JP3817971B2 - 肉類風味向上剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、肉類風味向上剤に関し、詳しくは根塊類スパイスの乾燥微粉末と紅茶熱水抽出物とを含有する肉類風味向上剤に関する。更に詳しくは、肉類又は肉類加工食品に風味付けをすると同時に肉類の持つ獣臭、生臭さ等の独特の不快風味を抑制することにより風味を向上する紅茶熱水抽出物とガーリック、オニオン、ジンジャーからなる群から選択される根塊類スパイス乾燥微粉末の1種以上とを含有する風味向上剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
肉類には、牛、豚、羊等の畜肉、鶏等の家禽肉、魚肉、及びこれらの内臓肉があり、これらを調理して食する場合、またはこれら肉類を原料としてハンバーグ、ソーセージ、ミートボール、餃子、ミートソース等の加工食品として食する場合、塩、醤油、砂糖などの一般的な調味料に、肉の味によく適合したガーリック、オニオン、ジンジャー等の根塊類スパイスを更に添加する事により風味が向上することは一般的によく知られている。一方、肉類及び肉類由来の加工食品は肉類が持つ獣臭、生臭さ等独特の不快風味があり、これを抑えるべく一般的にローズマリー、ローレル、タイム、ナツメグ、メース等のハーブ系スパイス、その他スパイスが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、肉類及び肉類加工食品の風味向上にガーリック、オニオン、ジンジャー等の根塊類スパイスを使用すると共に、肉類由来の不快風味を抑制すべくローズマリー、ローレル、タイム、ナツメグ、メース等のハーブ系スパイス等を用いていたが、これらハーブ系スパイス等は、肉類の中まで浸透しにくくその効果は肉類全体に及ばない。また充分不快風味を抑制する程度にこれらハーブ系スパイス等を用いるとその味、臭いが強くなり過ぎ、根塊類スパイスの風味まで抑えてしまうという問題があった。
【0004】
一方、調味、風味付けの前に予め肉類を茶と一緒に炊き込むことにより上記不快臭を抑える方法は従来から既に知られているが、この方法の場合、茶成分が肉類の中まで浸透させるにはかなりの炊き込みが必要であり、炊き込みすぎると渋味、着色を生じ、逆に炊き込みが不足の場合、不快風味抑制が不充分となり加減が難しく、また添加した茶葉、茶カスが肉類の表面に付着残存し、大量生産には不向きであるなどの問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような従来における肉類の風味向上の問題点を解決すべく、根塊類スパイス乾燥微粉末と紅茶熱水抽出物とを併用することにより、肉類由来の不快風味を抑制するとともに風味を向上させる肉類又は肉類加工食品の風味向上剤、風味向上法、風味向上された食品を提供するものである。
【0006】
即ち、本発明の第1は、根塊類スパイス乾燥微粉末と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを含有する、肉類又は肉類加工食品の風味向上剤に関する。
【0007】
好ましい実施態様としては、ガーリック、オニオン、ジンジャーからなる群から選択される根塊類スパイス乾燥微粉末の1種以上と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを含有する、肉類又は肉類加工食品の風味向上剤に関する。
【0008】
別の好ましい実施態様としては、紅茶熱水抽出物の割合が10〜90重量%である風味向上剤に関する。
【0009】
更に別の好ましい実施態様としては、紅茶熱水抽出物がボヘアの熱水抽出物である風味向上剤に関する。
【0010】
本発明の第2は、根塊類スパイスの乾燥微粉末と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを同時に添加することにより肉類又は肉類加工食品の風味を向上させる方法に関する。
【0011】
好ましい実施態様としては、ガーリック、オニオン、ジンジャーからなる群から選択される根塊類スパイス乾燥微粉末の1種以上と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを同時に添加することにより肉類又は肉類加工食品の風味を向上させる方法に関する。
【0012】
別の好ましい実施態様としては、根塊類スパイス乾燥微粉末と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを、紅茶熱水抽出物の割合が10〜90重量%で、紅茶熱水抽出物添加量が食品に対し0.02〜0.5重量%となるよう同時に添加することにより肉類又は肉類加工食品の風味を向上させる方法に関する。
【0013】
更に好ましい実施態様としては、ガーリック、オニオン、ジンジャーからなる群から選択される根塊類スパイス乾燥微粉末の1種以上と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを、紅茶熱水抽出物の割合が10〜90重量%で、紅茶熱水抽出物添加量が食品に対し0.02〜0.5重量%となるよう同時に添加することにより肉類又は肉類加工食品の風味を向上させる方法に関する。
【0014】
更に別の好ましい実施態様としては、紅茶熱水抽出物がボヘアの熱水抽出物である肉類又は肉類加工食品の風味を向上させる方法に関する。
【0015】
本発明の第3は、根塊類スパイス乾燥微粉末と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを同時に添加することにより風味が向上した肉類又は肉類加工食品に関する。
【0016】
好ましい実施態様としては、ガーリック、オニオン、ジンジャーからなる群から選択される根塊類スパイス乾燥微粉末の1種以上と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを同時に添加することにより風味が向上した肉類又は肉類加工食品に関する。
【0017】
別の好ましい実施態様としては、根塊類スパイスの乾燥微粉末と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを、紅茶熱水抽出物の割合が10〜90重量%で、紅茶熱水抽出物添加量が食品に対し0.02〜0.5重量%となるよう同時に添加することにより風味が向上した肉類又は肉類加工食品に関する。
【0018】
更に好ましい実施態様としては、ガーリック、オニオン、ジンジャーからなる群から選択される根塊類スパイス乾燥微粉末の1種以上と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを、紅茶熱水抽出物の割合が10〜90重量%で、紅茶熱水抽出物添加量が食品に対し0.02〜0.5重量%となるよう同時に添加することにより風味が向上した肉類又は肉類加工食品に関する。
【0019】
更に別の好ましい実施態様としては、紅茶熱水抽出物がボヘアの熱水抽出物である風味が向上した肉類又は肉類加工食品に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる根塊類スパイスとしては、ガーリック、オニオン、ジンジャー、ターメリック、わさび等が挙げられる。
【0021】
またこれらの根塊類スパイスの乾燥微粉末とは、ほとんど水分を含有しない状態の微細化した根塊類スパイス乾燥粉末(粒径0.3mm以下)のことを意味し、例えばオニオンやガーリックをみじん切り又はスライスしたようなスパイスそのものでは効果が低く、更に乾燥粉末でも粒径の大きいものでは、充分に溶解せず浸透力の弱いことから充分な効果を発揮しない。
【0022】
本発明に用いる紅茶熱水抽出物とは、茶葉を充分熱水により抽出して得られる抽出物である。ここでいう茶葉は、発酵茶である紅茶が好ましく、緑茶でも良いが効果が紅茶ほどで無く、又渋味が強く感じられる。
【0023】
前記紅茶は、茶葉中のポリフェノールが80%以上酸化されており、茶葉は暗い赤色をしている。
【0024】
本発明で用いられる茶葉としては、茶葉を製品にする過程で出来る粉や茶くずも使用できる。これら茶くずや低グレードの茶葉を用いるのが、コストの点で好ましい。中でも、ボヘアと呼ばれる茶葉が、他の粉末或いは微粉末のくず茶を使用した場合と比較して、矯臭効果が高い上、紅茶特有の匂いが少ないという点でより好ましい。ボヘアは、茶葉の他に茎が含まれている茶くずの1種であり(現代紅茶用語辞典、日本紅茶協会編、1996年)、オーソドックス法という紅茶生産法で得られる副産物で、インドネシア西部ジャワ島が主産地である。また、CTC法という紅茶生産法ではボヘアと、羽毛状の葉脈からなるフラフの混合物が副産物として得られるがこれも本発明で使用出来る。
【0025】
茶葉からの抽出は、インスタントティー作製等における浅い抽出ではなく、熱水で充分炊き出す事をこころがけるべきであり、これは肉類由来の不快臭を抑制する活性成分が抽出初期では少なく、後の方で抽出されることによる。従って、熱水抽出を1回だけでなく、2回以上行っても良い。また、茶葉を水洗した後に抽出を行っても良い。
【0026】
茶葉における熱水での抽出方法としては、茶葉に対して、重量で8倍量から50倍量の60℃以上の抽出水を加え、20分以上、好ましくは、10〜20倍量、80℃以上の熱水で40〜60分抽出する。抽出の方法は特に限定されないが、熱水中で茶葉を撹拌しながら抽出する方法、茶葉を静置状態で抽出する方法、茶葉をかごの中に閉じこめて熱水と接触させかごの内部で熱水が移動するようにする方法などが挙げられる。
【0027】
抽出後の茶葉と抽出液の分離方法は特に限定されるものではなく、デカンテーションや網等を用いた分離の他、濾布、濾紙、更には濾過助剤などを併用する一般的な濾過操作や、遠心分離等の公知の方法を用いることが出来る。このような抽出操作に於いて、ボヘアを用いた場合、ダストのような他のくず茶葉よりも作業性が良いという点でも好ましい。ダストのように細かい茶葉では、濾過装置等に茶葉が詰まりやすく作業性が低下することがあるが、ボヘアは抽出時の茶葉の破砕が少なく、茎を含んでいるため濾過時に茶葉が密着することを防ぎ、短時間で濾過を行うことが出来る。
【0028】
上記抽出液を、一般的な濃縮操作により乾固して、本発明の紅茶熱水抽出物を得る。ボヘアから得られる抽出物の回収率は20〜30%程度、抽出物中のポリフェノール含有率は20〜30%程度である。
【0029】
本発明である肉類又は肉類加工食品の風味向上剤の製造方法としては、根塊類スパイス乾燥微粉末と紅茶熱水抽出物とをこれらを予め混合するが、紅茶熱水抽出物の割合が10〜90重量%であるのが好ましく、更に好ましくは40〜85重量%である。
【0030】
紅茶熱水抽出物の割合が10重量%未満であると、矯臭効果が低く、根塊類スパイスの臭い、味が過剰となり、また90重量%を越えると、根塊類スパイスによる風味の向上及び肉類への浸透性効果が不足する。特に紅茶熱水抽出物としてボヘアの抽出物を用いた場合、他の茶葉を用いた場合よりも、紅茶抽出物の割合が低くても高い矯臭効果が得られる利点がある。紅茶熱水抽出物と根塊類スパイス乾燥微粉末との混合比率は、要求される矯臭力と目的とする風味や匂いに応じて、適宜選択すればよい。
【0031】
また本発明の風味向上剤には、デキストリン、ブドウ糖、乳糖、デンプン、レシチン等の成分も含有させることが出来る。中でも、デキストリンや乳糖などの溶解助剤を含有させることで、本発明の風味向上剤の調味液等への溶解性を向上させることが出来る。
【0032】
本発明である肉類又は肉類加工食品の風味を向上させる方法としては、根塊類スパイス乾燥微粉末と紅茶熱水抽出物とを予め混合しておいても、別々に用いても良いが、肉類への浸透性向上及び風味のムラ防止の点から、同時に添加することが好ましい。
【0033】
また紅茶熱水抽出物の割合が10〜90重量%、更に好ましくは40〜85重量%、且つ紅茶抽出物添加量が食品に対し0.02〜0.5重量%となるよう同時に添加することがより好ましい。紅茶熱水抽出物の割合が10重量%未満であると、矯臭効果が低く、根塊類スパイスの臭い、味が過剰となり、また90重量%を越えると、根塊類スパイスによる風味の向上及び肉類への浸透性効果が不足する。紅茶熱水抽出物の添加量が食品に対し0.02重量%未満であると、紅茶抽出物による肉類の不快風味の抑制効果が不足する点で、また0.5重量%を越えると、渋味が出現する点で不都合である。
【0034】
本発明における肉類又は肉類加工食品としては、具体的には牛、豚、羊等の畜肉、鶏等の家禽肉、魚肉、及びこれらの内臓肉等の肉類が挙げられ、更にはこれら肉類を原料とするハンバーグ、ソーセージ、ミートボール、餃子、ミートソース等の肉類加工食品が挙げられる。
【0035】
ガーリック、オニオン、ジンジャーなどの根塊類スパイス乾燥微粉末はこれら肉類に使用すると風味を向上するが、肉類由来の不快風味を抑制することは出来ず、紅茶熱水抽出物を添加することにより、その不快風味を抑制し、一層風味を向上させる。更にこれら根塊類スパイス乾燥微粉末と紅茶熱水抽出物を同時に食品添加することにより、肉類、または肉類加工食品の中心部まで充分風味を向上させることができる。この作用機構は、根塊類スパイスには元々糖類が多く含まれ、これら糖類によりこれらスパイス成分の肉類等に対する浸透性が上昇するだけでなく、紅茶熱水抽出物に対してもキャリヤーの働きにより紅茶熱水抽出物の肉類等への浸透性を向上させる等相乗効果によるものと思われる。この効果の要因の一つとして紅茶熱水抽出物の溶解度の高いことが考えられ、ローズマリー、ローレル、タイム、ナツメグ、メース等のハーブ系スパイス等は溶解度が低く、根塊類スパイスによる糖類が存在しても内部に浸透し難い。また紅茶抽出物自身、ハーブ系スパイスのような強い香りもなく、上記の効果を示す添加量の範囲では、ガーリック、オニオン、ジンジャーなどの根塊類スパイス乾燥微粉末の風味を損なうこともない。
【0036】
一方、紅茶抽出物には、ハーブ系スパイス程の強い香りはないものの、若干ながら紅茶特有の香りがあり、単独で用いた場合には、これがわずかではあるが食品の風味を損なうこともあるが、根塊類スパイス乾燥微粉末と併用することで、問題となる紅茶の香りは抑制される。
【0037】
以上、根塊類スパイス乾燥微粉末と紅茶熱水抽出物との同時添加によりこれら風味向上に有効な成分が肉類、または肉類加工食品に充分均一に浸透しやすいことから、少量の添加で効果がみられ、茶葉そのものよりも添加量のコントロールが容易で大量生産にも適合し、紅茶抽出物による渋味も風味向上が有効な添加量範囲で発生しない。また茶葉のような不溶物が残存することもない。
【0038】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。
実施例1、比較例1〜3
ボヘア(原産地:インドネシア、ジャワ地方)100gに対して1.5Lの80℃の熱水を加えて、80℃に保持しながら1時間撹拌した。これを100メッシュの金属網で固液分離し、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。
【0039】
スライスしたマトン肉10Kgを、濃口醤油510g、砂糖390g、グルタミン酸ソーダ20g、白こしょう10g、刷りガーリック50g、赤糖辛子34g、味醂204g、胡麻油204g、食塩50g、水1940g、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックス(比率3/2/5)17gからなる調味液に一晩浸積後、一部をフライパン、もしくは鉄板で焼いて作製した焼き肉(実施例1)と、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスが除かれた以外は上記と全く同様にして作製した焼き肉(比較例1)、及びオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物をオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末(比率3/2)8.5gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製した焼き肉(比較例2)、更にはオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物を紅茶熱水抽出物8.5gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製した焼き肉(比較例3)とを15人のパネラーに試食(盲目テスト)してもらったところ、15人のパネラー全員がオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスを含む焼き肉が、最もマトン独特の不快風味がなく風味が良いと感じた。
実施例2、比較例4〜6
ボヘア(原産地:インドネシア、ジャワ地方)100gに対して1.5Lの80℃の熱水を加えて、80℃に保持しながら1時間撹拌した。これを100メッシュの金属網で固液分離し、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。
【0040】
輸入牛ミンチ肉4.5Kg、豚ミンチ肉1.2Kg、牛脂肪1Kgをミートチョッパーで肉挽きした後、ミキサーにて混合し、これに食塩60g、砂糖30g、グルタミン酸ソーダ20g、ビーフエキス40g、胡椒35g、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率3/2/5)25gからなる調味香辛料を加えて混合、続いてタマネギ2Kg、卵白100g、水600gを加えて混合し、更に大豆蛋白300gを加えて混合、最後にパン粉300gを加えて混合後、ハンバーグ成形機にて成形し、オーブンにて180〜190℃で加熱して得たハンバーグ(実施例2)と、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスが除かれた以外は上記と全く同様にして得たハンバーグ(比較例4)、及びオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物をオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末(比率3/2)12.5gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製したハンバーグ(比較例5)、更にはオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物を紅茶熱水抽出物12.5gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製したハンバーグ(比較例6)とを15人のパネラーに試食してもらったところ、15人のパネラー全員がオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスを含むハンバーグが最も輸入肉の不快風味がなく、風味が良いと感じた。実施例3、比較例7〜9
ボヘア(原産地:インドネシア、ジャワ地方)100gに対して1.5Lの80℃の熱水を加えて、80℃に保持しながら1時間撹拌した。これを100メッシュの金属網で固液分離し、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。
【0041】
鶏ミンチ4Kg、豚ミンチ1Kg、豚脂肪500gをミートチョッパーにて肉挽きした後、ミキサーにて混合し、これに食塩60g、砂糖160g、酵母エキス40g、ビーフエキス30g、胡椒30g、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/ジンジャー乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率2.5/1.5/1/5)20gとからなる調味香辛料、水1.3Kgを加えて混合、次にタマネギ2.2Kg、大豆蛋白300g、パン粉400gを加えて混合し、最後にでん粉300gを加えて混合の後、ミートボール成形機で成形後、フライヤーで160〜170℃で2分間かけて揚げたミートボール(実施例3)と、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスが除かれた以外は上記と全く同様にして得たミートボール(比較例7)、及びオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/ジンジャー乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物をオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/ジンジャー乾燥微粉末(比率2.5/1.5/1)10gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製したミートボール(比較例8)、更にはオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/ジンジャー乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物を紅茶熱水抽出物10gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製したミートボール(比較例9)とを15人のパネラーに試食してもらったところ、15人のパネラー全員がオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/ジンジャー乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスを含むミートボールが最も風味が良いと感じた。
実施例4、比較例10〜12
ボヘア(原産地:インドネシア、ジャワ地方)100gに対して1.5Lの80℃の熱水を加えて、80℃に保持しながら1時間撹拌した。これを100メッシュの金属網で固液分離し、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。
【0042】
豚ミンチ5Kg、豚脂肪1.4Kgをミートチョッパーで肉挽きした後、ミキサーで混合後、水850g、乳化油脂200gを加え混合し、次に食塩100g、砂糖200g、グルタミン酸ソーダ30g、ポークエキス40g、白胡椒10g、刷り生姜40g、魚醤60g、味醂100g、醤油30g、胡麻油100g、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/ジンジャー乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率2.5/1.5/1/5)20gとからなる調味香辛料を加え混合、更にたまねぎ2Kg、干し椎茸50gを加え混合、大豆蛋白100gを加え混合、最後にでん粉600gを加えて混合した後、焼売成形機にて成形後、自動蒸し器で95℃で8分間蒸して得た焼売(実施例4)と、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/ジンジャー乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスが除かれた以外は上記と全く同様にして得た焼売(比較例10)、及びオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/ジンジャー乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物をオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/ジンジャー乾燥微粉末(比率2.5/1.5/1)10gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製した焼売(比較例11)、更にはオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/ジンジャー乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物を紅茶熱水抽出物10gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製した焼売(比較例12)とを15人のパネラーに試食してもらったところ、15人のパネラー全員がオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/ジンジャー乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスを含む焼売が最も風味が良いと感じた。
実施例5、比較例13〜15
ボヘア(原産地:インドネシア、ジャワ地方)100gに対して1.5Lの80℃の熱水を加えて、80℃に保持しながら1時間撹拌した。これを100メッシュの金属網で固液分離し、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。
【0043】
豚ミンチ2.5Kgを肉挽きした後、豚脂肪1Kgと醤油100g、胡麻油150g、刷りにんにく150g、豆板醤20g、スープ100g、食塩50g、砂糖80g、グルタミン酸ソーダ80g、白胡椒10g、刷り生姜30g、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率3/2/5)30gからなる調味香辛料を加えミキサーにて混合の後、キャベツ4Kg、たまねぎ1.4Kgを細切りにして加え混合し、大豆蛋白400g、パン粉300gを加え混合、最後にニラ400gを加えて混合後、餃子成形機で成形した後、一部をフライパンで焼いて得た餃子(実施例5)と、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスが除かれた以外は上記と全く同様にして得た餃子(比較例13)、及びオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物をオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末(比率3/2)15gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製した餃子(比較例14)、更にはオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物を紅茶熱水抽出物15gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製した餃子(比較例15)とを15人のパネラーにて試食して貰ったところ、15人のパネラー全員がオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスを含む餃子が最も風味が良いと感じた。
実施例6、比較例16〜18
ボヘア(原産地:インドネシア、ジャワ地方)100gに対して1.5Lの80℃の熱水を加えて、80℃に保持しながら1時間撹拌した。これを100メッシュの金属網で固液分離し、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。
【0044】
豚肉6.9Kg、鶏肉2Kg、豚脂肪800gをサイレントカッターで練った後、食塩160g、砂糖80g、グルタミン酸ソーダ30g、重合リン酸塩20g、発色剤7g、胡椒35g、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率3/2/5)20gからなる調味香辛料を加えて練り込み、さらに大豆蛋白100g、でん粉200gを加えて練った後、ソーセージ用ケーシングで充填後、スモークチャンバーで80℃20分の乾燥、70℃30分の薫製、80℃10分のスチームにより得たソーセージ(実施例6)と、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスが除かれた以外は、上記と全く同様にして得たソーセージ(比較例16)、及びオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物をオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末(比率3/2)10gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製したソーセージ(比較例17)、更にはオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物を紅茶熱水抽出物10gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製したソーセージ(比較例18)とを15人のパネラーにて試食して貰ったところ、15人のパネラー全員がオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスを含むソーセージが最も風味が良いと感じた。
実施例7、比較例19〜21
ボヘア(原産地:インドネシア、ジャワ地方)100gに対して1.5Lの80℃の熱水を加えて、80℃に保持しながら1時間撹拌した。これを100メッシュの金属網で固液分離し、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。
【0045】
ワカサギ8Kgに食塩40g、水1.92Kg、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率3/2/5)40gを加え冷蔵庫にて3〜5時間浸積の後、液を切った後、沸騰水中でしばらく加熱したもの(実施例7)と、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスが除かれた以外は、上記と全く同様にして得たもの(比較例19)、及びオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物をオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末(比率3/2)20gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製したもの(比較例20)、更にはオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物を紅茶熱水抽出物20gに置き換えた以外は上記と全く同様にして作製したもの(比較例21)とを15人のパネラーに試食して貰ったところ、15人のパネラー全員がオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/紅茶熱水抽出物のミックスを含むものが最も風味が良いとを感じた。
実施例8
ボヘア(原産地は、ジャワ地方、インドネシア)100gに対して、1Lの80℃熱水を加えて、80℃に保持しながら1時間撹拌した。これを100メッシュの金属網で固液分離し、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。また、市販の紅茶熱水抽出物として、国内品(佐藤食品製)、中国品(長沙、金衣天然植物社製)、インド品(三菱商事より入手)、台湾品(味群工業株式会社製)のものを用意した。
【0046】
スライスしたマトン肉1Kgを濃口醤油51g、砂糖39g、グルタミン酸ソーダ2g、白こしょう1g、刷りガーリック5g、赤唐辛子3.4g、味醂20.4g、胡麻油20.4g、食塩5g、水194g、オニオン乾燥粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記の紅茶熱水抽出物のミックス(比率3/2/5)1.7gからなる調味液に一晩浸漬した。これらの調味液に漬けたマトン肉の一部をフライパンで焼いて作製した焼き肉を7人のパネラーに試食して貰ったところ、パネラー全員が、ボヘアの抽出物を使用した焼き肉が、マトン独特の不快風味がなく、かつ紅茶独特の風味がなく、調味液本来の風味が強いと感じた。国内品の抽出物を使用した場合には、矯臭効果の点で、ボヘアの抽出物を使用した場合よりもやや劣り、味が薄くなった。中国品、インド品、台湾品の紅茶熱水抽出物を使用した場合は、矯臭効果の点で、ボヘアを使用した場合と比較すると劣った。以上のように、調査した紅茶熱水抽出物のなかでは、ボヘアからの熱水抽出物とオニオン乾燥粉末とガーリック乾燥粉末との組合せが、矯臭効果および味の点で優れていた。
実施例9
紅茶の粉末ダスト(原産地:インドネシア、ジャワ地方)、微粉末ダスト(原産地:インドネシア、ジャワ地方)、ボヘア(原産地:インドネシア、ジャワ地方)それぞれ100gに対して、1Lの80℃熱水を加えて、80℃に保持しながら1時間撹拌した。これらを濾紙で濾過して固液分離し、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。
【0047】
スライスしたマトン肉1Kgを濃口醤油51g、砂糖39g、グルタミン酸ソーダ2g、白こしょう1g、刷りガーリック5g、赤唐辛子3.4g、味醂20.4g、胡麻油20.4g、食塩5g、水194g、オニオン乾燥粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率3/2/5)1.7gからなる調味液に一晩浸漬後、一部をフライパンで焼いて作製した焼き肉を10人のパネラーに試食して貰ったところ、パネラー全員が、ボヘアの抽出物を使用した焼き肉が、マトン独特の不快風味がなく、かつ紅茶独特の風味がなく、調味液本来の風味が強いと感じた。粉末ダスト茶葉の抽出物を使用した場合、マトン特有の不快臭がやや残った。微粉末ダスト茶葉の抽出物を使用した場合、マトン特有の不快臭はなくなったが、紅茶独特の風味が若干感じられた。以上のように、くず茶葉の中ではボヘアが、矯臭効果および味覚の点で、より好ましいことが分かった。
実施例10、比較例22、23
紅茶の粉末ダスト(原産地:インドネシア、ジャワ地方)、微粉末ダスト(原産地:インドネシア、ジャワ地方)、ボヘア(原産地:インドネシア、ジャワ地方)それぞれ100gに対して、1Lの80℃熱水を加えて、80℃に保持しながら1時間撹拌した。これらを濾紙で濾過して固液分離し、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。
【0048】
鳥のレバーを塩水の入った水中で血抜きをした後に更に、包丁でスライスして、塩水にさらして凝固した血を手でこまめに除いた。このスライスしたレバー200gに、塩1g、白こしょう0.2g、オニオン乾燥粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率2/8)0.8gをふりまぜて、手で2分間混ぜた後に1時間室温で放置した。また、オニオン乾燥粉末/紅茶熱水抽出物のミックスの代わりに、オニオン乾燥粉末0.16gのみ(比較例22)をふりまぜたもの、ボヘアからの紅茶熱水抽出物0.64gのみをふりまぜたもの(比較例23)も同様にして作成した。これら処理済みのレバーを全量フライパンで焼いて作製したレバーソテーを、レバーの嫌いな女性8人のパネラーに試食して貰ったところ、をふりまぜたレバーが食べられ、特に、ボヘアを用いた紅茶熱水抽出物とオニオン乾燥粉末とをふりまぜているレバーが、血臭さがなく、6人が最も食べやすいと感じた(粉末ダストからの抽出物とオニオン乾燥粉末のはいったもの、微粉末ダストからの抽出物とオニオン乾燥粉末のはいったものを最も食べやすいと感じた人は各々1人)。また、ボヘアの熱水抽出物のみをふりまぜているレバーの場合、6人が口の中でかみ砕いた時に、血臭さを感じた。オニオン乾燥粉末のみを加えたレバーは、7人が、臭いのためにレバーを口に出来なかった。以上のように、鳥のレバーにおいてもボヘアの熱水抽出物とオニオン乾燥粉末のミックス品を使用したものが、茶葉くずの中では優れていた。また、オニオン乾燥粉末がないと、矯臭効果の点で劣り、オニオン粉末単独では、矯臭効果がなかった。
実施例11、比較例24
ボヘア(原産地:インドネシア、ジャワ地方)100gに対して1.5Lの80℃の熱水を加えて、80℃に保持しながら1時間撹拌した。これを100メッシュの金属網で固液分離し、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。また市販の緑茶粉末として、ポリフェノン60A(三井農林株式会社製)、FS−500G(白井松株式会社製)、サンフラボンHG(太陽化学株式会社製)、T−フレーバーコンク(日進香料株式会社製)を用意した。
【0049】
スライスしたマトン肉1Kgを濃口醤油51g、砂糖39g、グルタミン酸ソーダ2g、白こしょう1g、刷りガーリック5g、赤唐辛子3.4g、味醂20.4g、胡麻油20.4g、食塩5g、水194g、オニオン乾燥粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率3/2/5)4gからなる調味液に一晩浸漬後、一部をフライパンで焼いて作製した。また、紅茶熱水抽出物の代わりに、上記市販の緑茶粉末を用いた他は同様に処理したものも作成した(比較例24)。これら焼き肉を10人のパネラーに試食して貰ったところ、パネラー全員が、ボヘアの抽出物を使用した焼き肉が、マトン独特の不快風味がなく、かつ紅茶独特の風味がなく、調味液本来の風味が強く感じられた。一方、ポリフェノン60Aを用いたものは、不快臭は紅茶熱水抽出物と同じように矯臭されているが、試食すると調味料の味が変わっており不味かった。FS−500Gを用いたものも同様に矯臭されているが、試食すると調味料の味が抑制されていた。サンフラボンHGを用いたものは、矯臭されているものの茶の匂いが加わり、かつ食すると苦い、茶の味がした。T−フレーバーコンクを使用したものは、矯臭されているが、試食すると調味料の味が抑制されていた。
【0050】
以上のように、ボヘアの熱水抽出物とオニオン乾燥粉末及びガーリック乾燥粉末をミックスした本発明は、緑茶抽出物を使用した矯臭剤にみられるような、茶の苦さ、茶の味による調味液の妨害がなく、最も旨かった。
実施例12〜14、比較例25
ボヘア(原産地;インドネシア、ジャワ地方)100gに対して、1.5Lの80℃熱水を加えて80℃に保持しながら1時間攪拌した。これを100メッシュの金属網で固液分離し、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。
【0051】
豚肉2Kgに対して、食塩30g、発色剤1.4g、酸化防止剤1g、重合リン酸塩4g、グルタミン酸ソーダ6g、砂糖20g、ポークエキス8g、酵母エキス4g、混合香辛料10g、乾燥卵白2g、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率3/2/5)4gからなる調味香辛料を加えて、カッターキュアーに入れて練った後、ソーセージ用ケーシングで充填後、スモークチャンバーで80℃20分の乾燥、70℃20分の燻製、80℃10分のスチームにより、ソーセージを得た(実施例12)。また、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率3/2/5)の使用量を、2g(実施例13)、1g(実施例14)、0g(比較例25)に変えた以外は上記と全く同様にソーセージを作成した。これら作製したソーセージを、10人のパネラーに試食して貰ったところ、実施例12では、比較例25と比較して食した時に豚の獣臭が消えており、味はまろやかになっていた。実施例13、実施例14とオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックスの量を減らしても、実施例13では、10人中9名、実施例14では、10人中7名が、獣臭を感じなかった。以上のように、食品に対して紅茶熱水抽出物の添加量が0.024重量%の場合でも効果が認められた。
実施例15〜17,比較例26
ボヘア(原産地;インドネシア、ジャワ地方)200Kgに対して、3トンの80℃熱水を加えて80℃に保持しながら1時間攪拌した。これを30メッシュの金属網で固液分離し、その後、100メッシュの網で濾過を行い、抽出液を濃縮乾固して、紅茶熱水抽出物を得た。
【0052】
ロース豚肉(1ブロック2〜3Kg)40本100Kgと、15Kgの水と、食塩1800g、グルタミン酸ソーダ200g、砂糖700g、ポークエキス300g、酵母エキス400g、混合香辛料350g、乾燥卵白800g、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率3/2/5)250gからなる調味香辛料を加えて、ミキサーで15分混合した。その後、4℃の冷蔵庫で3〜4日放置してケーシング、スモークチャンバーで65℃100分乾燥、70℃30分燻製、75℃70分のスチームにより無塩漬ハムを得た(実施例15)。また、オニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックス(比率3/2/5)を100g(実施例16)、50g(実施例17)、0g(比較例26)に変えた以外は上記と全く同様にハムを作成した。これら作製したハムを10人のパネラーに試食して貰ったところ、実施例15では、比較例26と比較して食した時に豚の獣臭が消えており、味はまろやかになっていた。実施例16、実施例17とオニオン乾燥微粉末/ガーリック乾燥微粉末/上記紅茶熱水抽出物のミックスの量を減らしても、実施例16では、10人中8名、実施例17では、10人中5名が、獣臭を感じなかった。以上のように、食品に対して紅茶熱水抽出物の添加量が0.021%の場合でも効果が認められた。
【0053】
【発明の効果】
本発明の風味向上剤を、肉類又は肉類加工食品に添加した場合には、ガーリック、オニオン、ジンジャー等の根塊類スパイスの乾燥微粉末と紅茶熱水抽出物との相乗効果によりこれら肉類由来の不快風味を抑制するとともにこれら食品の風味を格段に向上させることが出来る。
Claims (14)
- 根塊類スパイス乾燥微粉末と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを含有する、肉類又は肉類加工食品の風味向上剤。
- ガーリック、オニオン、ジンジャーからなる群から選択される根塊類スパイス乾燥微粉末の1種以上と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを含有する、肉類又は肉類加工食品の風味向上剤。
- 紅茶熱水抽出物の割合が10〜90重量%である請求項1又は2記載の風味向上剤。
- 紅茶熱水抽出物がボヘアの熱水抽出物である請求項1〜3のいずれかに記載の風味向上剤。
- 根塊類スパイスの乾燥微粉末と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを同時に添加することにより肉類又は肉類加工食品の風味を向上させる方法。
- ガーリック、オニオン、ジンジャーからなる群から選択される根塊類スパイス乾燥微粉末の1種以上と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを同時に添加することにより肉類又は肉類加工食品の風味を向上させる方法。
- 根塊類スパイス乾燥微粉末と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを、紅茶熱水抽出物の割合が10〜90重量%で、紅茶熱水抽出物添加量が食品に対し0.02〜0.5重量%となるよう同時に添加することにより肉類又は肉類加工食品の風味を向上させる方法。
- ガーリック、オニオン、ジンジャーからなる群から選択される根塊類スパイス乾燥微粉末の1種以上と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを、紅茶熱水抽出物の割合が10〜90重量%で、紅茶熱水抽出物添加量が食品に対し0.02〜0.5重量%となるよう同時に添加することにより肉類又は肉類加工食品の風味を向上させる方法。
- 紅茶熱水抽出物がボヘアの熱水抽出物である請求項5〜8のいずれかに記載の肉類又は肉類加工食品の風味を向上させる方法。
- 根塊類スパイス乾燥微粉末と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを同時に添加することにより風味が向上した肉類又は肉類加工食品。
- ガーリック、オニオン、ジンジャーからなる群から選択される根塊類スパイス乾燥微粉末の1種以上と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを同時に添加することにより風味が向上した肉類又は肉類加工食品。
- 根塊類スパイスの乾燥微粉末と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを、紅茶熱水抽出物の割合が10〜90重量%で、紅茶熱水抽出物添加量が食品に対し0.02〜0.5重量%となるよう同時に添加することにより風味が向上した肉類又は肉類加工食品。
- ガーリック、オニオン、ジンジャーからなる群から選択される根塊類スパイス乾燥微粉末の1種以上と、紅茶の熱水抽出液を濃縮操作により乾固した紅茶熱水抽出物とを、紅茶熱水抽出物の割合が10〜90重量%で、紅茶熱水抽出物添加量が食品に対し0.02〜0.5重量%となるよう同時に添加することにより風味が向上した肉類又は肉類加工食品。
- 紅茶熱水抽出物がボヘアの熱水抽出物である請求項10〜13のいずれかに記載の風味が向上した肉類又は肉類加工食品。
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