JP3813771B2 - 動圧軸受エレメントの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動圧軸受に使用される例えばシャフト,フランジ,ハウジングまたはフランジ付シャフト等の動圧軸受エレメントの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、動圧軸受エレメントであるフランジ付シャフトとしては、フランジ部とシャフト部とからなって、そのフランジ部にアキシャル方向支持用の動圧溝をエッチングにより形成したものがある。また、上記フランジ付シャフトの表面には、摩耗を低減するためにTiN(窒化チタン)膜を成膜している。
【0003】
上記構成のフランジ付シャフトの製造方法は、まず、フランジ部およびシャフト部にレジストを塗付した後、プレベイク,露光,現像およびポストベイクを行ってエッチングマスクを形成する。そして、そのエッチングマスクで被覆されたフランジ付シャフトにエッチングを行って動圧溝を形成する。最後に、上記エッチングマスクを除去した後、スパッタリング法などのPVD(Physical Vapor Deposition:物理的気相成長)法等によって、耐摩耗性を向上させるためのTiN膜をフランジ付シャフトに成膜する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記フランジ付シャフトの動圧溝をエッチングで形成するためには、エッチングマスクが必要不可欠となっている。そのエッチングマスクを形成するには、レジストの塗布,プレベイク,露光,現像およびポストベイクといった多くの工程が必要である。その結果、フランジ付シャフトの作業工程が煩雑になって、簡単に製造できないという問題があると共に、製造コストが高くなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、簡単に製造できる低コストな動圧軸受エレメントの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
【0008】
上記請求項1の動圧軸受エレメントの製造方法は、動圧溝を形成する箇所を治具によりマスクして、動圧溝が形成される箇所以外の部分を、エッチング剤に対して耐食性を有する硬質膜で被覆する工程と、上記硬質膜をエッチングマスクとして用いてエッチングする工程とを備えたことを特徴としている。
【0009】
上記請求項1の発明の動圧軸受エレメントの製造方法によれば、上記動圧溝が形成される箇所以外の部分が、エッチング剤に対して耐食性を有する硬質膜で被覆されているので、その動圧溝を形成するためのエッチングマスクとして硬質膜を利用できる。したがって、エッチング剤に対して耐食性を有する硬質膜をエッチングマスクとして用いることによって、多くの工程を要するエッチングマスクの形成が不要になるので、作業工程が大幅に簡略化して、簡単かつ低コストに製造できる。
また、請求項2の動圧軸受エレメントの製造方法は、請求項1に記載の動圧軸受エレメントの製造方法において、上記硬質膜が窒化チタン膜であることを特徴としている。
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の動圧軸受エレメントの製造方法を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の実施の一形態の動圧軸受エレメントであるフランジ付シャフトを上方から見た図である。このフランジ付シャフトは、図1に示すように、フランジ部1とシャフト部2とからなり、そのフランジ部1の軸方向の一端面にアキシャル方向支持用の動圧溝3を形成している。また、上記フランジ部1は、図2に示すように、動圧溝3以外の部分を例えばTiN膜4で被覆して、耐摩耗性を向上している。なお、図2では、図1に示したシャフト部2を省略している。また、図示しないが、このシャフト部2にもTiN膜4を成膜している。
【0014】
上記フランジ付シャフトは、以下のように形成している。
【0015】
(1)まず、上記フランジ部1は、動圧溝3を形成する前に、PVD(Physical Vapor Deposition:物理的気相成長)法、例えばスパッタリング法によって、フランジ部1およびシャフト部2にTiN膜4を成膜する。このとき、上記フランジ部1では、動圧溝3を形成する箇所にTiN膜4が成膜しないように、図示しない治具でマスクする。つまり、上記フランジ部1の動圧溝3以外の部分をTiN膜4で被覆するのである。
【0016】
(2)次に、エッチングを行うと、シャフト部2は、エッチング剤に対して耐食性のTiN膜4で表面全部を被覆しているので、エッチング剤で腐食しない。一方、上記フランジ部2は、TiN膜4で被覆されている箇所と、TiN膜4で被覆されていない箇所とが存在するので、TiN膜4で被覆されていないフランジ部1の箇所、つまり動圧溝3を形成する箇所のみがエッチング剤で溶解する。その結果、上記フランジ部1において、TiN膜4で被覆されていない箇所が除去されて、動圧溝3が形成される。
【0017】
このように、スパッタリング法で成膜したTiN膜4をエッチングマスクとして利用するので、レジスト等でエッチングマスクを形成しなくてもよい。したがって、上記フランジ部1およびシャフト部2に対して、レジストの塗付,プレベイク,露光,現像およびポストベイクを行ってエッチングマスクを形成する必要がなくなって、作業工数が大幅に低減して、簡単に製造でき、かつ、製造コストを低減できる。
【0018】
上記実施の形態では、スパッタリング法でTiN膜4を成膜したが、真空蒸着法やイオンビーム蒸着法などでTiN膜4を成膜してもよい。
【0019】
また、図3に示すように、黄銅製のフランジ部31と、セラミックス製のシャフト部32とでフランジ付シャフト30を構成してもよい。この場合、上記フランジ部31に図示しないアキシャル方向支持用の動圧溝を形成するために、エッチング剤としての塩化第2鉄溶液でエッチングを行っても、セラミックス製のシャフト部32は塩化第2鉄溶液で腐食しないから、塩化第2鉄溶液からシャフト部32を保護するためのレジスト等をシャフト部32に塗布する必要がない。その結果、シャフト部32にレジスト等を塗布する工程がない分、作業工程が簡略化して、簡単かつ低コストに製造できる。
【0020】
また、上記フランジ部31およびシャフト部32の材料は上記実施の形態に限られず、エッチング剤に対して腐食性を有する材料でフランジ部を形成し、エッチング剤に対して耐腐食性を有する材料でシャフト部を形成すればよい。
【0021】
また、セラミックス製のシャフト部32の代わりに、表面にTiN膜が成膜された鉄製のシャフト部を用いてもよい。また、このシャフト部に成膜する膜の材料は、エッチング剤に対して耐腐食性を有するものであればよい。
【0022】
【発明の効果】
【0023】
以上より明らかなように、請求項1の発明の動圧軸受エレメントの製造方法は、エッチング剤に対して耐食性を有する硬質膜をエッチングマスクとして用いるので、多くの工程を要するエッチングマスクの形成が不要になって、作業工程が大幅に簡略化して、簡単かつ低コストに製造できる。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の一形態のフランジ付シャフトの上面図である。
【図2】 図2は上記フランジ付シャフトのフランジ部の断面図である。
【図3】 図3は本発明の他の実施形態のフランジ付シャフトの正面図である。
【符号の説明】
1,31 フランジ部 2,32 シャフト部
3 動圧溝 4 TiN膜
30 フランジ付シャフト
Claims (2)
- 動圧溝を形成する箇所を治具によりマスクして、動圧溝が形成される箇所以外の部分を、エッチング剤に対して耐食性を有する硬質膜で被覆する工程と、
上記硬質膜をエッチングマスクとして用いてエッチングする工程とを備えたことを特徴とする動圧軸受エレメントの製造方法。 - 請求項2に記載の動圧軸受エレメントの製造方法において、
上記硬質膜が窒化チタン膜であることを特徴とする動圧軸受エレメントの製造方法。
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