JP3817060B2 - フロアマットの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフロアマットの製造方法に関し、例えば、自動車用、住居用、或いはオフィス用に用いることのできるフロアマットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車内において、靴などに付着した土、砂、泥、或いは砂利などがフロアに付着してフロアが汚れるのを防止するために、フロアマットが敷かれている。
【0003】
このフロアマットとして、カーペットなどの繊維層とこの繊維層を支持するゴムなどからなる裏打ち層からなるものが知られている。このフロアマットは、例えば、次のようにして製造することができる。まず、未加硫ゴムシート及びカーペットをそれぞれ一定形状に裁断する。次いで、未加硫ゴムシートとカーペットとを積層した状態で加熱した金型を押し付けて、未加硫ゴムシートを加硫すると同時に未加硫ゴムシートとカーペットとを一体化する。そして、正確な所望形状となるように、加硫ゴムシートとカーペットとの一体化物の端部を裁断する。
【0004】
このような方法により製造されるフロアマットは次のような問題点を有するものであった。(1)未加硫ゴムシートをカーペットと一体化する際に、未加硫ゴムシートが収縮するため、所望形状よりも大きめに裁断する必要があった。そのため、未加硫ゴムシートの無駄が多かった。(2)加硫ゴムシートとカーペットとの一体化物の端部を裁断することにより発生する屑は、加硫ゴムシートとカーペットとを分離することが実質的に困難であるか、多大な労力を要するため、一体化した状態で産業廃棄物として廃棄処理していた。そのため、環境へ及ぼす影響を無視できなかった。(3)加硫ゴムシートとカーペットとの一体化物の端部を裁断することにより、加硫ゴム内に埋設されていたカーペットがフロアマットの端部に露出することになるため、繊維の脱落或いはカーペットと加硫ゴムシートとの剥離という問題が発生した。この問題を解決するために、縁処理加工(オーバーロック加工、テープ加工など)を実施する必要があり、作業性が煩雑であるばかりでなく、フロアマットの価格も高くなった。(4)この縁処理加工は上記のように繊維の脱落やカーペットと加硫ゴムシートとの剥離を防止するために実施するため、カーペットと加硫ゴムシートとの一体化物を裁断した箇所すべてに実施する必要がある。実際の裁断箇所としては、曲率の大きい箇所、フロアマットの内部(特に大きさの小さい場合)などを含んでいる場合があり、このような場合には、実質的に縁処理加工処理が困難であったり、非常に高度な技術を必要としていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、繊維の脱落及び繊維層と裏打ち層とが剥離しないフロアマットを提供すること、及び材料の無駄がなく、環境へ与える悪影響が少なく、しかも縁処理加工などを必要としないフロアマットの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(削除)
【0007】
本発明のフロアマットの製造方法は、繊維層と、この繊維層を支持する裏打ち層とを有するフロアマットを製造するに当たり、(1)繊維層を構成する素材と裏打ち層を構成する素材とを剥離できる程度に押し付ける仮押し付け工程、(2)所望形状に裁断する工程、(3)繊維層を構成する素材(繊維素材)と裏打ち層を構成する素材(裏打ち素材)とを押し付け、この裏打ち素材が押し出されて上述した繊維素材よりも外側へ突出し、この繊維素材の周縁部を構成する繊維の裏打ち素材側の端部全体が裏打ち素材に埋設された状態で一体化する本押し付け工程、とを順に有する方法である。このように、繊維層を構成する素材と裏打ち層を構成する素材とを剥離できる程度に押し付ける仮押し付け工程を実施しているため、本押し付け工程時に裏打ち層の収縮を抑えることができる。そのため、裏打ち材を構成する素材の無駄をなくすことができる。
【0008】
また、繊維層を構成する素材と裏打ち層を構成する素材とが剥離できる程度に押し付けた状態のものを裁断しており、裁断によって生じる屑は容易に繊維層を構成する素材と裏打ち層を構成する素材とに分離することができるため、これらの屑を再度利用することができる。そのため、環境へ与える影響も小さい。
【0009】
更には、繊維層を構成する素材と裏打ち層を構成する素材とを押し付けて一体化する本押し付け工程において、裏打ち層を構成する素材が押し付けられることによって、繊維層よりも突出し、繊維層を構成する繊維の裏打ち層側の端部全体が裏打ち層に埋設されるため、繊維の脱落及び繊維層と裏打ち層とが剥離しないフロアマットを容易に製造できる。そのため、本発明の製造方法においては縁処理加工を必要としない。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のフロアマットについて製造方法をもとに説明する。
【0011】
まず、フロアマットの繊維層を構成する素材、即ち繊維素材を準備する。この繊維素材としては、例えば、タフテッドカーペット、ニードルパンチカーペット、緞通、フックカーペット、ウィルトンカーペット、アキスミンスターカーペットなどを使用することができる。これらの繊維素材の中で、ニードルパンチカーペット以外の繊維素材は裁断されることによって容易に繊維がほつれてしまうものであるが、本発明のフロアマットにおいては、繊維素材(繊維層)の周縁部を構成する繊維の裏打ち層側の端部全体が、裏打ち層を構成する素材(裏打ち層)に埋設された状態にあるため、上記のような繊維素材であっても好適に使用することができる。なお、これらの繊維素材を構成する繊維としては、例えば、合成繊維(ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維など)、半合成繊維、再生繊維、或いは天然繊維(植物繊維、動物繊維など)を使用できる。
【0012】
なお、この繊維素材を構成する繊維の長さが5mm以上であると、周縁部における繊維層よりも突出した裏打ち層の繊維層側表面を、繊維によって実質的に被覆することができるため好適である。好ましい繊維の長さは5mm〜20mmである。なお、繊維素材が繊維を固定する基布を含んでいる場合には、繊維の長さは基布の繊維突出側の表面からの長さをいう。
【0013】
他方、裏打ち材を構成する素材、即ち裏打ち素材を準備する。この裏打ち素材としては、圧力により、好適には熱と圧力の作用により変形可能なものを使用することができ、例えば、熱可塑性樹脂シート(例えば、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンなど)、熱可塑性エラストマーシート(例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマーなど)、熱硬化性樹脂シート(例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂など)、或いは天然又は合成ゴムシート(例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴムなど)などを使用することができる。なお、裏打ち素材の硬度(ショアーA硬度)は50〜90であるのが好ましく、65〜75であるのがより好ましい。
【0014】
次いで、上述のような繊維素材と裏打ち素材とを剥離できる程度に押し付ける(仮押し付け工程)。このようにすることにより、裏打ち素材の収縮を抑制することができるため、従来よりも少ない裏打ち素材でフロアマットを製造することが可能となる。また、繊維素材と裏打ち素材とを押し付けたもの(以下、「仮一体化物」ということがある)を、裁断後に繊維素材と裏打ち素材とに分離し、これらの屑を再度利用することができるため、環境への影響を小さくすることができる。
【0015】
この「剥離できる程度に押し付ける」とは、仮一体化物を手又は機械的に繊維素材のみと裏打ち素材のみとに完全に分離できる程度に押し付けることを意味する。例えば、裏打ち素材が熱可塑性樹脂シート又は熱可塑性エラストマーシートからなる場合には、繊維素材と押し付けることによって、繊維素材が熱可塑性樹脂シート又は熱可塑性エラストマーシート内に埋設されない程度に押し付け、裏打ち素材が熱硬化性樹脂シートからなる場合には、熱硬化性樹脂シートが完全に硬化しない程度に押し付け、裏打ち素材が未加硫ゴムシートからなる場合には、未加硫ゴムシートが完全に加硫しない程度に押し付ける。
【0016】
この仮押し付け工程は、例えば、フラットプレス機、一対のロール(例えば、カレンダーロール)などによって実施することができる。
【0017】
次いで、上述の仮一体化物を所望形状(例えば、自動車用のフロアマットである場合には、自動車の室内形状に沿った形状)に裁断する。この裁断によって生じる屑は繊維素材と裏打ち素材とが既に分離しているか、分離していないとしても手又は機械的に容易に分離することができるため、繊維素材と裏打ち素材とに分別回収して、再度利用することができる。
【0018】
この裁断工程は、例えば、カッター、抜き刃、超音波、高速水流などによって実施することができる。
【0019】
そして、裁断した仮一体化物を押し付けて一体化(本押し付け工程)して、本発明のフロアマットを製造する。この本押し付け工程における一体化の程度は、裏打ち素材が押し出されて繊維素材よりも外側へ突出し、繊維素材の周縁部を構成する繊維の裏打ち素材側の端部全体が裏打ち素材に埋設される程度である。そのため、このようにして製造されるフロアマットは繊維の脱落や繊維層と裏打ち層との剥離が生じないものである。したがって、本発明の方法によって得られるフロアマットは縁処理加工が不要で、(1)作業性を向上させることができる、(2)安価に製造できる、(3)フロアマット設置箇所(例えば、自動車、オフィスなど)との一体感に優れる、(4)どのような形状のフロアマット(例えば、内部に開口を有するマット)であっても容易に製造することができる、という効果を奏する。
【0020】
この本押し付け工程は、例えば、裏打ち素材が熱可塑性樹脂シート又は熱可塑性エラストマーシートからなる場合には、熱可塑性樹脂シート又は熱可塑性エラストマーシートが押し出されて繊維素材よりも外側へ突出し、繊維素材を構成する繊維の熱可塑性樹脂シート又は熱可塑性エラストマーシート側の端部全体が熱可塑性樹脂シート又は熱可塑性エラストマーシートに埋設される程度に実施し、裏打ち素材が熱硬化性樹脂シートからなる場合には、熱硬化性樹脂シートが押し出されて繊維素材よりも外側へ突出し、繊維素材を構成する繊維の熱硬化性樹脂シート側の端部全体が熱硬化性樹脂シートに埋設され、かつ熱硬化性樹脂シートが完全に硬化する程度に実施し、裏打ち素材が未加硫ゴムシートからなる場合には、未加硫ゴムシートが押し出されて繊維素材よりも外側へ突出し、繊維素材を構成する繊維の未加硫ゴムシート側の端部全体が未加硫ゴムシートに埋設され、かつ未加硫ゴムシートが完全に加硫する程度に実施する。
【0021】
この一体化工程は、例えば、フラットプレス機、一対のロール(例えば、カレンダーロール)、一対の金型などによって実施することができる。
【0022】
次に、本発明の方法を適用し得るフロアマットの好適形態について説明する。
【0023】
本発明を適用し得る好適形態としてのフロアマットは繊維層と、この繊維層を支持する裏打ち層とを有し、この裏打ち層の周縁部が繊維層よりも外側へ突出し、かつ当該繊維層を構成する繊維によって実質的に被覆されていると共に、繊維層の周縁部を構成する繊維の裏打ち層側の端部全体が裏打ち層に埋設されたものである。このように、繊維層の周縁部を構成する繊維の裏打ち層側の端部全体が裏打ち層に埋設された状態にあるため、のフロアマットは縁処理加工を実施していなくても、繊維の脱落がなく、しかも繊維層と裏打ち層との剥離も生じないものである。このように、縁処理加工を施さなくても繊維の脱落や繊維層と裏打ち層との剥離が生じないため、当該フロアマットは繊維層と裏打ち層のみから構成することができる。この場合、繊維層と裏打ち層を構成する素材以外のものが存在せず、違和感が生じないため、フロアマット設置箇所との一体感にも優れたものである。更に、縁処理加工を必要としないため、いかなる形状のフロアマット(例えば、曲率の大きいフロアマット、フロアマットの内部に開口を有するマット)であることもできる。
【0024】
なお、「縁処理加工」とは、繊維素材と裏打ち素材との一体化物を裁断した際に、その裁断部からの繊維の脱落及び繊維素材と裏打ち素材との剥離を防止する加工をいい、例えば、オーバーロック加工により端部を糸により覆い隠す加工、テープ加工により端部をテープにより覆い隠す加工、端部の繊維を熱溶融させる加工などがある。
【0025】
本発明の方法を適用し得るフロアマットは裏打ち層の周縁部が繊維層よりも外側へ突出しているが、その突出は図1に模式的裏面図を示すように、不規則に突出していても良いし、図2、図3、及び図4に模式的裏面図を示すように、規則正しく突出していても良いが、図1のように不規則に突出していると、この周縁部4によりフロアマット設置箇所(例えば、自動車室内)における摩擦抵抗が高くなり、ずれ防止性を向上させることができる。この好適である裏打ち層の周縁部における不規則な突出は、例えば、上述のような製造方法、つまり、繊維素材と裏打ち素材とを一体化する工程(本押し付け工程)において形成することができる。
【0026】
また、裏打ち層3の周縁部4における突出は、フロアマット1の全周にわたって存在している必要はなく、一部に存在しているだけでも良いが、繊維の脱落防止及び繊維層と裏打ち層との剥離防止の点から、フロアマット1の全周にわたって存在しているのが好ましい。また、フロアマットの内部に開口を有する場合には、その開口周縁部においても裏打ち層3が突出しているのが好ましい。
【0027】
なお、「外側」とは繊維層2と裏打ち層3との一体化方向に対して実質的に直角方向をいう。そのため、図1などに示すようなフロアマットの裏面図における、上下左右方向(紙面上)が「外側」に該当する。
【0028】
また、この裏打ち層3の突出長さは5mm以下であるのが好ましい。この突出長さが5mmを越えると、フロアマットを繊維層側から見た場合に裏打ち層が目立ち、品位を低下させる場合があるためである。なお、突出が不規則な場合には、最大の突出長さが上記範囲内にあるのが好ましい。また、突出長さとは、繊維層末端からの長さをいい、例えば、繊維素材が基布を有する場合には、基布の末端からの長さをいい、繊維素材が繊維のみからなる場合(例えば、ニードルパンチカーペット)には、裏打ち層に繊維の端部全体が埋設されている箇所からの長さをいう。
【0029】
この方法を適用し得るフロアマットは繊維層の周縁部を構成する繊維の裏打ち層側の端部全体が裏打ち層に埋設されている。この「繊維の裏打ち層側の端部全体が裏打ち層に埋設されている」とは、言い換えれば、繊維層と裏打ち層との一体化方向に対して直角方向からフロアマットを観察した場合に、繊維の裏打ち層側の端部を観察できない状態である。例えば、単にカッターなどで裁断した場合には、繊維の裏打ち層側端部を観察することができ、繊維の脱落や繊維層と裏打ち層との剥離が容易に生じるのに対して、当該フロアマットは繊維の裏打ち層側の端部全体が裏打ち層に埋設されているため、繊維の脱落や繊維層と裏打ち層との剥離が生じない。このような状態は、例えば、上述のような本押し付け工程において、繊維素材の存在する領域のみに十分な圧力と熱とを作用させることによって形成することができる。
【0030】
この方法によって得られるフロアマットについて、フロアマットの周縁部における厚さ方向拡大断面図である図5をもとに説明すると、フロアマット1は繊維層2(繊維2aと繊維2aを固定する基布2bとからなる)と裏打ち層3のみからなる。この裏打ち層3の周縁部4は繊維層2よりも外側へ突出しており、また繊維2aの裏打ち層側の端部全体及び基布2b全体は裏打ち層3に埋設されている。なお、図5における繊維層2は繊維2aと基布2bとからなるものであるが、繊維2aのみからなる繊維層(例えば、ニードルパンチカーペット)であっても良い。この場合には、繊維2aの裏打ち層側の端部全体のみが裏打ち層3に埋設された状態にある。
【0031】
この方法を適用し得るフロアマット1は裏打ち層3の周縁部における繊維層側表面が曲面部分5を有するのが好ましい(図5参照)。このように裏打ち層3の周縁部における繊維層側表面が曲面部分を有すると、使用者に対して柔らかい印象を与えることができるとともに、フロアマットを取り扱う際に手などを損傷するなどの危険を低減することができる。このような曲面部分5は単にカッターや抜き型などで裁断したような場合には得られないものである。このような曲面部分5は、例えば、上述のような製造方法によって繊維素材と裏打ち素材とを押し付けて一体化する際に、繊維素材の存在する領域のみに十分な圧力と熱を作用させることによって形成することができる。なお、周縁部の一部又は全周が曲面部分を有していれば良いが、意匠性の点から周縁部全周が曲面部分を有するのが好ましい。また、裏打ち層の繊維層よりも外側へ突出した部分全体が曲面部分を有するのが好ましい。
【0032】
このフロアマットが裏打ち層の周縁部における繊維層側表面が、繊維層を構成する繊維によって実質的に被覆されていると、フロアマットを使用する際に裏打ち層が繊維層側からは見えないため、より高級感を醸し出すことができる(図5参照)。このような状態は、例えば、上述のような本押し付け工程における条件と繊維素材の繊維長を調節することにより、容易に形成することができる。例えば、本押し付け工程の条件が、裏打ち素材を繊維素材よりも外側へ5mm程度突出させる条件であれば、繊維素材の繊維長を5mm程度以上とすることにより、裏打ち層の周縁部における繊維層側表面を、繊維層を構成する繊維によって実質的に被覆することができる。つまり、一体化工程においては圧力がかかっているため、繊維素材を構成する繊維が倒れて、突出した裏打ち素材を被覆することができるのである。
【0033】
なお、本発明を適用し得るフロアマットにおいては、上述の説明部分以外の部分については従来のフロアマットと同様であることができる。例えば、滑り止めのために、裏打ち層に多数の突起を設けたり、粘着剤を塗布したり、或いはウレタンフォームなどを積層しても良いし、マット同士を連結できるように面ファスナーやホックを装着しても良い。
【0034】
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
(実施例1)
繊維素材として、ポリエステル繊維からなる基布に6ナイロン繊維(繊維長6mm)が織り込まれ、基布の織り込み側とは反対側に繊維の抜けを防止するためにスチレン−ブタジエンゴムラテックスが塗布されたタフトカーペット(繊維重量:600g/m2)を用意した。他方、裏打ち素材として、未加硫のスチレン−ブタジエンゴムシート(ショアーA硬度:65)を用意した。なお、スチレン−ブタジエンゴムシートの大きさは従来よりも小さいもので良いため、素材を削減することができた。
【0036】
次いで、上記タフトカーペットとスチレン−ブタジエンゴムシートとを積層し、フラットプレス機により仮押し付け工程を実施した。この時のスチレン−ブタジエンゴムシートの温度は70℃程度、面圧力は約40〜50N/cmで実施した。仮押し付け工程後の仮一体化物のタフトカーペットとスチレン−ブタジエンゴムシートとの剥離強度は8.3N/インチであった。なお、この剥離強度はJIS K 6301(加硫ゴム物理試験方法)に規定された方法により測定して得られた値である。
【0037】
次いで、仮一体化物を車の後部座席のフロアマット形状の抜き型にて裁断した。この裁断により発生した屑はタフトカーペットとスチレン−ブタジエンゴムシートとに容易に分離することができ、再利用することが容易であった。
【0038】
そして、裁断した仮一体化物をフラットプレス機により押し付けることにより本押し付け工程を実施して、タフトカーペットとスチレン−ブタジエンゴムシートとを一体化して、本発明のフロアマットを製造した。なお、この本押し付け工程は、温度150〜160℃程度、面圧力約80N/cmの圧力を約5〜6分間作用させた。
【0039】
このフロアマットは裏打ち層の周縁部が、フロアマットの全周にわたって、繊維層よりも外側へ不規則に突出(最大突出長さ5mm)しており、繊維層の周縁部を構成する繊維の裏打ち層側の端部全体が裏打ち層に埋設されたものであったため、繊維の脱落やタフトカーペットとスチレン−ブタジエンゴムシートとの剥離の生じないものであった。そのため、縁処理加工が不要であった。また、このフロアマットは裏打ち層の周縁部の全周(特に、裏打ち層の繊維層よりも外側へ突出した部分全体)における繊維層側表面が曲面部分を有するものであった。更に、裏打ち層の周縁部における繊維層側表面が、繊維層を構成する繊維によって実質的に被覆されていたため、高級感のあるフロアマットであった。
【0040】
【発明の効果】
(削除)
【0041】
本発明のフロアマットの製造方法は、繊維層と、この繊維層を支持する裏打ち層とを有 するフロアマットを製造するに当たり、(1)繊維層を構成する素材と裏打ち層を構成する素材とを剥離できる程度に押し付ける仮押し付け工程、(2)所望形状に裁断する工程、(3)繊維素材と裏打ち素材とを押し付け、この裏打ち素材が押し出されて上述した繊維素材よりも外側へ突出し、この繊維素材の周縁部を構成する繊維の裏打ち素材側の端部全体が裏打ち素材に埋設された状態で一体化する本押し付け工程、とを順に有する方法である。このように、繊維素材と裏打ち素材とを剥離できる程度に押し付ける仮押し付け工程を実施しているため、本押し付け工程時に裏打ち層の収縮を抑えることができる。そのため、裏打ち材を構成する素材の無駄をなくすことができる。
【0042】
また、繊維素材と裏打ち素材とが剥離できる程度に押し付けた状態のものを裁断しており、裁断によって生じる屑は容易に繊維素材と裏打ち素材とに分離することができるため、これらの屑を再度利用することができる。そのため、環境へ与える影響も小さい。
【0043】
更には、繊維素材と裏打ち素材とを押し付けて一体化する本押し付け工程において、裏打ち素材が押し付けられることによって、繊維層よりも突出し、繊維層を構成する繊維の裏打ち層側の端部全体が裏打ち層に埋設されるため、繊維の脱落及び繊維層と裏打ち層とが剥離しないフロアマットを容易に製造できる。そのため、本発明の製造方法においては縁処理加工を必要としない。その結果、従来は縁処理加工による制約で困難であった複雑な形状(例えば、曲率の大きいフロアマット、フロアマットの内部に開口を有するマット)のフロアマットであっても容易に製造できる方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を説明するためのフロアマットの模式的裏面図
【図2】 本発明を説明するための別のフロアマットの模式的裏面図
【図3】 本発明を説明するための別のフロアマットの模式的裏面図
【図4】 本発明を説明するための別のフロアマットの模式的裏面図
【図5】 本発明を説明するためのフロアマットの周縁部における厚さ方向拡大断面図
【符号の説明】
1 フロアマット
2 繊維層
2a 繊維
2b 基布
3 裏打ち層
4 周縁部
5 曲面部分

Claims (1)

  1. 繊維層と、この繊維層を支持する裏打ち層とを有するフロアマットを製造するに当たり、
    (1)繊維層を構成する素材と裏打ち層を構成する素材とを剥離できる程度に押し付ける仮押し付け工程、(2)所望形状に裁断する工程、(3)繊維層を構成する素材(繊維素材)と裏打ち層を構成する素材(裏打ち素材)とを押し付け、該裏打ち素材が押し出されて前記繊維素材よりも外側へ突出し、該繊維素材の周縁部を構成する繊維の裏打ち素材側の端部全体が裏打ち素材に埋設された状態で一体化する本押し付け工程、とを順に有することを特徴とする、フロアマットの製造方法。
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