JP3817906B2 - 羽根トラバース装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2枚の糸案内羽根を相互に逆回転させる羽根トラバース装置に係り、特に、糸をコーン状のパッケージとして巻き取る際に用いられる羽根トラバース装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
羽根トラバース装置は、重ねて配置された2枚の糸案内羽根を相互に一定速度で逆回転させ、パッケージに巻き取られる糸をそれら糸案内羽根に交互に受け渡すと共に糸案内羽根の運動軌跡に沿って配置された糸案内板にガイドさせることにより、パッケージに巻き取られる糸を軸方向に往復トラバースさせるものである。
【0003】
この種のトラバース装置を改良したものとして、特許第2560918 号公報に記載された羽根トラバース装置が知られている。この羽根トラバース装置は、上下に重ねられた2枚の糸案内羽根の枚数を異ならせると共に、それらの回転速度を枚数比の逆数で異ならせることにより、往路と復路のトラバース速度すなわち往路と復路のワインド数を異ならせるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかる羽根トラバース装置においては、実質的に糸をトラバースする糸案内羽根は、上下の羽根同士の回転速度は異なっているものの、それぞれの羽根は一定速度で回転するため、トラバース速度がパッケージの右側端部と左側端部とで一定であった。よって、上記羽根トラバース装置を用いてコーン状のパッケージを形成しようとしても、形状のよい適正なパッケージを得ることが困難である。
【0005】
すなわち、コーン状のパッケージを形成する場合、その小径側ではトラバース速度を速くして糸の巻取り量を少なくし、大径側ではトラバース速度を遅くして糸の巻取り量を多くする必要があるが、前記の羽根トラバース装置においては、トラバース速度がパッケージの大径側と小径側とで変わらないため、コーン形状のパッケージを得ることが困難である。また、糸の解舒性に優れたコーン形状のパッケージが得られる羽根トラバース装置の開発が望まれていた。
【0006】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、形状のよい適正なコーン状で且つ糸の解舒性に優れたパッケージが得られる羽根トラバース装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく創案された本発明は、相互に逆回転される2枚の糸案内羽根と、該糸案内羽根の入力部に設けられた楕円状の従動ギヤと、該従動ギヤに噛合されて駆動モータの出力部に設けられた楕円状の原動ギヤとを備え、上記ギヤによって上記糸案内羽根を脈動回転させてトラバース速度をコーン状のパッケージの軸方向に変動させるようにした羽根トラバース装置であって、上記ギヤの噛合は、上記糸案内羽根によるトラバース速度が上記パッケージの小径側で速く大径側で遅くなるように設定され、且つ最小トラバース速度が上記パッケージの大径側から小径側へ向かう経路上に位置すると共に、最大トラバース速度が小径側から大径側へ向かう経路上に位置するように設定されたものである。
【0008】
本発明によれば、楕円状の原動ギヤおよび従動ギヤを用いることにより糸案内羽根を脈動回転させてトラバース速度をコーン状のパッケージの軸方向に変動させると共に、上記原動および従動ギヤの噛合をトラバース速度がパッケージの小径側で速く大径側で遅くなるように設定したので、糸の巻取り量がパッケージの小径側では少なく大径側では多くなり、形状のよい適正なコーン状のパッケージが得られる。
【0009】
また、上記ギヤの噛合は、糸案内羽根による最小トラバース速度がコーン状のパッケージの大径側から小径側へ向かう経路上に位置すると共に、最大トラバース速度が小径側から大径側へ向かう経路上に位置するように設定されているので、パッケージの大径側から小径側へ向かう経路のトラバース速度の平均が小径側から大径側へ向かう経路のトラバース速度の平均よりも遅くなる。このため、大径側から小径側への経路で巻き取られる糸長が小径側から大径側への経路で巻き取られる糸長よりも長くなり、大径側から小径側への経路のワインド数が小径側から大径側への経路のワインド数よりも多くなる。この結果、糸の解舒性が向上する。
【0011】
この点を図6乃至図7を用いて更に詳細に説明する。
【0012】
一般に、巻取りの際のワインド数(コイル数)が多すぎると、巻き径が大になるにしたがってパッケージ内部の圧縮が進み、図6(a) に示すように内部の糸層が崩れてパッケージの両端面が膨出したバルジパッケージになる。これを防いで、図6(b) に示す形状の適正なパッケージを得るためのワインド数は、糸の番手と材質により経験的に決定しているのが現状である。
【0013】
他方、解舒の容易性の観点からワインド数を説明しているのが図7(a) および図7(b) である。図7(a) に示すものは、ワインド数の少ないパッケージであり、パッケージ表面から糸が離れる解舒点において糸の曲率Rが小さい。他方、図7(b) に示すものは、ワインド数の多いパッケージであり、前記解舒点において曲率Rが大きい。
【0014】
これらを比べた場合、曲率Rが小さい図7(a) のものは、パッケージ表面からの糸離れが良いので、解舒バルーンの立ち上がりが良く、下に巻いた糸との摩擦接触が少なく、下層の糸が動き難い。曲率Rが大きい図7(b) のものは、下に巻いた糸との摩擦接触が多いので、解舒バルーンの立ち上がりが悪いばかりでなく、パッケージ表面との摩擦により解舒糸が回転しながら移動して下層糸の毛羽等を巻き込むため、下層の糸が解舒方向に移動する。
【0015】
このように移動した下層の糸は、パッケージがテーパーコーン巻きである上にワインド数が多く綾角が小さいためにコイルが緩み易いこととも相俟って、解舒糸とのもつれ切れを発生し易い。ここで、図7(b) に示す角度θを出来るだけ大きくすると、曲率Rが小さくなるので解舒性が向上する。角度θはワインド数を多くする調整によって大きくすることは可能であるが、先に述べたように形状の適正なパッケージを得るためにワインド数には制約がある。
【0016】
解舒点が大径側から小径側に移動する、つまり糸の引出方向と同方向に解舒点が移動する場合には、ワインド数の少ない方が角度θが大きくなり、糸の引出方向と逆に解舒点が小径側から大径側に移動する場合には、ワインド数の多い方が角度θが大きくなる。従って、巻取りに際しては、大径側から小径側への経路のワインド数を、小径側から大径側への経路のワインド数よりも多くした方が、解舒性に優れることになる。
【0017】
以上の事情を鑑みて上記発明を考察してみれば、上記発明によれば、往復のワインド数の合計を変えないで、往路と復路とのワインド数の割合を変えることにより、パッケージの形状を適正に維持しながら、しかも糸の解舒性を向上させた巻取りを行える。
【0018】
また、上述の羽根トラバース装置は、上記パッケージの回転速度を検出するセンサと、該センサの出力に応じて上記駆動モータの回転速度を調節する制御部とを備え、該制御部がパッケージの回転と糸案内羽根の回転との関係をパッケージの回転速度に拘らず保つものであってもよい。
【0019】
こうすれば、パッケージをフリクションドラムによって接触回転駆動する場合、糸継ぎ後の回転立ち上げ時等にフリクションドラムとパッケージとの間にスリップがあったとしても、上記センサおよび制御部によってパッケージの回転と糸案内羽根の回転との関係が保たれるので、綾乱れのない適正なパッケージを形成できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0021】
図1は、羽根トラバース装置を自動ワインダの綾振り機構として使用したものを示す概略図である。
【0022】
自動ワインダは、図示しない給糸ボビンから解舒された糸1を、糸1の不良部分を切断除去しつつ、コーン状のパッケージ2に巻き換えるものである。コーン状のパッケージ2は、そのボビン3の左右端部がボビンホルダ4によって回転自在に支持され、フリクションドラム5によって接触回転駆動される。フリクションドラム5は、その両端部が軸受6に支持されており、巻取りモータ7やベルト8等によって回転駆動される。フリクションドラム5の近傍には、パッケージ2に巻き取られる糸1を綾振るための羽根トラバース装置9が配置されている。
【0023】
羽根トラバース装置9は、図示しないギヤ機構によって相互に逆回転される2枚の糸案内羽根10a、10bと、それら糸案内羽根10a、10bの運動軌跡に沿って山型に形成されたガイド部11を有する糸案内板12とを備えており、図示しない給糸ボビンからパッケージ2に向かう糸1を、上記糸案内羽根10a、10bに交互に受け渡すと共に糸案内板12のガイド部11にガイドさせ、綾振るものである。糸案内羽根10a、10bは、その回転軸13a、13bが僅かにずらされており、図示しない公知のギヤ機構によって相互に同速度で逆回転されるようになっている。
【0024】
糸案内羽根10a、10bのギヤ機構の入力部には、楕円状の従動ギヤ14がその回転軸15を偏心させて設けられている。従動ギヤ14には、楕円状の原動ギヤ16がその回転軸17を偏心させて噛合されている。これら従動および原動ギヤ14、16の楕円形状は、常時噛合するようにそれぞれ成形されている。原動ギヤ16は、プーリ18やベルト19等からなる動力伝達機構20を介して、駆動モータ21によって回転駆動される。なお、動力伝達機構20は、スプロケットおよびチェーン、又はギヤトレーン等であってもよい。
【0025】
この構成によれば、駆動モータ21を一定速度で回転させると、原動ギヤ16を介して従動ギヤ14が脈動回転することになる。ここで、脈動回転とは、従動ギヤ14が1回転する間に、その角速度が変動することをいう。詳しくは、従動ギヤ14の角速度は、図1に示すように原動ギヤ16の長径部16aが従動ギヤ14の短径部14bに噛合するときに最大となり、それとは逆に原動ギヤ16の短径部16bが従動ギヤ14の長径部14aに噛合するときに最小となる。
【0026】
このように従動ギヤ14が脈動回転すると、糸案内羽根10a、10bが相互に逆方向に同速度で脈動回転し、糸1のトラバース速度がパッケージ2の軸方向に沿って変動することになる。詳しくは、糸1がパッケージ2の小径側端部2aから大径側端部2bに至り再び小径側端部2aに戻される1往復のトラバースが従動ギヤ14の1回転に相当するようにギヤ比が設定されており、糸1の1往復のトラバースの間に最大トラバース速度と最小トラバース速度とが1回ずつ生じるようになっている。
【0027】
更に詳しくは、図2に示すように、糸1がパッケージ2の小径側端部2aに位置するときに原動ギヤ16の長径部16aが従動ギヤ14の短径部14bに噛合してトラバース速度が最大となると共に、糸1がパッケージ2の大径側端部2bに位置するときに原動ギヤ16の短径部16bが従動ギヤ14の長径部14aに噛合してトラバース速度が最小となるように、従動ギヤ14および原動ギヤ16の噛合が設定されている。これにより、パッケージ2の綾角θは、小径端部側2aが最大となり、大径端部側2bが最小となる。
【0028】
以上の構成によれば、楕円状の原動ギヤ16および従動ギヤ14を用いることにより糸案内羽根10a、10bを脈動回転させてトラバース速度をコーン状のパッケージ2の軸方向に変動させると共に、上記原動ギヤ16および従動ギヤ14の噛合をトラバース速度がパッケージ2の小径側端部2aで速く大径側端部2bで遅くなるように設定したので、糸1の巻取り量がパッケージ2の小径側では少なく大径側では多くなり、形状のよい適正なコーン状のパッケージ2が得られる。
【0029】
ところで、前記羽根トラバース装置9においては、図2に示すように、糸1が小径側端部2aから大径側端部2bにトラバースされるときに徐々にトラバース速度が遅くなり、大径側端部2bから小径側端部2aにトラバースされるときに徐々にトラバース速度が速くなるが、それら速度の変化率が同一であるため、小径側端部2aから大径側端部2bにかけて巻き付けられる糸1の綾角のパターンと、大径側端部2bから小径側端部2aにかけて巻き付けられる糸1の綾角のパターンとが同じになってしまう。
【0030】
よって、巻取りが完了したコーン状のパッケージ2の糸1を次工程で解舒するとき、小径側端部2aから大径側端部2bに解舒される糸1の綾角のパターンと、大径側端部2bから小径側端部2aに解舒される糸1の綾角のパターンとが同一となり、解舒性が悪化してしまう。すなわち、解舒性を高めるためには、小径側端部2aから大径側端部2bに解舒するときの糸1の綾角を、大径側端部2bから小径側端部2aに解舒するときの糸1の綾角よりも全体的に小さくすることが望まれるが、上記実施形態では小径側端部2aから大径側端部2bへの綾角パターンと大径側端部2bから小径側端部2aへの綾角パターンとが同一なので、解舒性を高めることに関して改善の余地がある。
【0031】
これをトラバース速度の平均を用いて、分かりやすく仮想的に説明すると、次のように説明できる。すなわち、トラバース速度は、前実施形態においては、図2の綾角θに示すように、実際にはパッケージ2の軸方向に沿って変動しているが、最大トラバース速度を小径側端部2aとし最小トラバーシ速度を大径側端部2bとしたので、小径側端部2aから大径側端部2bへの平均トラバース速度と、大径側端部2bから小径側端部2aへの平均トラバース速度とは同速度となる。
【0032】
よって、その平均トラバース速度で糸1が巻き取られたと仮定してその綾角を仮想的に表すと、図4に示すように、小径側端部2aから大径側端部2bにかけて巻き付けられる糸1aの綾角と、大径側端部2bから小径側端部2aにかけて巻き付けられる糸1bの綾角とが同じになる。かかるパッケージ2の糸1を解舒することを考えると、図3に示すように、大径側端部2bから小径側端部2aに巻き付けられた糸1bを小径側端部2aから大径側端部2bに解舒するとき(解舒し難い方向)の糸1bの綾角と、小径側端部2aから大径側端部2bに巻き付けられた糸1aを大径側端部2bから小径側端部2aに解舒するとき(解舒し易い方向)の糸1aの綾角とが同角度となるため、前者の糸1bの解舒性が悪化するのである。この糸1bの解舒性を高めるためには、前者の糸1bの綾角を一点鎖線26で示すように小さくすればよい。
【0033】
そこで、本発明者は、図5に示すように、最大トラバース速度を小径側端部2aから大径側端部2bへの経路上にずらすと共に、最小トラバース速度を大径側端部2bから小径側端部2aへの経路上にずらすように、上記従動ギヤ14と原動ギヤ16との噛合位置を設定することを創案した。この実施形態の場合、原動ギヤ16と従動ギヤ14とは、図5に示すように、小径側端部2aでは原動ギヤ16の長径部16aの直前部と従動ギヤ14の短径部14bの直前部とが噛合し、大径側端部2bでは原動ギヤ16の短径部16bの直前部と従動ギヤ14の長径部14aの直前部とが噛合することになる。
【0034】
このようにギヤ14、16の噛合をセッティングすることにより、小径側端部2aから大径側端部2bへのトラバース速度の平均(図5中破線23で示す)が、大径側端部2bから小径側端部2aへのトラバース速度の平均(図5中一点鎖線24で示す)よりも、速くなる。よって、それら平均トラバース速度23、24で糸1が巻き取られたと仮定して仮想的に糸1a、1bの綾角を表すと、小径側端部2aから大径側端部2bへ巻き付けられる糸1aは図5に破線25で示すように綾角が大きくなって糸長が短くなってワインド数が減り、大径側端部2bから小径側端部2aへ巻き付けられる糸1bは図5に一点鎖線26で示すように綾角が小さくなって糸長が長くなってワインド数が増える。
【0035】
かかるパッケージ2は、小径側端部2aから大径側端部2bへ巻き付けられた糸1a(図5に破線25で示す)が大径側端部2bから小径側端部2aへ解舒され、大径側端部2bから小径側端部2aへ巻き付けられた糸1b(図5に一点鎖線26で示す)が小径側端部2aから大径側端部2bへ解舒されることになる。よって、上記パッケージ2は、図3に示すように、解舒し易い大径側端部2bから小径側端部2aに解舒するときの糸1aの綾角が破線25(図5の破線25に相当する)で示すように大きくなってさらに解舒性が高まり、解舒し難い小径側端部2aから大径側端部2bに解舒するときの糸1bの綾角が一点鎖線26(図5の一点鎖線26に相当する)で示すように小さくなって解舒性が良好となる。
【0036】
また、この実施形態にあっても、図5に示すように、最大トラバース速度をパッケージ2の小径側端部2aと中央部2cとの間に設定し、最小トラバース速度をパッケージ2の大径側端部2bと中央部2cとの間に設定したので、図2に示す前実施形態と同様に、小径側端部2aの綾角θが大径側端部2bの綾角θよりも大きくなって、小径側の糸1の巻量が大径側の糸1の巻量よりも少なくなり、形状のよい適正なコーン状のパッケージ2を得ることができる。すなわち、本実施形態においては、前実施形態と同様に形状のよい適正なコーン状のパッケージ2を得ることができるという効果を発揮できることに加え、解舒性のよいパッケージ2を得ることができるという効果をも発揮できるのである。
【0037】
また、図1に示すように、上記パッケージ2のボビンホルダ4の近傍に、パッケージ2の回転速度を検出するセンサ27を配置すると共に、そのセンサ27の出力に応じて上記駆動モータ21の回転速度を調整する制御部28を設け、制御部28によってパッケージ2の回転と糸案内羽根10a、10bの回転との関係をパッケージ2の回転速度に拘らず所定の関係に保つようにしてもよい。
【0038】
こうすれば、自動ワインダが糸1の不良部分の切断除去時にフリクションドラム5およびパッケージ2を一旦停止して糸1を接続した後、停止したフリクションドラム5を再起動させる際に、フリクションドラム5とパッケージ2とにスリップが生じてパッケージ2の回転が上がらなかったとしても、上記センサ27および制御部28によってパッケージ2の回転と糸案内羽根10a、10bの回転との関係が所定の関係に保たれるので、綾乱れのない適正なパッケージ2を形成できる。
【0039】
すなわち、通常の自動ワインダでは、綾振り溝が刻設された綾振りドラム(図示せず)をパッケージ2に接触させて回転駆動させているので、糸継ぎ時等において一旦停止させた綾振りドラムを再起動させるときに、綾振りドラムとパッケージ2との間にスリップが生じると、パッケージ2の回転が上がらない状態で綾振りだけが為されてしまうので、綾乱れが生じてしまう。
【0040】
これに対して、本実施形態では、上記センサ27および制御部28によって、パッケージ2の回転と糸案内羽根10a、10bの回転との常に所定の関係に保たれるので、糸継ぎ時にフリクションドラム5とパッケージ2との間にスリップが生じたとしても、綾乱れのない適正なパッケージ2を形成できるのである。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る羽根トラバース装置によれば、形状のよい適正なコーン状で且つ糸の解舒性に優れたパッケージが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 羽根トラバース装置の概略図である。
【図2】 上記羽根トラバース装置の原動および従動ギヤと、パッケージに巻き付けられる糸の瞬間状態と、トラバース速度との関係を示す説明図である。
【図3】 パッケージに巻き取られた糸の解舒の様子を示す説明図である。
【図4】 上記羽根トラバース装置の原動および従動ギヤと、パッケージに巻き付けられる糸の平均状態と、トラバース速度との関係を示す説明図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係る羽根トラバース装置の原動および従動ギヤと、パッケージに巻き付けられる糸の平均状態と、トラバース速度との関係を示す説明図である。
【図6】 ワインド数とパッケージの崩れ(バルジ)との関係を示す説明図であり、図6(a) はワインド数が過多であるバルジパッケージの説明図であり、図6(b) はワインド数が適正なパッケージの説明図である。
【図7】 ワインド数と糸の解舒性との関係を示す説明図であり、図7(a) はワインド数の少ないパッケージから糸を解舒した様子を示す説明図であり、図7(b) はワインド数の多いパッケージから糸を解舒した様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 糸
2 パッケージ
2a 小径側端部
2b 大径側端部
2c 中央部
10a 糸案内羽根
10b 糸案内羽根
14 従動ギヤ
16 原動ギヤ
21 駆動モータ
27 センサ
28 制御部

Claims (3)

  1. 相互に逆回転される2枚の糸案内羽根と、該糸案内羽根の入力部に設けられた楕円状の従動ギヤと、該従動ギヤに噛合されて駆動モータの出力部に設けられた楕円状の原動ギヤとを備え、上記ギヤによって上記糸案内羽根を脈動回転させてトラバース速度をコーン状のパッケージの軸方向に変動させるようにした羽根トラバース装置であって、
    上記ギヤの噛合は、上記糸案内羽根によるトラバース速度が上記パッケージの小径側で速く大径側で遅くなるように設定され、且つ最小トラバース速度が上記パッケージの大径側から小径側へ向かう経路上に位置すると共に、最大トラバース速度が小径側から大径側へ向かう経路上に位置するように設定されたことを特徴とする羽根トラバース装置。
  2. 上記ギヤの噛合は、上記最小トラバース速度が上記パッケージの大径側端部と中央部との間に位置し、上記最大トラバース速度が上記パッケージの小径側端部と中央部との間に位置するように、設定された請求項1記載の羽根トラバース装置。
  3. 上記パッケージの回転速度を検出するセンサと、該センサの出力に応じて上記駆動モータの回転速度を調節する制御部とを備え、該制御部がパッケージの回転と糸案内羽根の回転との関係をパッケージの回転速度に拘らず保つものである請求項1又は2記載の羽根トラバース装置。
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