JP3809511B2 - 揮発性有機化合物の測定方法および測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分析気体に含まれるホルムアルデヒドやトルエンなどをはじめとする揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)の総量を測定するための方法および当該方法を実行するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅の気密化に伴い、建築材料や接着剤などから放出される揮発性有機化合物がシックハウス症候群や化学物質過敏症などの原因となることが報告されており、健康への影響の懸念から社会的な問題となっている。我が国においては、現在、厚生労働省によりホルムアルデヒドやトルエンを含む11の揮発性有機化合物について室内濃度指針値が定められ、その総量(総揮発性有機化合物:TVOC)に関しても400μg/m3(新築住宅は1000μg/m3)という暫定目標値が示されるなど、対策が進められている。
揮発性有機化合物への対策を検討する上で、揮発性有機化合物汚染の指標となる総揮発性有機化合物の濃度の測定は重要である。今日、総揮発性有機化合物の濃度の測定は、ガスクロマトグラフ・質量分析計(GC−MS)やガスクロマトグラフ・水素炎イオン化検出器(GC−FID)などを用いて個々の揮発性有機化合物の濃度を測定し、これを加算する方法が採られている。しかし、室内には数百種類にも及ぶ揮発性有機化合物が存在するので個々の揮発性有機化合物の濃度を測定することには大変な労力を要するとともに測定の限界もある。このような点に鑑み、下記特許文献1においては、トルエンまたはキシレンの濃度から総揮発性有機化合物の濃度を推定する方法が提案されているが、さらに優れた総揮発性有機化合物の濃度を測定する方法が望まれている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−257811号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、新規な揮発性有機化合物の測定方法および当該方法を実行するための装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の点に鑑みてなされた本発明の揮発性有機化合物の測定方法は、請求項1記載の通り、分析気体の導入口と排出口、揮発性有機化合物分解能を有する光触媒の固定部を備え、分析気体が光触媒固定部の表面に導通された後に排出されるように気体流路が構成された筒型構造の揮発性有機化合物分解装置であって、筒型構造の内壁の少なくとも一部に光触媒固定部が形成され、その内部に光触媒固定部の表面における光触媒反応を活性化するための光源が光触媒固定部が形成された内壁との間に間隙が存するように配設され、この間隙を気体流路とした構造を有する揮発性有機化合物分解装置に分析気体を導入し、分析気体に揮発性有機化合物が含まれている場合にはこれを光触媒固定部の表面において光触媒反応により二酸化炭素に分解せしめた後、揮発性有機化合物分解装置から排出される二酸化炭素の濃度を測定することで分析気体に含まれていた揮発性有機化合物の総量を測定することを特徴とする。
また、請求項2記載の方法は、分析気体の導入口と排出口、揮発性有機化合物分解能を有する光触媒の固定部を備え、分析気体が光触媒固定部の表面に導通された後に排出されるように気体流路が構成された筒型構造の揮発性有機化合物分解装置であって、光透過性素材で構成された筒体構造の内部に光触媒固定部を側面に形成した棒状部材が筒体構造の内側壁との間に間隙が存するように配設され、この間隙を気体流路とし、外光によって光触媒固定部の表面における光触媒反応を活性化する構造を有する揮発性有機化合物分解装置に分析気体を導入し、分析気体に揮発性有機化合物が含まれている場合にはこれを光触媒固定部の表面において光触媒反応により二酸化炭素に分解せしめた後、揮発性有機化合物分解装置から排出される二酸化炭素の濃度を測定することで分析気体に含まれていた揮発性有機化合物の総量を測定することを特徴とする。
また、請求項3記載の方法は、請求項1または2記載の方法において、揮発性有機化合物分解能を有する光触媒が、酸化チタンであることを特徴とする。
また、請求項4記載の方法は、請求項1記載の方法において、光源が、紫外光ランプまたは可視光ランプであることを特徴とする。
また、請求項5記載の方法は、請求項1または2記載の方法において、分析気体に揮発性有機化合物と二酸化炭素が含まれている可能性がある場合、分析気体を予めコールドトラップに導入し、揮発性有機化合物が選択的に冷却凝集する温度にて揮発性有機化合物だけを濃縮することで二酸化炭素を分析気体から除去した後、冷却凝集した揮発性有機化合物を気化加熱してからこれをキャリアガスとともに揮発性有機化合物分解装置に導入することを特徴とする。
また、請求項6記載の方法は、請求項5記載の方法において、キャリアガスが、酸素を混合させた不活性ガスであることを特徴とする。
また、請求項7記載の方法は、請求項1または2記載の方法において、揮発性有機化合物分解装置から排出された二酸化炭素の濃度を非分散型赤外線分析計に導いて測定することを特徴とする。
また、本発明の分析気体に含まれている揮発性有機化合物の総量を測定するための装置は、請求項8記載の通り、分析気体の導入口と排出口、揮発性有機化合物分解能を有する光触媒の固定部を備え、分析気体が光触媒固定部の表面に導通された後に排出されるように気体流路が構成された筒型構造の揮発性有機化合物分解装置であって、筒型構造の内壁の少なくとも一部に光触媒固定部が形成され、その内部に光触媒固定部の表面における光触媒反応を活性化するための光源が光触媒固定部が形成された内壁との間に間隙が存するように配設され、この間隙を気体流路とした構造を有する揮発性有機化合物分解装置と、揮発性有機化合物分解装置から排出される二酸化炭素の濃度を測定する装置を少なくとも備えてなることを特徴とする。
また、請求項9記載の装置は、分析気体の導入口と排出口、揮発性有機化合物分解能を有する光触媒の固定部を備え、分析気体が光触媒固定部の表面に導通された後に排出されるように気体流路が構成された筒型構造の揮発性有機化合物分解装置であって、光透過性素材で構成された筒体構造の内部に光触媒固定部を側面に形成した棒状部材が筒体構造の内側壁との間に間隙が存するように配設され、この間隙を気体流路とし、外光によって光触媒固定部の表面における光触媒反応を活性化する構造を有する揮発性有機化合物分解装置と、揮発性有機化合物分解装置から排出される二酸化炭素の濃度を測定する装置を少なくとも備えてなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の揮発性有機化合物の測定方法は、分析気体の導入口と排出口、揮発性有機化合物分解能を有する光触媒の固定部を備え、分析気体が光触媒固定部の表面に導通された後に排出されるように気体流路が構成された揮発性有機化合物分解装置に分析気体を導入し、分析気体に揮発性有機化合物が含まれている場合にはこれを光触媒固定部の表面において光触媒反応により二酸化炭素に分解せしめた後、揮発性有機化合物分解装置から排出される二酸化炭素の濃度を測定することで分析気体に含まれていた揮発性有機化合物の総量を測定することを特徴とするものである。
つまり、本発明の揮発性有機化合物の測定方法は、光触媒反応、即ち、光触媒の作用によって酸素や水分から発生する活性酸素種との反応により、揮発性有機化合物が二酸化炭素に分解される性質を利用し、分析気体に含まれていた揮発性有機化合物から生成する二酸化炭素の濃度を測定することで揮発性有機化合物の総量を二酸化炭素量または炭素量に換算して測定するというものであり、これまでにない全く新しい測定方法である。本発明の揮発性有機化合物の測定方法によれば、所定時間ごとに連続して揮発性有機化合物の測定を簡便に行うことができる。
【0007】
本発明の揮発性有機化合物の測定方法は、分析気体の導入口と排出口、揮発性有機化合物分解能を有する光触媒の固定部を備え、分析気体が光触媒固定部の表面に導通された後に排出されるように気体流路が構成された揮発性有機化合物分解装置と、揮発性有機化合物分解装置から排出される二酸化炭素の濃度を測定する装置を少なくとも備えてなる、分析気体に含まれている揮発性有機化合物の総量を測定するための装置を用いて実行される。
【0008】
このうち、好適に用いられる揮発性有機化合物分解装置の代表的なものとしては、その内壁の少なくとも一部に光触媒固定部が形成され、その内部に光触媒固定部の表面における光触媒反応を活性化するための光源が光触媒固定部が形成された内壁との間に間隙が存するように配設され、この間隙を気体流路としたものが挙げられる。このような装置の一例の概略断面を図1に示す。
【0009】
図1に示す揮発性有機化合物分解装置1は、例えば筒体構造を有する。装置1において符号2はガラス管であり、その内側壁に揮発性有機化合物分解能を有する光触媒を固定することで、光触媒固定部3が形成されている。ガラス管2の内側壁への揮発性有機化合物分解能を有する光触媒の固定化は、例えば、光触媒として酸化チタンを用いる場合、ガラス管の内側壁をフッ酸処理することで表面を凹凸にし、ここにバインダー樹脂としてのポリテトラフルオロエチレン(PPTFE)に酸化チタン微粒子とヒドロキシアパタイト(水酸化リン酸カルシウム)のブレンド体を有機溶媒中で均一混合して得られるエマルジョン組成物を塗布してから成膜化することで行えばよい。このようにして形成された光触媒固定部はガラス管の内側壁に強固に保持されており、耐久性に優れるという利点がある。ガラス管2の内部には、光触媒固定部3における光触媒反応を活性化するための光源4がガラス管の内側壁との間に間隙が存するように配設され、導入口5から装置内に導入された分析気体が排出口6から排出されるまでの気体流路が確保されている(矢示参照)。光源4は、光触媒固定部3における光触媒反応を活性化することができるものであればどのようなものであってもよく、例えば、紫外光ランプや可視光ランプを好適に用いることができる。なお、光源が汚損することを防ぐ目的で、光源を石英管の内部に挿入して配設するようにしてもよい。また、揮発性有機化合物分解装置1には、その内部を洗浄するための洗浄水を注入するための注入口と排水するための排水口を設けてもよい。
【0010】
図1に示した揮発性有機化合物分解装置を含む、分析気体に含まれている揮発性有機化合物の総量を測定するための装置として望ましい態様の一例の概略を図2に示す。揮発性有機化合物の総量の測定を行うための基本骨子となる手順は、揮発性有機化合物分解装置1の導入口5から分析気体を導入し、分析気体に揮発性有機化合物が含まれている場合にはこれを装置内部の光触媒固定部(図1参照)の表面において光触媒反応により二酸化炭素に分解し、生成した二酸化炭素を排出口6から排出した後に二酸化炭素濃度測定装置11にてその濃度を測定するというものである。二酸化炭素濃度測定装置としては、例えば、非分散型赤外線分析計(ND−IR:Nondispersive Infrared Analyzer)が用いられる。
【0011】
分析気体が室内空気のような場合、分析気体には建築材料や接着剤などから放出された揮発性有機化合物と空気中の二酸化炭素が含まれている。空気中の二酸化炭素の濃度は約360ppmであるのに対し、室内空気中の総揮発性有機化合物の濃度はせいぜい数ppm程度である。このような分析気体を直接的に揮発性有機化合物分解装置に導入した場合、装置から排出される二酸化炭素は、揮発性有機化合物が分解されて生成した二酸化炭素と空気中の二酸化炭素が混じりあったもので、その大部分が空気中の二酸化炭素ということになり、揮発性有機化合物が分解されて生成した二酸化炭素の濃度を測定することができないといった事態を招く。そこで、図2に示した装置においては、揮発性有機化合物と二酸化炭素の沸点の違いを利用し、揮発性有機化合物は冷却凝集するが二酸化炭素(沸点−78.5℃)はそのまま排気されるような温度(−35℃〜−25℃)に設定されたコールドトラップ12に分析気体を吸引ポンプ13を用いて予め導入し、揮発性有機化合物を選択的に冷却凝集させて濃縮することで二酸化炭素を分析気体から除去した後、冷却凝集した揮発性有機化合物を気化加熱してからこれをキャリアガスとともに揮発性有機化合物分解装置1に導入するという構成を採る。このような操作はマニホールド14を用いて容易に実行することができる。以上の構成によれば、室内空気のように分析気体に揮発性有機化合物がごく微量にしか含まれていない反面、二酸化炭素が多量に含まれているような場合であっても、揮発性有機化合物の総量の濃度を正確に測定することができる。ここで用いるキャリアガスとしては酸素を混合させた不活性ガス(ヘリウムガスなど)が望ましい。このようなキャリアガスを用いれば、光触媒反応における活性酸素種源としての酸素を揮発性有機化合物とともに揮発性有機化合物分解装置1に導入することができるからである。不活性ガスに対する酸素の混合割合は0.1vol%〜3vol%程度でよい。なお、コールドトラップ12で揮発性有機化合物を冷却凝集させる際、分析気体に含まれている水分も同時に冷却凝集され、冷却凝集した揮発性有機化合物を気化加熱する際、冷却凝集した水分も気化し、揮発性有機化合物分解装置1に導入されるが、このようにして導入された水分もまた活性酸素種源として機能する。
【0012】
また、好適に用いられるその他の揮発性有機化合物分解装置としては、その内部に光触媒固定部を有する部材が配設され、外光によって光触媒固定部の表面における光触媒反応を活性化する構造としたものが挙げられる。このような装置の一例の概略断面を図3に示す。
【0013】
図3に示す揮発性有機化合物分解装置21は、光透過性素材で構成された例えば筒体構造を有する。装置21において符号22はガラス管である。ガラス管22の内部には、揮発性有機化合物分解能を有する光触媒の固定部23を側面に形成した棒状部材24が筒体構造の内側壁との間に間隙が存するように配設され、導入口25から装置内に導入された分析気体が排出口26から排出されるまでの気体流路が確保されている(矢示参照)。揮発性有機化合物分解能を有する光触媒として酸化チタンを用いる場合であって、棒状部材24の材質がガラスである場合、棒状部材24の側面への光触媒固定部23の形成は、前述の方法により行えばよい。装置21においては、外光によって光触媒固定部の表面における光触媒反応を活性化するので、内部に光源を必要としないことから構造が簡単であり、消費電力の削減を図ることができる。また、光触媒固定部23を側面に形成した棒状部材24を着脱自在にすれば、その取替えが自在であるといった利点を有する。
分析気体に含まれている揮発性有機化合物の総量を測定するための装置に図3に示す揮発性有機化合物分解装置21を組み込んで揮発性有機化合物の総量を測定する場合における、その他の構成については前述の構成に従えばよい。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の揮発性有機化合物の測定方法を実施例にて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。
【0016】
(揮発性有機化合物分解装置の作成)
アセトンに酸化チタン微粒子(ST−01:石原産業社製)とヒドロキシアパタイトとポリテトラフルオロエチレンを重量比で4:2:3で添加して均一混合することで得られたエマルジョン組成物を外径11mm・内径9mmのガラス管のフッ酸処理した内側壁に塗布してから乾燥することで成膜化して光触媒固定部を形成した(光触媒固定部:有効長10cm,面積28.3cm2)。次に、その内部に外径7mm・内径5mmの石英管をガラス管の内側壁と石英管の外側壁との間に間隙が存するように配設し、石英管の内部に冷陰極管蛍光灯(FC1V36/100T4:東芝社製)を挿入して配設することで、図1に示す概略断面を有する揮発性有機化合物分解装置(但し石英管が存在する点は図1と異なる)を作成した。
【0017】
(揮発性有機化合物の光触媒による分解効率)
室内空気中における主要な揮発性有機化合物であるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、トルエン、キシレンの各々について(これらの総量が室内空気中の揮発性有機化合物の総量の90%以上を占めることが知られている)、表1に示す流速にて表1に示す濃度のものを上記の揮発性有機化合物分解装置に導入し、導入濃度(C1:ppm)と排出口における排出濃度(C2:ppm)から光触媒による分解効率(E:%)を下記の式(1)より算出した。個々の条件における実験を各々n回ずつ行ってその平均値と標準偏差とを求めた。結果を表1に示す。
【0018】
E(%)={(C1−C2)/C1}×100 ・・・(1)
【0019】
【表1】
【0020】
表1から明らかなように、いずれの揮発性有機化合物についてもppmの濃度レベルにおいて約90%以上の高い分解効率が得られることがわかった。また、別途の実験にて、これらの揮発性有機化合物から生成した二酸化炭素の濃度を非分散型赤外線分析計で測定した。このような結果から、この揮発性有機化合物分解装置を用いれば、揮発性有機化合物をほぼ完全に二酸化炭素に分解することができることがわかった。従って、分析気体に含まれていた揮発性有機化合物から生成する二酸化炭素の濃度(X:ppm)を測定することで、揮発性有機化合物の総量を下記の式(2)より二酸化炭素量(Y:μg/m3)に換算して、または下記の式(3)より炭素量(Z:μg/m3)に換算して測定することができることがわかった。
【0021】
Y(μg/m3)={(44×1000)/24}×X(ppm) ・・・(2)
Z(μg/m3)=(12/44)×Y(μg/m3) ・・・(3)
44:二酸化炭素の分子量
24:1気圧20℃における気体1モルの体積(L)
12:炭素の原子量
【0022】
表1に示される通り、揮発性有機化合物の種類によって分解効率に多少の差異が認められるが、測定精度を高めるためには分析気体に含まれていることが予想されるいずれの揮発性有機化合物についても約90%以上の分解効率が得られるように測定条件を設定することが望ましい。本実施例に従えば、揮発性有機化合物分解装置への分析気体の導入流速は、例えば、0.1L/min〜0.5L/minに設定すればよいが、分析気体にトルエンやキシレンが含まれていることが予想される場合には、これらに対する分解効率を考慮して、導入流速は0.1L/min程度とすることが望ましい。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、新規な揮発性有機化合物の測定方法および当該方法を実行するための装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 揮発性有機化合物分解装置の一例の概略断面図。
【図2】 分析気体に含まれている揮発性有機化合物の総量を測定するための装置として望ましい態様の一例の概略図。
【図3】 揮発性有機化合物分解装置のその他の例の概略断面図。
【符号の説明】
1,21 揮発性有機化合物分解装置
2,22 ガラス管
3,23 光触媒固定部
4 光源
5,25 導入口
6,26 排出口
11 二酸化炭素濃度測定装置
12 コールドトラップ
13 吸引ポンプ
14 マニホールド
24 棒状部材
Claims (9)
- 揮発性有機化合物の測定方法であって、分析気体の導入口と排出口、揮発性有機化合物分解能を有する光触媒の固定部を備え、分析気体が光触媒固定部の表面に導通された後に排出されるように気体流路が構成された筒型構造の揮発性有機化合物分解装置であって、筒型構造の内壁の少なくとも一部に光触媒固定部が形成され、その内部に光触媒固定部の表面における光触媒反応を活性化するための光源が光触媒固定部が形成された内壁との間に間隙が存するように配設され、この間隙を気体流路とした構造を有する揮発性有機化合物分解装置に分析気体を導入し、分析気体に揮発性有機化合物が含まれている場合にはこれを光触媒固定部の表面において光触媒反応により二酸化炭素に分解せしめた後、揮発性有機化合物分解装置から排出される二酸化炭素の濃度を測定することで分析気体に含まれていた揮発性有機化合物の総量を測定することを特徴とする方法。
- 揮発性有機化合物の測定方法であって、分析気体の導入口と排出口、揮発性有機化合物分解能を有する光触媒の固定部を備え、分析気体が光触媒固定部の表面に導通された後に排出されるように気体流路が構成された筒型構造の揮発性有機化合物分解装置であって、光透過性素材で構成された筒体構造の内部に光触媒固定部を側面に形成した棒状部材が筒体構造の内側壁との間に間隙が存するように配設され、この間隙を気体流路とし、外光によって光触媒固定部の表面における光触媒反応を活性化する構造を有する揮発性有機化合物分解装置に分析気体を導入し、分析気体に揮発性有機化合物が含まれている場合にはこれを光触媒固定部の表面において光触媒反応により二酸化炭素に分解せしめた後、揮発性有機化合物分解装置から排出される二酸化炭素の濃度を測定することで分析気体に含まれていた揮発性有機化合物の総量を測定することを特徴とする方法。
- 揮発性有機化合物分解能を有する光触媒が、酸化チタンであることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
- 光源が、紫外光ランプまたは可視光ランプであることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 分析気体に揮発性有機化合物と二酸化炭素が含まれている可能性がある場合、分析気体を予めコールドトラップに導入し、揮発性有機化合物が選択的に冷却凝集する温度にて揮発性有機化合物だけを濃縮することで二酸化炭素を分析気体から除去した後、冷却凝集した揮発性有機化合物を気化加熱してからこれをキャリアガスとともに揮発性有機化合物分解装置に導入することを特徴とする請求項1または2記載の方法。
- キャリアガスが、酸素を混合させた不活性ガスであることを特徴とする請求項5記載の方法。
- 揮発性有機化合物分解装置から排出された二酸化炭素の濃度を非分散型赤外線分析計に導いて測定することを特徴とする請求項1または2記載の方法。
- 分析気体の導入口と排出口、揮発性有機化合物分解能を有する光触媒の固定部を備え、分析気体が光触媒固定部の表面に導通された後に排出されるように気体流路が構成された筒型構造の揮発性有機化合物分解装置であって、筒型構造の内壁の少なくとも一部に光触媒固定部が形成され、その内部に光触媒固定部の表面における光触媒反応を活性化するための光源が光触媒固定部が形成された内壁との間に間隙が存するように配設され、この間隙を気体流路とした構造を有する揮発性有機化合物分解装置と、揮発性有機化合物分解装置から排出される二酸化炭素の濃度を測定する装置を少なくとも備えてなることを特徴とする分析気体に含まれている揮発性有機化合物の総量を測定するための装置。
- 分析気体の導入口と排出口、揮発性有機化合物分解能を有する光触媒の固定部を備え、分析気体が光触媒固定部の表面に導通された後に排出されるように気体流路が構成された筒型構造の揮発性有機化合物分解装置であって、光透過性素材で構成された筒体構造の内部に光触媒固定部を側面に形成した棒状部材が筒体構造の内側壁との間に間隙が存するように配設され、この間隙を気体流路とし、外光によって光触媒固定部の表面における光触媒反応を活性化する構造を有する揮発性有機化合物分解装置と、揮発性有機化合物分解装置から排出される二酸化炭素の濃度を測定する装置を少なくとも備えてなることを特徴とする分析気体に含まれている揮発性有機化合物の総量を測定するための装置。
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