JP3819951B2 - 連続加圧蒸煮装置用ロータリーバルブ - Google Patents
連続加圧蒸煮装置用ロータリーバルブ Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、連続加圧蒸煮装置の蒸煮投入口又は蒸煮排出口に取付け、内外圧差を保持するロータリーバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
穀物原料等を蒸煮する連続加圧蒸煮装置(以下、蒸煮装置と略する)の蒸煮投入口又は蒸煮排出口には、内外圧差を保持したまま原料の投入又は蒸煮物の排出を実現するため、ロータリーバルブ(以下、バルブと略する)を取付ける。このバルブには、確実かつ円滑に原料又は蒸煮物を通すことが要求され、従来より様々な提案がなされている。
【0003】
例えば、原料残渣の付着を防止するため、蒸煮装置の蒸煮投入口へ取付けるロータリーバルブ(以下、投入バルブと称する)では、各ポケットの仕切表面をテフロンコーティングしたり、通水によりロータを冷却したり、図5に見られる投入バルブ30のように、バルブ排出口32から原料を排出し、投入バルブ30内を脱圧パイプ36により脱圧した後、ロータ33に対して液体を滴下(実公昭55-13336号)又は噴射(実公昭54-44366号)する噴射ノズル35を備えたものもある。蒸煮装置の蒸煮排出口へ取付けるロータリーバルブ(以下、排出バルブと称する)でも、各ポケットの仕切表面をテフロンコーティングしたり、通水によりロータを冷却したりして原料残渣の付着を防止していた。
【0004】
また、投入バルブ30においては、蒸煮装置への円滑な原料の供給を保障するために、バルブ投入口31とバルブ排出口32との間、ロータ33の送り側に加圧用パイプ34を設けた構造のもの(図5参照)があった。この加圧用パイプ34から、高圧の水蒸気を吹き込んで、原料を蒸煮装置とほぼ同圧に加圧するのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記各バルブは、それぞれ以下に示す欠点を持つ。まず、投入する原料又は排出する蒸煮物の残渣の付着を防止するバルブについては、テフロンコーティングのものはコーティングが剥離する問題があり、ロータを水冷するものはバルブ構造が複雑となるほか、大量の水を必要とするので経済性が悪い。また、脱圧後にバルブ内へ液体を滴下又は噴射するものは、原料排出後、瞬間的に脱圧するために原料に付着していた水が蒸発し、原料は乾燥状態となって付着がより強固となるため、たとえ脱圧後の液体を噴射しても原料残渣の剥離には殆ど効果がない問題があった。
【0006】
また、蒸煮装置への原料の落下を容易にすることを目的として、原料の入ったポケット内圧力を蒸煮圧力と同等又はそれ以上にするための加圧パイプを設けたバルブでは、ポケット内圧力を短時間で蒸煮圧力と同等又はそれ以上に高めてしまうので、原料を蒸気圧によってロータ内面へ押しつけて固め、塊状化してしまって逆に原料を落下させにくくなったり、たとえ蒸煮装置へ原料を落下させても塊状化した原料は均一な蒸煮をすることができないことがあった。
【0007】
そこで、バルブの性能を向上させるそれぞれの手段が有する欠点又は問題を解決する目的で検討することとした。
【0008】
【課題を解決するための手段】
まず、原料残渣の付着防止を目的としたバルブについて、投入バルブにはロータの戻り側かつ前記バルブ投入口とバルブ排出口との間に脱圧装置と液体の噴射装置とを設け、脱圧前又は脱圧中にポケットに対して液体を噴射することとし、排出バルブには、ロータの戻り側かつ前記バルブ投入口とバルブ排出口との間に液体の噴射装置を設け、ポケットに対して液体を噴射することとして問題を解決する。脱圧装置としては、蒸気抜き用の脱圧パイプがあり、噴射装置としては液体を噴出する噴射ノズルがある。
【0009】
次に、投入バルブにおける原料の円滑な投入について、ロータの送り側かつ前記バルブ投入口とバルブ排出口との間の回転方向に少なくとも2以上の蒸気吹込装置を設けて、各蒸気吹込装置からポケットに対して吹き込む蒸気供給により、ポケット内圧力をバルブ投入口からバルブ排出口へ向かって次第に高くしたロータリーバルブにより問題を解決する。蒸気吹込装置には、加圧蒸気を吹き出す蒸気吹込パイプがある。
【0010】
【作用】
従来の投入バルブでは、原料排出後脱圧し、場合によって脱圧後に液体を噴射する順序であるために、脱圧時の圧力降下により原料残渣とロータとの界面又は原料残渣同士の接触面が沸騰状態となって急激に水分が除かれ、原料残渣のロータへの付着が強固になって、たとえ後に液体を噴射しても剥離が難しくなっていた。本発明の投入バルブでは、液体を先に噴射することにより、その後の脱圧時における蒸発潜熱による降温に基づく沸騰状態がおさまった後でも、原料残渣とロータ内面との界面の水分は十分に確保され、原料残渣も次の回転時に剥離しやすくできる。また、従来と比べて、原料残渣が持つ水分に新たな水分が加えられる結果、熱の放熱が大きくなってロータを十分に冷却できるので、新たに投入される原料がロータに付着するのを防止できると共に、ロータに付着した原料残渣を噴射する液体の噴射エネルギーで直接剥離させることもできる。
【0011】
排出バルブにおいては、原料を排出するとき、圧力降下によってロータ表面の水分が急激に蒸発するため、原料残渣とロータ内面との界面は、投入バルブの脱圧時ほどではないが、乾燥気味となる。本発明の排出バルブは、ロータに対して液体を噴射することによって、原料残渣の剥離を促し、時間の経過と共に原料残渣のロータ内面への付着が強固になり、堆積するのを防止できる。
【0012】
例えば、加水し、予熱した脱脂大豆を例に挙げれば、熱による蛋白質のゲル化が進んでいるので、急激な加圧は塊状化の原因となっていた。投入バルブの回転方向に設けた少なくとも2以上の蒸気吹込装置は、各蒸気吹込装置によって徐々に蒸気を吹き込むことで、急激な加圧をすることによる原料のロータへ向けての圧縮が生じることなく、ポケット内の圧力を段階的に高めて移送中の原料を加圧して、塊状化が防止できる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図を参照しながら説明する。図1は投入バルブ1の断面図、図2は排出バルブ2の断面図である。投入バルブ1には、ロータ3の送り側に、ポケット内圧力がロータ3の回転方向に順次高くなるように、吹き込む蒸気量をそれぞれに調整した蒸気吹込パイプ4,5,6を設けている。
【0014】
投入バルブ1は、図1に見られるように、上方にバルブ投入口7、下方にバルブ排出口8を備えた断面円形のケーシング9内に、7つのポケット10を備えたロータ3を内蔵した構造で、ロータ3の送り側には3つの蒸気吹込パイプ4,5,6を設け、戻り側に噴射ノズル11、脱圧パイプ12を前記々載順に設けてある。この投入バルブ1は、下方のバルブ排出口8を蒸煮装置(図示せず)の蒸煮投入口に取付ける。
【0015】
噴射ノズル11は、原料をバルブ排出口8から蒸煮装置へ投入して空になったポケット10に対して水を噴射し、ポケット10及びロータ3に付着した原料残渣に吹き付け、噴射エネルギーで付着原料を剥離すると共に、原料残渣とポケットに水を付着させる。脱圧パイプ12は、こうして水分が多くなったポケット10から蒸気を抜いて圧力を下げて、水の蒸発潜熱によるロータ3表面の降温を図る。この脱圧によっても、ロータと原料残渣との界面や原料残渣同士の接触面には十分な水が残っており、このポケットが送り側へ戻ったとき、原料残渣の剥離が促され、蒸煮装置へ投入されることになる。従来は、脱圧時のポケット10の水が少なく、蒸発潜熱によるロータ3の十分な降温は望めなかったし、付着した原料残渣は非常に乾燥するために更に強固な付着となり、仮に脱圧後水を噴射しても、ロータ3からの剥離が難しくなっていたのである。
【0016】
蒸気吹込パイプ4,5,6は、ポケットで移送される原料を段階的に加圧することで、ポケット10で移送する原料と蒸煮装置との圧力差をなくして、バルブ排出口8から蒸煮装置への原料の円滑な投入を実現する。例えば、蒸煮装置の圧力が1.8kg/cm2であれば、0.5kg/cm2、1.0kg/cm2、1.8kg/cm2というような順で圧力を高めるとよい。原料に対する加圧は、連続的かつ滑らかに行うことは難しいが、蒸気吹込パイプの数を増やすと、連続的かつ滑らかな圧力上昇に近付けることはできる。このように、ポケット10内の原料を滑らかに加圧することによって、急激な蒸気の吹込による原料の塊状化を防止して、円滑な蒸煮装置への原料の排出や、均一な原料の蒸煮を確保するのである。
【0017】
排出バルブ2は、図2に見られるように、上方にバルブ投入口13、下方にバルブ排出口14を備えた断面円形のケーシング15内に、7つのポケット16を備えたロータ17を内蔵した構造であり、ロータ17の戻り側に噴射ノズル18を設けてある。この排出バルブ2は、上方のバルブ投入口13を蒸煮装置(図示せず)の蒸煮排出口に取付ける。噴射ノズル18は、原料を排出して空となり、乾燥気味となったポケット16に対し、水を噴射してポケット16に吹き付けて、ロータ内面に付着した原料残渣を剥離させ、かつポケット16内の水分の量を増やし、時間の経過と共に原料残渣のロータ内面への付着が強固になり、バルブ内に堆積するのを防止している。
【0018】
本発明のバルブは、上記のほか、様々な構造のバルブにも適用可能である。例えば、図3の垂直方向断面図、図4の平面図に示すような、上面にバルブ投入口19、下面にバルブ排出口20を備えた円筒のケーシング21内に、ポケット22を備えたロータ23を内蔵した竪型の投入バルブ24を挙げることができる。ロータ23の回転方向に合わせ、送り側に3つの蒸気吹込パイプ25,26,27を配し、戻り側に噴射ノズル28、脱圧パイプ29を前記々載順に設けてある。排出バルブについても同様な構造で構成できる。
【0019】
【発明の効果】
本発明のバルブにより、ロータへの原料残渣の付着を防止したり、また付着した原料残渣を剥離して、原料残渣の付着によるポケットの容量の低下をなくし、原料残渣の変質による投入原料の品質劣化を防止することができるようになる。また、原料を塊状化させることなく円滑に蒸煮装置へ投入してむらのない原料の蒸煮を実現し、品質劣化を防止できる。以上から、バルブの安定した作動を実現して、作業効率を改善することができるようになるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の投入バルブの断面図である。
【図2】実施例の排出バルブの断面図である。
【図3】別の実施例のバルブの垂直方向断面図である。
【図4】別の実施例のバルブの平面図である。
【図5】従来の投入バルブの断面図である。
1 投入バルブ
2 排出バルブ
3 ロータ
4 蒸気吹込パイプ
5 蒸気吹込パイプ
6 蒸気吹込パイプ
9 ケーシング
10 ポケット
11 噴射ノズル
12 脱圧パイプ
15 ケーシング
16 ポケット
Claims (2)
- 低圧のバルブ投入口と高圧のバルブ排出口とを持つケーシング内に複数のポケットを形成するロータを内蔵した構造で、加圧蒸煮装置の蒸煮投入口へ取付けるロータリーバルブにおいて、ロータの戻り側かつ前記バルブ排出口と投入口との間にバルブ排出口から順に液体の噴射装置と脱圧装置を設け、原料をバルブ排出口から蒸煮装置に投入して空になった脱圧前のポケットに対して液体を噴射し、その後脱圧することによりロータ付着原料の乾燥・堆積を防止することを特徴とする連続加圧蒸煮装置用ロータリーバルブ。
- 加圧蒸煮装置の蒸煮投入口へ取付けるロータリーバルブにおいて、ロータの送り側かつ前記バルブ投入口とバルブ排出口との間の回転方向に少なくとも2以上の蒸気吹込装置を設け、各蒸気吹込装置からポケットに対する蒸気供給により、ポケット内圧力を低圧のバルブ投入口から高圧のバルブ排出口へ向かって次第に高くしたことを特徴とする請求項1記載の連続加圧蒸煮装置用ロータリーバルブ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JPH08338542A JPH08338542A (ja) | 1996-12-24 |
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JP14733395A Expired - Lifetime JP3819951B2 (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | 連続加圧蒸煮装置用ロータリーバルブ |
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1995
- 1995-06-14 JP JP14733395A patent/JP3819951B2/ja not_active Expired - Lifetime
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