JP3814420B2 - 金属管曲げ加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属管を誘導加熱を利用して連続的に曲げ加工する金属管曲げ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、金属管の曲げ加工装置として、図6に示すように、曲げ加工すべき金属管1の管軸方向の小区間を誘導子2で塑性変形容易な温度に加熱して加熱部3を形成し、その金属管1を管移動装置(図示せず)によって矢印A方向に移動させることによって、その加熱部3を管軸方向に移動させながら、同時に金属管1の先端をクランプした曲げアーム5を支点Oを中心として旋回させて加熱部3に曲げモーメントを付与しその加熱部3に曲げ変形を生じさせ、且つ曲げ変形を生じた直後の領域に誘導子2から冷却水等の冷却媒体6を吹き付けて冷却、固化させる構成の連続曲げ加工装置が使用されている。
【0003】
通常、この種の曲げ加工装置では、金属管1には曲げアーム5を旋回させる程度の圧縮力しか作用しないため、金属管の中心軸線P−Pの近傍が曲げ中立軸線(曲げ前後で管軸方向の長さが変化しない位置)となり、曲げ外側では肉厚減少が生じ、曲げ内側では肉厚増加が生じている。また、曲げ外側に生じる肉厚減少を防止するため、曲げ加工時に金属管に管軸方向の大きい圧縮力を作用させる構成としたものも知られている(例えば、特公昭54−30915号公報参照)。この種の連続曲げ加工においては、金属管の曲げ内側では曲げ変形と共に大きい圧縮力が作用してとりわけ大きい肉厚増加を生じており、圧縮により肉厚増加を生じさせるような塑性変形は不安定になり勝ちであるので、ジャバラ等の不整変形を生じることが多い。そこで、従来は加熱幅の適正化、加熱温度の適正化、安定化等を図ることで不整変形を防止していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この種の曲げ加工において、曲げ加工の対象とする金属管の肉厚を大きくしたり、曲げ半径を小さくしたり、或いは曲げ外側の肉厚減少を抑制するため金属管に大きい圧縮力を作用させたりして、曲げ内側に生じる肉厚増加を大きくした場合(例えば、曲げ内側での管外面側への肉厚増加量が5mmを超えるような場合)に問題が生じることが判明した。すなわち、このような場合には、図7に示すように、曲げ内側で管外面に生じる肉厚増加量が大きくなるため、誘導子2の出口側では管外面1aが誘導子2の角部2aにきわめて接近し、誘導子による入熱量が増大し、誘導子2と管外面との間隔の微小な変動でも入熱量が大きく変動する。また、冷却媒体6の管体への投射角度が変化し加熱部に冷却媒体が跳散して加熱部が不規則に部分冷却されることもある。このため、加熱部3の温度が不安定となって塑性変形抵抗が変動してしまい、曲げ変形や肉厚増加のバランスを損なって不安定化し、ジャバラ等の不安定な変形を生じてしまう。特に、金属管の肉厚を大きくした場合には、誘導子による入熱量を大きくする必要があることから、温度管理が一層困難となり、曲げ変形や肉厚増加のバランスが崩れやすく、良好な曲げ加工が高能率で行えないという問題があった。なお、誘導子2と管外面との間隔を大きくすれば、温度変動は幾分か抑制できるが、加熱効率が悪くなり、必要な加熱熱量を供給できない場合も生じ、解決策とはならない。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、肉厚の大きい金属管に対する曲げ加工、曲げ半径の小さい曲げ加工、或いは曲げ外側の肉厚減少を防止するために大きい圧縮力を加えて行う曲げ加工等の、曲げ内側に大きい肉厚増加を伴う曲げ加工を、良好に行うことの可能な金属管の曲げ加工装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属管の曲げ内側に大きい肉厚増加を生じても、金属管の曲げ変形を生じる領域の誘導加熱を安定させて温度変動を抑制するために、誘導子の、金属管外面と向き合う内面の管軸方向のプロフィルを、少なくとも曲げ内側の管外面と向き合う、中心角θが60°〜180°の範囲内では、曲げ変形の進行に伴って管の肉厚変化と共に生じる管外面位置の管径方向の変位に実質的に沿ったプロフィルに形成するという構成としたものである。この構成とすると、金属管の曲げ内側の管外面が肉厚増加した状態において、管外面と誘導子内面との間隔が、管軸方向にほぼ一定に保たれることとなり、従って、局部的に間隔の小さい領域が存在しないため、金属管の誘導加熱が安定し、温度変動を抑制でき、曲げ変形及び肉厚増加を安定して生じさせることができる。このため、金属管を安定して曲げ加工でき、良好な外観を備えた曲げ管を能率よく製造できる。
【0007】
上記構成の誘導子を用いた曲げ加工装置に対し、曲げ内側における誘導子内面と管外面の間隔を一定範囲に維持する誘導子位置制御機構を装備することが好ましい。このような誘導子位置制御機構を設けると、曲げ加工の際に金属管のたわみ等によって、金属管の誘導子で加熱される領域の位置が管軸に直角方向に変動しても、常に、曲げ内側における誘導子内面と管外面の間隔を一定範囲に維持でき、金属管の加熱が安定し、一層良好な曲げ加工を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一つの実施の形態による金属管の曲げ加工装置の概略平面図である。11は曲げ加工すべき金属管、12は、その金属管11の管軸方向の小区間を誘導加熱して塑性変形容易な加熱部13を形成する誘導子であり、金属管11の曲げ変形を生じた直後の部分に冷却水等の冷却媒体14を吹き付ける構成となっている。誘導子12の構造及びその保持機構については後述する。15は、金属管11の一端を保持し、該金属管11を管軸方向に(矢印A方向に)移動させる管移動装置であり、金属管を誘導子に対して相対的に移動させる手段を構成している。この実施の形態における管移動装置15は、曲げ加工装置の基準軸線Q−Qに平行に配置されたガイドレール16と、そのガイドレール16に案内されて走行する走行台車17を備えており、その走行台車17に金属管11を把持するクランプ(図示せず)が設けられている。20は、金属管11の先端を把持するクランプ21を備え、支点Oを中心に旋回可能な曲げアームであり、金属管11の前進によって支点Oを中心に旋回し、金属管の加熱部13に曲げモーメントを加えて曲げ変形させる曲げモーメント付与手段を構成している。
【0009】
23は、誘導子12を支持し且つその誘導子12に高周波電流を供給するトランス、24はそのトランス23を支持するトランス架台であり、基準軸線Q−Qに直角方向に延びる一対のレール25を備えている。トランス23は、両側に車輪26を備え、その車輪26をレール25に乗せており、これにより基準軸線Q−Qに直角な矢印B−B方向に移動可能である。30は、金属管の曲げ内側における誘導子内面と管外面の間隔を一定範囲に維持する誘導子位置制御機構であり、この実施の形態では、トランス23に保持されたガイド架台31と、金属管11の曲げ内側に対向する位置でガイド架台31と誘導子12を連結した支持板32と、その支持板32に誘導子12の近傍に位置するように取り付けられた間隙調整用ボルト33及びナット34等を備えており、間隙調整用ボルト33の先端には金属管11に接触させるためのコロ35が取り付けられている。また、トランス23とトランス架台24との間には、復元用スプリング37が取り付けられ、トランス23を常時基準軸線Q−Qから離れる方向に押している。この構成により、間隙調整用ボルト33の先端のコロ35は常時、金属管11の曲げ内側で且つ曲げ加工直前の部分に押し付けられていて、金属管の曲げ内側における誘導子内面と管外面の間隔を一定に維持しており、例え、図示したように、金属管11が基準軸線Q−Qよりも曲げ中心側(支点O側)にたわんでも、誘導子12はそのたわみに追従して移動し、金属管の曲げ内側における誘導子内面と管外面の間隔を一定に保つことができる。
【0010】
次に誘導子12の構造を説明する。図2は、金属管11の曲げ変形を生じている部分及び誘導子12を示す概略断面図、図3(a)は金属管11を図2の矢印C−C方向に見た概略断面図、図3(b)は誘導子12の端部の誘導コイル12cを図2の矢印D−D方向に見た概略正面図である。図2、図3(a)に示すように、この実施の形態で曲げ加工している金属管11は肉厚の厚いものであり、金属管11の曲げ内側に位置する管壁11aは曲げ変形すると共に肉厚が大きく増加している。このため、曲げ内側の管外面11bは、管壁11aが厚み変化を生じることなく曲げ変形したと想定した場合の管外面11cよりも曲げ中心側に膨出した形状となっている。すなわち、曲げ内側の管外面11bは、変形を生じはじめる位置から変形が進行した方向(図2で金属管11の進行方向)に向かって、曲げと膨出が加算されて曲げ中心側に急激に傾斜するような形状となり、冷却媒体14を吹き付けられている冷却点11dで肉厚増加が止まり、それ以降は滑らかな円弧状になっている。そして金属管11が矢印A方向に進行して曲げ加工が連続的に行われる間、管外面11bは図2に示した形状に保たれる。また、金属管11の円周方向における肉厚増加を生じる部分は、図3(a)に示すように、曲げ内側の頂点Eを中心とする中心角θ1 (通常、θ1 は180〜200度程度)の範囲であり、肉厚増加量は頂点Eで最も大きく、頂点Eから離れるにつれて小さくなっている。
【0011】
図2において、誘導子12は3個の環状コイル12a、12b、12cで構成されており、その3個の環状コイル12a、12b、12cは、金属管11の曲げ内側の管外面11bと向き合う内面の管軸方向のプロフィル(この実施の形態では、各コイル12a、12b、12cの内面に接するように引いた曲線40が形成する形状)が、曲げ変形の進行に伴って管の肉厚変化と共に生じる管外面位置の管径方向の変位に実質的に沿ったプロフィルとなるように、すなわち、図示した曲げ中心側に急激に傾斜したような形状の管外面11bの管軸方向のプロフィルに実質的に沿った(間隔をほぼ一定とした)プロフィルとなるように、定められている。
【0012】
そして、誘導子12の内面全周のうち、このようなプロフィルを与える領域は少なくとも、管外面に、安定した誘導加熱を行う上で無視できない程度以上の肉厚増加を生じさせる範囲とするものであり、例えば、図3(a)に示すように、増肉が中心角θ1 の範囲に生じるとした場合、図3(b)に示すように、その中心角θ1 よりも少し小さい中心角θ2 の範囲内とする。肉厚増加の大きさや、生じる範囲は、金属管の肉厚や曲げ半径等の条件によっても異なるが、多くの場合、無視できない肉厚増加を生じる範囲は、曲げ内側の頂点Eを中心とする中心角60°〜180°の範囲内であるので、管外面11bに沿ったプロフィルを与える範囲(中心角θ2 の範囲)は、少なくとも、曲げ内側の管外面と向き合う、中心角60°〜180°の範囲内とすればよい。なお、その他の領域では、誘導子12の内面のプロフィルは基準軸線Q−Q(図1参照)に平行とする。誘導子12の内面の管軸方向のプロフィルを前記した構成とする具体的方法としては、肉厚増加を生じていない領域に対向して配置される環状コイル12a、12bは、金属管12の外周面に対して誘導加熱に適した間隔(例えば、3〜10mm程度)をあけて同心状に配置しうる真円状のものとし、肉厚増加を生じる領域に対向して配置される環状コイル12cは、図3(b)に示すように、曲げ内側の中心角θ2 を除いた領域12caは他の環状コイル12a、12bと等しい円弧で構成し、中心角θ2 の範囲内の領域12cbは肉厚増加した金属管外面から所定の距離だけ離れた曲線状のものとすればよい。
【0013】
上記構成の曲げ加工装置においても、従来と同様に曲げ加工が行われる。すなわち、図1において、曲げ加工すべき金属管11の管軸方向の小区間を誘導子12で塑性変形容易な温度に加熱しながら、その金属管11を管移動装置15によって矢印A方向に移動させ、同時に金属管11の先端をクランプした曲げアーム20が支点Oを中心として旋回することで加熱部13に曲げモーメントを付与しその加熱部13に曲げ変形を生じさせ、曲げ変形を生じた直後の領域に誘導子12から冷却媒体14を吹き付けて冷却、固化させることで金属管11が連続的に曲げ加工される。この曲げ加工を行うに際し、金属管12はその中心軸線P−Pが装置の基準軸線Q−Qに一致するようにセットされるが、曲げ加工のために金属管11を矢印A方向に押し、曲げアーム20で曲げモーメントを加えた時、金属管11は曲げ中心方向に撓む傾向があり、金属管11の加熱部13は基準軸線Q−Qから曲げ中心方向にずれてしまう。もし、誘導子12を定位置に固定していると、誘導子12と金属管11の間隔が変動し、加熱量が変動して不安定となるが、この実施の態様では、誘導子位置制御機構30が誘導子12を金属管11の変位に追従して移動させ、金属管11の曲げ内側における管外面と誘導子12内面との間隔を一定に保っている。このため、不安定な変形を生じやすい曲げ内側においても、誘導子12による金属管11の加熱が安定し、安定した曲げ変形を生じさせることができる。また、図2に拡大して示すように、曲げ変形により、曲げ内側の管壁11aが内外に肉厚増加し、管外面11bが急激に曲げ中心側に傾斜した形状となるが、その管外面11bに対向した誘導子12の内面のプロフィル40が、管外面11bと実質的に同一な形状であるので、誘導子12と管外面11bとの間隙はほぼ一定に保たれ、図7に示す従来例のように間隔がきわめて小さくなる領域がない。このため、誘導子12による管壁11aの加熱が安定し、ジャバラ等の不整変形を生じることなく安定して曲げ加工を行うことができ、例えば、管の肉厚が12〜150mm、管外径Dと肉厚Tの比、すなわち、D/Tが3程度というような厚肉管に対しても良好に曲げ加工することができる。また、曲げ半径Rと管外径Dの比、すなわちR/Dが1.5程度というような小R曲げでも、良好に曲げ加工することができる。
【0014】
なお、前記実施の形態では、誘導子位置制御機構30として、金属管11の変位によって誘導子12及びそれを保持したトランス23が動かされる構成のものを用いたが、誘導子位置制御機構30はこれに限らず、適宜変更可能である。例えば、トランス23を矢印B−B方向に移動させる機構を設けておき、金属管11の変位をセンサで検出し、その検出値に応じてトランス23を移動させる構成としてもよい。また、前記実施の形態では誘導子位置制御機構30が、誘導子12を金属管11の曲げ平面内においてのみ金属管11の変位に追従させる構成であるが、金属管11が曲げ平面に直角方向にもたわむ恐れがある場合には、更に誘導子12を曲げ平面に対して直角方向にも金属管11の変位に追従させる構成とすることもでき、これにより誘導子12の内面と金属管11の曲げ内側の管壁との間を一層正確に一定に維持できる。更に、金属管11の曲げ加工時に生じる金属管11の変位が予測できる場合には、上記のような変位追従型の誘導子位置制御ではなく、予測される変位に対応した位置に事前に誘導子を位置させるように調整する方式としてもよい。また、金属管11の曲げ変形を生じる部分の直前に、ガイドローラ等を設けて金属管11の変位を阻止する構成とした場合には、誘導子位置制御機構30は省略してもよい。
【0015】
図4、図5は本発明の他の実施の形態を示す図2、図3と同様な図面である。図4、図5に示す実施の形態では、誘導子12Aが円筒状の一体構造の環状コイルで構成されており、金属管11の曲げ内側の管外面11bと向き合う内面の管軸方向のプロフィルが、曲げ変形の進行に伴って管の肉厚変化と共に生じる管外面位置の管径方向の変位に実質的に沿ったプロフィルとなるように、すなわち、図示した曲げ中心側に急激に傾斜したような形状の管外面11bの管軸方向のプロフィルに実質的に沿った(間隔をほぼ一定とした)プロフィルとなるように、定められている。更に具体的には、図4から良く分かるように、誘導子12Aの内面のうち金属管11の増肉変形を生じている部分に対向する部分を大きく直線状に切り欠いた斜面42とし、誘導子12Aの内面の管軸方向のプロフィルを折線状に形成している。そしてその斜面42を形成する領域は、図5(a)、(b)に示すように、管外面への肉厚増加を生じる領域(中心角θ1 )のうち、安定した誘導加熱を行う上で無視しえない程度の肉厚増加を生じる領域(中心角θ2 )としている。この場合においても斜面42を形成する中心角θ2 の範囲は、通常、60°〜180°である。この構成の誘導子12Aにおいても、管外面に対向する内面の管軸方向のプロフィルが、曲げ加工時の金属管11の曲げ内側の管外面11bと実質的に同一な形状であるので、誘導子12Aと管外面11bとの間隙がほぼ一定に保たれており、誘導子12Aによる管壁11aの加熱が安定し、ジャバラ等の不整変形を生じることなく安定して曲げ加工を行うことができる。図4に示すように、誘導子12Aの内面のプロフィルとして折線状を採用すると、誘導子12Aの製造が容易となる利点が得られる。
【0016】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は、金属管の管軸方向の小区間を加熱するための誘導子として、その誘導子の、金属管外面と向き合う内面の管軸方向のプロフィルを、少なくとも曲げ内側の管外面と向き合う、中心角θが60°〜180°の範囲内では、曲げ変形の進行に伴って管の肉厚変化と共に生じる管外面位置の管径方向の変位に実質的に沿ったプロフィルに形成したものを用いたことにより、曲げ加工の進行中、金属管の曲げ内側の管外面が肉厚増加した状態での管外面と誘導子内面との間隔が、管軸方向にほぼ一定に保たれることとなり、金属管の加熱が安定し、曲げ変形を生じる部分での温度変動が小さくなって、曲げ変形及び肉厚増加が安定して生じ、曲げ内側における肉厚増加が大きくなるような条件下での曲げ加工を安定して行うことができ、良好な外観を備えた曲げ管を能率よく製造できるという効果を有している。
【0017】
ここで、誘導子の内面のプロフィルを折線状とすると、誘導子の構造を簡単とでき、製造が容易となる利点が得られる。更に、上記構成の誘導子を用いた曲げ加工装置に対し、曲げ内側における誘導子内面と管外面の間隔を一定範囲に維持する誘導子位置制御機構を装備しておくと、曲げ加工の際に金属管のたわみ等によって、金属管の誘導子で加熱される領域の位置が管軸に直角な方向に変動しても、常に、曲げ内側における誘導子内面と管外面の間隔を一定範囲に維持でき、金属管の加熱が安定し、一層良好な曲げ加工を行うことができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態による金属管の曲げ加工装置の概略平面図
【図2】金属管11の曲げ変形を生じている部分及び誘導子12を示す概略断面図
【図3】(a)は金属管11を図2の矢印C−C方向に見た概略断面図
(b)は誘導子12の端部の誘導コイル12cを図2の矢印D−D方向に見た概略正面図
【図4】本発明の他の実施の形態による誘導子12Aを示す図2と同様な概略断面図
【図5】(a)は金属管11を図4の矢印F−F方向に見た概略断面図
(b)は誘導子12Aを図4の矢印G−G方向に見た概略正面図
【図6】従来の曲げ加工装置を示す概略平面図
【図7】従来の装置による問題点を説明するもので、金属管の曲げ変形を生じている部分及び誘導子を示す概略断面図
【符号の説明】
11 金属管
11a 管壁
11b 管外面
12、12A 誘導子
13 加熱部
14 冷却媒体
15 管移動装置
20 曲げアーム
23 トランス
24 トランス架台
30 誘導子位置制御機構
31 ガイド架台
33 間隙調整用ボルト33
40 誘導子内面のプロフィルを示す曲線
42 斜面

Claims (3)

  1. 曲げ加工すべき金属管の管軸方向の小区間を加熱する環状の誘導子と、前記金属管を前記誘導子に対して管軸方向に相対的に移動させる手段と、前記金属管の、誘導子によって加熱された領域に曲げモーメントを加えて曲げ変形させる曲げモーメント付与手段を有する金属管曲げ加工装置において、前記誘導子の、金属管外面と向き合う内面の管軸方向のプロフィルを、少なくとも曲げ内側の管外面と向き合う、中心角θが60°〜180°の範囲内では、曲げ変形の進行に伴って管の肉厚変化と共に生じる管外面位置の管径方向の変位に実質的に沿ったプロフィルに形成したことを特徴とする金属管曲げ加工装置。
  2. 前記誘導子のプロフィルを折線状に形成した、請求項1記載の金属管曲げ加工装置。
  3. 更に、曲げ内側における誘導子内面と管外面の間隔を一定範囲に維持する誘導子位置制御機構を装備した、請求項1記載の金属管曲げ加工装置。
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