JP3816233B2 - トナー収納容器の内キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトナー収納容器の内キャップに関し、詳しくは、振動、落下その他不用意な取り扱いがあった時でも簡単には外れないトナー収納容器の内チャップの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トナー収納容器にトナー(現像剤)を充填し、これを電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に装着し、トナーを徐々に画像形成装置の現像部に供給することが一般に行われている。ここで、トナー収納容器はその形状・構造がいろいろであるが、トナー収納容器の製造が比較的容易で取り扱いが簡単であるのに加えて、トナーの補給が確実に行えるものでなければならない。
【0003】
このため従来においては、螺旋状の突起を内壁に設けたトナー収納容器が多く用いられている。このスクリューボトルによれば、▲1▼横置きができ、機械・装置のレイアウトが容易となる、▲2▼アジテータを必要としないで、それ自体の回転だけでトナーを一定量ずつ補給できる、といった利点がある。
【0004】
ところで、トナー収納容器においては、充填口(供給口)が設けられた容器本体にトナーを充填した後、これをシールするためにキャップが取り付けられている。キャップには通常、内キャップと外キャップとがあり、トナーが充填されたトナー収納容器の運搬時及び保管時には容器本体の頸部(トナー供給口)に内キャップ、外キャップの両方が取り付けられる。内キャップは容器本体の頸部の内壁に接し、頸部の端面を鍔部(フランジ)で閉じている。内キャップの外側に外キャップがあり、外キャップは容器本体の頸部外面に設けられたネジ部に合わせネジ止めされている。本体から外キャップを外し、これを画像形成装置にセットした後は、内キャップは機械的に外されるため、ゆるく容器本体の供給口に止められている。
【0005】
容器本体と内キャップとは別体であるため、例えばトナー収納容器のセット時における不手際でトナー収納容器を落下させたような場合には内キャップが外れ、トナーは容器本体から全く抵抗なく吐出され、画像形成装置の周囲や装置内部を汚してしまうことがある。また、内キャップは単体となっているため、オープンミスを起こした場合には、落下した内キャップが装置内の複雑なところに挟まり取り出しが不能となったり、また外キャップを外した状態でトナー収納容器を移動・搬送している時、何かの理由で内キャップが外れ紛失したりすることがある。
【0006】
もっとも、こうした不都合は特開平9−179393号に提案されているトナー収納容器によれば可成りの程度で防ぐことができる。ここで用いられている内キャップは容器本体の頸部内壁に接し、かつ開口部を塞ぐ内栓本体と、その内栓本体の底部から容器本体内側にのびた軸体と、その軸体の端部又は端部近傍に接続し、容器本体の頸部の内径よりも大きい外径を有し、該頸部根元を閉塞する弾性的に屈撓する薄膜片よりなる内蓋(閉塞部材)とから成り、この屈撓閉塞部材を1回転サイクル中のある一定時間のみ開放させるようにし、かつ回転中、トナーの塊りが補給されトナー補給過多にならないように内蓋で抑え、均一なトナー補給を達成しようとするものである。
しかし、この内キャップは閉塞部材が薄膜片によって形成されているため、トナー収納容器を落下させた時に、極くまれにではあるが閉塞部材までもが容器本体から外れてしまうことがあった。また、一回転サイクルのうち一定時間しか内キャップを開かないこと、上記内蓋は切欠きを有するとは言え、基本的に容器本体の頸部根元を閉塞するものであるため、トナー補給量が少なく、複写が間に合わないという問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように容器本体と内キャップとが完全に分離できる状態となっている状態では、内キャップが容器本体から離れたり、紛失したりし、使用後、これらを同時に回収するのが往々にして困難である。また、内栓本体と閉塞部材が軸体でつながっているタイプの内キャップでも、容器本体と内キャップとが離れてしまうことがある。
本発明の目的は、トナー収納容器の容器本体から容易には離脱しない、従って紛失することもない構造を有する内キャップを提供することである。本発明の他の目的は、容器本体の回転によるトナー補給時、トナーの容器本体からその頸部への移動を妨げない内キャップを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、容器本体の頸部内壁に接しかつ開口部を塞ぐ内栓本体と、該内栓本体の底部から少なくとも該容器本体の頸部より内部に達する軸体と、該軸体の端部又はその近傍に接続し該容器本体の口径より大きいストッパーとを有することを特徴とするトナー収納容器の内キャップが提供される。
【0009】
第二は、ストッパーは2以上の棒状体ないし板状体が放射状に並べられてなることを特徴とする上記第一の内キャップが提供される。
第三は、放射状に並べられた棒状体ないし板状体はその先端が容器本体の開口部方向に向けられていることを特徴とする上記第一又は第二の内キャップが提供される。
【0010】
本発明のトナー収納容器の内キャップはその先端のストッパーが容器本体に差込まれるが容器本体から容易に外れないため、これらは常に一緒になって回収されえる。また、容器が何らかの理由で落下した場合でも内キャップが完全に容器本体の頸部からはずれてしまわず、軸体の長さ以内にとどまり、容器内のトナーはある程度ストッパーに遮ぎられて容器外への流失が極力防げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
図1(a)はボトル(容器本体)1の開口部が内キャップ2によって塞がれている状態を示し、図1(b)は、充填物であるトナーが画像形成装置の現像部に供給されるように、内キャップ2が引っ張られてボトル1の開口部が開放された状態を示している。いずれもネジをゆるめて取り去った外キャップは図中で省略した。
図2(a)は図1で示した内キャップ2の一例の断面図、図2(b)は図2(a)の右側面図である。
図3(a)(b)(c)は内キャップの他の三例の断面図である。
【0012】
本発明における内キャップ2は内栓本体21の底部から軸体22が延び、これの先端又はその近傍にストッパー23が設けられている。また、内栓本体21の表側中央には突起軸部21aが設けられている。
開口部が内キャップ2で塞がれた容器本体1を画像形成装置にセットした後、コレットチャックの狭持部で突起軸部21aを摘み、これを外方に引くことによって内キャップ2の開閉が行われる。この時、容器本体1が回転し開口部からトナーを現像部に供給する。
【0013】
突起軸部21aは外方にむけて先端が円周方向に突出した鍔部を有する突起を設けた形状であるのが望ましい。軸体22は断面円形・多角形の細長の柱状物(中空体であってもよい)である。この細長の柱状物の軸方向には複数の補強材22aが取り付けられているのが好ましい。軸体22の長さは少なくとも容器本体1の頸部11の長さより長いことが必要である。
【0014】
ストッパー23は、図2(b)にみられるように、2以上の棒状あるいは板状物からなる。このストッパー23は捩れのある、或いは捩れのないプロペラ状のものである。ストッパー23を構成するこのプロペラ状部材は、ストッパーとしても均等に力を働かせるためには2以上であることが好ましい。そして、ストッパー23は容器本体の頸部から抜け出さない長さを有している。
【0015】
また、軸体22には、落下等による万一内キャップが容器本体から脱離した時にトナーが多量にこぼれることを防止する機能を有する。プロペラ状部材23はトナーの移動、補給を妨げないために、図4に示したように、ストッパー23を投影したときにできるプロペラ状部231とその他の部分(空間部)232との面積比率が、プロペラ状部231で5〜70%好ましくは10〜50%、空間部232で95〜30%好ましくは90〜50%となっているのがよい。
【0016】
内キャップ2は上記の部材、すなわち内栓本体21、軸体22、ストッパー23、さらには補強材22aが一体成形によってつくられる。勿論、例えば2つの部材が一体的に成形され、これに他の部材を接着剤、螺子、嵌合、融着、カシメ等の他、超音波カシメなどの手段で固定するようにしてもよい。すなわち、内栓本体21、軸体22とストッパー23は別体であってもよいし、一体成形されていてもよい。また、内栓本体21と一体成形された軸体22と、ストッパー23との2体からなっていてもよいし、内栓本体と、軸体と一体成形されたストッパーとの2体からなっていてもよい。
【0017】
内キャップ2を構成するこれら部材の材質としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂が用いられる。
【0018】
内キャップと同様、その内キャップが嵌め込まれる容器本体、それに外キャップはプラスチックを素材にしてつくられているのが好ましい。
ストッパー23の内キャップ引き抜きに対する強度は、不意の転倒や落下で容易に本体から抜けない程度、また誤って引張っても容器本体から抜けない程度の強度である必要がある。この意味で、ストッパー23は軸体22に対しほぼ直角になるように取り付けられてもよいが、図3(c)のように、先端が内栓本体21に向くように(ストッパー23と軸体22との角度が直角より小さい角度になるように)取り付けられているのが望ましい。こうすることによって、ストッパー23を容器本体1に差し込みやすくなり、また外れにくくなる。内キャップの取付けは圧入によりなされる。
【0019】
容器本体1は、図1(c)に示したように、内壁に螺旋状の突起12を設けたものが好ましい。この螺旋状突起があることにより、画像形成装置内で、トナー収納容器を横置きのままでまた内部のアジテーターなしに、単に自身の回動のみにより、トナーが一定量ずつ補給されることが可能になる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の内キャップは、上記のような構造であるため、その取付け法は圧入による。そして、容器本体に圧入しやすいが、容器本体から不用意に外れることはない。また、内キャップの内栓本体が容器本体の開口部から外れても内キャップは完全には外れず、紛失することがなく容器本体とともに確実に回収される。容器本体に充填されているトナーはストッパーに邪魔されこぼれにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は容器本体に内キャップが嵌められた状態の図、図1(b)は栓がゆるめられた状態の図である。図1(c)は内壁に螺旋状の突起が形成された容器本体の図である。
【図2】図2(a)は内キャップの一例の図、図2(b)はストッパーの一例の平面図である。
【図3】図3(a)は内キャップの断面図、図3(b)は他の内キャップの断面図、図3(c)はまた他の内キャップの断面図である。
【図4】ストッパーを投影したときの図である。
【符号の説明】
1、1′ 容器本体
11 容器本体の頸部
12 螺旋状の突起
2 内キャップ
21 内栓本体(21a突起軸部)
22 軸体(22a補強材)
23 ストッパー
231 プロペラ状部
232 空間部
Claims (3)
- 内部に螺旋状の突起を設け回転することで開口部よりトナーを供給する容器本体の頸部内壁に接しかつ開口部を塞ぐ内栓本体と、該内栓本体の底部から少なくとも該容器本体の頸部より内部に達する軸体と、該軸体の端部又はその近傍に接続し該容器本体の口径より大きいストッパーとを有し、該ストッパーが容器内部に位置し、該容器本体の頚部から抜け出さない長さを有することを特徴とするトナー収納容器の内キャップ。
- ストッパーは2以上の棒状体ないし板状体が放射状に並べられてなることを特徴とする請求項1記載の内キャップ。
- 前記ストッパーは、該ストッパーの先端が容器本体の開口部方向に向けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の内キャップ。
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