JP3814150B2 - 自動車の電装装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、補機を複数備えた自動車の電装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体としての自動車は、種々のランプや種々のモータやこれらを操作するためのスイッチ装置などの各種の補機を多数搭載している。前記自動車は、前述した各種の補機に、バッテリなどから供給される電力と、これらの補機を制御するための制御信号などを供給するためにワイヤハーネスを配索している。
【0003】
前記ワイヤハーネスは、複数の電線と、これら電線の端部などに取り付けられたコネクタなどを備えている。前記電線は、導電性の芯線と、絶縁性の被覆部とを備えた所謂被覆電線である。複数の電線は、前記自動車に配索されるパターンにしたがって束ねられる。前記コネクタは、前記電線の端部などに取り付けられる端子金具と、これらの端子金具を収容するコネクタハウジングなどを備えている。
【0004】
前記ワイヤハーネスは、前記コネクタが前記補機のコネクタにコネクタ結合して、これらの補機を互いに接続するとともに前述した信号などを伝送する。もちろん、前記補機のコネクタは、前記ワイヤハーネスの端子金具と接続可能な受け端子などを備えている。
【0005】
前記ワイヤハーネスを組み立てる際には、まず、例えば、特開平10−154568号公報などに示された圧接機や特開平9−115639号公報などに示された圧着機を用いて電線の端部それぞれに端子金具を圧着または圧接して取り付ける。そして、特開平10−112229号公報などに示されたジョイント圧着機や抵抗溶接機などを用いて電線同士を互いに接合する。さらに、前記特開平10−112229号公報などに示された挿入装置などを用いて、前記端子金具をコネクタハウジングの端子収容室内に挿入してきた。
【0006】
また、前述した複数の補機のうち少なくとも二つの補機には、例えば、前記自動車に搭載される電源装置から供給される電力と、前記自動車のアースと、前記自動車に搭載されるスイッチ装置の表示部の照明を徐々に明るくするためのスイッチ照明増大信号と、前記スイッチ装置の表示部の照明を徐々に暗くするためのスイッチ照明縮小信号と、一対の電線それぞれに同時に互いに逆位相に流される一対の多重通信信号などの、複数の補機が共用する共用信号が入力される。
【0007】
本明細書では、前記アースとは、アース回路と電位が等しくなるように該アース回路と接続していることを示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述した自動車の搭載される補機は、前記受け端子を前記コネクタ内に配列するパターンが、例えば、図32(a)及び図32(b)に示すように、互いに異なることが多かった。
【0009】
図32(a)及び図32(b)において、符号201は、前述した補機のコネクタのコネクタハウジングを示す。また、図32(a)及び図32(b)では、前記電源からの電力が供給される受け端子を収容する端子収容室を符号PWRで示し、前記アースと接続される受け端子を収容する端子収容室を符号GNDで示し、前記スイッチ照明増大信号が供給される受け端子を収容する端子収容室を符号ILL+で示し、前記スイッチ照明縮小信号が供給される受け端子を収容する端子収容室を符号ILL−で示し、前記一対の多重通信信号が供給される受け端子を収容する端子収容室ぞれぞれを符号MPX+,MPX−で示している。
【0010】
このように、従来、補機毎に、コネクタハウジング201内に、受け端子を配置する配列が異なっていた。さらに、他の端子収容室は、前記受け端子を収容したり、該受け端子を収容しなかったりする。
【0011】
このため、前記ワイヤハーネスを設計する際や、該ワイヤハーネスを組み立てる際に、前記補機に接続するコネクタ毎に、前記端子金具を収容する箇所も当然異なる。このため、前記ワイヤハーネスを組み立てる際に、前記端子金具を収容する箇所がコネクタ毎に異なるので、作業員が前記端子金具を収容する箇所を間違えることが考えられる。この場合、ワイヤハーネスを組み立てる際にかかる手間が増加するとともに、該ワイヤハーネスの歩留まりが低下する恐れがあった。
【0012】
また、前記ワイヤハーネスを組み立てる際に、前記端子金具を収容する箇所がコネクタ毎に異なるので、前記ワイヤハーネスの電線相互の接続も複雑となる恐れがあった。この場合、ワイヤハーネスを組み立てる際にかかる手間がより一層増加するとともに、該ワイヤハーネスの歩留まりがより一層低下する恐れがあった。
【0013】
したがって、本発明の目的は、接続されるワイヤハーネスの生産効率の低下を抑制できかつ歩留まりの低下を抑制できる自動車の電装装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の自動車の電装装置は、補機を複数備えた自動車の電装装置において、前記補機には、前記自動車に配索されかつ前記複数の補機のうち二つ以上が用いる共用信号を複数伝送するワイヤハーネスが接続するとともに、前記複数の補機のうち二つ以上の補機は、前記複数の共用信号を受信可能な共用信号受信部を備えているとともに、前記共用信号受信部は、前記共用信号毎に設けられかつ前記ワイヤハーネスの端子金具と接続可能な補機用端子金具と、該補機用端子金具を収容可能な補機用端子収容室と、を備え、前記補機用端子収容室が前記共用信号毎に設けられるとともに、前記補機のうち二つ以上の補機の共用信号受信部は、前記共用信号毎に設けられる補機用端子金具を、互いに同じ配列で配置可能であることを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の本発明の自動車の電装装置は、請求項1に記載の自動車の電装装置において、前記共用信号は、前記自動車に搭載される電源装置から供給される電力と、前記自動車のアースと、前記自動車に搭載されるスイッチ装置の表示部の照明を徐々に明るくするためのスイッチ照明増大信号と、前記スイッチ装置の表示部の照明を徐々に暗くするためのスイッチ照明縮小信号と、一対の電線それぞれに同時に互いに逆位相に流される一対の多重通信信号と、自動車の走行状態を示す走行状態信号と、のうち二つ以上からなることを特徴としている。
【0016】
請求項3に記載の本発明の自動車の電装装置は、請求項1に記載の自動車の電装装置において、前記共用信号は、前記自動車に搭載される電源装置から供給される電力と、前記自動車のアースと、前記自動車に搭載されるスイッチ装置の表示部の照明を徐々に明るくするためのスイッチ照明増大信号と、前記スイッチ装置の表示部の照明を徐々に暗くするためのスイッチ照明縮小信号と、一対の電線それぞれに同時に互いに逆位相に流される一対の多重通信信号と、自動車の走行状態を示す走行状態信号と、であり、前記補機用端子金具は、前記電力とアースとスイッチ照明増大信号とスイッチ照明縮小信号と一対の多重通信信号と走行状態信号とのそれぞれに対応して設けられているとともに、前記補機のうち二つ以上の補機の共用信号受信部は、前記電力とアースとスイッチ照明増大信号とスイッチ照明縮小信号と一対の多重通信信号と走行状態信号とのそれぞれに対応した補機用端子金具を、互いに同じ配列で配置することを特徴としている。
【0017】
請求項4に記載の本発明の自動車の電装装置は、請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載の自動車の電装装置において、前記自動車は、機能を実現しかつ前記複数の補機のうち少なくとも一つ有したシステムを複数備えているとともに、前記ワイヤハーネスは、前記システムそれぞれに対応して設けられかつ複数のコネクタとこれらのコネクタを相互に接続する電線とを有しているとともに、該システム特有の信号を伝送するシステムサブハーネスと、複数の第2コネクタとこれらの第2コネクタを相互に接続する第2電線とを有しかつ前記共用信号を伝送する共用サブハーネスと、を備え、複数の補機のうち少なくとも一つの補機には、対応するシステムサブハーネスの少なくとも一つのコネクタと、前記共用サブハーネスの少なくとも一つの第2コネクタと、が接続することを特徴としている。
【0018】
請求項5に記載の本発明の自動車の電装装置は、請求項4に記載の自動車の電装装置において、同一の補機に接続する前記システムサブハーネスのコネクタと前記共用サブハーネスの第2コネクタとは、一方が係合部を備え、かつ他方が前記係合部と係合する係合受け部を備えているとともに、前記係合部と係合受け部とが互いに係合して、前記同一の補機に接続することを特徴としている。
【0019】
請求項6に記載の本発明の自動車の電装装置は、請求項4または請求項5に記載の自動車の電装装置において、前記共用サブハーネスの複数の第2コネクタのうち一つは、前記共用信号が入力される入力用コネクタであり、他は前記補機と接続する補機用コネクタであるとともに、前記共用サブハーネスは、前記入力用コネクタと前記補機用コネクタとの双方と前記第2電線を介して接続される分岐ユニットを備えており、前記分岐ユニットは、前記入力用コネクタから入力した共用信号を、該共用信号を必要とする補機と接続する補機用コネクタに分配することを特徴としている。
【0020】
請求項1ないし請求項3に記載された本発明によれば、二つ以上の補機の共用信号受信部が、共用信号毎に設けられる補機用端子金具を互いに同じ配列で配置できる。このため、前述した二つ以上の補機それぞれに接続するワイヤハーネスのコネクタなどは、互いに端子金具を同じ配列で配置する。
【0021】
請求項4に記載された本発明によれば、システム毎に対応したシステムサブハーネスと、複数のシステムが共用する共用信号を伝送する共用サブハーネスとに分かれている。そして、補機にシステムサブハーネスのコネクタと共用サブハーネスの第2コネクタとを接続する。
【0022】
このため、サブハーネス同士を互いに組み付ける最終組立工程において、サブハーネス間の電線同士を接続する必要がない。また、システムサブハーネスのコネクタと、共用サブハーネスの第2コネクタと、が同一の補機に接続する。このため、サブハーネス同士を互いに組み付ける最終組立工程において、一つのサブハーネスの端子金具を他のサブハーネスのコネクタハウジング内に挿入する必要がない。
【0023】
請求項5に記載された本発明によれば、同一の補機に接続するシステムサブハーネスのコネクタと、共用サブハーネスの第2コネクタとは、互いに係合する。このため、補機と前記コネクタなどとを接続する接続箇所の機械的な寸法を抑制できる。
【0024】
請求項6に記載された本発明によれば、共用サブハーネスの分岐ユニットが入力用コネクタから入力した共用信号を、補機用コネクタに分配する。このため、システムサブハーネスの各コネクタと、共用サブハーネスの各補機用コネクタとを、所望の補機に接続することによって、各システムを構成する各補機に必要な信号を確実に伝送することができる。
【0025】
このため、サブハーネス同士を互いに組み付ける最終組立工程において、サブハーネス間の電線同士を接続する必要が確実に生じないとともに、一つのサブハーネスの端子金具を他のサブハーネスのコネクタハウジング内に挿入する必要が確実に生じない。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかる自動車の電装装置100を図1ないし図20を参照して説明する。本発明の一実施形態にかかる電装装置100(図1などに示す)は、移動体としての自動車に搭載される。
【0027】
前記自動車は、例えば、ABS(Antilock Brake System)や、エンジン制御システムや、ヘッドランプシステムや、ワイパ駆動システムや、テールランプシステムなどの種々のシステムを備えている。これらのシステムは、前記自動車を有する種々の機能を実現するために用いられる。これらのシステムは、それぞれ、前記自動車の一つの機能を実現する。前記システムは、各種の補機4(図1などに示す)などを備えている。即ち、これらの補機4は、前記自動車に搭載されている。
【0028】
前述したABSは、前記自動車の車輪のブレーキ装置の制動力を増減させるアクチュエータと、該アクチュエータなどを制御するECU(Electronic Control Unit)などを備えている。これらのアクチュエータとECUとが、前述した補機4である。前記エンジン制御システムは、燃料噴射装置と、点火装置と、これらを制御するECU(Electronic Control Unit)などを備えている。これらの燃料噴射装置と点火装置とECUとが、前述した補機4である。
【0029】
ヘッドランプシステムは、ヘッドランプ(前照灯ともいう)と、スイッチ装置などを備えている。ヘッドランプは、比較的遠くまで光を照射する走行用ビームと比較的近くまでしか光を照射しないすれ違いビームとが切換可能である。前記スイッチ装置は、ヘッドランプの点灯・消灯及び前述したビームの切換を操作するためのものである。ヘッドランプとスイッチ装置などが前述した補機4である。
【0030】
ワイパ駆動システムは、ワイパブレードを回動させるためのモータと、スイッチ装置などを備えている。前記モータは、前記ワイパブレードを間欠的に回動させる間欠作動と、前記ワイパブレードを連続的に回動させる連続作動と、が切換可能である。前記スイッチ装置は、ワイパブレードを回動させるか否か及び前記間欠作動と前記連続作動との切換を操作するためのものである。前記モータと前記スイッチ装置などが前述した補機4である。
【0031】
テールランプシステムは、夜間などに存在を示すために使用されるテールランプ(尾灯ともいう)と、該テールランプの点灯・消灯を操作するためのスイッチ装置などを備えている。これらのテールランプとスイッチ装置などが前述した補機4である。
【0032】
自動車の電装装置100は、図1に示すように、前記補機4を二つ以上備えている。自動車の電装装置100は、前記複数のシステムのうち一つのシステムを構成する補機4を複数備えていても良く、一つのシステムを構成する補機4と他のシステムを構成する補機4などを備えていても良い。即ち、電装装置100は、前記自動車に搭載される補機4を複数備えていれば良い。
【0033】
前記補機4は、図1に示すように、外殻を構成する筐体101と、該筐体101内に収容される各種の電子部品と、コネクタ5などを備えている。コネクタ5は、後述するワイヤハーネス1のコネクタ3,3aと第2コネクタ7aなどが接続する。コネクタ5は、該ワイヤハーネス1を構成する各電線2a,2bと、前記筐体101内に収容れる各電子部品とを電気的に接続する。
【0034】
コネクタ5は、絶縁性の合成樹脂からなるコネクタハウジング5aと、補機用端子金具としての端子金具5bと、を備えている。コネクタハウジング5aは、複数の周壁5cを備えて筒型に形成されている。コネクタハウジング5aは、所謂雌型のハウジングである。
【0035】
コネクタハウジング5aは、図示しないロック穴と、複数の端子収容室5dと、を備えている。ロック穴は、コネクタハウジング5aを構成する複数の周壁5cのうち一つの内面から凹に形成されている。端子収容室5dは、コネクタハウジング5a内に設けられている。端子収容室5dは、それぞれ、直線状に延びており前記端子金具5bを収容する。端子収容室5dは、互いに平行である。これらの端子収容室5dは、本明細書に記した補機用端子収容室をなしている。
【0036】
端子金具5bは、勿論、導電性の金属などからなり、電線などを接続する電線接続部5eと、電気接触部5fと、を備えている。電線接続部5eは、筒状に形成されている。電線接続部5eは、かしめ片などを備えている。かしめ片は、前記電子部品などと接続した電線をかしめる。電線接続部5は、前記かしめ片が電線をかしめて、該電線と端子金具5bとを電気的に接続する。
【0037】
電気接触部5fは、電線接続部5eに連なっている。電気接触部5fは、帯板状のタブ5hを備えている。タブ5hは、後述する端子金具19の電気接触部19b内に侵入可能である。タブ5hが、前記電気接触部19b内に侵入すると、前記端子金具5b,19は、互いに電気的に接続する。前述した構成によって、前記端子金具5bは、所謂雄型の端子金具となっている。
【0038】
前述した構成のコネクタ5の複数の端子収容室5dうち一つは、電力用収容室102(以下PWR収容室と示す)である。PWR収容室102は、バッテリまたは発電機などの電源装置から供給される電力を受信するための端子金具5bを収容可能である。前記電力を受信するための端子金具5bには、後述するPWR信号を伝送する端子金具19が接続する。即ち、前記電力を受信するための端子金具5bには、PWR信号が入力する。
【0039】
複数の端子収容室5dうち他の一つは、アース用収容室103(以下GND収容室と示す)である。GND収容室103は、アース回路と接続可能な端子金具5bを収容可能である。前記アース回路と接続可能な端子金具5bには、アース回路と接続した端子金具19が接続する。即ち、前記アース回路と接続可能な端子金具5bには、後述するGND信号が入力する。
【0040】
複数の端子収容室5dうち更に他の一つは、照明増大用収容室104(以下ILL+収容室と示す)である。ILL+収容室104は、後述するILL+信号を受信するための端子金具5bを収容可能である。前記ILL+信号を受信するための端子金具5bには、ILL+信号を伝送する端子金具19が接続する。即ち、前記ILL+信号を受信するための端子金具5bには、ILL+信号が入力する。
【0041】
複数の端子収容室5dうち更に他の一つは、照明縮小用収容室105(以下ILL−収容室と示す)である。ILL−収容室105は、後述するILL−信号を受信するための端子金具5bを収容可能である。前記ILL−信号を受信するための端子金具5bには、ILL−信号を伝送する端子金具19が接続する。即ち、前記ILL−信号を受信するための端子金具5bには、ILL−信号が入力する。
【0042】
複数の端子収容室5dうち更に他の二つは、それぞれ多重通信用収容室106,107(以下MPX+収容室及びMPX−収容室と示す)である。MPX+収容室106は、後述するMPX+信号を受信するための端子金具5bを収容可能である。前記MPX+信号を受信するための端子金具5bには、MPX+信号を受信するための端子金具5bが接続する。即ち、前記MPX+信号を受信するための端子金具5bには、MPX+信号が入力する。
【0043】
MPX−収容室107は、後述するMPX−信号を受信するための端子金具5bを収容可能である。前記MPX−信号を受信するための端子金具5bには、MPX−信号を受信するための端子金具5bが接続する。即ち、前記MPX−信号を受信するための端子金具5bには、MPX−信号が入力する。
【0044】
複数の端子収容室5dうち更に他の二つは、それぞれ、走行用収容室108(以下SIG収容室と示す)である。SIG収容室108は、後述するSIG信号を受信するための端子金具5bを収容可能である。前記SIG信号を受信するための端子金具5bには、SIG信号を受信するための端子金具5bが接続する。即ち、前記SIG信号を受信するための端子金具5bには、SIG信号が入力する。
【0045】
前述した構成によって、前記端子金具5bは、PWR信号とGND信号とILL+信号とILL−信号とMPX+信号とMPX−信号とSIG信号などの、後述する共用信号毎に設けられる。
【0046】
前述した収容室102,103,104,105,106,107,108は、図1及び図2に示すように、互いに密集している。これらの収容室102,103,104,105,106,107,108と、これらに収容される端子金具5bは、本明細書に記した共用信号受信部110を構成している。
【0047】
本実施形態では、図2に示すように、前記共用信号受信部110は、補機4の外側から見て図中右側に位置している。図示例では、共用信号受信部110は、図2中の上下二段に設けられ、それぞれの段では、四つの端子収容室5dを並設している。下段は、図2中の右から順に、ILL−収容室105と、GND収容室103と、MPX−収容室107と、SIG収容室108が、設けられている。上段では、図2中の右から順に、ILL+収容室104と、PWR収容室102と、MPX+収容室106と、SIG収容室108が、設けられている。
【0048】
前記共用受信部110には、後述する共用サブハーネス6の補機用コネクタ7aがコネクタ結合する。また、共用受信部110を除く端子収容室5dには、各サブハーネス11,12,13,14,15のコネクタ3aがコネクタ結合する。
【0049】
図1には、補機4とコネクタ5とをそれぞれ二つしか図示していないが、本発明にかかる自動車の電装装置100は、補機4とコネクタ5とを二つ以上備えていても良い。前記自動車の電装装置100を構成する補機4のコネクタ5のうち少なくとも二つは、図2に示すように、前記共用受信部110の各収容室102,103,104,105,106,107,108の配列が同一となっている。図示例では、図2(a)は、図1中左側に位置する補機4のコネクタ5の共用信号受信部110などを示し、図2(b)は、図1中右側に位置する補機4のコネクタ5の共用信号受信部110などを示している。
【0050】
このように、コネクタ5間において、各収容室102,103,104,105,106,107,108の配列が同一となっている。このため、これらコネクタ5は、前述した各共用信号毎に対応して配される端子金具5bを、互いに同一の配列で配置可能である。
【0051】
前記自動車の電装装置100には、図3などに示すワイヤハーネス1が接続する。ワイヤハーネス1は、前述した移動体としての自動車などに配索されいる。ワイヤハーネス1は、前述したシステム間や補機4間を接続して、各補機4にバッテリなどの電源から供給される電力や、各種の信号等を伝送する。
【0052】
ワイヤハーネス1は、図3に示すように、第1のシステムサブハーネス11(図5に示す)と、第2のシステムサブハーネス12(図6に示す)と、第3のシステムサブハーネス13(図7に示す)と、第4のシステムサブハーネス14(図8に示す)と、第5のシステムサブハーネス15(図9に示す)と、共用サブハーネス6(図4に示す)と、を備えている。
【0053】
第1のシステムサブハーネス11は、前述したABSなどの自動車の第1のシステムに対応して設けられる。第2のシステムサブハーネス12は、前述したエンジン制御システムなどの自動車の第2のシステムに対応して設けられる。第3のシステムサブハーネス13は、前述したヘッドランプシステムなどの自動車の第3のシステムに対応して設けられる。
【0054】
第4のシステムサブハーネス14は、前述したワイパ駆動システムなどの自動車の第4のシステムに対応して設けられる。第5のシステムサブハーネス15は、前述したテールランプシステムなどの自動車の第5のシステムに対応して設けられる。このように、前述したシステムサブハーネス11,12,13,14,15は、前述した自動車の各システムに対応して設けられている。
【0055】
前述したシステムサブハーネス11,12,13,14,15は、図5ないし図9に示すように、それぞれ、複数の電線2(以下システムサブハーネスの電線を符号2aで示す)と、複数のコネクタ3(後述するように共用サブハーネス6と同一の補機4に接続するものを以下符号3aで示し、他を以下符号3で示す)と、を備えている。電線2aは、それぞれ、導体などからなる芯線と、この芯線を覆う絶縁材料などからなる被覆部と、を備えたいわゆる被覆電線となっている。
【0056】
コネクタ3,3aは、前記電線2aの端部に取り付けられている。即ち、前記電線2aは、前記コネクタ3,3aを相互に電気的に接続している。これらのコネクタ3,3aは、互いに構成が略同等であるので、以下コネクタ3a(図1に示す)を代表して説明する。
【0057】
コネクタ3aは、図1に示すように、絶縁性の合成樹脂からなるコネクタハウジング3bと、端子金具19と、を備えている。コネクタハウジング3bは、前記コネクタハウジング5a内に侵入可能な方体状に形成されている。コネクタハウジング3bは、所謂雄型のハウジングである。コネクタハウジング3bは、複数の端子収容室3cと、ロックアーム3dと、を備えている。
【0058】
端子収容室3cは、それぞれ、直線状に延びており前記端子金具19を収容する。端子収容室3cは、互いに平行である。端子収容室3cは、コネクタハウジング3bがコネクタハウジング5a内に侵入すると、端子収容室5dに合致する位置に設けられている。
【0059】
ロックアーム3dは、アーム状に形成されかつ一端がコネクタハウジング3bに連なっている。ロックアーム3dは、他端がコネクタハウジング3bに近づくように弾性変形自在である。ロックアーム3dは、長手方向が、前記端子収容室3cに沿っている。ロックアーム3dは、外方向に向かって突出したロック突起3eを備えている。ロック突起3eは、前述したコネクタ5のロック穴に係合可能である。
【0060】
端子金具19は、導電性を有する板金などを折り曲げて形成されている。端子金具19は、筒状の電気接触部19aと、該電気接触部19aに連なる電線接続部19bと、を備えている。電気接触部19aは、内側に前記コネクタ5の端子金具5bのタブ5hが挿入されると、該タブ5hを電気接触部19aの内面に向かって付勢するばね片19dを備えている。ばね片19dが前記タブ5hを電気接触部19aの内面に向かって付勢することによって、前記端子金具5bと電気的に接続する。
【0061】
電線接続部19bは、前述した電線2aをかしめるためのかしめ片19cを備えている。かしめ片19cが電線2aをかしめることによって、電線接続部19bは、電線2aと端子金具19とを電気的に接続する。
【0062】
前述した構成によれば、前記コネクタ3aは、補機4のコネクタ5のコネクタハウジング5a内に挿入されて、該コネクタ5とコネクタ結合する。このとき、前記他端がコネクタハウジング3bに近づく方向に前記ロックアーム3dが弾性変形する。そして、前記ロック突起3eが前記ロック穴に係合して、補機4のコネクタ5とコネクタ結合する。このとき、補機4のコネクタ5の端子金具5bのタブ5hが、端子金具19の電気接触部19a内に侵入して、これら端子金具5b,19aが互いに電気的に接続する。こうして、前記コネクタ3,3aは、対応するシステムの各補機4のコネクタ5(図1に示す)にコネクタ結合する。
【0063】
第1のシステムサブハーネス11は、他のサブハーネス12,13,14,15が対応するシステムには不要で、かつ、前述したABSなどの対応するシステムの補機4に必要な信号を伝える。即ち、第1のシステムサブハーネス11は、対応する第1のシステムしか用いない、該第1のシステム特有の信号を伝送する。
【0064】
第2のシステムサブハーネス12は、他のサブハーネス11,13,14,15が対応するシステムには不要で、かつ、前述したエンジン制御システムなどの対応するシステムの補機4に必要な信号を伝える。即ち、第2のシステムサブハーネス12は、対応する第2のシステムしか用いない、該第2のシステム特有の信号を伝送する。
【0065】
第3のシステムサブハーネス13は、他のサブハーネス11,12,14,15が対応するシステムには不要で、かつ、前述したヘッドランプシステムなどの対応するシステムの補機4に必要な信号を伝える。即ち、第3のシステムサブハーネス13は、対応する第3のシステムしか用いない、該第3のシステム特有の信号を伝送する。
【0066】
第4のシステムサブハーネス14は、他のサブハーネス11,12,13,15が対応するシステムには不要で、かつ、前述したワイパ駆動システムなどの対応するシステムの補機4に必要な信号を伝える。即ち、第4のシステムサブハーネス14は、対応する第4のシステムしか用いない、該第4のシステム特有の信号を伝送する。
【0067】
第5のシステムサブハーネス15は、他のサブハーネス11,12,13,14が対応するシステムには不要で、かつ、前述したテールランプシステムなどの対応するシステムの補機4に必要な信号を伝える。即ち、第5のシステムサブハーネス15は、対応する第5のシステムしか用いない、該第5のシステム特有の信号を伝送する。
【0068】
このように、前述したシステムサブハーネス11,12,13,14,15は、それぞれ対応するシステム特有の信号を伝送し、コネクタ3,3a,3bが各補機4のコネクタ5にコネクタ結合することによって、前記特有の信号を対応するシステムの各補機4に伝える。
【0069】
共用サブハーネス6は、図4に示すように、複数の電線2(以下共用サブハーネスの電線を符号2bで示す)と、複数の第2コネクタ7(以下後述するようにシステムサブハーネスと同一の補機4に接続するものを符号7aで示し、後述する入力用コネクタを符号7bで示す)と、分岐ユニット8(図20に示す)と、を備えている。電線2bは、それぞれ、導体などからなる芯線と、この芯線を覆う絶縁材料などからなる被覆部と、を備えたいわゆる被覆電線となっている。なお、電線2bは、本明細書に記した第2電線である。また、前記第2コネクタ7aは、本明細書に記したワイヤハーネス1のコネクタをなしている。
【0070】
前記第2コネクタ7a,7bは、前記電線2bの端部に取り付けられている。即ち、電線2bは、前記第2コネクタ7a,7bを相互に電気的に接続している。これらの第2コネクタ7a,7cのうち一つのコネクタ7bは、入力用コネクタである。入力用コネクタ7bは、外部機器9(図3に示す)の図示しないコネクタにコネクタ結合する。
【0071】
前記外部機器9は、前記自動車に装備され、前述したシステムサブハーネス11,12,13,14,15が対応するシステムのうち少なくとも二つ以上のシステムが必要な共用信号を、ワイヤハーネス1に伝送する。外部機器9は、例えば、周知のECU(Electronic Control Unit)や、電気接続箱(ジャンクションボックスともいう)などである。
【0072】
このため、入力用コネクタ7bは、前記外部機器9を介して前述した共用信号が入力される。
【0073】
なお、前記共用信号は、バッテリなどの電源から供給される電力(以下PWR信号と示す)と、アース(以下GND信号と示す)と、スイッチ照明増大信号(以下ILL+信号と示す)と、スイッチ照明縮小信号(以下ILL−信号と示す)と、一対の多重通信信号と、自動車の走行状態を示す走行状態信号(以下SIG信号と示す)と、を含んでいる。
【0074】
本明細書で記載された共用信号に含まれるGND信号とは、アース回路と電位が等しくなるように、該アース回路に接続していることを示している。
【0075】
前記ILL+信号は、前述した補機4としての各種のスイッチ装置の表示部の照明を明るくするための信号である。前記ILL−信号は、前述したスイッチ装置の表示部の照明を暗くするための信号である。スイッチ装置の表示部は、各種の目盛やシンボルであり、該スイッチ装置の設定状況などを示す。前記スイッチ装置の表示部の照明は、自動車の乗員などに前記設定状況などを知らせるために用いられる。前記ILL+信号が連続して前記スイッチ装置に多く入力すると、前記照明が徐々に明るくなり、前記ILL−信号が連続して前記スイッチ装置に多く入力すると、前記照明が徐々に暗くなる。
【0076】
一対の多重通信とは、一対の電線それぞれに、プラスの電位の信号とマイナスの電位の信号とを同時に流すことである。一対の多重通信は、前述したように、一対の電線に互いに逆位相の信号を同時に流すことにより、これらの一対の電線によって伝送される信号のノイズを抑制するものである。前記多重通信信号とは、これら一対の電線それぞれに流れる信号を示しており、以下MPX+信号及びMPX−信号と示す。
【0077】
SIG信号とは、例えば、自動車の走行速度を示す速度信号や、エンジン回転数を示すエンジン回転数信号や、ブレーキペダルが操作されたことを示すブレーキペダル操作信号や、変速操作装置(オートマチックトランスミッション搭載車両の変速操作装置)の操作位置(所謂シフトポジション)を示すシフトポジション信号や、ドアが開いていることを示すドアポジション信号や、パーキングブレーキ(所謂サイドブレーキ)が操作されたことを示すパーキングブレーキ信号などである。
【0078】
第2コネクタ7a,7bのうち他のコネクタ7a(図1などに示す)は、補機用コネクタである。補機用コネクタ7aは、前述した共用信号を必要とする補機4に対応して設けられる。前述した構成の補機用コネクタ7aは、前記共用信号を必要とする補機4のコネクタ5の前述した共用信号受信部110にコネクタ結合する。
【0079】
これらの補機用コネクタ7aの構成は、前述したシステムサブハーネス11,12,13,14,15のコネクタ3,3aと構成が略同等であるので、同一符号を付して説明を省略する。前記補機用コネクタ7aは、前述したコネクタハウジング3bと、前述した端子金具19などを備えている。
【0080】
前記端子金具19は、それぞれ、電線2bを介して、前記PWR信号とGND信号とILL+信号とILL−信号とMPX+信号とMPX−信号とSIG信号とが伝送される。前記PWR信号が伝送される端子金具19は、前記PWR収容室102に合致する位置に配される。前記GND信号が伝送される端子金具19は、前記GND収容室103に合致する位置に配される。前記ILL+信号が伝送される端子金具19は、前記ILL+収容室104に合致する位置に配される。前記ILL−信号が伝送される端子金具19は、前記ILL−収容室105に合致する位置に配される。前記MPX+信号が伝送される端子金具19は、前記MPX+収容室106に合致する位置に配される。前記MPX−信号が伝送される端子金具19は、前記MPX−収容室107に合致する位置に配される。前記SIG信号が伝送される端子金具19は、前記SIG収容室108に合致する位置に配される。
【0081】
こうして配された補機用コネクタ7aの端子金具19は、該補機用コネクタ7aが前記共用信号を必要とする補機4のコネクタ5にコネクタ結合すると、合致する収容室102,103,104,105,106,107,108に収容された端子金具5bと接続する。
【0082】
前述したシステムサブハーネス11,12,13,14,15のコネクタ3,3aのうち一部のコネクタ3aは、前記補機用コネクタ7aと同一の補機4のコネクタ5にコネクタ結合する。
【0083】
前記分岐ユニット8は、図3及び図4に示すように、入力用コネクタ7bと補機用コネクタ7aとの双方と電線2bを介して接続されている。分岐ユニット8は、図19及び図20などに示すように、圧接端子としてのJC(Joint connector)用圧接端子30(図12に示す)と、絶縁体としての圧接ハウジング40(図15に示す)と、カバーハウジング49と、を備えている。分岐ユニット8は、JC用圧接端子30と、圧接ハウジング40と、をそれぞれ複数備えている。
【0084】
JC用圧接端子30は、導電性の板金などを折り曲げるなどして形成されている。JC用圧接端子30は、図12及び図13などに示すように、電線2bが載置される平坦な連結壁35aと、一対の側壁35bと、電線接続部31と、電気接触部32とを備えている。
【0085】
連結壁35aは、帯板状に形成されている。一対の側壁35bは、それぞれ帯板状に形成されている。一対の側壁35bは、幅方向に沿った連結壁35aの両縁に連なっている。一対の側壁35bは、それぞれ連結壁35aに対し立設している。
【0086】
電線接続部31は、互いに対向する一対の折曲げ片33と、圧接部31aと、を備えている。折曲げ片33は、連結壁35aに対し立設している。折曲げ片33は、折り曲げられることにより連結壁35aに載置された電線2bを保持する。
【0087】
圧接部31aは、それぞれ互いに対向する三対の圧入刃34a,34b,34cを備えている。圧入刃34a,34b,34cは、それぞれ、連結壁35aに対し立設している。三対の圧入刃34a,34b,34cは、それぞれ、側壁35bの内面からこれら一対の側壁35bが互いに近づく方向に突出している。
【0088】
圧入刃34a,34b,34cは、それぞれの間に電線2bを圧入することにより、電線2bの被覆部を切り込んで該電線2bの芯線に接触する。圧入刃34a,34b,34cは、前記電線2bとJC用圧接端子30との間の電気的な接続を確保する。即ち、電線2bと圧接する。
【0089】
電気接触部32は、連結壁35aに開口した開口孔36と、連結壁35aから立設可能な第2接続手段としての接触片37とを備えている。接触片37は、帯状に形成されている。接触片37は、一端が連結壁35aに連なっている。
【0090】
接触片37は、曲げられることによって、前記連結壁35aに対し立設した状態と、図12中の二点鎖線で示すように連結壁35aと平行な状態と、に亘って変位自在となっている。接触片37は、曲げられて一旦連結壁35aに対し立設した状態にされるとこの状態を維持し、連結壁35aに平行な状態にされるとこの状態を維持する。
【0091】
なお、接触片37が連結壁35aに対し立設した状態は接続状態をなしており、接触片37が連結壁35aに沿った状態は絶縁状態をなしている。開口孔36には、図13に示すように、連結壁35aの端部と接触片37とを圧接するための接触ばね片36aが設けられている。
【0092】
前述した構成のJC用圧接端子30は、連結壁35aが互いに平行でかつ間隔存した状態で積み重ねられる。そして、電気接触部32は、図13中下方に位置するJC用圧接端子30の接触片37が図13中上方に位置する他のJC用圧接端子30の開口孔36内に挿入されることによって、互いに積み重ねられたJC用圧接端子30を互いに電気的に接続する。
【0093】
このとき、下方に位置するJC用圧接端子30の接触片37は、上方に位置する他のJC用圧接端子30の連結壁35aと接触ばね片36aとによって挟まれている。
【0094】
JC用圧接端子30は、圧接ハウジング40の端子収容溝41内に圧入される。JC用圧接端子30は、端子収容溝41内に圧入されることで、圧接ハウジング40に収容・保持される。
【0095】
前記端子挿入溝41内に圧入された際に、互いに隣り合うJC用圧接端子30を相互に電気的に接続する際には、図14に示すように、電線接続部31寄りの連結壁35aの端部を相互に連結する連結部39が除去されずに残される。互いに隣り合うJC用圧接端子30を相互に電気的に絶縁状態に保つ際には前記連結部39を連結壁35aから除去する。なお、前記連結部39は、第1接続手段をなしている。
【0096】
前記接触片37及び連結部39は、圧接ハウジング40が複数積層されて分岐ユニット8が組み立てられた際に、前記入力用コネクタ7bから電線2bを介して入力した共用信号を、電線2bを介して該共用信号を必要とする補機4に接続する補機用コネクタ7aに分配するように、JC用圧接端子30を相互に電気的に接続する。
【0097】
圧接ハウジング40は、絶縁性の合成樹脂などからなり、図15から図20に示すように、矩形状のプレート本体42と、複数の端子収容溝41と、を備えている。プレート本体42は、底壁42aと、底壁42aからそれぞれ立設した複数の隔壁43と、を備えている。底壁42aは、平面形状が略矩形状に形成されている。底壁42aは、略平坦に形成されている。隔壁43は、互いに平行である。隔壁43は、前記底壁42aの幅方向に沿って互いに並設している。
【0098】
前記端子収容溝41は、互いに隣り合う隔壁43と底壁42aとで囲まれている。端子収容溝41は、複数設けられている。これらの端子収容溝41は、隔壁43が並設する方向に沿って、並設している。端子収容溝41は、それぞれ、JC用圧接端子30を収容可能である。
【0099】
圧接ハウジング40は、端子収容溝41内にJC用圧接端子30を収容して、JC用圧接端子30を保持する。このとき、圧接ハウジング40は、複数のJC用圧接端子30を保持する際には、端子収容溝41が並設する方向に沿ってJC用圧接端子30を並設する。
【0100】
圧接ハウジング40は、図17に示すように、複数の端子収容溝41のうち任意に選択される端子収容溝41内にJC用圧接端子30を収容する。圧接ハウジング40はJC用圧接端子30を収容する際には、図16に示すようにそれぞれの端子挿入溝41の一端部41aから挿入される。
【0101】
カバーハウジング49は、その構成が圧接ハウジング40と略同等であるため、構成が圧接ハウジング40と同一箇所には同一符号を付して説明を省略する。カバーハウジング49には、隔壁43が設けられておらず、端子収容溝41が形成されていない。
【0102】
また、前記圧接ハウジング40及びカバーハウジング49は、積層された際に互いを固定する係止部44と係止受け部45とをそれぞれ複数備えている。さらに、圧接ハウジング40は、下方に位置するJC用圧接端子30の接触片37が上方に位置するJC用圧接端子30の開口孔36内へ侵入することを妨げない図示しない孔を複数備えている。
【0103】
前述した構成の分岐ユニット8は、以下に示すように組み立てられる。まず、分岐ユニット8として組み立てられた際に、電線2bを介して入力用コネクタ7bから入力した共用信号を、電線2bを介して該共用信号を必要とする補機4に接続する補機用コネクタ7aに分配できるように、各端子収容溝41内にJC用圧接端子30を収容する。
【0104】
そして、図18に示すように、端子収容溝41に収容されたJC用圧接端子30に電線2bを圧接し、図19に示すように、電線2bを取り付けた状態の圧接ハウジング40を互いに積み重ねる。これらの圧接ハウジング40の図19中の最上方にカバーハウジング49を重ねる。これらの圧接ハウジング40とカバーハウジング49の係止部44と係止受け部45とを互いに係合させて、これらの圧接ハウジング40とカバーハウジング49とを固定する。
【0105】
このように、前記分岐ユニット8は、JC用圧接端子30を収容した圧接ハウジング40を、プレート本体42が互いに平行な状態に積層されることによって、組み立てられる。前記分岐ユニット8は、ジョイントコネクタ(Joint Connector)となる。なお、ジョイントコネクタとは、一般にコネクタハウジング内に収容された複数の端子相互を所定のパターンにしたがって電気的に接続したものをいう。この場合、複数積層される圧接ハウジング40が前記コネクタハウジングに相当する。
【0106】
また、図17ないし図20に示した例では、すべての端子挿入溝41にJC用圧接端子30が収容された状態を示しているが、前記圧接ハウジング40は必ずしもすべての端子挿入溝41にJC用圧接端子30を収容するわけではない。即ち、圧接ハウジング40は、複数の端子挿入溝41のうち必要とされる端子挿入溝41にJC用圧接端子30を収容する。
【0107】
前述した構成の分岐ユニット8は、入力用コネクタ7bから入力した共用信号を、該共用信号を必要とする補機4と接続する補機用コネクタ7aに分配する。図示例では、分岐ユニット8は、図11に示すように、前述した圧接ハウジング40が7枚積層されている。入力用コネクタ7bには7本の電線2bが接続しており、これらの電線2bは、それぞれ、前述したPWR信号とGND信号とILL+信号とILL−信号とMPX+信号とMPX−信号とSIG信号とのうち一つが前記入力用コネクタ7bから入力される。
【0108】
前述した入力用コネクタ7bに接続した電線2bは、7枚積層された圧接ハウジング40のうち互いに異なる圧接ハウジング40に装着されたJC用圧接端子30に接続している。以下、前記PWR信号が入力されるJC用圧接端子30を装着した圧接ハウジング40をPWRハウジング40aと示し、GND信号が入力されるJC用圧接端子30を装着した圧接ハウジング40をGNDハウジング40bと示し、ILL+信号が入力されるJC用圧接端子30を装着した圧接ハウジング40をILL+ハウジング40cと示し、ILL−信号が入力されるJC用圧接端子30を装着した圧接ハウジング40をILL−ハウジング40dと示し、MPX+信号が入力されるJC用圧接端子30を装着した圧接ハウジング40をMPX+ハウジング40eと示し、MPX−信号が入力されるJC用圧接端子30を装着した圧接ハウジング40をMPX−ハウジング40fと示し、SIG信号が入力されるJC用圧接端子30を装着した圧接ハウジング40をSIGハウジング40gと示す。
【0109】
図11では、上から順に、PWRハウジング40aとGNDハウジング40bとILL+ハウジング40cとILL−ハウジング40dとMPX+ハウジング40eとMPX−ハウジング40fとSIGハウジング40gとが積層されている。
【0110】
前述した各ハウジング40a,40b,40c,40d,40e,40f,40gには、それぞれ複数のJC用圧接端子30が装着されている。これらのJC用圧接端子30は、前記接触片37が前述した絶縁状態となっている。このため、前記ハウジング40a,40b,40c,40d,40e,40f,40g間では、JC用圧接端子30は互いに絶縁されている。
【0111】
各ハウジング40a,40b,40c,40d,40e,40f,40gに装着されたJC用圧接端子30は、前記連結部39によって互いに電気的に接続されている。このため、PWRハウジング40aに装着された複数のJC用圧接端子30それぞれにはPWR信号が伝送されており、GNDハウジング40bに装着された複数のJC用圧接端子30それぞれにはGND信号が伝送されており、ILL+ハウジング40cに装着された複数のJC用圧接端子30それぞれにはILL+信号が伝送されており、ILL−ハウジング40dに装着された複数のJC用圧接端子30それぞれにはILL−信号が伝送されており、MPX+ハウジング40eに装着された複数のJC用圧接端子30それぞれにはMPX+信号が伝送されており、MPX−ハウジング40fに装着された複数のJC用圧接端子30それぞれにはMPX−信号が伝送されており、SIGハウジング40gに装着された複数のJC用圧接端子30それぞれにはSIG信号が伝送されている。
【0112】
これらのJC用圧接端子30には、それぞれ電線2bが接続している。これらの電線2bは、前述した各信号を必要とする補機4に接続する補機用コネクタ7aに接続している。
【0113】
図11中に示す一つの補機用コネクタ7a(以下第1補機用コネクタ7aaと呼ぶ)には、PWRハウジング40aとGNDハウジング40bとILL+ハウジング40cとILL−ハウジング40dとMPX+ハウジング40eとのそれぞれに装着されたJC用圧接端子30に接続した電線2bが接続している。即ち、第1補機用コネクタ7aaには、PWR信号とGND信号とILL+信号とILL−信号とMPX+信号とが入力する。
【0114】
図11中に示す他の補機用コネクタ7a(以下第2補機用コネクタ7abと呼ぶ)には、PWRハウジング40aとGNDハウジング40bとILL+ハウジング40cとILL−ハウジング40dとMPX+ハウジング40eとMPX−ハウジング40fとSIGハウジング40gのそれぞれに装着されたJC用圧接端子30に接続した電線2bが接続している。即ち、第2補機用コネクタ7abには、PWR信号とGND信号とILL+信号とILL−信号とMPX+信号とMPX−信号とSIG信号とが入力する。
【0115】
図11中に示す更に他の補機用コネクタ7a(以下第3補機用コネクタ7acと呼ぶ)には、PWRハウジング40aとGNDハウジング40bとILL+ハウジング40cとILL−ハウジング40dとMPX+ハウジング40eとMPX−ハウジング40fとSIGハウジング40gのそれぞれに装着されたJC用圧接端子30に接続した電線2bが接続している。即ち、第3補機用コネクタ7acには、PWR信号とGND信号とILL+信号とILL−信号とMPX+信号とMPX−信号とSIG信号とが入力する。
【0116】
このように、前述した構成の分岐ユニット8は、入力用コネクタ7bから入力した共用信号を、該共用信号を必要とする補機4と接続する補機用コネクタ7aに分配する。
【0117】
前述した構成によって、共用サブハーネス6は、前述したシステムサブハーネス11,12,13,14,15が対応するシステムのうち、少なくとも二つ以上のシステムが必要とする共用信号を伝送するとともに、前述した構成の分岐ユニット8が、入力用コネクタ7bから入力した共用信号を、該共用信号を必要とする補機4と接続する補機用コネクタ7aに分配する。
【0118】
前述した構成のワイヤハーネス1を組み立てる際には、まず、各システムサブハーネス11,12,13,14,15と、共用サブハーネス6と、を組み立てる。各システムサブハーネス11,12,13,14,15を組み立てる際には、まず、電線2aを所望の長さに切断し、該電線2aの両端部に端子金具19を取り付ける。これらの端子金具19をコネクタ3,3a,3bのコネクタハウジング内に挿入する。こうして、各システムサブハーネス11,12,13,14,15を組み立てる。
【0119】
共用サブハーネス6を組み立てる際には、まず、電線2bを所望の長さに切断し、該電線2bの一部の端部などに端子金具19を取り付ける。端子金具19を、入力用コネクタ7bと補機用コネクタ7aのコネクタハウジングに取り付ける。
【0120】
圧接ハウジング40の所望の端子収容溝41にJC用圧接端子30を取り付ける。これらのJC用圧接端子30に、電線2bの他の端部などを圧接する。JC用圧接端子30を装着した圧接ハウジング40を複数積層するなどして、前記分岐ユニット8を組み立てる。こうして、前記共用サブハーネス6を組み立てる。
【0121】
前述したように組み立てられたシステムサブハーネス11,12,13,14,15を、図10に示すように、前記自動車に配索する際の配索パターンにしたがって並べる。
【0122】
これらのシステムサブハーネス11,12,13,14,15に、更に、前記配索パターンにしたがって、共用サブハーネス6を並べる。同一の補機4に接続されるコネクタ3a,3b,7aのコネクタハウジング16,17,18の係合部20と係合受け部21とを互いに係合させて、これらのコネクタハウジング16,17,18を互いに固定する。このとき、ブスバー23を、コネクタハウジング16,17,18間に挿入するとともに、前記蓋22も取り付ける。こうして、前述した構成のワイヤハーネス1が得られる。各コネクタ3,3a,3b,7a,7bを、対応するシステムの補機4のコネクタ5に及び外部機器9のコネクタにコネクタ結合させて、前記ワイヤハーネス1を自動車に配索する。
【0123】
本実施形態によれば、二つ以上の補機4のコネクタ5の共用信号受信部110が、収容室102,103,104,105,106,107,108を互いに同一の配列で配置されている。このため、これら補機4のコネクタ5は、PWR信号に対応する端子金具5bとGND信号(即ちアース)に対応する端子金具5bとILL+信号に対応する端子金具5bとILL−信号に対応する端子金具5bとMPX+信号に対応する端子金具5bとMPX−信号に対応する端子金具5bとSIG信号に対応する端子金具5bとを同じ配列で配置可能である。
【0124】
このため、共用信号毎に設けられる端子金具5bを互いに同じ配列で配置できる。このため、前記コネクタ5それぞれに結合するワイヤハーネス1のコネクタ7aは、互いに端子金具19の配列が等しくなる。
【0125】
このように、自動車の補機4のコネクタ5の端子金具5bの配置を標準化でき、該補機4のコネクタ5に接続するワイヤハーネス1のコネクタ7aの端子金具19の配置も標準化できる。このため、前記ワイヤハーネス1を組み立てる作業員が、該ワイヤハーネス1の端子金具19を収容する端子収容室3cを間違えにくくなる。したがって、ワイヤハーネス1を組み立てる際の手間が少なくなって、前記ワイヤハーネス1の歩留まりの低下を抑制できる。さらに、ワイヤハーネス1を構成する電線2b相互の接続が複雑となることを防止できる。
【0126】
また、ワイヤハーネス1が、自動車のシステム毎に設けられかつこれらシステム特有の信号を伝送するシステムサブハーネス11,12,13,14,15と、複数のシステムが共用する共用信号を伝送する共用サブハーネス6とに分かれている。このため、各サブハーネス11,12,13,14,15,6を組み立てた後、これらのサブハーネス11,12,13,14,15,6を互いに束ねることで、各コネクタ3,3a,7a,7bを各補機4のコネクタ5及び外部機器9のコネクタにコネクタ結合させることが可能となる。
【0127】
したがって、サブハーネス11,12,13,14,15,6を互いに束ねるワイヤハーネス1の最終組立工程において、互いに異なるサブハーネス11,12,13,14,15,6の電線2a,2b同士を接続する必要が生じない、
【0128】
さらに、システムサブハーネス11,12,13,14,15のコネクタ3aと共用サブハーネス6のコネクタ7aとが、同一の補機4のコネクタ5にコネクタ結合する。このため、前記最終組立工程において、一つのサブハーネス11,12,13,14,15,6の端子金具を、他のサブハーネス11,12,13,14,15,6のコネクタハウジングに取り付ける必要がない。
【0129】
このため、前述した最終組立工程において、電線同士を接続するジョイント作業や、端子金具をコネクタハウジングに取り付ける後嵌め作業を行う必要がない。したがって、ワイヤハーネス1の最終組立工程からサブハーネス11,12,13,14,15,6をジョイント圧着機や抵抗溶接機や端子挿入装置などに搬送する必要がない。したがって、ワイヤハーネス1の生産効率の低下を抑制できる。
【0130】
分岐ユニット8が、入力用コネクタ7bから入力した共用信号を、所望のパターンにしたがって、補機用コネクタ7aに分配する。このため、システムサブハーネス11,12,13,14,15のコネクタ3,3aと、共用サブハーネス6の補機用コネクタ7aと、を所望の補機4のコネクタ5に接続することによって、各補機4に必要とされる信号を確実に伝送できる。
【0131】
また、圧接ハウジング40が電線2bを圧接するJC用圧接端子30を複数並べて装着する。連結部39が互いに隣り合うJC用圧接端子30を互いに電気的に接続する。接触片37が、互いに重なるJC用圧接端子30を互いに電気的に接続可能である。このため、分岐ユニット8は、前記JC用圧接端子30に圧接される二つ以上の電線2bを、所望のパターンにしたがって、確実に電気的に接続できる。
【0132】
このため、前記分岐ユニット8は、入力用コネクタ7bから入力した共用信号を、所望のパターンにしたがって、補機用コネクタ7aに確実に分配できる。したがって、システムサブハーネス11,12,13,14,15のコネクタ3,3aと、共用サブハーネス6の補機用コネクタ7aと、を所望の補機4のコネクタ5に接続することによって、各システムを構成する各補機4に必要とされる信号を確実に伝送できる。
【0133】
前述した実施形態では、前記補機4のコネクタ5が、共用信号受信部110の端子収容室102,103,104,105,106,107,108と、他の端子収容室5dと、が一体となったコネクタハウジング5aを用いている。しかしながら、本発明では、前記コネクタハウジング5aを、図27から図30に示すように、複数に分割しても良い。
【0134】
何れの場合も、図27から図30に示すように、前記コネクタハウジング5aを共用信号受信部110などからなる第1ハウジング111と、前記他の端子収容室5dなどからなる第2ハウジング112とに分割している。
【0135】
図27及び図28に示す場合では、前記実施形態と同様の配列で、各収容室102,103,104,105,106,107,108と、他の端子収容室5dと、を配置している。前記ハウジング111,112は、互いに係合する係合部111aと係合受け部112bとによって、図28(b)に示すように互いに取り付けられたり、図27及び図28(a)に示すように分離される。
【0136】
図29及び図30に示す場合には、第1ハウジング111は、共用信号受信部110の端子収容室102,103,104,105,106,107,108を一方向に沿って並設している。図示例では、右から順に、ILL+収容室104と、PWR収容室102と、MPX+収容室106と、二つのSIG収容室108と、MPX−収容室107と、GND収容室103と、ILL−収容室105とが配置されている。
【0137】
第1ハウジング111と第2ハウジング112とは、前記収容室102,103,104,105,106,107,108が互いに並ぶ方向に対し、交差する方向に沿って互いに重ねられる。これらの場合も、前記ハウジング111,112は、互いに係合する係合部111aと係合受け部112bとによって、図29(b)及び図30(b)に示すように互いに取り付けられたり、図29(a)及び図30(a)に示すように分離される。
【0138】
このように、コネクタハウジング5aを、複数のハウジング111,112に分割すると、これらハウジング111,112毎に端子金具5bを収容するなどして組み立てることができる。そして、これらハウジング111,112を互いに組み付けて、補機4を組み立てることができる。
【0139】
また、本発明では、前記分岐ユニット8を、図24に示す第2圧接端子としてのJB用圧接端子50と、図22に示す第2絶縁体としての圧接プレート60などから、図21に示すように構成しても良く、図26に示すように絶縁性の基板81などから構成しても良い。
【0140】
図21に示された分岐ユニット8は、JB用圧接端子50と、圧接プレート60とを、それぞれ複数備えている。
【0141】
JB用圧接端子50は、導電性の板金などを折り曲げるなどして形成されている。JB用圧接端子50は、図24などに示すように、電線2bが接続される電線接続部51と、電気接触部52と、複数の係止片58と、を備えている。電線接続部51は、電線2bが載置される平坦な載置壁55と、一対の側壁56a,56bと、かしめ片53と、圧接部51aと、を備えている。
【0142】
載置壁55は、帯板状に形成されている。一対の側壁56a,56bは、それぞれ、帯板状に形成されている。一対の側壁56a,56bは、載置壁55の幅方向に沿って間隔を存する両縁に連なっている。一対の側壁56a,56bは、それぞれ、載置壁55に立設している。一対の側壁56a,56bは、互いの間に圧接部51aに圧接される電線2bを位置させる。
【0143】
かしめ片53は、載置壁55に立設している。かしめ片53は、載置壁55の幅方向の縁に連なっている。かしめ片53は、載置壁55に被さるように曲げられることにより、載置壁55との間に電線2bを挟んで保持する。即ち、かしめ片53は、電線2bを載置壁55にかしめる。
【0144】
圧接部51aは、互いに対向する二対の圧接刃54a,54bを備えている。圧接刃54a,54bは、載置壁55に立設している。圧接刃54a,54bは、側壁56a,56bの内面からこれら一対の側壁56a,56bが互いに近づく方向に突出している。
【0145】
圧接刃54a,54bは、それぞれ、互いの間に電線2bを圧入することにより、電線2bの被覆部を切り込んで芯線に接触する。圧接刃54a,54bは、前記電線2bと電気的に接続する。即ち、圧接刃54a,54bは、電線2bと圧接する。
【0146】
電気接触部52は、載置壁55の幅方向の一方の縁に連なっている。即ち、電気接触部52は、電線接続部51と連なっている。電気接触部52と電線接続部51とは、JB用圧接端子50の平面形状がL字状となる位置に配されている。電気接触部52は、電線接続部51に対し、載置壁55に載置される電線2bの長手方向から屈曲した位置に配されている。
【0147】
電気接触部52は、角筒状に形成されている。電気接触部52はその筒孔が圧接プレート60の図示しない孔に連通するように配される。電気接触部52の筒孔内には、接続片としての図25などに示す接続バー70が挿入される。
【0148】
この接続バー70は、導電性の金属などからなりかつ帯板状に形成されている。電気接触部52の筒孔内には、接続ばね片57が設けられている。接続ばね片57は、接続バー70を電気接触部52の筒孔の内面に向かって押圧する。接続ばね片57は、接続バー70と電気接触部52とを電気的に接続する。
【0149】
電気接触部52は、圧接プレート60が互いに積層された際に、筒孔内に接続バー70が挿入されることによって、互いに重なるJB用圧接端子50同士を電気的に接続する。こうして、電気接触部52は、他の端子金具としての他のJB用圧接端子と接続する。
【0150】
係止片58は、側壁56a,56bの一部が切り欠かれて形成されている。係止片58は、側壁56a,56bそれぞれに設けられている。それぞれの係止片58は、一端部が側壁56a,56bに連なり、かつ他端部が側壁56a,56bから離れている。それぞれの係止片58は、特に前記他端部が側壁56a,56bの外面から外方向に突出している。係止片58は、JB用圧接端子50が圧接プレート60に装着された際に、前記他端部が後述する隔壁63bの内面に係止可能である。
【0151】
JB用圧接端子50は、電線接続部51が圧接プレート60の後述する電線収容溝61の溝本体61a内に収容され、かつ電気接触部52が電線収容溝61の後述する収容部64内に収容される。JB用圧接端子50は、他端部間の間隔が狭くなる方向に係止片58が押圧されて、溝本体61a及び収容部64内に圧入される。JB用圧接端子50は、溝本体61a及び収容部64内に圧入されることで、圧接プレート60に収容される(又は保持されるともいい又は装着されるともいう)。
【0152】
圧接プレート60は、絶縁性の合成樹脂などからなり、プレート状即ち平板状に形成されている。圧接プレート60は、図21ないし図23に示すように、矩形状のプレート本体62と、複数の電線収容溝61と、を備えている。プレート本体62は、ほぼ平坦な底壁63aと、底壁63aから立設した複数の隔壁63bと、を備えている。
【0153】
隔壁63bは、互いに平行でかつ間隔を存している。隔壁63bは、それぞれプレート本体62の長手方向に沿って、延びている。
【0154】
電線収容溝61は、隣り合う隔壁63bと底壁63aとで囲まれて形成されている。電線収容溝61は、プレート本体62の幅方向に沿って、即ち前記隔壁63bが互いに並設する方向に沿って、並設されている。電線収容溝61は、互いに平行である。電線収容溝61は、プレート本体62の長手方向に沿って延びている。電線収容溝61は、電線2bとJB用圧接端子50とを収容可能である。
【0155】
電線収容溝61は、図22に示すように、溝本体61aと、収容部64とを備えている。溝本体61aは、隣り合う隔壁63bの内面と、底壁63aの表面とで、形成されている。溝本体61aは、前記隔壁63bに沿って延在している。溝本体61aは、電線2bと、JB用圧接端子50の電線接続部51と、を収容する。
【0156】
収容部64は、隣り合う一対の隔壁63bの間隔を拡げるように、前記隔壁63bから凹に形成されている。収容部64は、一つの電線収容溝61を形成する隣り合う一対の隔壁63bそれぞれに設けられている。収容部64は、溝本体61aの長手方向に沿って、一方の隔壁63bと他方の隔壁63bとに、交互に設けられている。
【0157】
こうして、収容部64は、電線収容溝61の溝本体61aの長手方向に沿って複数並設されている。収容部64は、JB用圧接端子50の電気接触部52を収容する。収容部64には、一つの孔が設けられている。前記孔は、それぞれプレート本体62の底壁63aを貫通している。
【0158】
また、前記圧接プレート60は、複数の係止突起66と図示しない複数の係止受け突起とを備えている。これらの係止突起66と係止受け突起とは、互いに係止する。前述した分岐ユニット8を構成する際に、これらの係止突起66と係止受け突起とが互いに係止して、圧接プレート60が互いに固定する。
【0159】
圧接プレート60は、JB用圧接端子50を、前記電線収容溝61の溝本体61aの長手方向と、これらの電線収容溝61が並設する方向と、の互いに交差する二方向に沿って前記底壁63a上に並べる。即ち、圧接プレート60は、JB用圧接端子50を、底壁63a上に二次元のマトリックス状に配置する。
【0160】
前記分岐ユニット8を組み立てる際には、まず、分岐ユニット8として組み立てられた際に、電線2bを介して入力用コネクタ7bから入力した共用信号を、電線2bを介して該共用信号を必要とする補機4に接続する補機用コネクタ7aに分配できるように、圧接プレート60の溝本体61aと収容部64とにJB用圧接端子50を装着する。このとき、JB用圧接端子50を、底壁63aに近づけてプレート本体62に装着する。係止片58が隔壁63bの内面に係止して、JB用圧接端子50は電線収容溝61内に収容されて、圧接プレート60に固定される。
【0161】
そして、溝本体61a及び収容部64内に収容されたJB用圧接端子50に、電線2bを圧接する。このとき、電線2bを、電線接続部51の圧接刃54a,54b間に圧入するとともに、電線収容溝61内に挿入する。同一の電線2bが圧接されたJB用圧接端子50は、互いに電気的に接続する。
【0162】
この状態で、圧接プレート60を、図23に示すように、プレート本体62が互いに平行でかつ間隔を存して積層する。そして、圧接プレート60は、互いに近づけられて、係止突起66と係止受け突起とが互いに係止して固定される。圧接プレート60は、所定の孔及び電気接触部52の筒孔内に接続バー70が挿入されて、図21に示すように、分岐ユニット8を構成する。
【0163】
分岐ユニット8は、JB用圧接端子50を底壁63a上に配置する位置及び接続バー70を挿入する位置を選択することによって、JB用圧接端子50に圧接される電線2bを、予め定められるパターンにしたがって接続する。したがって、前記分岐ユニット8は、JB用圧接端子50を底壁63a上に配置する位置及び接続バー70を挿入する位置を選択することによって、入力用コネクタ7bから入力した共用信号を、該共用信号を必要とする補機4に接続する補機用コネクタ7aに、確実に分配できる。
【0164】
このため、図21に示す分岐ユニット8は、入力用コネクタ7bから入力した共用信号を、所望のパターンにしたがって、補機用コネクタ7aに確実に分配できる。したがって、システムサブハーネス11,12,13,14,15のコネクタ3,3aと、共用サブハーネス6の補機用コネクタ7aと、を所望の補機4のコネクタ5に接続することによって、各システムを構成する各補機4に必要とされる信号を確実に伝送できる。
【0165】
図26に示す分岐ユニット8は、絶縁性の合成樹脂からなる基板81と、該基板81から立設したタブ82と、前記基板81の表面に形成された導体パターン83と、を備えている。基板81は、平面形状が略矩形状に形成されている。
【0166】
タブ82は、複数設けられている。図示例では、タブ82は、基板81の外縁部に沿って並設されている。タブ82は、それぞれ、導電性の金属などからなり、かつ一対の圧接刃82a,82bを備えている。一対の圧接刃82a,82bは、基板81の縁に沿って互いに並べられている。一対の圧接刃82a,82bは、互いの間に電線2bを圧入することにより、電線2bの被覆部を切り込んで該電線2bの芯線に接触する。一対の圧接刃82a,82bは、電線2bと接続する。即ち、一対の圧接刃82a,82bは、電線2bと圧接する。
【0167】
導体パターン83は、例えば、銅などの導電性の金属などからなり、かつ薄い膜状に形成されている。導体パターン83は、基板81の表面に貼り付けられている。導体パターン83は、予め定められる所望のパターンにしたがって、タブ82を互いに電気的に接続している。なお、この予め定められる所望のパターンとは、分岐ユニット8として組み立てられた際に、電線2bを介して入力用コネクタ7bから入力した共用信号を、電線2bを介して該共用信号を必要とする補機4に接続する補機用コネクタ7aに分配できるパターンである。
【0168】
図26に示した分岐ユニット8においても、導体パターン83が、前述した所望のパターンにしたがって、タブ82を互いに接続する。したがって、前記分岐ユニット8は、入力用コネクタ7bから入力した共用信号を、該共用信号を必要とする補機4に接続する補機用コネクタ7aに、確実に分配できる。
【0169】
このため、図26に示す分岐ユニット8は、入力用コネクタ7bから入力した共用信号を、所望のパターンにしたがって、補機用コネクタ7aに確実に分配できる。したがって、システムサブハーネス11,12,13,14,15のコネクタ3,3aと、共用サブハーネス6の補機用コネクタ7aと、を所望の補機4のコネクタ5に接続することによって、各システムを構成する各補機4に必要とされる信号を確実に伝送できる。
【0170】
なお、図26に示した分岐ユニット8は、図中では前記タブ82と導体パターン83とを基板81の一方の表面のみに設けている。しかしながら本発明では、基板81の両方の表面に、前記タブ82と導体パターン83とを設けても良いことは勿論である。また、図26に示した分岐ユニット8を前記自動車などに設置する際には、図示しない絶縁性のケース内に収容するのが望ましい。
【0171】
また、本発明では、同一の補機4のコネクタ5にコネクタ結合するコネクタ3a,7aを、図31(a)及び図31(b)に示すように、互いに合体・分離可能なコネクタハウジング16,17,18などによって構成しても良い。勿論、これらのコネクタハウジング16,17,18は、前記端子金具19を収容する。
【0172】
コネクタハウジング16,17,18は、それぞれ、絶縁性の合成樹脂からなりかつ端子収容溝16a,17a,18aを備えている。前記コネクタハウジング16,17,18は、それぞれ、端子収容溝16a,17a,18aを一方向に沿って並べている。これらの端子収容溝16a,17a,18aは、それぞれ、直線状に延びている。これらの端子収容溝16a,17a,18aは、互いに平行である。
【0173】
図示例では、前記コネクタハウジング16,17,18のうち一つのコネクタハウジング16は、端子収容溝16aを10本備えている。他の一つコネクタハウジング17は、端子収容溝17aを5本備えている。更に他の一つコネクタハウジング18は、端子収容溝18aを4本備えている。
【0174】
前記コネクタハウジング16,17,18は、互いに係合する係合部20と係合受け部21とを備えている。これらの係合部20と係合受け部21とが互いに係合して、図31(b)に示すように前記コネクタハウジング16,17,18が一体となる。即ち、システムサブハーネス11,12,13,14,15のコネクタ3aと、共用サブハーネス6の第2コネクタ7aとは、一方が係合部20を備え、他方が係合受け部21を備えている。係合部20と係合受け部21とが係合すると、コネクタハウジング16,17,18の端子収容溝16a,17a,18aは互いに平行となる。
【0175】
なお、図示例では、前記コネクタハウジング17,18が前記端子収容溝17a,18aが互いに並ぶ方向に沿って連結し、これらのコネクタハウジング17,18が前記コネクタハウジング16に積層される。このように、図示例では、三つのコネクタハウジング16,17,18が互いに係合する。
【0176】
しかしながら、本発明では、例えば、同一の補機4に、一つのコネクタ3aと一つの補機用コネクタ7aとが接続する際には、図31中に符号16で示すコネクタハウジングを二つ用いて、これら二つのコネクタハウジング16を互いに積層させるようにしても良い。このように、本発明では、端子収容溝16a,17a,18aを任意の本数備えるように、コネクタハウジング16,17,18を構成して、これらのコネクタハウジング16,17,18を任意に組み合わせるようにすれば良い。
【0177】
こうして、同一の補機4のコネクタ5にコネクタ結合するコネクタ3a,7aは、係合部20と係合受け部21とが互いに係合して一体となると、図31(b)に示すように、蓋22が取り付けられるとともに、必要に応じてブスバー23が取り付けられる。蓋22は、絶縁性の合成樹脂などからなり、平板状の蓋本体22aと、前記係合受け部21と、ロックアーム22bと、を備えている。
【0178】
蓋22は、蓋本体22aが、互いに連結した前記コネクタハウジング17,18などに重ねられる。蓋22の係合受け部21には、前記コネクタハウジング17,18の係合部20が係合する。蓋22は、係合受け部21に、前記コネクタハウジング17,18の係合部20が係合して、前記コネクタハウジング16,17,18と固定される。
【0179】
ロックアーム22bは、アーム状に形成されかつ一端が蓋本体22aに連なっている。ロックアーム22bは、他端が蓋本体22aに近づくように弾性変形自在である。ロックアーム22bは、長手方向が、蓋22が固定されるコネクタハウジング16,17,18の端子収容溝16a,17a,18aに沿っている。ロックアーム22bは、外方向に向かって突出したロック突起22cを備えている。ロック突起22cは、前述したコネクタ5のロック穴に係合可能である。
【0180】
ブスバー23は、絶縁性の帯状体23aと、導電性の接触板23bと、を備えている。帯状体23aは、帯板状に形成されている。接触板23bは、帯状体23aの互いに逆に位置する一対の表面それぞれに重ねられている。接触板23bには、前記帯状体23aの表面から接離自在な接触片23cが複数連なっている。これらの接触片23cは、帯状体23aの長手方向に沿って並んでいる。
【0181】
ブスバー23は、前記端子収容溝16a,17a,18aが互いに並ぶ方向に、長手方向が沿う状態で、互いに重なるコネクタハウジング16,17,18間に挿入される。すると、前記接触片23cは、端子収容溝16a,17a,18aに収容された端子金具19と接触する。接触片23cが端子金具19に接触すると、これらの端子金具19は互いに電気的に接続される。ブスバー23は、端子金具19間を電気的に絶縁状態に保つ場合には、絶縁状態に保つ端子金具19と接触する接触片23cが接触板23bから切り離される。
【0182】
同一の補機4のコネクタ5にコネクタ結合するコネクタ3a,7aは、係合部20と係合受け部21とが互いに係合して、互いに一体となるとともに、蓋22が取り付けられる。さらに、コネクタハウジング16,17,18間にブスバー23が挿入されて、これらの端子収容溝16a,17a,18a内に挿入された端子金具19が所望のパターンにしたがって電気的に接続される。
【0183】
そして、蓋22とブスバー23などと一体となったコネクタ3a,3b,7aは、補機4のコネクタ5のコネクタハウジング5a内に挿入される。すると、他端が蓋本体22aに近づく方向に前記ロックアーム22bが弾性変形する。その後、蓋22とブスバー23などと一体となったコネクタ3a,3b,7aは、ロック穴にロック突起22cが係合して、補機4のコネクタ5とコネクタ結合する。このとき、補機4のコネクタ5の端子金具のタブが、コネクタ3a,3b,7aの端子金具19の電気接触部19a内に侵入して、前記補機4のコネクタ5の端子金具とコネクタ3a,3b,7aの端子金具19とが電気的に接続する。
【0184】
このように、図31に示す場合には、同一の補機4のコネクタ5に接続するシステムサブハーネス11,12,13,14,15のコネクタ3aと、共用サブハーネス6の補機用コネクタ7aとは、係合部20と係合受け部21とが互いに係合して一体となる。このため、補機4とワイヤハーネス1との接続箇所の機械的な寸法を抑制できる。
【0185】
なお、本発明では、前記共用信号受信部110の各収容室102,103,104,105,106,107,108の配置を、図示した例に限らず、補機4のコネクタ5間で等しいのであれば、必要に応じて適宜変更できることは勿論である。
【0186】
さらに、本発明では、前述した各収容室102,103,104,105,106,107,108すべてに、必ずしも、前述した端子金具5bを収容する必要はない。本発明は、補機4のコネクタ5間で、各収容室102,103,104,105,106,107,108の配列が同じであれば良く、各補機4に必要とする信号を受信するために、前記端子金具5bを適宜設ければ良い。さらに、各補機4が、前記収容室102,103,104,105,106,107,108のうち少なくとも二つ以上備えていれば良く、これらの補機4間で有する収容室102,103,104,105,106,107,108の配置が等しければ良い。
【0187】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項3に記載の本発明は、少なくとも二つ以上の補機の共用信号受信部が、共用信号毎に設けられる補機用端子金具を互いに同じ配列で配置する。このため、これらの補機それぞれに接続するワイヤハーネスのコネクタなどは、互いに端子金具の配列が等しくなる。
【0188】
このように、自動車の補機の補機用端子金具の配置を標準化でき、該補機に接続するワイヤハーネスのコネクタなどの端子金具の配置も標準化できる。このため、前記ワイヤハーネスを組み立てる作業員が、該ワイヤハーネスの端子金具を収容する端子収容室を間違えにくくなる。したがって、ワイヤハーネスを組み立てる際の手間が少なくなって、前記ワイヤハーネスの歩留まりの低下を抑制できる。さらに、ワイヤハーネスを構成する電線相互の接続が複雑となることを防止できる。
【0189】
請求項4に記載の本発明は、システム毎に対応したシステムサブハーネスと、複数のシステムが共用する共用信号を伝送する共用サブハーネスとに分かれている。このため、サブハーネス同士を互いに組み付ける最終組立工程において、サブハーネス間の電線同士を接続する必要が生じない。
【0190】
また、システムサブハーネスのコネクタと、共用サブハーネスの第2コネクタと、が同一の補機に接続する。このため、サブハーネス同士を互いに組み付ける最終組立工程において、一つのサブハーネスの端子金具を他のサブハーネスのコネクタハウジング内に挿入する必要が生じない。
【0191】
このため、サブハーネス同士を互いに組み付ける最終組立工程において、これらのサブハーネスを前記ジョイント圧着機や抵抗溶接機や端子挿入装置などに搬送する手間が生じない。したがって、補機に接続されるワイヤハーネスの生産効率の低下を抑制できる。
【0192】
請求項5に記載の本発明は、同一の補機に接続するシステムサブハーネスのコネクタと、共用サブハーネスの第2コネクタとは、互いに係合する。このため、補機との前記コネクタとが接続する接続箇所の機械的な寸法を抑制できる。したがって、ワイヤハーネスの生産効率の低下を抑制できることにくわえ、補機などの小型化を図ることが可能となる。
【0193】
請求項6に記載の本発明は、共用サブハーネスの分岐ユニットが入力用コネクタから入力した共用信号を、補機用コネクタに分配する。このため、システムサブハーネスの各コネクタと、共用サブハーネスの各補機用コネクタとを、所望の補機に接続することによって、各システムを構成する各補機に必要な信号を確実に伝送することができる。
【0194】
このため、サブハーネス同士を互いに組み付ける最終組立工程において、サブハーネス間の電線同士を接続する必要がより生じないとともに、一つのサブハーネスの端子金具を他のサブハーネスのコネクタハウジング内に挿入する必要がより生じない。
【0195】
このため、サブハーネス同士を互いに組み付ける最終組立工程において、これらのサブハーネスを前記ジョイント圧着機や抵抗溶接機や端子挿入装置などに搬送する手間が生じない。したがって、ワイヤハーネスの生産効率の低下をより抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる自動車の電装装置の構成を示す斜視図である。
【図2】(a)は図1中の矢印IIA方向からみたコネクタハウジングの端子収容室の配置を模式的に示す説明図である。
(b)は図1中の矢印IIB方向からみたコネクタハウジングの端子収容室の配置を模式的に示す説明図である。
【図3】図1に示された自動車の電装装置に接続するワイヤハーネスの配線図である。
【図4】図3に示されたワイヤハーネスの共用サブハーネスの配線図である。
【図5】図3に示されたワイヤハーネスの第1のシステムサブハーネスの配線図である。
【図6】図3に示されたワイヤハーネスの第2のシステムサブハーネスの配線図である。
【図7】図3に示されたワイヤハーネスの第3のシステムサブハーネスの配線図である。
【図8】図3に示されたワイヤハーネスの第4のシステムサブハーネスの配線図である。
【図9】図3に示されたワイヤハーネスの第5のシステムサブハーネスの配線図である。
【図10】図5から図9に示されたシステムサブハーネスを束ねた状態を示す配線図である。
【図11】図3に示されたワイヤハーネスの要部を示す配線図である。
【図12】図3に示されたワイヤハーネスの分岐ユニットのJC用圧接端子を示す斜視図である。
【図13】図12に示されたJC用圧接端子が互いに重ねられて相互に電気的に接続する状態を示す斜視図である。
【図14】図12に示されたJC用圧接端子が互いに並設されて相互に電気的に接続する状態を示す斜視図である。
【図15】図3に示されたワイヤハーネスの分岐ユニットの圧接ハウジングを示す斜視図である。
【図16】図15に示された圧接ハウジングにJC用圧接端子が圧入される状態を示す斜視図である。
【図17】図15に示された圧接ハウジングにJC用圧接端子が保持された状態を示す斜視図である。
【図18】図17に示された圧接ハウジングに保持されたJC用圧接端子に電線が圧接される状態を示す斜視図である。
【図19】図18に示された圧接ハウジングが互いに間隔を存して重ねられた状態を示す斜視図である。
【図20】図3に示されたワイヤハーネスの分岐ユニットを示す斜視図である。
【図21】図3に示されたワイヤハーネスの分岐ユニットの変形例を示す斜視図である。
【図22】図21に示された分岐ユニットの圧接プレートなどを示す斜視図である。
【図23】図22に示された圧接プレートが互いに間隔を存して重ねられた状態を示す斜視図である。
【図24】図21に示された分岐ユニットのJB用圧接端子を示す斜視図である。
【図25】図21に示された分岐ユニットの接続バーを示す斜視図である。
【図26】図3に示されたワイヤハーネスの分岐ユニットの他の変形例を示す斜視図である。
【図27】図1に示された自動車の電装装置のコネクタハウジングの変形例を示す斜視図である。
【図28】(a)は図27中の矢印A方向からみたコネクタハウジングの端子収容室の配置を模式的に示す説明図である。
(b)は図28(a)に示されたコネクタハウジングの各ハウジングが互いに合体した状態を模式的に示す説明図である。
【図29】図1に示された自動車の電装装置のコネクタハウジングの他の変形例を示す説明図である。
(a)はコネクタハウジングの端子収容室の配置を模式的に示す説明図である。
(b)は図29(a)に示されたコネクタハウジングの各ハウジングが互いに合体した状態を模式的に示す説明図である。
【図30】図1に示された自動車の電装装置のコネクタハウジングの更に別の変形例を示す説明図である。
(a)はコネクタハウジングの端子収容室の配置を模式的に示す説明図である。
(b)は図30(a)に示されたコネクタハウジングの各ハウジングが互いに合体した状態を模式的に示す説明図である。
【図31】(a)は図3に示されたワイヤハーネスのコネクタのコネクタハウジングの変形例を示す斜視図である。
(b)は図31(a)に示されたコネクタハウジングが互いに合体した状態を示す斜視図である。
【図32】従来の自動車の電装装置のコネクタハウジングの端子収容室の配置を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 ワイヤハーネス
2 電線
2a 電線
2b 電線(第2電線)
3,3a コネクタ
4 補機
5b 端子金具(補機用端子金具)
5d 端子収容室(補機用端子収容室)
6 共用サブハーネス
7 第2コネクタ(コネクタ)
7a 補機用コネクタ
7b 入力用コネクタ
8 分岐ユニット
11 第1のシステムサブハーネス
12 第2のシステムサブハーネス
13 第3のシステムサブハーネス
14 第4のシステムサブハーネス
15 第5のシステムサブハーネス
19 端子金具
20 係合部
21 係合受け部
100 自動車の電装装置
110 共用信号受信部

Claims (6)

  1. 補機を複数備えた自動車の電装装置において、
    前記補機には、前記自動車に配索されかつ前記複数の補機のうち二つ以上が用いる共用信号を複数伝送するワイヤハーネスが接続するとともに、
    前記複数の補機のうち二つ以上の補機は、前記複数の共用信号を受信可能な共用信号受信部を備えているとともに、
    前記共用信号受信部は、前記共用信号毎に設けられかつ前記ワイヤハーネスの端子金具と接続可能な補機用端子金具と、該補機用端子金具を収容可能な補機用端子収容室と、を備え、前記補機用端子収容室が前記共用信号毎に設けられるとともに、
    前記補機のうち二つ以上の補機の共用信号受信部は、前記共用信号毎に設けられる補機用端子金具を、互いに同じ配列で配置可能であることを特徴とする自動車の電装装置。
  2. 前記共用信号は、
    前記自動車に搭載される電源装置から供給される電力と、
    前記自動車のアースと、
    前記自動車に搭載されるスイッチ装置の表示部の照明を徐々に明るくするためのスイッチ照明増大信号と、
    前記スイッチ装置の表示部の照明を徐々に暗くするためのスイッチ照明縮小信号と、
    一対の電線それぞれに同時に互いに逆位相に流される一対の多重通信信号と、
    自動車の走行状態を示す走行状態信号と、
    のうち二つ以上からなることを特徴とする請求項1記載の自動車の電装装置。
  3. 前記共用信号は、
    前記自動車に搭載される電源装置から供給される電力と、
    前記自動車のアースと、
    前記自動車に搭載されるスイッチ装置の表示部の照明を徐々に明るくするためのスイッチ照明増大信号と、
    前記スイッチ装置の表示部の照明を徐々に暗くするためのスイッチ照明縮小信号と、
    一対の電線それぞれに同時に互いに逆位相に流される一対の多重通信信号と、
    自動車の走行状態を示す走行状態信号と、であり、
    前記補機用端子金具は、前記電力とアースとスイッチ照明増大信号とスイッチ照明縮小信号と一対の多重通信信号と走行状態信号とのそれぞれに対応して設けられているとともに、
    前記補機のうち二つ以上の補機の共用信号受信部は、前記電力とアースとスイッチ照明増大信号とスイッチ照明縮小信号と一対の多重通信信号と走行状態信号とのそれぞれに対応した補機用端子金具を、互いに同じ配列で配置することを特徴とする請求項1記載の自動車の電装装置。
  4. 前記自動車は、機能を実現しかつ前記複数の補機のうち少なくとも一つ有したシステムを複数備えているとともに、
    前記ワイヤハーネスは、
    前記システムそれぞれに対応して設けられ、かつ複数のコネクタとこれらのコネクタを相互に接続する電線とを有しているとともに、該システム特有の信号を伝送するシステムサブハーネスと、
    複数の第2コネクタとこれらの第2コネクタを相互に接続する第2電線とを有し、かつ前記共用信号を伝送する共用サブハーネスと、を備え、
    複数の補機のうち少なくとも一つの補機には、対応するシステムサブハーネスの少なくとも一つのコネクタと、前記共用サブハーネスの少なくとも一つの第2コネクタと、が接続することを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載の自動車の電装装置。
  5. 同一の補機に接続する前記システムサブハーネスのコネクタと前記共用サブハーネスの第2コネクタとは、一方が係合部を備え、かつ他方が前記係合部と係合する係合受け部を備えているとともに、前記係合部と係合受け部とが互いに係合して、前記同一の補機に接続することを特徴とする請求項4記載の自動車の電装装置。
  6. 前記共用サブハーネスの複数の第2コネクタのうち一つは、前記共用信号が入力される入力用コネクタであり、他は前記補機と接続する補機用コネクタであるとともに、
    前記共用サブハーネスは、前記入力用コネクタと前記補機用コネクタとの双方と前記第2電線を介して接続される分岐ユニットを備えており、
    前記分岐ユニットは、前記入力用コネクタから入力した共用信号を、該共用信号を必要とする補機と接続する補機用コネクタに分配することを特徴とする請求項4または請求項5記載の自動車の電装装置。
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