JP3815470B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
空気調和機は、空気調和を行う室内に設置された空調室内機と、屋外に設置された空調室外機とを備えている。そして、空調室内機と空調室外機との間は冷媒配管によって接続されており、冷媒配管を流れる冷媒と室内空気との間で熱交換を行わせることで空気調和を行う。
すなわち、上記従来の空気調和機では、パワフル運転を行う旨の指示入力がされると、上述のように、圧縮機の運転周波数やファンの回転数等を上げるように制御されて空気調和処理能力を向上させている。しかし、このときの空気調和された空気の吹き出し方向については何ら制御されておらず、パワフル運転の指示入力がされる直前の風向調整板の向きの成り行きで空気の吹き出し方向が決定されていた。
本発明の課題は、パワフル運転時における空気調和された空気の吹き出し方向を制御可能な空気調和機を提供することにある。
従来の空気調和機では、パワフル運転時には空気調和機構の処理能力を一時的に向上させるのみであり、その際の空気の吹き出し方向については制御の対象となっていなかった。このため、パワフル運転の指示入力が行われる直前の風向調整板の向きの成り行きでパワフル運転時の風向調整板の向きが決まっていた。よって、例えば、同じ冷房時にパワフル運転を実行した場合であっても、その直前の運転状況によって風向調整板の向きが異なるようなこともあった。
すなわち、本発明の空気調和機では、パワフル運転の指示入力がされると人の居る方向に向かって空気調和された空気が吹き出されるように風向調整板の向きが制御される。これにより、パワフル運転の指示入力を行ったユーザは、空気調和機構の処理能力が上がった状態で空気調和された空気を直接受けることで、パワフル運転のパワフル感を実感することができる。
また、ここでは、第1制御で、パワフル運転時における風向調整板の向きの設定値に従って風向調整板の向きが制御される。このため、人検知のための赤外線センサ等を用いる必要がない。
ここでは、パワフル運転の指示入力がされると人の居る方向に風向調整板の向きを固定している。これにより、人に対してパワフル感を十分に感じさせることができる。
請求項4に記載の空気調和機は、請求項1または2に記載の空気調和機であって、第1制御では、前記風向調整板がスイングされる。
ここでは、パワフル運転を行う時間を制限するタイマをさらに備えている。これにより、一時的に冷暖房等の空気調和処理能力を向上させることができる。また、連続運転時に風向調整板が吹き出し口付近に結露を生じさせそうな向きに調整された場合でも、タイマによってパワフル運転を行う時間を制限する。これにより、吹き出し口付近に結露が発生することを確実に防止できる。
ここでは、タイマにパワフル運転中に風向調整板を所定の角度で停止させる時間が設定されている。このため、パワフル運転中に所定時間が経過すると風向調整板を人が居る方向を含む範囲でスイングさせることができる。
ここでは、風向調整板のうちの上下フラップの向きを制御して人に当てるか否かを決定する。このため、吹き出し方向を上下に振るだけで、容易に人に当てる向きに風向調整板を調整できる。
請求項3に記載の空気調和機によれば、人の居る方向に風向調整板の向きを固定することで、人に対してパワフル感を十分に感じさせることができる。
請求項5に記載の空気調和機によれば、タイマによってパワフル運転を行う時間を制限することで、一時的に冷暖房等の空気調和処理能力を向上させることができる。また、吹き出し口付近に結露が発生することを確実に防止できる。
請求項7に記載の空気調和機によれば、上下フラップの向きを制御して人に当てるか否かを決定するため、吹き出し方向を上下に振るだけで、容易に人に当てる向きに風向調整板を調整できる。
図1に本発明の一実施の形態が採用される空気調和機1の外観図を示す。
空気調和機1は、冷暖房や除湿などが行われた調和空気を室内に送風し、室内の空気の調和を行う装置である。この空気調和機1は、室内の壁面上部に取り付けられる室内機2と、室外に設置される室外機3と備えている。室外機3は、室外熱交換器(空気調和機構)や室外ファン(空気調和機構)などを収納する室外空調ユニット5を備えている。
空気調和機1で用いられる冷媒回路の系統図を図2に示す。
室内機2内には、室内熱交換器11が設けられている。この室内熱交換器11は、長手方向両端で複数回折り返されている伝熱管と、伝熱管が挿し通される複数のフィンとから構成される。この室内熱交換器11は、接触する空気との間で熱交換を行う。
室外空調ユニット5内には、室外熱交換器24での熱交換後の空気を外部に排出するためのプロペラファン29が設けられている。このプロペラファン29は、プロペラファンモータ30によって回転駆動される。
空気調和機1には、さらに、制御部60が設けられている。
設定風量は、吹き出し口143から吹き出される空気の風量を決定する運転風量であり、具体的には、「しずか」、「微風」、「微弱」、「弱風」、「弱強」、「強風」のいずれかである。「しずか」が最も風量が小さい運転風量を示し、「強風」が最も風量が大きい運転風量を示す。制御部60は、後述するリモコン40からの信号を元に設定風量のいずれか一つを選択し、選択された設定風量をRAM42に格納する。そして、制御部60は、選択された設定風量に応じた量の調和後の空気を室内に送風するように、ファンモータ13を回転させる。
ここで、パワフル運転とは、ユーザからの指示入力により、一時的にクロスフローファン12の回転数や圧縮機21の運転周波数等を上げることで、一時的に空気調和処理能力を向上させることができるものである。なお、このパワフル運転については後段にて詳述する。
さらに、リモコン40を用いて、空気調和機1の稼働による目標温度Tを設定することができる。この目標温度Tは、リモコン40から制御部60に対して送信され、各構成の制御に用いられる。また、この目標温度Tは、制御部60からRAM42に対して送られ、RAM42に格納される。例えば、冷房運転時において室温が目標温度Tより所定の温度(t1)以上下回った場合には、制御部60は、空気調和機1の消費エネルギを抑制するために圧縮機21の運転を停止させる。一方、圧縮機21の停止により、室温が目標温度Tを所定の温度t2以上上回った場合には、制御部60は、再度、圧縮機21を運転させる。
赤外線センサ(センサ)44は、室内機2の表面付近に設けられており、室内に居る人を感知する人感知センサである。この赤外線センサ44は、感知した人が居る方向についての情報を制御部60へ送信する。なお、赤外線センサ44を用いた人感知については、常時感知するように行ってもよいし、所定時間ごとに行ってもよい。
以下で、冷房運転および暖房運転時における空気調和機1のパワフル運転について説明する。
例えば、ユーザが冷房運転時にリモコン40からパワフル運転を行うように指示入力すると、空気調和機1の制御部60は、空気調和処理能力を向上させるために、クロスフローファン12の回転数を上げるようにファンモータ13を制御するとともに、圧縮機21の運転周波数を制御する。
また、パワフル運転は、一時的に空気調和機1の空気調和処理能力を高めるものであり、パワフル運転を行う時間はタイマ45によって制限される。このタイマ45は、ユーザからのパワフル運転指示入力を制御部60が受信してから時間を計測し始め、所定の時間がきたら制御部60に信号を送信する。制御部60は、タイマ45から信号を受信すると、元の通常運転状態に戻すようにファンモータ13、圧縮機21およびフラップモータ146を制御し、パワフル運転を終了させて通常の運転状態に戻す。
これにより、冷房パワフル運転中に水平フラップ144がどの方向を向いた場合でも、吹き出し口143付近で結露が発生するという問題を、時間制限を設けることで確実に防止できる。
[本空気調和機の特徴]
(1)
本実施形態の空気調和機1は、リモコン40からパワフル運転を行う指示入力がされると、一時的にクロスフローファン12の回転速度や圧縮機21の運転周波数等を上げて空気調和処理能力を向上させるとともに、その風向きまで制御している。
特に、本実施形態の空気調和機1では、室内に居る人の方向に向かって空気調和された空気を吹き出すように水平フラップ144の向きを制御している。
(2)
本実施形態の空気調和機1は、赤外線センサ44を用いて室内における人が居る方向を感知している。
(3)
本実施形態の空気調和機1は、パワフル運転の指示入力がされると、水平フラップ144の向きを固定して、人が居る方向に空気調和された空気を吹き出している。
(4)
本実施形態の空気調和機1は、タイマ45を用いてパワフル運転を行う時間を制限している。
(5)
本実施形態の空気調和機1は、タイマ45の設定時間を室内機2の吹き出し口143付近に結露が生じないような時間に設定されている。
そこで、本実施形態の空気調和機1では、水平フラップ144がその向きを向く時間を制限することで、吹き出し口143付近に結露することを確実に防止できる。
本実施形態の空気調和機1は、水平フラップ144を用いて室内へ供給される空気の吹き出し方向を制御する。
これにより、垂直フラップの向きを制御する場合と比べて、上下方向の風向きを調整する水平フラップ144を用いて制御を行うことで、容易に人の居る方向に向けて空気を吹き出すことができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、赤外線センサ44を用いて人の居る方向を感知して、その方向にパワフル運転時の空気調和された空気を吹き出す例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、センサを用いることなく、人の居場所と想定される特定の範囲に向けて空気調和された空気を吹き出してもよい。
(B)
上記実施形態では、パワフル運転時に水平フラップ144の向きを人の居る方向へ固定する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図9(a)に示すように、通常の冷房運転時において、略水平方向と水平方向から数度程度下向き方向との間で水平フラップ144がスイングしている場合には、パワフル運転時には、図9(b)に示すように、人が居る方向を含むようにスイング範囲を拡張させて水平フラップ144をスイングさせてもよい。この場合でも、ユーザはパワフル運転時に吹き出される空気を直接感じることができるため、水平フラップ144を人が居る方向に向くように固定する場合と同様に、ユーザにパワフル感を実感させることができる。
上記実施形態では、水平フラップ144の向きを制御して上下方向で人の居る方向へパワフル運転時に空気調和された空気を室内へ吹き出す例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、垂直フラップを用いて左右方向で風向きを制御してもよいし、垂直フラップと水平フラップ144の両方を用いて風向きを制御してもよい。
上記実施形態では、冷房時、暖房時にかかわらず、パワフル運転を行うように指示入力された場合には、人に居る方向に空気調和された空気を吹き出すように水平フラップ144の向きを制御する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、冷房時にパワフル運転の指示入力があった場合にのみ、人の居る方向に向かって空気調和された空気を吹き出すように、水平フラップ144の向きの制御を制限してもよい。
(E)
また、上記実施形態では、タイマ45によってパワフル運転を行う時間を制限している例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、タイマ45に、パワフル運転中の水平フラップ144の向きを固定する時間を設定してもよい。この場合には、パワフル運転中に所定の角度で固定されていた水平フラップ144をタイマ45に設定された制限時間経過後にスイングさせるように制御されていてもよい。
2 室内機
3 室外機
11 室内熱交換器(空気調和機構)
12 クロスフローファン(空気調和機構)
13 ファンモータ
21 圧縮機(空気調和機構)
41 ROM
42 RAM
44 赤外線センサ(センサ)
45 タイマ
60 制御部
143 吹き出し口
144 水平フラップ(上下フラップ)
S 室内
Claims (8)
- 室内の空気に対して空気調和処理を行う空気調和機構(11,12,21)と、
前記空気調和された空気の吹き出し方向を調整する風向調整板(144)と、
前記空気調和機構(11,12,21)の処理能力を一時的に上昇させるパワフル運転を行うことが可能である制御部(60)と、
人が居る方向に空気が吹き出すように決定されている前記風向調整板の向きの設定値を記憶する記憶部と、
を備え、
前記制御部(60)は、前記パワフル運転の指示入力がなされると、前記設定値に従って前記風向調整板(144)の向きを制御する第1制御に切り換える、
空気調和機(1)。 - 前記制御部は、冷房運転時において、通常運転時には前記風向調整板の向きを略水平にし、前記パワフル運転の指示入力がなされると前記設定値に従って前記風向調整板の向きを制御する第1制御に切り換える、
請求項1に記載の空気調和機(1)。 - 前記第1制御では、前記風向調整板の向きが固定される、
請求項1または2に記載の空気調和機(1)。 - 前記第1制御では、前記風向調整板がスイングされる、
請求項1または2に記載の空気調和機(1)。 - 前記パワフル運転を行う時間を制限するタイマ(45)をさらに備えた、
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和機(1)。 - 前記タイマ(45)には、前記パワフル運転中に前記風向調整板(144)を停止させる時間が設定されている、
請求項5に記載の空気調和機(1)。 - 前記風向調整板(144)は、上下フラップである、
請求項1から6のいずれか1項に記載の空気調和機(1)。 - 前記風向調整板(144)は、上下フラップおよび垂直フラップである、
請求項1から6のいずれか1項に記載の空気調和機(1)。
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