JP3817745B2 - Smc・bmc成形材料用アクリル系樹脂組成物、成形材料及び成形品 - Google Patents

Smc・bmc成形材料用アクリル系樹脂組成物、成形材料及び成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、SMC(Sheet Molding Compound)・BMC(Bulk Molding Compound)の製造時に、常温でも容易に成形可能な粘度まで増粘することができる増粘性に優れたSMC・BMC成形材料用アクリル系樹脂組成物、アクリル系SMC及びBMC成形材料、さらに質感、耐候性・耐水性に優れた洗面化粧台やキッチンカウンター・壁材等の成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、加圧加熱成形用樹脂組成物に用いられる熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂が一般的に知られている。加圧加熱成形に使用されるSMC・BMCなどの成形材料は、一体成形が容易でデザイン性が特に優れ、成形速度も速く、寸法精度や品質の安定化を図ることができる。また、近年問題となっている成形作業環境の改善にもつながる為、従来のハンドレイアップ成形材料やスプレーアップ成形材料に代わるものとなっている。
【0003】
また、一般的なSMCとBMCの製造方法としては、不飽和ポリエステル樹脂にフィラー、強化材、重合開始剤、増粘剤などを配合して形状をシート状かバルク状にする方法が知られている。その際、配合後のコンパウンドをプレス成形可能な粘度まで増粘させる必要がある。その増粘方法としては、酸化マグネシウム等の酸化物を用いる方法、イソシアン酸エステルを用いるウレタン増粘法がよく知られている。
【0004】
更に、特開昭57−65711号公報のように、金属酸化物と不飽和エポキシ樹脂からなる組成物による方法や、特開昭62−9605号公報のようなアルカリ土類金属のキレートによる方法が開示されている。アクリル系樹脂の場合、例えば、特開昭第57−31912号公報に示すように、架橋型アクリルシラップ、酸化マグネシウムなどの増粘剤、重合開始剤、必要に応じて充填剤、離型剤、着色剤などの成分からなるコンパウンドをポリエチレンフィルム等に包み、熟成して粘着性を除去し成形性を向上させたシート状叉はバルク状して製造する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題】
上述のBMC・SMCの製造で問題となるのは、コンパウンドの増粘方法である。不飽和ポリエステル系樹脂の増粘方法のウレタン増粘を用いる場合は、樹脂中の水酸基価を調整することにより粘度を調節する事が不可欠であり困難である

【0006】
また、金属キレートによる増粘は増粘挙動が調整し難く、成形時の流動性に大きく影響を与えて制御しにくいという欠点がある。また、アクリル単量体からのアクリル系樹脂に用いられる金属酸化物を増粘剤として用いる場合においては、40℃で数日間程度余分な熟成が必要であるという問題がある。
【0007】
本発明は、配合後のコンパウンド粘度を余分な熟成をほとんど必要としない、成形可能な状態まで常温で容易に増粘することができる、即ち増粘性、成形性に優れるSMC・BMC成形材料用アクリル系樹脂組成物、成形材料及び耐候性、耐水性、質感に優れる成形品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる欠点を改善すべく鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂組成中に末端に少なくても1個以上のカルボキシル基を有する長鎖(メタ)アクリル酸エステルを導入することにより、余分な熟成を必要としない、常温でも成形可能な粘度まで非常に速く増粘できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は(a)(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び、(b)末端に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有する長鎖(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)と、重合性単量体(B)からなり、前記長鎖(メタ)アクリル酸エステル(b)が、(メタ)アクリル酸系単量体にラクトンを開環重合させた数平均分子量が150〜2000の末端カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることを特徴とするSMC・BMC成形材料用アクリル系樹脂組成物さらに好ましくは(1)(メタ)アクリル酸にε−カプロラクトンを開環重合させた数平均分子量が150〜2000の末端カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、または(2)(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルにε−カプロラクトンを開環重合させた(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルに多価カルボン酸を付加させた数平均分子量150〜2000の末端カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであること、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の構成成分である(a):(b)が、重量基準で80〜99.5:0.5〜20であること、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)の数平均分子量が、3000〜100000であること、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)と、重合性不飽和単量体(B)が、重量基準で20〜80:20〜80からなるアクリル系樹脂(C)であること、更にはそれを用いたSMC・BMC成形材料・成形品を提供するものである。
【0010】
(構成)
本発明で使用されるアクリル系樹脂組成物の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)の構成成分である(メタ)アクリル酸エステル系単量体(a)としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート等が挙げられる。
【0011】
また、末端に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有する長鎖(メタ)アクリル酸エステル(b)としては(メタ)アクリル酸系単量体にラクトンを開環重合させた数平均分子量が150〜2000の末端カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、好ましくは(1)(メタ)アクリル酸にε−カプロラクトンを開環重合させた数平均分子量が150〜2000の末端カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、又は、(2)(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルにε−カプロラクトンを開環重合させた(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルに、多価カルボン酸を縮合反応させた数平均分子量150〜2000の末端カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。これらの市販品としては、例えば、東亜合成化学(株)製の「アロニックス M5300」が特に代表的なものである。
【0012】
(2)の場合の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルとは、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。又、多価カルボン酸とは、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバジン酸、コハク酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸等が挙げられる。
【0013】
これら(a)及び(b)の構成成分からなる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)は、好ましくは重量基準で(a):(b)=80〜99.5:0.5〜20(重量%)、より好ましくは90〜99:1.0〜10(重量%)で構成される。なお、その(b)の使用量が0.5重量%未満であると増粘速度が極端に遅くなり作業性に問題が生じ、一方20重量%を越えると増粘速度が速くなり最終粘度も高くなり、プレス成形時の金型内での流動性が失われるので好ましくはない。
【0014】
以上のようなアクリル系樹脂原料(a)と(b)とにより、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)は構成され、塊状重合、懸濁重合法等の一般的な重合法により得られる。その数平均分子量は、好ましくは3000〜100000のものである。より好ましくは、数平均分子量5000〜50000のものである。3000未満であるとアクリルシラップの粘度が低すぎるので初期粘度も下がり作業性が悪くなり、100000を越えると初期粘度が高くSMC・BMCの混練が困難になる。
【0015】
また、塊状重合の場合には、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(a)を重合性不飽和単量体(B)の代用として使用できるものである。しかしながら、懸濁重合の場合は得られたパール状のアクリル樹脂を洗浄後、乾燥させた後に重合性不飽和単量体(B)に溶解する必要がある。
【0016】
その重合性不飽和単量体(B)としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類の中から選ばれた1種類以上の(メタ)アクリル酸エステルであり、必要により上記(メタ)アクリル酸エステル類と共重合可能な他の重合性単量体、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、メタアクリル酸アミド、炭素数1〜4のアルキル基を有するマレイン酸エステル及びフマル酸エステル等を併用しても良い。
【0017】
また、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)と重合性不飽和単量体(B)とは、好ましくは重量基準で20〜80:20〜80、より好ましくは30〜70:30〜70(重量%)からなるように溶解させてアクリルシラップを得ることができる。すなわち、(B)が20重量%未満では、シラップの粘度が高くなりSM・BMC配合時の混練が困難になり、80重量%を越えるとシラップ粘度が低下して初期増粘性が極端に遅くなり作業性が低下する。
【0018】
本発明に使用可能な多官能単量体(C)としては、好ましくは分子内に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体で、例えば、1,3−プロピルグリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート(BG)、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(HD)、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジメチロールエタンジメタクリレート、1,1−ジメチロールプロパンジメタクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート(TMET)、トリメチロールプロパントリアクリレート(A−TMPT)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)等が挙げられる。
【0019】
前記多官能単量体(C)は、前記(A)(B)からなるアクリル系樹脂組成物(アクリルシラップとも称する)に対して好ましくは1〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%配合して部分架橋重合に供せられる。すなわち、1重量%未満では強度的にあまり効果がなく、一方20重量%を越えると架橋が進行して脆くなり、物性的が低下するという問題が生じる。
【0020】
また、本発明において、更に成形品の強度を高める場合、無機充填剤(D)を配合することが好ましい。無機充填剤(D)としては、特に限定される物ではないが、例えば、炭酸カルシウム、クレー、アルミナ粉、硅石粉、タルク、硫酸バリウム、シリカ粉、ガラス粉、ガラスビーズ、マイカ、ケイ酸マグネシウム、クリストパライト、水酸化アルミニウム、石英粉、溶融シリカ粉、ケイ酸アルミニウム、硅砂、寒水石、大理石屑、砕石等が挙げられ、これらが単独でないしは併用して使用される。
【0021】
その中でも硬化時の深み、半透明を与える水酸化アルミニウム、ガラス粉等が好ましい。その添加量は、アクリルシラップの100重量部に対して、150〜350重量部が好ましい。充填剤として用いられる、前記した水酸化アルミニウムとしては、例えば、昭和電工(株)製の「ハイジライト H−100、H−310もしくはH−320」;または日本軽金属(株)製の「BW−153」等が特に代表的なものであり、その粒径は、特に制限はないが、1〜300μmなる範囲内のものが適当である。また、無機充填剤のうち増粘剤として、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のようなアルカリ土類金属の酸化物または水酸化物が好ましい。
【0022】
強化材(E)としては、例えばガラス繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリイミド繊維、カーボン繊維、アスベスト、チタン酸カリ、ウィスカー、金属繊維などが挙げられる。これら強化材(E)の繊維長は、好ましくは2〜50mmのものが用いられる。その添加量は、アクリルシラップの100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは5〜15重量部が適当である。すなわち、1重量部未満であると強度的に効果がなく、30重量部を越えるとそれ以上でも強度は変わらない。
【0023】
また、重合開始剤(F)としては、例えばジクミルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテートまたはt−アミルパーオキシオクトエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの各種の過酸化物が挙げられ、これらは単独使用でも2種類以上の併用でも良いことは勿論である。 当該重合開始剤(G)の使用量としては、好ましくはアクリルシラップ100重量部当たり、0.5〜3.0重量部なる範囲内が適切である。
【0024】
本発明のアクリル系成形材料は、前述した(a)(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び、(b)末端に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有する長鎖(メタ)アクリル酸エステルを必須成分とする(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)と重合性単量体(B)からなるアクリル系樹脂組成物(アクリルシラップ)を必須成分とし、多官能単量体(C)、無機充填剤(D)、強化材(E)、重合開始剤(F)を混練することにより、容易に得ることができる。
【0025】
また、必要によって、その他にもステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き、各種の離型剤類、着色剤類、各種カップリング剤、凝集防止剤、重合禁止剤、滑剤、低収縮剤など添加剤を用いることが出来る。
【0026】
混練は、通常用いられている混練機、例えば、ニーダー、ミキサー、ロールミキサー、スクリュー押出機等を用いて、常温または硬化温度未満の加温下で行なうことができる。また、得られた混練物を、(メタ)アクリル酸エステル類の透過しないフィルムに包んで、バルク状あるいはシート状の形状に整えて、常温で熟成してSMC・BMC成形材料として用いる方法が取られる。この場合、常温5〜40℃の範囲で、混練物を数時間で放置して、非粘着性の塊(BMC)あるいはシート(SMC)状成形材料となる。
【0027】
成形品の製造方法としては、該非粘着性の成形材料(BMCあるいはSMC)を、好ましくは40〜180℃なる範囲内、より好ましくは100〜130℃なる範囲内の温度に加温された型(金型等)に入れ、10〜200kg/cm2なる圧力下で、1〜60分間程度、プレス成形せしめたのちに成形品を取り出すことができる。また、成形材料の組成内容や成形品形状、大きさ等の条件の相違により、適宜これらの成形条件を選択することができる。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例により、一層具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0029】
なお以下に於いて、「部」および「%」は、特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
【0030】
(実施例1)
攪拌機、温度計、還流コンデンサーを付した5リットルセパラブルフラスコににイオン交換水2500g、NaNO2 0.204g、ポリアクリル酸(分散剤、日本純薬社製「ジュリマーAC−10H」)6.00gを入れて攪拌し、窒素気流中で60℃まで加熱する。これに、メチルメタルリレート1092g、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート(東亜合成化学製〔アロニックス M5300、分子量312〕108.0g、連鎖移動剤としてβ−メルカプトプロピオン酸12.0g、重合開始剤としてラウリルパーオキサイド(化薬アクゾ製)12.0gの混合液を投入する。攪拌速度を200rpmにして、温度を80℃に保つ。3時間後、比重が1.13以上になったのを確認後、さらに3時間加熱攪拌する。反応中、ブロッキング等の不都合は生じなかった。冷却後、200メッシュの濾布で濾過、蒸留水で水洗後乾燥(40℃、10時間その後40℃で24時間真空乾燥)し、透明なパール状のポリマーを得た。GPCによる分子量測定の結果、数平均分子量は21,000であった。
【0031】
次に、攪拌機、温度計、還流コンデンサーを付した5リットルセパラブルフラスコに充分乾燥した(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A−1)1000gとメチルメタクリレート(B)1500g、重合禁止剤としてハイドロキノン100ppmを入れ、攪拌して40℃まで加熱する。約4時間、攪拌して完全に溶解させることによりアクリル系樹脂組成物(ア−1)を得た。
【0032】
(実施例2)
攪拌機、温度計、還流コンデンサーを付した4つ口フラスコに2−ヒドロキシエチルメタクリレート130部、ε−カプロラクトン741部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.4部、触媒として塩化第一スズ0.004部を入れ、120℃で20時間反応させた。反応率は99.5%、色相は1(ガードナー)、平均分子量1000のカプロラクトン変性されたアクリル酸のヒドロキシメチルエステルを得た。このエステルに無水トリメリット酸192部を加えて、更に120℃で10時間縮合反応させた。得られたペースト状のエステルの酸価は20で、GPCによる数平均分子量が、20000であった。
【0033】
次に、このエステル24g、メチルメタクリレート1176gを用いた以外は実施例1と同様に行いアクリル系樹脂組成物(ア−2)を得た。
【0034】
(比較例1)
実施例1で用いたアロニックスM5300の代わりに、メタクリル酸(MAA)を使用する以外は、実施例1と同様に行いアクリル系樹脂組成物(ア−3)を得た。
【0035】
(実施例3)
実施例1で得られたアクリル系樹脂組成物(ア−1)95部に対し、トリメチロールプロパントリアクリレート5部、重合開始剤としてトリゴノックス121−50(化薬アクゾ製 t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート50%溶液)2部、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製 ハイジライトH−100/H−310=3/2)250部を配合し、プラネタリーミキサー((株)井上製作所製)を用いて、10分間混練した後、更に増粘剤として酸化マグネシウム1.5部、カット長3mmのガラス繊維5部を添加して5分間混練を行なった。次に、この混練物を25℃で5時間放置し、ゴム粘土状のベタツキのないBMC成形材料を得た。
【0036】
次いで、このBMC850gを、300×300×8(mm)なるサイズの金型の中に投入して、温度115℃、圧力100kg/cm2、加圧時間5分間の条件下でプレス成形を行い、300×300×5(mm)の平板成形板を得た。この成形板を用いて、表面質感の評価を行った。
【0037】
また、この成形板をサンシャインウエザオメーターにより1000時間の促進耐候性試験を行い、成形板の表面光沢及び劣化状態の変化を目視で測定した。さらに、耐水性の評価として煮沸試験を90℃で100時間行い、成形板の状態を目視で測定した。その評価結果を第1表に示した。
【0038】
(実施例4)
実施例1で得られたアクリル系樹脂組成物(ア−1)90部に対して、トリメチロールプロパントリアクリレート10部、重合開始剤としてトリゴノックス121ー50 2部、水酸化アルミニウム(ハイジライトH−310/H−320=2/1)120部を配合して、プラネタリーミキサーを用いて、10分間混練した後、さらに増粘剤として酸化マグネシウム1.5部を添加して5分間混練を行った。その一部をポリエチレンフィルム上に100×50(cm)にロールで広げて、その上に25mmにカットしたガラス繊維28.6gを均一にふりかけ、2枚折りにして重ねてロールで含浸脱泡し、ガラス含有率13%、約2mmの厚みシートとし、25℃で10時間放置し、ベタツキの無いアクリル系シート状成形材料(SMC)を得た。
【0039】
次いで、このSMC成形材料を適当なサイズに裁断し、540gを300×300×8(mm)なるサイズの金型の中に投入して、温度115℃、圧力100kg/cm2、加圧時間5分間の条件下でプレス成形を行い、300×300×3(mm)の平板成形板を得た。この成形板を用いて、表面質感の評価を行った。また、この成形板をサンシャインウエザオメーターにより1000時間の促進耐候試験を行い、成形板の表面光沢及び劣化状態の変化を目視で測定した。さらに、耐水性の評価として煮沸試験を90℃で100時間行い、成形板の状態を目視で測定した。その評価結果を第1表に示した。
【0040】
(実施例5)
実施例2で得られたアクリル系樹脂組成物(ア−2)を用いる以外は、実施例4と同様にした。得られた成形品を評価した結果を、第1表に示した。
【0041】
(実施例6)
実施例2で得られたアクリル系樹脂組成物(ア−2)を用いる以外は、実施例5と同様にした。得られた成形品を評価した結果を、第1表に示した。
【0042】
(比較例2)
比較例1で得られたアクリル系樹脂組成物(ア−3)を用いる以外は、実施例4の配合を用いた。尚、得られた混練物を25℃、5日間熟成放置してBMCを得た。そのプレス成形品を評価した結果を、第1表に示した。
【0043】
(比較例3)
比較例1で得られたアクリル系樹脂組成物(ア−3)を用いる以外は、実施例5の配合を用いた。尚、得られた混練物を25℃、5日間熟成放置したが、増粘が遅くベタツキがありシート状成形材料(SMC)は得られなかった。
【0044】
【表1】
Figure 0003817745
【0045】
【発明の効果】
本発明は、アクリル系樹脂組成中に末端に少なくても1個以上のカルボキシル基を有する長鎖(メタ)アクリル酸エステルを導入することにより、余分な熟成を必要としない、常温でも成形可能な粘度まで非常に速く増粘できる、増粘性、作業性、生産性に優れた成形材料用アクリル系樹脂組成物、更にはそれを用いた成形性に優れるアクリル系SMC/BMC成形材料、及び耐候性、質感、耐水性に優れるアクリル系樹脂成形品を提供することができるので、浴槽、洗面化粧台、キッチンカウンター、壁材等の住宅設備・建築部材として有用である。

Claims (7)

  1. (a)(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び、(b)末端に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有する長鎖(メタ)アクリル酸エステルを必須成分とする(メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)と、重合性不飽和単量体(B)からなり、前記長鎖(メタ)アクリル酸エステル(b)が、(メタ)アクリル酸系単量体にラクトンを開環重合させた数平均分子量が150〜2000の末端カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることを特徴とするSMC・BMC成形材料用アクリル系樹脂組成物。
  2. 末端に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有する長鎖(メタ)アクリル酸エステル(b)が、(1)(メタ)アクリル酸にε−カプロラクトンを開環重合させた数平均分子量が150〜2000の末端カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、または(2)(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルにε−カプロラクトンを開環重合させた(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルに多価カルボン酸を付加させた数平均分子量150〜2000の末端カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする請求項1記載のSMC・BMC成形用アクリル系樹脂組成物。
  3. (メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の構成成分である(a):(b)が、重量基準で80〜99.5:0.5〜20であることを特徴とする請求項1記載のSMC・BMC成形材料用アクリル系樹脂組成物。
  4. (メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)の数平均分子量が、3000〜100000であることを特徴とする請求項1記載のSMC・BMC成形材料用アクリル系樹脂組成物。
  5. (メタ)アクリル酸エステル系共重合体(A)と、重合性不飽和単量体(B)が、重量基準で20〜80:20〜80からなるアクリル系樹脂(C)であることを特徴とする請求項1記載のSMC・BMC成形材料用アクリル系樹脂組成物。
  6. 請求項1記載のSMC・BMC成形材料用アクリル系樹脂組成物を用いたことを特徴とするSMC・BMC成形材料。
  7. 請求項1記載のSMC・BMC成形材料用アクリル系樹脂組成物を用いることを特徴とする成形品。
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