JP4017320B2 - 粉体収納容器および画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体収納容器および画像形成装置、特に、電子写真方式の画像形成装置において使用する粉体トナーを収納するトナー収納容器およびプリンター、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉体トナーを収納しているトナー収納容器は、カートリッジ、ボトルといったハードボトルで作られているために、トナー収納容器の交換に伴う使用済み容器の廃棄に大きな課題を生じていた。すなわち、使用済みトナー収納容器はユーザー先からメーカーが引き取り、再生、再利用、焼却処理が行われるが、該容器は容量が嵩み、回収するまでの物流コストに高額を要していた。なお、従来においてもトナー収納容器の容積が減容可能となるものの提案がある。
【0003】
しかしながら、容積が減容可能なトナー収納容器は該容器からトナー補給装置を用いて補給する際、補給性能を安定して維持することができなかった。また、運搬時にのみ減容可能な容器を使用することも提案されているが、この場合もハードボトルやトナーホッパーにトナーを移し替えるときに、トナー飛散等による汚染を招く等の問題が解決されておらず、実用化に至っていないのが現状である。
【0004】
ところで、本願出願人は、樹脂、紙等のフレキシブルなシートからなる容積が減容可能なトナー収納容器を用いても補給性能を安定して維持することができ、しかも該容器から離れた現像装置にトナーの補給が可能なトナー補給装置を既に提案している。かかるトナー補給装置では、トナー収納容器のトナー排出口を下方に向けてノズルに突き刺しており、このため、トナー収納容器の排出口にはノズルの挿入で開き、ノズルが抜けると閉まる圧縮発泡スポンジ製のシール弁を設けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記説明したトナー収納容器は、スポンジであるシール弁に長期間ノズルが挿入されていて、その後、容器が空等によって取り出すときにスポンジが元の状態に戻りきらず、トナー排出口が多少開いたままになってしまうことがある。このとき、取り出すトナー収納容器はトナー排出口が下方に向いているので、トナー飛散が発生するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した問題に鑑み、粉体収納容器の交換時におけるトナー汚染を軽減することができる粉体収納容器および画像形成装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、内部に収納した粉体を排出するための1つの開口部を有する粉体収納容器において、前記開口部を閉じて粉体漏れを防止し、かつ、抜き差し可能なノズルの差し込みによって前記開口部を開放する複数のシャッタ手段が設けられ、該シャッタ手段として、前記ノズルが抜き差しされるスリットが形成されたシール部材と、コイル部が密着されたコイル状のスプリングシャッタとが設けられていることを特徴とする粉体収納容器を提案する。
【0008】
なお、本発明は、前記シール部材のノズル挿入方向下流側に前記スプリングシャッタが配置されていると、効果的である。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、本発明は、請求項1または2に記載の粉体収納容器を用いる画像形成装置において、前記粉体収納容器がトナーを収納したトナー収納容器であり、該容器の開口部を下に向けて装着する装着部にノズルが設けられていることを特徴とする画像形成装置を提案する。
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る粉体収納容器としてトナー収納容器を用いた画像形成装置のトナー補給機構を示す説明図である。
【0017】
図1において、符号40は現像装置であり、現像装置40の近傍または一体に吸い込み型の粉体ポンプ41である一軸偏芯スクリューポンプが設けられている。この粉体ポンプ41の構成は、金属などの剛性をもつ材料で偏芯したスクリュー形状に作られたロータ42と、ゴム等の弾性体で作られ、2条スクリュー形状に形成されたステータ43と、これらを包み、かつ粉体の搬送路を形成する樹脂材料などで作られたホルダ44とを有している。上記ロータ42は、ピン継ぎ手により連結された駆動軸45に一体連結された歯車46を介して回転駆動される。なお、符号47は電磁クラッチであり、該クラッチにより粉体ポンプ41の稼働が制御されている。
【0018】
また、上記ホルダ44の先端、すなわち、図15の右端にはトナー吸い込み部48が設けられ、トナー吸い込み部48と後述するノズル60に設けられたトナー用接続口65とトナー移送チューブ49によって接続されている。このトナー移送チューブ49としては、例えば直径4〜10mmのフレキシブルなチューブで、耐トナー性に優れたゴム材料(例えば、ポリウレタン、ニトリル、EPDM、シリコン等)から作られているものを用いることがきわめて有効であり、フレキシブルなチューブは上下左右の任意方向へ配管が容易に行い得る。 このように構成されたトナー補給装置は、粉体ポンプ41である1軸偏芯スクリューポンプが、高い固気比で連続定量移送が可能であって、ロータ42の回転数に比例した正確なトナーの移送量が得られることが知られている。そこで、画像濃度検知等によりトナー補給指令が発せられると、粉体ポンプ41が作動し、要求された量のトナーが現像装置40に補給される。
【0019】
一方、トナー収納容器1がセットされる画像形成装置本体に設けられたセット部50は、現像装置40と別体のユニットとして構成されている。このセット部50には、トナー袋2内に挿入される断面が円形のノズル60が立設され、トナー収納容器1は上方から画像形成装置本体のセット部50へセットされる。セット部50に設けられたノズル60は、上部に断面錐状に形成された尖端部材61が一体成形または固着等により設けられ、この尖端部材61に続いてエアー供給路62とトナー供給路63とが設けられている。ノズル60の内部は、2重管構造になっており、トナー供給路63はノズル60の下端において図の左方へ曲げられてその先端にトナー移送チューブ49が接続されたトナー用接続口65が設けられている。また、エアー供給路62は、トナー供給路63よりも上方で図の右方へ曲げられ、エアー接続口64に達している。
【0020】
エアー接続口64は、本実施形態の場合、エアー供給手段としてのエアーポンプ51にエアー移送パイプ52を介して接続されている。このエアーポンプ51が作動すると、該ポンプからエアー移送パイプ52およびエアー供給路62を介してトナー収納容器1内にエアーが噴出される。そして、トナー収納容器1内に噴出されたエアーは、トナー層を通過することによりトナーを拡散しながら流動化させる。
【0021】
このように構成されたトナー補給装置に用いられるトナー収納容器1は、図2に示すように、保護ケースとしての外箱2と、その外箱2内に収容されたトナー袋3とを有するバッグインボックスタイプに構成されている。この外箱2は、剛性を有する紙、段ボール、樹脂等の材料から作られ、トナー袋3がほぼ隙間なく収まる程度の内部空間を持つ。
【0022】
また、トナー袋3は下部中央に射出成形等により作られた樹脂製の口金部材4が一体または固着により設けられている。このトナー袋3は、ポリエチレンやナイロン等の樹脂製または紙製のシート状(80〜125μm程度の厚み)のフレキシブルなシート材を単層または複層に構成された袋状容器形状のものである。
【0023】
このトナー袋3は、収納したトナーが排出し易くするため、上下方向の適宜中間部より底部の口金部材4に向かって絞り込まれた形状に形成されている。口金部材4には、上記ノズル60が挿入される開口部5が形成され、この開口部5にシャッタ手段が設けられている。
【0024】
本実施形態では、第1のシャッタ手段としてコイル状のスプリングシャッタ10と、第2のシャッタ手段として圧縮発泡スポンジ製のシール弁20とを具備している。スプリングシャッタ10は、スプリングシャッタ線が弾性的に密着して隙間のない円筒状に形成されたコイル部11を有し、該コイル部11の上端には突き当て部12が設けられている。この突き当て部12は、スプリングシャッタ10自体、すなわち、コイル部11の上端の巻き加工をより形成して構成することもできるし、コイル部11の上端に円板状の板を取り付けて構成することもできるが、何れの構成においてもコイル部11に隙間なく設けることが肝要である。他方、スプリングシャッタ10の下部は、コイル部11の径より大径に形成された台座部13が設けられている。この台座部13も突き当て片12と同様にスプリングシャッタ10自体の下端を大径に形成して構成することもできるし、コイル部11の下端にリング状の板を取り付けて構成することもできる。
【0025】
このスプリングシャッタ10は、その軸線を開口部5の軸線と一致させるようにして台座部13が口金部材4に固定されている。また、シール弁20は、開口部5の軸芯で交差する十字の貫通したスリット(図示せず)が形成されている。
【0026】
このように構成されたトナー収納容器1は、開口部5の下に向けてセット部50への装填し、ノズル60が開口部5に挿入される。挿入されるノズル60は、まずシール弁20のスリットを広げて侵入し、そしてその先端がスプリングシャッタ10の突き当て部12当たってこれを押し上げる。スプリングシャッタ10は、突き当て部12がノズル60によって押し上げられると、図3に示すように、コイル部11に隙間が形成されて開いた状態になる。なお、ノズル60はスプリングシャッタ10の自然長より長い挿入長を有するように設定されている。
【0027】
かくして、トナー収納容器1の装填に基づくノズル60の挿入により、スプリングシャッタ10およびシール弁20はともに開いてトナーの排出が可能となる。そして、トナー収納容器1のトナーがほぼ空になると、トナー収納容器1は新品のものと交換するため、装填していた容器を取り出さねばならない。トナー収納容器1を取り出すとき、装填時と同様に開口部5が下に向いた状態であるため、シャッタ手段の閉まりが悪いとトナー飛散をもたらす。スポンジで作られたシール弁20の場合、長期間スリットにノズル60が挿入されていると、ノズル60が抜かれても瞬時に元の閉まった状態に戻らず、かつ完全に初期の状態に戻ることもなくて多少スリットが開き気味になる。よって、シール弁20の場合、閉まり状態になるまでの間にトナーが漏れたり、完全に戻りきらないことにより、トナー収納容器1に何らかの振動や衝撃があったときにトナーが漏れることがある。
【0028】
これに対し、スプリングシャッタ10はノズル60が抜かれても瞬時に元の閉まった状態になり、しかも完全に初期の状態に戻るので、上記したトナー漏れを確実に防止することができる。したがって、トナー収納容器1のシャッタ手段としては良好なシャッタ機能を有するスプリングシャッタ10だけを設けたものであっても良い。しかし、シール弁20にはスプリングシャッタ10に無いノズル60に付着したトナーを清掃するという好ましいクリーニング作用を備えているので、トナー収納容器1のシャッタ手段としては、本実施形態のように、スプリングシャッタ10とシール弁20とを併用することが最も好ましいと言える。
【0029】
ところで、スプリングシャッタ10は図3に示すように、その内径とノズル60の外径との間隔をLとすると、その間隔Lはできる限り小さくすることが好ましい。この間隔Lが大きいと、スプリングシャッタ10が閉じたとき、ノズル60とスプリングシャッタ10の間にトナーが残ってしまう。このトナーは、本実施形態の場合、スプリングシャッタ10の下部にシール弁20を設けているので、大きな問題にならないが、シャッタ手段としてスプリングシャッタ10のみを設けたものでは間隔Lを小さくする。なお、この間隔Lはノズル60の直径が9mmで、スプリングシャッタ10の内径が10mmのものであってもトナー排出等に支障を来すことがなく、よってLはほぼ0.5mmあれば十分である。また、スプリングシャッタ10の強さは500gf程度でコイル部11に間隔ができるものであると、ノズル60の挿入に大きな負荷とならず操作性が良かった。
【0030】
図4は、本発明の他の実施形態を示す説明図であり、本実施形態ではシャッタ手段として設けたスプリングシャッタ10のコイル部11が錐形状に形成されている。このスプリングシャッタ10は、所謂たけのこバネと称されるものであって、上端には突き上げ部を設けていないが、下端には台座部13が設けられている。
【0031】
このようなたけのこバネ10でも、ノズル60が挿入されると、図5に示すように、コイル部11間が開きトナーを排出することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各種改変できるものである。
【0032】
例えば、粉体収納容器はトナーに限らず、トナーとキャリアからなる粉体でもよく、さらにトナーにおいても2成分現像用のものでも、1成分分用のものでもよいことは当然である。
【0033】
さらにまた、上記実施形態の挿入部材であるノズル60は断面円形のものであるが、その形状は楕円、多角形等でもよく、この場合、スプリングシャッタ10もノズルの形状にあわせる。なお、ノズル60を多角形にした場合、正多角形で、角に丸みを付けることが好ましい。
【0034】
【発明の効果】
請求項1、2の構成によれば、粉体収納容器の開口部にシール弁とスプリングシャッタのシャッタ手段を設けているので、粉体収納容器の開口部からの粉体漏れを防止し、かつノズルに付着した粉体を自動的に清掃できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉体収納容器を用いた画像形成装置のトナー補給機構を示す説明図である。
【図2】図1に示すトナー収納容器の断面図である。
【図3】図1に示すスプリングシャッタの開状態を示す説明図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示すスプリングシャッタの説明図である。
【図5】図4に示すスプリングシャッタの開状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 トナー収納容器
3 トナー袋
4 口金部材
5 開口部
10 スプリングシャッタ
11 コイル部
12 突き当て部
13 台座部
20 シール弁
60 ノズル

Claims (3)

  1. 内部に収納した粉体を排出するための1つの開口部を有する粉体収納容器において、
    前記開口部を閉じて粉体漏れを防止し、かつ、抜き差し可能なノズルの差し込みによって前記開口部を開放する複数のシャッタ手段が設けられ、該シャッタ手段として、前記ノズルが抜き差しされるスリットが形成されたシール部材と、コイル部が密着されたコイル状のスプリングシャッタとが設けられていることを特徴とする粉体収納容器。
  2. 前記シール部材のノズル挿入方向下流側に前記スプリングシャッタが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の粉体収納容器。
  3. 請求項1または2に記載の粉体収納容器を用いる画像形成装置において、
    前記粉体収納容器がトナーを収納したトナー収納容器であり、該容器の開口部を下に向けて装着する装着部にノズルが設けられていることを特徴とする画像形成装置。
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