JP3810656B2 - 微小x線源 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線分光分析等に使用される微小X線源に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線分析装置等においては、X線源として、高電圧で加速された電子をターゲットに衝突させることにより発生するX線を利用する。電子放出源としては、フィラメントを1800乃至2000℃に加熱して発生する熱電子を利用することが最も簡易である。しかし、この方式ではフィラメントの加熱に大きな電力を要し、熱電子発生効率が低く、フィラメント周辺部を冷却する必要があるために、装置構造が大きくなってしまうという問題点がある。
【0003】
一方、酸化タングステン等のように比較的低い温度で熱電子を発生しやすい材料をフィラメントに直接コーティングする直熱型と、これらの材料をフィラメントで加熱する傍熱型の電子放出源においては、使用温度が約800℃と低くて良いため、装置構造の大型化を防止できるが、長期間の使用では材料が劣化するという問題点がある。
【0004】
これに対し、タングステン(W)又はLaB6等の材料からなる先鋭なフィラメントに数kVの電圧を印加すると、その先端に107V・cm程度の強電界が発生し、電子の電界放出が起こる。しかし、この方式では、残留ガスの吸着による特性劣化を防ぐために、10−8Pa以上の超高真空を維持する必要があり、更に100μA以下の電流しか安定に得られないという問題点がある。また、放出電流が時間的に揺らぐため、精密なX線分析に必要な安定で定常的な電流を得にくい。
【0005】
一方、LSI(大規模集積回路)のように微細な構造を有する対象物を局所的に非破壊観察するためには、微小なX線源が必要である。このためには、高電圧で加速された電子ビームを収束してターゲットに照射する必要がある。電子源より放出された電子をターゲットに照射する方法の一例を図4に示す(従来技術1)。
【0006】
図4では、電子源としてのフィラメント1から発生する電子ビーム2をウエネルト型の電極3で引き出し、ターゲット4に照射する。電子エネルギーの制御には加速電圧Eaを調節し、また放出電流を制御するためにはフィラメント電圧Efを調節してフィラメント温度を調整する。ウエネルト型の電極3の電位は通常はフィラメント1と同じに設定するが、電極3にフィラメント1に対して負の電位Ewを印加することにより、ある程度、電子ビーム2を絞ることができる。
【0007】
図5はウエネルト型の電極3とターゲット4との間にグリッド5を設け、グリッド5の電位Egを調節することにより、電流制御を行うものである(従来技術2)。しかしながら、従来技術1及び従来技術2では、電流値が0.1mAと低い場合に、電子ビーム径を20μm程度までしか絞れないという問題点がある。
【0008】
ビーム径がミクロンオーダーの電子ビームを得る方法として、例えば特開平9−180894号公報(従来技術3)には、図6に示すものが開示されている。電子放出源12から放出された電子ビーム10がターゲット13に照射され、電子ビーム10の照射によりターゲット13から放出されたX線がハウジング11に設けた窓15から外部に放出される。なお、電子放出源12はその内部に設けた冷媒通路14を通流する冷媒により冷却される。この従来技術3では、電子放出源12が、電子エミッタチップと引き出し電極と収束電極とが一体となった構造を有し、電子ビームの焦点径を0.1μmに絞り込めるとしている。
【0009】
また、図7にはダイヤモンドを使用した微小電子源が開示されている(P. Rangsten et al, "Field-emitting structures intended for a miniature X-ray source", Sensors and Actuators, Vol.82, pp.24-29(2000)(従来技術4))。この微小電子源においては、アノード16とカソード17の三角錐状のエミッタとが対向するように配置されており、カソード17とアノード16との間には、電源20、電流計19及び抵抗18が接続されている。そして、電源20によりカソード17とアノード16との間に所定の電圧Uを印加し、カソード17から放出された電子ビームをアノード16に照射し、アノード16からX線を放出される。この場合に、カソード17のチップとアノード16との間に20kVの電圧を印加した場合に、電流計19により測定される電流量は1μAである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示す従来技術3のように、電子エミッタと引き出し電極が一体化した構造では、電子エミッタと引き出し電極の間の電流リークが避けられず、発熱又は絶縁破壊によるエミッタチップの劣化が問題となる。また、電子ビームの収束電極も形状が固定されているので、電子ビーム電流及び引き出し電圧に対応したビームの収束制御が不可能であり、X線発生条件を最適化することができない。
【0011】
また、図7に示す従来技術4の構造では、電子ビーム収束部をもたないために、ビーム径の拡がりを回避できない。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、電流値が低くてもミクロンオーダーのビーム径の電子ビームを得ることができ、電流リークがなく、エミッタチップの発熱等による劣化を防止することができ、ビームの収束制御が容易である微小X線源を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る微小X線源は、炭素系材料からなる電子エミッタと、この電子エミッタを加熱してその温度を制御する加熱装置と、前記電子エミッタから発生する電子ビームを引き出し、加速し、収束する引き出し収束装置と、前記電子ビームが照射されてパルス的にX線を発生するターゲットと、前記電子エミッタへ紫外線をパルス的に照射する紫外線照射部と、前記電子エミッタ、前記加熱装置、前記引き出し収束装置及び前記ターゲットを収納して封止する封止管と、前記封止管の内部を清掃するクリーニング装置とを有し、前記電子エミッタは、ダイヤモンド膜、ダイヤモンド粉末、ダイヤモンド単結晶、非晶質炭素、カーボンナノチューブ、フラーレン及び繊毛状炭素からなる群から選択された1種又は2種以上の材料により形成されていることを特徴とする。
【0015】
前記電子エミッタは、例えば、その構成元素として、炭素と共に、ホウ素及び窒素からなる群から選択された少なくとも1種を含有する。
【0016】
前記電子エミッタは、その電子ビームの出射面が内側に湾曲した形状を有するものとすることができる。
【0017】
また、前記電子エミッタの電子ビームの出射面側に、電子引き出し用の金属電極グリッドが配置されているものとすることができる。
【0018】
前記加熱装置は、ペルチェ素子であり、前記ペルチェ素子により前記電子エミッタの温度を制御することができる。
【0019】
更に、本願発明においては、電子エミッタの表面に紫外光を照射する紫外光光源を有し、前記電子エミッタから電界放出する電子に加え、紫外光の照射により発生する光電子を電子ビーム化することができる。
【0020】
前記ターゲットは、例えば、反射型又は透過型である。更に、前記封止管のクリーニング装置は、例えば、前記封止管内に水素ガスを供給して前記封止管内部で水素プラズマを発生させることにより、前記封止管内部を清掃するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例に係る微小X線源について添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施例に係る微小X線源を示す模式図である。真空封止管26内に、炭素系材料からなる電子エミッタ21と、電子エミッタ21から放出された電子を引き出す電子引き出し用グリッド22と、電子エミッタ21から放出された電子ビーム25の引き出し、加速及び収束用の装置23と、電子ビーム25が照射されるターゲット24とが直線上に配置されている。また、電子エミッタ21には、加熱装置53が設けられており、電子エミッタ21を加熱するようになっている。ターゲット24は真空封止管26に封止されており、装置23とターゲット24との間には、電圧V2の直流電源28がターゲット24を負側として接続されている。また、ターゲット24と電子エミッタ21との間には、電圧V1の直流電源27がターゲット24側を正側として接続されている。真空封止管26の外部には、真空封止管26の内部に低圧の水素ガスを導入して真空封止管26の内部を清掃するクリーニング装置54が設けられている。また、電子エミッタ21(炭素系材料)に紫外線52を照射する紫外線光源51が設けられている。
【0022】
このように構成された微小X線源においては、加熱装置53により電子エミッタ21を所定の温度に加熱制御しつつ、電源27によりターゲット24と電子エミッタ21との間に電圧V1を印加することにより、電子エミッタ21から電子ビーム25が発生し、引き出しグリッド22により電子ビーム25が引き出され、電子ビーム25は収束装置23により収束された後、ターゲット24に照射される。これにより、ターゲット24からX線29(又は透過X線30)が発生し、真空封止管26の側方(又は前方)からX線が取り出される。
【0023】
電子エミッタ21には、ターゲット電圧及び収束部電圧に対し、負電圧が印加される。なお、収束装置23の構造により、電子ビーム引き出し電極22を必要としない場合がある。電子ビーム25がターゲット24に照射されると、X線29が発生し、X線29が図1に示す真空封止管26の側方に取り出される。このX線の取出方向としては、図1に示す透過X線30のように、ターゲット24の電子ビーム進行方向前方とすることが可能である。このように、本発明においては、X線取り出し方向は側方及び前方が可能である。前者の場合には、電子ビーム方向に対し、ターゲット面を斜めに設置する。後者の場合には、薄い金属膜をターゲットとする。これにより、X線はターゲットを透過して、電子線ビーム方向の前方に放射される。
【0024】
電子エミッタ21用の材料としては、電子放出が開始する外部電界(閾値電界)が低いダイヤモンド膜、ダイヤモンド粉末、ダイヤモンド単結晶、非晶質炭素、カーボンナノチューブ、フラーレン、及び繊毛状炭素の中から選択された1種又はそれ以上の炭素系材料を使用することが望ましい。繊毛状炭素は上記炭素材料を水素プラズマで処理することにより形成することができる(小橋ほか:「ダイヤモンド及び炭素表面への繊毛構造の形成」、第14回ダイヤモンドシンポジウム(2000.11.30-12.1)講演予稿集p.222参照)。
【0025】
電子エミッタ21用の材料は、その構成元素として炭素と共に、ホウ素及び窒素のいずれか、又はその双方を含む場合に、電子放出効率が向上する。特に、電子エミッタ21のマトリクスがダイヤモンドの場合、ホウ素をドーピングすることにより、電子エミッタ21はp型半導体化して電気抵抗が低下し、ダイヤモンドにおける電圧降下が抑制される。また、電子エミッタ21として、炭素に窒素をドーピングしたものを使用することにより、電子エミッタ21がn型半導体化して電子放出効率が増大する。また、いずれの場合も、ダイヤモンド結晶内部に欠陥準位が生じ、導電性が向上する。
【0026】
電子エミッタ21としては、従来技術3のように、電子エミッタ21における電子ビーム進行方向の前方に電子注入用電極(グリッド)を設けるのが一般的である。しかし、従来技術3のように、エミッタ部と電子引き出し部を一体化した構造の場合は、電子が電子エミッタ材料内部を伝導する際に、電気抵抗による発熱と電圧低下が生じ、電子放出効率が低下する。これに対し、電子エミッタ21の表面側に電子供給用の金属電極からなる電子引き出し用グリッド22を配置することにより、このような問題点を回避できる。
【0027】
電子エミッタ21からの電子放出効率は温度に強く依存する。本発明では、電子エミッタ21の裏面に温度制御(加熱又は冷却)装置53を設け、電子エミッタ21の温度を調節可能とすることにより、電子ビーム25の電流を効果的に制御することができる。
【0028】
電子エミッタ21からの電子ビームの引き出しは、基本的に収束装置23のみでも可能であるが、電子引き出し用グリッド22を電子エミッタ21の前方に設けることにより、電子エミッタ21の内部での電圧降下及び加熱を防止することができ、均一で安定した電子ビームの発生が可能となる。
【0029】
更に、効率的な電子放出を図り、しかも電子放出量を制御するには、電子エミッタ21の表面に紫外光を照射することが望ましい。ダイヤモンドを電子エミッタ材料に用いる場合には、紫外線エネルギーはダイヤモンドのバンドギャップ(5.5eV)以上で光電子放出効率が大きくなる。紫外線照射は低電流の精密制御、特にパルス電流発生によるパルスX線発生に効果的である。
【0030】
電子発生源に使用する炭素系材料の表面が経時劣化する場合がある。特に、ダイヤモンドを電子エミッタ材料に使用する場合には、高い電子放出効率を得るために表面を水素終端することが有効である。しかし、長時間の電子放出及び素子加熱により、水素原子が徐々に電子エミッタ21から離脱する。この対策として、クリーニング装置54から真空封止管26内に低圧の水素ガスを導入し、電子エミッタ21と、電子引き出し電極22と、収束装置23との間に、直流電圧又は交流電圧を印加して水素ガスをプラズマ化すれば、電子エミッタ21を構成するダイヤモンドの表面を、再度、水素終端化でき、初期の電子放出特性を回復できる。同時に、X線発生管内面、電極及びターゲット表面のクリーニングもなされるというメリットがある。
【0031】
次に、本発明の第2実施例について説明する。図2は本発明の第2実施例に係る微小X線源を示す。なお、図2において、真空封止管及び紫外線光源等は図示されていないが、図1に示す実施例と同様に配置されている。本実施例の電子エミッタ31は、湾曲したMo等の金属基板にダイヤモンド薄膜をコーティングすることにより製造される。電子エミッタ31の背面には、ヒータ又はペルチェ素子等の加熱部材32を設け、この加熱部材32に電源33を接続して加熱部材32に通電することにより、電子エミッタ31を加熱する。この加熱部材32による電子エミッタ31の加熱温度は、加熱部材32への通電電流を調節することにより制御される。
【0032】
電子エミッタ31の電子ビーム進行方向前方には、電子エミッタ31の表面と同じ曲率で湾曲する電子引き出し電極34が設けられている。更に、電子引き出し電極34の後段には、3電極36a、36b、36cから構成される収束装置36が設けられており、この収束装置36により電子ビーム径が絞られた後、電子ビームはCuフォイルからなる冷却機構を備えたターゲット38に照射される。ターゲット38と電子エミッタ31との間には、ターゲット38が正となる加速電圧39が接続されている。
【0033】
本実施例においては、X線はCuフォイルからなるターゲット38のビーム照射方向の前方から、真空封止管に設けたBe(ベリリウム)製窓(図示せず)を通して取り出される。収束装置36の電極36aと電極36bとの間には、電極36bが正となる直流電圧37aが印加され、電極36bと電極36cとの間には、電極36cが負となる直流電圧37bが印加される。また、電子引き出し電極34と電子エミッタ31との間には、電子引き出し電極34が負となる直流電圧35が印加される。更に、収束電極36bと電子エミッタ31とは同電位に設定されている。
【0034】
本実施例においては、電子エミッタ31の電子ビームの照射面及び電子引き出し電極34の形状は、内側に湾曲した形状を有する。これにより、電子エミッタ31の表面近傍の電位分布が表面に沿って湾曲するので、電子が電子エミッタ31の中心軸方向に向けて放出される。このため、電子ビームの収束性を向上させることができる。
【0035】
電子ビーム収束装置36は、ウエネルト型の電極とすれば、電子引き出し・加速・収束が簡易な構造となる。また、前述のとおり、グリッドで電流制御する方式を用いることも可能である。しかし、微小な電子ビームスポットをターゲット38の表面に集中させるには、図2に示すように複数の収束電極36a、36b、36cからなる収束装置36を使用することが最も好ましい。
【0036】
次に、本発明の第3実施例について説明する。図3は本発明の第3実施例を示す微小X線源である。電子エミッタ41はダイヤモンド薄膜又はカーボンナノチューブ製であり、その電子放出表面は平坦である。また、電子エミッタ41の運転中の発熱を吸収するため、その背後にペルチェ素子42が設置されている。ペルチェ素子42は電源43から給電される。電子エミッタ41の前方には、電子引き出し電極47aと収束電極47bとが設けられている。そして、電子エミッタ41と電子引き出し電極47aとの間には電子引き出し電極47aが負となる電圧45が印加され、電子引き出し電極47aと収束電極47bとの間には、収束電極47bが負となる電圧46が印加される。また、ターゲット48と電子エミッタ41との間には、ターゲット48が正となる加速電圧49が印加される。
【0037】
本実施例においても、電子ビームを収束して微小ビーム径の電子ビームをターゲット48に照射することができる。また、本実施例は、図2に示す実施例と比較して、装置の小型化が可能である。
【0038】
【実施例】
図2に示す装置において、電子エミッタ31の表面と電子引き出し電極34との間隔を0.1mmとし、電子引き出し電極34に1kVの電圧を印加することにより、1mAの電流が得られた。電子ビームは収束装置36によりターゲット38上で直径0.1μmのビームに収束された。
【0039】
また、図2の装置を用いて、ダイヤモンド薄膜を材料とする電子エミッタ31の表面に波長172nm、強度50mW/cm2の紫外線を照射したところ、放出される電流が2.14mA増大した。これは、紫外線照射によりダイヤモンド薄膜中に電子・正孔対が生じ、電子が放出されることによる。この測定から外部量子効率は約30%であることがわかった。
【0040】
また紫外線照射を繰り返し周波数500Hzでパルス的に行うと、電子放出も紫外線パルスに追随してパルス状に発生することが確かめられた。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、電子エミッタからの大電流引き出し、電流量の制御、電子ビーム径の微小収束が可能になり、この結果、ターゲット表面のX線発生領域を微小化すると共に、X線強度を維持できるという相矛盾する要求を解決することができる。更に、本願発明は従来の装置に比較して、装置サイズを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る微小X線源を示す模式図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る微小X線源を示す模式図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る微小X線源を示す模式図である。
【図4】従来技術1を示す模式図である。
【図5】従来技術2を示す模式図である。
【図6】従来技術3を示す模式図である。
【図7】従来技術4を示す模式図である。
【符号の説明】
1:フィラメント
5、22:グリッド
21、31、41:電子エミッタ
23:電子ビーム引き出し、加速、収束機構
4、13、24:ターゲット
2、10、25:電子ビーム
12:電子放出源
26:真空封止管
27、28:直流電源
29:X線
30:透過X線
51:紫外線光源
52:紫外線
53:加熱装置
54:クリーニング装置
Claims (8)
- 炭素系材料からなる電子エミッタと、この電子エミッタを加熱してその温度を制御する加熱装置と、前記電子エミッタから発生する電子ビームを引き出し、加速し、収束する引き出し収束装置と、前記電子ビームが照射されてパルス的にX線を発生するターゲットと、前記電子エミッタへ紫外線をパルス的に照射する紫外線照射部と、前記電子エミッタ、前記加熱装置、前記引き出し収束装置及び前記ターゲットを収納して封止する封止管と、前記封止管の内部を清掃するクリーニング装置とを有し、前記電子エミッタは、ダイヤモンド膜、ダイヤモンド粉末、ダイヤモンド単結晶、非晶質炭素、カーボンナノチューブ、フラーレン及び繊毛状炭素からなる群から選択された1種又は2種以上の材料により形成されていることを特徴とする微小X線源。
- 前記電子エミッタは、その構成元素として、炭素と共に、ホウ素及び窒素からなる群から選択された少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の微小X線源。
- 前記電子エミッタは、その電子ビームの出射面が内側に湾曲した形状を有することを特徴とする請求項1に記載の微小X線源。
- 前記電子エミッタの電子ビームの出射面側に、電子引き出し用の金属電極グリッドが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の微小X線源。
- 前記加熱装置は、ペルチェ素子であり、前記ペルチェ素子により前記電子エミッタが温度を制御されることを特徴とする請求項1に記載の微小X線源。
- 前記ターゲットは反射型又は透過型であることを特徴とする請求項1に記載の微小X線源。
- 前記封止管のクリーニング装置は、前記封止管内に水素ガスを供給して前記封止管内部で水素プラズマを発生させることにより、前記封止管内部を清掃することを特徴とする請求項1に記載の微小X線源。
- 炭素系材料からなる電子エミッタと、この電子エミッタを加熱してその温度を制御する加熱装置と、前記電子エミッタから発生する電子ビームを引き出し、加速し、収束する引き出し収束装置と、前記電子ビームが照射されてX線を発生するターゲットと、前記電子エミッタへ紫外線を照射する紫外線照射部と、前記電子エミッタ、前記加熱装置、前記引き出し収束装置及び前記ターゲットを収納して封止する封止管と、前記封止管の内部を清掃するクリーニング装置と、前記電子エミッタの表面に紫外光を照射する紫外光光源とを有し、前記電子エミッタから電界放出する電子に加え、紫外光の照射により発生する光電子を電子ビーム化することを特徴とする微小X線源。
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