JP3816045B2 - 油性化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物、シリコーン油、フッ素変性シリコーン油及び平均粒子径1〜80μmで、且つ見掛け比重0.5以下の中空樹脂粉体とを含有する油性化粧料に関するものであり、更に詳しくは、マットな仕上がり感に優れ、べたつきが無く、延び広がりが軽く、化粧膜のよれが無く、しかも経時安定性が良好な油性化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油性化粧料は、口紅、ファンデーション、アイシャドウ等に汎用されている化粧料剤型であり、当該化粧料に配合される油剤及び粉体の種類やその含有量を変えることにより、様々な機能、使用感を具現化していた。また、油性化粧料は、油剤を多く配合するため、高いエモリエント効果と肌への付着性に優れる化粧料剤型である。
【0003】
しかし逆に、油性化粧料は、油剤によるべたつき感や、好ましくない油光(テカリ)等を生じやすい欠点を有していた。これらの欠点を改善するために、各種技術が用いられてきた。具体的には、液状油の配合量を増やす方法、球状粉体を配合する方法、吸油量の大きい中空粉体を配合する方法(例えば、特許文献1参照)等が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−338612号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、油性化粧料中の液状油の配合量を増やす方法では、延び広がりは軽くなるが、発汗、排液等を生じ経時安定性が悪くなる場合があった。また、球状粉体を配合する方法では、肌への付着性が弱まることにより、化粧膜のよれが発生する場合があった。更に、吸油量の大きい中空粉体を配合する方法では、油剤がゲル化されるため、延び広がりが悪くなる場合があった。
【0006】
このため、マットな仕上がり感に優れ、べたつきが無く、延び広がりが軽く、化粧膜のよれが無く、しかも経時安定性が良好な油性化粧料の開発が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物、シリコーン油、フッ素変性シリコーン油及び平均粒子径1〜80μmで、且つ見掛け比重0.5以下の中空樹脂粉体を含有する油性化粧料が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(d);
(a)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物
(b)シリコーン油
(c)フッ素変性シリコーン油
(d)平均粒子径1〜80μmで、且つ見掛け比重0.5以下の中空樹脂粉体
を含有することを特徴とした油性化粧料を提供するものである。
【0009】
また、成分(c)の含有量が化粧料全体に対して0.5〜20質量%、且つ成分(d)の含有量が化粧料全体に対して2〜20質量%であることを特徴とする前記油性化粧料を提供するものである。更に、成分(e)として親油性界面活性剤を含有することを特徴とする前記何れかの油性化粧料を提供するものである。
【0010】
更に、成分(d)が平均粒子径1〜80μmで、且つ見掛け比重0.5以下の中空樹脂粉体を、無機粉体で被覆したものであることを特徴とする前記何れかに油性化粧料を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる成分(a)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、ベンゼンに不溶であるが、自己の質量と同質量以上のベンゼンを含みうる三次元架橋構造を有するオルガノポリシロキサン重合物である。部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、オルガノポリシロキサンを架橋結合させて得られる重合物であり、一部に三次元架橋構造を有し、R1 2SiO単位及びR1SiO1.5単位よりなり、R1 3SiO0.5単位及び/又はSiO2単位を含んでいても良い化合物(但し、各構成単位のR1は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等などのアリール基、およびビニル基等の脂肪族不飽和基等が例示され、同種又は異なった種類であっても良い。)であり、特公平8−6035号公報等に記載されている化合物が例示できる。
【0012】
このような成分(a)は、重合物単独で用いても良いが、一般的には、成分(b)のシリコーン油と混合して用いる場合が多い。このような混合物は、市販品として、KSG−15(部分架橋型メチルポリシロキサン5部と、デカメチルシクロペンタシロキサン95部)、KSG−16(部分架橋型メチルポリシロキサン20〜30部と、メチルポリシロキサン70〜80部)、KSG−18(部分架橋型メチルフェニルポリシロキサン10〜20部と、メチルフェニルポリシロキサン80〜90部)〔何れも、信越化学工業社製〕等が挙げられ、これらより一種又は二種以上用いることができる。
【0013】
本発明の油性化粧料における成分(a)の重合物の含有量は化粧料全体に対して0.05〜25質量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましく、0.1〜10%が特に好ましい。成分(a)をこの範囲で含有すると、べたつきの無さ、化粧膜のよれの無さ、経時安定性等がより良好な油性化粧料を得ることができる。
【0014】
本発明に用いられる成分(b)のシリコーン油は、通常化粧料に用いられるものであり、ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン油、オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン油、アミノ変性ポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン,高級アルコール変性ポリシロキサン,アルキル変性ポリシロキサン等の変性シリコーン油等が挙げられ、これらより一種又は二種以上用いることができる。
【0015】
尚、成分(b)として、ジメチルポリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン等の低粘度シリコーン油を選択すると、べたつきの無さ、延び広がりの軽さ等がより良好な油性化粧料を得ることができる。
【0016】
本発明の油性化粧料における成分(b)の含有量は化粧料全体に対して3〜50%が好ましく、5〜40%が特に好ましい。成分(b)をこの範囲で含有すると、延び広がりの軽さ、経時安定性等がより良好な油性化粧料を得ることができる。
【0017】
本発明に用いられる成分(c)のフッ素変性シリコーン油は、シリコーン骨格にフッ素原子を導入した化合物であり、本発明の油性化粧料において、べたつきを低減し、延び広がりを軽くする等の成分である。
【0018】
また、成分(c)のフッ素変性シリコーン油は、滑らかな延び広がり性と化粧持続性を向上させる観点より、不揮発性で液状のものが好ましい。
【0019】
成分(c)のフッ素変性シリコーン油としては、直鎖状シリコーンにフッ素を導入したものや、環状シリコーンにフッ素を導入したもの等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。直鎖状のフッ素変性シリコーン油としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
【化1】
【0020】
また、より具体的には、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
【化2】
【0021】
環状のフッ素変性シリコーン油としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
【化3】
【0022】
また、より具体的には、下記一般式(4)〜(10)で表される化合物が挙げられる。
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
尚、本発明の成分(c)のフッ素変性シリコーン油は、延び広がりの軽さの観点より、前記一般式(3)で示される環状のフッ素変性シリコーン油が好ましい。このような成分(c)は、市販品として、前記一般式(5)を主成分とするシリコンKF−5002〔信越化学工業社製〕等が挙げられる。
【0030】
本発明の油性化粧料における成分(c)の含有量は化粧料全体に対して0.5〜20%が好ましく、1〜15%が特に好ましい。成分(c)をこの範囲で含有すると、べたつきの無さ、延び広がりの軽さ等がより良好な油性化粧料を得ることができる。
【0031】
本発明に用いられる成分(d)の平均粒子径1〜80μmで、且つ見掛け比重が0.5以下の中空樹脂粉体は、本発明の油性化粧料において、マットな質感の化粧膜を具現化する成分である。このような中空樹脂粉体は、例えば特公昭59−53290号に開示されている如く、揮発性発泡剤を内包した熱可塑性樹脂粉体を加熱、発泡させる方法等により製造されるものである。また、本発明の油性化粧料が固形状の場合には、固形化剤としても機能する成分であり、延び広がりの軽さを阻害する固形油の含有量を低減することができる。
【0032】
成分(d)の中空樹脂粉体の外殻を形成する樹脂としては、例えば、塩化ビニル,酢酸ビニル,メチルビニルエーテル等のビニル系モノマー、アクリル酸,アクリル酸エステル,メタクリル酸,メタクリル酸エステル,アクリロニトリル,メタクリロニトリル等のアクリル系モノマー、スチレン、塩化ビニリデン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等から選択される一種以上のモノマーを重合して得られるホモポリマー又はコポリマーが挙げられ、これらより一種又は二種以上用いることができる。これらの中でも成分(d)は、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそのエステル類、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、メタクリロニトリル等から選ばれるモノマーの二種以上を重合してなるコポリマーであることが好ましい。更に、このような重合体は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、トリアクリルフォルマール等の架橋剤で架橋されていても良い。
【0033】
前記揮発性発泡剤を内包した熱可塑性樹脂粉体における揮発性発泡剤としては、特に限定されないが、例えば、エタン,プロパン,ブタン,イソブタン,イソブテン,イソペンタン,ネオペンタン,ネオヘキサン,アセチレン,ヘキサン,ヘプタン等の炭化水素、トリクロロフルオロメタン,ジクロロジフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素、テトラアルキルシラン等の低沸点化合物が用いられる。
【0034】
成分(d)の中空樹脂粉体の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定するとき、1〜80μmが好ましく、10〜60μmがより好ましい。平均粒子径が1μm未満では、マットな質感が得られないため好ましくなく、また、80μmを超えると、肌上でザラツキを感じるため、好ましくない。
【0035】
成分(d)の中空樹脂粉体の見掛け比重は0.5以下のものであり、見掛け比重が0.5を超える中空樹脂粉体は、べたつきをなくす効果が低く、マットな質感の化粧膜を得ることができないため、好ましくない。
【0036】
本発明でいう見掛け比重は、化粧品原料基準の一般試験法に収載されている比重測定法の第2法、すなわち、比重びんと灯油(日本工業規格K2203の1号に規定)を用いて、20℃において測定した値である。
【0037】
本発明に用いられる成分(d)は、市販品として、エクスパンセル(KEMANORDPLAST AB社製)やマツモトマイクロスフェアFシリーズ(松本油脂製薬社製)等が挙げられる。
【0038】
更に、成分(d)として、平均粒子径1〜80μmで、且つ見掛け比重0.5以下の中空樹脂粉体を、無機粉体で被覆したものを選択すると、マットな質感の化粧膜、粉体の分散性等が特に優れたる油性化粧料を得ることができる。
【0039】
前記中空樹脂粉体に無機粉体を被覆する方法は、例えば、特開平4−9319号公報に開示されている如く、発泡前又は発泡途中の揮発性発泡剤内包熱可塑性樹脂粉体と無機粉体を混合し、加熱することによるものである。また、その他の方法としては、無機粉体の水又は有機溶媒の分散液と中空樹脂粉体とを混合し乾燥する方法や、この無機粉体分散液を中空樹脂粉体に噴霧し乾燥する方法等により被覆する湿式処理方法、高い衝撃力等の物理的な力により複合化する乾式処理方法等が挙げられる。
【0040】
前記中空樹脂粉体に被覆する無機粉体としては、特に限定されないが、目的とする効果により選択され、例えば、タルク、セリサイト、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、窒化ホウ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカ等が挙げられる。また、これら無機粉体の粒子形状は特に制限なく、例えば、粒状、球状、板状、針状等のいずれでも良く、平均粒子径も特に限定されないが、0.001〜10μmが好ましい。また、例えば、紫外線遮断効果の向上を目的とした場合、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、等の粒状や針状粉体が用いられる。尚、中空樹脂粉体と無機粉体の重量比率は、5:95〜50:50が好ましい。
【0041】
本発明の油性化粧料における成分(d)の含有量は化粧料全体に対して2〜20%が好ましく、4〜15%が特に好ましい。成分(d)をこの範囲で含有すると、マットな質感の化粧膜、経時安定性等がより良好な油性化粧料を得ることができる。
【0042】
本発明の油性化粧料には、上記成分に加えて、成分(e)として親油性界面活性剤を含有することにより、延び広がりの軽さ、マットな質感の化粧膜等が特に優れた油性化粧料を得ることができる。このような成分(e)の親油性界面活性剤は、化粧品一般に用いられている界面活性剤の中で親油性の界面活性剤である。このような成分(e)は、具体的には、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、精製大豆レシチン、精製卵黄レシチン等が挙げられ、これらより一種又は二種以上用いることができる。
【0043】
尚、本発明における成分(e)として、成分(b)等との相溶性が良好な、ポリオキシアルキレン変性シリコーン,ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤を選択することにより、経時安定性が特に良好な油性化粧料を得ることができる。
【0044】
このようなシリコーン系界面活性剤は、市販品として、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンである、SH−3772C,SH−3775C〔何れも、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製〕、KF−6012,KF−6015,KF−6016,KF−6017,X−22−4991〔何れも、信越化学工業社製〕、ポリアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサンである、アビルEM−90,アビルB9806〔何れも、ゴールドシュミット社製〕、KF−6026,KF−6028〔何れも、信越化学工業社製〕等が挙げられる。
【0045】
本発明の油性化粧料における成分(e)の含有量は化粧料全体に対して0.3〜10%が好ましく、0.5〜5%が特に好ましい。成分(d)をこの範囲で含有すると、マットな質感の化粧膜、経時安定性等がより良好な油性化粧料を得ることができる。
【0046】
本発明の油性化粧料には、上記成分の他に通常、化粧料に使用される成分、例えば、成分(b)及び(c)以外の油剤、成分(d)以外の粉体、成分(e)以外の界面活性剤、油ゲル化剤、水性成分、紫外線吸収剤、トリメチルシロキシケイ酸等の油溶性被膜形成剤、エタノール等の溶剤、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、ビタミン類、美容成分、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0047】
本発明に用いられる成分(b)及び(c)以外の油剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、パラフィンワックス,セレシンワックス,オゾケライト,マイクロクリスタリンワックス,モンタンワックス,フィッシュトロプスワックス,ポリエチレンワックス等の炭化水素類、カルナウバロウ,ミツロウ,ラノリンワックス,キャンデリラ等の天然物類、トリベヘン酸グリセリル,ロジン酸ペンタエリトリットエステル等のエステル類、ステアリン酸,ベヘニン酸,12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、セタノール,ステアリルアルコール,ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、オリーブ油,ヒマシ油,ミンク油,モクロウ等の油脂類、流動パラフィン,スクワラン,ワセリン,ポリイソブチレン,ポリブテン等の炭化水素類、ホホバ油,セチルイソオクタネート,ミリスチン酸イソプロピル,トリオクタン酸グリセリル,トリイソステアリン酸ジグリセリル,ジペンタエリトリット脂肪酸エステル等のエステル類、ラノリン脂肪酸イソプロピル,ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、N−ラウロイルーL−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸誘導体類、パーフルオロポリエーテル,パーフルオロデカン,パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。本発明の油性化粧料に、これら油剤を含有する場合の含有量は化粧料全体に対して1〜80%が好ましい。
【0048】
本発明に用いられる成分(d)以外の粉体としては、化粧品一般に使用される粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン,黒酸化チタン,コンジョウ,群青,ベンガラ,黄酸化鉄,黒酸化鉄,酸化亜鉛,酸化アルミニウム,二酸化珪素,酸化マグネシウム,酸化ジルコニウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,酸化クロム,水酸化クロム,カーボンブラック,ケイ酸アルミニウム,ケイ酸マグネシウム,ケイ酸アルミニウムマグネシウム,マイカ,合成マイカ,セリサイト,タルク,カオリン,炭化珪素,硫酸バリウム,ベントナイト,スメクタイト,窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス,雲母チタン,酸化鉄コーティング雲母,酸化鉄雲母チタン,有機顔料処理雲母チタン,アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー,ポリメチルメタクリレート,アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー,塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー,ポリエチレンパウダー,ポリスチレンパウダー,オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー,ポリメチルシルセスキオキサンパウダー,ポリウレタンパウダー,ウールパウダー,シルクパウダー,結晶セルロース,N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料,有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン,微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン,硫酸バリウム被覆雲母チタン,酸化チタン含有二酸化珪素,酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。本発明の油性化粧料に、これら粉体を含有する場合の含有量は化粧料全体に対して1〜80%が好ましい。
【0049】
本発明に用いられる油ゲル化剤としては、例えば、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、疎水性煙霧状無水ケイ酸、有機変性ベントナイト等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0050】
水性成分は、水及び水に可溶な成分であり、通常化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、水や、プロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール,ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、グリセリン,ジグリセリン,ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ,ハマメリス,キュウリ,レモン,ラベンダー,ローズ等の植物抽出液を挙げることができ、これらを必要に応じて一種又は二種以上用いることができる。
【0051】
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン等のベンゾフェノン系、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等のサリチル酸系、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル−2−エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のPABA系、パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシ桂皮酸−2−エトキシエチル等のシンナメート系、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系、オキシベンゾン系、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリシンプロピオン酸−2−エチルヘキシルが挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0052】
本発明の油性化粧料は、ファンデーション、白粉、頬紅、口紅、アイシャドウ、アイブロウ、コンシーラー等のメーキャップ化粧料、日焼け止め化粧料等のスキンケア化粧料等が挙げられるが、本発明の効果が顕著に発揮される化粧料は、メーキャップ化粧料である。
【0053】
本発明の油性化粧料の形態は、ペースト状、ケーキ状、スティック状等がげられるが、特に、ケーキ状、スティック状等の固形状であると、使用性及び経時安定性が優れる。
【0054】
本発明の油性化粧料は、通常公知の方法、例えば、成分(a)〜(d)に必要に応じて成分(e)及びその他成分を均一に分散させることにより調製可能である。また、本発明の油性化粧料が固形状の場合は、前記と同様に油性化粧料を調製し、これを加熱溶融して中皿又は容器に充填(溶融時の流動性が低い場合は、射出成形機等にて圧力を加えて密閉容器に充填する。)し、冷却固化する方法等により、調製可能であるである。
【0055】
【実施例】
実施例1〜12及び比較例1〜5:ケーキ状ファンデーション
表1に示す組成のケーキ状ファンデーションを以下に示す製造方法により調製し、「べたつきの無さ」、「よれの無さ」、「延びの軽さ」、「化粧膜のマット感」、「経時安定性」について以下に示す評価方法及び判断基準により評価し、結果を併せて表1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
(製造方法)
A:成分1〜9を加熱溶解し、混合する。
B:Aに成分10〜19を加えて、均一分散する。
C:Bを加熱し、脱泡する。
D:Cを再び加熱溶融し、金皿に充填し、室温まで冷却して、ケーキ状ファンデーションを得た。
【0058】
(評価方法:「べたつきの無さ」、「よれの無さ」、「延びの軽さ」、「化粧膜のマット感」)
化粧品専門パネル20名に前記実施例及び比較例のケーキ状ファンデーションを使用してもらい、「べたつきの無さ」、「よれの無さ」、「延びの軽さ」、「化粧膜のマット感」について、各自が以下の基準に従って5段階評価し、更に、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
【0059】
(評価方法:「経時安定性」)
前記実施例及び比較例のケーキ状ファンデーションを50℃のインキュベーターに3ヶ月間放置し、室温に戻した時の外観状態を観察し、以下に示す基準により判定した。
【0060】
表1の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜12のケーキ状ファンデーションは、「べたつきの無さ」、「よれの無さ」、「延びの軽さ」、「化粧膜のマット感」、「経時安定性」の全ての項目に優れた油性化粧料であった。一方、成分(a)を含有していない比較例1では、べたつきの無さ、よれの無さにおいて実施例より劣っていた。また、成分(c)を含有していない比較例2では、べたつきの無さ、延びの軽さにおいて実施例より劣っていた。更に成分(d)を含有しない比較例3、及び成分(d)の代わりに、球状ポリスチレンを用いた比較例4、成分(d)の代わりに多孔質シリカを用いた比較例5では、延びの軽さ、化粧膜のマット感等が実施例より劣っていた。
【0061】
【0062】
(製造方法)
A:成分1〜9を加熱溶解し、混合する。
B:Aに成分10〜18を加えて、均一分散する。
C:Bを容器に充填して、ペースト状ファンデーションを得た。
【0063】
本発明の実施品である実施例13のペースト状ファンデーションは、「べたつきの無さ」、「よれの無さ」、「延びの軽さ」、「化粧膜のマット感」、「経時安定性」の全ての項目に優れた油性化粧料であった。
【0064】
【0065】
(製造方法)
A:成分1〜6を加熱溶解し、混合する。
B:Aに成分7〜16を加えて、均一分散する。
C:Bを加熱し、脱泡する。
D:Cを再び加熱溶融し、金皿に充填し、室温まで冷却して、ケーキ状頬紅を得た。
【0066】
本発明の実施品である実施例14のケーキ状頬紅は、「べたつきの無さ」、「よれの無さ」、「延びの軽さ」、「化粧膜のマット感」、「経時安定性」の全ての項目に優れた油性化粧料であった。
【0067】
【0068】
(製造方法)
A:成分1〜8を加熱溶解し、混合する。
B:Aに成分9〜18を加えて、均一分散する。
C:Bを加熱し、脱泡する。
D:Cを再び加熱溶融し、金皿に充填し、室温まで冷却して、ケーキ状アイシャドウを得た。
【0069】
本発明の実施品である実施例15のケーキ状アイシャドウは、「べたつきの無さ」、「よれの無さ」、「延びの軽さ」、「化粧膜のマット感」、「経時安定性」の全ての項目に優れた油性化粧料であった。
【0070】
【0071】
(製造方法)
A:成分1〜8を加熱溶解し、混合する。
B:Aに成分9〜13を加えて、均一分散する。
C:Bを容器に充填して、ペースト状美容液を得た。
【0072】
本発明の実施品である実施例16のペースト状美容液は、「べたつきの無さ」、「よれの無さ」、「延びの軽さ」、「化粧膜のマット感(テカリの無さ)」、「経時安定性」の全ての項目に優れた油性化粧料であった。
【0073】
【0074】
(製造方法)
A:成分1〜10を加熱溶解し、混合する。
B:Aに成分11〜15を加えて、均一分散する。
C:Bを加熱し、脱泡する。
D:Cを再び加熱溶融し、容器に充填し、室温まで冷却して、スティック状アイシャドウを得た。
【0075】
本発明の実施品である実施例17のスティック状アイシャドウは、「べたつきの無さ」、「よれの無さ」、「延びの軽さ」、「化粧膜のマット感」、「経時安定性」の全ての項目に優れた油性化粧料であった。
【0076】
【発明の効果】
本発明の油性化粧料は、マットな仕上がり感に優れ、べたつきが無く、延び広がりが軽く、化粧膜のよれが無く、しかも経時安定性が良好であった。
Claims (2)
- 次の成分(a)〜(d);
(a)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物
(b)シリコーン油
(c)フッ素変性シリコーン油 0.5〜20質量%
(d)平均粒子径1〜80μmで、且つ見掛け比重0.5以下の中空樹脂粉体を無 機粉体で被覆した粉体 2〜20質量%
を含有することを特徴とする油性化粧料。 - 更に、成分(e)として親油性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1記 載の油性化粧料。
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