JP3810549B2 - 電子時計の構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は時計モジュ−ルから突出して設けた機能装置を備えた携帯用電子時計の配置構造に関し、特に、圧力センサ−等の機能装置を有するダイバ−時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、センサ−等の機能装置を付加した機能時計の発展は目覚ましく、多くの分野で商品化がなされている。電子腕時計の分野でも例外ではなく、水中の圧力差を感知して水深計測を行なうダイバ−時計、又は同じ圧力差でも気圧を計測する高度計付き腕時計をはじめとしてセンサ−を利用する種々のものが商品化されている。しかし、センサ−を利用するためには、従来の時計部品とは全く異なる部品が必要となるとともに、センサ−による計測機能を阻害しないための配慮も必要となる。また電源である電池も腕時計という限られたスペ−スで大きさや容量の面で大きい制約を受けており、センサ−を駆動するための消費電流も最小限に絞り込まれている。
この中で特にダイバ−時計の水深計測を行なう為不可欠な圧力センサ−は、ダイバ−が携帯中に水感スイッチにより水分を感知するとONされ、水深計測がスタ−トする構成となっている。いわば水感スイッチはダイバ−に代わって自動的に水深計測をスタ−トさせる重要なスイッチとなっており、水深計測機能時計には必要不可欠な付加機能となってきている。
【0003】
このような状況下において、電子時計のさらなる小型化、機能性を高める為には、時計の効率の良い配置による小型化はもとより、小型の電源を採用するためのセンサ−の小型化、省力化も必要であり、関連する機能を果すセンサ−とスイッチを時計の同一方向に配し機能の応答性も配慮する必要がある。
【0004】
次に携帯型電子時計のうち、特に水深計測機能付きダイバ−腕時計を例にとって従来の水感スイッチの配置構造について説明する。
従来腕時計の圧力センサー等の突出して設けた機能装置は、時計の外の環境デ−タの変化を測定しているため、時計ケ−スの外周部に開口している構成となっており、測定デ−タを時計モジュ−ルに送り、時計モジュ−ルから電源供給されるための導通部材で時計モジュ−ルと結合されている。
又、腕時計を腕に装着すると、時計の裏蓋側は腕に密着し、文字板側はガラスが装着されている。そのため機能装置を時計に取り付ける位置は時計の側面が一般的であるが、腕に装着するためのバンドが、通常時計の12時方向と6時方向に取り付けられている。又、時計の外部操作部材である巻真やプッシュボタンは時計が腕に装着された場合でも操作可能な様に、時計の12時と6時を結んだ線に対し3時方向側に取り付けられる事が一般的である。従って圧力センサ−や水感スイッチ等の突出して設けた機能装置を配置する位置としては9時方向側が圧倒的に多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
水圧等の圧力を感知する圧力センサ−が、電子時計の3時方向に取り付けられた場合、突出している圧力センサ−部分が装着中に手首に当たってしまい、時計の携帯性を阻害してしまうという問題があり、又水分を感知して所定の機能を果たす水感スイッチが、電子時計の3時方向に取り付けられた場合、時計を腕に装着したまま、手を洗ったりすると、水が付着して水感スイッチが動作してしまったり、手首を曲げる等の動作により水感スイッチに肌が触れる事で水感スイッチが動作し、圧力センサ−のスイッチが入ってしまって電流消費が発生し、電池の寿命を縮めてしまう等の問題があった。
また、3時方向にセンサ−があるため、9時方向に巻真やプッシュボタンを配置すると、クロノグラフ操作等の携帯中の時計操作がやりにくいという操作性を阻害する等の問題があった。
本発明は上記の問題点を解決し、スイッチの誤動作を防止し、操作性のすぐれた電子時計を構成することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の構成は、圧力センサーを取り付けることにより所定の圧力値を計測する電子時計において、電子時計のモジュールと、前記モジュールの時計を操作するための外部操作部材とを備え、前記電子時計の時計バンド取り付け方向である12時方向と6時方向とを結ぶ線の方向に対して、3時方向側には前記外部操作部材を配置し、9時方向側には前記モジュールから突出して水圧等の圧力を感知する圧力センサーを配置するとともに、該圧力センサーを除いた前記9時方向側の位置には水分を感知して前記圧力センサーを動作させるための水感スイッチを配置したことを特徴とする。
そして、前記モジュールは、前記圧力センサーからの信号を回路基板へ導通するための端子シートと、前記スイッチと前記回路基板とを導通するためのバネ部材は、回路基板を挟んでほぼ同じ位置に載置したことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態を示す時計の平面図である。図1において、時計ケ−ス2には12時方向と6時方向に時計バンド(図示していない)を取り付けるバンド取付部2aが構成されており、12時と6時を結ぶ線に対して3時方向側には時計の外部操作部材であるリュ−ズ17とそのリュ−ズ17を挟むように同じく外部操作部材のプッシュボタン(PB)18、19が配置されている。9時方向側には水圧等の圧力を感知する圧力センサ−7とその圧力センサ−7を除いた位置に水分を感知して所定の機能を果たす水感スイッチ1が、図1の実施形態では10時方向に配置されている。時計ケ−ス2には時計モジュール11が収納され、中心に時間を示す時針12、分針13と水深計測時に水深を表示するための深度針9が配置されている。その中心の針を取り囲むように、時計の状態を示すモ−ド針10、秒を表示する秒針14、1日の時間を一回転で表示する24時間針16が、それぞれ独立した表示ダイヤルの中心に配置されている。15は日付けを表示する日窓である。
【0008】
図2は本発明の水感スイッチ部を示す断面図である。又、図3は本発明の圧力センサ−部を示す断面図である。又、図4は本発明の圧力センサ−部と水感スイッチ部を示す平面図である。以下図2、図3、図4を用いて本発明の時計モジュ−ルの構造を説明する。
図2において、金属部材からなる時計ケ−ス2の側面に植設されたパイプ2bは時計ケ−ス2とともに金属部材からなり、時計ケ−ス2と一体化されている。またそのパイプ2bの中心に防水パッキンとしての役割と、絶縁の役割を兼ね備えた絶縁チュ−ブ3を介して軸状金属部材である水感スイッチ1が植設されており、一端は時計ケ−ス2側面外側に露出し、もう一方の端部は時計ケ−スを貫通して時計モジュ−ル11方向に伸びている。
時計モジュ−ル11には詳述していないが、電子時計の心臓部であるic等の電子部品を実装した回路基板6と、その回路基板6のパタ−ンに導通しているバネ部材であるスイッチ接点5が構成され、スイッチ接点5の一端が水感スイッチ1の端部と導通している。この構成により水感スイッチ1は、時計モジュ−ル11のひとつのスイッチ端子として時計ケ−スより外に露出したスイッチとして機能する。
【0009】
時計を携帯していて時計本体が水分を感知すると、すなわち時計を水中に没すると、水感スイッチ1の端面と時計ケ−ス2が水滴により導通し、時計が水中に有る事を認識し、後述する圧力センサ−に電源供給を開始し、時計が水深計測モ−ドで有ることを表示するシステム構成となっている。
【0010】
又、図3においては、時計ケ−ス2の側面に植設されたパイプ2cは時計ケ−ス2とともに金属部材からなり、時計ケ−ス2と一体化されている。またそのパイプ2cの中心に防水パッキンともに圧力センサ−7が植設されており、時計ケ−ス2側面に露出し、開口している。その圧力センサ−7の時計モジュ−ル11方向にセンサ−シ−ト7aが伸びている。又、時計モジュ−ル11の構成部品のひとつである巻真スペ−サ−25のボス25bは、回路基板6の下面側でスイッチ接点5を位置決め載置し、更に回路基板6を通過し、回路基板6の上面側に突出してセンサ−シ−ト7aを位置決め載置している。そのセンサ−シ−ト7aのパタ−ンが回路基板6のパタ−ンと対面接触しネジ20により圧接され導通している。つまり、センサ−シ−ト7aとスイッチ接点5は、回路基板6を挟んでほぼ同じ位置に載置されている。この構成により時計の外の圧力、特に水圧の変化したときの情報を圧力センサ−7からセンサ−シ−ト7aを介して、時計モジュ−ル11に送ることが可能となっている。また時計モジュ−ル11からの電源供給はセンサ−シ−ト7aを介して行なわれている。時計を携帯して水中に潜水すると、時計にかかる水圧を感知し、圧力の変化量を水深として時計表示することが可能となっている。
【0011】
又4図においては、水感スイッチ1からスイッチ接点5を介し、回路基板6の下面方向に導通するスイッチの導通経路と、圧力センサ−7からセンサ−シ−ト7aを介し、回路基板の上面方向に導通するセンサ−の導通経路の平面方向の配置状態を示しており、回路基板6を挟んでほぼ同じ位置に載置されているスイッチ接点5とセンサ−シ−ト7aが、巻真スペ−サ−25のボス25bにより位置決め載置され、ネジ20により圧接固定されている。
【0012】
次に時計の携帯中の機能表示動作を図1から図3により説明する。携帯者が時計を装着して水中に入ると、時計は水感スイッチ1と時計ケ−ス2とが水分を介して通電し水深計測準備状態になり、モ−ド針10がダイビングモ−ドを差し示し、深度針9が時計の12時位置に駆動され0mを表示する。同時に時計モジュ−ル11より圧力センサ−7に駆動電流が流れて、水深計測可能状態となる。次に携帯者がダイビングを開始すると、圧力センサ−が水圧を測定し、時計と携帯者の潜っている深さを時計の深度針9が、瞬時に追従し表示する機能と成っている。水深計測のダイヤルは時計の計時位置をそのまま利用しており、20m潜水時は深度針9は分計測の20分位置を指し示す。又、携帯者がダイビングを終了し時計が水から切り離されると、水感スイッチ1と時計ケ−ス2との導通が切れ、水深計測モ−ドがOFFされ、時計は通常の時刻計測モ−ドに切り替わる構成となっている。
【0013】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、電子時計の12時と6時を結ぶ線に対して、3時方向側には外部操作部材を配置し、9時方向側にはモジュ−ルから突出して圧力センサ−を配置するとともに、該圧力センサ−を除いた位置には圧力センサ−を動作させるための水感スイッチを配置したことで、携帯時に手首曲げ動作等により、水感スイッチの誤作動等を防止し、圧力センサーと水感スイッチとを同方向に配置することで、付加機能の応答性を高め、電池の消費電力を軽減することができる。さらに、圧力センサ−と時計モジュ−ルとの導通部材である端子シ−トと、水感スイッチの接点バネを、回路基板を挟んでほぼ同じ位置に同一の位置決めピンにより載置したことで時計の小型、薄型化が図れる等実用上多大の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す時計の平面図。
【図2】本発明の水感スイッチ部を示す断面図。
【図3】本発明の圧力センサ−部を示す断面図。
【図4】本発明の圧力センサ−部と水感スイッチ部を示す平面図。
【符号の説明】
1 水感スイッチ
2 時計ケ−ス
2a バンド取付部
2b、2c パイプ
3 絶縁チュ−ブ
4 裏蓋
5 スイッチ接点
6 回路基板
7 圧力センサ−
9 深度針
10 モ−ド針
11 時計モジュール
12 時針
13 分針
14 秒針
15 日窓
16 24時間針
17 リュ−ズ
18、19 プッシュボタン
20、30 ネジ
25 巻真スペ−サ−
25a、b ボス
Claims (2)
- 機能装置としての圧力センサーを取り付けることにより所定の圧力値を計測する電子時計において、電子時計のモジュールと、前記モジュールの時計を操作するための外部操作部材とを備え、前記電子時計の時計バンド取り付け方向である12時方向と6時方向とを結ぶ線の方向に対して、3時方向側には前記外部操作部材を配置し、9時方向側には前記モジュールから突出して水圧等の圧力を感知する圧力センサーを配置するとともに、該圧力センサーを除いた前記9時方向側の位置には水分を感知して前記圧力センサーを動作させるための水感スイッチを配置したことを特徴とする電子時計の構造。
- 前記モジュールは、電子部品を搭載した回路基板と、前記圧力センサーからの信号を前記回路基板へ導通するための端子シートと、前記水感スイッチと前記回路基板とを導通するためのバネ部材とを備えており、前記端子シートと前記バネ部材は、前記回路基板を挟んでほぼ同じ位置に載置したことを特徴とする請求項1に記載の電子時計の構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05035598A JP3810549B2 (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | 電子時計の構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05035598A JP3810549B2 (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | 電子時計の構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11248862A JPH11248862A (ja) | 1999-09-17 |
JP3810549B2 true JP3810549B2 (ja) | 2006-08-16 |
Family
ID=12856602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05035598A Expired - Lifetime JP3810549B2 (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | 電子時計の構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3810549B2 (ja) |
-
1998
- 1998-03-03 JP JP05035598A patent/JP3810549B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11248862A (ja) | 1999-09-17 |
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