JP4690149B2 - 分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は化学物質の分析装置に関し、特に有機化合物の分析装置に関する。
トルエンやホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)は、シックハウス症候群や化学物質化敏症等の原因や、光化学スモッグの原因となることが知られており、VOCを使用する作業現場では、VOCの排出量や、その室内濃度を監視する必要がある。
従来、大気、土壌、水中の総VOCの濃度の測定は、ガスクロマトグラフ・質量分析計(GC−MS)やガスクロマトグラフ・水素炎イオン化検出器(GC−FID)などを用いて個々の揮発性有機化合物の濃度を測定し、これを加算する方法が採られている。
しかし、VOCの種類は多岐に渡り、一般の室内でも数百種類にも及ぶ揮発性有機化合物が存在するので個々の揮発性有機化合物の濃度を測定することには大変な労力を要するとともに測定の限界もある。
このため、VOCを個別の物質として測定するのではなく、炭素数として包括的に測定する方法が知られている。これはVOCを触媒などにより二酸化炭素に分解し、かつ炭素数に比例した感度が得られるNDIRやFIDにて測定するものである。
しかしながらこれらの方法は試験室で行うもので現場にて簡易に測定できる方法ではなかったり、また分析装置が精密機器であり高価であるという欠点を有していた。
一方、現場で簡便に炭素を包括的に測定する分析系としては、光イオン検出器(PID)、熱線型半導体式センサ、高分子薄膜の膨潤に基づく干渉増幅反射法(IER法)などが知られている。
しかしながらこれらの方法は現場で簡便に測定できるものの、VOCに対する感度がその種類によって異なり、さまざまな種類のVOCが混在している場合には正確な測定結果が得られないという欠点があった。
特開2002−257811号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は簡単な設備でVOCの濃度を正確に測定することにある。
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、燃焼触媒と、前記燃焼触媒を加熱する加熱部とを有し、加熱された前記燃焼触媒が検出対象ガスに接触すると、前記検出対象ガス中に含まれる有機化合物ガスを燃焼させる燃焼装置と、細長で内部が観察可能な測定管と、前記測定管内に充填され、二酸化炭素と反応して変色する呈色剤と、前記測定管の入口側端部と前記呈色剤との間に配置された除湿剤と、前記測定管の長手方向に沿って配置され、前記呈色剤の反応した部分の長さを二酸化炭素の量に換算する目盛りとを有する透明な検知管と、前記検知管が装着される装着部と、前記装着部から一定量の気体を吸引する吸引部とを有する吸引装置と、一酸化炭素と、二酸化炭素とを吸収する除去装置とを有し、前記検出対象ガスは前記除去装置を通って前記燃焼装置に導入されるように構成され、前記燃焼触媒は白金黒であり、担体表面に付着され、前記加熱部は、前記燃焼触媒を250℃以上400℃以下の温度に加熱するように構成され、前記検知管の両端に開口が形成された状態で、前記検知管の出口側端部を前記装着部に装着し、前記入口側端部を前記燃焼装置に接続し、前記一定量の検出対象ガスを前記燃焼装置を通して前記検知管に導入し、前記除湿剤を通った前記検出対象ガスを前記呈色剤に接触させるように構成された分析装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の分析装置であって、前記加熱部は通電によって昇温し、前記燃焼触媒を加熱するよう構成された分析装置である。
請求項記載の発明は、請求項1又は請求項のいずれか1項記載の分析装置であって、前記呈色剤は、アルカリと、pHの値で変色するpH指示薬とを含有する分析装置である。
本発明の分析装置はVOCの定量、定性分析を正確に行うことができる。本発明の分析装置は、従来のVOC分析装置に比べて現場で簡易に測定可能なだけでなく、製造コストも安価である。
図1の符号1は本発明の分析装置を示しており、この分析装置1は燃焼装置10と、検知管30と、吸引装置5とを有している。
吸引装置5は細長の保持部51と、保持部51内に設けられた不図示のシリンダーと、シリンダー内に挿通されたピストン棒55と、保持部51の一端に設けられ、シリンダーに接続された装着部52とを有している。
検知管30は細長の測定管31を有している。測定管31の一端には入口が形成され、他端には出口が形成されており、検知管30の出口は装着部52に接続されている。
燃焼装置10の筐体11には導入口22aと導出口22bが形成されており、検知管30の入口は配管23を介して導出口22bに接続されている。
図1の符号2は樹脂フィルム製のバッグを示しており、バッグ2の口金は柔軟性を有する配管21によって燃焼装置10の導入口22aに接続されている。
バッグ2には検出対象ガスが密封されており、ピストン棒55をシリンダーに最も深く押し込んだ状態からピストン棒55の把持部56を引っ張り、ピストン棒55を引き出すと、シリンダー内に生成される負圧によって、検出対象ガスがバッグ2から燃焼装置10と、検知管30を通って吸引装置5に吸引される。
図2は燃焼装置10の筐体11内部を示しており、燃焼装置10は収容容器14と、酸化剤12と、加熱部13とを有している。収容容器14は細長の筒状であって、筐体11内に配置されている。酸化剤12は粒子状の担体と、担体表面に付着した燃焼触媒とからなり、酸化剤12は収容容器14内部に充填されている。
加熱部13は細長の導電体であって、収容容器14の周囲に巻き回されている。加熱部13は不図示の電源に接続されており、加熱部13に通電すると加熱部13が昇温し、収容容器14と、酸化剤12とが加熱される。
収容容器14の一端と他端はそれぞれ内部配管16a、16bを介して導入口22aと導出口22bにそれぞれ接続されており、検出対象ガスは燃焼装置10内を通過する時に収容容器14内を通る。
ここでは、検出対象ガスはVOCを含む大気で構成されている。酸化剤12の燃焼触媒は白金黒で構成されており、予め酸化剤12は加熱部13によって所定温度に加熱されているので、検出対象ガスが収容容器14内を通るときに燃焼触媒と接触し、検出対象ガス中のVOCが全て酸化され、二酸化炭素が発生する。
この時、検出対象ガスは元々大気由来の二酸化炭素を有するが、この二酸化炭素は燃焼触媒で酸化されず、検知管30には検出対象ガスに元々含まれる二酸化炭素と、VOC由来の二酸化炭素とが到達する。
また、燃焼装置10とバッグ2の間に除去装置25が設けた場合には、検出対象ガスに元々含まれる二酸化炭素は、検出対象ガスが燃焼装置10に到達する前に除去装置25で除去されるので、検知管30にはVOC由来の二酸化炭素だけが到達する。
図3は検知管30を側方から観察した平面図であり、検知管30は上述した測定管31の他に、測定管31内部に配置された検知剤35と、測定管31側壁の表面又は裏面に設けられた目盛り39とを有している。
測定管31の入口32と検知剤35の間には水分を吸収する除湿剤34が配置されている。VOCが酸化される時には二酸化炭素だけでなく水も発生するが、検出対象ガスは除湿剤34を通過する時に水分が除去される。
検知剤35は粒子状の担体と、担体表面に付着した呈色剤とで構成されており、呈色剤はpH指示薬とアルカリを含有する。pH指示薬は所定のpH値を変色点とし、変色点を超えるpHで第一の色であり、変色点以下のpHで第二の色に変色する物質であり、検出対象ガスが接触する前は、担体表面はアルカリによってpHが変色点よりも高くなっているので、pH指示薬は第一の色である。
検出対象ガスが担体と担体の間を通過する時に呈色剤と接触すると、検出対象ガス中の二酸化炭素がアルカリと反応して炭酸塩が生じる。例えば、アルカリが水酸化リチウム(LiOH)の場合は、炭酸塩として炭酸リチウム(Li2CO2)が生じる。炭酸塩は酸性なので、炭酸塩の発生によって担体表面がアルカリ性から酸性に傾き、そのpHが変色点以下になる。
担体表面のpHが変色点以下になると、pH指示薬の色、即ち呈色剤の色が第一の色から第二の色に変色する。呈色剤は検知剤35の担体表面に露出しているので、呈色剤が変色すると検知剤35の色が変色する。
検出対象ガスは入口32から出口33に向かうため、検知剤35は入口32側から徐徐に第二の色に変色し、第一、第二の色の境界が入口32側から出口33側に移動する。
吸引装置5は、シリンダー内にピストン棒55を最も深く押し込んだ状態から設定距離だけピストン棒55を引き出せるようになっており、従って吸引装置5は、その設定距離に応じた所定量(例えば100ml)の検出対象ガスをバッグ2から吸引する。
検出対象ガス中のVOC濃度が低いと、検知管30に到達するVOC由来の二酸化炭素量が少ないので、第一、第二の色の境界は検知剤35の入口32で止まるが、検出対象ガスのVOC濃度が高いと、検知管30に到達するVOC由来の二酸化炭素量が多いので、第一、第二の色の境界は検知剤35の出口33側まで到達する。
目盛り39は測定管31の検知剤35が収容された部分に、入口32側から出口33側に向かって並べられ、各目盛り39は、所定量の標準試料を吸引した時の第一、第二の色の境界に応じた位置に配置されている。
各標準試料の二酸化炭素濃度は既知であり、各目盛り39の近傍には対応する標準試料の二酸化炭素濃度に応じた数値が配置されている。
測定管31は透明なガラス管であって、測定管31内部の色の変化を観察可能になっており、第一、第二の色の境界と目盛り39とを比較し、その境界に最も近い目盛り39と、その目盛り39に付せられた数値とから、二酸化炭素濃度を読み取ることができる。
ここでは、検出対象ガスを100ml流したときに、目盛りの100の位置が二酸化炭素濃度100ppmを示し、2000の位置が二酸化炭素濃度2000ppmを示しており、この検知管30では100ppm以上2000ppm以下の範囲で二酸化炭素の濃度が分かる。
検出対象ガスに元々含まれる二酸化炭素と、VOC由来の二酸化炭素の両方が検知管30に到達する場合には、検知管30から読み取れる二酸化炭素濃度は、検出対象ガスに元々含まれる二酸化炭素の濃度と、VOC由来の二酸化炭素の濃度の合計値となる。
この場合、酸化される前の検出対象ガスの二酸化炭素濃度を測定しておき、その測定値を上記分析装置1での測定値から引けば、VOC由来の二酸化炭素濃度が分かる。
また、上述した除去装置25を設け、検知管30にVOC由来の二酸化炭素だけを到達させれば、分析装置1で読み取った二酸化炭素の測定値が、VOC由来二酸化炭素濃度となる。
尚、検知剤35と出口33の間に出口栓36を配置しておけば、除湿剤34と検知剤35は出口栓36でせき止められ、吸引装置5で吸引されても出口33側に移動しない。
この分析装置1では、バッグ2と、燃焼装置10と、検知管30と、吸引装置5は互いに分離可能になっている。
上記検知管30は検知剤35が変色すると、そのままでは繰り返しの使用ができないので、1つのバッグ2についてVOCの測定を終了し、次の測定を開始する前に検知管30を配管23と装着部52から取り外し、検知管30を吸引装置5と燃焼装置10から分離する(図4)。
図5は分析装置1に装着される前の検知管30を示しており、測定管31の両端部は溶封され、測定管31の内部雰囲気は外部雰囲気から遮断されている。従って、検知管30を使用せずに貯蔵している間は、測定管31の内部に大気が侵入せず、呈色剤や除湿剤34が劣化しない。
この検知管30を使用する時には測定管31両端部を切断し、入口32と出口33を設け、図1に示したように入口32を配管23に出口33を装着部52に装着し、検知管30の入口32を燃焼装置10の導出口22bに接続し、出口33を吸引装置5に接続する。
配管21からバッグ2の口金を取り外し、新たなバッグ2の口金を配管21に取り付け、燃焼装置10に接続し、上述した工程を繰り返せば、新たなバッグ2に密閉された検出対象ガスのVOC濃度を測定することができる。
燃焼装置10はバッグ2の交換毎に交換する必要はないが、繰り返し使用することで触媒能力が低下したら、収容容器14を導入口22aと導出口22bから分離して筐体11外部に取り出し、酸化剤12の交換を行う。
更に、除去装置25も分析装置1から取り外しが可能であり、繰り返しの使用により二酸化炭素と水分の除去能力が低下した場合には、除去装置25も交換する。
除去装置25の構成は特に限定されないが、例えば筒状の容器の内部に吸収剤が充填されたものが使用される。吸収剤はVOCを吸収又は分解せず、二酸化炭素と水を吸収するものであれば特に限定されず、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを使用することができる。
燃焼触媒や呈色剤を付着させる担体は特に限定されるものではなく、例えばアルミナ粒子、シリカゲル、ゼオライト等の種々の無機粒子を用いることができる。また、呈色剤を付着させる担体には、無機粒子の他にプラスチック粒子を用いることもできる。
燃焼触媒を付着させる担体は粒子状に限定されず、例えば金属やセラミック製の筒で担体を構成してもよい。各担体の内部に検出対象ガスを通せば、検出対象ガスは担体の一端から他端まで通過する間に、内壁表面の燃焼触媒に接触して熱分解される。
この場合、断面形状を四角形や六角形等の多角形の担体を複数本束ねていわゆる蜂の巣(ハニカム)形状にすれば、検出対象ガスが燃焼触媒と接触する接触面積が広くなり、VOCの熱分解効率が上がる。
燃焼触媒は白金黒に限定されず、白金、パラジウム、コバルト等の金属類やそれら金属類の合金等を用いることができる。
燃焼触媒の加熱温度は特に限定されないが、燃焼触媒が白金黒の場合には、250℃以上400℃以下に燃焼触媒を加熱すれば殆どのVOCを熱分解することができる。
加熱部13は燃焼触媒を加熱可能であればその形状や材質、その設置場所も特に限定されるものではなく、加熱部13の材質が検出対象ガスや燃焼触媒と反応しないものであれば、例えば酸化剤12に加熱部13を直接接触させてもよい。
呈色剤に用いるアルカリは、担体表面をアルカリ化し、二酸化炭素と反応して酸性の物質を生成するものであれば特に限定されるものではなく、水酸化リチウム以外にも、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、ヒドラジン(H2NNH2)を用いることもできる。これらのアルカリは1種類を単独で呈色剤に用いてもよいし、2種類以上を混合して呈色剤に用いてもよい。
pH指示薬としては変色が鮮明であり、変色点がpH7.0を超えるものであれば特に限定されず、そのようなpH指示薬としては例えばアリザリンイエロー、1,3,5−トリニトロベンゼン、チモールフタレイン、フェノールフタイレン、チモルブルー、クレゾールレッド等がある。
検知管30に用いられる除湿剤34は、検知物質である二酸化炭素と反応せず、また二酸化炭素を吸着もしない物質であれば特に限定されるものではなく、例えば合成ゼオライトを用いることができる。
測定管31はガラス管に限定されず、呈色剤や検知物質である二酸化炭素と反応しないものであれば、例えば透明なプラスチックチューブを用いることができる。測定管31の形状も特に限定されず、断面形状が円形や、四角形や、幅に比べて厚みが薄い平らな形状のもの等種々のものを用いることができる。
また、測定管31は全体が透明でなくても、少なくとも一部分に検知剤35の色の境界位置が見える透明な窓部を有していればよい。
本発明の分析装置1は、燃焼触媒によって熱分解可能なVOCを測定するものであり、そのようなVOCには、例えばホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼン等がある。
本発明の分析装置1はVOCが発生する場所であれば、とのような分野でも本方法を利用してVOCの濃度を測定することができる。具体的には塗装、印刷業、VOC貯蔵施設、接着、ラミネート・積層版製造業、化学薬品製造などが挙げられる。
例えば、上述した塗装、印刷業等の作業現場のVOC濃度を測定する場合には、その作業現場の空気をバッグ2に採取して密閉し、該バッグ2を分析装置1に装着する。検出対象ガスを密封する容器は樹脂製バッグに限定されず、検出対象ガスを密封可能であれば、ガラス管、プラスチックチューブ等も用いることができる。
また、検出対象ガスをバッグ2等に密封せず、分析装置1に直接作業現場のガスを吸い込んで測定を行ってもよい。
一酸化炭素を含有する検出対象ガスが燃焼装置10を通ると、VOCだけでなく一酸化炭素も酸化されて二酸化炭素になり、検知管30にはVOC由来の二酸化炭素と、一酸化炭素由来の二酸化炭素の両方が到達する。
通常、一酸化炭素濃度は無視できる程小さいが、検出対象ガスの一酸化炭素濃度が無視できない程大きい場合には、検出対象ガスを一酸化炭素を除去可能な除去装置内を通過させ、一酸化炭素を除去してから燃焼装置10へ送れば、VOC由来の二酸化炭素濃度を正確に測定することができる。
また、一酸化炭素の除去装置を通さず、一酸化炭素を含有する検出対象ガスを直接燃焼装置10へ送る場合には、検出対象ガスに元々含まれる一酸化炭素の濃度を別に測定しておき、検知管30で測定された二酸化炭素濃度の値から、別に測定された一酸化炭素濃度を引いて、VOC由来の二酸化炭素濃度とする。
一酸化炭素ガス濃度が高い検出対象ガスとしては、例えば、作業現場から大気に排出される前に燃焼除去装置で燃やされた排ガスがある。このような排ガスは、大気に放出される時のVOC濃度が基準値以下であることを上記分析装置1で確認する必要があるが、燃焼除去装置でVOCが不完全燃焼すると、VOCが残るだけでなく、一酸化炭素も発生するので、上述した方法で一酸化炭素を除去するか、別に一酸化炭素濃度を測定することが必要になる。
一酸化炭素を除去する除去装置は特に限定されないが、例えば装置内部にポプカライトやパラジウム塩等一酸化炭素を吸収する吸収剤を有するものである。この除去装置は二酸化炭素の除去装置25と別に設けてもよいし、同じ除去装置内で二酸化炭素と一酸化炭素の両方を除去するようにしてもよい。
同じ除去装置で一酸化炭素と二酸化炭素の両方を除去する場合、一酸化炭素の吸収剤と、二酸化炭素の吸収剤を、検出対象ガスが流れる方向に沿って並べて配置すれば、検出対象ガスが除去装置を通過する時に、一酸化炭素と二酸化炭素の両方が除去される。一酸化炭素の吸収剤と二酸化炭素の吸収剤の並び順は特に限定されるものではない。
また、一酸化炭素と、二酸化炭素の両方を除去せずに、いずれか一方を除去してから検出対象ガスを燃焼装置10に送ることもできる。この場合、除去装置で除去しなかった方のガスの濃度を別に測定し、検知管30で測定された二酸化炭素の濃度から、別に測定したガスの濃度を引けば、VOC由来の二酸化炭素濃度が分かる。
以下、本発明のVOCの測定方法を更に詳細に説明する。
<VOC分解装置(燃焼装置)の作製>
純水50mlにヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(関東化学(株)社のカタログNo.32256−60)を4g溶解し、これに粒子状の担体であるγアルミナ(大明工業(株)社製の商品名「TM−300」)1.5gを添加してから真空乾燥して水素置換したものを酸化触媒(酸化剤)として使用した。
これを外形5mm内径2.5mmのガラス管からなる収容容器14に充填長が5mmの長さとなるように充填し、触媒カラムとして使用した。このカラムの外部に温度調節のできる電熱ヒーター(加熱部)を設置して、触媒を任意の温度に加熱可能なVOC分解装置(燃焼装置10)を作製した。
<分解効率>
VOCとしてトルエンを含有する検出対象ガスを容易し、検出対象ガスを燃焼装置10を迂回させて直接検知管30に直接導入して二酸化炭素の濃度を測定し、導入濃度とした。
更に、同じ検出対象ガスを燃焼装置10を通過させて検知管30に導入して、二酸化炭素のVOC分解後の濃度を測定し、排出濃度とした。ここでは、カラムを通過する検出対象ガスの通気速度が約0.05ml/分、燃焼触媒の温度は250℃であった。
トルエンと、一酸化炭素については、検知管30を二酸化炭素検出用の物からそれぞれトルエン用、一酸化炭素用の物に変え、検出対象ガスを検知管30に直接導入した時の導入濃度と、燃焼装置10を通過させた後の排出濃度をそれぞれ測定した。
尚、トルエンは大気汚染の原因物質となるVOCのうち、もっとも排出量が多いと報告されている化学物質である。
測定結果を下記表1〜3に記載する。
Figure 0004690149
Figure 0004690149
Figure 0004690149
上記表1〜3と後述する表4〜7中の「ppmC」とは有機化合物の濃度(ppm)を炭素1つのメタンに換算した値である。例えばトルエン(CH365)の炭素数は7つであるから、トルエンの濃度は1ppmが7ppmCに相当する。
上記表1〜3から明らかなように、導入時に見られた700から2940ppmCの濃度のトルエンは排出時には検出されず、トルエンは燃焼触媒により全て分解されたことが確認できる。
また、一酸化炭素については導入および排出時のいずれにおいても確認されておらず、トルエンは不完全燃焼せずに完全に酸化されたことがわかる。
さらに導入および排出時における各種ガス濃度を合計したところ、導入時と排出時、すなわち触媒処理の前後でその合計濃度に大きな差のないことが確認できる。これらの結果から、導入時におけるトルエンガスは加熱した触媒によって全て二酸化炭素に分解されたことが確認できる。
<比較例>
次に、上記触媒カラムから触媒を取り除いたVOC分解装置を用いて上記表1〜3と同じ条件で試験を実施した場合の各ガスの測定結果を下記表4〜6に示す。
Figure 0004690149
Figure 0004690149
Figure 0004690149
上記表4〜6から明らかなように、二酸化炭素とトルエンと一酸化炭素の各ガス濃度は導入時と排出時において差の見られないことが確認できる。
この結果から、上記表1〜3におけるトルエンガスの二酸化炭素への分解はVOC分解装置内の燃焼触媒による酸化のためであることが確認できる。
<他の実施例>
トルエンに変え、VOCガスとしてキシレンガスを含有させた検出対象ガスを用い、上記表1〜3と同じ条件で試験を実施した場合の各ガスの測定結果を下記表7に記載する。
Figure 0004690149
キシレンを用いた場合も、トルエンを用いた場合と同様に、排出後にキシレンも一酸化炭素も検出されておらず、キシレンが分解された分だけ二酸化炭素濃度が高くなっており、トルエンと同様にキシレンも燃焼触媒により完全に酸化されることが確認された。
上記表1〜3および7の結果から、導入時と排出時の各種ガスの合計濃度にほとんど差がないことが確認できる。すなわち導入時におけるVOCは触媒処理することで全て二酸化炭素として排出口から回収できることが確認される。
従って、導入前の検出対象ガスの二酸化炭素の濃度C1と、排出後の二酸化炭素濃度C2を測定し、得られた値を下記式(1)に導入すれば、検出対象ガスに含有されるVOCの濃度Cがわかる。
式(1)……C=C2−C1 (各濃度の単位はppmCである。)
導入前の検出対象ガスの濃度は、上述したように燃焼装置10を迂回してバッグ2から直接検知管30に二酸化炭素を供給するようにしてもよいし、燃焼装置10を迂回させるのが煩雑であれば、検出対象ガスが酸化剤が加熱されていない燃焼装置10内を通過するようにしてもよい。
上述した除去装置25をバッグ2と燃焼装置10の間に設ければ、燃焼前の検出対象ガスから二酸化炭素が除去されるので、検出対象ガスのVOC濃度(単位ppmC)は、排出後の二酸化炭素ガス濃度(単位ppmC)と等しくなる。従って、除去装置25を設ければ、導入前の二酸化炭素ガス濃度を測定しなくても、導入後の二酸化炭素ガス濃度を測定するだけでVOCガス濃度がわかる。
尚、上記実施例ではVOCとしてトルエン又はキシレンのみが含有された検出対象ガスを用いたが、様々な種類のVOCを2種類以上混合した検出対象ガスでも加熱させた触媒を通気させることで二酸化炭素にまで分解することが確認されており、加熱触媒と検知管を用いることでVOC濃度を総炭素数として測定できることが確認されている。
本発明の分析装置の一例を説明する斜視図 燃焼装置を説明する断面図 検知管を説明する平面図 検知管を取り外した状態を説明する斜視図 分析装置に装着する前の検知管を説明する平面図
符号の説明
1……分析装置 2……バッグ 5……吸引装置 10……燃焼装置 13……加熱部 25……除去装置 30……検知管 31……測定管

Claims (3)

  1. 燃焼触媒と、前記燃焼触媒を加熱する加熱部とを有し、加熱された前記燃焼触媒が検出対象ガスに接触すると、前記検出対象ガス中に含まれる有機化合物ガスを燃焼させる燃焼装置と、
    細長で内部が観察可能な測定管と、前記測定管内に充填され、二酸化炭素と反応して変色する呈色剤と、前記測定管の入口側端部と前記呈色剤との間に配置された除湿剤と、前記測定管の長手方向に沿って配置され、前記呈色剤の反応した部分の長さを二酸化炭素の量に換算する目盛りとを有する透明な検知管と、
    前記検知管が装着される装着部と、前記装着部から一定量の気体を吸引する吸引部とを有する吸引装置と
    一酸化炭素と、二酸化炭素とを吸収する除去装置とを有し、
    前記検出対象ガスは前記除去装置を通って前記燃焼装置に導入されるように構成され、
    前記燃焼触媒は白金黒であり、担体表面に付着され、
    前記加熱部は、前記燃焼触媒を250℃以上400℃以下の温度に加熱するように構成され、
    前記検知管の両端に開口が形成された状態で、前記検知管の出口側端部を前記装着部に装着し、前記入口側端部を前記燃焼装置に接続し、前記一定量の検出対象ガスを前記燃焼装置を通して前記検知管に導入し、前記除湿剤を通った前記検出対象ガスを前記呈色剤に接触させるように構成された分析装置。
  2. 前記加熱部は通電によって昇温し、前記燃焼触媒を加熱するよう構成された請求項1記載の分析装置。
  3. 前記呈色剤は、アルカリと、pHの値で変色するpH指示薬とを含有する請求項1又は請求項のいずれか1項記載の分析装置。
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