JP3663800B2 - 自動ワインダーにおける毛羽抑制装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動ワインダーにおける紡績糸の巻き返し時に毛羽の発生を抑制する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
互いに交叉して圧接される軟質、且つ、中空の2つのニップローラーによって紡績糸に仮撚を掛け、紡績糸の毛羽を伏せる装置を備えた自動ワインダーがある。この種の自動ワインダーは、巻き取られるパッケージはチーズパッケージであって、給糸パッケージの糸を綾振ドラムで綾振りさせ、一定の速度でニップローラーを回転させて巻き取っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の自動ワインダーにおける毛羽抑制装置では、糸をコーンパッケージに巻き取る場合、コーンパッケージと綾振りドラムとの接触部、即ち、綾振りドラムによるコーンパッケージのドライビングポイントが、パッケージ径の増加と共に大径側から小径側へ移動するといった問題があった。そのため、巻き取られるコーンパッケージ径の増加と共に、糸速度、糸張力が増大するのに対しニップローラーの回転速度が変わらないため、撚りが追従せず、毛羽を抑制することができないといった問題を引き起こし、さらに糸切れも発生させるといった問題も引き起こしていた。
【0004】
本発明の目的は、従来のこのような欠点を解決し、糸が巻き取られるコーンパッケージ径の増加に伴い、ニップローラーの回転速度を変化させてニップローラーの回転速度を制御し、毛羽を確実に抑制することができる自動ワインダーにおける毛羽抑制装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の自動ワインダーにおける毛羽抑制装置は、一対のニップローラーを糸道に設け、該ニップローラー間に糸をニップして毛羽を抑制してコーンパッケージに巻き取る自動ワインダーにおける毛羽抑制装置において、巻取りパッケージ径の増加に伴いニップローラーの回転速度を変化させるニップローラーの回転速度制御手段を設けるようにしたものである
【0006】
また、回転速度制御手段が、位置変更可能のプーリーと、該プーリーと駆動ドラムのプーリーとの間に掛け渡されたベルトと、ニップローラーに取付けられた作用半径変更可能の変速プーリーと、該プーリーと位置変更可能プーリーとの間に掛け渡されたベルトとからなる回転力伝達部と、コーンパッケージを支持するクレードルの回動により位置変更可能のプーリーの位置を変更する位置変更機構とから構成されるようにする。
【0007】
さらに、位置変更機構は、中間部の基点軸近傍に位置変更可能プーリーを支持し、一端を基点軸に回動可能に支持された揺動レバーと、コーンパッケージを支持するクレードルと一体に回動し、前記揺動レバーの他端と一端がリンクするレバー部材とからなる。
【0008】
上記のように構成された自動ワインダーにおける毛羽抑制装置においては、巻取りコーンパッケージ径の増加と共に回動するクレードルの回動が、位置変更機構により、位置変更可能のプーリーを回動させ、位置変更可能プーリーの位置変更が作用半径可能なプーリーの作用半径を小さくし、ニップローラーの回転速度を上げる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自動ワインダーにおける毛羽抑制装置の実施の形態について、図面を参照しつつ、説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態の毛羽抑制装置を組み込んだ自動ワインダーの斜視図である。本発明の自動ワインダーにおける毛羽抑制装置は、図1に示す自動ワインダー、即ち、紡績糸の巻かれている給糸パッケージ1から糸Yを引出し、順に、バルーンブレーカ(不図示)、テンサー2、テンサー6、ヤ−ンフィラー3、綾振ドラム7を経てコーンパッケージ8に巻取る自動ワインダーにおけるテンサー6の下流側に配備される一対のニップローラー5及び連動機構50とから主に構成されるものである。
【0011】
コーンパッケージ8は、クレードル30に回転自在に支持されると共に、クレードル30の図示しない接圧手段により、綾振りドラム7に押圧されている。クレードル30は支点32(図5参照)に回動自在に支持されている。
【0012】
次に、ニップローラー5について述べる。図2は、毛羽抑制装置を構成するニップローラーの斜視図である。図4に、毛羽抑制装置を構成するニップローラーの断側面図が示されている。各ニップローラー5は、軟質ゴム等よりなる中空のものである。これらは、回転軸が交叉した状態で運転時に互いに圧接される。糸Yは各ニップローラー5のニップ部を各回転軸に対してある傾斜角度(好ましくは45°)となるように通される。
【0013】
後述する機構により駆動するニップローラー駆動軸12は、フレームFに取り付けられたベアリング12aに軸支されている。ニップローラー駆動軸12の端部にはプーリー13が取り付けられている。ニップローラー駆動軸12の上方に、回転軸11が平行となるように設けられ、上下のニップローラー5は直角方向に配備さえている。
【0014】
回動軸11は、フレームFに取り付けられたベアリング11aに軸支されている。回動軸11の端部には、プーリー15が取り付けられている。プーリー15とプーリー13には、ベルト14が掛けられている。下側のニップローラー5と上側のニップローラー5は、直角の位置にあり互いに接触している。上側のニップローラー5の回動軸17aは、下側のニップローラー5と同様、フレームFの部分に取り付けられた図示しないベアリングに軸支されている。回動軸17aには、プーリー17が取り付けられている。ニップローラー駆動軸12には、かさ歯歯車が取り付けられている。かさ歯歯車12cに噛み合うように、かさ歯歯車12cと直角の位置にかさ歯歯車17dが、設けられている。かさ歯歯車17dは、軸17cに取り付けられている。軸17cは、ニップローラー12cと同様、フレームFの部分に取り付けられた図示しないベアリングに軸支されている。軸17cには、ニップローラー駆動軸12と同様、プーリー17bが取り付けられている。プーリー17bとプーリー17にベルト16が掛けられている。
【0015】
ニップローラー駆動軸12が回転すると、プーリー13が回転し、ベルト14を介してプーリー15が回転し、それに伴い回動軸11を介して下側のニップローラー5が回転する。ニップローラー駆動軸12が回転すると、かさ歯歯車12cが回転し、その回転によりかさ歯歯車17dが回転してプーリー17b、ベルト16を介してプーリー17が回転し、回動軸17aを介して上側のニップローラー5が下側のニップローラー5と接触しながら回転する。
【0016】
これら上下の各ニップローラー5が回転すると、紡績糸Yには仮撚が掛けられて毛羽が撚り込まれることにより、毛羽伏せされ、同時に送りの分力が与えられる。
【0017】
次に、図3および図5を主に参照し、ニップローラーの回転速度制御手段50について説明する。回転速度制御手段50は、位置変更機構51と回転力伝達部52とから構成されている。回転力伝達部52は、位置変更可能プーリー24と、位置変更可能プーリー24と駆動ドラム7のプーリー7aとの間に掛け渡されたベルト27と、ニップローラー5に取付けられた作用半径変更可能の変速プーリー19と、変速プーリー19と位置変更可能プーリー24との間に掛け渡されたベルト26とからなる。位置変更機構51は、コーンパッケージ8の径の増加と共に支点32を中心に回動するクレードル30によって、回転力伝達部52の位置変更可能プーリー24を回動させる。
【0018】
先ず、回転速度制御手段50の回転力伝達部52について述べる。
図3に示すように、ニップローラー駆動軸12は、軸受18を介してフレームFに軸支されている。ニップローラー駆動軸12の端部には変速プーリー19を構成する固定部19aが固定されている。更に、同駆動軸12には、変速プーリー19を構成するもう一方の摺動部19bが挿通され、コイルバネ20によって固定部19aに圧接されている。なお、変速プーリー19は、フレームFの裏側に存在し、表側には、ニップローラー5等が存在している。
【0019】
図3に示すように、変速プーリー19を構成する固定部19a及び摺動部19bの各対向面は、中心より円周に向かうほど直線的に反対側の面に向けて厚さを減少させている。従って、固定軸19aと摺動部19bとの間には、V字状の間隔が形成され、台形ベルト26の案内溝となる。
【0020】
また、図3に示すように、ニップローラー駆動軸12の上方のフレームFには、基点軸21が固定されており、その基点軸21には、揺動レバー22の端部が回動可能に支持されている。
【0021】
図5に示すように、揺動レバー22の中間部の基点軸21近傍には、軸23が突設されており、その軸23には位置変更可能プーリー24が軸受25を介して回転可能に支持されている。このプーリー24には、変速プーリー19との間に掛け渡される台形ベルト26及び綾振ドラム7の軸に固定されているプーリー7aとの間に掛け渡される丸ベルト27を案内するための2つの溝24a、24bが周囲に並んで設けられている。
【0022】
次に、位置変更機構51について述べる。上述のように、位置変更機構51はコーンパッケージ8の径の増加と共に回動するクレードル30の回動によって、回転力伝達部52の位置変更可能プーリー24を回動させるものである。図5に示すように、位置変更機構51は、中間部の基点軸23近傍に位置変更可能プーリー24を支持し、一端を基点軸21に回動可能に支持された揺動レバー22と、一端にピン33が設けられたレバー部材31と、揺動レバー22の中央に一端が引っ掛けられ、他端はフレームF(図1参照)に引っ掛けられたスプリング22bとから構成されている。レバー部材31は、支点32を中心にクレードル30と一体に回動し、一端に設けられたピン33により、揺動レバー22とリンクしている。スプリング22bは、揺動レバー22の一端22aをレバー部材31のピン33に押圧している。
【0023】
図5に示すように、揺動レバー22の基点軸21側の中間部に軸23が設けられ、軸23に位置変更可能プーリー24が支持されている。クレードル支点32にレバー部材31が回動自在に支持されている。クレードルとレバー部材31は、一体に回動するようになっている。レバー部材31の先端部には、図5中紙面垂直方向にピン33が立設さられている。ピン33には、揺動レバー22の揺動レバー22a部が載せられている。
【0024】
次に、回転速度制御手段50の動作について述べる。綾振りドラム7のプーリー7aは、常時回転しており、巻取り時に回転しており、丸ベルト27を介して位置変更可能プーリー24に駆動が伝達されている。変速プーリー19は、台形ベルト26を介して位置変更可能プーリー24から回転が伝達されている。
【0025】
図5に示される矢印は、ボビンに糸を巻き、コーンパッケージ8の径が増大する状態を示している。コーンパッケージ8の径が増大すると、クレードルに連結されたレバー部材31がクレードル支点32を中心に図5中時計方向に回動し始める。それにより、ピン33部が揺動レバー22aを押し、揺動レバー22は基点軸21を中心に図5中反時計方向に回転する。そのため揺動レバー22の反時計方向の回動により、位置変更可能プーリー24は変速プーリー19から遠ざかる方向に移動することになる。そのため、台形ベルト26が引っ張られ変速プーリー19のプーリーに台形ベルト26が食い込むことになり、台形ベルト26と変速プーリー19の接触部が小径となり、変速プーリー19の回転速度が高くなる。
【0026】
それに伴いニップローラー駆動軸12に連結されたニップローラーの回転速度が高くなる。即ち、巻き取りボビン径が増大するに従ってニップローラーの回転速度が速くなるようになっている。そのため、巻き取りパッケージがコーンパッケージであって、巻き取られるパッケージ径が大きくなるに従って、糸速が増大してもそれに追随してニップローラーの回転が速くなり、毛羽を抑制することが可能になる。
【0027】
上記のように構成された自動ワインダーにおける毛羽抑制装置においては、コーンパッケージ8の径の増加と共に回動するクレードル30の回動が、位置変更機構51により、位置変更可能プーリー24を回動させ、位置変更可能プーリー24の位置変更が作用半径可能な変速プーリー19の作用半径を小さくし、ニップローラー5の回転速度を上げる。
【0028】
尚、上記実施の形態では、ニップローラー制御手段が回転速度制御手段である場合を説明したが、例えばニップローラーに別の駆動源を設け、駆動源をインバーター制御し、糸速度に合わせてニップローラーの回転速度を制御してコーンパッケージに巻き取る等であっても、本発明を同様に適用することができる。
【0029】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明により、コーンパッケージ径の増加に伴う糸速度、糸張力増加に追従してニップローラーの回転速度を増加させ、糸速度、糸張力に応じて毛羽を抑制することができる。常に適正な張力で糸を走行させ、糸切れも防止することができる。
【0030】
請求項2の発明により、パッケージに支持するクレードルの回動によりパッケージ径の増加を計り、それを変速プーリーに連動し、ニップローラーの回転を増加させているため、正確、且つ、確実に糸張力、糸速度を制御することができる。さらに、安価な機構部とすることができる。
【0031】
請求項3の発明により、簡易なリンク機構により、クレードルの回動をプーリー部の位置変更に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の毛羽抑制装置を組み込んだ自動ワインダーの斜視図である。
【図2】毛羽抑制装置を構成するニップローラーの斜視図である。
【図3】毛羽抑制装置を構成する回転速度制御手段主部を正面から見た断面図である。
【図4】毛羽抑制装置を構成するニップローラーを示す側面図の断面図である。
【図5】毛羽抑制装置を構成する回転速度制御手段主要部材を示す側面図である。
【符号の説明】
5 ニップローラー
7 綾振ドラム
8 コーンパッケージ
19 変速プーリー
21 基点軸
22 揺動レバー
22a 揺動レバー端部
24 位置変更可能プーリー
26 台形ベルト
27 丸ベルト
30 クレードル
31 レバ−部材
32 クレードル支点
33 ピン
50 回転速度制御手段
51 位置変更機構
52 回転力伝達部
Y 紡績糸
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動ワインダーにおける紡績糸の巻き返し時に毛羽の発生を抑制する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
互いに交叉して圧接される軟質、且つ、中空の2つのニップローラーによって紡績糸に仮撚を掛け、紡績糸の毛羽を伏せる装置を備えた自動ワインダーがある。この種の自動ワインダーは、巻き取られるパッケージはチーズパッケージであって、給糸パッケージの糸を綾振ドラムで綾振りさせ、一定の速度でニップローラーを回転させて巻き取っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の自動ワインダーにおける毛羽抑制装置では、糸をコーンパッケージに巻き取る場合、コーンパッケージと綾振りドラムとの接触部、即ち、綾振りドラムによるコーンパッケージのドライビングポイントが、パッケージ径の増加と共に大径側から小径側へ移動するといった問題があった。そのため、巻き取られるコーンパッケージ径の増加と共に、糸速度、糸張力が増大するのに対しニップローラーの回転速度が変わらないため、撚りが追従せず、毛羽を抑制することができないといった問題を引き起こし、さらに糸切れも発生させるといった問題も引き起こしていた。
【0004】
本発明の目的は、従来のこのような欠点を解決し、糸が巻き取られるコーンパッケージ径の増加に伴い、ニップローラーの回転速度を変化させてニップローラーの回転速度を制御し、毛羽を確実に抑制することができる自動ワインダーにおける毛羽抑制装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の自動ワインダーにおける毛羽抑制装置は、一対のニップローラーを糸道に設け、該ニップローラー間に糸をニップして毛羽を抑制してコーンパッケージに巻き取る自動ワインダーにおける毛羽抑制装置において、巻取りパッケージ径の増加に伴いニップローラーの回転速度を変化させるニップローラーの回転速度制御手段を設けるようにしたものである
【0006】
また、回転速度制御手段が、位置変更可能のプーリーと、該プーリーと駆動ドラムのプーリーとの間に掛け渡されたベルトと、ニップローラーに取付けられた作用半径変更可能の変速プーリーと、該プーリーと位置変更可能プーリーとの間に掛け渡されたベルトとからなる回転力伝達部と、コーンパッケージを支持するクレードルの回動により位置変更可能のプーリーの位置を変更する位置変更機構とから構成されるようにする。
【0007】
さらに、位置変更機構は、中間部の基点軸近傍に位置変更可能プーリーを支持し、一端を基点軸に回動可能に支持された揺動レバーと、コーンパッケージを支持するクレードルと一体に回動し、前記揺動レバーの他端と一端がリンクするレバー部材とからなる。
【0008】
上記のように構成された自動ワインダーにおける毛羽抑制装置においては、巻取りコーンパッケージ径の増加と共に回動するクレードルの回動が、位置変更機構により、位置変更可能のプーリーを回動させ、位置変更可能プーリーの位置変更が作用半径可能なプーリーの作用半径を小さくし、ニップローラーの回転速度を上げる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自動ワインダーにおける毛羽抑制装置の実施の形態について、図面を参照しつつ、説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態の毛羽抑制装置を組み込んだ自動ワインダーの斜視図である。本発明の自動ワインダーにおける毛羽抑制装置は、図1に示す自動ワインダー、即ち、紡績糸の巻かれている給糸パッケージ1から糸Yを引出し、順に、バルーンブレーカ(不図示)、テンサー2、テンサー6、ヤ−ンフィラー3、綾振ドラム7を経てコーンパッケージ8に巻取る自動ワインダーにおけるテンサー6の下流側に配備される一対のニップローラー5及び連動機構50とから主に構成されるものである。
【0011】
コーンパッケージ8は、クレードル30に回転自在に支持されると共に、クレードル30の図示しない接圧手段により、綾振りドラム7に押圧されている。クレードル30は支点32(図5参照)に回動自在に支持されている。
【0012】
次に、ニップローラー5について述べる。図2は、毛羽抑制装置を構成するニップローラーの斜視図である。図4に、毛羽抑制装置を構成するニップローラーの断側面図が示されている。各ニップローラー5は、軟質ゴム等よりなる中空のものである。これらは、回転軸が交叉した状態で運転時に互いに圧接される。糸Yは各ニップローラー5のニップ部を各回転軸に対してある傾斜角度(好ましくは45°)となるように通される。
【0013】
後述する機構により駆動するニップローラー駆動軸12は、フレームFに取り付けられたベアリング12aに軸支されている。ニップローラー駆動軸12の端部にはプーリー13が取り付けられている。ニップローラー駆動軸12の上方に、回転軸11が平行となるように設けられ、上下のニップローラー5は直角方向に配備さえている。
【0014】
回動軸11は、フレームFに取り付けられたベアリング11aに軸支されている。回動軸11の端部には、プーリー15が取り付けられている。プーリー15とプーリー13には、ベルト14が掛けられている。下側のニップローラー5と上側のニップローラー5は、直角の位置にあり互いに接触している。上側のニップローラー5の回動軸17aは、下側のニップローラー5と同様、フレームFの部分に取り付けられた図示しないベアリングに軸支されている。回動軸17aには、プーリー17が取り付けられている。ニップローラー駆動軸12には、かさ歯歯車が取り付けられている。かさ歯歯車12cに噛み合うように、かさ歯歯車12cと直角の位置にかさ歯歯車17dが、設けられている。かさ歯歯車17dは、軸17cに取り付けられている。軸17cは、ニップローラー12cと同様、フレームFの部分に取り付けられた図示しないベアリングに軸支されている。軸17cには、ニップローラー駆動軸12と同様、プーリー17bが取り付けられている。プーリー17bとプーリー17にベルト16が掛けられている。
【0015】
ニップローラー駆動軸12が回転すると、プーリー13が回転し、ベルト14を介してプーリー15が回転し、それに伴い回動軸11を介して下側のニップローラー5が回転する。ニップローラー駆動軸12が回転すると、かさ歯歯車12cが回転し、その回転によりかさ歯歯車17dが回転してプーリー17b、ベルト16を介してプーリー17が回転し、回動軸17aを介して上側のニップローラー5が下側のニップローラー5と接触しながら回転する。
【0016】
これら上下の各ニップローラー5が回転すると、紡績糸Yには仮撚が掛けられて毛羽が撚り込まれることにより、毛羽伏せされ、同時に送りの分力が与えられる。
【0017】
次に、図3および図5を主に参照し、ニップローラーの回転速度制御手段50について説明する。回転速度制御手段50は、位置変更機構51と回転力伝達部52とから構成されている。回転力伝達部52は、位置変更可能プーリー24と、位置変更可能プーリー24と駆動ドラム7のプーリー7aとの間に掛け渡されたベルト27と、ニップローラー5に取付けられた作用半径変更可能の変速プーリー19と、変速プーリー19と位置変更可能プーリー24との間に掛け渡されたベルト26とからなる。位置変更機構51は、コーンパッケージ8の径の増加と共に支点32を中心に回動するクレードル30によって、回転力伝達部52の位置変更可能プーリー24を回動させる。
【0018】
先ず、回転速度制御手段50の回転力伝達部52について述べる。
図3に示すように、ニップローラー駆動軸12は、軸受18を介してフレームFに軸支されている。ニップローラー駆動軸12の端部には変速プーリー19を構成する固定部19aが固定されている。更に、同駆動軸12には、変速プーリー19を構成するもう一方の摺動部19bが挿通され、コイルバネ20によって固定部19aに圧接されている。なお、変速プーリー19は、フレームFの裏側に存在し、表側には、ニップローラー5等が存在している。
【0019】
図3に示すように、変速プーリー19を構成する固定部19a及び摺動部19bの各対向面は、中心より円周に向かうほど直線的に反対側の面に向けて厚さを減少させている。従って、固定軸19aと摺動部19bとの間には、V字状の間隔が形成され、台形ベルト26の案内溝となる。
【0020】
また、図3に示すように、ニップローラー駆動軸12の上方のフレームFには、基点軸21が固定されており、その基点軸21には、揺動レバー22の端部が回動可能に支持されている。
【0021】
図5に示すように、揺動レバー22の中間部の基点軸21近傍には、軸23が突設されており、その軸23には位置変更可能プーリー24が軸受25を介して回転可能に支持されている。このプーリー24には、変速プーリー19との間に掛け渡される台形ベルト26及び綾振ドラム7の軸に固定されているプーリー7aとの間に掛け渡される丸ベルト27を案内するための2つの溝24a、24bが周囲に並んで設けられている。
【0022】
次に、位置変更機構51について述べる。上述のように、位置変更機構51はコーンパッケージ8の径の増加と共に回動するクレードル30の回動によって、回転力伝達部52の位置変更可能プーリー24を回動させるものである。図5に示すように、位置変更機構51は、中間部の基点軸23近傍に位置変更可能プーリー24を支持し、一端を基点軸21に回動可能に支持された揺動レバー22と、一端にピン33が設けられたレバー部材31と、揺動レバー22の中央に一端が引っ掛けられ、他端はフレームF(図1参照)に引っ掛けられたスプリング22bとから構成されている。レバー部材31は、支点32を中心にクレードル30と一体に回動し、一端に設けられたピン33により、揺動レバー22とリンクしている。スプリング22bは、揺動レバー22の一端22aをレバー部材31のピン33に押圧している。
【0023】
図5に示すように、揺動レバー22の基点軸21側の中間部に軸23が設けられ、軸23に位置変更可能プーリー24が支持されている。クレードル支点32にレバー部材31が回動自在に支持されている。クレードルとレバー部材31は、一体に回動するようになっている。レバー部材31の先端部には、図5中紙面垂直方向にピン33が立設さられている。ピン33には、揺動レバー22の揺動レバー22a部が載せられている。
【0024】
次に、回転速度制御手段50の動作について述べる。綾振りドラム7のプーリー7aは、常時回転しており、巻取り時に回転しており、丸ベルト27を介して位置変更可能プーリー24に駆動が伝達されている。変速プーリー19は、台形ベルト26を介して位置変更可能プーリー24から回転が伝達されている。
【0025】
図5に示される矢印は、ボビンに糸を巻き、コーンパッケージ8の径が増大する状態を示している。コーンパッケージ8の径が増大すると、クレードルに連結されたレバー部材31がクレードル支点32を中心に図5中時計方向に回動し始める。それにより、ピン33部が揺動レバー22aを押し、揺動レバー22は基点軸21を中心に図5中反時計方向に回転する。そのため揺動レバー22の反時計方向の回動により、位置変更可能プーリー24は変速プーリー19から遠ざかる方向に移動することになる。そのため、台形ベルト26が引っ張られ変速プーリー19のプーリーに台形ベルト26が食い込むことになり、台形ベルト26と変速プーリー19の接触部が小径となり、変速プーリー19の回転速度が高くなる。
【0026】
それに伴いニップローラー駆動軸12に連結されたニップローラーの回転速度が高くなる。即ち、巻き取りボビン径が増大するに従ってニップローラーの回転速度が速くなるようになっている。そのため、巻き取りパッケージがコーンパッケージであって、巻き取られるパッケージ径が大きくなるに従って、糸速が増大してもそれに追随してニップローラーの回転が速くなり、毛羽を抑制することが可能になる。
【0027】
上記のように構成された自動ワインダーにおける毛羽抑制装置においては、コーンパッケージ8の径の増加と共に回動するクレードル30の回動が、位置変更機構51により、位置変更可能プーリー24を回動させ、位置変更可能プーリー24の位置変更が作用半径可能な変速プーリー19の作用半径を小さくし、ニップローラー5の回転速度を上げる。
【0028】
尚、上記実施の形態では、ニップローラー制御手段が回転速度制御手段である場合を説明したが、例えばニップローラーに別の駆動源を設け、駆動源をインバーター制御し、糸速度に合わせてニップローラーの回転速度を制御してコーンパッケージに巻き取る等であっても、本発明を同様に適用することができる。
【0029】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明により、コーンパッケージ径の増加に伴う糸速度、糸張力増加に追従してニップローラーの回転速度を増加させ、糸速度、糸張力に応じて毛羽を抑制することができる。常に適正な張力で糸を走行させ、糸切れも防止することができる。
【0030】
請求項2の発明により、パッケージに支持するクレードルの回動によりパッケージ径の増加を計り、それを変速プーリーに連動し、ニップローラーの回転を増加させているため、正確、且つ、確実に糸張力、糸速度を制御することができる。さらに、安価な機構部とすることができる。
【0031】
請求項3の発明により、簡易なリンク機構により、クレードルの回動をプーリー部の位置変更に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の毛羽抑制装置を組み込んだ自動ワインダーの斜視図である。
【図2】毛羽抑制装置を構成するニップローラーの斜視図である。
【図3】毛羽抑制装置を構成する回転速度制御手段主部を正面から見た断面図である。
【図4】毛羽抑制装置を構成するニップローラーを示す側面図の断面図である。
【図5】毛羽抑制装置を構成する回転速度制御手段主要部材を示す側面図である。
【符号の説明】
5 ニップローラー
7 綾振ドラム
8 コーンパッケージ
19 変速プーリー
21 基点軸
22 揺動レバー
22a 揺動レバー端部
24 位置変更可能プーリー
26 台形ベルト
27 丸ベルト
30 クレードル
31 レバ−部材
32 クレードル支点
33 ピン
50 回転速度制御手段
51 位置変更機構
52 回転力伝達部
Y 紡績糸
Claims (3)
- 一対のニップローラーを糸道に設け、該ニップローラー間に糸をニップして毛羽を抑制してコーンパッケージに巻き取る自動ワインダーにおける毛羽抑制装置において、コーンパッケージ径の増加に伴いニップローラーの回転速度を変化させるニップローラーの回転速度制御手段を設けたことを特徴とする自動ワインダーにおける毛羽抑制装置。
- 回転速度制御手段が、位置変更可能のプーリーと、該プーリーと駆動ドラムのプーリーとの間に掛け渡されたベルトと、ニップローラーに取付けられた作用半径変更可能の変速プーリーと、該プーリーと位置変更可能プーリーとの間に掛け渡されたベルトとからなる回転力伝達部と、コーンパッケージを支持するクレードルの回動により位置変更可能のプーリーの位置を変更する位置変更機構とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の自動ワインダーにおける毛羽抑制装置。
- 位置変更機構は、中間部の基点軸近傍に位置変更可能プーリーを支持し、一端を基点軸に回動可能に支持された揺動レバーと、コーンパッケージを支持するクレードルと一体に回動し、前記揺動レバーの他端と一端がリンクするレバー部材とからなることを特徴とする請求項2に記載の自動ワインダーにおける毛羽抑制装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01270197A JP3663800B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 自動ワインダーにおける毛羽抑制装置 |
| EP97123032A EP0855457A3 (en) | 1997-01-27 | 1997-12-31 | Fluff suppressing device for an automatic winding machine |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01270197A JP3663800B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 自動ワインダーにおける毛羽抑制装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10203727A JPH10203727A (ja) | 1998-08-04 |
| JP3663800B2 true JP3663800B2 (ja) | 2005-06-22 |
Family
ID=11812710
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP01270197A Expired - Fee Related JP3663800B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 自動ワインダーにおける毛羽抑制装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3663800B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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|---|---|---|---|---|
| CN115323515B (zh) * | 2022-09-20 | 2024-07-30 | 浙江中泽新材料有限公司 | 一种包覆改性涤纶丝的纺丝装置及不间断纺丝方法 |
-
1997
- 1997-01-27 JP JP01270197A patent/JP3663800B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10203727A (ja) | 1998-08-04 |
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