JP3813368B2 - アルミニウム薄板の彫り抜き表示成形品の製造法並びに彫り抜き成形品 - Google Patents

アルミニウム薄板の彫り抜き表示成形品の製造法並びに彫り抜き成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム薄板の彫り抜き表示成形品の製造法並びに彫り抜き成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面に陽極酸化処理を施したアルミニウム薄板を材料とし、これに、所望の文字、模様、図案、絵柄などの任意の形状の表示部を画成した表示成形品を製造するには、その所定の形状に合わせた金型を製作し、この金型を用いてメカニカルプレス機械で該アルミニウム薄板から打ち抜き成形していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、かゝる打ち抜き表示成形法では、次のような不都合がある。
即ち、1)プレス成形に必要な金型を作製し、用意する必要がある。2)高価なメカニカルプレス機械を必要とする。3)これらの金型とメカニカルプレス機械を用いて該アルミニウム薄板をプレス成形するときは、プレス金型の応力による歪みで、プレス成形品の外周内側の表面に微少な弯曲(R面)を生じ、また、同時に、該アルミニウム薄板をプレス切断によりその成形品の裏側の外周縁にいわゆるバリが発生する。
このような現象を生ずるのは、金型の雄型雌型のクリアランスによるものであるから、金型を用いメカニカルプレス機械で打ち抜き成形して成形品を製造する限り、上記の不都合は避けられない。
従って、本発明は、かゝるプレス成形法を用いることなく、上記の不都合が解消された、即ち、アルミニウム薄板を材料とし、これから歪みやバリの生じない所望の形状の表示部を画成し、且つ耐腐食性の表示成形品の製造法を提供することを目的とする
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来の不都合を解消し、上記の要望を満足するアルミニウム薄板の彫り抜き成形品の製造法を提供するもので、(a)表面に陽極酸化皮膜を施したアルミニウム薄板の裏面に支持シートを貼着して積層シート素材を作製すること、(b)該アルミニウム薄板の上面の該陽極酸化皮膜面にマスキングインキにより、部分的にマスキング印刷し、マスキング部自体で画成された任意の形状の画像又は/及びマスキング部により囲われたマスキングされない露出部から成る任意の形状の画像を画成すること、(c)次いでエッチングにより露出部をその裏面の該支持シート面に達するまで彫り抜くこと、(d) 次いで、陽極酸化処理を施し、彫り抜き孔を囲むアルミニウム薄板のエッチング断端面に陽極酸化皮膜を形成すること、(e)次いでマスキング部を除去することから成ることを特徴とする。
上記の本発明において、該支持シートは、透明又は不透明で且つ常温圧着型であるものを用いる場合と或いは該合成樹脂フィルムは、透明又は不透明で且つ加熱圧着型である場合がある。
更に本発明は、上記の(a) 乃至 (d) の工程から成るアルミニウム薄板の彫り抜き表示成形品の製造法に次いで、該支持シートを剥離除去することを特徴とする。
更に本発明は、上記の製造法により得られた彫り抜き表示成形品の該彫り抜き表示成形板の表面に透明な支持シートを貼着した後、該表示成形品の裏面の該支持シートを剥離除去し、次いで合紙両面圧着材を貼着することを特徴とする。
更に本発明は、上記の製造法において、該支持シートは、透明な合成樹脂フィルムであり、その裏面に、該彫り抜き成形板に彫り抜き成形された彫り抜き孔から成る表示部に対応する位置に、透光性で且つ無色又は有色の貼着片を貼着したことを特徴とする。
更に本発明は、上記の製造法の該(b)のマスキング印刷工程において、該露出部により囲繞されたマスキング画像部とその外側の電源に電気的に接続せしめるアルミニウム余白板部上に囲繞マスキング部とを印刷すると同時に該露出部を横断して該マスキング画像部と該囲繞マスキング部を接続する少なくとも1本の細線状のマスキングブリッジを印刷すること、次いで該(c)のエッチング処理を施した後、彫り抜き孔を囲むアルミニウム薄板のエッチング断端面陽極酸化処理を施すこと、次いで該マスキング画像部及び該囲繞マスキング部の除去を行うことを特徴とする。
更に本発明は、上記の製造法において、(a)表面に陽極酸化皮膜を施したアルミニウム薄板の裏面に支持シートを貼着して積層シート素材を作製すること、(b)該アルミニウム薄板の上面の該陽極酸化皮膜面に、第一次マスキングインキにより部分的に第一次マスキング部を印刷し、更に、該第一次マスキング部に隣接する露出部に、該第一次マスキング部の周縁に沿い第一次マスキングインキとは溶剤を異にする第二次マスキングインキにより所望の外輪廓形状で且つ小幅の第二次マスキング部を印刷すること、(c)次いで、該第二次マスキング部に隣接する露出部をアルミニウム板の厚さの途中まで彫り下げてエッチング凹面を形成する第一次エッチング処理を施すこと、(d)次いで、該第二次マスキング部を除去すること、(e)次いで、該第二次マスキング部の除去された跡の露出部を該アルミニウム薄板の厚さの途中まで彫り下げると共に先に形成したエッチング凹面を支持シート面まで彫り抜く第二次エッチング処理を施すこと、(f)次いで該第一次マスキング部を除去することを特徴とする。
更に本発明は、上記の製造法の該(b)のマスキング印刷工程において、第一次マスキングインキにより、該露出部により囲繞された内側の第一次マスキング画像部と該露出部の外側に位置し且つ陽極酸化処理用の陽極に電気的に接続せしめるアルミニウム余白板部上に囲繞マスキング部とを印刷すると同時に該露出部を横断して該第一次マスキング画像部と該囲繞マスキング部を接続する少句とも1本の細線状のマスキングブリッジを印刷し、更に第一次マスキング画像部に隣接する露出部に、該第一次マスキング画像部の周縁に沿い第一次マスキングインキとは溶剤を異にする第二次マスキングインキにより所望の外輪廓形状で且つ小幅の第二次マスキング画像部を印刷すること、(c)次いで、第二次マスキング画像部と該囲繞マスキング部との間の露出部をアルミニウム板の厚さの途中まで彫り下げてエッチング凹面を形成する第一次エッチング処理を施すこと、(d)次いで、該第二次マスキング画像部を除去すること、(e)次いで、該第二次マスキング画像部の除去された跡の露出部を該アルミニウム薄板の厚さの途中まで彫り下げると共に、先に形成したエッチング凹面を支持シート面まで彫り抜き、彫り抜き孔を形成する第二次エッチング処理を施すこと、(f)次いで、形成された二段エッチング断面に陽極酸化処理を施すこと、(g)次いで、該第一次マスキング画像部と該囲繞マスキング部を除去することを特徴とする。
更に本発明は、上記の製造法の該(b)のマスキング工程において、第一次マスキングインキにより、露出部により囲繞された内側の第一次マスキング画像部と該露出部の外側に位置し且つ陽極酸化処理用の陽極に電気的に接続せしめるアルミニウム余白板部上に施した囲繞マスキング部とを印刷し、更に、第一次マスキング画像部に隣接する露出部に、該第一次マスキング画像部の周縁に沿い第一次マスキングインキとは溶剤を異にする第二次マスキングインキにより所望の外輪廓形状で且つ小幅の第二次マスキング画像部を印刷すると同時に、該露出部を横断して該第二次マスキング画像部と該囲繞マスキング部とを接続する少なくとも1本の細線状のマスキングブリッジを印刷すること、(c)次いで、第二次マスキング画像部と該囲繞マスキング部との間の露出部をアルミニウム板の厚さの途中まで彫り下げてエッチング凹面を形成する第一次エッチング処理を施すこと、(d)次いで、該第二次マスキング画像部と該マスキングブリッジとを除去すること、(e)次いで、該第二次マスキング画像部と該マスキングブリッジの除去された跡の露出部を該アルミニウム薄板の厚さの途中まで彫り下げると共に、先に形成したエッチング凹面を支持シート面まで彫り抜き、彫り抜き孔を形成する第二次エッチング処理を施すこと、(f)次いで、形成された二段エッチング断面に陽極酸化処理を施すこと、(g)次いで、該第一次マスキング画像部と該囲繞マスキング部を除去することを特徴とする。
【0005】
更に、本発明は、下記に列挙する表示部成形品を提供する。
即ち、陽極酸化皮膜で被覆されたアルミニウム薄板に、任意の形状の画像に従って彫り抜かれた孔から成る表示部又は/及び彫り抜き孔により囲繞されたアルミニウム板部から成る表示部を有する彫り抜き表示成形板と、該彫り抜き表示成形板の裏面に貼着された透明又は不透明の支持シートとから成ると共に、該彫り抜き孔を囲むアルミニウム薄板のエ ッチング断端面に施された陽極酸化皮膜を有することを特徴とする彫り抜き表示成形品。
また、上記の彫り抜き表示成形品の該支持シートから剥離された個々の表示部から成る彫り抜き表示成形品。
また、上記の彫り抜き表示成形品の表面に支持シートが貼着され、その裏面に支持シートに代え合紙圧着材が貼着されて成る彫り抜き表示成形品。
また、彫り抜き成形板の任意の形状の表示部の周縁のエッチング断端面に施された無色又は着色の陽極酸化皮膜の色は彫り抜き成形板の表面の陽極酸化皮膜の色と同じ又は異なる色である表示成形品。
また、上記の製造法で彫り抜き表示成形品に形成された2段エッチング断面の下段エッチング断端面の輪廓形状は、上段エッチング断端面の輪廓形状と同一又は異なる彫り抜き表示成形品。
また、上記の製造法で彫り抜き表示成形品に形成された2段エッチング断面に施された陽極酸化皮膜の色は、彫り抜き成形板の表面の陽極酸化皮膜の色と同じ又は異なる彫り抜き表示成形品。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について、例示の添付図面に基づいて説明する。
図1乃至図5は、本発明のアルミニウム薄板のエッチングによる彫り抜き成形品の製造法の実施の1例を示す。図1及び図2は、本発明の製造法を実施するに当たり、図1及び図2に示す積層シート素材Mを作製し用意する。即ち、該積層シート素材Mは、全周面に着色又は無着色の陽極酸化処理を施し陽極酸化皮膜1aを形成され、且つこれに封口処理を施された、例えば厚さ0.2〜1.0mmを有する小面積の矩形状のアルミニウム薄板1と、その裏面全面に貼着された透明又は不透明の支持シート2から成る。尚、本発明において、「透明」の語は、透光性を有する「半透明」をも含む意味で使用する。該支持シート2は、エッチング液や陽極酸化処理液などの耐薬品性を有し、且つ強靭な透明又は不透明の合成樹脂製シートが好ましい。合成樹脂製シートとしては、一般に、ポリ塩化ビニール系、ポリエステル系、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリアミド系などの各種の合成樹脂フィルムが選択使用できる。図示の例では、該アルミニウム薄板1に厚さ50〜100ミクロンでその片面全面に感圧接着剤を塗布された常温型接着剤を予め塗着された(図示しない)常温圧着型の透明な塩化ビニール系合成樹脂フィルム2を押圧貼着して積層シート素材Mを構成したものである。
尚、該アルミニウム薄板の陽極酸化皮膜の形成は、例えば、硫酸H2SO4の10〜15パーセントの水溶液の電解液中でアルミニウム板材を陽極として、電流密度1A/dm2、浴電圧15V〜20V、液温20℃±2℃で直流電流を通電する陽極酸化処理により、該アルミニウム板材の全表面に厚さ6〜15ミクロンの陽極酸化皮膜層を形成することができる。この無色の酸化皮膜は、必要により、原色系の鮮明な有機染料や各種の金属塩などによって任意の色に着色する。
また、該陽極酸化皮膜の封口処理は、例えば、95〜100℃の酢酸ニッケルと酢酸コバルトの混液で20〜50分処理することにより達成される。
【0007】
本発明によれば、このように構成した積層シート素材Mの該アルミニウム薄板1の上面の該陽極酸化皮膜面1aに所望の色のマスキングインキを用い、スクリーン印刷などの所望のマスキング印刷により、部分的に文字、模様、図形、絵柄などの任意の形状の画像を画成する。図示の例では、図3に示すように、そのアルミニウム薄板1の主板面域、即ち、中央面域のアルミニウム板部1A上にABCの文字を一定間隔(アルミニウム余白板部1B)を存してマスキング印刷3,3,3し、その各文字のマスキング部3の外周にマスキング印刷しない露出部4を存して、これらABCのマスキング部3,3,3の外周を囲繞するアルミニウム余白板部1B上に囲枠状に囲繞マスキング印刷3′を画成した。マスキングインキとしては、所望の材質と色を有するものから選択使用する。例えば、無機溶剤又は有機溶剤によりグリーン、その他の所望の色に着色されたUV硬化型アクリル系樹脂を主材とするレジストインキ、繊維素系樹脂を主材とするレジストブルーA、540ブラウンなどの環化ゴム系インキなどを用いる。
【0008】
次に、このようにマスキング印刷を施された図3に示す積層シート素材Mをエッチング液でエッチング処理する。エッチング液としては、NaOH100g/リットルの苛性ソーダ水溶液を主材とし、これを50〜80℃に加熱したエッチング液やFeCl3をボーメ38〜42度に塩酸などで調整した常温の塩化鉄水溶液などを用いて、浸漬又は噴射などの手段により、前記の露出部4,4,4を該エッチング液との化学反応によりエッチングし、図4に明示のように、該アルミニウム薄板1の裏面に貼着されている前記の支持シート2面に達するまで彫り抜き、彫り抜き孔5,5,5を形成する。具体的には、厚さ0.2mm〜1mmの積層シート素材Mを上記の苛性ソーダ水溶液にその厚さに応じて30分〜2時間浸漬することにより彫り抜き孔5を形成することができる。
かくして、アルミニウム板部から成るA,B,Cの画像マスキング部3,3,3は、その各文字の周縁を彫り抜き孔5,5,5で囲繞されて支持シート2面から浮き出たアルミニウム板部から成る凸状の表示部6,6,6に彫り抜き成形された彫り抜き成形板1′が得られる。アルミニウム薄板1は、上記のエッチング処理により彫り抜き孔5の内側に各該アルミニウム板部1Aから成る各表示部6とその外周のアルミニウムの余白板部1Bとは互いに分離した彫り抜き表示成形板1′に形成されるが、その彫り抜き成形板1′は、依然その裏面の支持シート2により貼着支持されているので、その各表示部6は、該支持シート2から離脱することがなく、当初の貼着位置に保持されるので、安定良好なエッチング処理や搬送などの取り扱いができる。
【0009】
上記のエッチング処理完了後、全ての該マスキング部3,3′を、このマスキングインキを溶解する溶剤で浸漬、噴き付けなどにより除去する。かくして、図5に示すように、彫り抜き成形板1′とその裏面に貼着され合成樹脂フィルムの支持シート2とから成る積層シート型の彫り抜き表示成形品P1が得られる。即ち、該彫り抜き表示成形板P1に夫々のA,B,Cの文字のアルミニウム板部から成る表示部6,6,6が、その外周の彫り抜き孔5によりその外周のアルミニウム余白板部1Bから分離し孤立しているが、その裏面の合成樹脂フィルム2面に貼着されているので、当初のエッチング処理前の所定の間隔で印刷したマスキング画像3,3,3と同じ形状と位置を保持した状態で所定の彫り抜き表示成形品P1が得られる。この彫り抜き成形品P1は、そのまゝ製品とすることができ、所望の対象物に貼着し表示板として使用することができる。
【0010】
更に、本発明によれば、このようにして得られた上記の積層シート型の彫り抜き表示成形品P1からその各表示部6,6,6を分離してその夫々を各個のアルミニウム板部から成る彫り抜き表示成形品P2,P2,P2を製品としてもよい。そのためには、該積層シート型の表示成形品P1の該合成樹脂フィルム2の端をつまみ、彫り抜き表示成形板P1から剥がすことにより、前記のA,B,Cの文字から成る表示部6,6,6が、該合成樹脂フィルム2から順次脱落するので、その夫々のアルミニウム板部1Aから成る表示部6,6,6を図6に示すように個々の彫り抜き表示成形品P2,P2,P2として得られる。
【0011】
上記から明らかなように、本発明のエッチングによるアルミニウム薄板の彫り抜き成形法によれば、従来の打ち抜きプレス成形法に見られる表示成形品の外周のプレス応力による歪みによるR面の生成や成形品の裏面にバリが発生することが皆無となり、良好な成形品が得られる。また、金型やメカニカルプレス機械の製造や使用を要しないで経済的であり、成形品を容易且つ安価に製造できる。
即ち、本発明の上記のエッチングによるアルミニウム薄板の彫り抜き成形板の製造では従来のプレス金型の代わりに、グラフィックデザインからスクリーン印刷用製版、マスキング印刷、エッチング工程を経てブランドマーク、ネームプレートなどの製品が作製できるので、作製準備期間の大幅な短縮を始め、金型の製作費に比較してグラフィックデザイン及びスクリーン版の製作費の方が非常に廉価に製造できる。また、プレス金型では不可能な複雑な形状や、大きな面積、例えば1,000mm×2,000mm程度のものも比較的簡単にグラフィックデザインされた画像のスクリーン製版は可能であるから大型製品の製造も可能であり、また、多種少量生産から大量生産まで能率的に対応できるなどの利点をもたらす。
【0012】
更に本発明によれば、上記の図5に示す積層型の彫り抜き表示成形品P1から、各種の工業製品や建造物などの表面に貼着して表示される通称「貼りマーク」として用いられる彫り抜き表示成形品を製造することも出来る。
即ち、該図5に示す積層シート型の彫り抜き表示成形品P1の彫り抜き成形板1′の表面に、即ち、片面に常温で接着性を有する接着剤が予め塗布されている常温圧着型の透明な支持シート7、例えば厚さ50〜100ミクロンの透明な合成樹脂フィルム7を図7に示すように常温で押圧貼着し、次いで裏面に貼着されている支持シート2を仮想線示のように剥離する。かくして、該彫り抜き成形板1′は、今度は、その表面に貼着されている該透明な合成樹脂フィルム7により支持される。換言すれば、裏面の支持シート2により支持されていた彫り抜き成形板1′、即ち、これに彫り抜いたA,B,Cのアルミニウム板部から成る表示部6,6,6とその表示部6,6間並びにこれら表示部6,6,6の外周のアルミニウム余白板部は、当初の位置が変わることなく、表面の支持シート7に支持されることになると共に該彫り抜き成形板1′の裏面が外部に露出した状態の積層シートが得られる。
次に、台紙8aの片面に貼着されている両面圧着材8b(即ち、芯材8b1の両面に常温圧着材層8b2,8b2を形成したもの)をトムソン型で該彫り抜き成形板1′に成形されたアルミニウム板部1A,1A,1Aから成る表示部6,6,6と同じ該A,B,Cの形状に合わせてA,B,Cの文字の成形体に打ち抜き形成された両面圧着材8bを設けて成る合紙付圧着材8を、図8に示すようにその彫り抜き成形板1′の裏面にA,B,Cの表示部6,6,6の裏面に前記のA,B,Cの打ち抜き文字の両面圧着材8bを合わせて押圧貼着して貼りマーク用の彫り抜き表示成形品P3を製造する。
尚、該合紙付圧着材8の合紙8aは、所望のカッターにより、前記の矩形状の彫り抜き成形板1′と外周寸法を合わせて矩形状に切断したものを、該彫り抜き成形板1′の裏面に貼着する前に作製しておくことが一般である。
尚、両面圧着材8bの芯材8b1は、織布、不織布、和紙などから選択され、その両面の接着剤層8b2,8b2は、ビニール系、ブチルゴム系、シリコン系、ポリエステル系などの各種接着剤から選択し使用する。
【0013】
該彫り抜き表示成形品P3は次のように貼りマークとして使用される。即ち、その裏面に貼着されている該合紙付圧着材8の合紙8aを剥離し、図9に示すように、各種の工業製品や建築物等の所望の対象物Bの所定の位置に押し当てた後その成形品P3の表面に貼られている該透明な表面支持シート7の外側から指先又は掌(手のひら)で押圧をかけると、そのA,B,Cのアルミニウム板部1A,1A,1Aから成る表示部6,6,6は、その裏面の合紙付圧着材8を介し当初の一定の配置状態を維持した通りにその対象物Bに確実に貼着される。次いで貼着完了後、表面支持シート7を剥離除去して貼り付け作業を完了する。尚、図示の例では、合紙付圧着材8のない該表示部6,6間のアルミニウム余白板部1B及び該表示部6,6,6の外周の囲枠状のアルミニウム余白板部1Bの裏面に両面圧着材がないので、これら該アルミニウム余白板部 1B は、表面の支持シート7の剥離と共に除去される場合を示したが、該アルミニウム余白板部1Bを含めて、その彫り抜き成形板1′の通り対象物Bに貼着表示することを望む場合は、その裏面に予め、その彫り抜き成形板1′の通りに打ち抜き成形された両面圧着材層をもつ合紙付圧着材8を貼着しておけばよい。
この貼り付け作業において、表面に貼着されている該合成樹脂フィルム7は透明であるので、その裏面のA,B,Cの表示部を透視できるので、対象物Bに対する所定の貼り付け位置に適確に貼り付けることができる。かくして、該対象物BにはA,B,Cの該表示部6,6,6が当初の所定の間隔を存したまゝ対象物Bに貼着表示できるので、「貼りネーム」又は「貼りマーク」としての用途を充足する。このように本発明の製造法により製造される貼りマーク用成形品は、各種の文字を配列したブランド、ネームプレート或いは文字、図形などを組み合わせて配置してロゴタイプなどの所望の貼りマーク用に製造するに適している。
【0014】
尚、本発明の図5に示す成形品P1の製品として、裏貼りの合成樹脂フィルム2を剥離する必要がない場合は、該支持シートとして常温で手により容易に剥がすことができない加熱圧着型の透明又は不透明の支持シートを用い熱圧着したものでもよい。その加熱圧着型合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル系フィルムをベースとし、その片面にホットメルト接着剤などを塗布したものが使用される。
【0015】
図10乃至図13は、本発明の他の実施例のエッチングによるアルミニウム薄板の彫り抜き表示成形品の製造法を示す。この実施例では、彫り抜き孔自体を文字、図形などの任意の形状の凹状の表示部に成形された彫り抜き表示成形品を製造する方法である。
積層シート素材として、アルミニウム板材の表面を着色又は無着色の封口された陽極酸化皮膜1aに形成したアルミニウム薄板1の裏面に、支持シートとして加熱圧着型の支持シート2′、例えば、加熱圧着型のポリエステル系合成樹脂フィルム2′を100〜150℃の温度でその裏面に塗着されている加熱圧着型接着剤を介して加熱圧着して成る両部材1,2′が強固に密着合体した積層シート素材M′を作製し用意する。該積層シート素材M′の上面に、図10及び図11に示すように、所定の色のマスキングインキを用い、任意の形状の画像として、例えばA,B,Cの文字から成る画像を白抜き画像9,9,9を所定の間隔を存して表示するべく、マスキング印刷3で囲繞してその中央面域部に画成する。換言すれば、マスキングしない陽極酸化皮膜1a面が露出した露出部4,4,4から成る白抜き画像9,9,9でA,B,Cの文字が画成されるように、そのアルミニウム薄板1の上面にマスキング印刷3を施した。
次に、この積層シート素材M′に先の実施例と同様にエッチング液で浸漬又は噴霧などによりその各露出部4,4,4をその裏面の合成樹脂フィルムから成る支持シート2′の表面が現れるまでその板全厚を彫り抜くエッチング処理を施す。かくして、図12に示すような彫り抜き孔5,5,5自体から成るA,B,Cの表示部6′,6′,6′が成形される。次いで、マスキングインキを溶解する溶剤により該マスキング3を除去する。かくして、図13に示す彫り抜き成形板1′とその裏面に強固に貼着された支持シート2′から成る彫り抜き表示成形品P4が得られる。これをそのまゝ表示板として使用でき、例えば、その裏面に所望の接着剤を塗布し適当な個所に貼着して使用する。その彫り抜き孔から成る表示部6′,6′,6′の裏面に不透明又は透明で且つ白色その他の所望の色のインキで印刷したり、不透明又は透明で且つ白色その他の所望の色の貼着片を貼着してその表示部に所望の色を着けることができる。特に、図示のように、支持シート2′が透明な支持シート2′である場合は、白熱灯、蛍光灯などの照明用光源を裏側に設け、その照明によりその彫り抜き孔5,5,5から成るA,B,Cの文字を裏面から明るく浮き出し表示できる表示板として使用できる利点をもたらす。この場合、その彫り抜き孔5,5,5から成る表示部6′,6′,6′に対応する裏面に、無色又は着色のインキによる透光性の印刷面を施し、或いは無色又は着色の透光性の合成樹脂フィルムなどの貼着片を貼着して製品としてもよい。
このような照明による投光で表示部が明るく浮き出して視覚される照明表示式の本発明の彫り抜き表示成形品P4の製造は、各種の電気機器、事務機器、広告看板用器具などの表示板として、また、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の計器板としての斬新な機能をもたらす。
尚また、彫り抜き表示成形品P4は、その支持シート2′賭して透明な支持シートに代え、不透明な白色又は有色の支持シートを用いるときは、その表示部6′,6′,6′は、その色により視覚上の表示効果を向上でき、必ずしも照明表示として用いない製品としても良い。
【0016】
図14及び図15は、照明表示に適した彫り抜き孔5を表示部6′とした形式の本発明の彫り抜き表示成形品P4の変形例として自動車用の計器板の彫り抜き表示成形品P4′を示す。そのエッチング成形法は、上記の成形品P4の場合と変わりがない。更に詳細には、その表示成形品P4′の彫り抜き成形板1′には、左側から右側に順次、温度計O、タコメータT、スピードメータS、燃料計Nの表示部を夫々表示するための構成要素である円弧状の目盛、英文字、絵文字、アラビア数字などの種々の表示を適宜組み合わせて、これらの表示の構成要素を全て彫り抜き孔5,5,…自体から成る表示部6′,6′,6′,…で彫り抜き成形し、更に、タコメータ及びスピードメータの数値表示用透窓TW及びSW、更にはシフトレバーの各ギア位置表示用に縦方向に7個並べた窓GW,GW,…及び左右の方向指示矢印D,Dを夫々彫り抜き孔5,5,…自体から成る表示部6′,6′,6′,…で彫り抜き成形し、更にこれらの計器表示部を囲む細幅の囲枠Fも彫り抜き孔5から成る表示部6′で彫り抜き成形したものである。尚、各円弧状目盛の中心の指針軸挿通部の軸孔Gも彫り抜き孔5で彫り抜き成形した。更に、かゝる彫り抜き成形板1′とその裏面に加熱圧着により強固に貼着された透明な加熱圧着型のポリエステル系合成樹脂フィルム2′とから成る彫り抜き表示成形品P4を製造した後、その合成樹脂フィルム2′の裏面に前記の彫り抜き囲枠F内の略全面に白色で且つ半透光性のインキにより印刷して表示部6′,6′,…を表面から観察したときに、白色の表示部に見えるように白色透光性の印刷インキ面10を形成し、更にその印刷インキ面10の裏面の所定個所に、赤色で且つ透光性の印刷インキ面11を前記の水温メーターの目盛の一部とタコメータの目盛の一部に夫々重なるように施してその各目盛の一部を赤色で表示し、更に、緑色で且つ透光性の印刷インキ面12を前記の左右の方向指示矢印に重なるように施して方向指示を緑色で表示し、更に黒字色に緑色で且つ透光性の文字PRND321以外は黒色の不透明に着色された長矩形の合成樹脂製印刷文字を表示した印刷インキ面13を、その各文字が前記の夫々のギア位置表示用窓に重なるように施し、更に各数値表示用窓TN,SNに無色透明な印刷インキ面14を施して自動車用計器板としての彫り抜き表示成形品P4 としたものである。尚、彫り抜き表示成形品P4′の表示板の表面全面に、スピン加工やワイヤーヘッドライン加工等によって金属感覚を強調する表面加工を施すことが好ましく、これにより、透光効果による鮮明な色調と共に一層メカニカルな雰囲気を強調する効果をもたらす。
尚、透光性の支持シート2′の裏面に上記の夫々の透光性の無色又は着色の印刷インキ面を施す代わりに、夫々の無色又は着色の透光性の貼着片を貼着するようにしても良い。
【0017】
上記の各種の本発明の彫り抜き表示成形品P1,P2,P3,P4,P4′は、その製造過程において、アルミニウム薄板1のエッチング処理により形成された彫り抜き孔5を囲繞するアルミニウム板部の周縁1b、換言すれば、その板の厚さの彫り抜き方向に沿ったエッチング断端面1bは、アルミニウム素材が露出した状態となっているので、そ各彫り抜き孔 5 から成る表示部6又は6′の周縁のエッチング断端面1bを陽極酸化処理し、着色又は無着色の陽極酸化皮膜を施し、耐腐食性を付与された彫り抜き表示成形品に製造することが必要である
【0018】
そのためには、エッチング処理後に、その彫り抜き成形品に陽極酸化処理を可能にする製造法が必要である。その製造法の1例を図16乃至図18に基づいて説明する。
即ち、前記した本発明のアルミニウム板部から成る表示部A,B,Cを具備した彫り抜き表示成形品P1の製造法における該(b)のマスキング印刷工程において、前記のマスキング部3を印刷すると同時に、更に、該アルミニウム薄板1の酸化皮膜1aの上面に各マスキング画像3,3,3,A,B,Cを囲繞するマスキングインキを施されない各露出部4に、図16に示すように、その内側の該画像3を表示したアルミニウム板部1A上のマスキング画像部3とその外周を囲繞する露出部4の外側を囲繞する外部の陽極酸化処理用電源の陽極(図示しない)に接続せしめるアルミニウム余白板部1B上の囲繞マスキング部3とを接続する細線状のマスキング部ブリッジ3″を少なくとも1本、好ましくは複数本印刷する。該細線状のマスキングブリッジ3″の線の太さは、0.5〜1.5mm程度でよい。このマスキング工程終了後、前記した(c)のアルミニウム板の全厚を彫り抜くエッチング工程を経る。その結果、図17に示すように該エッチング工程後或いは後記する陽極酸化処理後に施されるマスキング除去工程により前記の夫々の細線状のマスキングブリッジ3″,3″,…の除去された跡には、夫々の彫り抜き孔5,5を横断してA,B,Cのアルミニウム板部1Aから成る夫々の凸状表示部6,6,6とその外周を囲繞するアルミニウム余白板部1Bとを接続するアルミニウム細線15,15,…を具備した彫り抜き成形板1′が得られる。
一般に、アルミニウム細線15の幅は、アルミニウム薄板の厚さに応じ設定する。例えばアルミニウム薄板の厚さが0.2mm〜1mmの場合は、エッチング工程中のサイドエッチング作用で細幅となることを考慮して予めマスキング細線の幅を0.5〜1.5mmの範囲に印刷するときは、エッチング工程後、細線状マスキングブリッジ3″を除去した後に幅0.2〜1.0mmのブリッジ導線15が得られる。
このようにブリッジ導線15,15,…を具備した彫り抜き成形板1′は、その各彫り抜き孔5を囲繞するエッチング断端面1bは、前記のエッチング処理によりアルミニウム素材の露出面となっている。従って、次いで、この各彫り抜き孔5のエッチング断端面1bに無色又は着色の陽極酸化皮膜を形成するべく、その彫り抜き成形板1′煮陽極酸化処理を施す。即ち、その陽極酸化処理において、該彫り抜き成形板1′の余白板部1Bを、外部の電源に接続する陽極に接続し通電すれば、その電源からの電流は、その外側の余白板部1Bから前記の夫々のブリッジ導線15,15,15を介してその内側の夫々のアルミニウム板部1A,1A,1Aから成るA,B,Cの表示部6,6,6に通電されるので、その各彫り抜き孔5を囲繞するアルミニウム薄板1の断端面1b、即ち、その各表示部6,6,6の周縁1b及び各表示部6を囲繞する外側の余白板部1Bの周縁1bに陽極酸化皮膜1a′を形成することができ、かくして図18に示す耐腐食性の彫り抜き表示成形品P1′が得られる。この場合の陽極酸化処理の具体的な実施条件を例示すれば、15%の硫酸水溶液を電解浴とし、これに該彫り抜き成形品P1を浸漬し、その該彫り抜き成形板1′を陽極として、電流密度1A/dm2、浴電圧15V〜20V、液温20℃±2℃で40分程度通電する。これにより、厚さ10ミクロン以上の陽極酸化皮膜1a′が形成される。
この場合、着色又は無着色の陽極酸化処理を行うが、その陽極酸化皮膜1a′の色は、所望の色に着色でき、各表示部6の表面の酸化皮膜1aの色と同じ色或いは異なる色に着色することができ、製品の用途により適宜選択され、意匠上の美感の異なる各種の彫り抜き表示成形品P1′が製造できる。例えば、彫り抜き表示成形品P1の該彫り抜き表示成形板1′の表示部6の表面の陽極酸化皮膜の色が無着色のアルミニウム色である場合、そのエッチング断端面1bに金色の陽極酸化皮膜1a′を形成するには、40℃の蓚酸第二鉄水溶液に1分程度浸漬することにより得られる。
【0019】
この場合、各ブリッジ導線15は極めて細いので、前記した彫り抜き成形板1′の裏面の合成樹脂フィルム2を剥がす際に、或いは貼りマークの製造に当たり、その表面に貼着した合成樹脂フィルムを剥がし転写する際に簡単に折れて除去され、その痕跡が殆ど目立たない彫り抜き表示成形品P1′として得られるが、必要に応じ、成形型により積極的に切除するようにしても良い。
このようにして得られた耐腐食性の向上したアルミニウム薄板の彫り抜き表示成形品P1′は、また、図示しないが、この彫り抜き成形品から図6に示す各個別の彫り抜き表示成形品や図8に示す貼りマーク用彫り抜き表示成形品のエッチング断端面1bに陽極酸化皮膜をもつ耐腐食性の製品に製造するようにしても良いことは言うまでもない。
【0020】
図19乃至図20は、彫り抜き孔5,5,5自体でA,B,Cの凹状の表示部6′,6′,6′を彫り抜き成形した図13に示す成形品P4に耐腐食性を付与した彫り抜き表示成形品P4 を製造する場合の実施例を示す。即ち、図19に示すように、その製造法のマスキング印刷工程において、その積層シート材M′の上面に画成した該露出部4,4,4から成るA,B,Cのマスキング画像3,3,3のうち、文字A及びBを構成する夫々の露出部4,4の外側のアルミニウム板部1A上の囲繞マスキング部3′とその内側の該囲繞マスキング部3とは分離され孤立しているアルミニウム板部1A,1A上のマスキング部3とを接続する細線状のマスキングブリッジ3″を印刷する。次いで上記と同様にしてエッチング工程を施す。然るときは、細線状のマスキングブリッジ3″の除去跡に各彫り抜き孔5を横断して内側と外側のアルミニウム板部を接続するブリッジ導線15が残存形成される。従って、次いでその彫り抜き成形板1′を、その該アルミニウム余白板部1Bを介して外部の電源に接続する陽極酸化処理用陽極に接続して陽極酸化処理することにより、図20に示すように、各該彫り抜き孔5を囲むエッチング断端面1bに陽極酸化皮膜1a′が施された耐腐食性の成形品P4″が得られる。尚、該マスキング部3と該囲繞マスキング部3′の除去は、エッチング処理後でもよいが、エッチング処理後引き続いて陽極酸化処理を行った後行うのが作業能率を向上し好ましい。
尚、このように成形品P4″の製造後、カッターかトムソン型で該ブリッジ導線15を切断し除去するようにしてもよい。また、図14及び図15に示す同型の彫り抜き表示成形品P4′についても囲枠Fの彫り抜き孔5の内側のアルミニウム板部1Aとその外側の余白板部1Bを接続するブリッジ導線15′を予め形成されているので、その囲枠F内の内側の各表示用の彫り抜き孔5を囲繞するアルミニウム1Aのエッチング断端面1bに陽極酸化処理を施し陽極酸化皮膜を形成してもよいことは言うまでもない。
【0021】
更に、本発明は、彫り抜き表示成形品の製造法において、彫り抜き孔のエッチング断端面1bを上下2段の階段状エッチング段面に形成して成る彫り抜き表示成形品の製造法を提供する。その2段エッチング断面により、彫り抜き成形板の視覚的な立体感の増大をもたらすと共にそのエッチング断面部の手触り感がソフトになる。即ち、その彫り抜き成形板の表示部の周縁のエッチング断端面に手が触れても当たりが柔らかく、損傷を防止する効果をもたらす。
図21及び図22は、その実施例の1例の彫り抜き表示成形品P5を示す。即ち、前記の図5に示す彫り抜き表示成形品P1の製造において、彫り抜き成形板1′の彫り抜き孔5により囲繞されたアルミニウム板部から成るA,B,Cの凸状の表示部6,6,6の各周縁のエッチング断端面1bを、アルミニウム板の厚さの中間に水平エッチング断面1b3とその内側に厚さ方向の上段エッチング断端面1b1とその外側に厚さ方向の下段エッチング断端面1b2とから成る階段状の2段エッチング断面1b′に形成された彫り抜き表示成形品P5を示す。尚、該2段エッチング断面1b′には陽極酸化皮膜1a′が施されている。
【0022】
次に、上記図21及び図22示す彫り抜き孔5の断端面1bを上記の2段エッチング断面1b′に形成された彫り抜き表示成形品P5の製造法の1例を図23〜図26に基づいて説明する。
前記の積層シート素材Mのアルミニウム薄板1の陽極酸化皮膜の表面に、図23及び図24に示すように、第一次マスキングインキ、例えば、グリコール系溶剤で溶解するグリーン色のUV硬化型アクリル系樹脂を主材とする第一次マスキングインキにより中央面域にA,B,C文字の画像3,3,3とその外周を囲繞する露出部4,4,4を存してアルミニウム余白板部1B上に囲繞マスキング部3′を印刷し、これをUV照射により硬化する。次いで、第一次マスキングインキを溶解する有機溶媒には溶解しない異種の第二次マスキングインキ、塩化メチレン系溶剤で溶解するブラウン色の環化ゴムを主材とする第二次マスキングインキにより前記の第一次マスキング画像部3,3,3の夫々の輪郭周縁に隣接し且つこれに沿い該外輪廓形状と同じ又は異なる外輪廓の形状を有し且つ小幅の露出部4,4,4の一部をマスキングする第二次マスキング画像部16,16,16を印刷し、これを自然乾燥又は好ましくは50〜80℃程度の熱風乾燥により固化する。該第二次マスキング画像部16を形成するには、通常、図29及び図30に明示のように、該第一次マスキングインキとは異色の該第二次マスキングインキにより該第一次マスキング画像部3,3,3の文字A,B,Cの各文字より広幅の同じA,B,Cの文字を該第一次マスキング画像部3,3,3に重ねて、且つその第二次マスキングインキの余端部が各該第一次マスキング画像部3の周縁を越え且つこれに沿った適当な小幅の露出面4の一部をマスキングするようにして第二次マスキング画像部16を印刷するようにする。次いで、第一次エッチング処理を施し、図25に示すように、そのA,B,Cから成る文字から成る第二次マスキング画像部16,16,16を囲繞する該露出部4をアルミニウム薄板1の厚さの途中まで、図示の例ではその半分まで彫り下げるエッチング凹面5aを形成する。次いで、各前記の第二次マスキング画像部16を有機溶剤に浸漬又は吹き付けることにより除去し、その下面のアルミニウム陽極酸化皮膜面を露出させた後、第二次エッチング処理を施し、図26に示すように、前記のエッチング凹面5aをその裏面に貼着の合成樹脂フィルム2面まで彫り抜いて、彫り抜き孔5に形成する一方、前記の各第二次マスキング画像部16を除去した露出部を板の厚さの半分まで彫り下げて、前記の彫り抜き孔5に連なる断面L字状エッチング断面を形成する。かくして、図26に示すように、彫り抜き孔5により囲繞されるアルミニウム板部から成るA,B,Cの各文字の周縁は、アルミニウム板の厚さの中間位置に水平エッチング断面1b3とその内側に厚さ方向の上段エッチング断端面1b1とその外側に厚さ方向の下段エッチング断端面1b2とから成る2段エッチング断面1b′が形成された彫り抜き成形板1′が得られる。
【0023】
このようにして得られた図26に示す彫り抜き成形板1′に形成された該2段エッチング断面1b′はアルミニウム素材が露出しているので、これに陽極酸化皮膜を形成することが好ましい。そのためには、図23及び図24に示すように、積層シート素材Mのアルミニウム薄板1に前記のマスキング工程において、第一次マスキングインキによりA,B,Cの第一次マスキング画像部3,3,3を印刷する際に、同時に、該露出部4,4,4を横断してその各第一次マスキング画像部3,3,3とその外側の囲繞マスキング部3とを接続する細線状のマスキングブリッジ3″,3″を露出部4,4,4を横断するように印刷する。次いで、前記と同様に第二次マスキング画像部16を印刷した後、上記の2段エッチング処理により、該細線状のマスキングブリッジ3″,3″,…の下面には、形成される各彫り抜き孔5を横断して、その内側のアルミニウム板部から成る各表示部6とその外側のアルミニウムの板部とを接続するブリッジ導線15が残存形成される。かくして、次いでこの彫り抜き成形板1′を、先の実施例と同様に陽極に接続してその2段エッチング断面1b′を陽極酸化処理することにより、図21及び図22に示すように、各表示部6の2段エッチング断面1b′に、即ち、その水平エッチング断面1b3とその上段エッチング断端面1b1と下段エッチング断端面1b2に、陽極酸化皮膜1a′を形成することができる。尚更に、この場合同時に、各表示部6を囲繞する彫り抜き孔5の外周を囲繞するアルミニウム余白板部1Bのエッチング断面1bにも陽極酸化皮膜1a′が形成されることは言うまでもない。次いで、第一次マスキング画像部3及び囲繞マスキング部3′を除去する。かくして 26 に示す耐腐食性の彫り抜き表示成形品P5が得られる。該マスキング除去は、陽極酸化処理前に行っても良いが、陽極酸化処理工程後に行うことが製造効率を向上するので好ましく一般である。尚、所望により、2段エッチング断面1b′に施された陽極酸化皮膜1a′の色は、アルミニウム薄板1の表面の非着色又は着色の色と同一又は異なるものにしても良い。これにより、表示部6の意匠効果を増大でき、商品価値の向上した各種の製品が得られる。
【0024】
上記の2段エッチング断面1b′により形成される上段エッチング断端面1b1の周縁輪廓形状は直線状又は波形などの非直線状とすることができる。また、該上段エッチング断端面1b1の周縁輪廓形状とこれから外方へ突出する下段エッチング断端面1b2の周縁輪廓形状とは必ずしも図21示の用に同一の輪廓形状に形成する必要はなく、所望により、互いに異なる形状にしてもよい。
図27は、その製造法の1例を示し、上記の積層シート材Mのアルミニウム薄板1のマスキング印刷工程において、図27(a)に示すように、第一次マスキングインキによりAの文字の印刷画像のマスキング部3の周縁輪廓形状3aを平坦な直線状に形成し、その周縁に印刷する第二次マスキング部の画像16の輪廓形状16aを波形に形成するときは、上記の2段エッチング処理により、図27(b)に示すように、その表示部6の2段エッチング断面1b′の上段エッチング断端面1b1の周縁輪廓形状を平坦直線状に形成され、これから外方へ突出する下段エッチング断端面1b2の外輪廓形状を波形に形成でき、該表示部6は、外観上意匠的に変化をもたらせた彫り抜き表示成形品P5′とすることができる。尚、図示しないが、上段エッチング端断面1b1より外方へ突出するその上段エッチング断端面1b1の周縁全周に沿い連続して突出して形成する必要はなく、不連続に部分的に突出して形成したものとして、意匠的に変化を与えることもできる。
【0025】
2段エッチング処理された彫り抜き表示成形品を製造する場合、図28に示すように、陽極酸化処理用の上記のブリッジ導線15は、彫り抜き成形板1′の表面から奥の方へ引っ込んで外観上目立たない位置に設けた彫り抜き表示成形品P5′に製造することが好ましい。かゝる2段エッチング法の1例を次に説明する。
即ち、図29乃至図32は、その2段エッチングによる図28に示す彫り抜き表示成形品P5′の製造法の製造工程を示す。先ず、図29に示すように、積層シート素材Mのアルミニウム薄板1の陽極酸化皮膜1aの表面に前記の第一次マスキングインキにより上記の図23〜図26に示す実施例と同様にA,B,Cの文字の第一次マスキング画像部3とその外周に露出部4,4,4を存して外周の囲繞マスキング部3′を印刷し、UV照射により硬化する。次いで前記の第二次マスキングインキにより、図30に明示するように、前記の第一次マスキング画像部3,3,3の夫々の輪廓周縁に隣接し且つこれに沿い該輪廓形状と同じ又は異なる外輪廓形状を有し且つ小幅の露出面4,4,4の一部をマスキングする第二次マスキング画像部16,16,16を印刷し、これを自然乾燥又は好ましくは熱風乾燥により固化する。この場合、先の実施例と同様にして第二次マスキングインキにより、第一次画像部3,3,3よりは肉太のA,B,Cの画像A,B,Cを該第一次マスキング画像部3の上面に重ねると共にその余端部が、その第一次マスキング画像部3の周縁を適当に小幅で越えて露出面4の一部をマスキングするようにして第二次マスキング画像部16を形成する。
この場合、この実施例によれば、図29及び図30に明示するように、該第二次マスキング画像部16を印刷する際に、同時に各露出部4,4,4を横断して該第二次マスキング部16,16,16とその外側のアルミニウム余白板部上の囲繞マスキング部3′とを接続する細線状のマスキングブリッジ3″を印刷する。
次いで、第一次エッチングを施し、図31に示すように、第一次マスキング画像部3,3,3を夫々囲繞する第二次マスキング画像部16とその外側の囲繞マスキング部3′との間の該露出部4をアルミニウム薄板1の厚さの途中まで、図示の例では、その半分まで彫り下げるエッチング凹面5aを形成する。
次いで、各前記の第二次マスキング画像部16及び細線状のマスキングブリッジ3″を有機溶剤に浸漬又は吹き付けることにより除去し、その夫々の下面のアルミニウム薄板の表面の陽極酸化皮膜面を露出させた後、第二次エッチング処理を施し、図32に示すように、前記のエッチング凹面5aをその裏面に貼着の合成樹脂フルム2面まで彫り抜いて彫り抜き孔5に形成する一方、前記の第二次マスキング画像部16を除去した跡の露出部を板の厚さの半分まで彫り下げて前記の彫り抜き孔5に連なる断面L字状エッチング断面を形成すると同時に、前記の細線状のマスキングブリッジ3″を除去した跡の細線状の露出部を板の厚さの半分まで彫り下げて、彫り抜き孔5の内側のアルミニウム板部から成る表示部6とその外側のアルミニウム板部とを接続する高さが板の厚さの半分に減少したブリッジ導線15を形成する第二次エッチングを行うことにより、2段エッチング断面1b′が形成された彫り抜き成形板1′を得る。
次いで、図32に示す該彫り抜き成形板1′の上面の第一次マスキング画像部3,3,…及び囲繞マスキング部3′を除去することなく、陽極酸化処理を施し、各彫り抜き孔5の内側の該第一次マスキング部3及び囲繞マスキング部3を除去することにより、2段エッチング断面、即ち、上段エッチング断端面1b1、水平エッチング断面1b3及び下段エッチング断面1b2に陽極酸化皮膜1a′を形成する。このとき、各彫り抜き孔5の外側のエッチング断端面1bにも陽極酸化皮膜1bが形成される。かくして図28に示す耐腐食性の彫り抜き表示成形品P5″が高能率に得られる。
【0026】
上記の2種類の2段エッチング処理法並びにその陽極酸化処理法は、上記の図11〜図13、図14などに示す彫り抜き孔5自体を表示部6′とした形式の彫り抜き表示成形品の製造法の過程で適用できることは勿論である。
【0027】
上記の全ての実施例では、本発明の特徴を分かり易く説明するため、縦350mm、横130mmの小面積のアルミニウム薄板1と支持シート2又は2′の積層シート素材M又はM′を用いて本発明のアルミニウム薄板の彫り抜き成形品を製造する方法を説明したが、勿論、実際の本発明の彫り抜き成形品の大量生産を高能率に且つ安価に行うため、所望の大版のアルミニウム薄板1を用い、その裏面に大版の支持シートを貼着して積層シート素材を用意する。而して、例えば、この大版の積層シート素材Mを用い、そのアルミニウム薄板の陽極酸化皮膜面に、所望の形状の画像を縦、横に夫々複数個並べてマスキング印刷し、上記のエッチング成形法により一度に多数の彫り抜き成形品が縦、横に複数個配列された彫り抜き成形された製品を一挙に大量生産するようにすることが実用上好ましいことは言うまでもない。尚、勿論、所望の大版の積層シート素材を用いてもこれに所望の文字、図形、模様、絵柄などを適当に組み合わせたものを1つの纏まった作品とする彫り抜き表示成形品を製造してもよい。
【0028】
図33及び図36は、多数の同じ表示態様の彫り抜き表示成形品を一挙に大量生産する製造法の実施の1例を示す。先ず、図33及び図34に示すように、大版のアルミニウム薄板1の表面全面に大版の支持シート2を剥離自在に貼着して成る積層シート素材Mを用意し、そのアルミニウム薄板1の陽極酸化皮膜1aの上面にマスキングインキを施されない大面域の方形の露出面部4,4を左右に囲繞形成するようにアルミニウム余白板部1B上に囲繞マスキング部3′を印刷すると同時に、その左右の夫々の大面域の方形の露出面部4,4内に、夫々縦方向に一定の間隔を存してA,B,Cの文字から成る画像部3A,3A,3Aとこれを囲繞する囲枠から成る画像部3Bとを組み合わせた画像3を縦に3個、2列に配設した合計6組の画像3,3,…をマスキング印刷する。更に好ましくは、陽極酸化処理を可能にするため、各マスキング画像3の各文字A,B,Cから成る文字マスキング画像部3A,3A,3Aとこれを囲む囲枠マスキング画像部3Bとを接続する細線状のマスキングブリッジ3″、夫々の相隣るマスキング画像3,3間を接続する細線状のマスキングブリッジ3″並びに左右の3個つ配置されたマスキング画像3,3,3とその外周を囲繞する左右の余白板部1B上のマスキング部3′,3′とを接続する細線状のマスキングブリッジ3″を夫々所望本数マスキング印刷する。
次に、この積層シート素材Mに、左右の大面域の露出面部4,4内のマスキングの施されていない該露出部4,4,…のエッチング処理を施し、図34に示すように、そのアルミニウム薄板の板厚を完全に彫り抜き、その裏面に貼着している透明な合成樹脂フィルム2の表面に達する彫り抜き孔5,5,…を形成する。次いで、かくして得られた彫り抜き成形板1′に、陽極酸化処理を施す。次いで、全てのマスキング画像部3A,3B 除去する。かくして、その夫々の彫り抜き孔5,5,…を囲繞するエッチング断端面1b,1b,…に陽極酸化皮膜1a′,1a′,…が形成される。即ち、図35及び図36に示すように、彫り抜き成形板1′として、そのアルミニウム余白板部1Bの内域に、文字表示板部6Aと囲枠表示板部6Bとの組み合わせから成り、且つその夫々のエッチング断端面1bに陽極酸化皮膜1bを形成された耐腐食性のアルミニウム板部による表示部6の6個が大版の剥離自在の合成樹脂製シート2上に一体に縦横に整列して成る6個の彫り抜き成形品P6,P6,…が得られる。
【0029】
尚、上記の実施例で作製した彫り抜き表示成形品の製造において、無色又は着色の陽極酸化処理後、その陽極酸化皮膜に封口処理を施すことが一般であり好ましい。その封口処理は、例えば、酢酸ニッケル5g/lの水溶液95℃で25分以上浸漬することにより行う。
【0030】
上記の実施例は、積層シート素材のアルミニウム薄板のエッチング成形法により、彫り抜き孔を囲繞されて画成されたアルミニウム板部から成る凸状の表示部のみから成る彫り抜き表示成形品及び彫り抜き孔から成る凹状表示部のみから成る彫り抜き表示成形品を製造する場合を示したが、凸状の表示部と彫り抜き孔自体から成る凹状表示部を混合した彫り抜き表示成形品を製造するようにしても良いことは言うまでもない。
また、上記の全ての本発明の彫り抜き表示成形品の製造において、マスキング部を全て除去後、水洗、乾燥工程を経て製造されることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】
このように本発明によるときは、(a)表面に陽極酸化皮膜を施したアルミニウム薄板の裏面に支持シートを貼着して成る積層シート素材を作製すること、 (b)該アルミニウム薄板の上面の該陽極酸化皮膜面にマスキングインキにより、部分的に、マスキング印刷し、マスキング部自体で画成された任意の形状の画像又は / 及びマスキング部により囲われたマスキングされない露出部から成る任意の形状の画像を画成すること、 (c) 次いでエッチングにより露出部をその厚板を貫通しその板の裏面の該支持シートの表面に達するまで彫り抜くこと、(d) 次いで陽極酸化処理を施し、彫り抜き孔を囲むアルミニウム薄板のエッチング断端面に陽極酸化皮膜を形成すること、 (e) 次いでマスキング部を除去することから成る製造法により、該支持シート上に、該アルミニウム薄板部をアルミニウム板部から成る所定形状の表示部又は/及び彫り抜き孔から成る所定形状の表示部を有し且つ表面ばかりでなく該エッチング断端面にも陽極酸化皮膜を施された耐食性を有する彫り抜き成形板に成形されたアルミニウム薄い板の彫り抜き表示成形品が得られると共に、従来のような雄雌金型を用い機械的に打ち抜いて表示成形品を製造する場合に生ずる表示成形品の周縁部の屈曲やバリの発生がなく、良質の彫り抜き表示成形品が円滑に得られる
0032】
この場合、該支持シートとして該アルミニウム薄板に対し剥離自在に貼着されたものを使用するときは、該支持シートを剥がして該アルミニウム薄板に多数個彫り抜き成形されたアルミニウム板部から成る表示成形品を各個別に得られる。
【0033】
また、上記の彫り抜き成形板から貼りマーク用表示成形品を製造するには、その彫り抜き成形板の表面に、透明な支持シートを剥離自在に貼着した後、その裏面の支持シートを剥がし、次いでその裏面に、彫り抜き表示成形品と同じ形状に打ち抜き成形された両面圧着材を台紙の片面に有する合紙付圧着材を、該彫り抜き表示成形板にその打ち抜き成形された夫々の両面圧着材を夫々の対応するアルミニウム成形板の表示部に合わせて貼着することにより貼りマーク用表示成形品が得られる。
【0034】
また、該支持シートとして、該アルミニウム薄板に熱圧着型のものを用いるときは、該彫り抜き表示成形板に強固に一体に結着された積層シート型の表示成形品に製造できるので、このまゝ所望の個所に接着剤などの固定具を介して対象物に固設し各種の表示板として使用できる。
【0035】
この場合、彫り抜き表示成形板として、彫り抜き孔自体を表示部として有する彫り抜き表示成形板に製造し、且つその裏面に貼着の支持シートとして透明な支持シートを用いたときは、照明表示用に適した彫り抜き表示成形品が得られ、その使用に当たり、その裏側から白熱灯や蛍光灯などの照明器具により照明すれば、表面から見るとき、その彫り抜き孔自体から成る表示部は、その投光効果によりその彫り抜き表示成形板から明るく浮き出して視覚されるその表示効果を高めることができ、自動車、電気機器、事務機器などの各種の用途に照明表示板として使用できる。この場合、その彫り抜き表示成形板の彫り抜き孔に対応する透明な支持シートの裏面に、不透明又は透明な赤色、青色、白色などの所望の色を有する印刷インキ面や貼着片を施すときは、計器や広告案内などの表示板として視覚効果と意匠効果の向上した彫り抜き表示成形品をもたらす。
【0036】
更に本発明によれば、該アルミニウム薄板の露出面部で囲繞される内側のマスキング部と該マスキング部の外側の外部の陽極酸化処理用の電源の陽極に接続せしめるマスキング板部とに亘り該露出面部に細線状のマスキングブリッジを印刷し、これをエッチング処理を施すときは、該細線状のマスキングブリッジの下面に内側のマスキング板部と外側のマスキング板部とを電気的に接続するブリッジ導線が形成されるので、得られた彫り抜き成形板に陽極酸化処理を施すことができ、彫り抜き孔の両側のエッチング断端面に無色又は着色の陽極酸化皮膜を形成でき、彫り抜き成形板全体が耐腐食性の彫り抜き表示成形品を製造することができる。
【0037】
更に本発明によれば、アルミニウム薄板に第一次マスキングインキにより部分的に印刷し、所望の形状の画像をその第一次マスキング部自体で或いはその第一次マスキング部を囲繞する露出部で画成し、第一次マスキングインキとは溶剤を異にする第二次マスキングインキにより、該第一次マスキング部の周縁に隣接し且つこれに沿い小幅の第二次マスキング部を印刷した後、第一次エッチング処理により第二次マスキング部の周縁に隣接する露出部を、アルミニウム薄板の厚さの途中まで彫り抜きエッチング凹面を形成し、次いで、該第二次マスキング部を除去し、次いで該エッチング凹面を支持シート面まで彫り抜くと共にその除去跡をアルミニウム薄板の厚さの途中まで彫り抜くことにより、彫り抜き孔のエッチング断端面を2段エッチング断面に形成でき、彫り抜き表示成形板に形成しアルミニウム板から成る表示部の周縁の手触りがソフトで手に損傷を与えることがなく而も同時に意匠的効果の向上した彫り抜き表示成形品が得られる。
【0038】
上記の製造法の該マスキング印刷工程において、第一次マスキングインキにより、該露出部により囲繞された内側の第一次マスキング画像部と該露出部の外側に位置し且つ陽極酸化処理用の陽極に電気的に接続せしめるアルミニウム余白板部上に第一次囲繞マスキング部とを印刷すると同時に該露出部を横断して該第一次マスキング画像部と該囲繞マスキング部を接続する少くとも1本の細線状のマスキングブリッジを印刷し、更に第一次マスキング画像部に隣接する露出部に、該第一次マスキング画像部の周縁に沿い第一次マスキングインキとは溶剤を異にする第二次マスキングインキにより所望の外輪廓形状で且つ小幅の第二次マスキング画像部を印刷し、次いで、第二次マスキング画像部と該囲繞マスキング部との間の露出部をアルミニウム板の厚さの途中まで彫り下げてエッチング凹面を形成する第一次エッチング処理を施し、次いで、該第二次マスキング画像部を除去し、次いで、該第二次マスキング画像部の除去された跡の露出部を該アルミニウム薄板の厚さの途中まで彫り下げると共に、先に形成したエッチング凹面を支持シート面まで彫り抜き、彫り抜き孔を形成する第二次エッチング処理を施し、次いで、形成された2段エッチング断面に陽極酸化処理を施し、次いで、該第一次マスキング画像部と該囲繞マスキング部を除去するようにしたので、2段エッチング断面に陽極酸化皮膜が形成された耐腐食性の彫り抜き表示成形品が得られる。
【0039】
更に、上記の製造法の該マスキング工程において、第一次マスキングインキにより、露出部により囲繞された内側の第一次マスキング画像部と該露出部の外側に位置し且つ陽極酸化処理用の陽極に電気的に接続せしめるアルミニウム余白板部上に施した囲繞マスキング部とを印刷し、更に、第一次マスキング画像部に隣接する露出部に、該第一次マスキング画像部の周縁に沿い第一次マスキングインキとは溶剤を異にする第二次マスキングインキにより所望の外輪廓形状で且つ小幅の第二次マスキング画像部を印刷し、更に、該露出部を横断して該第二次マスキング画像部と該囲繞マスキング部とを接続する少なくとも1本の細線状のマスキングブリッジを印刷し、次いで、第二次マスキング画像部と該囲繞マスキング部との間の露出部をアルミニウム板の厚さの途中まで彫り下げてエッチング凹面を形成する第一次エッチング処理を施し、次いで、該第二次マスキング画像部と該マスキングブリッジとを除去し、次いで、該第二次マスキング画像部と該マスキングブリッジの除去された跡の露出部を該アルミニウム薄板の厚さの途中まで彫り下げると共に、先に形成したエッチング凹面を支持シート面まで彫り抜き、彫り抜き孔を形成する第二次エッチング処理を施し、次いで、形成された二段エッチング断面に陽極酸化処理を施し、次いで、該第一次マスキング画像部と該囲繞マスキング部を除去するようにしたので、彫り抜き孔で囲繞された孤立した内側のアルミニウム板部とその外側のアルミニウム余白板部を接続するブリッジ導線が、彫り抜き孔の内部の奥まった位置で高さの低い状態で形成されるので、外観し、該ブリッジ導線が見え難い体裁の良い耐腐食性の彫り抜き表示成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のアルミニウム薄板の彫り抜き表示成形品の製造法の実施の1例に用いる積層シート素材の正面図。
【図2】 図1の裁断面図。
【図3】 マスキング印刷した積層シート素材の正面図。
【図4】 図3の■-■線裁断面図。
【図5】 積層シート型の彫り抜き表示成形品の正面図。
【図6】 本発明の他の実施例で製造した個々の彫り抜き表示成形品の斜視図。
【図7】 図5に示す本発明の彫り抜き表示成形品を出発原料とした本発明の更に他の実施例の製造法におけるその表面に支持シートを貼着した工程を示す図3のIV−IV線と同じ裁断面図。
【図8】 支持シートを剥がした後の裏面に合紙付圧着材を貼着して成る貼りマーク用彫り抜き表示成形品の裁断面図。
【図9】 図8に示す貼りマーク用彫り抜き表示成形品の使用状態を示す裁断面図。
【図10】 本発明の更に他の彫り抜き表示成形品の製造法の実施例におけるマスキング印刷した状態の積層シート素材の正面図。
【図11】 図10のXI-XI線裁断面図。
【図12】 エッチング処理後の裁断面図。
【図13】 マスキング部を除去した彫り抜き表示成形品の正面図。
【図14】 本発明の製造法により製造した照明表示に適した自動車用計器板として製造した彫り抜き表示形成品の正面図。
【図15】 図14に示す彫り抜き成形品の裏面図。
【図16】 陽極酸化処理を可能とする本発明の他の彫り抜き表示成形品の製造法の実施例におけるマスキング印刷した積層シート素材の正面図。
【図17】 図16に示す積層シート素材をエッチング処理して製造した彫り抜き表示成形品の正面図。
【図18】 図17のXVIII-XVIII線裁断面図。
【図19】 陽極酸化処理を可能とする本発明の更に他の彫り抜き表示成形品の製造法の実施例におけるマスキング印刷した積層シート素材の正面図。
【図20】 図19に示す積層シート素材をエッチング処理して製造した彫り抜き表示成形品の図19のXX-XX線裁断図。
【図21】 本発明の更に他の製造法の実施例における2段エッチング処理により製造された彫り抜き表示成形品の正面図。
【図22】 図21のXXII-XXII線裁断面図。
【図23】 図21に示す彫り抜き表示成形品の製造法におけるマスキング印刷された積層シート素材の正面図。
【図24】 図23のXXIV-XXIV線裁断面図。
【図25】 第一次エッチング処理を施された図24と同じ裁断面図。
【図26】 第二次エッチング処理を施された図24と同じ裁断面図。
【図27】 上記の本発明の2段エッチング処理による彫り抜き表示成形品の製造法の変形例を示し、図27(a)はマスキングされた積層シート素材の一部の正面図であり、図27(b)は製造された彫り抜き表示成形品の一部の正面図。
【図28】 本発明の他の2段エッチング処理法により製造された彫り抜き表示成形品の断面図。
【図29】 図28に示す彫り抜き表示成形品の製造法におけるマスキング印刷された積層シート素材の正面図。
【図30】 図29のXXX-XXX線裁断面図。
【図31】 第一次エッチング処理を施された同材の断面図。
【図32】 第二次エッチング処理を施された同材の断面図。
【図33】 本発明の更に他の彫り抜き表示成形品の製造法の実施例におけるマスキング印刷された積層シート素材の正面図。
【図34】 図32のXXXIV-XXXIV線裁断面図。
【図35】 本発明の更に他の実施例の彫り抜き表示成形品の正面図。
【図36】 図35のXXXVI-XXXVI線裁断面図。
【符号の説明】
1 アルミニウム薄板 1A 中央面域のアルミニウム板部
1B アルミニウム余白板部 1a 全周表面の陽極酸化皮膜
1a 陽極酸化皮膜 1b 彫り抜き孔のエッチング断端面
1b′ 2段エッチング断面 1b1 上段エッチング断端面
1b2 下段エッチング断端面 1b3 水平エッチング断面
1 彫り抜き成形板
2 不透明又は透明な剥離自在の支持シート、常温圧着型合成樹脂フィルム
2′ 不透明又は透明な支持シート、加熱圧着型合成樹脂フィルム
M 積層シート素材 M′ 積層シート素材
3 マスキング画像、マスキング部、第一次マスキング部、第一次マスキング画像部
3a マスキング画像部の輪廓形状 3′ 囲繞マスキング部
3″ 細線状のマスキングブリッジ 4 露出部、露出面部
3A 文字画像部 3B 囲枠画像部
5 彫り抜き孔 5a エッチング凹面
6 アルミニウム板部による表示部 6′ 彫り抜き孔による表示部
7 表面に貼着用支持シート 8 合紙付圧着材
8a 台紙 8b 型抜き両面圧着材
9 白抜き画像 11 赤色の印刷インキ面
15 ブリッジ導線
16 第二次マスキング印刷、マスキング部
P1,P1′,P2,P3,P4,P4′,P4″,P5,P5′,P6 彫り抜き表示成形品

Claims (16)

  1. (a)表面に陽極酸化皮膜を施したアルミニウム薄板の裏面に支持シートを貼着して積層シート素材を作製すること、(b)該アルミニウム薄板の上面の該陽極酸化皮膜面にマスキングインキにより、部分的にマスキング印刷し、マスキング部自体で画成された任意の形状の画像又は/及びマスキング部により囲われたマスキングされない露出部から成る任意の形状の画像を画成すること、(c)次いでエッチングにより露出部をその裏面の該支持シート面に達するまで彫り抜くこと、(d) 次いで、陽極酸化処理を施し、彫り抜き孔を囲むアルミニウム薄板のエッチング断端面に陽極酸化皮膜を形成すること、(e)次いでマスキング部を除去することから成ることを特徴とするアルミニウム薄板の彫り抜き表示成形品の製造法
  2. 該支持シートは、透明又は不透明で且つ常温圧着型の合成樹脂フィルムである請求項1 記載の彫り抜き表示成形品の製造法。
  3. 該支持シートは、透明又は不透明で且つ加熱圧着型の合成樹脂フィルムである請求項1 記載の彫り抜き表示成形品の製造法。
  4. 請求項1 又は 2に記載の製造法に次いで、該支持シートを剥離除去することを特徴とする彫り抜き表示成形品の製造法。
  5. 請求項1 又は 2に記載の製造法により得られた彫り抜き表示成形品の該彫り抜き表示成形板の表面に透明な支持シートを貼着した後、該表示成形品の裏面の該支持シートを剥離除去し、次いで合紙両面圧着材を貼着することを特徴とする彫り抜き表示成形品の製造法。
  6. 請求項1,2又は3に記載の製造法において、該支持シートは、透明な合成樹脂フィルムであり、その裏面に、該彫り抜き成形板に彫り抜き成形された彫り抜き孔から成る表示部に対応する位置に、透光性で且つ無色又は有色の貼着片を貼着したことを特徴とする彫り抜き表示成形品の製造法。
  7. 請求項1に記載の製造法の該(b)のマスキング印刷工程において、該露出部により囲繞されたマスキング画像部とその外側の電源に電気的に接続せしめるアルミニウム余白板部上に囲繞マスキング部とを印刷すると同時に該露出部を横断して該マスキング画像部と該囲繞マスキング部を接続する少なくとも1本の細線状のマスキングブリッジを印刷すること、次いで該(c)のエッチング処理を施した後、彫り抜き孔を囲むアルミニウム薄板のエッチング断端面陽極酸化処理を施すこと、次いで該マスキング画像部及び該囲繞マスキング部の除去を行うことを特徴とする彫り抜き表示成形品の製造法。
  8. (a)表面に陽極酸化皮膜を施したアルミニウム薄板の裏面に支持シートを貼着して積層シート素材を作製すること、(b)該アルミニウム薄板の上面の該陽極酸化皮膜面に、第一次マスキングインキにより部分的に第一次マスキング部を印刷し、更に、該第一次マスキング部に隣接する露出部に、該第一次マスキング部の周縁に沿い第一次マスキングインキとは溶剤を異にする第二次マスキングインキにより所望の外輪廓形状で且つ小幅の第二次マスキング部を印刷すること、(c)次いで、該第二次マスキング部に隣接する露出部をアルミニウム板の厚さの途中まで彫り下げてエッチング凹面を形成する第一次エッチング処理を施すこと、(d)次いで、該第二次マスキング部を除去すること、(e)次いで、該第二次マスキング部の除去された跡の露出部を該アルミニウム薄板の厚さの途中まで彫り下げると共に先に形成したエッチング凹面を支持シート面まで彫り抜く第二次エッチング処理を施すこと、(f)次いで該第一次マスキング部を除去することを特徴とする彫り抜き表示成形品の製造法。
  9. 請求項に記載の製造法の該(b)のマスキング印刷工程において、第一次マスキングインキにより、該露出部により囲繞された内側の第一次マスキング画像部と該露出部の外側に位置し且つ陽極酸化処理用の陽極に電気的に接続せしめるアルミニウム余白板部上に囲繞マスキング部とを印刷すると同時に該露出部を横断して該第一次マスキング画像部と該囲繞マスキング部を接続する少くとも1本の細線状のマスキングブリッジを印刷し、更に第一次マスキング画像部に隣接する露出部に、該第一次マスキング画像部の周縁に沿い第一次マスキングインキとは溶剤を異にする第二次マスキングインキにより所望の外輪廓形状で且つ小幅の第二次マスキング画像部を印刷すること、(c)次いで、第二次マスキング画像部と該囲繞マスキング部との間の露出部をアルミニウム板の厚さの途中まで彫り下げてエッチング凹面を形成する第一次エッチング処理を施すこと、(d)次いで、該第二次マスキング画像部を除去すること、(e)次いで、該第二次マスキング画像部の除去された跡の露出部を該アルミニウム薄板の厚さの途中まで彫り下げると共に、先に形成したエッチング凹面を支持シート面まで彫り抜き、彫り抜き孔を形成する第二次エッチング処理を施すこと、(f)次いで、形成された二段エッチング断面に陽極酸化処理を施すこと、(g)次いで、該第一次マスキング画像部と該囲繞マスキング部を除去することを特徴とする彫り抜き表示成形品の製造法。
  10. 請求項8に記載の製造法の該(b)のマスキング工程において、第一次マスキングインキにより、露出部により囲繞された内側の第一次マスキング画像部と該露出部の外側に位置し且つ陽極酸化処理用の陽極に電気的に接続せしめるアルミニウム余白板部上に施した囲繞マスキング部とを印刷し、更に、第一次マスキング画像部に隣接する露出部に、該第一次マスキング画像部の周縁に沿い第一次マスキングインキとは溶剤を異にする第二次マスキングインキにより所望の外輪廓形状で且つ小幅の第二次マスキング画像部を印刷すると同時に、該露出部を横断して該第二次マスキング画像部と該囲繞マスキング部とを接続する少なくとも1本の細線状のマスキングブリッジを印刷すること、(c)次いで、第二次マスキング画像部と該囲繞マスキング部との間の露出部をアルミニウム板の厚さの途中まで彫り下げてエッチング凹面を形成する第一次エッチング処理を施すこと、(d)次いで、該第二次マスキング画像部と該マスキングブリッジとを除去すること、(e)次いで、該第二次マスキング画像部と該マスキングブリッジの除去された跡の露出部を該アルミニウム薄板の厚さの途中まで彫り下げると共に、先に形成したエッチング凹面を支持シート面まで彫り抜き、彫り抜き孔を形成する第二次エッチング処理を施すこと、(f)次いで、形成された二段エッチング断面に陽極酸化処理を施すこと、(g)次いで、該第一次マスキング画像部と該囲繞マスキング部を除去することを特徴とする彫り抜き表示成形品の製造法。
  11. 陽極酸化皮膜で被覆されたアルミニウム薄板に、任意の形状の画像に従って彫り抜かれた孔から成る表示部又は/及び彫り抜き孔により囲繞されたアルミニウム板部から成る表示部を有する彫り抜き表示成形板と、該彫り抜き表示成形板の裏面に貼着された透明又は不透明の支持シートとから成ると共に、該彫り抜き孔を囲むアルミニウム薄板のエッチング断端面に施された陽極酸化皮膜を有することを特徴とする彫り抜き表示成形品。
  12. 請求項11に記載の彫り抜き表示成形品の該支持シートから剥離された個々の表示部から成る彫り抜き表示成形品。
  13. 請求項11に記載の彫り抜き表示成形品の表面に支持シートが貼着され、その裏面に支持シートに代え合紙圧着材が貼着されて成る彫り抜き表示成形品。
  14. 請求項11〜13のいずれか1つにおいて、彫り抜き成形板の任意の形状の表示部の周縁のエッチング断端面に施された無色又は着色の陽極酸化皮膜の色は、彫り抜き成形板の表面の陽極酸化皮膜の色と同じ又は異なる彫り抜き表示成形品。
  15. 請求項8 乃至 10に記載の製造法で製造された彫り抜き表示成形品に形成された2段エッチング断面の下段エッチング断端面の輪廓形状は、上段エッチング断端面の輪廓形状と同一又は異なる彫り抜き表示成形品。
  16. 請求項15に記載の彫り抜き表示成形品において、2段エッチング断面に施された陽極酸化皮膜の色は、彫り抜き成形板の表面の陽極酸化皮膜の色と同じ又は異なる彫り抜き表示成形品。
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