走査領域内におけるレーザビームの走査速度は一定にはならない場合がある。そのような場合には描画面上での各走査ラインは、描画データにより予定される描画内容とは異なり、主走査方向に縮小し、または拡大した状態になってしまう。
【0004】
従って、描画作業を行う前に、予め各走査においてレーザビームが所定時刻に主走査方向のどの位置を露光したか正確に測定し、その測定結果に応じて、レーザビームが所定時刻には常に所定の位置を露光するように種々の補正を行う必要がある。以下、所定時刻に主走査方向においてレーザビームが露光する位置を主走査位置という。
【0005】
従来、各走査における所定時刻の主走査位置を測定する場合、感光剤を塗布したガラス等を描画面上に設置して実際に描画を行い、描画結果をスケール等の測定器で実測することが多かった。
【0006】
これによれば、主走査位置を精度よく測定することは可能であるが、測定作業に時間がかかり、作業の効率が悪いという問題がある。該問題点は、製造されたレーザビーム描画装置の出荷時における調整時のように、一度に多くの装置の主走査位置を測定する場合、特に大きな障害となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記の事情に鑑み、作業効率や操作性がよく、かつ測定時間が短くてすむ主走査位置測定システムおよび主走査位置測定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の主走査位置測定システムは、偏向手段により偏向されるレーザビームを描画面上で主走査方向に走査するとともに、描画面を副走査方向に移動することで2次元の画像を描画するレーザビーム描画装置における、レーザビームの主走査方向における走査位置を測定する主走査位置測定システムであって、該レーザビームの入射光を透過させる部分とレーザビームの入射光を遮光する部分とが、交互かつ連続的に複数形成されるスケールと、該スケールの入射光を透過させる部分から透過したレーザビームを観察するための拡散板と、主走査位置測定時には、レーザビームの入射光がスケールの遮光する部分で全て遮光される状態を有するようにレーザビームを連続的に変調制御する制御手段と、スケールの遮光する部分で全て遮光される状態にあるレーザビームが、スケールの透過させる部分から透過するまで、スケールを主走査方向に平行な方向に所定量ずつ平行移動させる移動手段とを有する。そして、主走査方向における、描画データで指示する走査位置と実際の走査位置とのずれ量を測定することを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、スケールを所定量ずつ移動させ、拡散板で測定できた光点の位置およびスケールの移動量を記録するという単純な作業によって、容易に主走査位置を測定することができる。従って、測定時間の短縮にもなり、多数の装置の主走査位置を測定する場合にも効率よく作業を行うことができる。
【0010】
上記スケールにおける、入射光を透過させる部分と入射光を遮光する部分とは、第1のピッチで規則的に形成することができる(請求項2)。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、上記制御部は、さらに、前記レーザビームを第2のピッチで規則的に変調制御することもできる。
【0012】
ここでより精度の高い測定を行うのであれば、上記第2のピッチは、第1のピッチと同一にすることが望ましい(請求項4)。
【0013】
請求項5に記載の主走査位置測定システムによれば、上記移動手段は、さらに前記レーザビームの走査方向と逆の方向に上記スケールを移動させることもできる。
【0014】
ここで、上記スケールにおける、入射光を透過する部分および入射光を遮光する部分は、どちらも長手方向が主走査方向に垂直な方向であることであることが望ましい(請求項6)。また、上記スケールとして、ガラス製のものを使用することができる(請求項7)。
【0015】
さらに、マイクロメータを使用して、該スケールを移動させることが可能である(請求項8)。これにより、常に正確に所定量ずつスケールを移動させることができる。
【0016】
請求項9に記載の主走査位置測定方法は、偏向手段により、偏向されるレーザビームを描画面上で主走査方向に走査するとともに、前記描画面を副走査方向に移動することで2次元の画像を描画するレーザビーム描画装置において、
(1)連続的かつ規則的にレーザビームを変調し、
(2)入射するレーザビームを全て遮光する位置にガラススケールを配置し、
(3)所定量ずつガラススケールを主走査方向に移動させ、
(4)前記ガラススケールの透光部からレーザビームが透過することで、拡散板に現れる光点を観察し、
(5)該光点が現れたときにおける、ガラススケールの移動量と出現位置とを記録し、
(6)全ての透光部からレーザビームが透過するまで上記(3)から(5)を繰り返し、
(7)所定の描画位置を描画するレーザビームの光点が現れたときにおける、前記ガラススケールの移動量を基準として他の光点の出現位置のずれ量を求める。
【0017】
上記所定の描画位置として、レーザビームが描画を開始する位置を選択することが望ましい(請求項10)。
【0018】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の主走査位置測定システムを使用することができるレーザビーム描画装置100について説明する。図1はレーザビーム描画装置100の概略構成図である。レーザビーム描画装置100は、光源1、光変調素子2、モータ3、ホログラムディスク4、反射鏡5、制御部6、入力手段7、描画面8から構成される。
【0019】
ホログラムディスク4はフレームによって区切られた複数のファセット(不図示)を有する。各ファセットは、それぞれ回折格子になっており入射するレーザビームを偏向することができる。ホログラムディスク4は、モータ3の駆動によって、一定方向に回転する。なお、本実施形態では、ホログラムディスク4を用いてレーザビームを偏向させているが、本発明はその他の偏向手段、例えば複数の偏向面を有するポリゴンミラーを使用することも可能である。
【0020】
光源1から射出されたレーザビームは、光変調素子2で制御部6から送信される変調信号に基づいてオン/オフ制御されてから、ホログラムディスク4に入射する。ここで制御部6は、入力手段7から入力された描画データに基づいて変調信号を生成している。ホログラムディスク4の各ファセットにより偏向されるレーザビームは、反射鏡5で反射して描画面8上を主走査方向に走査する。この時レーザビームは、描画面8上の、走査可能な領域よりも短い所定の描画領域内で描画を行う(図1参照)。レーザビームが描画面8を走査する間、描画面8が副走査方向に平行移動することにより、描画データ通りの2次元の画像が描画面8上に描かれることになる。
【0021】
以下、主走査位置の測定について詳説する。図2は、レーザビーム描画装置100に使用される本発明にかかる主走査位置測定システム50の概略構成を表す側面図で、図3は、主走査位置測定システム50の概略構成を表す斜視図である。なお、以下の説明で参照する各図において、X方向は主走査方向を、Y方向は主走査位置測定システム50におけるレーザビームの直進方向(描画時における副走査方向)を、Z方向は描画面8に垂直な方向を、それぞれ表している。
【0022】
主走査位置測定システム50は、本体10と拡散板20とから構成される。本体10は、ミラー11、ガラススケール12、一軸スライド13、マイクロメータ14、台15を有する。本体10は、台15上にミラー11、ガラススケール12、一軸スライド13、マイクロメータ14が設けられている。ミラー11、ガラススケール12、拡散板20はいずれも長手方向がレーザビームの描画面8上での走査長よりも長く設計されている。なお、本実施形態の主走査位置測定システム50では、ガラススケール12を使用しているが、測定に使用するスケールは、ガラス製に限定されない。
【0023】
図3に示すように、ガラススケール12は、その長手方向に対し垂直に伸びるスリット12aを複数備え、スリット12a以外の部分に入射する光は、遮光するように加工されている(遮光部12b)。複数のスリット12aは、ガラススケール12に一定のピッチPSごとに規則的に設けられている。ピッチPS(第1のピッチ)は、特定のスリット12aの中心から次のスリット12aの中心までの距離を意味する。なお、図3に示すスリット12aのサイズは、説明の便宜上誇張して描いており、実際のガラススケール12には図3よりも多くのスリット12aが設けられている。
【0024】
またガラススケール12は、マイクロメータ14によって長手方向へ可動な状態にある一軸スライド13に固定されている(図3)。マイクロメータ14は、一軸スライド、すなわちガラススケール12を1μmずつ移動できるものを使用する。
【0025】
レーザビームの主走査位置を測定する際、主走査位置測定システム50の本体10は、レーザビームがミラー11を介してガラススケール12上を走査できるように、ミラー11等の長手方向と主走査方向(X方向)が一致するような状態で描画面8上に載置される(図2、図3)。
【0026】
また本実施形態では、使用するレーザビームが、レーザビーム描画装置100内に設けられたテレセントリック光学系(不図示)によって平行光にされることから、拡散板20は、描画面8上において全てのスリット12aから射出されるレーザビームを受光できるような位置であって、測定しやすい任意の位置に配置することができる。
【0027】
制御部6は、光源1から照射され光変調素子2に入射するレーザビームを、ピッチPSと同一のピッチPDで定期的かつ規則的にオン/オフするように変調制御する。仮にこのように変調されたレーザビームが描画面8を走査した場合、描画面8には描画部(レーザビームにより露光される部分)と非描画部(レーザビームにより露光されない部分)とが連続する破線が描かれる。特に制御部6はオン制御に関し、上記破線における各描画部の幅が、ガラススケール12の各遮光部12bの幅よりも小さくなるようにする。なお、ピッチPD(第2のピッチ)とは、上記破線における特定の描画部の中心から次の描画部の中心までの距離を意味する。
【0028】
光変調素子2により変調されたレーザビームは、ホログラムディスク4と反射鏡5とを介して、描画面8上に載置された本体10のミラー11に入射する。ミラー11によって反射されたレーザビームは、ガラススケール12を走査する。
【0029】
図4は、主走査位置の測定を開始する前のガラススケール12上でのレーザビームの走査状態をZ方向から示した図である。図4に示すように、ガラススケール12は、予めオン状態にあるレーザビームを遮光し、拡散板20へ光が入射しないような位置に移動される。なお、以下の本文では、主走査方向のうち、走査開始位置から走査終了位置に向かう方向を特に主走査の正方向と、その逆、走査終了位置から走査開始位置に向かう方向を特に主走査の負方向と記す(図4)。
【0030】
まず、本発明の主走査位置測定の原理について説明する。主走査位置の測定は、図4に示す状態から、マイクロメータ14を回転して、1μmずつガラススケール12をX方向(主走査の正方向)に移動させることで行う。図5は、主走査位置の測定方法を示す模式図である。L1からL4は、1回の走査においてスリット12aを透過するオン状態のレーザビームを表している。図5中、最上段は図4と同一の状態、換言すれば測定を行う前の状態を表し、順に下段に行くにつれ、ガラススケール12が1μm移動したことによるレーザビームの透過状態を表す。従って最下段は、ガラススケール12を測定開始後9μm移動させたときのレーザビームの透過状態を表す。
【0031】
もしレーザビームの1回の走査における走査速度が常に一定であるならば、描画データどおりにピッチPS=ピッチPDとなり、レーザビームの透過状態はL1とL2との関係のようになる。すなわち、ガラススケール12を所定量(本実施形態では、4μm)移動させたとき、互いに隣り合う描画部を描画するレーザビームは、同時にスリット12aを透過し始め(L1、L2)、拡散板20(図3参照)で観察することができる。この場合、L1およびL2の主走査位置のずれはないということになる。
【0032】
しかし、1回の走査中に走査速度が遅くなり、描画部間のピッチPDが長くなっている場合、レーザビームの透過状態はL3のようになる。上述したように、描画データどおりに走査が行われるのであれば、ガラススケール12を4μm移動させると全てのスリット12aを透過したレーザビームを同時に観察することができる。しかしピッチPDが長い場合、レーザビームは、ガラススケール12を6μm移動させたときに、L1やL2よりも遅れて拡散板20で観察できるようになる(L3)。つまりL3は、描画データで予定された主走査位置よりも2μm分、主走査の正方向にずれた位置にあることがわかる。
【0033】
逆に1回の走査中に走査速度が速くなり、描画部間のピッチPDが短くなっている場合、レーザビームの透過状態はL4のようになる。描画部間のピッチPDが短い場合、レーザビームは、ガラススケール12を1μm移動させたときに、L1やL2よりも早く、拡散板20で観察できるようになる(L4)。つまりL4は、描画データで予定された主走査位置よりも2μm分、主走査の負方向にずれた位置にあることがわかる。
【0034】
以上のようにガラススケール12を移動させて、連続的にオン/オフ制御されたレーザビームのうち、オン状態にあるレーザビームがスリット12aを透過し始める時を拡散板20で観察することにより、1回の走査における任意の主走査位置を測定することが可能になる。
【0035】
次に、上述した原理を元に、実際に行われる主走査位置の測定の過程を図6を参照しつつ、説明する。図6は主走査位置の測定の過程を表している。図6A(0)〜(5)は、主走査位置測定時の拡散板20を描いたもので、()内の数字は、ガラススケール12の移動量(μm)に対応している。また、図6A中に描かれる点(P1〜P8)は、スリット12aを透過し始めたレーザビームが拡散板20に入射することで出現する光点である。特にP1は、描画開始位置を示す。なお図6では、説明の便宜上出現する光点は、計8つ(P1〜P8)のみ記載しているが、ガラススケール12には多数のスリット12aが設けられていることから、実際には、多数の光点が拡散板20に出現することになる。
【0036】
測定作業を行う者は、出現する光点を例えば目視により観察し、ガラススケール12の移動量とレーザビームの主走査位置とで規定されるテーブル(図6B)に該光点が出現した時のガラススケール12の移動量と出現位置を記録する。図6Bは、出現した全ての光点を記録した、主走査位置とガラススケール12の移動量とに関するテーブルである。図6B中、横軸は主走査位置を示し、縦軸はガラススケール12の移動量を示す。
【0037】
例えば、図6A(0)は、ガラススケール12をまだ移動させていないため、拡散板20にレーザビームは入射しない。従って、図6Bには何も記録はしない。
【0038】
次にガラススケール12を1μm動かすと、P3とP4が出現する(図6A(1))。そこで、出現した2つの光点P3、P4の主走査方向における位置をテーブルに記録する(図6(B)中、P3´、P4´)。
以後、全ての光点が出現し、テーブルに記録できるまで同様の記録作業を行う。本実施形態の場合、図6(A)に示すように、ガラススケール12を5μm移動させるとP7が出現し、それをテーブル(図6B)に記録する(図6B中、P7´)ことで全ての光点P1〜P8が記録されたことになる(P1´からP8´)。
【0039】
ここで、どのファセットにより偏向されたレーザビームであっても、描画開始位置付近での描画は、ほぼ描画データどおりの主走査位置で行われる。これは、制御部6が、レーザビームをオン/オフ制御するために必要な変調信号を光変調素子2に送信するタイミングを1走査毎に調整することで、どのファセットによって偏向されるレーザビームの描画開始位置であっても、概ね揃えることが可能だからである。
【0040】
従って、ガラススケール12を移動させ、描画開始位置を描画するレーザビームがスリット12aを透過することで拡散板20に出現するP1が観察できたときに、他の位置を描画するレーザビームについてのP2〜P7が観察できれば、描画データどおりの描画が行われているということになる(図4中、L1、L2参照)。つまり、描画開始位置に対応するスリット12aをレーザビームが透過し始めたとき(P1)のガラススケール12の移動量が、主走査位置のずれ量を求める際の基準値、すなわちずれ量0となる。
【0041】
そこで、ガラススケール12の移動量が4μmであるときに出現し、観察された光点(P1、P6、P8)のずれ量を0とすることで、他の光点(P2、P3、P4、P5、P7)の移動量を相対的なずれ量に変換する。そして記録された各交点同士を直線で結び、1回の走査における主走査位置のずれ量の変移を近似し、観察された光点以外の主走査位置のずれ量も求める。図6(C)は、図6(B)に示すテーブルに基づいて作成したずれ量−主走査位置特性曲線である。なお、ずれ量の変移は、各光点同士を曲線で結ぶことで、2次あるいはそれ以上の多項式を用いて近似することも可能である。
【0042】
図6(B)に示すように、P2´は、ガラススケール12を3μm移動させたときに出現する光点の記録であることから、ずれ量は主走査の負方向に1μmである。同様に、P3´とP4と´のずれ量は主走査の負方向に3μmで、P5´のずれ量は主走査の負方向に2μmである。すなわち、P1からP5までは描画部間のピッチPDが短くなっていることがわかる。
【0043】
逆にP7´は、ガラススケール12を5μm移動させたときに測定される光点であることから、ずれ量は主走査の正方向に1μmである。すなわち、P6とP7間のピッチPDは長くなっていることがわかる(図6(C))。
【0044】
以上の測定によって得られた結果を元に、1回の走査における主走査位置を補正すれば、常に描画データどおりの描画が行われるようになる。主走査位置の補正としては、例えば、測定されたずれ量に対応して、制御部6から光変調素子に送信される変調信号の送信タイミングを変更することや、光学系を再調整すること等が考えられる。
【0045】
上記の補正を行った後、求められたずれ量が描画に差し支えない許容範囲内の値であるかどうかを検査する。検査時も、主走査位置測定時と同様に、検査開始時は、はじめはオン状態にあるレーザビームを遮光し、拡散板20へ光が入射しないような位置にガラススケール12を移動しておく。そして測定時同様、ガラススケール12を1μmずつ移動させ、最初に光点が観察された時の移動量と最後に光点が観察された時の移動量との差を求める。該差が許容範囲内の値であれば、検査を終了し、正確な主走査位置が決定されたことになるが、許容範囲外である場合には、再度主走査位置の測定や補正を行う必要がある。
【0046】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0047】
上述した主走査位置測定システム50は、主走査位置を測定しやすい位置に配置できるように拡散板20を本体10と分離した状態にしているが、拡散板20もミラー11等が設けられている台15に設けることも可能である。また、光点を観察する手段としては、拡散板20に限らずCCD等であってもよい。
【0048】
また上記実施形態では、測定時に制御部6は、レーザビームをピッチPSと同一のピッチPDで定期的かつ規則的にオン/オフするように変調制御する。しかし本発明は、主走査位置の測定を開始する前のオン状態にあるレーザビームが、ガラススケール12の遮光部12によって、全て遮光されるような状態(図4参照)にでき、かつガラススケール12を平行移動させることによって、遮光されていたレーザビームがスリット12aを透過する状態にできるのであれば、ガラススケール12のスリット12aと遮光部12bとの間隔も等間隔(上記実施形態では、第1のピッチ)である必要はなく、またレーザビームは、所定のピッチ(上記実施形態では、第2のピッチ)でオン/オフ制御しなくてもよい。
【0049】
例えば、スリットが等しく配置されていないガラススケールであっても使用することが可能である。走査領域中で主走査方向でのずれ量が大きい領域が予め分かっている場合、そのずれ量が大きい領域に対応する場所はスリットと遮光部との間隔が細かく設けられているガラススケールを用いれば、より正確なずれ量を求めることができる。
【0050】
また予めガラススケールのスリットと遮光部との間隔を測定しておき、レーザビームを該スリットと遮光部との境界でちょうどオン状態になるように変調制御すれば、上述したスリットの配置が等しく配置されていないガラススケールであっても、容易に測定を行うことができ、またガラススケールの移動量も少なくてすむため測定時間の短縮が図れる。
【0051】
さらに、上記実施形態では、レーザビームを一定の時間オンさせて、ガラススケール12に入射するレーザビームが一定の走査幅を有するように変調制御しているが、本発明はスリット12aを透過したレーザビームを拡散板20で観察できれば、主走査位置の測定が可能である。例えば、ガラススケール12に入射する時に、拡散板20で観察できる程度の点であるように、レーザビームをオン制御することもできる。
【0052】
また上記実施形態では、マイクロメータ14と一軸スライド13を用いて、ガラススケール12が移動するようにしているが、移動手段はこれに限定されるものではなく、ガラススケール12がどれだけ移動したかがわかるのであれば、他の移動手段を用いることも可能である。また、本実施形態でガラススケール12は、移動量が1μmずつに設定されているが、移動量はこれに限定されるものではない。
【0053】
上記実施形態は、主走査位置を正確に測定でき、かつ高い精度でずれ量を求めることができるように、全ての光点を観察し、記録しているが(図6参照)、さらに精度を高めつつ測定時間を短縮したいのであれば、測定処理や記録処理を制御部6、または入力手段7に実行させることも可能である。
【0054】
さらに上記実施形態で測定している光点は、走査するレーザビームがオフ状態からオン状態になるときの主走査位置(立ち上がり位置)である。従って、より正確な主走査位置を測定するのであれば、ガラススケール12を主走査の正方向だけではなく、同負方向にも移動させ、走査するレーザビームがオン状態からオフ状態に変わるときの主走査位置(たち下がり位置)も測定すればよい。この場合、描画開始位置を描画したレーザビームが最初にオフになる位置(1回の走査における最初の立ち下がり位置)に対応する光点を測定できた時のガラススケール12の移動量が、主走査位置のずれ量を求める際の基準値となる。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、複数のスリットを有するガラススケールおよび拡散板を有する主走査位置測定システムを使用することにより、作業効率や操作性がよく、かつ短時間で正確な主走査位置を測定することができる。
【0056】
しかも、本発明の主走査位置測定システムを使用することにより、主走査位置のずれ量が所定の許容範囲内であるかどうかの検査を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の主走査位置測定システムを使用するレーザビーム描画装置の概略構成図である。
【図2】本発明の主走査位置測定システムの側面図である。
【図3】本発明の主走査位置測定システムの斜視図である。
【図4】本発明の主走査位置測定システムのガラススケール上でのレーザビームの走査状態を表した図である。
【図5】本発明の主走査位置測定システムのガラススケールの移動に伴うレーザビームの透過状態の変化を示す拡大図である。
【図6】本発明の主走査位置測定システムを用いた主走査位置の測定過程を示している。
【符号の説明】
2 光変調素子
4 ホログラムディスク
6 制御部
8 描画面
50 主走査位置測定システム
10 本体
11 ミラー
12 ガラススケール
12a スリット
12b 遮光部
20 拡散板
100 レーザビーム描画装置
Claims (10)
- 偏向手段により偏向されるレーザビームを描画面上で主走査方向に走査するとともに、前記描画面を副走査方向に移動することで2次元の画像を描画するレーザビーム描画装置における、レーザビームの主走査方向における走査位置を測定する主走査位置測定システムであって、
前記レーザビームの入射光を透過させる部分と前記レーザビームの入射光を遮光する部分とが、交互かつ連続的に複数形成されるスケールと、
前記スケールの入射光を透過させる部分から透過したレーザビームを観察するための拡散板と、
主走査位置測定時には、前記レーザビームの入射光が前記スケールの遮光する部分で全て遮光される状態を有するように前記レーザビームを連続的に変調制御する制御手段と、
前記スケールの遮光する部分で全て遮光される状態にある前記レーザビームが、前記スケールの透過させる部分から透過するまで、前記スケールを主走査方向に平行な方向に所定量ずつ平行移動させる移動手段と、を有し、
主走査方向における、描画データで指示する走査位置と実際の走査位置とのずれ量を測定することを特徴とする主走査位置測定システム。 - 前記スケールにおける、入射光を透過させる部分と入射光を遮光する部分とは、第1のピッチで規則的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の主走査位置測定システム。
- 前記制御部は、さらに、前記レーザビームを第2のピッチで規則的に変調制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の主走査位置測定システム。
- 前記第2のピッチは、前記第1のピッチと同一であることを特徴とする請求項3に記載の主走査位置測定システム。
- 前記移動手段は、さらに前記レーザビームの走査方向と逆の方向に前記スケールを移動させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の主走査位置測定システム。
- 前記スケールの、入射光を透過する部分および入射光を遮光する部分は、ともに長手方向が主走査方向に垂直な方向であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の主走査位置測定システム。
- 前記スケールは、ガラス製であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の主走査位置測定システム。
- 前記移動手段は、マイクロメータを有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の主走査位置測定システム。
- 偏向手段により偏向されるレーザビームを描画面上で主走査方向に走査するとともに、前記描画面を副走査方向に移動することで2次元の画像を描画するレーザビーム描画装置において、
(1)連続的かつ規則的に前記レーザビームを変調し、
(2)入射する前記レーザビームを全て遮光する位置にガラススケールを配置し、
(3)所定量ずつ前記ガラススケールを主走査方向に移動させ、
(4)前記ガラススケールの透光部からレーザビームが透過することで、拡散板に現れる光点を観察し、
(5)前記光点が現れたときにおける、前記ガラススケールの移動量と出現位置とを記録し、
(6)全ての前記透光部からレーザビームが透過するまで前記(3)から(5)を繰り返し、
(7)所定の描画位置を描画するレーザビームの光点が現れたときにおける、前記ガラススケールの移動量を基準として他の光点の出現位置のずれ量を求める主走査位置測定方法。 - 前記所定の描画位置は、レーザビームが描画を開始する位置であることを特徴とする請求項9に記載の主走査位置測定方法。
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