JP3817009B2 - 光触媒式鮮度保持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば野菜、果物、花卉などの植物の鮮度を保持するための装置に係り、さらに詳しくは、光触媒を利用して植物の鮮度を保持するための鮮度保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば野菜、果物、花卉などの植物を、保管、陳列あるいは輸送する際には、その鮮度保持が重要な問題となる。このような植物からは、植物成長ホルモンであるエチレンガスなどが発生し、このようなガスが植物の鮮度を低下させることが知られている。
【0003】
そこで、たとえば特公平4−30820号公報に示すように、光触媒を用いてエチレンガスを分解し、植物の鮮度を保持する方法が提案されている。この方法によれば、植物から生成されるエチレンガスが、光触媒の介在によって分解され、植物の鮮度を保持することが期待される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報には、光触媒を用いて植物の鮮度を保持するための方法については開示してあるものの、光触媒による効率的な鮮度保持構造、あるいは光触媒の取付や交換の容易性、光触媒に紫外線を照射するランプの取付や交換の容易性などを考慮した技術が開示されているわけではない。実際に、光触媒式鮮度保持装置を製造する場合には、これらの点を考慮して製造することが重要である。
【0005】
たとえば光触媒による鮮度保持効果の効率を上げるには、光触媒に光を照射するランプと光触媒との位置関係が重要な要素となる。また、光触媒成形体は、一般に破損しやすいことから、その取り替えが容易であることが重要である。また、破損しなくても、長時間使用した光触媒成形体は、交換することが、鮮度保持効果の効率を上げるためには好ましい。さらに、光触媒とランプとの間の隙間には、空気が流通しやすい構成とすることが重要である。空気に含まれるエチレンガスなどを分解させるためである。さらに、長時間の使用に際しては、ランプも交換する必要が生じるので、ランプの交換が容易であることも重要である。
【0006】
ところが、従来の光触媒式鮮度保持装置としては、これらの要求の全てを満足するものはなく、このような装置の開発が望まれていた。
【0007】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、光触媒およびランプの取付および交換が容易でありながら、鮮度保持効果に優れた光触媒式鮮度保持装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る光触媒式鮮度保持装置は、略平行に配置された複数本の紫外線照射ランプと、これら紫外線照射ランプを保持する背面パネルと、前記背面パネル以外の各紫外線照射ランプの周囲を囲むように成形され、前記背面パネルに対して着脱自在に装着される光触媒ホルダーと、前記各紫外線照射ランプの周囲を囲むように、前記光触媒ホルダーに着脱自在に装着される光触媒ブロックと、前記紫外線照射ランプと前記光触媒ブロックとの間の隙間を通して、ランプの軸方向に沿って、装置の外部から取り入れた空気を流し、前記隙間を流通し終えた空気を装置外部へ吹き出す強制送風手段とを有する。
【0009】
本発明において、前記光触媒ブロックが、光触媒ホルダーに紫外線照射ランプ毎に形成してある三方壁の内面に、それぞれスライド移動自在に装着してあることが好ましい。また、光触媒ブロックを保持する光触媒ホルダーには、それらの接触部分に、弾力性のある緩衝部材が装着してあることが好ましい。さらに、光触媒ホルダーに形成された三方壁の各角部には、光触媒ブロックの両側をスライド自在に保持する爪部が形成してあることが好ましい。さらにまた、光触媒ホルダーと背面パネルとが接触する部分には、弾力性のあるシール部材が装着してあることが好ましく、このシール部材との接触により、光触媒ホルダーと背面パネルとの間には、各ランプ毎の空気流通路が形成されることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記光触媒ブロックが、光触媒層と、この光触媒層が積層された触媒保持基板とを有する長手方向に細長いパネルで構成してあることが好ましい。
【0011】
光触媒としては、その禁止帯幅が0.5〜5eVの半導体、好ましくは1〜3eVの半導体が好ましく用いられる。この半導体は、禁止帯幅以上のエネルギを持つ光を照射することにより、価電子帯から伝導帯へ電子励起が生じて、価電子帯に正孔が、伝導帯に電子が生成し、この正孔および電子が半導体表面に拡散などにより現れ、気層または液層において光触媒として反応を促進する。この半導体の具体例としては、二酸化スズ、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化セリウム、二酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化第二鉄などの金属酸化物;硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化鉛、セレン化亜鉛、セレン化カドミウムなどの金属カルコゲナイド;シリコン、ゲルマニウムなどの第IV属元素;ガリウムリン、ガリウム砒素、インジウムリンなどの第III属元素と第V属元素との化合物;ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾールなどの有機半導体が例示される。本発明において、特に酸化亜鉛、三酸化タングステン、二酸化チタン、酸化セリウムなどの金属酸化物が好適に用いられる。このような半導体は、本発明では、たとえば次に示す手法により光触媒ブロックに成形される。
【0012】
第1の方法としては、酸化チタン粉末などの半導体粉末を圧縮成形機などでタブレット状に成形し、そのまま光触媒ブロックとして用いる。または、この圧縮成形された光触媒層を板状物に接着剤などで貼り付けて光触媒ブロックとして用いる。板状物としては、金属、樹脂、セラミックなどが用いられる。
【0013】
第2の方法としては、酸化チタン粉末などの半導体粉末を、担持体としての不織布に、帯電またはバインダを利用して付着させて光触媒ブロックとする。
【0014】
第3の方法としては、たとえば特開平6−327965号公報に示すように、酸化チタン粉末などの半導体粉末を、粘土または石膏に分散させてから硬化用水を入れ、スラリー状とし、これを型に入れて硬化させて、その触媒成形物をそのまま光触媒ブロックとして用いる。あるいは、そのようにして得られた触媒成形物から成る触媒層を板状物に貼り付けて光触媒ブロックとしても良い。触媒成形物には、補強剤として粒子や繊維などが含まれていても良い。また、その触媒成形物を成形する際には、水に予め半導体粉末を分散させておき、後で粘土または石膏を投入しても良い。
【0015】
第4の方法としては、酸化チタン粉末などの半導体粉末とラテックスとを混合した後、担持体に塗布し、その後常温または高温で乾燥して触媒成形物を得て、それをそのまま光触媒ブロックとして用いる。またはこの触媒生成物を基板などに担持させる。
【0016】
第5の方法としては、たとえば特開平4−215841号公報に示すように、チタンテトライソプロポキシドなどの金属アルコキシドを、金属、樹脂、セラミック、あるいは紙などの担持体に塗布し、乾燥させて得られる触媒成形物を光触媒ブロックとして用いる。
【0017】
本発明において、紫外線照射ランプとしては、特に限定されないが、直管形状のものが好ましい。入手が容易でメンテナンスも容易であるからである。ランプから照射される紫外線は、特に波長400nm〜200nmの波長のものが、鮮度保持効率向上の観点からは好ましい。なお、ランプから照射される光には、紫外線以外の可視光線および赤外線を含んでいても良い。
【0018】
本発明において、強制送風手段は、特に限定されず、遠心ファン、軸流ファン、シロッコファンなどが用いられる。
【0019】
本発明に係る鮮度保持装置には、吸気口と、排気口とが形成してあり、強制送風手段により、吸気口から吸引された空気は、紫外線照射ランプと光触媒ブロックとの間の隙間を通して、ランプの軸方向に沿って流れ、前記隙間を流通し終えた空気は、排気口を通して、装置外部へ吹き出す。吸気口から取り入れて排気口から排出する空気の量は、装置内に配置されるランプの本数などに応じて適宜決定される。この強制送風手段により送風される空気の量は、可変にしても良い。
【0020】
【作用】
本発明に係る光触媒式鮮度保持装置では、紫外線照射ランプが取り付けられた背面パネルから、光触媒ホルダーを容易に取り外すことができる。光触媒ホルダーを取り外すことで、紫外線照射ランプの取付および交換を容易に行うことができる。また、光触媒ホルダーを取り外すことで、この光触媒ホルダーから光触媒ブロックを容易に取り外しおよび交換することができる。
【0021】
しかも、本発明では、光触媒ホルダーが、背面パネル以外の各紫外線照射ランプの周囲を囲むように成形してあり、その部分に光触媒ブロックが装着してあることから、ランプからの光は、光触媒ブロックの光触媒層に直接照射され、光触媒としての機能が十分に発揮される。また、これらの隙間に空気が軸方向に沿って強制的に流通することから、空気と触媒層との間の接触面積が増大し、鮮度保持に有害となるエチレンなどのガスを効率的に分解することが可能となる。
【0022】
本発明に係る光触媒式鮮度保持装置は、倉庫、冷蔵庫、ショーケース、その他の略密閉された空間(必ずしも密閉されていなくても良いが)内に、単に置くだけで、その周囲に保管あるいは載置された植物の鮮度を長期にわたり保持することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0024】
図1は本発明の1実施形態に係る光触媒式鮮度保持装置の分解斜視図、図2は図1に示す紫外線照射ランプが取り付けられた背面パネルの正面図、図3は図1に示す光触媒ホルダーの正面図、図4は光触媒ホルダーを構成するホルダーユニットの要部断面図、図5はホルダーユニットに対する光触媒ブロックの取付構造を示す要部断面図、図6はホルダーユニットの正面図、図7は光触媒ホルダーの下部を背面パネルに取り付けるための器具の斜視図である。
【0025】
図1,2に示すように、本実施形態に係る光触媒式鮮度保持装置2は、複数本の紫外線照射ランプ4が上下方向に沿って略平行に配置された背面パネル6を有する。背面パネル6は、装置のケーシング8の内側背面に取り外し自在に装着される。
【0026】
図1に示すように、ケーシング8の下端正面側には、吸気口10が形成してある吸気パネル11が装着してあり、上端正面側には、排気口12が形成してある排気パネル13が装着してある。排気パネル13の背面側に位置するケーシング8の上部には、強制送風手段としての送風ファン14が装着してあり、吸気口10から取り入れた空気をランプ4の軸方向に沿って流し、排気口12から排気させるようになっている。
【0027】
各ランプ4の軸方向に沿った流路を確保すると共に、各ランプ4の三方に光触媒ブロックを配置するために、図1に示すように、光触媒ホルダー16が背面パネル6に対して取り外し自在に固定される。光触媒ホルダー16が取り付けられたケーシング8の前面には、前面パネル18が装着される。
【0028】
本実施形態では、図2に示すように、背面パネル6には、合計8本の直管形状の紫外線照射ランプ4が上下方向に沿って略平行に装着してある。各ランプ4から照射される紫外線は、特に波長400nm〜200nmの波長のものが、鮮度保持効率向上の観点からは好ましい。なお、ランプ4から照射される光には、紫外線以外の可視光線および赤外線を含んでいても良い。これらランプ4の長さやワット数は、市販の規格品のものの中から選択される。
【0029】
各ランプ4の両端は、背面パネル6に固定されたソケット20で保持してあり、ここからランプ4に電力を供給するようになっている。各ランプ4は、ソケット20から容易に取り外しおよび交換が可能である。
【0030】
図2に示すように、上側のソケット20の上部に位置する背面パネル6の部分には、各ランプ4毎にグローソケット22および安定器24などの駆動装置が装着してあり、各ランプ4を各本毎または複数本毎に制御可能になっている。
【0031】
上側のソケット20と駆動装置との間に位置する背面パネル6の部分には、図1に示す二つの光触媒ホルダー16の上端部が取り付けられるストッパ板26が装着してある。ストッパ板26には、図3に示す光触媒ホルダーの上部角部に形成されたボルト孔28を通したボルトが取り付けられ、光触媒ホルダーの上部がストッパ板26に対して取り外し自在に装着可能になっている。
【0032】
図2に示すランプ4の下端部ソケット20の下方に位置する背面パネルの表面には、ボールキャッチ止め30が、4本のランプについて二つ毎に固定してある。このボールキャッチ止め30は、図7に示すように、嵌合凹部31を有し、ここに凸金具32の凸部33が取り外し自在にワンタッチ式に嵌合するようになっている。凹部31の両側には、ボール34が弾性保持してあり、凹部31内に凸部33が入り込むことで、ボール34は、凸部33の両側に形成してあるボール受け溝36内に嵌合するようになっている。凸金具32は、図2に示すボールキャッチ止め30に対応する位置で、図3に示す光触媒ホルダー16の下端部背面に固定してある。すなわち、光触媒ホルダー16の下端部は、図7に示す凸金具32とボールキャッチ止め30により、図1,2に示す背面パネル6に対して着脱自在に固定される。
【0033】
図3〜6に示すように、本実施形態の光触媒ホルダー16は、4つのホルダーユニット40を溶接などで組み合わせて構成してある。なお、図3中の符号42は、光触媒ホルダー16を背面パネル6に対して取り付けおよび取り外し操作するための把手を示す。
【0034】
各ユニット40は、図4に示すように、背面パネル6以外のランプ4の三方を囲むように断面コ字形状の三方壁を有しており、三方壁の各角部には、爪部44および46が形成してある。両端角に位置する爪部44は、ホルダーユニット40を鋼板で折り曲げ成形する際に一体成形されることができ、中間角部の爪部46は、板材を溶接することなどで成形される。なお、各ユニット40または光触媒ホルダー16の全体を、合成樹脂の押出成形などで成形する際には、これら爪部44および46はユニット40または光触媒ホルダー16と一体に成形することができる。
【0035】
これら爪部44および46を形成することで、各ユニット40の三方壁の内側には、それぞれ触媒ブロック48がスライド移動自在に装着される。触媒ブロック48は、本実施形態では、断面形状が台形に近い形状を有し、その両端側部のテーパ面が爪部44,46に係合するようになっている。なお、爪部44,46の内側には、弾力性を有するシート状の緩衝部材54が装着してあり、爪部44,46が直接には触媒ブロック48に接触しないようになっており、触媒ブロック48の破損などを防止している。
【0036】
触媒ブロック48は、図5に示すように、本実施形態では、光触媒の担持体としての素焼き製基板50と、その表面凹部に担持された光触媒層52とを有する。本実施形態では、光触媒層52は、その禁止帯幅が0.5〜5eVの半導体、好ましくは1〜3eVの半導体の粉末と、水硬化性化合物とを水で練り合わせた後、凝集させたものである。水硬化性化合物とは、水と反応して水和物を生成し、凝集する性質を有する無機化合物であり、土木建設分野などにおいて無機質接着剤として一般に用いられているものである。具体的には、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、アルミン酸カルシウム、鉄酸カルシウム、セリット、シーラント、ゲーレナイト、灰長石、ドロマイトなどが例示される。また、水硬化性化合物としては、前記の化合物を原料として得られる、焼石膏、ポルトランドセメント、ドロマイトプラスター、石灰火山灰セメント、アルミナセメント、マグネシアセメントなどが含まれる。本実施形態では、特に硫酸カルシウム、およびこれを主原料として得られる焼石膏が好適である。水硬化性化合物は通常粉末で使用する。粉末とすることで、半導体粉末を均一に分散することができる。
【0037】
半導体粉末と水硬化性化合物粉末とを水で練り合わせる方法としては、特に限定されず、これら粉末を混合し撹拌して混合物を得た後、水を添加して練り合わせても良いし、半導体の粉末に水を添加して混練した後、水硬化性化合物を添加して練り合わせても良い。
【0038】
半導体と水硬化性化合物との重量比率は、10:1〜1:10、好ましくは6:1〜1:6である。また、水の量は、半導体と水硬化性化合物との合計量を100重量部に対して、通常、25〜200重量部である。
【0039】
半導体と水硬化性化合物とを水で練り合わせた後、その混練物を、図5に示す基板50の凹部に直接流し込み、凝縮させても良いし、別の型内で凝縮させて所定形状に凝縮させた後、図5に示す基板50の凹部に貼り付けても良い。
【0040】
この光触媒層52の厚みは、特に限定されないが、30mm以下が好ましく、1〜10mmが特に好ましい。厚みが厚すぎると、光触媒としての機能が低下する傾向にある。
【0041】
この光触媒層52の表面には、凹凸を設けて、空気との接触面積を増大させても良い。このように構成することで、触媒として機能する部分の面積が増大すると共に、そこを通過する空気の流れを乱すので、鮮度保持に有害となるガスの除去効率が向上する。
【0042】
この触媒層52とランプ4との間の距離L(図4参照)は、好ましくは1〜500mm、さらに好ましくは、5〜100mmである。1mm未満では、その隙間を通過する空気の流通が困難になる傾向にあり、隙間が大きすぎる場合には、鮮度保持に有害となるガスの除去効率が低下する傾向にある。
【0043】
本実施形態では、図2および4に示すように、ランプ4の両側に位置する背面パネル6の表面には、光触媒ホルダー16と背面パネル6とが接触する部分で、弾力性のあるシール部材60が装着してある。このシール部材60と光触媒ホルダー16との接触により、光触媒ホルダー16と背面パネル6との間には、各ランプ4毎の軸方向に沿った空気流通路が形成される。各ランプ4に沿った空気流通路を、図1に示す吸気口10から取り入れた空気が流通し、最終的には、排気口12から排気されるようになっている。
【0044】
本実施形態では、図1,3,6に示すように、光触媒ホルダー16を構成する各ユニット40には、覗き孔62が形成してある。この覗き孔62は、図5に示す光触媒ブロック48にも同様な位置に形成してある。また、図1に示すケーシング8の前面パネル18には、覗き孔62に対応する位置に覗き窓ガラス64が形成してある。したがって、装置の外部から、各ランプ4の点灯をそれぞれに観察可能になっている。
【0045】
本実施形態に係る光触媒式鮮度保持装置2では、図1に示すファン14を駆動することにより、吸気口10から取り入れた空気は、図4に示す各ランプ4と光触媒ブロック48との隙間に形成された流通路を上方向に流通し、その後、図1に示す排気口12から吐出される。各ランプ4と光触媒ブロック48との間の隙間を流通する間に、空気は、ランプ4からの紫外線が照射された図5に示す光触媒層52の表面と接触し、触媒作用により、空気に含まれる鮮度保持にとっての有害ガス(たとえばエチレン)が分解されて除去される。そして、有害物質が除去された清浄な空気が排気口から吐出される。
【0046】
したがって、本実施形態に係る光触媒式鮮度保持装置2は、たとえば野菜、果物、花卉などの植物が保管された倉庫、冷蔵庫、ショーケース、その他の略密閉された空間(必ずしも密閉されていなくても良いが)内に、単に置くだけで、その周囲に保管あるいは載置された植物の鮮度を長期にわたり保持することが可能になる。
【0047】
また、本実施形態では、図1に示すように、紫外線照射ランプ4が取り付けられた背面パネル6から、光触媒ホルダー16を容易に取り外すことができる。光触媒ホルダー16を取り外すことで、紫外線照射ランプ4の取付および交換を容易に行うことができる。また、光触媒ホルダー16を取り外すことで、この光触媒ホルダー16から光触媒ブロック48を容易に取り外しおよび交換することができる。
【0048】
しかも、本実施形態では、光触媒ホルダー16が、図4に示すように、背面パネル6以外の各紫外線照射ランプ4の周囲を囲むように成形してあり、その部分に光触媒ブロック48が装着してあることから、ランプ4からの光は、光触媒ブロック48の光触媒層52に直接照射され、光触媒としての機能が十分に発揮される。また、これらの隙間に空気が軸方向に沿って強制的に流通することから、空気と触媒層52との間の接触面積が増大し、鮮度保持に有害となるエチレンなどのガスを効率的に分解することが可能となる。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0050】
たとえば、光触媒ブロック48の製造方法は、上述した実施形態には特に限定されない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、光触媒およびランプの取付および交換が容易でありながら、鮮度保持効果に優れた光触媒式鮮度保持装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施形態に係る光触媒式鮮度保持装置の分解斜視図である。
【図2】図2は図1に示す紫外線照射ランプが取り付けられた背面パネルの正面図である。
【図3】図3は図1に示す光触媒ホルダーの正面図である。
【図4】図4は光触媒ホルダーを構成するホルダーユニットの要部断面図である。
【図5】図5はホルダーユニットに対する光触媒ブロックの取付構造を示す要部断面図である。
【図6】図6はホルダーユニットの正面図である。
【図7】図7は光触媒ホルダーの下部を背面パネルに取り付けるための器具の斜視図である。
【符号の説明】
2… 光触媒式鮮度保持装置
4… 紫外線照射ランプ
6… 背面パネル
8… ケーシング
10… 吸気口
12… 排気口
14… ファン
16… 光触媒ホルダー
18… 前面パネル
40… ホルダーユニット
44,46… 爪部
48… 光触媒ブロック
50… 基板
52… 光触媒層
54… 緩衝部材
60… シール材

Claims (2)

  1. 略平行に配置された複数本の紫外線照射ランプと、
    これら紫外線照射ランプを保持する背面パネルと、
    前記各紫外線照射ランプの周囲の前記背面パネル以外の三方を囲むように三方壁が各々成形され、前記背面パネルに対して着脱自在に装着される光触媒ホルダーと、
    前記各紫外線照射ランプの周囲の前記背面パネル以外の三方を囲むように、前記光触媒ホルダーの前記三方壁に各々着脱自在に装着される光触媒ブロックと、
    前記紫外線照射ランプと前記光触媒ブロックとの間の隙間を通して、ランプの軸方向に沿って、装置の外部から取り入れた空気を流し、前記隙間を流通し終えた空気を装置外部へ吹き出す強制送風手段とを有し、
    前記光触媒ホルダーの前記三方壁の各角部に、前記光触媒ブロックの両側をスライド自在に保持する爪部が形成され、前記爪部の前記光触媒ブロックを保持する面に弾性力を有するシート状の緩衝部材が装着されていることを特徴とする光触媒式鮮度保持装置。
  2. 前記光触媒ブロックが、光触媒層と、この光触媒層が積層された触媒保持基板とを有する長手方向に細長いパネルで構成してある請求項1に記載の光触媒式鮮度保持装置。
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