JP2004294328A - 試料表面から発生するガスの超高感度分析システムおよび方法 - Google Patents

試料表面から発生するガスの超高感度分析システムおよび方法 Download PDF

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章人 下内
Kiyoshi Shimomura
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Abstract

【課題】試料表面から発生するガスを高感度で分析する。
【解決手段】流量制御装置、温度調節器、ガス採取用チャンバー、高感度ガス分析装置、ならびにそれらを接続する配管を含み、キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部が石英、パイレックス(登録商標)ガラス、セラミックスおよび光輝焼鈍材料からなる群より選択される1種またはそれ以上の材料からできていることを特徴とする、試料表面から発生するガスを超高感度で分析するためのガス分析システム、ならびに該システムを用いる超高感度ガス分析方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガス分析に関するものである。詳細には、本発明は、生体試料等から発せられるガスを高感度分析することに関する。より詳細には、本発明は、試料表面を覆い、その表面から発せられるガスを採取するためのチャンバー、および該ガス採取用チャンバーに接続された高感度分析機器から構成される高感度ガス分析システム、ならびに該ガス採取用チャンバーおよび/または該高感度ガス分析システムを用いることを特徴とする高感度ガス分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、試料から発せられるガスを分析する方法・装置は数多く存在する。特に、呼気ガス、皮膚不感蒸泄などによる生体ガス分析法として比較的高濃度に存在する酸素、炭酸ガス、一酸化窒素などにおいても種々の分析方法が確立されており、極めて多種類の製品が開発されている。しかしながら、このような局所的なガス採取法においては、例えば、呼気では口・鼻呼吸や安静呼吸、深呼吸、息こらえ呼出などの呼吸方法によりガス濃度は変動し、採取方法によりガス濃度は変動する問題があった。また、従来、経皮的ガスモニターとして、皮膚を加温しガス放出を促進させた上で酸素や炭酸ガス濃度を計測可能な装置はすでに製品化されている。また、近赤外線透過性を用いた経皮的酸素飽和度の分析技術も臨床で広く使用されるに至っている。
他方、試料から発せられるガス、特に、生体ガスのうち微量成分の分析方法は従来、ガスクロマトグラフ法やガス濃縮方法などが比較的確立した方法として知られているが、必ずしも高感度分析とは言えない。さらに高感度分析法として大気圧イオン化質量分析装置(溝上員章 著:半導体・液晶製造設備,ガス供給系のトータルクリーニング技術,クリーンテクノロジー 1999年6月号:38‐42ページ)をはじめとした高感度分析装置があげられるが、このような分析装置に対応したガス導入方法、例えば、皮膚不感蒸泄ガスの導入方法は確立されていなかった。
試料から発生するガスを高感度で分析することを目的とした試料留置用チャンバーの素材として、加工がしやすいことからアクリル樹脂やプラスチック製品などが用いられることがあるが、加熱による変性や素材自体が発生する微量化合物が高感度分析の際の問題となる。また、皮膚と密着させるために使用される粘着剤などはそれ自体が微量化合物を揮発させることから、高感度分析には不向きである(特許文献1等参照)。
以上のことから、採取成分の中に不純物が混入することなく皮膚粘膜から発するガスを一括して採取できる高感度分析に対応した装置ならびに分析方法の発明が望まれていた。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−195919
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、試料表面から発せられるガス成分、例えば生体表面から排気されるガス成分の高感度分析装置により非破壊的/非侵襲的に分析し、試料内の情報、例えば生体内の代謝情報を得ようとするものである。試料、例えば生体皮膚粘膜が発する種々の成分が含まれる生体ガスを一括または特定して、高感度分析装置(例えば、大気圧イオン化質量分析装置)に導入し、質量スペクトラムを得て、試料内の情報を解析する方法ならびにシステム、例えば、生体皮膚粘膜由来ガス診断系を開発することを課題とする。
かかる課題の解決により、試料内部の化学反応が非破壊的/非侵襲的かつ詳細に解析でき、例えば、医療面において、種々の疾患における特異的低分子化合物の探索、生体内代謝ならびに薬物代謝動態等を非侵襲的に解析することができ、皮膚粘膜由来ガス分析による臨床診断の実用化を図ることができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記事情に鑑みて、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部を平滑な表面を有する材料としたシステムを用いた場合に、バックグラウンドの極めて少ないガス分析が可能であること、よって分析装置として高感度なものを使用でき、バックグラウンドの極めて小さい高感度分析が可能であることを見出した。具体的には、試料表面を覆い、その表面から発せられるガスを採取するためのチャンバー、および該ガス採取用チャンバーに接続された高感度分析機器から構成される高感度ガス分析システム、ならびに該ガス採取用チャンバーおよび/または該高感度ガス分析システムを用いることを特徴とする高感度ガス分析方法を開発し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)流量制御装置、ガス採取用チャンバー、ガス分析装置、ならびにそれらを接続する配管を含み、キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部が石英、パイレックス(登録商標)ガラス、セラミックスおよび光輝焼鈍材料からなる群より選択される1種またはそれ以上の材料からできていることを特徴とする、試料表面から発生するガスを分析するためのガス分析システム、
(2)さらに温度調節器を備えたことを特徴とする(1)記載のシステム、
(3)該材料が光輝焼鈍材料であることを特徴とする(1)または(2)に記載のシステム、
(4)キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部を加熱することにより表面付着物をクリーニングできることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載のシステム、
(5)キャリヤガスとして高純度ガスを使用することを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載のシステム、
(6)該ガス分析装置が大気圧イオン化質量分析装置であることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載のシステム、
(7)試料が生体表面であることを特徴とする(1)ないし(6)のいずれかに記載のシステム、ならびに
(8)(1)ないし(7)のいずれかに記載のシステムを用いることを特徴とするガス分析方法
を提供するものである。
【0007】
さらに本発明は、
(9)キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部が石英、パイレックス(登録商標)ガラス、セラミックスおよび光輝焼鈍材料からなる群より選択される1種またはそれ以上の材料からできていることを特徴とする、上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のシステムまたは上記(8)記載の方法に使用されるガス採取用チャンバー、
(10)表面付着物のクリーニングが可能になるまで昇温可能な温度調節器および昇温手段を備えたことを特徴とする(9)記載のガス採取用チャンバー、
(11)該材料が光輝焼鈍材料であることを特徴とする(9)または(10)記載のガス採取用チャンバー、
(12)該ガスが生体表面から発せられるものである(9)ないし(11)のいずれかに記載のガス採取用チャンバー、
(13)(9)ないし(12)のいずれかに記載のガス採取用チャンバーを用いることを特徴とするガス分析方法、
(14)ガス貯蔵手段、流量制御装置、ガス採取用チャンバー、ガス採取手段、ならびにそれらを接続する配管を含み、キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部が石英、パイレックス(登録商標)ガラス、セラミックスおよび光輝焼鈍材料からなる群より選択される1種またはそれ以上の材料からできていることを特徴とする表面ガス採取装置、ならびに
(15)(14)に記載の表面ガス採取装置を使用することを特徴とする表面ガス採取方法
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のガス分析システムの一例を図1に示す。上述のごとく、本発明は、キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部を平滑な表面を有する材料とすることにより、高感度分析に欠かせない要件である、バックグラウンドノイズの大幅な低減を可能にするものである。
以下、図1を参照して本発明のガス分析システムにつき説明する。
【0009】
本発明のシステムは、流量制御装置2、温度調節器7、ガス採取用チャンバー4、ガス分析装置11、ならびにそれらを接続する配管10を含むものである。さらに、キャリヤガスから水分や低分子化合物等を除去する吸着剤3を分析に要求される感度レベルに応じて、流量制御装置2とガス採取用チャンバー4との間に設置してもよい。
【0010】
本発明のシステムにおいて、キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部は平滑な表面を有する材料からできている。キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する部分に対する平滑な表面の割合は、分析すべき試料、要求される感度、キャリヤガスの種類、流速等の分析条件により適宜変更することができる。これらの平滑な表面を有する材料は試料や試料からのガスあるいはキャリヤガスと化学反応を起こしにくく、かつ素材そのものからの遊離化合物が少ないものが本発明のシステムに好ましい。平滑な表面を有する材料を適用すべき部分としては、例えば、配管10、流量制御装置2、ガス採取用チャンバー4、吸着剤保持手段3の一部または全体が平滑な表面を有する材料でできていてもよい。上記条件を満たす表面を有する材料としては、石英、パイレックス(登録商標)ガラス、セラミックス、および光輝焼鈍材料(例えば、ステンレスSUS316またはSUS318を電解研磨したもの)等が挙げられる。例えば、ステンレスを光輝焼鈍処理した場合、処理表面に酸化皮膜が生成して平滑化されることがわかっている。分析試料、分析感度、分析条件等に応じてこれらの材料を1種またはそれ以上を組み合わせて使用することができる。このように表面が平滑な材料を使用することにより、バックグラウンドの極めて少ない高感度分析が初めて可能となったのである。その理由の1つとしては、表面平滑化による不純物付着の抑制が考えられる。
【0011】
キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部を加熱して、表面付着物をクリーニングできるようにしてもよい。このような加熱温度および時間等はクリーニングや分析の目的により様々であるが、当業者はかかる加熱条件を選択し、あるいはかかる加熱のための手段を選択することができる。
【0012】
キャリアガス1の供給手段は種々あるが、市販のボンベが一般的である。キャリアガス1の種類は、試料と反応せず、高純度でバックグラウンドとして低レベルなものであればいずれの気体であってもよい。例えば、空気であってもよく、あるいはアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスも好ましく使用できる。好ましくは、キャリヤガスとして高純度ガスを使用する。高純度ガスは99.9995%以上のグレードのもの、または同等以上のものから作成した人工混合ガスを使用するのが望ましい。その種類は高純度ヘリウム、高純度空気等があるが、特に生体試料を分析する場合において、特別な目的(例えば嫌気性条件、高酸素状態)以外は、通常は高純度人工空気を用いる。各種/各グレードのガスがボンベ等に入れて市販されており、分析試料、分析感度等に応じて使用することができる。流量または流速は処理すべき試料の種類および量ならびに処理温度等に左右される。例えば、分析装置11として大気圧イオン化質量分析装置を用いる場合は、キャリアガスは正イオン負荷モードであれば高感度アルゴンを、負イオン負荷モードであれば高純度人工空気を通常用いる。
【0013】
図1において配管10が分岐しており、キャリヤガス1が二分され、その一方は流量制御装置2および吸着剤3(存在してもよい)を通ってガス採取用チャンバー4に至り、試料から発せられるガスと混合されて分析装置11に至る。もう一方は流量制御装置2および吸着剤3(存在してもよい)を通って分析装置11に至る。すなわち、後者の経路は、試料側の経路からのガスを分析装置の種類や感度に応じて希釈するためのものであるため、必要な場合に設置すればよい。
【0014】
流量制御装置2は高純度ガス用のものが望ましい。キャリヤガスと接触する表面の一部または全部が上記の平滑な材料でできているものが好ましい。流量制御装置の例としてはマスフローコントローラーが挙げられるが、これに限られるものではない。流量制御装置2としては浮子式マスフローコントローラーが一般的であるが、これを用いる場合には配管10や接続器具(図示せず)の材料の一部または全体が上記平滑表面を有する材料でできてきることが好ましい。接続器具としては半導体製造分野で使用されているものを使用するのが望ましい。
【0015】
吸着剤3は、分析に要求される感度レベルに応じて高純度キャリヤガスから水分や低分子化合物などの不純物を除去するために使用してもよい。一般的には、吸着剤3は保持手段(例えば保持管)に充填され、配管10により接続される。吸着剤3の例としてはモレキュラーシーブズが挙げられるが、これに限るものではない。モレキュラーシーブズは各種のものが市販されており、目的や用途に応じて適宜選択可能である。その設置位置はマスフローメーター2とガス採取用チャンバー4との間が適当である。
【0016】
ガス採取用チャンバー(以下、単に「チャンバー」と称することもある)4の開口部5を試料表面に密着させ、チャンバー4にキャリアガスを送り込んでガスの採取および分析を行なう。試料とチャンバーとの間の密着を促進するために、チャンバーと同じ材料あるいはチャンバーとは異なる材料でできた縁(図示せず)をチャンバー開口部周囲に設けてもよい。縁の材料としては石英、パイレックス(登録商標)ガラス、セラミックス、および光輝焼鈍材料(例えば、ステンレスSUS316またはSUS318を電解研磨したもの)等が挙げられる。ガス採取用チャンバー4も、やはりキャリヤガスと接触する表面の一部または全部が上記の平滑な材料でできているものが好ましい。チャンバーの形状・大きさは試料あるいは検体に応じたものであればよく、任意である。チャンバー内の汚染除去等の観点から、構造は単純なものが好ましい。したがって、例えば、円筒形や半球状のような単純な形状であることが望ましい。例えば、聴診器のような形状として使用することもできる(具体例を図2aに示す)。また、配管10がチャンバーを兼ねた形態となっており、配管10の一箇所に適当な大きさおよび形状の穴を開けて、試料表面、例えば皮膚表面にてこの穴を覆うようにしてもよい(具体例を図2bに示す)。チャンバー4の周囲に、温度調節器7に接続されたヒートブロック、コイル状ヒーター、セラミックヒーター、ウォーターバス等の加熱手段8および/または電子冷却手段、コイル状冷却手段、アイスバス等の冷却手段8を設置し、チャンバー内の熱センサー(図示せず)により温度を検知しながら目的の温度になるよう、あるいは目的の温度変化が得られるように制御してもよい。温度調節手段は、試料6の形状、種類、含有成分、量、キャリアガス1の種類、流速、流量等の因子により加熱を制御する。温度制御はプログラム温度制御によるものが好ましい。プログラム温度制御の形態は様々であるが、例えば、自動制御シーケンスにより実現されるものであってもよい。かかる温度調節器、加熱手段、冷却手段、熱センサーは公知であり種々のものが市販されており、分析の目的に応じて適宜選択できる。加熱手段および/または冷却手段7によるガス採取用チャンバー4の加熱および/または冷却の態様は様々であるが、加熱手段および/または冷却手段8の形状はチャンバー外周を十分に覆うものであることが好ましい。特に、本発明のシステムにおいて生体関連試料を分析する場合、低融点、低沸点の成分が多いことから、昇温範囲は約35℃から約350℃までで済むため、さらに多種多様なものが使用できる。本発明のシステムのチャンバー4を生体の皮膚または粘膜表面に直接適用する場合には、チャンバー内部の温度を25〜38℃としてガス採取するのが一般的であり、あるいは温度調節せずに室温にてガス採取を行なうこともできる。ガス採取用チャンバー4にはキャリヤガス1の流入口と、還流したガス(キャリヤガスおよび試料から発せられたガス)の流出口を設ける。また、ガス採取用チャンバー4内面に付着した脂質や有機化合物などを加熱によりクリーニング(例えば、熱脱離あるいはベーキングによる表面付着物の脱離)ができるように、ガス採取用チャンバー内を加熱(例えば、約350℃程度まで)できるようにしてもよい。その場合の目的に合致した加熱手段、温度調節器、熱センサーは当業者によく知られている。さらに、チャンバー4の前にガス加熱用ヒーター9を設けて、チャンバー4に流入するキャリアガス1の温度をチャンバー4内部の温度と同じにして分析精度を向上させることもできる。ガス加熱用ヒーター9の型・種類は当業者に公知であり、適宜選択可能である。
なお、分析目的、用途あるいは試料の種類等に応じて温度調節器7、加熱手段8および/または冷却手段8、ならびにガス加熱用ヒーター9を装備することは任意である。
【0017】
試料または検体の種類に応じて、ガス流出口にはステンレスメッシュなどのようなフィルターを置き、試料の微粉末や毛髪、繊維などなどが分析装置内に入らないようにしてもよい。
また、チャンバー4を使用しない間、埃などによるチャンバー内部の汚染を防止するために蓋(図示せず)をチャンバー4に設けてもよい。蓋の材質は当業者が任意に選択できる。
【0018】
なお、試料の高感度分析を行う際には、雰囲気中の微量成分をガス採取用チャンバー内へ巻き込み、高純度ガス還流によるチャンバー内の洗い出しに時間がかかる場合もある。分析時間の短縮や試料の雰囲気による汚染を防止するため、同種の高純度ガスを還流できる大きいチャンバー内にガス採取用チャンバーを置くか、あるいはエアシャワーなどにより同種高純度ガスをガス採取用チャンバー内へ吹きかけながら試料表面を接触させることにより、分析時間の短縮化を図ることができる。
【0019】
試料6はそれ自体ガスを発するものであれば大きさ・形状はいずれのものであってもい。典型的には試料6は固体または半固体である。固体または半固体試料としては、例えば、皮膚表面または粘膜表面のような生体、果実・野菜等の食品、木材(例えば、建材等)、あるいは固体培地上の細胞などが挙げられ、試料自体ガスを発生するものであればいかなる種類の試料であってもその表面にチャンバー開口部5適用することができる。また、液体試料の場合にも、液表面に本発明のチャンバーの開口部5をかぶせるようにしてガス分析を行なうことができる。液体試料としては、例えば、血漿や尿、髄液、唾液、種々の細胞培養物などの液体試料のみならず全身の組織片などの種々の生体試料、ならびに土壌試料、河川・湖沼・海水試料、ジュース等の食品などが挙げられ、試料自体ガスを発生するものであればいかなる種類の試料であっても適用することができる。なお、ガスには水蒸気も含まれ、試料の水分含有量も測定可能である。
【0020】
本発明の高感度ガス分析システムの適用例を以下に説明する。
まず、医療面における利用が考えられる。生体表面から発せられるガス成分、特に、不感蒸泄する特定の微量ガス成分を本発明のシステムにより高感度分析することにより、その特定ガス成分を指標として特定の疾患の有無あるいは進行状況等を診断することができる。例えば、肝不全(特に肝性昏睡)の場合、皮膚表面から発生するアンモニアの量が健康な人と比べて多いと考えられるので、本発明の高感度ガス分析システムを用いて皮膚表面から発生するアンモニアを高感度分析することにより肝不全の重症度(高アンモニア血症)病を診断することができる。本発明のシステムは特定の薬剤を投与した後の薬剤モニタリングにも使用できる。さらに、特定の疾病に関連した未知物質の検索にも利用可能である。薬物中毒の診断あるいは犯罪捜査にも本発明の高感度ガス分析システムを用いることができる。本発明のチャンバーは小型軽量化を図ることが可能であり、可搬性であり、生体の多くの部分に手軽に適用できるので、例えば、学校等での集団検診にも有用である。
また、食品に本発明の高感度ガス分析システムを適用すれば、食品の鮮度、成熟度、腐敗度などを非破壊的に分析することもできる。
さらに環境モニターにも本発明の高感度ガス分析システムは有用である。建材表面に本発明の高感度ガス分析システムを適用して、建材表面から発生する有害成分、例えばホルマリンを分析してもよい。さらに、湖沼水や海水表面に本発明の高感度ガス分析システムを適用して汚染度などを分析することもできる。
あるいはまた、本発明の高感度ガス分析システムを美容面に応用することもできる。例えば、肌のうるおい(水分)をチェックすることもできるし、皮膚表面から発せられる加齢臭をモニターすることもできる。
もちろん、本発明の高感度ガス分析システムの適用例は上記のものに限定されるものではない。
【0021】
本発明の高感度ガス分析システムにおいて高感度分析装置11を使用することにより、微量な特定ガス成分であっても分析することができる。本発明の高感度ガス分析システムによる分析感度はppbオーダー、好ましくはpptオーダー、さらに好ましくはppqオーダーとすることができ、ガス成分の超高感度分析を実現することができる。なお、分析に際して、既知濃度の標準物質を用いて検量線を得ておくことが好ましい。
【0022】
本発明のシステムは上述のごとく、試料から発せられたガスを分析、詳細には高感度分析するためのものであるが、試料から発せられるガスは、常温常圧において試料から自発的に、例えば、生体試料の場合には代謝の結果として発せられるガスであってもよく、ガス採取用チャンバーを加熱あるいは減圧する等の処理により強制的に試料から得られるガスであってもよい。
【0023】
本発明のシステムの配管10は、その内面の一部または全体が平滑なもの、例えば上記材料でできているものが好ましい。さらに配管は加工しやすいものが好ましい。ガス流路の回路を極力単純化し、洗浄を容易にし、汚染に対する対策を容易化することも好ましい。例えばステンレスSUS316を電解研磨するなどして内面の平滑化をはかりチャンバー内面への不純物付着を防止してもよい。必要に応じ、配管系の一部または全てに加熱手段および/または冷却手段(図示せず)を設けてもよい。例えば約350℃まで昇温可能な加熱手段を装備し(例えばヒーターを巻く)、高純度ガスを長時間流しすことにより配管内面に付着した不純物の加熱クリーニング(例えば、加熱脱離処理)を行うことも好ましい。
【0024】
なお、試料分析の要求度が低くてもよい場合には、本発明のガス分析システムの一部、例えば配管系ならびにチャンバー等の材料を、それ自体からの不純物ガスの放出が少なく、かつ表面への不純物の付着が少ない材料、例えば、銅管、フッ化樹脂などとしてもよい。
【0025】
試料から発せられたガスはキャリアガス1により分析装置11に輸送される。分析装置11としては高感度分析装置が望ましい。分析装置11の感度に応じて、分析装置11に入る前に希釈が行なわれてもよい。分析装置11としては質量分析装置、ガスクロマトグラフィー装置等が当該分野において知られているが、近年、様々な高感度分析装置が開発されている。これらの高感度分析装置を使用することにより、導入試料のさらなる微量化をはかることができる。例えば、大気圧イオン化質量分析装置(APIMS)(例えば、栗山克巳、蓮見啓二、小池譲治 著、クリーンテクノロジー、p51−52、9月号、1997年に記載のUG‐410型大気圧イオン化質量分析装置)が近年使用されるようになり、超高感度分析が可能となっている。大気圧イオン化質量分析装置は本発明のガス分析装置として好ましいものの1つである。大気圧イオン化法は、イオン化室が大気圧に保たれているため導入試料濃度が、真空系を用いる熱電子によるイオン化法(EI)よりも高くできる。また、キャリアガスとのイオン分子反応を利用することにより、イオン再結合エネルギーやプロトン親和力が低い物質を選択的に高効率でイオン化できるため、従来の気体成分検出法のなかで、最も高感度な検出法の一つとして知られている。したがって、本発明の1の態様において、本発明のシステムに高感度ガス分析装置、例えばAPIMSを用いて、微量試料の高感度分析を行なうことができる。
【0026】
本発明は、上記システム、特に上記チャンバーを用いることを特徴とするガス分析方法、特に、高感度ガス分析方法にも関する。
【0027】
さらに、上記材料・手段・装置から構成された表面ガス採取装置およびそれを用いたガス採取方法も本発明に包含される。すなわち、ガス貯蔵手段、流量制御装置、ガス採取用チャンバー、ガス採取手段、ならびにそれらを接続する配管を含み、キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部が石英、パイレックス(登録商標)ガラス、セラミックスおよび光輝焼鈍材料からなる群より選択される1種またはそれ以上の材料からできていることを特徴とする表面ガス採取装置が本発明により提供される。上記表面ガス採取装置を小型軽量化して携帯用としてもよい。その具体例を図3に示す。例えば高純度ガスを貯蔵手段21(例えば小型カートリッジ、小型高圧ボンベ等)に充填したものを小型軽量化した流量制御装置22、吸着剤23、表面ガス採取用チャンバー24、ガス採取用手段25(例えばテドラーバッグなど、もしくは吸着管カートリッジやコールドトラップ管など)を対象ガスの高感度分析の要求水準に対応した配管系28で接続すれば携帯用表面ガス採取装置として使用できる。小型軽量化のために、ガス貯蔵手段21、流量制御装置22、吸着剤23および表面ガス採取チャンバー24を直結してもよい。ガス採取用手段25の入口および出口にコックまたはキャップ26を設けてガス採取用手段25へのガス導入および分析装置への接続を行なうことができる。このような表面ガス採取装置により、種々の皮膚部位のガス採取が可能となり、また、建材表面、食品表面、死体皮膚表面など種々のフィールドや状況における試料表面からの遊離ガスの採取ならびに分析が可能となる。
また本発明はかかる表面ガス採取装置を使用することを特徴とする表面ガス採取方法にも関する。
【0028】
【実施例】
以下の比較例および実施例により本発明をさらに具体的かつ詳細に説明する。たたし、実施例は本発明を限定するものではない。
【0029】
実施例1
実験装置の概略は図1の装置から7温度調節器および加熱手段/冷却手段8ならびに吸着剤3を除いたものであった。本実験に際しては、SUS316を電解研磨した材料からできているディッシュ(内径52mm、深さ12、内容積25ml)をガス採取用チャンバーとして用い、その2個所に穴をあけ、ガス配管としてSUS316を電解研磨したもので両端をガス流量計と大気圧イオン化質量分析装置(日本エイピーアイ社製、API―110)に接続し、チャンバーから遊離する揮発性成分を大気圧イオン化質量分析装置で分析した。すべての配管は(その内面も)SUS316を電解研磨したものであった。キャリアガスとして高純度アルゴン(太陽東洋酸素社製、U−grade)を使用した。なお、チャンバーへの還流流量を容積25mlに対し50mL/分とした。APIMSの分析条件はドリフト電圧−33.0V、SEM電圧−1500V、放電電流1.0μA(正イオン負荷モード)で、検出上限電流を10−7Aと10−12Aの2回に分けて質量荷電比3〜200を45秒かけスキャンした。したがって、1周期に90秒かけ、連続的に質量スペクトラムをモニターした。また、チャンバー内流入ガス温度は25℃に設定した。高純度アルゴンを本発明によるチャンバーを通した状態では、APIMSモードではアルゴンのピークがm/z=40(Ar)、80(Ar2)等を中心に検出されたが、その他の不純物も不可避的に若干検出されるのみでほぼチャンバー内はクリーンに保たれていた(図4A)。以上のように本発明のシステムは微量な生体ガスの高感度分析に適していることが明らかとなった。
【0030】
比較例1
従来から、試料から発生するガスを高感度で分析することを目的とした試料留置用チャンバーの素材として、加工がしやすいことからアクリル樹脂やプラスチック製品などが用いられることがあるが、この中には可塑剤など種々の化合物が添加されているため、高感度分析用の素材としては望ましくないことが考えられた。
そこで、本発明の比較実験として、実施例1で説明した実験装置において、ガス採取用チャンバーの材料をSUS316を電解研磨したものからプラスチック(FALCON(登録商標) 353002 60x15mm polystyrene nonpyrogenic Tissue Culture Dish)に変更したもの用いて実験を行なった。
本実験に際しては、プラスチック製ディッシュ(内径52mm、深さ12、内容積25ml)の2個所に穴をあけ、ガス配管としてシリコンチューブで両端をガス流量計と大気圧イオン化質量分析装置(日本エイピーアイ社製、API―110)に接続し、チャンバーから遊離する揮発性成分を大気圧イオン化質量分析装置で分析した。キャリアガスとして高純度アルゴン(太陽東洋酸素社製、U−grade)を使用した。なお、チャンバーへの還流流量を容積25mlに対し50mL/分とした。APIMSの分析条件はドリフト電圧−33.0V、SEM電圧−1500V、放電電流1.0μA(正イオン負荷モード)で、検出上限電流を10−7Aと10−12Aの2回に分けて質量荷電比3〜200を45秒かけスキャンした。したがって、1周期に90秒かけ、連続的に質量スペクトラムをモニターした。また、チャンバー内流入ガス温度は25℃に設定した。プラスチック製チャンバーではm/z=40、80はほぼ消失し(他の化合物によりArの荷電Hが消費される)、m/z=50〜150の範囲でイオン強度が低いながらも明かにバックグラウンドを超えるピークが多数認められた(図4B)。データには示さないが、高純度ガスを用いず、配管系もクリーン化を配慮しないとさらに多くの不純物が混ざり、高感度分析には適さない。
【0031】
実施例2:皮膚不感蒸泄ガスの分析
実際にチャンバー(実施例1で使用したもの)を手掌で雰囲気が入らないように覆い、手掌から遊離する低分子化合物を大気圧イオン化質量分析装置(日本エイピーアイ社製、API―110)を用いて分析した。実験装置の概略および使用チャンバーは実施例1と同様であった(図1参照)。キャリアガスとしては高純度アルゴン(太陽東洋酸素社製、U−grade)を用い、希釈用キャリアガスと還流用キャリアガスは共に50mL/分となるようにマスフローコントローラー(エステック社製、SEC−4400M)で調節し、両者を混合し、高感度分析装置に導入した。ガス配管にはSUS316を電解研磨したものを用いた。チャンバー内還流ガス温度は25℃で維持した(小池精密機器製作所、Model TC−01)。APIMSの分析は比較実験と同じ条件で実施した。高感度分析にあたって、チャンバー内に不純物を多く含んだ雰囲気を15分間十分洗い出した。その後、高純水流水下において薬用石鹸を用いて手掌をブラッシングする前の手掌皮膚から発生するガス成分の質量分析を行い(図5A)、次いで、手掌をブラッシングした後、乾燥させた手掌皮膚から発生するガス成分の質量分析を行った(図5B)。各質量数について、図5Bから図5Aのイオン強度を差し引くと洗浄により洗い流された皮膚成分が計算できる(図5C)。これにより、手洗い前後いずれも水和クラスターを含む極めて多くの低分子化合物が検出でき、さらに洗浄により皮膚表面における揮発成分の除去も定量的に評価できることが判明した。これにより、手洗い前後いずれも水和クラスターを含む極めて多くの低分子化合物が手掌から検出できることが判明した。従来のシステムでは不純物が多く、かつ、安定したチャンバー内面のクリーン化を行うことが困難なため、今回の実施例のような検討は容易ではない。
【0032】
実施例3:皮膚不感蒸泄ガスと呼気の対比
高純度ガスを吸入中の同一被験者で、その呼気ガスを大気圧イオン化質量分析装置で質量分析した後、さらに実施例2と同様の装置を用い皮膚不感蒸泄ガスの質量分析を行った。被験者はマウスピースを介して高純度人工空気を安静で換気し、その間の呼気をハイパークリーン化した呼吸回路を経て、呼気を大気圧イオン化質量分析装置に導入し、負イオンモードで呼気の質量分析を行った。引き続き、実施例2と同様にして手掌皮膚の不感蒸泄ガスを採取し、大気圧イオン化質量分析装置の負イオンモードで質量分析を行った。図6に示すように、呼気と皮膚ガスで検出された各質量数(3〜200)におけるイオン強度を対比プロットしたところ、大部分の質量数において、呼気と皮膚ガスのイオン強度はほぼ等しく、リニアに出現していた。このことから、呼気と皮膚ガスでは大部分の組成が等しいことが推察された。また、呼気と手掌にはそれぞれ特有の化合物が存在することも示唆された。このような実施例の検討は従来のような高感度分析に対応しないシステムで検討するのは容易ではない。また、このようなデータは従来報告されたことのないものである。
【0033】
【発明の効果】
(1)不純物の抑制および超高感度分析:適当な加熱手段を設けてガス採取用チャンバーを加熱することにより、その内面から不純物付着を遊離させ、クリーン化することができる。また、内面を平滑なもの、例えば電解研磨した材料にすると不純物の付着が抑制され、また、付着しても上述のごとくチャンバーを加熱して、加熱クリーニングする(例えば、熱脱離により不純物を遊離させる)ようにすれば、繰り返し使用でき、さらに細菌やウイルスの繁殖を抑制する等の加熱殺菌効果を得ることもできる。このようなクリーン化と、高感度分析装置、例えば大気圧イオン化質量分析装置の使用により、微量ガス成分の超高感度分析が可能となる(ppqオーダーの分析も可能)。
(2)良好な温度制御:加熱手段および/または冷却手段をガス採取用チャンバー周囲に置いた場合、試料に対する温度調節は極めて容易かつ良好となる。
(3)非侵襲的な分析:ガス採取用チャンバーの大きさ・形状を適切に選択し、試料表面に適用することにより、試料を全く侵襲することなく、排気された成分を分析することもできる。このことは、患者への適用の際、患者に負担をほとんどかけないという利点となる。
(4)容易な保守:ガス流路の回路を極力単純化し、内面平滑な素材を用いた場合、汚染に対する対策は非常に簡単なものとなる。例えば、加熱脱離や流水等の物理的洗浄で済む。または有機溶媒(例えばアセトン)を浸したベンコット(小津産業株式会社)などで内面を拭い取った後、加熱脱離により溶媒を除去すればよい。高感度質量分析で観察する限り、以上の方法で不純物のほとんどは除去可能であった。
(5)加熱滅菌が可能:チャンバーや配管に加熱手段を設けて加熱脱離により細菌やウイルスの繁殖を抑制することができる。
(6)多目的な応用:装置の大きさや形状を変えれば、バクテリアに始まり植物や動物の種を問わず留置可能で、生物体の発生するガスを一括して高感度分析に導入することが可能である。また、培養細胞の発生するガス状化合物も培養液面を介して分析することも可能である。生体試料のみならず、エネルギー資源の探索、環境汚染や犯罪捜査、食品の鮮度・腐敗などの試料も非破壊的にすることが可能であり、種々の分野での用途が考えられ、応用範囲が極めて広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス分析システムの一例を示すスキームである。
【図2】本発明のガス採取用チャンバーの具体例を示す図である。aは聴診器型チャンバーの具体例、bは配管の一部に穴を設けた具体例を示す。
【図3】本発明の表面ガス採取装置の一例を示す。
【図4】本発明のシステムのガス採取用チャンバーとしてSUS316を電解研磨した材料でできたディッシュを用いた場合(A)と、プラスチック製ディッシュを用いた場合(B)のバックグラウンドノイズおよび不純物の発生を比較したAPIMSスペクトル分析の結果を示す図である。
【図5】チャンバー内に不純物を多く含んだ雰囲気を15分間十分洗い出した。その後、高純水流水下において薬用石鹸を用いて手掌をブラッシングする前の手掌皮膚から発生するガス成分の質量分析を行った場合(A)、次いで、手掌をブラッシングした後、乾燥させた手掌皮膚から発生するガス成分の質量分析を行った場合(B)のAPIMSスペクトル分析の結果を示す図である。
【図6】同一被験者でマウスピースを介して高純度人工空気を安静で換気し、その間の呼気と手掌皮膚からガスを同時に採取し、大気圧イオン化質量分析装置の負イオンモードで質量分析を行い、呼気と皮膚ガスで検出された各質量数(3〜200)におけるイオン強度を対比プロットした図である。
【符号の説明】
1 キャリアガス
2 流量制御装置
3 吸着剤(保持管を含む)
4 ガス採取用チャンバー
5 ガス採取用チャンバー開口部
6 試料
7 温度調節器
8 加熱手段および/または冷却手段
9 ガス加熱用ヒーター
10 配管
11 分析装置
21 ガスボンベ
22 流量制御装置
23 吸着剤
24 表面ガス採取用チャンバー
25 ガス採取用手段
26 コック
27 試料表面
28 配管

Claims (15)

  1. 流量制御装置、ガス採取用チャンバー、ガス分析装置、ならびにそれらを接続する配管を含み、キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部が石英、パイレックス(登録商標)ガラス、セラミックスおよび光輝焼鈍材料からなる群より選択される1種またはそれ以上の材料からできていることを特徴とする、試料表面から発生するガスを分析するためのガス分析システム。
  2. さらに温度調節器を備えたことを特徴とする請求項1記載のシステム。
  3. 該材料が光輝焼鈍材料であることを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
  4. キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部を加熱することにより表面付着物をクリーニングできることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシステム。
  5. キャリヤガスとして高純度ガスを使用することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシステム。
  6. 該ガス分析装置が大気圧イオン化質量分析装置であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシステム。
  7. 試料が生体表面であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシステム。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシステムを用いることを特徴とするガス分析方法。
  9. キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部が石英、パイレックス(登録商標)ガラス、セラミックスおよび光輝焼鈍材料からなる群より選択される1種またはそれ以上の材料からできていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシステムまたは請求項8記載の方法に使用されるガス採取用チャンバー。
  10. 表面付着物のクリーニングが可能になるまで昇温可能な温度調節器および昇温手段を備えたことを特徴とする請求項9記載のガス採取用チャンバー。
  11. 該材料が光輝焼鈍材料であることを特徴とする請求項9または10記載のガス採取用チャンバー。
  12. 該ガスが生体表面から発せられるものである請求項9ないし11のいずれか1項に記載のガス採取用チャンバー。
  13. 請求項9ないし12のいずれか1項に記載のガス採取用チャンバーを用いることを特徴とするガス分析方法。
  14. ガス貯蔵手段、流量制御装置、ガス採取用チャンバー、ガス採取手段、ならびにそれらを接続する配管を含み、キャリヤガスまたは試料からのガスに接触する表面の一部または全部が石英、パイレックス(登録商標)ガラス、セラミックスおよび光輝焼鈍材料からなる群より選択される1種またはそれ以上の材料からできていることを特徴とする表面ガス採取装置。
  15. 請求項14記載の表面ガス採取装置を使用することを特徴とする表面ガス採取方法。
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