JP3818846B2 - 固体撮像装置及び固体撮像装置におけるラインセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一次元配置された画素を有し、高速読み出しを行うことのできる固体撮像装置及びその固体撮像装置に搭載されるラインセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一次元固体撮像装置の従来例について説明する。図2は、従来の一次元固体撮像装置を示した概略構成図である。図2には、入射光を電荷に変換する画素1、画素1に蓄積された信号電荷を読み出すためのトランスファゲート2、画素1から読み出された信号電荷を転送する電荷結合素子(以降、「CCD」と呼ぶ)3〜6及び各CCD3〜6に対応付けして配設され、各CCD3〜6から転送された信号電荷を電圧に変換し外部に出力する出力アンプ7〜10が示されている。
【0003】
次に、従来の一次元固体撮像装置の動作について説明する。画素1は、千鳥配列され、トランスファゲート2にオン信号が印加されたとき画素1に蓄積されていた電荷は4本のCCD3〜6に一斉に読み出される。CCD3,4は、出力アンプ7,8が配設されている右方向に、CCD5,6は出力アンプ9,10が配設されている左方向に電荷を転送する。CCD3〜6で転送された電荷は出力アンプ7〜10により電圧に変換され外部に出力される。
【0004】
例えば、総画素数が10000、読み出し時間が1msecとするとデータレートは10MHzとなる。この例においては、4本のCCD3〜6で読み出すためCCD3〜6の転送周波数は2.5MHzとなる。出力アンプ7〜10を左右に配置することで、中央部、すなわちCCD3,5、CCD4,6間の継ぎ目部分における画素ピッチを一定に保持するレイアウトができる。更に、許容される読み出し時間が短くなると、データレートは大きくなる。例えば、読み出し時間が0.1msecになると、他の条件が同じである場合、CCD3〜6の駆動周波数は25MHzとなり、駆動することが困難となる。
【0005】
図3(a)は、従来においてCCDの駆動周波数を低減した一次元固体撮像装置の概略構成図である。図3には、半導体基板11に4本のCCDから構成される4本読出しCCDブロック12が3組搭載されている例が示されている。つまり、図2に示した構成をCCDブロックとし、これを3組縦列配置することで構成することができる。領域13は、隣接する4本読出しCCDブロック12の継ぎ目を示しており、この領域13の拡大図を図3(b)に示す。図3(b)には、図2に示した画素1、トランスファゲート2、CCD4,6、出力アンプ8,10及びCCD電極14が示されている。また、p1は画素ピッチ、p4はCCD4,6の電極ピッチであり、画素ピッチp1とCCDの電極ピッチp4とは等しい。
【0006】
図3に示した従来例においては、12本のCCDで読み出すため、4本のCCDで読み出す図2に示した例よりCCDの転送速度を1/3に低減できる。総画素数10000、読出し時間0.1msecの場合CCDの駆動周波数は8.3MHzとなるので容易に駆動できる。従来においては、このようにしてデータレートを大きくすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の一次元固体撮像装置においてデータレートを大きくするために図3に示したように構成したのでは、読出しCCDブロックの継ぎ目部分に各ブロックに含まれる各出力アンプが配置されてしまうため各ブロック間の画素の欠落が避けられない。すなわち、従来においては、全画素が同一ピッチで欠落がないことと、データレートを大きくすることを両立することができなかった。
【0008】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、全画素が同一ピッチで欠落がないこととデータレートを大きくすることを両立できる固体撮像装置及び固体撮像装置におけるラインセンサを得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明に係る固体撮像装置におけるラインセンサは、同一ピッチで一次元配置された複数の画素と、前記画素に蓄積された信号電荷を読み出すためのトランスファゲートと、前記トランスファゲートにより前記各画素から読み出された信号電荷を転送する電荷結合素子と、前記電荷結合素子の端部側に配設され、前記電荷結合素子から転送されてくる信号電荷を電圧に変換して外部に出力する出力アンプとを有する固体撮像装置におけるラインセンサにおいて、前記電荷結合素子の少なくとも一方の端部近傍の電極ピッチを、画素ピッチと同一ピッチである前記電荷結合素子の中央部の電極ピッチより小さくしたものである。
【0010】
また、本発明に係る固体撮像装置は、上記発明の固体撮像装置におけるラインセンサが複数に縦列配置され、かつ隣接した前記各ラインセンサの前記画素が欠落なく同一ピッチで一次元配置されているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、従来例と同じ構成要素には、同じ符号を付ける。
【0012】
図1は、本発明に係るラインセンサを搭載した固体撮像装置の一実施の形態を示した概略構成図である。このうち、図1(a)は、CCDの駆動周波数を低減した一次元固体撮像装置の概略構成図であり、半導体基板11とCCD15,16の継ぎ目を含む領域17とCCDブロック18が示されている。なお、CCDブロック18には、1本のCCDのみが含まれるため特にブロック化する必要はないが、従来例において示した4本読出しCCDブロック12との対応関係を明瞭にするためにブロックと称している。半導体基板11に縦列配置される各CCDブロック18は、全て同じ構成である。
【0013】
図1(b)は、図1(a)に示した領域17の拡大図である。図1(b)には、各CCDブロック18において欠落なく同一ピッチで一次元配置された複数の画素1と、画素1に蓄積された信号電荷を読み出すためのトランスファゲート2と、トランスファゲート2により各画素1から読み出された信号電荷を転送する電荷結合素子であるCCD15と、CCD15から転送されてくる信号電荷を電圧に変換して外部に出力する出力アンプ10とが示されている。本実施の形態における出力アンプ10は、隣接するCCD16側のCCD15の端部(終段部)に配設されている。また、CCD電極19はCCD初段付近の、CCD電極20はCCD終段付近の、CCD電極21はCCD中央部における各電極であり、各CCD電極19〜21は、当然ながら各画素1と1対1に対応づけられている。なお、本実施の形態における各CCDブロックは、同じ構成を有しているので、図示されていないCCD15の初段付近の構成は、CCD16の初段付近の構成と同じである。更に、図1(b)において、p1は画素ピッチ、p2は初段付近あるいは終段付近のCCD電極ピッチ、p3はCCD中央部のCCD電極ピッチである。
【0014】
ところで、本実施の形態では、複数のCCD電極19〜21から構成される要素をCCDと称しているが、一般に、画素1やトランスファゲート2等を含めた構成要素、すなわちCCDブロック18をCCDと称する場合もある。そこで、本実施の形態では、一次元固体撮像装置に搭載されることからCCDブロック18に含まれる画素1、トランスファゲート2、CCD15及び出力アンプ10を含めた構成を「ラインセンサ」と称することでCCD15との相違を明確にする。
【0015】
図1(b)に示したように、CCD中央部のCCD電極ピッチp3は、従来例と同様に画素ピッチp1と同じであるが、本実施の形態においては、CCD15の両端部の電極ピッチp2をCCD中央部のCCD電極ピッチp3より小さくしたことを特徴としている。そして、各画素1が欠落なく同一ピッチで一次元配置されるようにCCD15,16を縦列配置したときでも、電極ピッチp2,p3が上述した関係となるようにすることで、CCD15の終段部とCCD16の初段部との間にスペースができ、ここに出力アンプ10の配置することができる。これにより、複数のCCD15,16を縦列配置することで固体撮像装置におけるデータレートを大きくしたときでも一次元配置される全ての画素1を欠落なく同一ピッチで配置することができる。
【0016】
なお、CCDのうちどこまでを初段、終段、中央部とするかは、CCD電極、画素等各構成要素のサイズ、画素ピッチ等によって適宜決めることができる。
【0017】
また、本実施の形態では、CCD15の終段部と、CCD15に隣接するCCD16の初段部の双方の電極ピッチを中央部より小さくしたが、最終的にCCD15,16の間に出力アンプが配設できればよいので、一方の電極のみを中央部の電極ピッチより小さくするようにしてもよい。また、CCDの初段部及び終段部双方の電極ピッチを必ずしも同じ値p2とする必要はない。この値は、ラインセンサを実装する半導体基板11の設計時に適宜決めることができる。
【0018】
また、図1(a)には、12本のCCDブロック18を配置した例を示したが、何ブロックでも縦列配置することができる。その数に関係なく上述した効果を得られることは言うまでもない。
【0019】
また、本実施の形態では、ラインセンサを一次元固体撮像装置に採用した場合を例にしたが、CCDの端部の電極ピッチを中央部より小さくするという技術的思想は、電荷結合素子を搭載する他の装置にも応用することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、ラインセンサにおける電荷結合素子の少なくとも一方の端部近傍の電極ピッチを、画素ピッチと同一ピッチである当該電荷結合素子の中央部の電極ピッチより小さくするようにしたので、固体撮像装置におけるデータレートを大きくするためにラインセンサを縦列配置したときでもラインセンサの各電荷結合素子間にスペースを形成することができる。このスペースに出力アンプを配設すれば、複数のラインセンサの全ての画素を欠落なく同一ピッチで配設することができる。すなわち、本発明においては、データレートの向上と一次元配置される全画素を欠落なく同一ピッチで配設することの双方を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るラインセンサを搭載した固体撮像装置の一実施の形態を示した概略構成図である。
【図2】 従来の一次元固体撮像装置を示した概略構成図である。
【図3】 図2に示した一次元固体撮像装置を構成する4本読出しCCDブロックのつなぎ目の拡大図である。
【符号の説明】
1 画素、2 トランスファゲート、10 出力アンプ、11 半導体基板、15,16 CCD、17 領域、18 CCDブロック、19 (CCD初段付近の)CCD電極、20 CCD終段付近のCCD電極、21 CDD中央部におけるCCD電極、p1 画素ピッチ、p2 CDD初段付近あるいは終段付近のCCD電極ピッチ、p3 CCD中央部のCCD電極ピッチ。
Claims (2)
- 同一ピッチで一次元配置された複数の画素と、
前記画素に蓄積された信号電荷を読み出すためのトランスファゲートと、
前記トランスファゲートにより前記各画素から読み出された信号電荷を転送する電荷結合素子と、
前記電荷結合素子の端部側に配設され、前記電荷結合素子から転送されてくる信号電荷を電圧に変換して外部に出力する出力アンプと、
を有する固体撮像装置におけるラインセンサにおいて、
前記電荷結合素子の少なくとも一方の端部近傍の電極ピッチを、画素ピッチと同一ピッチである前記電荷結合素子の中央部の電極ピッチより小さくしたことを特徴とする固体撮像装置におけるラインセンサ。 - 請求項1記載の固体撮像装置におけるラインセンサが複数に縦列配置され、かつ隣接した前記各ラインセンサの前記画素が欠落なく同一ピッチで一次元配置されていることを特徴とする固体撮像装置。
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