JP3816714B2 - 熱硬化性フラックスおよびはんだ付け方法、ならびに電子部品搭載基板 - Google Patents

熱硬化性フラックスおよびはんだ付け方法、ならびに電子部品搭載基板 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、実装基板等に部品を装着する際のはんだ付け用の熱硬化性フラックスに関し、さらに詳しく言えば、本発明の熱硬化性フラックスは良好な化学性能、物理性能、特に接着性を有すると共に、さらには、潜在化カルボキシル基を有する化合物に由来する優れた貯蔵安定性を併せ持つことを特徴とする。さらには、このような熱硬化性フラックスを用いたはんだ付け方法や、こうしたはんだ付け方法によって得られた電子部品搭載基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、チップ部品等の電子部品を電子回路基板に実装する際の実装方法としては、例えば、ソルダリング技術((株)トリケップス 1987年8月26日発行)のP.225〜P.228に記載されている方法が、一般的に知られている。
【0003】
この方法を簡単に説明すると、次のような工程で行われる。
(1)はんだマスクを用いて、はんだクリーム(クリーム状のはんだ)を電子回路基板上(チップ部品の搭載用電極上)に印刷する工程。
(2)印刷されたはんだクリーム上に、搭載するチップ部品をマウンター等で装着する工程。
(3)チップ部品が装着された電子回路基板をはんだリフロー炉に通し、前記チップ部品を電子回路基板にはんだ付けする工程。
【0004】
また、電子回路基板の両面にチップ部品等を搭載する場合には、接着剤により搭載するチップ部品等を固定することも行われている。
【0005】
このようなはんだ付けに際して、フラックスが用いられるが、従来、フラックスは基板金属表面と装着する部品端子電極表面の酸化膜除去が主目的である。しかし、フラックスは基板と接合する部品表面の酸化膜を除去し、はんだの濡れ性を向上させる目的のほか、部品をはんだ付けするまでの仮止め剤としての機能をもたせたものもある。
【0006】
基板の酸化膜除去を目的とするフラックスの主成分はロジンであり、アビエチン酸等の有機酸で構成されている。また、印刷性や仮止め強度を得るために溶剤、可塑剤、流動調整剤(チキソ剤)が配合されるものもある。
【0007】
フラックスはミル規格で制定されているRMA(ハロゲンフリー)が主流で使用されており、リフロー後、フラックス等の洗浄工程が削減されている。
【0008】
無洗浄タイプのフラックスは実装後基板上に残渣として残るが、はんだ付け後機能することはほとんどない。
【0009】
部品と基板の接合強度は、はんだ接合面積に依存し、部品の小型化が進むにつれ接合強度は低下する方向にある。高密度実装が進むにつれ、部品の小型化、部品間隔の狭ピッチ化が主流となり、これに伴いはんだの接合面積は減少するため、基板と部品の接合強度は低下する方向にあった。
【0010】
従来、接合強度は、はんだのフィレット層などを形成し、部品端子と基板ランドのはんだ接合面積をより確保することで得ていたが、高密度実装基板の実施においては、はんだフィレット部分の接合面積も低減する必要があり、部品と基板の接合強度は低下する方向となってしまう。
【0011】
一方、Pbフリーはんだが今後主流となる中で高温はんだ(例えばPbリッチのはんだ、など)に変わる組成が見出せていない。モジュール製品など、基板上に部品を搭載する製品においては、従来のはんだを使用すると、モジュール製品をベース基板上に実装する際、搭載部品のシフティングや脱落等の問題が発生するなどの不具合が生じる。
【0012】
このような最近の高密度実装化に対処する技術として、特開昭62−134194号公報には、粉末状はんだを粘度の高いフラックスに混ぜ合わせてクリーム状にしたクリームはんだが開示されており、これを塗布した印刷配線板に部品を装着してリフローはんだ工程に送ることにより、端子位置のずれを防止できることが記載されている。
【0013】
また、特開平11−121915号公報には、電子回路基板と電子部品とを仮固定することができる粘性を有し、ロジンを主成分とし、アルコールで粘性を調整した電子部品実装用フラックスが開示されている。
【0014】
しかし、それでもなお、高密度実装および部品の小型化などの最近の傾向に対応するものとしては不十分であり、このような傾向にあって、基板と部品の接合強度を高め、搭載部品のシフティングや脱落等の問題が生じないような技術が望まれている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、はんだ濡れ性を向上させ、はんだ付け工程に至るまでの電子部品と基板との接合強度を確保できるとともに、はんだ付け後においても、電子部品と基板との接合強度を向上させる機能を有し、電子部品のシフティングや脱落などが生じない熱硬化性フラックスを提供することであり、さらにはこれを用いたはんだ付け方法、および電子部品搭載基板を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の好ましい性質を有するはんだ付け用の熱硬化性フラックスを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の本発明のはんだ付け用の熱硬化性フラックスにより、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は下記のとおりである。
(1) (A)1分子中に潜在化されたカルボキシル基を2個以上有する、式(1)で表わされる構造単位を有するポリヘミアセタールエステル樹脂
【化2】
Figure 0003816714
[式(1)中、R1およびR2はそれぞれ2価の有機基であり、Yは酸素原子またはイオウ原子である。]
と、(B)1分子にカルボキシル基と加熱により化学結合を形成しうる反応性官能基を2個以上有する化合物とを含有するはんだ付け用の熱硬化性フラックス。
【0018】
(2) (A)成分が10〜90質量%であり、(A)成分の潜在化されたカルボキシル基と(B)成分のエポキシ基の当量比で0.2:1.0〜1.0:0.2の割合になるよう(B)成分を配合した上記(1)のはんだ付け用の熱硬化性フラックス。
(3) さらに、Sn−Cu−Ag系はんだ粉末を含有する上記(1)または(2)のいずれかのはんだ付け用の熱硬化性フラックス。
(4) 液状、ペースト状またはシート状である上記(1)〜(3)のいずれかのはんだ付け用の熱硬化性フラックス。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかの熱硬化性フラックスを用いてはんだ付けするはんだ付け方法。
(6) 電子部品搭載用基板の上に電子部品を搭載する際に行う上記(5)のはんだ付け方法。
(7) 上記(6)のはんだ付け方法により電子部品搭載用基板の上に電子部品を搭載して得られた電子部品搭載基板。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱硬化性フラックスは、(A)成分の1分子中に潜在化されたカルボキシル基を1個以上、好ましくは2個以上有する化合物と、(B)成分の1分子中にカルボキシル基と加熱により化学結合を形成しうる反応性官能基を2個以上有する化合物、さらに、場合により用いられる酸触媒、流動調整剤(チキソ剤)、溶剤を含有するものである。
【0020】
これによれば、従来のフラックスとは異なり、はんだ付け後において、接着性をもつため、基板と電子部品との接合強度が向上する。このため、高密度実装に適したものとなり、Pbフリーのはんだを用いて実装した場合においても、電子部品のシフティングや脱落などが生じない。また、両面実装する場合においても、接着性に優れるので、一方の面に電子部品を実装してから他方の面に電子部品を実装する場合、実装済みの電子部品の剥落を防止する目的で、別途、接着剤を用いるなどの特段の措置を講ずる必要がない。 また、従来のフラックスと同様に、はんだ付けに供される電子部品の酸化膜を除去する機能をもち、さらには、常温(15℃程度の温度)〜約220℃の温度範囲まで低粘性を示すため、はんだ付けするまでに、基板と電子部品とを仮固定することが可能になるとともに、はんだ付けに際しては、溶解したはんだの表面張力により電子部品の搭載態勢を是正するセルフアライメント効果がある。
【0021】
また、(A)成分と(B)成分とを適宜選択することにより、接着温度等の調整が可能になり、使用目的に応じてその組合せを選択することができる。
【0022】
このように、本発明の熱硬化性フラックスは、従来の汎用されているロジン系フラックスと異なり、基板上へ熱(リフロー)により電子部品を搭載後、フラックスが実装基板と電子部品を固定する接着剤としての機能を有するところに特徴がある。
【0023】
本発明の熱硬化性フラックスの必須成分である(A)成分は、1分子中に潜在化されたカルボキシ基を1個以上、好ましくは2個以上含有する化合物である。このような化合物を用いることにより、本発明の熱硬化性フラックスは貯蔵安定性に優れたものとなる。
【0024】
そのような潜在化カルボキシル基としては、ターシャリーブチルエステル基、トリアルキルシリルエステル基、ヘミアセタールエステル基が挙げられる。これらの中でも、ターシャリーブチルエステル基は脱離基としてガス状のイソブテンを副成し、また、トリアルキルシリルエステル基は水分に対して過敏であることから、ヘミアセタールエステル基が好ましく、(A)成分の化合物は、このような基を少なくとも1個有するものであればよく、なかでも下記式(1)で表わされる構造単位を少なくとも1個有するポリヘミアセタールエステル樹脂が好ましい。特に好ましくは、下記式(1)で表わされる繰り返し単位を有するポリヘミアセタールエステル樹脂である。
【0025】
【化3】
Figure 0003816714
【0026】
式(1)中、R1およびR2はそれぞれ2価の有機基であり、Yは酸素原子またはイオウ原子である。
【0027】
式(1)中のR1、R2で表わされる2価の有機基はそれぞれ同じでもよいし、異なってもよい。
【0028】
1、R2で表わされる有機基としては、例えばトリメチレンなどのアルキレン基、シクロヘキサンから2つの水素原子を取り除いたシクロヘキサン残基(シクロヘキシレン)などのシクロアルキレン基、ビニレンなどのアルケニレン基、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン等のポリオキシアルキレン基、シクロヘキセンから2つの水素原子を取り除いたシクロヘキセン残基などのシクロアルケニレン基、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレンなどの2価の芳香族残基、ポリアルキンオキシド残基、下記式(2)
【0029】
【化4】
Figure 0003816714
【0030】
(式中のR3およびR4は、式中の総炭素数が1〜30となる2価の有機基である。)の有機基などが挙げられる。なお、式(2)については後述する。
【0031】
1、R2で表わされる有機基の総炭素数は2〜30が好ましく、さらには6〜25が好ましい。
【0032】
これらの有機基は、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子やその他の置換基で置換されてもよい。
【0033】
これらの有機基のうち好ましいものは、アルキレン基、シクロヘキサン残基などのシクロアルキレン基、2価の芳香族残基および式(2)の有機基である。
【0034】
アルキレン基は、直鎖状または分岐状の2価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基であり、具体的にはメチレン、エチレン、トリメチレン、メチルメチレン、エチルメチレン、メチルエチレン、エチルエチレン、2−メチルトリメチレン、テトラメチレン、1−メチルトリメチレン、ペンタメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−メチルペンタメチレン、2−メチルペンタメチレン、3−メチルペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレンなどが挙げられる。
【0035】
シクロアルキレン基としては、例えばシクロペンタン残基、シクロヘキサン残基、シクロヘプタン残基、これらの残基の結合手の1つまたは2つにさらにメチレン基、エチレン基などの上記アルキレン基が結合したものおよびこれらのアルキル置換体が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン残基、シクロヘプタン残基、およびこれらのアルキル置換体が挙げられる。総炭素数は5〜18であることが好ましい。
【0036】
アルケニレン基は、直鎖状または分岐状の2価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルケニレン基であり、具体的にはcis−ビニレン、trans−ビニレン、プロペニレン、2−ブテニレン、1−メチルプロペニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3,3−ジメチルプロペニレン、2−ペンテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−メチル−3−ブテニレン、2−ヘキサニレン、3−ヘプテニレン、4−オクテニレン、3−ノネニレン、3−デセニレンなどが挙げられる。
【0037】
ポリオキシアルキレン基としては、例えばポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなどが挙げられる。総炭素数は4〜30であることが好ましい。
【0038】
シクロアルケニレン基としては、例えばシクロペンテン残基、シクロヘキセン残基、シクロヘプテン残基、これらの残基の結合手の1つまたは2つにさらにメチレン基、エチレン基などの上記アルキレン基が結合したものおよびこれらのアルキル置換体が挙げられ、好ましくはシクロペンテン残基、シクロヘキセン残基が挙げられる。総炭素数は5〜18であることが好ましい。
【0039】
2価の芳香族残基としては、芳香族化合物から2つの水素原子を取り除いた残基であり、適当な具体例としては、例えばフェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、オキソナフチレン、2価のアントラセン残基、2価のアントラキノン残基、アルカンジフェニレン、カルボニルジフェニレン、スルホニルジフェニレンおよびこれらのアルキル置換体、これらの残基の結合手の1つまたは2つにさらにメチレン基、エチレン基などの上記アルキレン基が結合したもの、さらには塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子による置換体などが挙げられる。
【0040】
これらの芳書族残基の好ましいものとしては、フェニレン、ナフチレン、アルカンジフェニレン、オキソナフチレン残基およびこれらのアルキル置換体が挙げられる。総炭素数は6〜20であることが好ましい。
【0041】
シクロアルキル環、シクロアルケニル環または芳香族環に置換するアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、メチルオクチル、エチルヘプチル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、シクロヘキシルなどが挙げられ、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、具体的には、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−オクチルなどである。これらのシクロアルキル環、シクロアルケニル環または芳香族環に置換するアルキル基は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
【0042】
上記フェニレンおよびそのアルキル置換体としては、例えばo−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレン、4−メチル−o−フェニレン、5−メチル−m−フェニレン、5−メチル−p−フェニレンなどのトリレンの各異性体、3,4−ジメチル−o−フェニレン、4,5−ジメチル−m−フェニレン、2,5−ジメチル−p−フェニレンなどのキシリレンの各異性体、4−エチル−o−フェニレン、4−エチル−m−フェニレン、2−エチル−p−フェニレンなどのエチルフェニレンの各異性体、n−プロピルフェニレンの各異性体、イソプロピルフェニレンの各異性体、n−ブチルフェニレンの各異性体、t−ブチルフェニレンの各異性体、アミルフェニレンの各異性体、ヘキシルフェニレンの各異性体、ノニルフェニレンの各異性体などが挙げられ、好ましいものとしては、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレン、4−メチル−o−フェニレン、5−メチル−m−フェニレン、5−メチル−p−フェニレンが挙げられる。
【0043】
ナフチレンおよびそのアルキル置換体としては、例えば1,2−ナフチレン、1,3−ナフチレン、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、1,6−ナフチレン、1,7−ナフチレン、1,8−ナフチレン、2,3−ナフチレン、2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレンおよびこれらのメチル置換体の各異性体、ジメチル置換体の各異性体、エチル置換体の各異性体、イソプロピル置換体の各異性体、n−ブチル置換体の各異性体などが挙げられ、好ましいものとしては1,2−ナフチレン、1,3−ナフチレン、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、1,6−ナフチレン、1,7−ナフチレン、1,8−ナフチレン、2,3−ナフチレン、2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレンが挙げられる。
【0044】
オキソナフチレンおよびそのアルキル置換体としては、例えば1,2−ナフトキノン−5,8位残基、1,4−ナフトキノン−5,8位残基、2,6−ナフトキノン−5,8位残基およびこれらのメチル置換体の各異性体、エチル置換体の各異性体、イソプロピル置換体の各異性体、n−ブチル置換体の各異性体などが挙げられ、好ましくは1,2−ナフトキノン−5,8位残基、1,4−ナフトキノン−5,8位残基、2,6−ナフトキノン−5,8位残基が挙げられる。
【0045】
2価のアントラセン残基は、アントラセンから2個の水素原子を取り除いた残基であり、アントラセン残基およびそのアルキル置換体の具体例としては、例えば1,2−アントラセン残基、1,3−アントラセン残基、1,4−アントラセン残基、1,5−アントラセン残基、1,6−アントラセン残基、1,7−アントラセン残基、1,8−アントラセン残基、2,3−アントラセン残基、2,6−アントラセン残基、2,7−アントラセン残基、およびこれらのメチル置換体の各異性体、エチル置換体の各異性体、イソプロピル置換体の各異性体、n−ブチル置換体の各異性体などが挙げられ、好ましくは1,2−アントラセン残基、1,3−アントラセン残基、1,4−アントラセン残基、1,5−アントラセン残基、1,6−アントラセン残基、1,7−アントラセン残基、1,8−アントラセン残基、2,3−アントラセン残基、2,6−アントラセン残基、2,7−アントラセン残基が挙げられる。
【0046】
2価のアントラキノン残基は、アントラキノンから2個の水素原子を取り除いた残基であり、アントラキノン残基およびそのアルキル置換体の具体例としては、例えば9,10−アントラキノン−5,8位残基、9,10−アントラキノン−1,5位残基、1,2−アントラキノン−6,9位残基、1,4−アントラキノン−6,9位残基およびこれらのメチル置換体の各異性体、エチル置換体の各異性体、イソプロピル置換体の各異性体、n−ブチル置換体の各異性体などが挙げられ、好ましくは9,10−アントラキノン−5,8位残基、9,10−アントラキノン−1,5位残基、1,2−アントラキノン−6,9位残基、1,4−アントラキノン−6,9位残基が挙げられる。
【0047】
アルカンジフェニレンおよびそのアルキル置換体としては、例えばプロパン−2,2−ジフェニレン、2−メチルプロパン−3,3−ジフェニレン、メチルシクロヘキシルメタン−ジフェニレンおよびこれらのメチル置換体の各異性体、エチル置換体の各異性体、イソプロピル置換体の各異性体、n−ブチル置換体の各異性体などが挙げられ、好ましくはプロパン−2,2−ジフェニレンが挙げられる。
【0048】
スルホニルジフェニレンおよびそのアルキル置換体としては、例えばスルホニルジフェニレン、およびこれらのメチル置換体の各異性体、エチル置換体の各異性体、イソプロピル置換体の各異性体、n−ブチル置換体の各異性体などが挙げられ、好ましくはスルホニルジフェニレンが挙げられる。
【0049】
Yは酸素原子または硫黄原子を表すが、好ましくは酸素原子である。
【0050】
また、式(2)中のR3およびR4は、それぞれ2価の有機基である。式中の左右のR3およびR4は、それぞれ同じでもよいし、異なってもよい。R3およびR4の具体例としては、前記したR1およびR2のうち式(2)の有機基以外の有機基と同様なものが挙げられる。
【0051】
本発明の必須成分として好ましいとされるポリヘミアセタールエステル樹脂は、上記式(1)で表わされる繰り返し単位を有するものであるが、式(1)で表わされる繰り返し単位の1種のみを有するものでもよいし、2種以上を有するものでもよく、また上記式(1)で表わされる繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでもよい。
【0052】
本発明で使用されるポリヘミアセタールエステル樹脂に含有されるその他の繰り返し単位としては、例えばポリエステル樹脂を横成する繰り返し単位、ウレタン樹脂を横成する繰り返し単位などが挙げられる。
【0053】
当該ポリヘミアセタールエステル樹脂の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、通常500〜100,000の範囲のものであり、好ましくは800〜20,000の範囲のものである。
【0054】
本発明で使用される式(1)で表わされる繰り返し単位を有するポリヘミアセタールエステル樹脂は、式(3)
【0055】
【化5】
Figure 0003816714
【0056】
(式中のR1は、2価の有機基である。)で表わされるジカルボン酸化合物と、式(4)
【0057】
【化6】
Figure 0003816714
【0058】
(式中のR2は、2価の有機基であり、Yは酸素原子または硫黄原子である。)で表わされるジビニルエーテル化合物、あるいはジビニルチオエーテル化合物との付加反応により容易に得ることができる。なお、式(3)、(4)中のR1、R2は式(1)中のものと同義のものである。
【0059】
本発明で使用されるポリヘミアセタールエステル樹脂の製造に使用される前記式(3)で表わされるジカルボン酸化合物としては、例えばマレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、塩素化マレイン酸、ヘット酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸などの炭素数2〜30の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジクロロフタル酸、ジクロロイソフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラクロロイソフタル酸、テトラクロロテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、および前述の2価の有機基であるR1およびR2の2価残基にカルボキシル基を導入したジカルボン酸などが挙げられる。
【0060】
また、このジカルボン酸の代わりに1モルのジオールと2モルの酸無水物との付加反応によって得られるジカルボン酸のハーフエステル体を使用することができる。そのようなジオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−および1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。ハーフエステル体に使用される酸無水物としては、例えばコハク酸、グルタル酸、フタル酸、マレイン酸、ジクロロフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸メチルヘキサヒドロフタル酸などのジカルボン酸の酸無水物が挙げられる。その他、ポリエステル構造、ポリブタジエン構造を持つ末端ジカルボン酸など、ジカルボン酸構造を有するものであればいかなる化合物も使用し得る。
【0061】
また、本発明で使用されるポリヘミアセタールエステル樹脂の製造に使用される前記式(4)で表わされるジビニルエーテル化合物の具体例としては、例えばトリメチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ビスビニルオキシメチルシクロヘキセン、エチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ペンタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4−ベンゼンジビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル、およびこれらの対応するジビニルチオエーテル、ならびに2,2-ビス(ビニルチオ)プロパン、および前述の2価の有機基であるR1およびR2の2価残基にビニルエーテル基あるいはビニルチオエーテル基を導入したジビニルエーテル類やジビニルチオエーテル類などが挙げられる。
【0062】
本発明で使用されるポリヘミアセタールエステル樹脂においては、前記式(3)で表わされるジカルボン酸化合物またはハーフエステル体および前記式(4)で表わされるジビニルエーテル化合物を各々複数種用いてもよい。また、分子量、塗膜物性の調整のため前記ジカルボン酸化合物またはハーフエステルの他に1官能性のカルボン酸化合物またはフェノール類あるいはモノアルコールを併用してもよい。そのような化合物としては、例えば炭素数1〜20の合成樹脂酸、炭素数10〜32の天然脂肪酸、ロジン、炭素数1〜25のフェノール類、アルコール類などが挙げられる。
【0063】
前述のジカルボン酸化合物またはハーフエステル体とジビニルエーテル化合物との反応は、通常無溶媒または適当な溶媒中で室温(20℃程度の温度)ないし200℃の範囲の温度において行われる。
【0064】
本発明の熱硬化性組成物において使用される(B)成分は、(A)成分を加熱することにより再生した遊離カルボキシル基と反応して化学結合を形成し得る反応性官能基を1分子中に2個以上、好ましくは2〜50個有する化合物である。
【0065】
そのような反応性官能基としては、例えばエポキシ基、オキサゾリン残基、シラノール残基、アルコキシシラン残基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基、アルキル化アミノメチロール基、アセタール残基、ケタール残基などが挙げられる。
【0066】
これらの中でもエポキシ基は、(A)成分であるポリヘミアセタールエステル樹脂の熱分解で生成するカルボキシル基と付加反応を起こし、強固なβ−ヒドロキシエチルエステル結合を形成すること、および、上述のポリヘミアセタールエステル樹脂の熱分解反応で副成するジビニルエーテルが、β−ヒドロキシエチルエステルの水酸基とさらに反応、アセタール結合を形成し、硬化物の物性向上に有利であることから、特に好ましい。
【0067】
そのような(B)成分の化合物の具体例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールクレゾール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどの単独重合体または共重合体、グリシジルアリルエーテルとフッ化ビニリデンおよびビニルエーテルから成る共重合体、ポリカルボン酸あるいはポリオールとエピクロルヒドリンとの反応により得られるポリグリシジル化合物およびエポキシ基含有シリコーンオイル、例えばエピコート828、872、1001、1004(いずれも商品名、油化シェルエポキシ(株)社製)などのエポキシ樹脂や、KF−101、KF−103、KF−105、X−22−169AS(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)などのエポキシ基含有化合物が挙げられる。
【0068】
本発明の熱硬化性組成物においては、前記(A)成分および(B)成分の含有割合は、(A)成分の潜在化されたカルボキシル基と(B)成分のエポキシ基の当量比で0.2:1.0〜1.0:0.2の割合になるように各成分を含有させることが望ましい。(A)成分のポリヘミアセタールエステル樹脂は、単に加熱することにより、元の遊離カルボキシル基を再生することができるが、ここに酸触媒が存在することにより速くカルボキシル基を再生することができる。
【0069】
そのような酸触媒としては、ブレンステッド酸あるいはルイス酸を使用できるが、一液型熱硬化性組成物を最終目的とする場合、加熱時に初めて活性を示す熱潜在性酸触媒成分、および/または光の照射により酸を発生する化合物が好ましい。加熱時に初めて活性を示す熱潜在性酸触媒成分としては、ブレンステッド酸あるいはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、オニウム化合物類、および(i)エポキシ基を有する化合物、(ii)含イオウ化合物および(iii)ルイス酸を必須成分とし、場合により(iv)カルボン酸化合物および/または無水カルボン酸化合物から成る化合物が好ましく挙げられる。
【0070】
上記酸触媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0071】
前記熱潜在性酸触媒成分の使用量については特に制限ないが、通常本発明のポリヘミアセタールエステル樹脂を含有する熱硬化性組成物の総固形分に対し、0〜10質量%、さらには0.1〜10質量%の範囲にあるのが好ましい。
【0072】
また、本発明で場合により用いられる流動調整剤(チキソ剤)としては、無機シリカ粉末および有機ポリアミド、シリコーン、フェノールなどの樹脂粉末が望ましい。配合量は熱硬化性組成物の総固形分に対し、0〜50質量%、さらには0.1〜50質量%の範囲が効果的である。
【0073】
また、本発明で場合により用いられる溶剤としては、特に制限はないが、芳香族系、エステル系、エーテル系、ケトン系、アミド系、スルフォキシド系、リン酸エステル系溶剤等が好ましい。溶剤は、熱硬化性組成物の総固形分に対し、0〜50質量%の範囲にあるのが好ましい。
【0074】
本発明に使用されるはんだ金属粉末の種類としては、Sn、Pb、Cu、Zn、Ag、Sb、In、Bi、Geを少なくとも1元素以上含む組成であって、溶融するはんだ温度、目標とする接合強度を得るため、その金属配合比率は任意に設定できる。はんだ金属粉末は、通常、樹脂固形分に対し、20〜100質量%の範囲で用いられる。はんだ粉末の粒径に特に制限はないが、平均粒径が10〜30μm 程度であることが好ましい。
【0075】
本発明のポリヘミアセタールエステル樹脂を含有する熱硬化性組成物の硬化に要する温度および時間については、前記式(1)で表わされるポリヘミアセタールエステル樹脂から遊離カルボキシル基を再生する温度、反応性官能基の種類、酸触媒の有無、種類などにより異なるが、はんだリフロー工程(通常230℃〜270℃程度の温度)において十分に硬化するように設計するのが好ましい。
【0076】
本発明の熱硬化性フラックスの形態としては、溶剤で希釈された溶剤添加の液状型、溶剤を添加しない100%有効成分の無溶剤で用いられる無溶剤液状型(はんだ粉末が添加されていないもの)、およびこれらにはんだ粉末を添加しペースト状としたペースト状型などがあり、いずれの形態も可能である。また、上記の熱硬化性組成物をシート状に加工したシート状型の形態をとることも可能である。
【0077】
本発明の熱硬化性フラックスについてまとめると、既述のものも含め、以下のようになる。
【0078】
a-1)本発明の熱硬化性フラックスは、従来のフラックスに接着剤としての機能を付与し、はんだ付け後のフラックスに基板と部品を固定する接着性を持たせ、衝撃や熱ストレスに対し部品の落下を防ぎ、はんだ接合界面の信頼性を向上させる作用を有する、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含有する無洗浄フラックスである。
【0079】
a-2)実装基板上で搭載部品の実装密度を向上させる手法として、基板ランドのパターンを部品形状より小型化する方策もあるが、部品搭載時にはんだと部品端子接合面にフィレットが形成されないことから部品の固着強度が得られず採用されていなかった。しかし、上記熱硬化性フラックスを使用するとフィレットがなくても固着強度は十分確保でき、搭載部品の実装密度も向上させることが可能となる。
【0080】
上記熱硬化性フラックスは、常温〜約220℃の温度範囲まで低粘性を示すため、接合不具合を起こさず、従来工法同様の接合性、セルフアライメント性を有する。
【0081】
a-3)現在、Pbフリーはんだ組成の開発が盛んに行われているが、Pbレスでの高温はんだの開発は困難になっている。高温はんだの一般的な組成は、Pb配合量や、Cu、Sbの添加量で決定している。上記組成における状態図上の半固相温度は220℃〜235℃前後となる。
【0082】
現在開発されているPbフリーはんだは、融点が220℃前後と共晶はんだに比較し約40℃も向上し、実用上のリフロー温度は240℃〜260℃といわれており、高温はんだの半固相温度域に達してしまう。
【0083】
従来の高温はんだの用途は、モジュール基板部品などの搭載部品接合用として用いられてきた。モジュール基板部品は、再度セット基板に搭載する際、リフロー炉を通炉され、搭載部品がシフティングしないように再溶融(半固相温度)しない高温はんだを用いる。但しPbフリーはんだが導入されるとリフロー温度が上昇し、高温はんだも再溶融する可能性があり、モジュール基板上の搭載部品が基板ランドより外れる可能性が出てくる。対策として、熱硬化性フラックスで搭載部品を固定しておくと、はんだが再溶融してもフラックスが部品を固定しているため、外れなどの不具合は生じない。
【0084】
a-4)両面実装基板の場合、1面目に搭載した部品が2面目のリフロー時に脱落しないように、部品を仮止めするかあるいは、高温はんだを1面目のはんだとして使用するケースが一般的である。上記両面実装基板においても熱硬化性フラックスが部品を固定するため、1、2面目のはんだぺ一スト融点を変更することなく、仮止め剤を使用せず1、2面目共に同条件で部品を実装することが可能となる。
【0085】
b)熱硬化性フラックスは、熱硬化性エポキシ樹脂に還元作用を示す有機酸や溶剤等を混合し、有機酸や溶剤は従来のフラックス同様に酸化膜の除去を行い、熱硬化性の樹脂は熱(リフロー)通炉後、接着作用をもたらす働きをさせる。各々は、はんだ付け工程において別々の機能を有する。フラックス中の硬化剤は、好ましくはポリヘミアセタールエステル樹脂を用い、フラックスの作用と熱硬化性樹脂の硬化とを併用させる。硬化剤を封入したマイクロカプセルを混合し、各々作用させる方法もある。
【0086】
接着性を付与する樹脂系は、好ましくは熱硬化性エポキシ樹脂で、接着性を得たい温度域により任意に配合ができる。また、硬化剤ポリヘミアセタールエステル樹脂の構成成分であるジカルボン酸化合物またはジビニルエーテル化合物を変更することでも作業温度の変更は可能となる。
【0087】
本発明のはんだ付け方法は、上記の熱硬化性フラックスを用いて実施されるものであり、好ましくは、電子部品搭載用基板上に電子部品を搭載する際に実施される。電子部品および基板は種々のものを用いることができる。また、はんだ付けの具体的方法については通常のとおりである。例えば、電子部品および/または基板の電極にはんだをプリコートする方法などがある。
【0088】
このようにして得られる本発明の電子部品搭載基板(電子部品実装基板)は、高密度実装に対応するものであり、部品と基板との接合強度が十分であり、搭載部品のシフティングや脱落などの問題が生じない。
【0089】
なお、具体的な実装方法としては実施例に示すものが挙げられる。
【0090】
【実施例】
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
まず、合成中間体と(A)成分のポリヘミアセタールエステル樹脂の製造例を示す。
【0091】
製造例1
ジカルボン酸化合物ハーフエステル体αの製造
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコに、それぞれ表1記載の組成の混合物を仕込み、温度を120℃から140℃に保ちながら撹拝した。混合物の反応率が98%となったところで反応を終了した。キシレンで洗浄した後、減圧下において乾燥し、ジオールと酸無水物のハーフエステル化合物であるジカルボン酸ハーフエステル体αを得た。
【0092】
【表1】
Figure 0003816714
【0093】
製造例2〜4
ポリヘミアセタールエステル樹脂A〜Cの製造
温度計、環流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコに、それぞれ表2記載の組成の単量体を仕込み、温度を100℃から120℃に保ちながら撹拌した。酸価が5以下あるいは水酸基に起因する3543cm-1の赤外吸収スペクトルが消失した時点を反応の終点とし、それぞれ表2記載の特性値を持つポリヘミアセタールエステル樹脂のA〜C溶液を得た。
【0094】
【表2】
Figure 0003816714
【0095】
実施例1
(1)熱硬化性組成物の作成
表3記載の熱硬化性エポキシ樹脂と硬化剤ポリヘミアセタールエステル樹脂を用いて、各々の配合比率における熱硬化性組成物を作成し、硬化被膜物性の予備評価を行った。
【0096】
(2)試験サンプルの評価
試料2gをCu板上に塗布し、熱(リフロー炉)通炉後の被膜を観察した。リフロー温度は、主に電子部品の実装に用いられるに230℃〜270℃の範囲とした。
【0097】
なお、評価基準は、未硬化被膜を×、ゲル状被膜を△、硬化後弾性のある被膜を●、硬化後硬い被膜を○とした。結果を表3に示す。
【0098】
【表3】
Figure 0003816714
【0099】
230℃〜270℃のリフロー温度範囲においては、ほぼ硬化被膜が形成できている。熱硬化性樹脂の配合比率により、硬い膜から弾性膜まで膜物性を容易に調整できた。
【0100】
また、硬化被膜特性の評価として、260℃の一定温度における被膜硬化時間の比較も行った。結果を表4に示す。
【0101】
【表4】
Figure 0003816714
【0102】
熱硬化性樹脂被膜の硬化速度は樹脂の配合比率および硬化剤の分子量に依存していることが分かる。この配合比率を任意に設定することにより、目標とする温度領域で硬化被膜を形成することが可能である。
【0103】
実施例2
実施例1で作成したサンプルNo.1〜13の各々の熱硬化性フラックスに対し65質量%のはんだ粉末(Sn-3.5Ag-0.7Cu:数値は質量比:平均粒径15μm)を分散させ、はんだぺーストを作成した。熱硬化性フラックスの接着(部品固着性)効果を確認するため、試作したはんだぺーストと従来より使用されているロジンをフラックスとしたはんだぺーストを用い、1005形状チップ部品(1005チップコンデンサ)の基板実装後の横押し強度値を比較した。熱硬化性樹脂配合比との関係として、結果を図1に示す。ここでは、はんだ入り熱硬化性フラックスを便宜上、はんだペーストという(以下同)。なお、実装方法を図2に示す。
【0104】
図2に示すように、電子部品搭載用基板1は、予め電子部品搭載ランド2にはんだが形成されたものを用いた[図2(a)]。このランド2上にはんだペースト3を塗布し[図2(b)]、この上に、電子部品として、1005チップコンデンサ4をランド2上に基板接合用端子電極41、42が載置されるように搭載し[図2(c)]、リフロー炉に通した。リフロー温度は230℃〜270℃とした。このようにして、電子部品搭載基板を得た。なお、チップコンデンサ4の接合用端子電極41、42に、さらに、はんだをプリコートしてもよい。
【0105】
また、横押し強度の試験方法については、図3に示すように、搭載された1005チップコンデンサ4の正面側から加重をかけ、搭載された1005チップコンデンサ4の端子電極41、42が基板1から剥離する時点の強度値、すなわちチップ部品と実装基板間のせん断破壊値を測定し、その平均値(g)を求めた。
【0106】
すべての配合組成において、従来のロジン系フラックスにより実装した横押し強度値(平均値Ave=500g)よりも、強度が向上している。樹脂の配合組成における強度変化は、熱硬化性樹脂1001、1004(エピコート1001:油化シェルエポキシ(株)社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の略称、以下1001と略す。エピコート1004:油化シェルエポキシ(株)社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の略称、以下1004と略す。)の配合比が15〜50質量%の範囲内の部品横押し強度に対して、現行ロジンはんだ入りペーストの2.5倍の部品横押し強度が得られた。なお、図1では、熱硬化性樹脂配合比は、熱硬化性樹脂872(エピコート872:油化シェルエポキシ(株)社製ダイマー酸変性エポキシ樹脂の略称、以下872と略す。)の熱硬化性樹脂全体(872と1001または872と1004:872と1001/1004で表す。)に対する配合比率(質量%)で示している。実施例1のほか1004単独の場合も示している。
【0107】
実施例3
実施例1で作成したサンプルNo.1〜13の各々の熱硬化性フラックスに対し65質量%のはんだ粉末(Sn-3.5Ag-0.7Cu:数値は質量比:平均粒径15μm)を分散させ、はんだぺーストを作成した。試作したはんだぺーストを用い、1005チップコンデンサを実装基板上に熱(リフロー)により搭載し、チップ部品端子と実装基板との接合性を不良品の発生数(個)により比較した。結果を図4に示す。
【0108】
872と1001の組み合わせにおいては、1001の配合比率が高くなると良好な接合性を示している。熱硬化性樹脂872と1004の組み合わせにおいては、1004の配合比が25質量%で曲小値をとる。接合不具合を低減するため、実施例1の配合サンプルNo.10に後添加で溶剤シクロヘキサノンをはんだペーストに対し20質量%添加したところ、接合不具合は発生しなかった。接合界面の信頼性を得るには、溶剤で熱硬化性樹脂の粘度を下げて行くと接合性は改善される。これは樹脂の絶対粘度が低減し、良好な流動性を示し、はんだ中の接着性樹脂をはんだ周辺へ押し出す作用があると思われる。結果を併せて図4に示す。
【0109】
実施例4
図5に示すように、熱硬化性フラックス12(すなわち、実施例1にて配合した接着性フラックスのサンプルNo.7)を、離型シート11上にスキージ13を用い、ドクターブレード法にて50μm の膜厚で形成した[図5(a)、(b)、(c)]。後に乾燥器にて80℃30分間乾燥し、離型シート11上から熱硬化性フラックス12を剥離し、シート状の熱硬化性フラックス12を作成した[図5(d)]。
【0110】
このシート状の熱硬化性フラックス12を用いた実装方法を図6に示す。図6に示すように、予め電子部品搭載ランド2にはんだを形成した電子部品搭載用基板1に上記シート状の熱硬化性フラックス12を貼り付け[図6(a)、(b)、(c)]、その上に電子部品4(1005チップコンデンサ)をランド2上に端子電極41、42が載置されるように搭載し[図6(d)、(e)]、熱(リフロー)を通炉した[図6(f)]。
【0111】
通炉後の基板と電子部品の接合状態は熱硬化性のフラックスを介し良好に接合されていた。
【0112】
【発明の効果】
フラックスに部品と基板を確実に接着させる機能を付与することにより、フィレット層が形成できない実装基板パットにおいても、部品の固着強度を向上または維持することができる。さらに熱硬化性フラックスを用いたはんだぺ−ストを使用することで同様な効果が得られる。熱硬化性フラックスの硬化温度を任意に変更することにより、共晶組成からPbフリーのはんだ組成および融点範囲までの設計が可能となる。はんだぺ−ストの配合比率において、フラックスの含有量を従来の10質量%前後から最大45質量%の範囲で、はんだ付着量を低減でき、かつ、フラックスが部品を固定することができる。フラックスの含有量を上げることにより、高密度実装部品の搭載時における印刷条件の検討要素を著しく削減できる。また、接着性フラックスを用いることにより、両面実装基板においても、接着性フラックスが部品を固定するため、部品立ち、シフティングなどの不具合を発生しない。
【0113】
以上説明したように、本発明は、従来のロジン系フラックスよりも接着力を有し搭載部品を固着できる熱硬化性フラックスを用いることを特徴とする。使用用途としては、フラックス単独使用法または上記フラックスをはんだぺ−スト状で使用する方法、またはチップサイズパッケージ(CSP)等のアンダーフィル代替剤として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】はんだ入りフラックスの組成に対する横押し強度の関係を示すグラフである。
【図2】電子部品を基板に搭載する実装方法を示す模式図である。
【図3】横押し強度の試験方法を示す模式図である。
【図4】はんだ入りフラックスの組成に対する不良数の関係を示すグラフである。
【図5】シート状の熱硬化性フラックスの作成方法を示す模式図である。
【図6】電子部品を基板に搭載する実装方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1 基板
2 搭載ランド
3 はんだペースト
4 1005チップコンデンサ
11 雛形シート
12 熱硬化性フラックス
13 スキージ

Claims (7)

  1. (A)1分子中に潜在化されたカルボキシル基を2個以上有する、式(1)で表わされる構造単位を有するポリヘミアセタールエステル樹脂
    Figure 0003816714
    [式(1)中、R 1 およびR 2 はそれぞれ2価の有機基であり、Yは酸素原子またはイオウ原子である。]
    と、(B)1分子にカルボキシル基と加熱により化学結合を形成しうる反応性官能基を2個以上有する化合物とを含有するはんだ付け用の熱硬化性フラックス。
  2. (A)成分が10〜90質量%であり、(A)成分の潜在化されたカルボキシル基と(B)成分のエポキシ基の当量比で0.2:1.0〜1.0:0.2の割合になるよう(B)成分を配合した請求項1のはんだ付け用の熱硬化性フラックス。
  3. さらに、Sn−Cu−Ag系はんだ粉末を含有する請求項1または2のいずれかのはんだ付け用の熱硬化性フラックス。
  4. 液状、ペースト状またはシート状である請求項1〜のいずれかのはんだ付け用の熱硬化性フラックス。
  5. 請求項1〜のいずれかの熱硬化性フラックスを用いてはんだ付けするはんだ付け方法。
  6. 電子部品搭載用基板の上に電子部品を搭載する際に行う請求項のはんだ付け方法。
  7. 請求項のはんだ付け方法により電子部品搭載用基板の上に電子部品を搭載して得られた電子部品搭載基板。
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