JP3810231B2 - レーザー墨出し器の光軸バランス調整機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築作業時や部屋の間仕切りなどを行う際、レーザ投射器より天井から壁面にかけて通り芯あるいは「たち」と呼ばれる基準線、あるいは壁面に「ろく」と呼ばれる基準線を投射するレーザー墨出し器のレーザー光軸バランス調整機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光は、本来横断面が楕円形の光であるが、コリメートレンズおよび軸線をその光軸に対して水平としたロッドレンズを通すことにより、一条の鉛直光線となる。また、コリメートレンズおよび軸線をその光軸に対して垂直としたロッドレンズを通すことにより、一条の水平光線となる。
レーザ墨出し器は、このような鉛直光線又は水平光線を投射するレーザー投光器を利用したもので、ジンバル機構により支持されたレーザーユニットホルダーを備え、このレーザーユニットホルダーの所定位置にレーザー投光器を備えたレーザーユニットが支持されている。レーザー墨出し器は、上記レーザーユニットから投射される基準線が正しく垂直及び水平となるように調整する必要がある。
【0003】
従って、レーザーユニットがレーザーユニットホルダーの所定位置に支持されていても、レーザーユニットを含むレーザーユニットホルダー全体のバランスがとれていなければ、レーザーユニットによって壁面に投射される基準線が正確に垂直又は水平を示すことはできず、墨出し器として用をなさない。従って、レーザー墨出し器における光軸バランス調整を正確に行う必要がある。
【0004】
従来のレーザー墨出し器における光軸バランス調整機構を図21、図22に示す。図21において、図示しないレーザーユニットが取り付けられたレーザーユニットホルダー14はジンバル機構により互いに直交する2軸を中心に揺動可能に支持されている。レーザーユニットホルダー14の外周には、円筒状のバランスウエイト34がレーザーユニットホルダー14と一定のクリアランスを有して配置されている。バランスウエイト34にはレーザーユニットホルダー14を挟んで一対のネジ孔35が設けられ、これらのネジ孔35にウエイト調整用ネジ36が螺合され、各ウエイト調整用ネジ36の先端がレーザーユニットホルダー14の外周面に当接することにより、ウエイト調整用ネジ36が取り付けられている。一対のウエイト調整用ネジ36を調整してバランスウエイト34を移動させることにより、壁面に投射されるレーザー光の垂直度、水平度の調整を行い光軸バランス調整を行うようになっている。
また、図22に示すようにレーザーユニットホルダー14の外周にネジ37を取り付け、このネジ37に雌ネジを有するバランスウエイト38を螺合させ、バランスウエイト38を回転させることにより重心位置を変化させて光軸バランス調整を行い、レーザー光の垂直度、水平度の調整を行うものも知られている。
【0005】
しかし、図21に示す調整機構では、バランスウエイト34とレーザーユニットホルダー14との間にクリアランスが必ず必要であり、しかもバランスウエイト34の外周からウエイト移動用ネジ35が突出しているため、調整機構自体が大きくなり、墨出し器全体が大きくなってしまうといった問題があった。
また、図22に示す調整機構においても、大きなバランスウエイト38をレーザーユニットホルダー14に対し直交する方向に移動させるため、調整機構自体が大きくなり、墨出し器全体が大きくなってしまうといった問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、微妙なバランス調整が可能で、調整の効率がよく、小型化を可能としたレーザー墨出し器のレーザー光軸バランス調整機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1記載の発明は、ジンバル機構により揺動可能に支持されたレーザーユニットホルダーと、このレーザーユニットホルダーに取り付けられた一又は二以上のレーザーユニットとを有してなるレーザー墨出し器において、上記レーザーユニットホルダーの外周には回転軸から重心がずれている偏心ウエイトが回転可能に嵌合され、上記レーザーユニットホルダーの外周には、ネジの螺合により重心を変化させるサブウエイトが取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、レーザーユニットは、レーザー発光素子と、このレーザー発光素子から出射されるレーザー光の光軸上に配置されたコリメータレンズ及びロッドレンズとを有してなることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、レーザーユニットの少なくとも一つは、レーザー発光素子と、このレーザー発光素子から出射されるレーザー光の光軸上に配置されたコリメータレンズ及びロッドレンズとを有し、他のレーザーユニットの一つは、レーザー発光素子と、このレーザー発光素子から出射されるレーザー光の光軸上に配置されたコリメータレンズとを有するものであることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、偏心ウエイトは、円筒を互いに平行でない平面により切断した形状であることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、偏心ウエイトは、端面に段差が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、ジンバル機構により揺動可能に支持されたレーザーユニットホルダーと、このレーザーユニットホルダーに取り付けられた一又は二以上のレーザーユニットとを有してなるレーザー墨出し器において、上記レーザーユニットホルダーの外周には回転軸から重心がずれている偏心ウエイトが回転可能に嵌合され、上記偏心ウエイトの外周にはネジの螺合により重心を変化させるサブウエイトが取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかるレーザー墨出し器の光軸バランス調整機構の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本発明に用いることができるレーザー墨出し器1の外形は、ほぼ円板状に形成された基台10と、この基台10上に被せられるメインカバー30とを有してなる。この基台10およびメインカバー30はともにステンレス等により成形されている。レーザー墨出し器1の安定性を高めるために、基台10の底面にはその周囲に等間隔に3本のレッグ11が取り付けられ、レッグ11の下端部には同じ高さの円錐状のアジャスター111がその先端を床に向けて取り付けられている。
【0014】
基台10の上面側には、3本の支柱12が鉛直方向に立設して取り付けられ、支柱12の上端部には、2軸構成のジンバル機構100によりレーザーユニットホルダー14が揺動可能に取り付けられている。
【0015】
ここで、ジンバル機構100の構成について説明する。図4に2軸構成のジンバル機構の構成例を示し、図5に1軸構成のジンバル機構の構成例を示す。
図4に示す2軸構成のジンバル機構100では、径の異なるジンバルリングを三重に設け、外側のジンバルリング56の外周は、上記3本の支柱12に略水平に固定されている。揺動基準軸となるベアリングシャフト13aの一端は、ジンバルリング56の内周側から半径方向外側に向かい挿入されて固定され、他端はジンバルリング57の内部に保持されたベアリング141aを貫通するとともにジンバルリング57に嵌合されている。上記ベアリングシャフト13aとベアリング141aは、ジンバルリング56、57の中心を挟んで両側に対をなして設けられ、ジンバルリング56とジンバルリング57とが一対のベアリングシャフト13aを中心に相対回転可能となっている。
【0016】
また、別のベアリングシャフト13bの一端は、ジンバルリング57の内周側から半径方向外側に向かい挿入されて固定され、他端はジンバルリング58の内部に保持されたベアリング141bを貫通するとともにジンバルリング57に嵌合されている。上記ベアリングシャフト13bとベアリング141bは、ジンバルリング57、58の中心を挟んで両側に対をなして設けられ、ジンバルリング57とジンバルリング58とが一対のベアリングシャフト13bを中心に回転可能となっている。ジンバルリング58はレーザーユニットホルダー14の上部外周面に固定されている。
【0017】
ベアリングシャフト13aとベアリングシャフト13bとは、それぞれ軸方向が直角となるように取り付けられ、レーザーユニットホルダー14は、ベアリングシャフト13aを中心に揺動可能となっており、また、ベアリングシャフト13bを中心に揺動可能となっている。
【0018】
なお、図2に示す実施の形態においては、図4に示した2軸構成のジンバル機構100を用いているが、図5に示す1軸構成のジンバル機構を用いることも可能である。
図5に示す1軸構成のジンバル機構では、ジンバル機構の揺動基準軸となるベアリングシャフト13の一端は、ジンバルリング59の内周側から半径方向に向かい挿入されて固定され、他端はジンバルリング60の内部に保持されたベアリング141を貫通するとともに、ジンバルリング60に嵌合されている。ジンバルリング60はレーザーユニットホルダー14の上部外周面に固定されている。従って、レーザーユニットホルダー14は、ベアリングシャフト13を中心に揺動可能となっている。
なお、上記のジンバル機構はいずれも周知のものである。
【0019】
図1、図2において、本実施の形態では、レーザーユニットホルダー14はアルミ合金からなり、ジンバル機構100の上方には、垂直ライン用レーザーユニット20aが取り付けられている。垂直ライン用レーザーユニット20aは、レーザー光の出射方向が斜め上向きになるように、レーザーユニットホルダー14の上方に傾斜させて取り付けられている。また、ジンバル機構100の下方で、レーザーユニットホルダー14の中段位置には、レーザー光の出射方向が略水平となるように水平ライン用レーザーユニット20bが取り付けられている。さらに、レーザーユニットホルダー14の下端には、レーザー光の出射方向が鉛直下方となるように地墨用レーザーユニット20cが取り付けられている。
【0020】
上記のような構成により、レーザーユニットホルダー14に取り付けられた垂直ライン用レーザーユニット20a、水平ライン用レーザーユニット20b、地墨用レーザーユニット20c及び後述の制動用プレート15等からなる揺動部分全体の重心は、ベアリングシャフト13よりも下方に設定されている。
【0021】
垂直ライン用レーザーユニット20aは、図6、図7に示すように、発光ユニット21と、同発光ユニット21の正面開口部に取り付けられたロッドレンズ22とを備えている。発光ユニット21のホルダー211内には、レーザーダイオード212とコリメータレンズ213が収納されており、ホルダー211の後端にはレーザーダイオード212の駆動回路基板213が取り付けられている。ロッドレンズ22は、その軸線がレーザーダイオード212から発光されるレーザー光の光軸に対して直角になるように、レンズホルダー221を介して発光ユニット21に水平方向に取り付けられている。レーザーダイオード212から射出されるレーザー光は横断面形状が楕円形の拡散光で、このレーザー光はコリメータレンズ213で一定の大きさの平行光束となり、さらにロッドレンズ22によって垂直方向にのみ引き延ばされたレーザー光となる。
【0022】
また、水平ライン用レーザーユニット20bは、上記垂直ライン用レーザーユニット20aと同様の構成であるが、ロッドレンズ22によって水平方向にのみ引き延ばされたレーザー光が出射されるようになっている。
【0023】
地墨用レーザーユニット20cは、上記垂直ライン用レーザーユニット20aの構成において、ロッドレンズを有さず、レーザー光はコリメータレンズ213で一定の大きさの平行光束とされ、点光線状に出射されるようになっている。
【0024】
ここで、地墨レーザーユニット20cのレーザーユニットホルダー14に対する傾角調整機構について説明する。図16、図17、図18に示すように、レーザーユニットホルダー14の底部には、地墨レーザーユニット20cを挿入可能な孔61が設けられている。地墨レーザーユニット20cは底板62に出射側端面を当接して取り付けられ、底板62の中央部はレーザー光が通過可能な穴63が設けられている。底板62には一対の押しネジ64、64と一対の引きネジ65、65がねじ込まれている。一対の押しネジ64、64を結ぶ線と一対の引きネジ65、65を結ぶ線は互いに直交するように配置されている。押しネジ64の端部はレーザーユニットホルダー14の底面に当接し、引きネジ65の端部はレーザーユニットホルダー14の底面に設けられたネジ孔に螺合している。これらネジを互いに調整することにより、底板62に取り付けられた地墨レーザーユニット20cの傾角調整を行うことができる。
【0025】
また、図19、20に示すように、押しネジ又は引きネジの外周にコイルバネ66を配置し、バネの付勢力を利用し傾角調整を行うようにしてもよい。
【0026】
図1、図2において、レーザーユニットホルダー14の下部には、制動用プレート15が取り付けられている。本実施の形態では、図24に示すように、制動用プレート15はレーザーユニットホルダー14から水平方向に突出するように取り付けられている。基台10(図1参照)の上面には、コの字状に折り曲げられたヨーク16がねじ止めされている。ヨーク16の互いに平行で水平方向の各折り曲げ辺の相対向する内側面には、マグネット161、161がそれぞれ取り付けられている。この対をなすマグネット161、161間に形成された磁気ギャップ内に上記制動用プレート15が水平面内で移動可能に配置されている。すなわち、ヨーク16、マグネット161、161、上記制動用プレート15によって周知の磁気ダンパを構成している。
【0027】
従来においては、図8に示すように、金属プレート41をL字型に折り曲げて、レーザーユニットホルダー14に取り付けてレーザーユニットホルダー14の側方に突出させ、U字型ヨーク16の相対向する垂直片の内面に設けた磁石43、43間の磁気ギャップ内に上記金属プレート41の垂直片を位置させるか、または図9に示すように、金属プレート42をレーザーユニットホルダーの下面に水平に取り付け、その下方に固定したベース44上に適宜数の磁石43を設け、この磁石43と上記金属プレート42との間に磁気ギャップを形成する構成としていた。しかし、図8に示す構成では、1軸方向の動きしか止めることができなかった。また、図9に示す構成では、図の互いに直交する2軸方向の動きを止めることはできるが、磁気回路を円周上に数個配置しなければならず、制動機構が大きくなり、コストが増加するといった問題があった。
【0028】
しかし、本実施の形態においては、図24に示すように制動用プレート15はレーザーユニットホルダー14から側方に水平方向に、かつ、互いに直交する2軸を中心としたレーザーユニットホルダー14の揺動方向に延びていて、この金属プレート15を上下のマグネット161で挟み込んでいる。これによりレーザーユニットホルダー14の揺動とともに制動用プレート15が上記磁気ギャップ内を移動すると、この移動速度に応じた誘導電流が制動用プレート15に流れ、この誘導電流によって上記移動の向きとは逆向きの駆動力を発生させるため、レーザーユニットホルダー14が鉛直方向に向いた姿勢で円滑に静止することができる。しかも、磁気回路は一つだけであるにもかかわらず、互いに直交する2軸方向の揺動に対して制動を行うことができるため、制動機構を簡略化でき、墨出し器全体の小型化が可能となり、コスト削減を図ることができる。
【0029】
図2に示すように、メインカバー30と、垂直ライン用レーザーユニット20aのレーザー出射面とが対向する角部には、レーザー光を外部に出射するための開口部31がメインカバー30の上面から側面にかけて斜めに形成されている。上記開口部31には透明な防塵カバー311が嵌め込まれている。防塵カバー311には図示しないレーザー出射窓が設けられ、レーザー出射窓は、通り芯としてのレーザー光が部屋の天井から壁面にかけて投射されるように上下方向のスリット孔が設けられている。
【0030】
また、メインカバー30と水平ライン用レーザーユニット20bのレーザー出射面とが対向する位置には凹部29が設けられ、この凹部29の奥側には透明な防塵カバー291が嵌め込まれている。防塵カバー291には図示しないレーザー出射窓が設けられ、レーザー出射窓は、通り陸としてのレーザー光が部屋の側面に水平方向に投射されるように左右方向のスリット孔が設けられている。
このように凹部29の奥側に防塵カバー291を設けることにより、防塵カバーをレーザーユニットに近づけることができるため、防塵カバー自体を小さくすることができる。防塵カバーを小さくすると、精度が良くなり、レーザー光を歪める危険性も少なくなる。さらに、傷や汚れの影響も少なくすることができる。なお、防塵カバーはその保持部材とともに墨出し機本体外側から着脱可能としてもよい。
【0031】
次に光軸バランス調整機構について説明する。
図3に示すように、レーザーユニットホルダー14の下方部外周には、回転軸から重心がずれている偏心ウエイト51が回転可能に嵌合されている。また、レーザーユニットホルダー14の外周であって、上記偏心ウエイト51の下面と対向する位置には、抜け止め52が設けられている。偏心ウエイト51の外周には、ネジの螺合により重心を変化させるサブウエイト53が取り付けられている。
【0032】
また、レーザーユニットホルダー14の外周であって、偏心ウエイト51の上側には、回転軸から重心がずれている別の偏心ウエイト54が回転可能に嵌合されている。偏心ウエイト54の外周には、ネジの螺合により重心を変化させるサブウエイト55が取り付けられている。
【0033】
上記光軸バランス調整機構については、図10に基づいて説明する。レーザーユニットホルダー14は、ベアリングシャフト13aを中心として揺動可能となり、また、ベアリングシャフト13bを中心として揺動可能となっている。
【0034】
レーザーユニットホルダー14の外周には、偏心ウエイト51、54が摩擦力をもって嵌まっており、手動により回転可能となっている。
光軸バランス調整に際しては、先ず偏心ウエイト51、54をレーザーユニットホルダー14の外周において回動させ、それぞれベアリングシャフト13a,13bを中心として揺動可能なレーザーユニットホルダー14の垂直度を出し、光軸バランスの粗調整を行う。その後、サブウエイト53に設けられた雌ネジ53aを回転させることによりベアリングシャフト13bを中心とした揺動の微調整を行う。また、サブウエイト55に設けられた雌ネジ55aを回転させることによりベアリングシャフト13aを中心とした揺動の微調整を行う。ここで、レーザーユニットホルダー14の垂直度とは、垂直ライン用レーザーユニット20aが正確に鉛直線を描き、水平ライン用レーザーユニット20bが正確に水平線を描くことができることをいう。
このように偏心ウエイトとサブウエイトを別個に設けることにより、レーザーユニットホルダーの微妙なバランス調整が可能となり、効率よく精密な墨出し線を得ることができる。
【0035】
なお、回転軸から重心がずれている偏心ウエイトは、図11に符号32で示すように円筒を互いに平行でない平面により切断した形状であってもよく、また、図12に示すように図11に示した偏心ウエイトの端面に段差を設けた形状であってもよい。また、サブウエイトは、雄ネジに雌ネジが螺合された構成に限定されるものではなく、スライド可能なピン、重りなどでもよい。
【0036】
また、図13に示すように、サブウエイト53、55を偏心ウエイト51、54の外周ではなく、レーザーユニットホルダー14の外周に直接取り付けた構造としてもよい。この場合、サブウエイト53の軸方向は、ベアリングシャフト13bと同じ方向とし、サブウエイト55の軸方向は、ベアリングシャフト13aと同じ方向とする。
【0037】
また、1軸構成のジンバル機構の場合は、図14に示すようにレーザーユニットホルダー14の外周に1つの偏心ウエイト32を嵌合させ、この偏心ウエイト32の外周面にネジの螺合により重心を変化させるサブウエイト33を取り付けてもよい。
また、図15に示すようにレーザーユニットホルダー14の外周に偏心ウエイト32を嵌合させ、レーザーユニットホルダー14の外周であって、ベアリングシャフト13と直角方向には、ネジの螺合により重心を変化させるサブウエイト33を取り付けてもよい。
【0038】
なお、図23、図25に示すように、レーザーユニットホルダー14の移動限界位置に例えばリング状のリミットスイッチ接点71を設け、レーザーユニットホルダー14本体またはレーザーユニットホルダー14に取り付けられた導体75と上記リミットスイッチ接点71とが接触したときこれを検出するスイッチ回路72を設ける。そして、このスイッチ回路72と電源73との間にLD発光回路74を設ける。これにより、レーザー墨出し器1を使用中にレーザーユニットホルダー14又は導体75がリミットスイッチ接点71に接触した場合、すなわち可動限界に達した場合、この接触を電気的に検出し、LDを消灯させることにより使用者に知らせるようにしてもよい。
また、図26に示すように、リミットスイッチ接点711、712とレーザーユニットホルダー14に取り付けられた導体76とを接点として、可動限界を検出するようにしてもよい。
なお、導体75、76は導電性の弾性体、例えばゴムやスポンジを利用することにより、移動限界位置に達する際の衝撃を緩和することができる。また、リミットスイッチ71はリング状のものに限られず、適宜設計変更可能である。
【0039】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ジンバル機構により揺動可能に支持されたレーザーユニットホルダーと、このレーザーユニットホルダーに取り付けられた一又は二以上のレーザーユニットとを有してなるレーザー墨出し器において、上記レーザーユニットホルダーの外周には偏心ウエイトが回転可能に嵌合され、上記レーザーユニットホルダーの外周であって揺動平面と平行な方向には、ネジの螺合により重心を変化させるサブウエイトが取り付けられているため、重心が予め偏心されている偏心ウエイトによりレーザーユニットホルダーの垂直度の粗調整を行い、その後サブウエイトにより微調整を行うことができ、微妙なバランス調整を効率よく行うことができる。
【0040】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載のレーザー墨出し器の光軸バランス調整機構において、偏心ウエイトは、円筒を互いに平行でない平面により切断した形状であるため、効率よくレーザーユニットの垂直度の粗調整を行うことができる。
【0041】
請求項5記載の発明によれば、請求項1記載のレーザー墨出し器の光軸バランス調整機構において、偏心ウエイトは、端面に段差が設けられているため、効率よくレーザーユニットの垂直度の粗調整をすることができる。
【0042】
請求項6記載の発明によれば、ジンバル機構により揺動可能に支持されたレーザーユニットホルダーと、このレーザーユニットホルダーに取り付けられた一又は二以上のレーザーユニットとを有してなるレーザー墨出し器において、上記レーザーユニットホルダーの外周には偏心ウエイトが回転可能に嵌合され、上記偏心ウエイトの外周にはネジの螺合により重心を変化させるサブウエイトが取り付けられているため、重心が予め偏心されている偏心ウエイトによりレーザーユニットホルダーの垂直度の粗調整を行い、その後サブウエイトにより微調整を行うことができ、微妙なバランス調整を効率よく行うことができる。しかも、調整機構自体が小さくなり、墨出し器全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることができるレーザ墨出し器の一例を示す側面図である。
【図2】同上の側断面図である。
【図3】同上正面図である。
【図4】本発明に用いることができるジンバル機構の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明に用いることができるジンバル機構の別の例を示す斜視図である。
【図6】本発明に用いることができるレーザーユニットの一例を示す平面図である。
【図7】同上の側面断面図である。
【図8】従来の墨出し器に用いられていた制動機構における磁気回路と金属プレートの配置関係の一例を示す側面図である。
【図9】従来の墨出し器に用いられていた制動機構における磁気回路と金属プレートの配置関係の別の例を示す側面図である。
【図10】本発明に用いることができる偏心ウエイトとサブウエイトの取付例を示す斜視図である。
【図11】本発明に用いることができる偏心ウエイトの一例を示す斜視図である。
【図12】本発明に用いることができる偏心ウエイトの別の例を示す斜視図である。
【図13】本発明に用いることができる偏心ウエイトとサブウエイトの別の取付例を示す斜視図である。
【図14】本発明に用いることができる偏心ウエイトとサブウエイトの別の取付例を示す斜視図である。
【図15】本発明に用いることができる偏心ウエイトとサブウエイトのさらに別の取付例を示す斜視図である。
【図16】 本発明に用いることができる地墨レーザーユニットの傾角調整機構の一例を示す正面図である。
【図17】 同上の側面図である。
【図18】 同上の下面図である。
【図19】 本発明に用いることができる地墨レーザーユニットの傾角調整機構の別の例を示す正面図である。
【図20】 同上の側面図である。
【図21】従来の墨出し器に用いられていたバランスウエイトの一例を示す斜視図である。
【図22】従来の墨出し器に用いられていたバランスウエイトの別の例を示す斜視図である。
【図23】本発明に用いることができるレーザユニットホルダーの移動限界検知機構の一例を示す側面図である。
【図24】本発明に用いることができる制動機構の磁気回路と金属プレートの配置関係の一例を示す側面図である。
【図25】本発明に用いることができるレーザユニットホルダーの移動限界検知機構の別の例を示す側面図である。
【図26】本発明に用いることができるレーザユニットホルダーの移動限界検知機構のさらに別の例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 レーザー墨出し器
14 レーザーユニットホルダー
20a レーザーユニット
20b レーザーユニット
20c レーザーユニット
51 偏心ウエイト
53 サブウエイト
54 偏心ウエイト
55 サブウエイト
Claims (6)
- ジンバル機構により揺動可能に支持されたレーザーユニットホルダーと、このレーザーユニットホルダーに取り付けられた一又は二以上のレーザーユニットとを有してなるレーザー墨出し器において、
上記レーザーユニットホルダーの外周には回転軸から重心がずれている偏心ウエイトが回転可能に嵌合され、
上記レーザーユニットホルダーの外周には、ネジの螺合により重心を変化させるサブウエイトが取り付けられていることを特徴とするレーザー墨出し器の光軸バランス調整機構。 - 前記レーザーユニットは、レーザー発光素子と、このレーザー発光素子から出射されるレーザー光の光軸上に配置されたコリメータレンズ及びロッドレンズとを有してなることを特徴とする請求項1記載のレーザー墨出し器の光軸バランス調整機構。
- 前記レーザーユニットの少なくとも一つは、レーザー発光素子と、このレーザー発光素子から出射されるレーザー光の光軸上に配置されたコリメータレンズ及びロッドレンズとを有し、
他のレーザーユニットの一つは、レーザー発光素子と、このレーザー発光素子から出射されるレーザー光の光軸上に配置されたコリメータレンズとを有するものであることを特徴とする請求項1記載のレーザー墨出し器の光軸バランス調整機構。 - 前記偏心ウエイトは、円筒を互いに平行でない平面により切断した形状であることを特徴とする請求項1記載のレーザー墨出し器の光軸バランス調整機構。
- 前記偏心ウエイトは、端面に段差が設けられていることを特徴とする請求項1記載のレーザー墨出し器の光軸バランス調整機構。
- ジンバル機構により揺動可能に支持されたレーザーユニットホルダーと、このレーザーユニットホルダーに取り付けられた一又は二以上のレーザーユニットとを有してなるレーザー墨出し器において、
上記レーザーユニットホルダーの外周には回転軸から重心がずれている偏心ウエイトが回転可能に嵌合され、
上記偏心ウエイトの外周にはネジの螺合により重心を変化させるサブウエイトが取り付けられていることを特徴とするレーザー墨出し器の光軸バランス調整機構。
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