JP3816891B2 - 要約作成装置、要約作成方法、メッセージ配信装置、メッセージ配信方法およびプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のユーザが相互にメッセージを交換して議論や情報共有を行うための、メーリングリストや電子掲示板などのコミュニティ・システムに適用されるメッセージ配信方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、計算機とネットワークを利用して複数のユーザ間でメッセージを交換するための電子的なコミュニケーション手段が広く普及している。共通の目的や興味を持ったユーザの集団(以下、コミュニティと呼ぶ)が、同報的に情報を配信する手段として、メーリングリスト、電子掲示板、ニュースグループ、チャットなどがあり、コミュニティの複数のメンバーが議論や情報共有を行うのに非常に有用な手段となっている。
【0003】
これらの手段を用いてやり取りされるメッセージは、多くのメンバーを持つコミュニティにおいては膨大な量になる。1つ1つのコミュニティでは、通常、複数の話題についてのメッセージの交換が行われているし、個々のユーザは、複数のコミュニティに参加していることが多いので、複数の異なるコミュニティのメンバーによる、異なる話題のメッセージを、ユーザは、日々大量に、混在して受信することになる。
【0004】
しかしながら、それらのメッセージがユーザにとって全て有用とは限らず、ユーザは、大量のメッセージの中から自身にとって有用なものを自ら選り分ける必要がある。
【0005】
大量のメッセージが、ユーザの仕事や生活の状況と関係なく、相互の脈絡もなく、個別に送信されてくることは非常に繁雑であるため、これを解消するために従来のメーリングリスト・システムが備える機能に、ダイジェスト機能と呼ばれる機能がある。これは、送信されたメッセージを複数蓄積しておき、例えば、定められた件数あるいは容量に達したときに、これらを1つのメッセージにまとめてユーザに配信したり、あるいは、定められた時刻、例えば1日に1回に配信するという機能である。しかしこれは単に、送信の回数を減らすための機能であって、大量のメッセージの中から、ユーザにとって有用なものを選別するものではなく、ユーザが受信する情報の量は、1件ずつ送信される場合と何ら変わらない。
【0006】
一方、メーリングリストの管理者などが、大量のメッセージの中から、多くのメンバーにとって有用と思われるものを手作業で選別し、読みやすいダイジェスト形式に編集してメンバーに送信したり、ウェブサイトに掲載することも行われている。しかしながら、その作業には大きな労力がかかるし、個々のユーザの興味は異なるため、複数のユーザの各々にとって有用な情報を過不足なく配信することは難しい。
【0007】
ユーザにとって有用な情報を大量の情報から自動的に選別する技術に、情報フィルタリングがある。
【0008】
例えば、送受信されるメールやニュースの内容から、ユーザの興味を表す知識として、短期興味知識と長期興味知識とを抽出し、これらの興味知識を利用して、ユーザが興味を持つであろう情報をフィルタリングするものがある(例えば、特許文献1参照)。この技術では、メール等に含まれる単語と、ユーザがメール等に対して行った保存、転送、削除、返信などの操作の頻度によって短期興味知識を構成する。また、興味が長期にわたって持続する場合には、これを長期興味知識に変換する。これら両方の興味知識を用いることにより、ユーザの興味の移行に対応したフィルタリングが行えるとしている。
【0009】
しかしながら、この技術は、ユーザが興味を持つであろうメール等が多数ある場合に、例えばこれを読みやすい形に要約して提示するなどの支援を行うものではない。また、メールやニュースでは、議論の流れや質問と回答の組など、複数の一連のメッセージで意味をなす場合が多いが、フィルタリング時や送信時に、複数の関連し合うメッセージをまとめて扱うといった配慮がなされていない。また、ユーザの興味を単語と種々の頻度の組で表現するため、例えば新しい話題など、未知の単語が記述された情報については、ユーザが興味を持つかどうかの判断ができない。さらに、ユーザは、議論の状況、投稿者の人となり、話題の新しさや注目のされ具合など、単語では表現できない面で興味を持つことが多く、このような種類の興味には対応できないという問題がある。
【0010】
また、新聞や雑誌などの記事から、ユーザの興味に合う情報を選別するとともに、その選別の条件をそのまま用いて、記事のテキストから、とくにユーザの興味に合うであろう部分を抜きだして抄録を作成するものもある(例えば、特許文献2参照)。この技術は、上記特許文献1記載の技術とは異なり、情報フィルタリングの結果が抄録という読みやすい形でユーザに配信されるので、ユーザは、自分が興味を持つ部分のみを読んで簡単に情報の概要を知ることができるし、もし興味のない情報が誤って混在していたとしても、情報が有用か否かを容易に判断できる。
【0011】
この技術は、新聞雑誌など記事を配信する場合には非常に有用であるが、メールなどのメッセージを対象とする場合、上記特許文献1記載の技術と同様に、テキスト中の単語の出現頻度で表した選別条件では、単語で表現できないようなユーザの興味に対応したフィルタリングは行えないという問題がある。また、関連し合う複数のメッセージのまとまりを単位とした選別や抄録の作成は行えない。
【0012】
また、メーリングリストと電子掲示板の機能を統合し、例えば、電子掲示板にて投稿された記事がメーリングリストのメンバーに送信されるといった技術もある(例えば、特許文献3参照)。この際、投稿された記事を簡素化した内容、例えば記事の最初から100文字までの部分を送信し、その内容に興味があるユーザは詳細な全文を閲覧する、という構成も可能であるとしている。しかしながら、大量のメッセージの中からユーザにとって有用なもののみを選別して送信したり、複数の関連し合うメッセージをまとめて要約したり、個々のユーザ毎に送信する時間や分量を制御するといった機能を持たない。したがって、簡素化の機能によってユーザに送信されるテキストの量は減るものの、やはり、ユーザは、任意の時間に送信されてくる多くのメッセージの中から、自分にとって有用なメッセージを手作業で選別する必要がある。
【0013】
また、電子ニュースや電子メールなどのテキスト記事からその主題を自動的に抽出することを目的とした技術も存在する(例えば、特許文献4参照)。ここでは、対象記事のテキスト中の、他の記事に引用されている部分から、主題を抽出する方法が記載されている。この方法は、他の記事に引用された部分のテキストには元の記事の重要な主題が含まれている可能性が高いという仮定に基づいている。この仮定は多少の妥当性はあるが、より厳密に言えば、引用は、引用する者の意図や興味によってなされるものであり、元の記事の作者自身にとっての主題や、他のユーザにとって有用な情報が、引用部分に常に含まれるとは限らない。また、主題を含む可能性のある部分が複数存在する場合に、そこからさらに、利用するユーザにとって有用な部分を選ぶといった方法を提供するものではない。したがって、メッセージの中から、あるユーザが興味を持つであろう部分を抜きだして要約を作成する目的に、この方法をそのまま用いることはできない。
【0014】
【特許文献1】
特許第2625397号公報(特開平08−235088号公報)
【0015】
【特許文献2】
特開平9−167164号公報
【0016】
【特許文献3】
特開2001−320398公報
【0017】
【特許文献4】
特許第2798039号公報(特開平09−198406号公報)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は、複数のコミュニティの複数のメンバーが電子的なコミュニケーション手段を用いて送信するメッセージの中から、各ユーザが興味のある有用な情報を抽出して要約を作成することができないという問題点があった。
【0019】
また、複数のコミュニティの複数のメンバーが電子的なコミュニケーション手段を用いて送信するメッセージの中から、各ユーザが興味のある有用な情報を抽出して要約を作成し、それを各ユーザが希望するタイミングでそれぞれ配信することができないという問題点があった。
【0020】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、複数のコミュニティの複数のメンバーが電子的なコミュニケーション手段を用いて送信するメッセージ中の情報を絞り込み、各ユーザが興味のある有用な情報を含む要約を作成することのできる要約作成方法およびそれを用いた要約作成装置を提供することを目的とする。
【0021】
また、上記要約作成方法を用いて要約を作成して、それを各ユーザが希望するタイミングでそれぞれ配信することのできるメッセージ配信方法およびそれを用いたメッセージ配信装置を提供することを目的とする。より具体的には、ユーザ毎に異なる、所望のメッセージの条件と要約の有無と配信タイミングを指定するだけで、ユーザの所望するメッセージをユーザの所望する形態(要約の有無)で、ユーザの所望するタイミングで配信することのできるメッセージ配信方法およびそれを用いたメッセージ配信装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、複数のユーザをメンバーとするコミュニティ宛てに、当該コミュニティのメンバーが送信したメッセージを第1の記憶手段に記憶し、前記複数のユーザのそれぞれに対応する前記メッセージを選択するための複数の条件を第2の記憶手段に記憶し、前記第1の記憶手段に記憶された複数のメッセージのうち、前記複数の条件のうちの1つである第1の条件を満たすメッセージあるいは返信関係で繋がるメッセージ群を選択し、この選択されたメッセージあるいはメッセージ群の各メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類と利用頻度から算出した各部分テキストの得点を基に選択した部分テキストで要約文を作成する。
【0023】
本発明によれば、ユーザ毎にそれぞれ異なる興味や嗜好に応じて定められる条件に基づき選択されたメッセージやメッセージ群中の情報を絞り込み、各ユーザの嗜好や興味にそった有用な情報を含む要約を作成することができる。
【0024】
(2)複数のユーザをメンバーとするコミュニティ宛てに、当該コミュニティのメンバーが送信したメッセージを受信して、第1の記憶手段に記憶し、前記第1の記憶手段に記憶された複数のメッセージのうち指定された条件を満たすメッセージを、要約してあるいは要約せずに、指定した配信タイミングで配信するための、少なくとも前記条件と要約の有無と前記配信タイミングを定めた、前記複数のユーザのそれぞれに対応する複数のメッセージ配信情報を第2の記憶手段に記憶し、前記第1の記憶手段に記憶された複数のメッセージから、前記複数のメッセージ配信情報のうちの1つである第1のメッセージ配信情報で指定されている前記条件を満たすメッセージあるいは返信関係で繋がるメッセージ群を選択し、前記第1のメッセージ配信情報で要約有りと指定されているとき、前記選択されたメッセージあるいはメッセージ群を要約するために、各メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類と利用頻度を基に要約文として用いる部分テキストを求め、この求めた部分テキスト、あるいは、前記第1のメッセージ配信情報で要約無しと指定されているときには、前記選択されたメッセージあるいはメッセージ群を含む配信メッセージを前記第1のメッセージ配信情報で指定されている配信タイミングに従って当該第1のメッセージ配信情報に対応するユーザに配信する。
【0025】
本発明によれば、ユーザ毎にそれぞれ異なる興味や嗜好に応じて定められる条件に基づき選択されたメッセージやメッセージ群中の情報を絞り込み、各ユーザの嗜好や興味にそった有用な情報を含む要約を作成し、それを各ユーザのそれぞれが指定した所望のタイミングで配信することができる。
【0026】
また、ユーザ毎に異なる、所望のメッセージの条件と要約の有無と配信タイミングを指定するだけで、ユーザの所望するメッセージをユーザの所望する形態(要約の有無)で、ユーザの所望するタイミングで配信することのできる。
【0027】
例えば、重要なメッセージについてはそのままの形式で即座に配信を受け、興味の比較的小さいメッセージについては複数をまとめて、簡潔に要約した形で配信を受ける、といった使い方が可能になる。
【0028】
また、前記選択されたメッセージ群を要約する際には、当該メッセージ群の各メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類と利用頻度から算出した得点を基に、前記配信メッセージに含める部分テキストを選択することにより、返信関係で繋がったメッセージ群も、それぞれ個別に要約、配信されるのではなく、ユーザが理解しやすいようにまとめられた形式に要約されて配信することができる。
【0029】
(3)前記条件として、選択すべきメッセージ群の利用の種類と利用頻度に関する特徴が指定されているとき、前記第1の記憶手段から、前記利用の種類である送信、返信、転送、配信、閲覧のいずれかに所定回数以上利用されたメッセージを含むメッセージ群を選択することにより、コミュニティのメンバーの多くが注目している話題や、活発に議論されている話題に関する情報を、ユーザに配信することができる。
【0030】
メッセージの利用の種類および利用頻度は、システムがこれまでにコミュニティのメンバーに対して行った配信の実績を含む点にも特徴がある。すなわち、コミュニティの多くのメンバーが配信を希望する話題ほど、より注目されている話題であると見なして、メッセージの選別が行われる。
【0031】
(4)選択されたメッセージ群を要約する際には、当該メッセージ群の各メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用したメッセージの利用(返信、転送、配信、閲覧など)の種類と利用頻度から算出した得点を基に、前記配信メッセージに含める部分テキストを選択する。
【0032】
好ましくは、前記選択された複数のメッセージ群のそれぞれについて、各メッセージ群に含まれる前記部分テキストの前記得点の総和を求め、前記第1のメッセージ配信情報で指定されたデータ量を満たすよう、前記総和の値が高い順に選択したメッセージ群に含まれる前記部分テキストのなかから、前記得点の高い順に前記配信メッセージに含める前記部分テキストを選択する。
【0033】
また、選択された各メッセージを要約する際には、当該メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類(返信、転送、配信、閲覧など)と利用頻度から算出した得点を基に、前記配信メッセージに含める部分テキストを選択する。
【0034】
好ましくは、前記選択された複数のメッセージのそれぞれについて、各メッセージに含まれる前記部分テキストの前記得点の総和を求め、前記第1のメッセージ配信情報で指定されたデータ量を満たすよう、前記総和の値が高い順に選択したメッセージに含まれる前記部分テキストのなかから、前記得点の高い順に前記配信メッセージに含める前記部分テキストを選択する。
【0035】
この要約方法により、コミュニティのより多くのメンバーが注目している話題や、より活発に議論されている話題ほど、より多くのデータ量、例えば、多くのメッセージ件数やテキスト長を用いた要約によって、ユーザに詳細に配信することができる。逆に、比較的注目されていない話題のメッセージについては、少ないデータ量で簡潔に配信する。
【0036】
また、コミュニティの多くのメンバーが注目しているメッセージの、さらに部分テキストまでを求め、これを要約に用いる。多くのメンバーに頻繁に引用されている部分テキストが選ばれるため、メッセージの主題を含む可能性が高く、かつ、多くのメンバーにとって有用である可能性が高いテキストを含んだ要約を作成することができる。ここで考慮する利用の種類と頻度には、システムがこれまでにコミュニティのメンバーに対して行った配信の実績を含む点にも特徴がある。すなわち、コミュニティの多くのメンバーが希望する配信の要約中に用いられた実績のある部分テキストが、新たに配信する際の要約にも用いられる。
【0037】
(5)前記条件として、選択すべきメッセージに含まれる表現が指定されているとき、前記選択された当該条件を満たす複数のメッセージのそれぞれにおける他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキスト中の前記条件として指定されている表現の出現頻度と、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類(返信、転送、配信など)と利用頻度から算出した得点を基に、前記配信メッセージに含める部分テキストを選択する。
【0038】
好ましくは、前記選択された複数のメッセージのそれぞれについて、各メッセージに含まれる前記部分テキストの前記得点の総和を求め、前記第1のメッセージ配信情報で指定されたデータ量を満たすよう、前記総和の値の高い順に選択したメッセージに含まれる前記部分テキストのなかから、前記得点の高い順に前記配信メッセージに含める前記部分テキストを選択する。
【0039】
従来の情報フィルタリングで一般的な選別方法は、キーワードやフレーズ等の表現を多く含む文書を選別する方法であるが、本発明では、電子メールや電子掲示板などのコミュニケーション手段におけるメッセージを、より正確に選別するために、この選別方法に改良を加える。すなわち、メッセージのテキスト自体に語句等の表現が現れる頻度のみならず、当該テキストが引用された場合における、その引用中での語句の出現頻度と、引用したメッセージの利用種類、利用頻度を考慮して選別を行う。
【0040】
コミュニティの多くのメンバーが引用する部分テキストは、そのメッセージの主題を含む可能性が高く、かつ、多くのメンバーにとって有用である可能性が高いテキストであるため、その部分に当該語句が多く含まれているメッセージを、優先的に選別するようにしている。さらに、そのような部分テキストを要約に用いることにより、ユーザの希望に合う要約を作成する。
【0041】
(6)前記配信メッセージに、前記第1のメッセージ配信情報の設定を変更するための設定データを付加して、当該第1のメッセージ配信情報に対応するユーザへ配信し、当該ユーザにより編集された前記設定データを受信したとき、当該設定データを基に、前記第1のメッセージ配信情報を設定を変更することにより、ユーザは、システムから配信されたメッセージに対応づけた形で、簡便にメッセージ配信情報の設定変更を行うことができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0043】
図1は、本発明の一実施形態であるメッセージ配信システムの構成を表す図である。メッセージ配信システムは、図1に示すように、複数のユーザ端末11とメッセージ配信装置12とがネットワークを介して接続してなり、各々のユーザは、コミュニティ管理部1、メッセージ受信部2、メッセージ提示部4、メッセージ配信部5、メッセージ配信方法設定部6のそれぞれと、メッセージや各種設定情報をやり取りする。
【0044】
コミュニティ管理部1は、複数のコミュニティの情報と、複数のユーザの情報を管理する。コミュニティ管理部1が持つコミュニティ情報記憶部8には、複数のコミュニティの名称やアドレス、メンバー等の情報を記憶する。また、ユーザ情報記憶部9には、複数のコミュニティに所属する複数のユーザについて、その氏名やアドレス等の情報を記憶する。コミュニティ管理部1は、コミュニティ情報およびユーザ情報を用いて、メッセージ等の情報の送受信や閲覧、編集を、個々のユーザに許可するかどうかの制御、すなわちアクセス制御を行う。
【0045】
各コミュニティには、それぞれを識別するためのユニークなコミュニティIDやコミュニティ名が付されている。また、コミュニティのネットワーク上の場所を表す情報として、本実施例では、メーリングリスト・アドレスと掲示板URLのうちのいずれか一方または両方を持つ。
【0046】
各々のユーザは、各自のユーザ端末11から、自分のユーザ情報の登録や編集、コミュニティへの参加や脱会、新しいコミュニティの作成などの操作を、コミュニティ管理部1の管理のもとで行うことができる。
【0047】
メッセージ受信部2は、ユーザがコミュニティへ送信するメッセージを受信し、これをメッセージ記憶部3に記憶する。この時、コミュニティ管理部1により、メッセージの送信者がコミュニティのメンバーであるかどうかが確認され、正規のメンバーでないユーザによって送信されたメッセージは、必要があれば排除する。
【0048】
なお、ユーザによるメッセージの送信は、電子メールやウェブサイト上の電子掲示板など、従来の手段を、一つまたは複数併用して実現してよい。
【0049】
メッセージ提示部4は、ユーザの要求に応じて、メッセージ記憶部3に記憶されているメッセージをユーザに提示する。具体的には、インターネットやイントラネットなどのウェブサイト上で、メッセージをウェブページの形式で提示するという従来技術の方法で実現する。メッセージの提示においても、必要があれば、コミュニティ管理部1を用いたアクセス制御を行う。
【0050】
メッセージ配信部5は、各々のユーザが希望するメッセージを、希望する方法で選別、要約して送信するための手段であり、メッセージ配信部5は、メッセージ選別部5a、メッセージ要約部5b、メッセージ送信部5cで構成される。
【0051】
各ユーザが、自分が希望する選別方法、要約方法、送信方法を設定するための手段が、メッセージ配信方法設定部6であり、その設定内容を表す情報(メッセージ配信情報であって、これにより設定されている選別方法、要約方法、配信方法をまとめてメッセージの配信方法と呼ぶ)は、メッセージ配信方法記憶部10に記憶される。すなわち、前述のメッセージ配信部5は、メッセージ配信方法記憶部10に記憶されたメッセージ配信情報で指定された選別方法、要約方法、送信方法に基づいて、メッセージの配信を行う。
【0052】
メッセージ配信部5のメッセージ選別部5aは、各メッセージ配信情報で指定された選別方法に従って、メッセージ記憶部3からメッセージや配信関係で繋がるメッセージ群(スレッド)を選択する。メッセージ要約部5aは、各メッセージ配信情報で指定されている要約方法にて要約すべき旨が指示されているときには、メッセージ選別部5aで選択されたメッセージやメッセージ群からさらに重要なメッセージ、メッセージ群を選択して要約に適した部分テキストを抽出して要約を作成する。メッセージ送信部5cは、メッセージ配信情報で指定されている送信方法に従って、メッセージ選別部5aで選択されたメッセージやメッセージ群、メッセージ要約部5bで求めた要約を配信メッセージとして各ユーザに配信する。
【0053】
メッセージの配信処理においても、コミュニティ管理部1を用いたアクセス制御を必要に応じて行う。
【0054】
メッセージの配信方法の設定は、後述するように、ウェブページ等の入力フォーム上でのユーザの入力にしたがってメッセージ配信方法設定部6が行う。配信方法の設定をユーザからのメッセージの形でメッセージ受信部2が受けとり、その設定内容に従って、メッセージ配信方法設定部6にて、メッセージ配信方法記憶部10に対し設定内容の書込み、変更、削除が行えるようにもしている。
【0055】
メッセージ操作履歴記憶部7は、上記メッセージ受信部2、メッセージ提示部4、メッセージ配信部5でのメッセージの受信、提示、配信の処理の履歴を記憶する。メッセージ操作履歴記憶部7に記憶した、ユーザが今までにどのメッセージを送信し、どのメッセージの提示や配信を受けたかという履歴情報を用いることで、メッセージの配信内容を変えることができる。
【0056】
図2は、コミュニティ情報記憶部8に記憶されたコミュニティ情報の例を示す図である。各コミュニティ情報は、当該コミュニティの識別情報であるコミュニティID21と、コミュニティ名22と、メーリングリスト・アドレス23と掲示板URL24のうちの少なくとも1つと、当該コミュニティに属するメンバーのリスト25から構成される。
【0057】
メーリングリスト・アドレス23は、ユーザが、同じコミュニティ内の他のメンバーに対するメッセージを、電子メールを用いて同報的に送信する場合の、メールの宛先である。一方、掲示板URL24は、やはりメッセージを、電子掲示板を用いてやり取りする場合の、その掲示板のネットワーク上のユニークな位置である。ユーザは、メーリングリストと電子掲示板の2つの手段のいずれかまたは両方を用いて、メッセージの送信と閲覧を行うことができる。
【0058】
各コミュニティに属するメンバー25は、後述のユーザID(図3の31)を用いて記述する。
【0059】
図2に示したコミュニティ情報は、メッセージ配信システム12にて新しいコミュニティが作られるときに作成され、必要に応じて内容が変更される。新しいメンバーがコミュニティに加わると、そのユーザIDがコミュニティ情報中の「メンバー」フィールドに追加され、逆にメンバーが脱会するとそのユーザIDは除去される。コミュニティ自体が消去されるとコミュニティ情報そのものが削除される。
【0060】
コミュニティ管理部1はこのようなコミュニティ情報の作成、変更、削除を行う。上記のようなコミュニティ情報の管理機能は公知公用技術であるメーリングリストや電子掲示板等では必須のものである。
【0061】
図3は、ユーザ情報記憶部9に記憶されたユーザ情報の例を示す図である。各ユーザには、それぞれを識別するためのユーザIDと、ユーザ認証のためのパスワードが与えられる。
【0062】
各ユーザ情報は、当該ユーザのユーザID31とパスワード32と氏名33と、メースアドレス34と所属するコミュニティのリスト35から構成される。
【0063】
メールアドレス34は、当該ユーザにメッセージを配信する際の宛先である。複数のユーザのそれぞれが、複数のコミュニティに所属することが可能であるが、各ユーザの所属するコミュニティのコミュニティIDがユーザ情報の「所属コミュニティ」フィールドに記述されている。
【0064】
図3に示したユーザ情報は、新しいユーザがメッセージ配信システムに登録される際に作成され、必要に応じて内容が変更される。ユーザがあるコミュニティに新たに参加すると、当該ユーザの「所属コミュニティ」フィールドにそのコミュニティIDが追加され、逆に脱会すると、そのコミュニティIDは除去される。ユーザがメッセージ配信システムの利用自体をやめる場合には、当該ユーザのユーザ情報も削除される。
【0065】
コミュニティ管理部1はこのようなユーザ情報の作成、変更、削除を行う。上記のようなユーザ情報の管理機能は公知公用技術であるメーリングリストや電子掲示板等では必須のものである。
【0066】
図4に、ユーザが電子メールを用いてコミュニティ・システムに送信するメッセージの例を示す。ユーザから送信されたメッセージは、図1のメッセージ受信部2にて送信され、メッセージ記憶部3にて記憶される。本システムで扱うメッセージは、従来の電子メールと同等である。
【0067】
図4(a)のメッセージ41は、メールアドレスが「aoki@aaa.net」であるユーザ「青木」が、コミュニティ「美術鑑賞会」のメーリングリスト・アドレスである「atr−ml@xxx.net」に対して送信したメッセージであり、このメッセージはこのコミュニティのメンバーに対して、通常の場合、同報通信される。
【0068】
図4(b)のメッセージ42は、メッセージ41に対する返信メッセージである。メッセージ41中の部分テキスト43、44は、返信元のメッセージ41の本文から引用した部分である。
【0069】
従来からあるメーリングリスト・システムの場合、このようなメッセージが任意の時間に、メンバー全員に対して同時に送信されることになるが、各々のメンバーにとっては、自分が興味を持つ情報であっても、仕事や生活に関わりなく様々な話題のメッセージが混在して送信されて来ることは、大変繁雑であった。
【0070】
一方、図5は、メッセージのやり取りを、電子掲示板を用いて行う場合の画面表示例を示す図である。これは、図1のメッセージ提示部4がユーザに提示するメッセージの提示例でもある。
【0071】
電子掲示板システムの場合、コミュニティでやり取りされたメッセージは、ウェブページ等の手段を用いてユーザに提示される。
【0072】
図5に示した表示画面には、複数のメッセージについての見出しの一覧57、58が表示されている。見出しの一覧57、58における各見出し(51、52、53、54、55など)は、複数のメッセージのそれぞれについて、その表題と、投稿者、投稿日時などの情報を提示したものである。見出しの一覧57の中から閲覧したいメッセージに対応する見出し、例えば見出し55をユーザが選択すると、その本文56が表示される。
【0073】
前述の図4のメッセージ41、42のように、メッセージ同士の返信関係は、従来からある電子掲示板システムを用いても表現することができる。現在普及している多くの電子掲示板システムでは、返信関係を表すために、図5の見出しの一覧57に示すように、各メッセージの見出しをツリー状に配置して提示する。返信関係によって繋がった一連のメッセージのまとまりは、スレッドと呼ばれることが多いので、ここでもそう呼ぶ。
【0074】
1つのスレッド内の複数のメッセージは、同じ1つの話題に関する議論である場合が多いが、複数のメンバーによって議論が進むうちに、複数の話題に分かれることもある。例えば図5の見出し51に対応するメッセージで始まった議論は、全体としては6つのメッセージからなるスレッドを形成するが(見出しの一覧57に対応する)、見出し52に対応するメッセージと見出し53に対応するメッセージ53で別々の話題に分岐し、見出し53に対応するメッセージ以下に連なる3つの見出し58のそれぞれに対応するメッセージでは、スレッド57全体とは多少異なる話題が議論されている。
【0075】
電子掲示板に新しい記事を投稿するには、まず、例えば、図5の「新規メッセージ」ボタン56または「返信メッセージ」ボタン57を押す。すると、図6に示すようなメッセージ作成フォームが表示される。このメッセージ作成フォームにメッセージの表題、本文等を入力した後、「送信」ボタン65を押すと、当該作成されたメッセージがメッセージ配信装置12へ送信される。
【0076】
図6で示した例は、図5の見出し55に対応するメッセージ56が表示されているときに、ボタン57を押して、当該メッセージ56に対する返信メッセージを作成している場合を示している。この返信メッセージは、表題61と本文62からなる。本文62中の部分テキスト63は、返信元のメッセージ56の本文から引用した部分である。部分テキスト63中の部分テキスト64は、返信元のメッセージ56が、それよりさらに前の見出し54に対応するメッセージから引用した図5の部分テキスト59であり、テキストの引用はこのように入れ子になる場合がある。
【0077】
前述の、電子メールを用いたコミュニケーション手段と、電子掲示板を用いたコミュニケーション手段とを組み合わせて、コミュニティ間のメッセージ送受信を行うことも、従来の技術の範囲で可能である。すなわち、電子メールによってシステムに送信されたメッセージを電子掲示板に掲示したり、逆に、電子掲示板に投稿されたメッセージを、コミュニティのメンバーに配信することができる。
【0078】
図4(a)(b)に示したメッセージ41、42は、それぞれ、図5の電子掲示板での見出し54に対応するメッセージと見出し55に対応するメッセージに対応する(同じ内容のものである)。
【0079】
コミュニティでやり取りされるメッセージが全て同報的に配信されることを繁雑に思うメンバーは、メッセージの配信を受けずに、電子掲示板を用いてコミュニケーションを行うことも可能である。しかしながらこの場合には、図5に示したような画面に表示される、実際には数千件、数万件に及ぶ大量のメッセージの中から、自分が興味のあるメッセージを探し出す必要がある。また、電子掲示板では、重要なメッセージや緊急性の高いメッセージが即時に送信されないという問題がある。
【0080】
ユーザは、例えば、非常に重要な情報は即時に配信し、興味のある情報は1日に1回まとめて配信し、少しだけ興味のあるものは1週間に一回の頻度でダイジェスト形式にして配信し、全く興味のない情報は配信しない、といった柔軟な配信サービスを望む。
【0081】
本実施形態では、その要求を実現するものであり、各メッセージに対する各ユーザの興味あるいは重要度の度合いからメッセージを選択し、それを各ユーザの興味あるいは重要度の度合に応じた要約方法で要約して、各ユーザの興味あるいは重要度の度合に応じた頻度と時間で、各ユーザに配信する。
【0082】
図10は、図1のメッセージ配信システムで、各ユーザがメッセージの配信方法を設定するための画面の表示例を示す図である。この画面は、図1のメッセージ配信方法設定部6によって、例えば図5の電子掲示板のボタン510を選択するなどして呼び出されて各ユーザに対して提示される。この画面を用いてユーザは配信方法の設定をインタラクティブに行う。
【0083】
配信方法を設定した結果は、図1のメッセージ配信方法記憶部10に記憶される。配信方法の設定は、各ユーザが、複数のコミュニティに対し、複数の興味や目的に応じて、複数種類の配信方法の設定を行うことができる。
【0084】
図10は、配信方法の設定画面の表示例を示したもので、この設定画面では、3つの配信方法の設定領域105〜107が設けられており、3種類の配信方法を設定することができるようになっている。ここでは、設定領域105に設定された配信方法を第1の配信方法(例)、設定領域106に設定された配信方法を第2の設定方法(例)、設定領域107に設定された配信方法を第3の設定方法(例)と呼ぶ。
【0085】
図10の設定画面の設定領域105〜107では、コミュニティの設定領域101と、メッセージの選別方法の設定領域102と、メッセージの要約方法の設定領域103と、送信方法の設定領域104を有し、第1〜第3の配信方法は、コミュニティと選別方法と要約方法と送信方法を設定したものである。なお、本実施形態では、複数のコミュニティに対して、共通の選別方法、要約方法、送信方法を適用して配信できるようにして、ユーザの利便性を高めている。
【0086】
例えば、図10の設定領域105では、あるユーザが、コミュニティ「エコロジーを考える会」でやり取りされるメッセージについて配信方法を設定した例である。設定領域105では、「エコロジーを考える会」のメッセージを選別せずに(選別方法「なし」)、「要約しない」で「すぐに送信」するよう第1の配信方法を設定している。その結果、このコミュニティのメンバーが送信するメッセージは全て、このユーザに対して、要約されずに即時に送信されることになる。
【0087】
図7は、第1の配信方法の設定内容に従って配信されたメッセージの一例を示したものである。図7の領域71には、当該メッセージの投稿者が送信した内容、すなわち電子メールのヘッダー部と本文である。本実施形態では、さらに、配信方法設定のためのデータ(設定データ)が領域72に付加されている。ユーザは、この領域72内の設定データを編集して、これをメッセージ配信装置に電子メールで返送することにより、第1の配信方法の配信設定を変更することができる。
【0088】
図10の設定領域106では、あるユーザは、2つのコミュニティ「美術鑑賞会」と「友釣の友」について、後述する2つの選別方法「自分に関する発言」および「イベント情報」のいずれかに合致するメッセージを、「複数メッセージをまとめ」て、「1日ごと」に時刻「21:00」に送信するよう第2の配信方法を設定している。
【0089】
設定領域106の選別方法の設定領域102で、「自分に関する発言」および「イベント情報」のそれぞれを設定するための選別方法の設定画面の表示例を図11と図12に示す。
【0090】
図8は、第2の配信方法の設定内容に従って配信されたメッセージの一例を示したものである。図8に示したメッセージでは、選別されたメッセージを、内容をそのままに、複数のメッセージを連結して1つのメッセージにして配信する。図8のメッセージにおいて、領域86、87、88には、コミュニティの設定領域101で設定された各コミュニティのメンバーが投稿した各メッセージの内容そのものが表示されている。各領域86〜88に表示した各メッセージに対して、当該メッセージの属するコミュニティ名や、指定された選別方法のうち当該メッセージが満たした(選別のための)条件を表す見出し81、82などを付け、ユーザが読みやすいような形に加工されている。
【0091】
また、図7に示した配信メッセージと同様に、配信方法設定のための設定データ89a〜89cが、見出し82、83、85の右側に付けられている。ユーザは、この設定データを編集して、これをメッセージ配信装置に電子メールで返送することにより、第2の配信方法で指定したコミュニティと選別方法により選択されたメッセージの配信を継続または停止することができる。
【0092】
図10の設定領域107では、あるユーザは、2つのコミュニティ「美術鑑賞会」と「絵画教室」のそれぞれでやり取りされるメッセージのうち、後述する3つの選別方法「印象派関連」「青木さんたちの発言」「人気のある話題」のいずれかに合致するメッセージを、「中」程度のサイズの「ダイジェスト形式に要約」して、「1週間ごと」「金曜日」の「19:00」に配信するよう第3の配信方法を設定している。この設定の結果、ユーザに配信されるメッセージの例を図9に示す。
【0093】
設定領域107の選別方法の設定領域102で、「印象派関連」「青木さんたちの発言」および「人気のある話題」のそれぞれを設定するための選別方法の設定画面の表示例を図13〜図15に示す。
【0094】
図9は、第3の配信方法の設定内容に従って配信されたメッセージの一例を示したものである。図9に示したメッセージでは、第3の配信方法により指定されたコミュニティ別に、それぞれに属するメッセージのうち、同じく第3の配信方法により指定された選別方法毎に、当該選別方法により選別された複数のメッセージのそれぞれが、コミュニティの活動状況や興味のあるメッセージの有無などを、簡単に把握できる形に要約されて、1つのメッセージとしてまとめられている。図9に示すメッセージには、コミュニティ名を表す見出し91、95や、選別方法を表す見出し92,93,94,96があり、選別されて要約された各メッセージの先頭には、当該メッセージの表題などを表す見出し(911、912など)が付けられている。
【0095】
なお、本実施形態では、要約した配信メッセージは、HTML等のハイパーテキスト形式で作成し、ウェブサイト上にある電子掲示板の種々のコンテンツを参照するリンクが埋め込まれている。これにより例えば、見出し91、95から、図5に示したようなコミュニティの電子掲示板の画面を簡単に閲覧することができる。また、要約された各メッセージの見出し(911、912等)から、電子掲示板にある元のメッセージの本体を簡単に閲覧することができる。
【0096】
さらに本実施形態では、メッセージの選別方法に対応した見出し92、93、94、96や、それ以外の文字列「設定ページ」913などに埋め込まれたリンクから、配信方法の設定の作成や変更、削除などを行うことができるようになっている。例えば見出し92や93をクリックすることによって、図13や図14に示すような各見出しに対応する選別方法の設定画面が表示され、ユーザはこの画面を用いて選別方法の設定の変更を行うことができる。
【0097】
また、文字列「設定ページ」913に埋め込まれたリンクをクリックすることにより、図10に示したような配信方法の設定画面が表示され、ユーザは第1〜第3の配信方法の全体について、変更・削除等の編集が行える。
【0098】
次に、図11〜図16に示した選別方法の設定画面を参照して、メッセージの選別方法について説明する。
【0099】
選別方法としては、ここでは、大きく分けて、内容による選別方法と、スレッドによる選別方法と、投稿者による選別方法の3種類があり、そのそれぞれについて、設定画面が用意されている。
【0100】
選別方法の設定には、本実施形態の場合、ユーザが任意の名称111を付けることができるようにしており、この名称が最終的に配信されるメッセージにおける見出し(図8の82、83、85、および図9の92、93、94、96)になる。なお、本実施形態では、配信メッセージの大見出し(図8の81、84、および図9の91、95)をコミュニティ名にしている。
【0101】
図11〜図16に示す設定画面には、内容により選別方法を設定するための「内容による選別」タグ112と、スレッドにより選別方法を設定するための「スレッドによる選別」タグ113と、投稿者により選別方法を設定するための「投稿者による選別」タグ114が設けられ、所望の選別方法に対応するタグを選択することで、各選別方法に対応する設定画面が表示される。例えば、「内容による選別」タグ112を選択すると、図12、図13に示す設定画面が表示され、「スレッドによる選別」タグ113を選択すると、図11、図15、図16に示す設定画面が表示され、「投稿者による選別」タグ114を選択すると、図14に示す設定画面が表示される。
【0102】
内容による選別方法は、メッセージの表題や本文のテキストに、所定の語句が含まれるか否かを条件として選別を行う方法である。例えば図12に示す設定画面では、所望のキーワードを含むという条件を指定するための領域121と、会合や催物とその日時を含むという条件を指定するための領域122と、URLや添付ファイルなどの形で関連情報が付加されているという条件を指定するための領域123とが設けられている。
【0103】
図12に示す設定画面では、「イベント情報」という名称の選別方法として、領域121にて、「展覧会」「展示会」「解禁日」というキーワードを含むメッセージを選別するよう設定されている。また、図13に示す設定画面では、「印象派関連」という名称の選別方法として、領域121にて、「印象派」「モネ」などのキーワードを含むメッセージを選別するよう設定されている。
【0104】
さらに、図12の設定画面の場合には、領域122にて、「イベント情報を含むメッセージ」も選別するよう設定している。これは、キーワードのような固定的な表現でなく、例えば日付や時刻、会議名などの表現がメッセージのテキストに含まれているか否かを調べて選別するという設定であり、このような選別方法は、従来の情報抽出技術を用いて実現することができる。
【0105】
スレッドによる選別方法は、ユーザが指定したスレッド、もしくは、所定の性質を持つスレッドに対して投稿されたメッセージを選別するという方法である。例えば、図11に示す設定画面では、投稿頻度や閲覧頻度の高い人気の高いスレッドという条件を指定するための領域115と、自分が過去にメッセージを投稿したことのあるスレッドという条件を指定するための領域116と、自分がよく閲覧するスレッドという条件を指定するための領域118と、具体的に選別対象のスレッドを指定するための領域117が設けられている。
【0106】
図11に示す設定画面では、「自分に関する発言」という名称の選別方法として、領域116にて、「自分が投稿したスレッド」、すなわち、ユーザ自身が過去にメッセージを投稿したことのあるスレッドについて、そこに投稿されたメッセージを配信するという選別方法が設定されている。これは例えば、自分の投稿したメッセージや、自分が参加している議論に対して投稿される、他のメンバーの回答や意見を知りたい場合に有効な選別方法である。
【0107】
同様に、領域118にて、「自分がよく閲覧するスレッド」、すなわち、自分が過去に頻繁に閲覧したメッセージを多く含むスレッドを選別するための選別方法が設定されている。
【0108】
さらに、図15に示す設定画面では、「人気のある話題」という名称の選別方法として、領域115にて、「人気のあるスレッド」、すなわち、自分だけでなく他のメンバーの利用状況も考慮し、メッセージの投稿数や閲覧数が多いスレッドから、配信するメッセージを選別する選別方法が設定されている。
【0109】
このように「スレッドによる選別」として、メッセージの閲覧や投稿などの利用の種類や頻度に基づいた選別方法を実現するためには、コミュニティの全てもしくは特定のメンバーについて、メッセージの利用操作の履歴を蓄積し、その操作の種類や頻度に応じた選別処理を行うが、この処理の詳細については後述する。
【0110】
なお、本実施形態では、コミュニティのメンバーの利用履歴に基づく選別を、上記に説明したようにスレッドを単位にして行うことにしているが、これと同様の方法で、例えば、スレッドでなくメッセージを単位に利用履歴を計測して、配信するメッセージを選別するようにしてもよい。
【0111】
なお、スレッドによる選別方法として、ユーザが明示的に選別対象とするスレッドを指定する方法がある。例えば、図11に示す設定画面において、領域117にて所望のスレッドの特徴を入力したり、スレッドそのものを特定する情報を入力することによっても設定可能であるが、それ以外に、電子掲示板の画面上でも設定可能である。
【0112】
例えば、ユーザが、図17に示すような電子掲示板の画面にて、コミュニティのメッセージを閲覧しているとする。例えば、図17のスレッド58のメッセージ54を閲覧しているときに、例えば、その内容に興味を持ち、当該スレッド58のメッセージの配信を希望する場合には、チェックボックス172をチェックして「設定」ボタン173をクリックすることで、スレッド58を選別対象として特定することができる。すなわち、ユーザが、図17の画面上に設けられたチェックボックス172をチェックして「設定」ボタン173をクリックすることで、図16に示したように、スレッドにより選別するための設定画面上に設けられた領域117に、スレッド58を特定する情報が表示され、このスレッド58に投稿されるメッセージを配信する設定がなされる。
【0113】
図16、図17に示した同様の設定は、前述の図7の設定データ72を用いて、電子メールを使って行うことができる。
【0114】
投稿者による選別の方法は、ユーザが指定したメンバー、もしくは、所定の性質を持つメンバーが投稿したメッセージを選別する方法である。例えば、図14に示す設定画面では、自分とメッセージをやり取りしたことのあるメンバーにより投稿されたメッセージという条件を指定するための領域141と、コミュニティに新しく参加したメンバーにより投稿されたメッセージという条件を指定するための領域142と、具体的なメンバーの名前などを指定し、その指定したメンバーにより投稿されたメッセージという条件を指定するための領域143が設けられている。
【0115】
図14に示す設定画面では、「青木さんたちの発言」という名称の選別方法として、領域141にて、「自分とメッセージをやり取りしたことのあるメンバー」が投稿したメッセージを配信する選別方法が設定されている。特に、メンバーの数が多いコミュニティの場合には、密接にコミュニケーションし合う複数の小集団に別れて、メッセージのやり取りが行われることがある。このような場合に、知合いのメンバーのメッセージだけ優先的に読みたいという要求が、ユーザにはある。これを実現するものとして、ユーザ自身と過去にメッセージを多くやり取りした他のメンバーが投稿するメッセージを選別するのがこの選別方法である。
【0116】
メッセージのやり取りがあるかどうかは、メッセージの返信関係に基づいて決定するが、この場合、直接の返信関係だけでなく、間接の返信関係、すなわち、返信の連鎖を2段以上考慮してもよい。また、過去の全ての返信関係でなく、例えば最近1ヶ月等の返信関係を考慮するようにしてもよい。
【0117】
領域142にて設定される、「コミュニティに新しく参加したメンバー」のメッセージを配信する選別方法は、コミュニティの管理者などにとって有用なだけでなく、新規の参加者を歓迎し返答するという活動を即時に行うために便利である。
【0118】
図14に示す設定画面では、さらに、領域143にて、メンバーを具体的に指定した条件が設定されている。この設定例ではメンバー「青木 守」「田中 かおり」が投稿するメッセージを配信するよう設定されている。この場合の設定手段としては、例えば、図17に示したような電子掲示板の提示画面にて、あるメッセージを閲覧しているときに、当該メッセージの投稿者により投稿されたメッセージの配信を希望する場合には、チェックボックス174をチェックして「設定」ボタン175をクリックすることで、図14に示した画面上の領域143に、当該メッセージの投稿者の名前が表示され、当該投稿者により投稿されるメッセージを配信する設定がなされる。同様の設定は、前述の図7の設定データ72を用いて、電子メールを使って行うこともできる。
【0119】
このようにして、各ユーザはそれぞれ、所望するコミュニティ、選別方法、要約方法、送信方法を指定することにより、所望のメッセージの配信方法の設定が行える。この設定内容は、メッセージ配信装置12のメッセージ配信方法設定部6により受け取られて、メッセージ配信方法記憶部10にユーザ別のメッセージ配信情報として記憶される。
【0120】
図18は、図1のメッセージ操作履歴記憶部7に記憶される、ユーザもしくはメッセージ配信システムが行うメッセージに対する操作の履歴情報の具体例を示したものである。履歴情報は、スレッドによる選別方法として、(例えば図11の領域118にて)自分がよく閲覧するスレッドを指定したときや、(例えば図15の領域115にて)人気のあるスレッドを指定したときなどに用いられる。また、内容による選別方法として、(例えば、図13の領域121にて)キーワードを指定したときや、メッセージの要約処理においても、上記履歴情報を用いることにより、より配信に相応しいメッセージの選別や、適切な要約の作成を行うことができる。
【0121】
各履歴情報のレコードデータは、図18に示すように、「日時」項目181に対応するデータと、「ユーザID」項目182に対応するデータと、「操作」項目183に対応するデータと、「既存メッセージID」項目184に対応するデータと、「新規メッセージID」項目185に対応するデータからなる。
【0122】
「操作」項目183では、メッセージに対する操作内容が記録され、例えば、「送信」「返信」「配信」「転送」「閲覧」などがある。「返信」は、ある既存のメッセージに対する返信として新規メッセージを送信する操作であり、「送信」は、返信元の既存メッセージが存在しない、例えば、新たな話題を提供するようなメッセージを送信する操作であり、「配信」は、メッセージ配信装置12が、各ユーザへメッセージを送信する操作である。「配信」には、前述のメッセージ配信方法に従ってメッセージを送信する操作を含む。「転送」は、あるユーザが受け取った当該ユーザ宛てのメッセージをそのまま他のユーザに送信する操作である。「閲覧」は、あるコミュニティに属する(メッセージ記憶手段に記憶されている)メッセージに対し当該コミュニティのメンバーであるユーザあるいは当該コミュニティのメンバーでないユーザからの閲覧要求があった場合に、図1のメッセージ提示部4によって、当該メッセージを当該ユーザ端末へ提示する処理に対応した操作である。
【0123】
「日時」項目181と、「ユーザID」項目182と、「操作」項目183により、「日時」項目で表されている日時に、「ユーザID」項目でユニークに表されたユーザが、「操作」項目で表されているメッセージの「送信」(レコードデータ188参照)や「返信」(レコードデータ189参照)を行ったことを示している。
【0124】
また、ユーザ自身が行った操作でなく、ユーザに対してシステムがメッセージを配信する処理も「操作」項目183のデータを「配信」とし、配信した日時を「日時」項目181のデータで表し、配信先のユーザを「ユーザID」項目182のデータとして表したレコードデータとして記録される(レコードデータ187、189、190、191参照)。
【0125】
操作対象であるメッセージは、「既存メッセージID」項目184と「新規メッセージID」項目185に、区別して記述される。「既存メッセージID」項目184には、例えば「返信」操作の場合は、返信元のメッセージのIDが記録される。「返信」として新しく作成され送信されたメッセージのIDは、「新規メッセージID」項目185のデータとして記録する。
【0126】
例えば、レコードデータ186は、時刻「2002/12/3 19:43:57」にユーザ「u26」が、メッセージ「m94」に対する返信としてメッセージ「m95」を「返信」したことが記録されている。同様に、レコードデータ187では、時刻「2002/12/3 19:43:57」にシステムがユーザ「u3」「u19」「u68」等に、メッセージ「m95」を元にした配信メッセージ「d96」を作成して配信したことが記録されている。
【0127】
本実施形態では、返信や配信したメッセージ中に引用した既存メッセージ中のテキスト(部分テキスト)も記録するようにしている。例えば、レコードデータ186の「既存メッセージID」項目184のデータは「m94(o1−o2)」であるが、このうちの「o1−o2」の記述は、返信メッセージ「m95」で引用した既存メッセージ「m94」の部分テキストのオフセット、つまり、メッセージの先頭から数えた例えば行番号であり、当該部分テキストの先頭位置である行番号「o1」と終端位置である行番号「o2」を表している。また、レコードデータ187の「既存メッセージID」項目184のデータは「m95(o3−o4)」であるが、これによると、メッセージ「m95」の「o3−o4」の範囲にある部分テキストが、配信メッセージ「d96」に引用されたことを示している。
【0128】
なお、配信メッセージ「d96」は図7に例示したものであり、このうち、メッセージ「m95」から引用した、「o3−o4」の範囲の部分テキストは、図7に示したメッセージ中の領域71内のテキストに相当する(ただし、メールの表題以外のヘッダー部分は除く)。また、図7に示したメッセージ中の領域73内のテキストは、配信メッセージ「m96」の返信元になったメッセージ「m95」の、さらに返信元のメッセージ「m94」から引用された部分テキストである。すなわち、図7に示したメッセージ中の領域73内のテキストは、図18のレコードデータ186の「既存メッセージID」項目184に記録された既存メッセージ「m94」のオフセット「o1−o2」に示された部分テキストに対応する。
【0129】
配信メッセージは多くの場合、複数のメッセージをまとめ、必要に応じて要約することにより行われるが、例えば、図8に示した配信メッセージの場合、当該配信メッセージの配信履歴を表したレコードデータ190では、複数のメッセージとそれぞれ引用した部分テキスト(「m6(o15−o16)」「m9(o17−o18)」等)を列挙して、配信メッセージ「d34」を構成したということが記録されている。
【0130】
同様に図9に示した配信メッセージに対応する配信履歴は、図18のレコードデータ191であり、当該配信メッセージは、「新規メッセージID」項目185に記録されている「d42」である。レコードデータ191には、複数のメッセージのそれぞれから抽出された複数の部分テキスト(「m1(o7−o8、o9−10)」「m4(o11−o12)」等)から構成されたものであると記録されている。
【0131】
このように本実施形態では、返信メッセージや配信メッセージに引用されたメッセージの部分テキストまでも記録するようにしているが、これはより適切な選別と要約を行うための処理であり、より簡単な実施形態の場合は、メッセージIDのみを記録するようにしてもよい。
【0132】
なお、ここで、部分テキストを引用したメッセージの利用の種類としては、上記「操作」項目183に記述される操作内容であり、返信、転送、送信、配信、閲覧などがある。このうち、返信、転送、送信、配信を当該部分テキストの引用の種類と呼ぶことがある。
【0133】
次に、上記メッセージ配信方法記憶部10に記憶された、各ユーザ個別のメッセージ配信方法に従った、メッセージ配信装置12のメッセージ配信処理動作について、図19〜図21に示すフローチャートを参照して説明する。
【0134】
図19は、メッセージ配信部5がユーザにメッセージを配信する際の処理全体を示す図である。実質的な配信処理は図20、図21に示すが、この処理は図19のステップS104にて行われる。
【0135】
図19において、メッセージ配信部5は、全てのユーザuについて(ステップS101)、各ユーザにより設定された配信方法dに対応する処理を実行する。すなわち、メッセージ配信方法記憶部6に記憶されている各ユーザの各メッセージ配信情報を1つづつ読みとって、そこに記述されている各配信方法dについて(ステップS102)、ステップS103〜ステップS104の処理を繰り返し行う。
【0136】
ステップS103では、メッセージ配信部5cが、配信方法dの送信方法の設定内容に基づき、現在が、配信を行う日時であるかどうかを調べる。送信方法の設定では、図10の領域104で例を挙げて説明したように、配信すべき日時が、例えば、コミュニティのメンバーがメッセージを送信したときに即時に配信するという設定や、何日かおきに定刻に配信するといった設定がなされている。したがって、ステップS103では、配信方法dとして指定されたコミュニティのメンバーからのメッセージ送信の有無を調べる処理と、現在が設定された日時であるかどうかを調べる処理を行う。現在が配信を行うべき日時の場合には、ステップS104すなわち図20、図21のフローチャートの処理を行う。
【0137】
図20のステップ201では、まず、メッセージ選別部5aは、配信するメッセージの候補の集合Mをφ(空集合)とし、配信方法dで指定された各コミュニティcに対して、ステップS203からS208までの処理を繰り返し行う(ステップS202)。
【0138】
ステップS203では、配信方法dで指定されている送信方法によって定まる時間内に、コミュニティcにて投稿されたメッセージがあるかどうかを調べ、該当するメッセージがあれば、それをメッセージmとする。そして、各メッセージmについて、ステップ204〜208の処理を行う。例えば、配信の日時が1週間おきに設定されている場合は、過去1週間にコミュニティcに投稿された全てのメッセージが処理対象のメッセージmとなるし、メッセージが投稿されると即時に配信するよう設定されている場合には、当該1つのメッセージがメッセージmとなる。
【0139】
各メッセージmについて、配信方法dにて指定されている選別方法のうちいずれか1つの選別方法dfが満足されれば(ステップS204)、それを配信の候補の1つとする。
【0140】
ステップS204における、メッセージmが選別方法dfを満足するかどうかを判定する処理は、選別方法dfの種類、すなわち、図11から図16までに例を挙げて説明した各方法(大きく分けて、内容、スレッド、投稿者により選別する方法がある。内容により選別する方法は、さらに、指定したキーワードを含むメッセージを選別する方法と、イベント情報を含むメッセージを選別する方法と、関連情報を含むメッセージを選別する方法とに分けられる。スレッドにより選別する方法は、さらに、人気のあるスレッドを選別する方法と、自分が投稿したスレッドを選別する方法と、自分がよく閲覧するスレッドを選別する方法と、指定したスレッドを選別する方法とに分けられる。投稿者により選別する方法は、さらに、自分とメッセージをやり取りしたことのあるメンバーにより投稿されたメッセージを選別する方法と、コミュニティに新しく参加したメンバーにより投稿されたメッセージを選別する方法と、指定した人物により投稿されたメッセージを選別する方法とに分けられる。)によって処理内容が異なる。
【0141】
内容により選別する方法(図12や図13参照)が指定されているとき、メッセージmのテキスト中に指定された表現が含まれているか否かを調べる。この処理を高速に行うために、図1のメッセージ記憶部3には、メッセージの全文検索インデクス等を設けてもよい。
【0142】
スレッドにより選別する方法(図11、図15、図16)が指定されているとき、図18に示したような、コミュニティのメンバーによるメッセージ操作(送信、返信、配信、閲覧、転送などの操作)の履歴情報に基づいて、メッセージmが操作された回数や操作の種類を調べ、選別方法dfを満足するかどうかを判定する。
【0143】
(図15の領域115にて設定される)「人気のあるスレッド」という選別方法の場合は、メッセージmの属するスレッドが、所定の回数もしくは人数以上、投稿(送信、返信)もしくは閲覧されたスレッドであるとき、当該スレッドを選択する。
【0144】
(図11の領域116にて設定される)「自分が投稿したスレッド」という選別方法の場合には、メッセージmが属するスレッドに、ユーザu自身による投稿(送信、返信)があるとき、当該スレッドを選択する。
【0145】
(図11の領域118にて設定される)「自分がよく閲覧するスレッド」という選別方法の場合には、メッセージmが属するスレッドが、ユーザu自身が所定回数以上閲覧しているとき、当該スレッドを選択する。
【0146】
投稿者により選別する方法(図14)が指定されているとき、メッセージmの投稿者に基づいた選別が行われる。例えば領域141で設定される「自分とメッセージをやり取りしたことのあるメンバー」のメッセージを選別する場合は、メッセージmの投稿者と、ユーザuとが、返信のやり取りを過去に行ったことがあるかどうかを、やはり図18に示した履歴情報に基づいて調べる。例えば図18のレコードデータ188と189を参照すれば、ユーザ「u1」により送信されたメッセージに対しユーザ「u2」が返信メッセージを送信しているので、この両者は、互いに「自分とメッセージをやり取りしたことのあるメンバー」という関係にある。
【0147】
領域142にて設定される「コミュニティに新しく参加したメンバー」や、領域143にて設定される「具体的に指定」が指定されているときも同様にして、メッセージmの投稿者が該当するユーザであるかどうかを調べて選別を行う。以上の処理により、メッセージmが配信方法dで指定されているいずれかの選別方法dfを満足すれば(図20のステップS204)、ステップS205〜S208までの処理を行う。
【0148】
配信方法dの要約方法が「要約しない」である場合(ステップS205)、例えば図10の第1の配信方法にて指定されている要約方法の場合には、このメッセージmをそのままの形で送信することになる。ここでは、メッセージ要約部5bは、当該メッセージmに、図7の領域72に示したような設定データを付加した図7に示した形態のメッセージmdを作成して(ステップS206)、メッセージ送信部5cは、これをユーザuに送信する(ステップS207)。
【0149】
一方、要約方法dが、複数メッセージをまとめた形で配信するよう設定されている場合には、ステップS205からステップS208へ進み、メッセージ選別部5aは、メッセージmを配信候補のメッセージ集合Mに追加する。
【0150】
以上のステップS203からステップS208の処理を、配信方法dにより指定されている各コミュニティcについて行う。その結果得た、配信候補のメッセージ集合Mがφでなければ(図21のステップS209)、これらのメッセージを要約する処理に移る。配信候補のメッセージ集合Mがφであるとき、すなわち、配信候補のメッセージが存在しなければ、配信すべきメッセージは選別されなかったとして、終了する。
【0151】
配信方法dにて指定されている要約方法が「要約しない」に設定されている場合は、ステップS210以下の処理は行われない。配信すべきメッセージは全て、図20のステップS206、S207の処理で配信されているからである。
【0152】
配信方法dの要約方法が、図10の第2の配信方法にて指定されているように、「複数をそのまままとめる」場合には、配信候補のメッセージ集合Mのメッセージをそのまま(要約せずに)繋げて配信するが、この場合にも、メッセージ要約部5bは、ユーザが読みやすい形に配信メッセージを加工する処理を行う。
【0153】
すなわち、まず、ステップS211では、集合Mの各メッセージmについてその属するスレッドgを求め、得られた複数のスレッド毎にメッセージをまとめる。
【0154】
ステップS212では、複数のコミュニティ、複数の選別方式について、それら各々の名称を用いて見出しを作成し、その見出しの下に、ステップS211で求めたスレッドのまとまりで、メッセージをまとめて繋げ、配信メッセージを作成する。このとき、図8の設定データ89a〜89cのように、見出しの右側などに、配信方法の設定用の設定データを付加する。このようにして、図8に示したような配信メッセージを作成し、ステップS218にて、メッセージ送信部5cは、当該配信メッセージをユーザuに送信する。
【0155】
一方、ステップ210にて、配信方法dの要約方法が、図10の第3の配信方法にて指定されているように「ダイジェスト形式に要約する」場合には、より複雑な要約処理を行う。この場合には、メッセージ要約部5bは、複数のメッセージを、ダイジェストとして適切な部分テキストを抽出して適切なデータ量(サイズ)に要約する必要があるため、集合Mの要素の中からさらに配信すべきメッセージと、その部分テキストを選択(抽出)する。
【0156】
まず、ステップS213にて、集合Mの要素である各メッセージmと当該メッセージ中の部分テキスト(メッセージmに引用されている他のメッセージ中のテキスト、あるいは、メッセージm中の予め定められた範囲(例えば、1文、1行、1段落などを単位とするテキスト部分)tの、配信方法dにおける得点s(m,d)およびs(t,d)を求める。
【0157】
部分テキストtとする、メッセージmで引用されている他のメッセージ中のテキスト部分は、例えば、図4(b)に示したように、「>」や「>>」などの記号が文頭に付けられているので、容易に判別可能である。
【0158】
各部分テキストtと次式(1)、(2)から、メッセージmの配信方法dにおける得点s(m,d)およびその中の部分テキストtの配信方法dにおける得点s(t,d)を求める。
【0159】
【数1】
【0160】
式(1)の得点s(t,df)は、選別方法dfに依存する方法で計算されたメッセージmの部分テキストtの得点である。ただし、メッセージmが選別方法dfを満足しないときは、その各部分テキストtについての得点s(t,df)も「0」とする。
【0161】
得点s(t,d)は、配信方法dにて指定される各選別方法dfについてのtの得点s(t,df)の総和である。すなわち、配信方法dに複数の選別方法が指定されているときは、各部分テキストtについて求めた各選別方法別の得点s(t,df)を求め、それらの総和があるメッセージm中の各部分テキストtについての得点s(t,d)である。
【0162】
得点s(m、d)は、メッセージm中の各部分テキストtについての得点s(t,d)の総和である。
【0163】
例えば、選別方法dfが、メッセージの内容による選別方法の場合、選別方法dfとして指定された表現(指定されたキーワード、イベント情報に関する表現、関連情報に関する表現のいずれか)wが、メッセージmの部分テキストt、および、メッセージmを引用する他のメッセージ中の部分テキストtに出現する頻度に基づいて、s(t,df)を計算する。これは例えば次式(3)から計算することができる。
【0164】
【数2】
【0165】
式(3)において、C(t)は、部分テキストtが他のメッセージからの引用であるかどうかと、引用である場合は、当該部分テキストtを引用したメッセージの利用の種類(返信、転送、システムによる配信等)に応じて予め定められた係数である。fw(t,w)は、表現wが部分テキストt中に含まれる頻度によって定まる得点である。一般に、C(t)の値は、返信での引用の場合に大きく、転送の場合はそれより小さく、システムによる配信の場合はさらに小さく設定する。部分テキストtがメッセージ本文自体の場合は、返信での引用の場合と同じ程度でよい。部分テキストtが他のメッセージからの引用であるか否か、引用であるなら、その種類は、返信、転送、配信などのうちのいずれであるか(C(t)の値)は、図18に示した操作の履歴情報の記録から求める。またfw(t,w)の値は、基本的には表現wが部分テキストtに多く出現すればするほど(部分テキストt中での出現頻度が多いほど)大きくなるよう定めるものとする。すなわち、従来の文書検索や情報フィルタリング技術と同様の手法で、部分テキストt中の表現wの出現頻度を、部分テキストtのテキスト長や、表現wを含むメッセージの全体数に応じて正規化した値をfw(t,w)とする。
【0166】
部分テキストtがユーザにとって重要なテキストであるほど(ユーザが指定した表現の出現頻度が高く、しかも他のメッセージにより引用される頻度が高い部分テキストであるほど)、得点s(t、d)の値は高くなり、メッセージmがユーザにとってより重要なメッセージであるほど(ユーザが指定した表現の出現頻度が高く、しかも他のユーザにより引用される頻度が高い部分テキストが多いほど)、得点s(m,d)の値は大きくなる。
【0167】
同様に、選別方法dfが、スレッドによる選別方法や、投稿者による選別方法である場合には、指定された特徴を有する選別されたスレッド(人気があるスレッド、自分が投稿したことのあるスレッド、自分がよく閲覧するスレッド、指定したスレッドのいずれか)や、指定された投稿者により投稿されたメッセージ(自分とやり取りしたことのあるメンバーにより投稿されたメッセージ、自分が属するコミュニティに新規に参加したメンバーにより投稿されたメッセージ、指定した人物からのメッセージのいずれか)の属するコミュニティのメンバーvが、各メッセージm中の部分テキストtを利用した頻度に応じた値fu(t,v)を用いて、次式(4)のように、得点s(t,df)を計算する。
【0168】
【数3】
【0169】
ここでのC´(t)は、式(3)のC(t)とほぼ同様であるが、部分テキストtを引用したメッセージの利用の種類は、返信、転送、配信だけでなく(しかも、メンバーによる引用だけでなく)、他のコミュニティのメンバーによる閲覧などの利用全般を含む。例えば、部分テキストを引用したメッセージをあるメッセージの返信メッセージとして利用した場合に最も大きく、部分テキストtを引用したメッセージを転送や閲覧した場合はそれより小さく、部分テキストとをシステムによる配信メッセージとして配信した場合はさらに小さく設定する。
【0170】
fu(t,v)は、メンバーvが送信あるいは受信するメッセージ内に部分テキストtが頻繁に引用(返信、転送、配信等における引用)されたり、当該部分テキストtを引用したメッセージが頻繁に閲覧されていると、値が高くなるよう定められている。
【0171】
部分テキストtが、コミュニティ内の各メンバーにより利用(特に返信メッセージ中で引用として利用)される頻度が高いほど、当該部分テキストの得点s(t,df)の値は高くなり、得点s(t,df)の値が高い部分テキストtが多く含まれているメッセージmほど得点s(m,d)の値は高くなる。
【0172】
例えば図15の領域115で「人気のあるスレッド」が設定されているとき、fu(t,v)を当該スレッド内のメッセージを利用した全てユーザv(あるいは、当該スレッドの属するコミュニティ内で当該スレッド内のメッセージを利用した全てのユーザv)について総和を取ってs(t,df)を計算する。
【0173】
図11の領域118で「自分がよく閲覧するスレッド」が設定されているとき、自分すなわち配信先ユーザuについてのみ総和をとって、s(t,df)を計算する。あるいは、自分が利用したテキストの重みを特別に重くして、当該スレッド内のメッセージを利用した全ユーザv(あるいは、当該スレッドの属するコミュニティ内で当該スレッド内のメッセージを利用した全てのユーザv)について総和を取ってs(t,df)を計算する。
【0174】
同様に、投稿者による選別方法である場合も、図14の領域141、142、143で、指定された投稿者(自分とやり取りしたことのあるメンバー、自分が属するコミュニティに新規に参加したメンバー、指定した人物のうちのいずれか)vについてのみfu(t,v)の総和をとってもよいし、あるいは、当該投稿者vについて重みを特別に重くして、当該メッセージを利用・閲覧した全てのユーザv(あるいは当該メッセージの属するコミュニティ内で当該メッセージを利用・閲覧した全てのユーザv)について総和を取ってs(t,df)を計算する。
【0175】
次に、ステップS214では、ステップS212と同様にして、メッセージmをスレッドgでまとめ、同時に、スレッドの得点を、そこに属するメッセージの得点s(m,d)の総和をとって、次式(5)で計算する。
【0176】
【数4】
【0177】
得点s(g,d)が大きいスレッドほど、ユーザにとって重要と思われるスレッドである。
【0178】
以上のようにして求めたスレッドg毎の得点s(g,d)、メッセージm毎の得点s(m,d)、部分テキストt毎の得点s(t,d)の値に従って、配信に含めるスレッド、メッセージおよび部分テキストを求める。
【0179】
図10の設定画面のメッセージの要約方法の設定領域103では、ダイジェスト形式の要約のサイズは、「大」「中」「小」という形でユーザが選択できるようにしているが、そのそれぞれについて、配信メッセージに含めることのできるスレッドの個数、メッセージの個数およびテキストの個数(あるいはテキスト長、データ長)が定められている。その所定の上限を超えないように、ステップS215では、上述の得点s(g,d)、s(m,d)が大きい順に、配信メッセージに含めるスレッドやメッセージを選ぶ。
【0180】
さらに、次のステップS216では、選択されたメッセージについて、その要約となる部分テキストを、上述のs(t,d)が大きい順に選ぶが、この際、s(m,d)が大きいメッセージほど、多くの部分テキストを用いて要約するようにする。また、ステップS215で選択されたスレッドについて、上記s(m,d)の値が大きいものから順に選択し、その選択されたメッセージについて、その要約となる部分テキストを、上記s(t,d)が大きい順に選ぶが、この際、s(m,d)が大きいメッセージほど、多くの部分テキストを用いて要約するようにする。この処理により、ユーザにとってより重要と思われるメッセージほど、より詳細な記述の要約を作ることができる。
【0181】
ステップS207では、ステップS212と同様にして、コミュニティcと選別方法dfの名称を用いた見出しの下に、先に選択したメッセージmの部分テキストtを、スレッドgでまとめて連結し、さらに配信方法dを設定するための上記設定データを付加して、配信メッセージmdを作成する。そしてステップS218では、作成した配信メッセージmdを配信先のユーザuに送信する。
【0182】
先に示した図9は、このようにして配信されたメッセージmdの例である。図9に示したメッセージの領域97、98、99、910には、図21のステップS213およびステップS214で計算した得点に基づいて、ステップS215およびステップS216で選択したスレッドとメッセージおよびそのテキストであり、これらはステップS217により、図9に示すようにスレッド毎にまとめて、各々の選別方法に対応する見出し92、93、94、96の下に配置される。
【0183】
図9の配信メッセージは、各メッセージを逐一ユーザに送信する図7に示した配信メッセージや、メッセージを単純に繋げて配信する図8に示した配信メッセージに比べ、ユーザにとって重要な情報をより簡潔に表した内容になっている。
【0184】
また、図9の配信メッセージによれば、ユーザが配信を希望するときに着目するであろう、従来の情報フィルタリングに典型的なメッセージの内容がキーワード等を含むか否かだけでなく、コミュニティで活発に議論されている話題や、ユーザ自身に直接関わりのある情報、着目するメンバーによって発信された情報など、複数の観点から選別されたメッセージの内容を含めることが可能であるのみならず、これが1つの簡潔なメッセージとしてまとめられて配信されるのである。
【0185】
本実施形態のメッセージ配信方法として、上記に説明した選別方法、要約方法、および送信方法は、ユーザにとって有用なものを過不足なく用意したものであるが、本発明は、本実施形態の方法に限らず、本発明の目的と方法を逸脱しない範囲において、選別方法、要約方法、および送信方法を拡張し得るものとする。
【0186】
以上説明したように、上記実施形態によれば、複数のユーザをメンバーとするコミュニティ宛てに、当該コミュニティのメンバーが送信したメッセージを受信して、メッセージ記憶部3に記憶する。このメッセージ記憶部3に記憶された複数のメッセージのうち指定された条件を満たすメッセージを、要約してあるいは要約せずに、指定した配信タイミングで配信するための、少なくとも上記条件と要約の有無と上記配信タイミングを定めた、複数のユーザのそれぞれに対応する複数のメッセージ配信方法を表したメッセージ配信情報をメッセージ配信方法記憶部10に記憶する。メッセージ選別部5aは、メッセージ記憶部3に記憶された複数のメッセージから、複数のメッセージ配信情報のうちの1つである第1のメッセージ配信情報で指定されている条件を満たすメッセージあるいは返信関係で繋がるメッセージ群(スレッド)を選択する。メッセージ要約部5bは、上記第1のメッセージ配信情報で要約有りと指定されているとき、メッセージ選択部5aで選択されたメッセージあるいはメッセージ群を要約するために、各メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類(返信、転送、配信など)と利用頻度を基に上記第1のメッセージ配信情報にて指定されている(選別方法として指定された)条件に適した部分テキストを求める。そして、メッセージ送信部5cは、メッセージ要約部5bで求めた部分テキスト、あるいは、上記第1のメッセージ配信情報で要約無しと指定されているときには、メッセージ選別部5aで選択されたメッセージあるいはメッセージ群を含む配信メッセージを上記第1のメッセージ配信情報で指定されている配信タイミングに従って当該第1のメッセージ配信情報に対応するユーザに配信する。
【0187】
以上の構成を有することで、複数のコミュニティの複数のメンバーがやり取りする大量のメッセージの中から、各ユーザが希望するメッセージを容易に選別し、理解しやすい形式に過不足なく要約し、ユーザが希望する時間に配信することができる。したがって、大量のメッセージが任意の時間に個別に送信される繁雑さや、メッセージを手作業で選別する労力が、大幅に軽減される。また、要約と配信の方法は一通りではなく、ユーザの興味の度合に応じて、要約の分量や形式、配信の時間などを適切に設定することができるので、ユーザにとって興味ある有用な情報(ユーザにより選別方法として指定された条件に適した部分テキスト)や、コミュニティの多くのメンバーにとって重要な情報が、見落されることもなくなる。
【0188】
本発明の実施の形態に記載した本発明の手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラム(特に、図19〜図21に示す処理を含むメッセージ配信装置12全体の動作を実現するためのプログラム)として、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0189】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0190】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数のコミュニティの複数のメンバーが電子的なコミュニケーション手段を用いて送信するメッセージ中の情報を絞り込み、各ユーザが興味のある有用な情報を含む要約を作成することのできる。また、ユーザ毎に異なる、所望のメッセージの条件と要約の有無と配信タイミングを指定するだけで、ユーザの所望するメッセージをユーザの所望する形態(要約の有無)で、ユーザの所望するタイミングで配信することのできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るメッセージ配信システムの構成例を示した図。
【図2】 コミュニティ情報記憶部に記憶されるコミュニティ情報の例を示した図。
【図3】 ユーザ情報記憶部に記憶されるユーザ情報の例を示した図。
【図4】 電子メールによるメッセージの例を示した図。
【図5】 電子掲示板によるメッセージの提示画面の例を示した図。
【図6】 電子掲示板によるメッセージの作成画面の例を示した図。
【図7】 メッセージ配信装置がユーザに配信する配信メッセージの例を示した図。
【図8】 メッセージ配信装置がユーザに配信する配信メッセージの例を示した図。
【図9】 メッセージ配信装置がユーザに配信する配信メッセージの例を示した図。
【図10】 メッセージ配信方法を設定する画面とその設定例を示した図。
【図11】 メッセージの選別方法を設定する画面とその設定例を示した図。
【図12】 メッセージの選別方法を設定する画面とその設定例を示した図。
【図13】 メッセージの選別方法を設定する画面とその設定例を示した図。
【図14】 メッセージの選別方法を設定する画面とその設定例を示した図。
【図15】 メッセージの選別方法を設定する画面とその設定例を示した図。
【図16】 メッセージの選別方法を設定する画面とその設定例を示した図。
【図17】 電子掲示板を用いてメッセージの選別方法を設定する画面例を示した図。
【図18】 メッセージ操作履歴記憶部に記憶される操作履歴の例を示した図。
【図19】 メッセージ配信部の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図20】 メッセージ配信部の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図21】 メッセージ配信部の処理動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…コミュニティ管理部、2…メッセージ受信部、3…メッセージ記憶部、4…メッセージ提示部、5…メッセージ配信部、5a…メッセージ選別部、5b…メッセージ要約部、5c…メッセージ送信部、6…メッセージ配信方法設定部、7…メッセージ操作履歴記憶部、8…コミュニティ情報記憶部、9…ユーザ情報記憶部、10…メッセージ配信方法記憶部、11…ユーザ端末。
Claims (18)
- 複数のユーザをメンバーとするコミュニティ宛てに、当該コミュニティのメンバーが送信したメッセージを記憶する第1の記憶手段と、
前記複数のユーザのそれぞれに対応する前記メッセージを選択するための複数の条件を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された複数のメッセージのうち、前記複数の条件のうちの1つである第1の条件を満たすメッセージあるいは返信関係で繋がるメッセージ群を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択されたメッセージあるいはメッセージ群の各メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類と利用頻度から算出した各部分テキストの得点を基に選択した部分テキストで要約文を作成する作成手段と、
を具備したことを特徴とする要約作成装置。 - 前記作成手段は、前記選択手段で選択された複数のメッセージ群のそれぞれについて、各メッセージ群に含まれる前記部分テキストの前記得点の総和を求めて、この総和の値が高い順に選択したメッセージ群に含まれる前記部分テキストのなかから、前記得点の高い順に前記要約文に用いる部分テキストを選択することを特徴とする請求項1記載の要約作成装置。
- 前記作成手段は、前記選択手段で選択された複数のメッセージのそれぞれについて、各メッセージに含まれる前記部分テキストの前記得点の総和を求めて、この総和の値が高い順に選択したメッセージに含まれる前記部分テキストのなかから、前記得点の高い順に前記要約文に用いる部分テキストを選択することを特徴とする請求項1記載の要約作成装置。
- 前記選択手段は、前記条件として指定された表現を含むメッセージを選択し、
前記作成手段は、前記選択手段で選択された複数のメッセージのそれぞれにおける他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキスト中の前記条件として指定されている表現の出現頻度と、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類と利用頻度から算出した得点を基に、前記要約文に用いる部分テキストを選択することを特徴とする請求項1記載の要約作成装置。 - 前記作成手段は、前記選択手段で選択された複数のメッセージのそれぞれについて、各メッセージに含まれる前記部分テキストの前記得点の総和を求めて、この総和の値が高い順に選択したメッセージに含まれる前記部分テキストのなかから、前記得点の高い順に前記要約文に用いる部分テキストを選択することを特徴とする請求項4記載の要約作成装置。
- 複数のユーザをメンバーとするコミュニティ宛てに、当該コミュニティのメンバーが送信したメッセージを第1の記憶手段に記憶するステップと、
前記複数のユーザのそれぞれに対応する前記メッセージを選択するための複数の条件を第2の記憶手段に記憶するステップと、
前記第1の記憶手段に記憶された複数のメッセージのうち、前記複数の条件のうちの1つである第1の条件を満たすメッセージあるいは返信関係で繋がるメッセージ群を選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択されたメッセージあるいはメッセージ群の各メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用しているメッセージの利用の種類と利用頻度から算出した得点を基に選択した部分テキストで要約文を作成する作成ステップと、
を有することを特徴とする要約作成方法。 - 複数のユーザをメンバーとするコミュニティ宛てに、当該コミュニティのメンバーが送信したメッセージを受信する受信手段と、
この受信手段で受信したメッセージを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された複数のメッセージのうち指定された条件を満たすメッセージを、要約してあるいは要約せずに、指定した配信タイミングで配信するための、少なくとも前記条件と要約の有無と前記配信タイミングを定めた、前記複数のユーザのそれぞれに対応する複数のメッセージ配信情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された複数のメッセージから、前記複数のメッセージ配信情報のうちの1つである第1のメッセージ配信情報で指定されている前記条件を満たすメッセージあるいは返信関係で繋がるメッセージ群を選択する選択手段と、
前記第1のメッセージ配信情報で要約有りと指定されているとき、前記選択手段で選択されたメッセージあるいはメッセージ群を要約するために、各メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類と利用頻度を基に要約文として用いる部分テキストを求める要約手段と、
この要約手段で求めた部分テキスト、あるいは、前記第1のメッセージ配信情報で要約無しと指定されているときには、前記選択手段で選択されたメッセージあるいはメッセージ群を含む配信メッセージを前記第1のメッセージ配信情報で指定されている配信タイミングに従って当該第1のメッセージ配信情報に対応するユーザに配信する配信手段と、
を具備したことを特徴とするメッセージ配信装置。 - 前記条件は、選択すべきメッセージに含まれる表現と、選択すべきメッセージ群のもつ特徴と、選択すべきメッセージの送信者の特徴とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7記載のメッセージ配信装置。
- 前記選択手段は、前記条件として、選択すべきメッセージ群の利用の種類と利用頻度に関する特徴が指定されているとき、前記第1の記憶手段から、前記利用の種類である送信、返信、転送、配信、閲覧のいずれかに所定回数以上利用されたメッセージを含むメッセージ群を選択することを特徴とする請求項7記載のメッセージ配信装置。
- 前記要約手段は、前記選択手段で選択されたメッセージ群を要約する際には、当該メッセージ群の各メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類と利用頻度から算出した得点を基に、前記配信メッセージに含める部分テキストを選択することを特徴とする請求項7記載のメッセージ配信装置。
- 前記要約手段は、前記選択手段で選択された複数のメッセージ群のそれぞれについて、各メッセージ群に含まれる前記部分テキストの前記得点の総和を求め、前記第1のメッセージ配信情報で指定されたデータ量を満たすよう、前記総和の値が高い順に選択したメッセージ群に含まれる前記部分テキストのなかから、前記得点の高い順に前記配信メッセージに含める前記部分テキストを選択することを特徴とする請求項10記載のメッセージ配信装置。
- 前記要約手段は、前記選択手段で選択された各メッセージを要約する際には、当該メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類と利用頻度から算出した得点を基に、前記配信メッセージに含める部分テキストを選択することを特徴とする請求項7記載のメッセージ配信装置。
- 前記要約手段は、前記選択手段で選択された複数のメッセージのそれぞれについて、各メッセージに含まれる前記部分テキストの前記得点の総和を求め、前記第1のメッセージ配信情報で指定されたデータ量を満たすよう、前記総和の値が高い順に選択したメッセージに含まれる前記部分テキストのなかから、前記得点の高い順に前記配信メッセージに含める前記部分テキストを選択することを特徴とする請求項12記載のメッセージ配信装置。
- 前記要約手段は、前記条件として、選択すべきメッセージに含まれる表現が指定されているとき、前記選択手段で選択された当該条件を満たす複数のメッセージのそれぞれにおける他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキスト中の前記条件として指定されている表現の出現頻度と、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類と利用頻度から算出した得点を基に、前記配信メッセージに含める部分テキストを選択することを特徴とする請求項7記載のメッセージ配信装置。
- 前記要約手段は、前記選択手段で選択された複数のメッセージのそれぞれについて、各メッセージに含まれる前記部分テキストの前記得点の総和を求め、前記第1のメッセージ配信情報で指定されたデータ量を満たすよう、前記総和の値の高い順に選択したメッセージに含まれる前記部分テキストのなかから、前記得点の高い順に前記配信メッセージに含める前記部分テキストを選択することを特徴とする請求項14記載のメッセージ配信装置。
- 前記配信手段は、前記配信メッセージに、前記第1のメッセージ配信情報の設定を変更するための設定データを付加して、当該第1のメッセージ配信情報に対応するユーザへ配信し、
当該ユーザにより編集された前記設定データを受信したとき、当該設定データを基に、前記第1のメッセージ配信情報を設定を変更する手段をさらに具備したことを特徴とする請求項7記載のメッセージ配信装置。 - 複数のユーザをメンバーとするコミュニティ宛てに、当該コミュニティのメンバーが送信したメッセージを受信する受信ステップと、
この受信手段で受信したメッセージを第1の記憶手段に記憶するステップと、前記第1の記憶手段に記憶された複数のメッセージのうち指定された条件を満たすメッセージを、要約してあるいは要約せずに、指定した配信タイミングで配信するための、少なくとも前記条件と要約の有無と前記配信タイミングを定めた、前記複数のユーザのそれぞれに対応する複数のメッセージ配信情報を第2の記憶手段に記憶するステップと、
前記第1の記憶手段に記憶された複数のメッセージから、前記複数のメッセージ配信情報のうちの1つである第1のメッセージ配信情報で指定されている前記条件を満たすメッセージあるいは返信関係で繋がるメッセージ群を選択する選択ステップと、
前記第1のメッセージ配信情報で要約有りと指定されているとき、前記選択手段で選択されたメッセージあるいはメッセージ群を要約するために、各メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用したメッセージの利用の種類と利用頻度を基に要約文として用いる部分テキストを求める要約ステップと、
この要約ステップで求めた部分テキスト、あるいは、前記第1のメッセージ配信情報で要約無しと指定されているときには、前記選択ステップで選択されたメッセージあるいはメッセージ群を含む配信メッセージを、前記第1のメッセージ配信情報で指定されている配信タイミングに従って当該第1のメッセージ配信情報に対応するユーザに配信する配信ステップと、
を有することを特徴とするメッセージ配信方法。 - 複数のユーザをメンバーとするコミュニティ宛てに、当該コミュニティのメンバーが送信したメッセージを第1の記憶手段に記憶するステップと、
前記複数のユーザのそれぞれに対応する前記メッセージを選択するための複数の条件を第2の記憶手段に記憶するステップと、
前記第1の記憶手段に記憶された複数のメッセージのうち、前記複数の条件のうちの1つである第1の条件を満たすメッセージあるいは返信関係で繋がるメッセージ群を選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択されたメッセージあるいはメッセージ群の各メッセージ中の他のメッセージで引用されている部分テキストのうち、当該部分テキストを引用しているメッセージの利用の種類と利用頻度から算出した得点を基に選択した部分テキストで要約文を作成する作成ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
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